JPH07216165A - 耐擦傷性塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents

耐擦傷性塩化ビニル樹脂組成物

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JPH07216165A
JPH07216165A JP713294A JP713294A JPH07216165A JP H07216165 A JPH07216165 A JP H07216165A JP 713294 A JP713294 A JP 713294A JP 713294 A JP713294 A JP 713294A JP H07216165 A JPH07216165 A JP H07216165A
Authority
JP
Japan
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vinyl chloride
inorganic powder
resin composition
chloride resin
scratch
Prior art date
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Pending
Application number
JP713294A
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English (en)
Inventor
Kiyotaka Arai
清隆 新井
Takao Hayashi
孝雄 林
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】透光性が高くかつ表面硬度の高い塩化ビニル樹
脂組成物を得る。 【構成】ポリ塩化ビニルを主成分とする樹脂と、モース
硬度が4以上かつ樹脂との屈折率差が0.1以下かつ粒
子のアスペクト比が5以下である無機粉末からなり、樹
脂と無機粉末の合計量に対して無機粉末が20〜70重
量%である耐擦傷性塩化ビニル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐擦傷性塩化ビニル樹
脂組成物に関し、特に透光性に優れた耐擦傷性塩化ビニ
ル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、塩化ビニル樹脂にガラス繊維
や炭酸カルシウムを配合した組成物は知られている。し
かし炭酸カルシウムの場合は、成形物の表面硬度が低く
また透光性も低い。またガラス繊維の場合は、透光性は
高いが成形物の表面硬度が低く傷がつきやすい。したが
って、高い透光性を有し、かつ傷のつきにくい塩化ビニ
ル樹脂組成物は知られていない。
【0003】一方、耐擦傷性を付与するために、アクリ
ル系またはシリコン系のハードコートが公知である。し
かしこのハードコートは、架橋樹脂であるため熱曲げ加
工ができず、また特別な設備を必要とし製品のコストを
引き上げ好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透光
性が高くかつ表面硬度の高い塩化ビニル樹脂組成物を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリ塩化ビニ
ルを主成分とする樹脂と、モース硬度が4以上かつ樹脂
との屈折率差が0.1以下かつ粒子のアスペクト比が5
以下である無機粉末からなり、樹脂と無機粉末の合計量
に対して無機粉末が20〜70重量%である耐擦傷性塩
化ビニル樹脂組成物を提供するものである。
【0006】本発明のポリ塩化ビニルを主成分とする樹
脂は、特に制限されず塩化ビニル単独重合体、塩化ビニ
ルとコモノマーとの共重合体を使用することができる。
コモノマーとしてはエチレン、プロピレン、酢酸ビニ
ル、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル等が使用でき
る。成形性と耐衝撃性を両立するために、平均重合度1
000以下の塩化ビニル共重合体が好ましい。樹脂成分
として、上記塩化ビニル単独重合体または共重合体以外
のものを含んでいてもよい。塩化ビニル単独重合体また
は共重合体の含有量は、樹脂成分の50重量%以上、よ
り好ましくは8090重量%以上が好ましい。
【0007】樹脂のメルトフローレート(170℃,
3.8kg)は0.5g/10分以上であることが好ま
しい。メルトフローレートが0.5未満であると組成物
の粘度が高くなり、成形が困難になるので好ましくな
い。
【0008】無機粉末としては、その屈折率が樹脂の屈
折率に近接していることが必要である。屈折率の差とし
ては0.1以下である必要がある。0.1以上であると
高い透光性が得られない。またそのモース硬度は4以上
であることが必要である。4未満であると高い耐擦傷性
が得られない。このような無機粉末としては、シリカ、
ガラス、霞石などが好適である。シリカについては屈折
率が塩化ビニル樹脂に近いことから特に石英などの結晶
質のシリカが好ましい。
【0009】無機粉末の平均粒子径は1〜50μmであ
ることが好ましい。1μm以下であると粘度が高くな
り、特に高充填組成物の場合に成形が困難になり、また
透光性も低下するので好ましくない。50μm以上であ
ると強度特に衝撃強度が低下するので好ましくない。樹
脂と無機粉末の配合割合は、樹脂と無機粉末の合計量に
対して無機粉末が20〜70重量%が好ましい。20重
量%未満であると耐擦傷性が付与できない、また70重
量%を超える場合は、成形が困難となりかつ強度、透光
性ともに低下し好ましくない。
【0010】本発明の樹脂組成物は、2mm厚に成形し
た場合に、可視光の光線透過率が30%以上であること
が好ましい。光線透過率は50%以上である場合はより
好ましい。
【0011】本発明の塩化ビニル樹脂組成物には必要に
応じて、熱安定剤、可塑剤、滑剤、顔料、着色粒子、紫
外線吸収剤などを任意に添加することができる。
【0012】
【作用】本発明において、樹脂と無機粉末の屈折率が近
接していることにより、その界面での光の散乱が抑制さ
れることにより高い透光性が得られる。また硬質の無機
粉末を高充填することにより、成形品表面近傍に無機粉
末を存在させることにより高い耐擦傷性が得られる。
【0013】
【実施例】
実施例1 屈折率1.54のエチレン8%共重合ポリ塩化ビニル1
00重量部に対して、平均粒径25μm、屈折率1.5
5の樹脂フィラー用ガラス粉末100重量部、ジブチル
スズメルカプタイド(安定剤)2重量部をラボプラスト
ミルにて170℃で混練したのち、プレス成形にて厚さ
2mmのシートを成形した。このシートの全光線透過率
は60%であり、スチールウールによる耐擦傷性テスト
(荷重200g/cm2 、速度10mm/秒、10スト
ローク)で傷による光沢低下はなかった。170℃、
3.8kgにおけるメルトフローレート(MFR)は4
g/10分であった。
【0014】実施例2〜6 無機粉末の種類と添加量を表1に示すように代えた以外
は、実施例1と同様にシートを得た。同様にして評価し
た結果を表2に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】比較例1 無機粉末として、炭酸カルシウム(屈折率;1.60、
平均粒子径;2μm)を使用する以外は、実施例1と同
様にシートを得た。全光線透過率は1%であり、スチー
ルウールテストでは光沢が低下した。
【0018】比較例2 無機粉末として、水酸化マグネシウム(屈折率;1.5
6、平均粒子径;20μm)を使用する以外は、実施例
1と同様にシートを得た。全光線透過率は15%であっ
たが、スチールウールテストでは光沢が低下した。
【0019】比較例3 ガラス粉末を250重量部使用する以外は実施例1と同
様にシートを得た。全光線透過率は50%であったが、
成形品の強度は低くかつ脆いものであった。
【0020】比較例4 ガラス粉末を10重量部使用する以外は実施例1と同様
にシートを得た。全光線透過率は70%であったが、ス
チールウールテストでは光沢が低下した。
【0021】
【発明の効果】本発明は、透光性が高くかつ表面硬度の
高い塩化ビニル樹脂組成物を提供するが、種々の柄模様
をつけた場合深味と高級感のある柄となる。また各種の
デザインシートの表面に積層するとデザインを損なわず
に耐擦傷性を付与することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ塩化ビニルを主成分とする樹脂と、モ
    ース硬度が4以上かつ樹脂との屈折率差が0.1以下か
    つ粒子のアスペクト比が5以下である無機粉末からな
    り、樹脂と無機粉末の合計量に対して無機粉末が20〜
    70重量%である耐擦傷性塩化ビニル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】無機粉末が、屈折率1.50〜1.60
    で、平均粒子径1〜50μmである請求項1の耐擦傷性
    塩化ビニル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】無機粉末が、結晶質シリカ、ガラス、霞石
    からなる群から選ばれる請求項1または請求項2の耐擦
    傷性塩化ビニル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】塩化ビニルを主成分とする樹脂が、屈折率
    1.50〜1.55で、メルトフローレート(170
    ℃,3.8kg)が0.5g/10分以上である請求項
    1〜3いずれか1の耐擦傷性塩化ビニル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】厚さ2mmのシートに成形したときの全可
    視光線透過率が20%以上である請求項1〜4いずれか
    1の耐擦傷性塩化ビニル樹脂組成物。
JP713294A 1994-01-26 1994-01-26 耐擦傷性塩化ビニル樹脂組成物 Pending JPH07216165A (ja)

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