JPH07215884A - Tnf産生抑制作用を有するシソ抽出液 - Google Patents
Tnf産生抑制作用を有するシソ抽出液Info
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Abstract
たはその混合液にて抽出処理して得られる成分からペリ
ルアルデヒドおよび分子量1万以上の画分を除去してな
るTNF産生抑制作用を有するシソ抽出液。 【効果】 TNF産生を特異的に抑制し、アトピー性皮
膚炎等のアレルギー疾患に大きな効果があり、抗アレル
ギー食品、健康食品、化粧品、医薬部外品等の形態で使
用できる。
Description
るTNF産生抑制に有効な、新規な抽出液に関する。更
に詳細には、TNF産生抑制によるアトピー性皮膚炎等
のアレルギー改善に有効な新規な抽出液に関する。
炎、ダニ、牛乳等による蕁麻疹、アトピー性皮膚炎など
その発症にアレルギー反応が関与するものは多い。アレ
ルギーは、生体における抗原と抗体の反応によるもので
あり、生体の反応は弱く起こる場合と強く起こる場合と
があり、弱く起こる場合が免疫であり、強く起こる場合
が過敏症である。過敏症は大別して、即時型過敏症と遅
延型過敏症に分けられ、発症機構によりI〜IV型に分け
られる。現在問題になっているアレルギーは、圧倒的に
I型が多い。
抗原抗体反応が起こる結果、生体の化学伝達物質である
ヒスタミン、アセチルコリン、ブラディキニン、SRS
−A(アナフィラキシーの遅反応性物質)などが遊離さ
れて、これが組織を障害して起こる生体反応と解されて
いる。このアレルギー反応の一種であるアトピー性皮膚
炎は、ヒト、特に小児に特有な一定の物質に対する先天
的過敏症のことをいい、更にすすんで気管支喘息、アレ
ルギー性鼻炎、花粉症として発現し、この素因は遺伝
し、食物や吸収される抗原に対し高度の過敏症を起こし
易いことなどの特徴があるといわれている。
生じる皮膚炎であり、その自覚的な症状としては著名な
掻痒感があり、かきこわしにより皮疹は憎悪し、慢性化
するといわれている。従来このようなアトピー性皮膚炎
に代表されるアレルギー疾患に対する治療法としては、
抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤などの
内服による全身療法がある。
あるため、処方および治療の際に医師の診断と指示が必
要である。また、局所療法として副腎皮質ホルモン配合
のステロイド軟膏があるが、急性疾患をきたすことがあ
り、また経皮吸収により内分泌系への悪影響が出るとい
う欠点がある。一方、シソ科植物はその香気が最大の特
徴であり、その主成分はペリルアルデヒドであることが
知られており、それは香料として使用されている。その
反面、ペリルアルデヒドはシソ栽培者のアレルギー型接
触性皮膚炎の原因ともなることが知られている(皮膚病
診療: 3(8),713-176, 1981 及び、皮膚:24(2),250-25
6,1983)。
ら、抗原侵入に対抗して白血球からサイトカインが出て
作用することが判っていたが、そのサイトカインの一種
である腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Factor :以下T
NFと略す。)がきわめて直接的に関係していること
が、最近明らかとなった(Bonavida B.Biotherapy,3,P1
27(1991))。そこで、本発明者らは、TNFの産生量を
抑制することは、アトピー性皮膚炎等アレルギーの炎症
を抑制することになると考え、鋭意研究を重ねた。その
結果、シソ抽出液にはTNF産生抑制効果があり、さら
に1万以上の高分子量領域の成分を除くと抑制効果が向
上することを見出した。それとともに1万以上の高分子
量領域を除くことにより抽出液の着色度が低下し、食品
や化粧品などへの製品化に際し都合のよいことを確認し
た。
エキス(アルプス薬品工業)や、化粧品種別許可原料基
準に記載のシソエキスが一般的に流通している。シソエ
キスに関連する特許も数多く報告されており(特開昭49
-86516号、同50-6750 号、同55-81896号、同57-53403号
など)、本出願の発明者らもシソ科植物を原料とする食
品(特開平4-79852 号)に関する特許出願をしている
が、これらは香気成分であるペリルアルデヒドを含有し
ていたり、分子量1万以上の成分を含んでいるものであ
る。
(分子量:360)が、5−リポキシゲナーゼ作用阻害
剤として有効であり、抗アレルギー剤もしくは抗アレル
ギー食品として利用できることが開示されている(特開
昭56-99412号、特開平1-121217号など)。しかし、本発
明者らが本発明のシソ抽出液から分離したロスマリン酸
画分について、イン・ヴィトロ(in vitro)でTNF産
生抑制作用を測定したところではTNF産生抑制作用は
認めらず、またロスマリン酸画分を配合した化粧品(ク
リーム)ではアトピー性皮膚炎の改善は認められなかっ
た(後述の試験例参照)。
欠点を解決するために、シソ科植物およびその近縁種に
関して鋭意研究を行ない、シソ科植物の抽出液から分子
量1万以上の画分を選択的に除去して得られる抽出液で
あってペリルアルデヒドを含有しない成分がTNF産生
を特異的に抑制することを見出し、これらのシソ抽出液
がアトピー性皮膚炎等のアレルギー疾患に大きな効果が
あることを確認し、本発明を完成するに至った。
科植物の茎葉を磨砕し、水、有機溶剤またはその混合液
にて抽出処理して得られる成分からペリルアルデヒドお
よび分子量1万以上の画分を除去してなるTNF産生抑
制作用を有するシソ抽出液を提供したものである。
・フルテセンス(Perilla flutesc-ens Britton var.cr
ispa DENSEおよび var.acuta Kudo)といい、その他近縁
植物(Labiatae)でもよい。原産は、東インド、中国で、
東洋の温帯地方に広く栽培されている。本発明では、日
本で生産される青ジソ、青ちりめんジソ、赤ジソ、ちり
めんジソ、かためんジソなどが好適に使用できる。
の混合液が用いられるが、有機溶剤としては、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコ
ール等のアルコール類、アセトン、クロロホルム等が挙
げられるが、特にエタノールおよびエタノール水溶液が
好ましい。この時、抽出液中のペリルアルデヒドは、ろ
過処理(活性炭など)等により除去される。分子量1万
以上の画分を除く方法としては、限外ろ過、親水性有機
溶剤の添加、アンモニウム塩または無機金属塩の添加、
ゲルろ過などを行なう。
すなわち、シソの茎及び葉を磨砕し、これを溶剤に加え
て、室温〜50℃にて1〜10時間撹拌しながら加熱す
る。次いで減圧ろ過して、ろ液に脱イオン水を加え、少
量のプロテアーゼを添加し、室温〜40℃程度の温度で
1〜24時間、時々撹拌しながら放置した後、限外ろ過
を行なって分子量1万以上の画分を除く。その後、減圧
濃縮し、活性炭層を通してろ過を行ない、ろ液を加熱殺
菌してシソ抽出液を得る。
レードライや凍結乾燥、造粒乾燥などにより粉末化した
ものを原料として、抗アレルギー食品、健康食品、化粧
品、医薬部外品、その他の形態で使用することができ
る。抗アレルギー食品とするには、通常摂取者が本抽出
液を喫食できるような任意の食品形態とすれば良く、例
えば抽出液単独、あるいは清涼飲料水、菓子、パン、め
ん類、ねり製品、お茶、ドレッシング、飴、キャンデ
ィ、ガム等が例示できる。
えば単独、或いはシロップ剤、液剤、或いはスプレード
ライや凍結乾燥などにより粉末化した後、通常の方法で
担体あるいは賦形剤と混合し、錠剤、糖衣剤、散剤、カ
プセル剤、ドライシロップ、顆粒剤等に製剤化された形
態で使用できる。また、化粧品、医薬部外品とするに
は、例えば軟膏、リニメント剤、エアゾール剤、クリー
ム、石鹸、洗顔料、全身洗浄料、シャンプー、リンス、
トリートメント、整髪料、養毛剤、育毛剤、化粧水、ロ
ーション、メイクアップ化粧品、パック剤、ベビーパウ
ダー、入浴剤、シップ剤、パルプ・不織布等より製造し
たロールペーパーに含浸させた化粧水等が挙げられる。
さらに、シソ抽出液を含浸させるなどして繊維製品とす
るには、使用者と直に接する任意の形態とすれば良く、
例えばタオル、肌着、靴下等が挙げられる。
製造例および試験例を挙げて説明する。
に対し、40%エタノール溶液400mlを加えて4時
間、40℃にて撹拌抽出した。それを減圧ろ過し、ろ液
に5リットルの脱イオン水を加え、少量のプロテアーゼ
を添加した後、12時間40℃にて時々撹拌しながら放
置し、限外ろ過膜(アドバンテックウルトラフィルター
Q100、分画分子量10,000)にて分子量1万以上の画
分を除いた。限外ろ過の透過液を約150mlになるま
で減圧濃縮し、次いで活性炭ろ過を行なった。ろ液を3
0分間90℃に加熱殺菌し、冷却後、褐色液体である1
00gのシソ抽出液を得た。
る)、脂質(エーテル抽出法による)、灰分(乾式灰化
法による)、水分(常圧加熱乾燥法による)および炭水
化物(前記各成分の残量として算出)の含有量を測定し
た結果を表1に示す。
可原料基準によるシソエキス(B)(丸善製薬製)につ
いて下記の条件でガスクロマトグラフィーによりペリル
アルデヒドの分析を行なった。 カラム:キャピラリーカラム(TC−WAX,60m×
0.25mm,I.D.0.25μl) 検出器:FID 移動層ガス:ヘリウム 温度:220℃→230℃(昇温:1℃/分) サンプル量:各サンプルをエタノールで5倍に希釈し同
量をカラムに注入した。 得られたガスクロマトグラム
を図1に示す。すなわち、本発明のシソ抽出液はペリル
アルデヒドを含有しないことが分かる。
出液を、各々脱イオン水にて10倍(w/w)に希釈し
て、日立分光光度計U−2000(光路長1cm)により可
視部吸光度を測定した。その結果を表2に示す。すなわ
ち、限外ろ過により着色度が低下したことが分かる。
機能に対する作用を説明する。 (1)イン・ビボ( in vivo)での腫瘍壊死因子(TN
F)産生抑制作用 マウスにシソ抽出液サンプルを 0.4g経口投与し、12
時間後に免疫賦活剤 (OK432:商品名ピシバニール,中外製薬社製)を
投与し、2時間後に血液を採取し、TNF活性を測定し
た。サンプル名および測定結果を表3に示す。
のTNF産生量は約2/3に低下するが、限外ろ過によ
りさらに1/3まで低下し、免疫抑制作用が増強されて
いることが示された。
F産生抑制作用 マウス腹腔より採取したマクロファージを試験サンプル
溶液に加え、37℃で1時間インキュベーションした
後、LPS( Lipopolysaccaharide)により刺激し、2
時間後にTNF活性を測定した。試験サンプルとして、
対照(蒸留水)、シソ抽出液(本発明品)及びロスマリ
ン酸画分を使用した。ロスマリン酸画分は本発明のシソ
抽出液からスチレン・ジビニルベンゼン系ポーラスポリ
マー担体のオープンカラム(溶離液:水−メタノール)
により分画後、減圧乾固し、さらに元の抽出液と等量の
脱イオン水を加えたものである。測定結果を表4に示
す。
効果があり、その効果はロスマリン酸によるものでない
ことが明らかである。
明のシソ抽出液を毎日0.5 g飲用してもらい、10日後
に判定した。試験結果を表4に示す。
性皮膚炎に対し有効であることが明らかとなった。
験 (i) クリームへの配合試験 本発明のシソ抽出液を、表6の組成で配合したクリーム
を調製したところ、すべての処方で外観上および粘性上
全く問題のないクリームが得られた。
示すシソ抽出液配合クリーム(a:被検者数35名)、
ロスマリン酸画分配合クリーム(c:被検者数10名)
および対照クリーム(d:被検者数35名)を毎日患部
に塗布してもらい、4週間後に下記の基準により判定し
た。 ○:かなり改善(掻痒、紅斑、落屑、浸潤がほとんど消
失した。) △:やや改善(掻痒、紅斑、落屑、浸潤がやや軽減し
た。) ×:不変(掻痒、紅斑、落屑、浸潤が不変であった。) 試験結果を表7にまとめて示す。
の掻痒などのアトピー性皮膚炎に対し有効性が示され、
その効果はロスマリン酸によるものではないことが分か
る。
料基準によるシソエキス(B)、および標品としてのペ
リルアルデヒドのガスクロマトグラムである。
Claims (1)
- 【請求項1】 シソ科植物の茎葉を磨砕し、水、有機溶
剤またはその混合液にて抽出処理して得られる成分から
ペリルアルデヒドおよび分子量1万以上の画分を除去し
てなるTNF産生抑制作用を有するシソ抽出液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP6330291A JP2946183B2 (ja) | 1993-12-08 | 1994-12-07 | Tnf産生抑制作用を有するシソ抽出液 |
Applications Claiming Priority (3)
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---|---|---|---|
JP5-340686 | 1993-12-08 | ||
JP34068693 | 1993-12-08 | ||
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07215884A true JPH07215884A (ja) | 1995-08-15 |
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ID=26573485
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- 1994-12-07 JP JP6330291A patent/JP2946183B2/ja not_active Expired - Lifetime
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