JPH0721606Y2

JPH0721606Y2 - コンクリート舗装用フィニッシャ

Info

Publication number: JPH0721606Y2
Application number: JP7856091U
Authority: JP
Inventors: 治行平野
Original assignee: 株式会社新潟鉄工所
Priority date: 1991-09-27
Filing date: 1991-09-27
Publication date: 1995-05-17
Anticipated expiration: 2005-05-17
Also published as: JPH0538007U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、硬練り生コンクリート
をスクリードで敷き均し、振動機で締め固めるコンクリ
ート舗装用フィニッシャに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ＲＣＣＰ（ローラコンパクティン
グコンクリート舗装）は、極めて硬練り（ゼロスラン
プ）された貪配合の生コンクリートを、一般に使用され
ているアスファルトフィニッシャにより敷き均し、振動
ローラ等により転圧し、早期解放を可能とした舗装とし
て注目されている。周知のように、アスファルトフィニ
ッシャにおいては、図５に示すように、走行車体１を走
らせながら、ホッパ２にダンプトラック等により投入さ
れたアスファルト合材をバーフィーダ３で後方のスプレ
ッディングスクリュー４に送り、このスプレッディング
スクリュー４の回転作用により左右に一様に広げるとと
もに、これをレベリングアーム５に設けられたスクリー
ド６で平に敷き均している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、前記生コン
クリートの舗装においては、舗装厚さが２０ｃｍを超え
ると舗装された舗装材料の下層部の密度は上層部の密度
程圧密されないという欠点があり、このため、スクリー
ド６の重量を増したり、図４に示すスクリードバイブレ
ータ７の発生振動力を強化したり、スクリード６の前に
タンパー装置８を設けて舗装材料の突き固めを行ったり
して前記舗装材料下層部の密度を高めるよう対応してい
る。なお、図４において９はデフレクタプレート、１０
は生コンクリート（舗装材料）、矢印Ａはアスファルト
フィニッシャの進行方向を示す。しかし、この方法によ
っての前記舗装材料下層部の密度を高める効果は、舗装
材料の舗装厚さが２５ｃｍを超えると舗装材料下層部ま
で及ぼすことが困難であり、ローラコンパクティングコ
ンクリート舗装用フィニッシャ（以下、コンクリート舗
装用フィニッシャという）の開発が待たれていた。

【０００４】本考案は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、舗装材料下層部の密度を所望値まで高めることがで
きるコンクリート舗装用フィニッシャを提供することを
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、前記目的を達
成させるために、舗装面に広げられた舗装材料を敷き固
めるスクリードが設けられ、このスクリードにスクリー
ドバイブレータが設けられたコンクリート舗装用フィニ
ッシャにおいて、前記スクリードの前方に、該スクリー
ドとは別個に、上下に振動させられかつ回転させられる
可撓性部材を有する高周波振動回転体を複数個設けた構
成としている。

【０００６】

【作用】前記構成によれば、高周波振動回転体の作動に
より、この高周波振動回転体の可撓性部材がその軸線方
向に振動すると共に回転し、これによりスクリードの前
方において舗装材料がよくほぐされるため、スクリード
の上下振動が舗装材料下層の敷き固めに対し効率良く働
き、舗装材料の舗装厚さが２５ｃｍを超えてもスクリー
ドによる舗装材料の敷き固め作用が舗装材料の下層部ま
で十分に及び、舗装材料の下層部の密度は上層部の密度
に近い値となる。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の一実施例を図１ないし図３に
基づいて説明する。なお、本実施例において従来例と同
一部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略す
る。本考案においては、スクリード６の前方に複数の高
周波振動回転体１１が設けられ、この高周波振動回転体
１１の作動により舗装材料下層部の密度が高められるよ
うになされている。コンクリート舗装用フィニッシャの
所定の固定部には、図１に示すように、上下方向に向け
られたシリンダ機構１２の基端部が回転自在に取付けら
れている。このシリンダ機構１２の先端側のロッド１３
の端部には前記高周波振動回転体１１が回転自在に連結
されている。

【０００８】高周波振動回転体１１は図２及び図３に示
すように構成されている。図３において、１４は両端に
フランジを有する円筒状の本体であり、この本体１４の
一端には油圧モータ１５が取付けられている。この油圧
モータ１５の回転軸にはスプライン軸１６が同軸状に連
結され、このスプライン軸１６は本体１４内に挿入され
ている。本体１４内には、中央部に鍔１７ａを有する段
付き円柱状の振動発生体１７が回転自在にかつ軸線方向
に移動自在に設けられている。鍔１７ａは振動発生体１
７の軸線に対し傾斜させられている。振動発生体１７の
一端には穴が形成され、この穴の内周面には前記スプラ
イン軸１６に嵌合するスプライン溝１８が設けられてい
る。

【０００９】また、振動発生体１７の他端には、この振
動発生体１７の軸線に対し平行に偏心して偏心軸１９が
設けられている。この偏心軸１９にはステンレスロープ
２０が取り付けられ、このステンレスロープ２０の先端
には図２に示すようにカップ形の先端固着金具２１が固
着されている。また、このステンレスロープ２０の先端
側部には、先端固着金具２１を覆うようにして図２に示
す中空の紡錘体からなる振動アタッチメント２２が取付
けられている。

【００１０】一方、本体１４の外周壁の一方側には、振
動発生体１７の軸線と平行な一直線上に位置させられか
つ所定間隔離間してローラ軸２３，２３がそれぞれ本体
１４の外周壁を貫通して回転自在に取付けられている。
これらローラ軸２３，２３は振動発生体１７の軸線と直
交させられている。そして、本体１４内には、ローラ軸
２３，２３の各先端に取付けられた一対のローラ（カム
フォロア）２４，２４が振動発生体１７の軸線から等距
離離間して設けられている。

【００１１】振動発生体１７は、その鍔１７ａが一対の
ローラ２４，２４間に挿入されこの鍔１７ａが一対のロ
ーラ２４，２４に接触させられた状態でスプライン軸１
６にスプライン溝１８を嵌合させられ、かつベアリング
２５，２５を介して本体１４に前述のように回転自在に
かつ軸線方向に移動自在に設けられている。従って、振
動発生体１７は、油圧モータ１５の回転軸が回転したと
き、鍔１７ａの外周の最大変位量即ち、図３に示すスト
ロークＳだけ、軸線方向に往復移動する。なお、図３に
おいて２６はカバーであり、ａは偏心軸１９の振動発生
体１７の軸線に対する偏心量を示す。

【００１２】また、高周波振動回転体１１の本体１４の
側壁には、図２に示すように、ベルクランク形の取付部
材２７の一端が固定して取付けられている。この取付部
材２７の他端は前記シリンダ機構１２のロッド１３の端
部に回転自在に取付けられている。取付部材２７の中央
部は、コンクリート舗装用フィニッシャの所定の固定部
に設けられた水平な支点軸２８に回転自在に取付けられ
ている。そして、高周波振動回転体１１は、図１に示す
ように、鉛直方向に対しやや傾斜した状態でスクリード
６の前方のデフレクタプレート９とスプレッディングス
クリュー４との間にコンクリート舗装用フィニッシャの
進行方向と直交する方向に複数個設けられている。従っ
て、シリンダ機構１２が伸縮作動すると、支点軸２８を
中心に取付部材２７が回動し、高周波振動回転体１１が
スクリード６の前方で略上下動するようになされてい
る。

【００１３】しかして、前記構成のコンクリート舗装用
フィニッシャにおいては、高周波振動回転体１１を作動
させると共に、スクリードバイブレータ７を作動させて
スクリード６の下端のスクリードプレート６ａを上下に
振動させると同時に、タンパ装置８を作動して舗装材料
を所定の圧力で敷き固めていく。この場合、高周波振動
回転体１１の油圧モータ１５が駆動すると、振動発生体
１７が回転しかつその軸線方向に振動する。この振動発
生体１７の回転、振動に伴い、可撓性を有するステンレ
スロープ２０と共に振動アタッチメント２２及び先端固
着金具２１が振り回されかつその長さ方向に振動する。

【００１４】また、図１に示すシリンダ機構１２を伸縮
作動させることにより、取付部材２７が支点軸２８を中
心に回動し、取付部材２７を介して高周波振動回転体１
１がほぼ上下動する。

【００１５】この高周波振動回転体１１の上下動と、前
記ステンレスロープ２０，振動アタッチメント２２及び
先端固着金具２１の回転，振動とにより、スクリード６
の前方において舗装材料がよくほぐされるため、舗装材
料の下層の敷き固めに対し前記タンパ装置８による突き
固め，スクリードバイブレータ７によるスクリードプレ
ート６ａの上下振動が効率良く働き、舗装材料の舗装厚
さが２５ｃｍを超えてもタンパ装置８，スクリード６に
よる舗装材料の敷き固め作用が、舗装材料の下層部まで
十分に及び、舗装材料の下層部の密度は上層部の密度と
ほぼ同様となる。

【００１６】また、シリンダ機構１２の伸縮作動による
前記高周波振動回転体１１自体の上下動がなく、前記ス
テンレスロープ２０，振動アタッチメント２２及び先端
固着金具２１の回転，振動のみでも、スクリード６の前
方において舗装材料がよくほぐされるため、前記タンパ
装置８による突き固め，スクリードバイブレータ７によ
るスクリードプレート６ａの上下振動が舗装材料下層の
敷き固めに対し効率良く働き、舗装材料の下層部の密度
は上層部の密度に近い値となる。

【００１７】なお、前記実施例においては、スクリード
６の前方にタンパ装置８があるものについて説明した
が、このタンパ装置８がない場合においても、前記高周
波振動回転体１１の作用により舗装材料の下層部の密度
は上層部の密度に近い値となる。

【００１８】

【考案の効果】本考案によれば、舗装面に広げられた舗
装材料を敷き固めるスクリードが設けられ、このスクリ
ードにスクリードバイブレータが設けられたコンクリー
ト舗装用フィニッシャにおいて、前記スクリードの前方
に、該スクリードとは別個に、上下に振動させられかつ
回転させられる可撓性部材を有する高周波振動回転体を
複数個設けた構成としたので、高周波振動回転体の作動
により、スクリードの前方において舗装材料がよくほぐ
されるため、舗装材料の舗装厚さが２５ｃｍを超えて
も、前記スクリードバイブレータによるスクリードの上
下振動が舗装材料下層の敷き固めに対し効率良く働き、
舗装材料の下層部の密度を上層部の密度に近い所望値と
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す要部の断面図である。

【図２】本考案の高周波振動回転体の要部の側断面図で
ある。

【図３】本考案の高周波振動回転体の要部の側断面図で
ある。

【図４】従来のコンクリート舗装用フィニッシャの一例
を示す要部の側断面図である。

【図５】従来のアスファルトフィニッシャの一例を示す
概略側面図である。

【符号の説明】

６スクリード７スクリードバイブレータ１０生コンクリート（舗装材料）１１高周波振動回転体

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】舗装面に広げられた舗装材料を敷き固め
るスクリードが設けられ、このスクリードにスクリード
バイブレータが設けられたコンクリート舗装用フィニッ
シャにおいて、前記スクリードの前方に、該スクリード
とは別個に、上下に振動させられかつ回転させられる可
撓性部材を有する高周波振動回転体を複数個設けたこと
を特徴とするコンクリート舗装用フィニッシャ。