JPH07213901A - カルボン酸エステル還元能を有する触媒および該触媒の製造方法ならびに飽和アルコール化合物の製造方法 - Google Patents
カルボン酸エステル還元能を有する触媒および該触媒の製造方法ならびに飽和アルコール化合物の製造方法Info
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Abstract
下で焼成する工程(1)およびアルカリ性溶液にて処理
する工程(2)、ならびに担体にスズ化合物及びルテニ
ウム化合物を担持し、かつ前記工程(1)および工程
(2)の後に、活性化処理を施す工程(3)を設けてな
るカルボン酸エステル還元能を有する触媒。 【効果】 飽和カルボン酸エステル化合物から飽和アル
コール化合物を高収率で製造できる。また不飽和結合や
芳香環などを有するカルボン酸エステル化合物からも飽
和アルコール化合物を一段階で製造できる。毒性、安全
性に問題点がなく、比較的低圧力の穏和な反応条件下で
使用できる。プラントの運転やメンテナンスが容易で、
プラント建設コストやランニングコストを低減できる。
Description
元能を有する触媒および該触媒の製造方法ならびに飽和
アルコール化合物の製造方法に関する。詳しくは、カル
ボン酸エステル還元能に加え、不飽和結合および芳香環
の水素化能を有する触媒を使用することにより不飽和結
合等の残存しない飽和アルコールを製造する方法に関す
る。
らアルコール化合物を製造する方法としては、銅−クロ
ム酸化物触媒等を用いて200℃以上の高温200kg
/cm2 以上の高圧条件下において水素化分解する方法
が最も一般的かつ汎用的である。
エステル部位の水素化に、銅−クロム系触媒を使用して
いるため作業環境上での毒性、安全性に問題点があっ
た。また、反応中触媒の主成分である銅が析出し、触媒
やリアクター内壁へ付着したり配管を閉塞する等の問題
がしばしば起こる。さらには、反応圧力が高いことか
ら、作業時の安全性に加えてプラントの建設コスト、ラ
ンニングコストの面で好ましくない。
芳香環などの水素化還元能力が一般的に貴金属触媒より
劣っており、不飽和カルボン酸エステル化合物等を水素
化分解して直接飽和アルコールを製造する方法には適用
できない。従って、不飽和カルボン酸エステル化合物等
を水素化分解して飽和アルコールを得るためには、不飽
和カルボン酸エステル等をいったん周期律表第▲8▼族
の金属からなる触媒でまず不飽和結合等を水素化して飽
和カルボン酸エステルにした後に、引き続いてカルボン
酸エステル部分を銅−クロム触媒で還元するという2つ
の工程を経る必要があった。
第▲8▼族の金属元素の利用が考えられる。しかし、周
期律表第▲8▼族の金属元素の単独系触媒では、液相に
おいて、ほとんどカルボン酸エステルの水素化分解は進
行せず、かつ反応の選択性が非常に悪い。また、特公表
2−504363号公報及び特公表3−500657号
公報には、パラジウム−亜鉛系触媒を用いてカルボン酸
エステルを還元してアルコールを製造する方法が開示さ
れているが、その反応性、選択性は満足すべきものでは
ない。更には、高活性のカルボン酸直接還元触媒とし
て、ゾル−ゲル法で調製したルテニウム−スズ系触媒が
特開平4−82852号公報に開示されているが、該公
報にはカルボン酸エステルの還元については記載されて
おらず、またルテニウム−スズ系触媒は不飽和結合等の
部位の水素化能力も甚だ低い。
での毒性、安全性に問題点がなく、しかも穏和な反応条
件下で、カルボン酸エステルを選択性良く水素化分解す
ることができ、更には不飽和結合等も水素化しうる触媒
を提供することにより、プラントの運転やメンテナンス
が容易で、プラント建設コストやランニングコストを低
減できる飽和アルコール化合物の製造方法を確立するこ
とを目的とする。
を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、以下に示す特定
の処方により調製されてなるルテニウム−スズ系触媒に
よれば、前記課題を悉く解決しうることを見出した。本
発明はかかる新たな知見により完成されたものである。
びルテニウム化合物を担持してなるカルボン酸エステル
還元能を有する触媒であって、該触媒の調製にあたり、
担体にスズ化合物を担持した後に、酸素存在下で焼成す
る工程(1)およびアルカリ性溶液にて処理する工程
(2)、ならびに担体にスズ化合物及びルテニウム化合
物を担持し、かつ前記工程(1)および工程(2)の後
に活性化処理を施す工程(3)を設けてなるカルボン酸
エステル還元能を有する触媒、および該触媒の製造方
法、ならびに、前記触媒の存在下で、飽和カルボン酸エ
ステル含有化合物のカルボン酸エステル部位を水素化分
解することを特徴とする飽和アルコール化合物の製造方
法、および前記触媒の存在下で、不飽和結合および/ま
たは芳香環を有するカルボン酸エステル含有化合物のカ
ルボン酸エステル部位の水素化分解ならびに不飽和結合
および/または芳香環の水素化を行うことを特徴とする
飽和アルコール化合物の製造方法に関する。
る触媒は、担体にスズ化合物及びルテニウム化合物を担
持してなる触媒である。
でき、たとえばアルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニ
ア等があげられる。これらのなかでも特にアルミナ、チ
タニアが好ましい。また担体の形状は特に限定はされず
粒状、球状、押し出し成型状、ペレット状、ハニカム状
などの成型品、粉末状などの非成型品のいずれの形状の
ものを使用してもよい。
2スズ、スズ酸カリウム、スズ酸ナトリウム、オクチル
酸スズ、塩化トリブチルスズ、テトラエトキシスズおよ
び酸化ビス−トリブチルスズから選ばれる少なくとも1
種を使用するのが、高活性な触媒が得られる点で好まし
い。なお、かかるスズ化合物の担体への担持方法は特に
限定されず含浸法、共沈法、イオン交換法等の各種公知
の方法によればよい。
酸ルテニウムニトロシル錯体、硝酸ルテニウム、塩化ル
テニウム等のルテニウム塩、アセチルアセトンルテニウ
ム等や、エチレンジアミン、フェナンスロリン、ビピリ
ジル等のキレート化剤と結合したルテニウムキレート錯
体、カルボニルルテニウム錯体等の有機ルテニウム錯
体、ルテニウムアルコキシド等があげられる。なお、ル
テニウム化合物の担体への担持方法はスズ化合物と同様
の含浸法、共沈法、イオン交換法等の各種公知の方法を
採用できる。
よびスズ化合物の担持量は、ルテニウム化合物の担持量
が金属換算で通常0.01〜20重量%程度、好ましく
は0.1〜10重量%である。また、ルテニウム化合物
とスズ化合物との担持量の割合は、金属のモル比で1:
0.1〜1:20、好ましくは1:1〜1:10であ
る。スズ化合物およびルテニウム化合物の担持量が前記
範囲を外れる場合にはカルボン酸エステル還元能を有す
る触媒として十分な活性を示さず好ましくない。
スズ化合物を担持した後に、酸素存在下で焼成する工程
(1)およびアルカリ性溶液にて処理する工程(2)を
経由させることが必須とされる。かかる工程(1)およ
び工程(2)の順序は、アルカリ性溶液処理時に、スズ
化合物が担体から剥離し、スズ担持量の減少を防ぐた
め、工程(1)に次いで工程(2)を経由させる調製法
を採用するのが好ましい。
たは工程(2)を経ない場合には、エステル還元能力を
十分に発現しうる触媒は得られず、また担体にスズ化合
物を担持する前に工程(1)または工程(2)を経ても
触媒上のスズ化合物を高活性にすることはできない。
ズ化合物及びルテニウム化合物を担持し、かつ前記工程
(1)および工程(2)を経た後に、活性化処理を施す
工程(3)が必須とされる。工程(3)を経ない場合に
はエステル還元能力を十分に発現しうる触媒は得られな
い。
化合物の担持の順序は、スズ化合物担持の後にルテニウ
ム化合物担持、ルテニウム化合物担持の後にスズ化合物
担持、スズ化合物及びルテニウム化合物共担持のいずれ
を採用してもよい。だたし、担体にルテニウム化合物が
担持された状態で工程(1)を経由すると毒性を有する
酸化ルテニウムが調製工程において生成するといった不
利があるため、スズ化合物担持の後にルテニウム化合物
担持を行うのが好ましい。
は、例えば、次の調製順序を採用できる。
(2)→ルテニウム化合物担持→工程(3)
ム化合物担持→工程(2)→工程(3)
ズ化合物担持→工程(1)→工程(2)→工程(3)
ズ化合物担持→工程(1)→工程(2)→工程(3)
→工程(1)→工程(2)→工程(3)
序が好ましい。特に、調製順序の場合にエステル還元
能および不飽和結合の水素化能等を有する高活性な触媒
が得られる。
ける、焼成条件は特に限定されないが、焼成温度は通常
300℃程度以上とされる。300℃よりも低い温度で
は焼成の効果がほとんどなく高活性な触媒が得られない
ことがある。また焼成温度の上限は特に限定されない
が、金属酸化物の凝集(シンタリング)や担体構造が破
壊されること等を考慮すれば通常1200℃程度以下と
される。また、焼成時間は通常0.5〜10時間程度と
される。焼成方法は特に限定されず、たとえば、マッフ
ル炉などを用いる方法、流通式の方法等を採用できる。
なお、酸素存在下とは空気、人工酸素、純酸素、酸素を
含む混合気体等の酸素を含む気流下または雰囲気下をい
う。
(2)おける、アルカリ性溶液は特に限定されないが、
たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リ
チウムなどの周期律表第I族金属の水酸化物等の水溶液
等を使用するのが好ましい。アルカリ溶液にて触媒を処
理する方法は特に限定されず、たとえば、回分式処理を
採用してもよいし、流通式処理を採用してもよい。ま
た、アルカリ性溶液にて触媒を処理する時間は通常0.
5〜10時間程度とされ、温度は通常室温から100℃
程度とされる。
洗浄し、触媒のpHを中性付近まで戻す必要がある。こ
こでいう中性付近とはpH6からpH9程度の範囲であ
り、pHの値は洗浄後に、触媒そのものを滴定して求め
ても良いし、洗浄に用いた洗い水の液性で代用してもよ
い。
が、通常0.001モル/l〜3モル/l程度の溶液濃
度とするのが好ましい。3モル/l以上の濃度になると
使用する担体が溶解したり、担体の微細構造が変化が生
じる場合があり好ましくない。また、アルカリ性溶液で
処理した後に水洗浄をおこない中性付近に戻す場合に多
大な水量と時間を要することとなり実用的ではない。一
方、0.001モル/l以下の濃度とするとアルカリ溶
液にて触媒を処理する効果が十分に発現しない場合があ
り好ましくない。
活性化処理としては、例えば、気相還元法、液相還元法
などを採用できる。気相還元法としては、たとえば水素
ガス流通還元法や水蒸気気流中でヒドラジン等の還元剤
を流通し還元する方法等があげられる。具体的には、前
記水素ガス流通還元法による場合は、水素気流下に通常
200℃程度以上の条件で還元処理を行うのがよい。前
記以下の条件では還元強度が不十分であり高活性な触媒
が得られない。なお、還元強度が大きい場合は特に限定
されないが、エネルギーロス、金属のシンタリング等を
考慮すれば250〜1000℃程度の条件で還元処理を
行うのが好ましい。還元処理の時間は通常0.1時間程
度以上、好ましくは0.5〜20時間とするのがよい。
また、液相還元法としては、たとえばホルマリン還元
法、ヒドラジン還元法、リチウムアルミニウムハイドラ
イド還元法等があげられ、前記気相還元法と同等または
それ以上の還元強度となるような還元処理を行えばよ
い。
金属の分布状態、活性化状態を、ガスの化学吸着量で表
せば、本発明の触媒1gあたりの水素吸着量は通常室温
において0〜0.5ml程度、一酸化炭素吸着量は0.
005ml〜5ml程度である。一般的に触媒表面のガ
スの化学吸着量がこれらの範囲であれば、触媒表面にル
テニウムとスズがバランスよく存在しており、高活性な
カルボン酸エステル還元能を有するとともに、不飽和結
合の水素化能等を有する。
を有する触媒によれば、飽和カルボン酸エステル含有化
合物のカルボン酸エステル部位を水素化分解して、飽和
カルボン酸エステル含有化合物に対応する飽和アルコー
ル化合物を高収率で製造することができる。
各種公知の化合物を使用できる。具体的には、ギ酸エス
テル、酢酸エステル、イソ酪酸エステル、酪酸エステ
ル、吉草酸エステル、ピバル酸エステル、1−ヘキサン
酸エステル、2−エチルヘキサン酸エステル、デカン酸
エステル、ラウリン酸エステル、ステアリン酸エステ
ル、アラキン酸エステル、ミスチリン酸エステル、パル
ミチン酸エステル、エイコセン酸エステルの直鎖もしく
は分岐鎖状の飽和脂肪族カルボン酸エステル類;シュウ
酸ジエステル、マロン酸ジエステル、メチレンマロン酸
ジエステル、グルタル酸ジエステル、アジピン酸ジエス
テル、セバシン酸ジエスエル、ドデカン2酸ジエステ
ル、1,15−ペンタデカン酸ジエステル等の直鎖もし
くは分岐鎖状の飽和脂肪族カルボン酸ジエステル類;ナ
フテン酸エステル、シクロペンタンカルボン酸エステ
ル、シクロヘキサンカルボン酸エステル、メチルシクロ
ヘキサンカルボン酸エステル、シクロヘプタンカルボン
酸エステル等の飽和脂環族カルボン酸エステル類;シク
ロヘキサンジカルボン酸ジエステル等の飽和脂環族カル
ボン酸ジエステル類;乳酸エステル、ヒドロキシ酪酸エ
ステル等の飽和ヒドロキシカルボン酸エステル類等があ
げられる。
えばメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステ
ル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエス
テル、シクロヘキシルエステル、2エチルヘキシルエス
テル、ビニルエステル等があげられるが、本発明では工
業製品として入手しやすいメチルエステルを使用するの
が好ましい。
を有する触媒は、不飽和結合や芳香環の水素化能も有す
るため、不飽和結合および/または芳香環を有するカル
ボン酸エステル含有化合物から対応する飽和アルコール
化合物を一段階で製造することができる。なお不飽和結
合とは炭素−炭素の二重結合および/または三重結合を
いう。
カルボン酸エステル含有化合物としては各種公知の化合
物を使用できる。具体的には、オレイン酸エステル、リ
ノール酸エステル、リノレン酸エステル、エライジン酸
エステル等の直鎖もしくは分岐鎖状の不飽和脂肪族カル
ボン酸エステル類;イタコン酸ジエステル、アセチレン
ジカルボン酸ジエステル等の直鎖もしくは分岐鎖状の不
飽和脂肪族ジカルボンジ酸エステル類;ロジンエステル
類、アビエチン酸エステル等の不飽和脂環族カルボン酸
エステル類;ダイマー酸ジエステル、シクロヘキセン−
1,4−ジカルボン酸ジエステル等の不飽和脂環族カル
ボン酸ジエステル類;アクリル酸エステル等の共役基を
有する不飽和カルボン酸エステル類;安息香酸エステ
ル、フェニル酢酸エステル、ベンジル酸エステル、ベン
ゾイル安息香酸エステル等の芳香族カルボン酸エステル
類;テレフタル酸ジエステル、イソフタル酸ジエステ
ル、ジフェニルエーテルジカルボン酸ジエステル、ナフ
タレンジカルボン酸ジエステル等の芳香族カルボン酸ジ
エステル類;マンデル酸エステル等の芳香族ヒドロキシ
カルボン酸エステル類;トリメリット酸トリエステル等
の脂環族カルボン酸トリエステル類等があげられる。な
お、ここに示したエステル類も前記と同様のエステル類
を使用できる。
流通式(固定床式、流動床式等)のいずれの方法も採用
できる。
回分式を採用する場合は通常10〜300Kg/cm2
程度、好ましくは50〜200Kg/cm2 であり、一
方、流通式を採用する場合には通常1〜300Kg/c
m2 程度、好ましくは1〜200Kg/cm2 であり、
いずれの反応形式を採用した場合にも比較的低圧の条件
下でも水素化分解を行うことができる。また、反応温度
は、いずれの反応形式の場合にも、通常150〜400
℃程度、好ましくは200〜300℃である。
カルボン酸エステル化合物1重量部に対して通常0.1
〜50重量部程度、好ましくは1〜20重量部である。
また反応時間は通常1〜100時間程度、好ましくは1
〜50時間である。
りの水素供給量)/(単位時間あたりのカルボン酸エス
テル含有化合物供給量)の体積比が通常1〜5000程
度、好ましくは20〜3000となるように水素および
カルボン酸エステル含有化合物を供給する。前記体積比
が1未満の場合には、反応性が低下するため好ましくな
い。一方、前記体積比が5000を越える場合には反応
性に影響を及ぼすものではないが無駄な水素を供給する
ことになりコスト高となる。また、原料の液空間速度
(LHSV)は、通常0.01〜25程度、好ましくは
0.1〜2である。LHSVが0.01未満の場合に
は、反応時間が長くなりコストの面で不利である。一
方、LHSVが25を越える場合には、反応性が低下す
るため好ましくない。
たり、溶媒の使用は任意である。溶媒を使用する場合、
溶媒としてはデカリン、ジオキサン、ジグライム、n−
ヘプタン、水、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール等を使用で
きる。また、溶媒は2種類以上の組成からなる混合溶媒
を使用してもよい。
を施しているため、単に担体に担持したルテニウム−ス
ズ触媒に比べて、カルボン酸エステルを選択性良く水素
化分解することがきる。また、作業環境上での毒性、安
全性に問題点がなく、比較的低圧力の穏和な反応条件下
で使用できる。また、本発明の触媒は製造工程上の問題
もない。
来のルテニウム−スズ触媒では認められていない不飽和
結合や芳香環などの水素化も完結させうることができ
る。
ことにより、飽和カルボン酸エステル化合物から飽和ア
ルコール化合物を高収率で製造できる。また不飽和結合
や芳香環などを有するカルボン酸エステル化合物からも
飽和アルコール化合物を一段階で製造できる。かかる本
発明の触媒を用いれば、プラントの運転やメンテナンス
が容易で、プラント建設コストやランニングコストを低
減できる。
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。なお、各例中の%は、特記しない限りモル%
を表す。
散した後、塩化第一スズ2水和物6.21gをイソプロ
パノール10.0gに溶解した溶液を加え、15時間撹
拌して含浸した。ロータリーエバポレーターにてイソプ
ロパノールを留去し後、18リットル/時間(25℃換
算)の空気気流下で、400℃で2時間焼成した後、放
冷した。得られたスズ担持アルミナを0.1モル/lの
水酸化ナトリウム水溶液500mlを使って、室温で1
時間撹拌してアルカリ溶液処理した。このアルカリ溶液
処理を再度同様におこなった後、洗い液のpHが8にな
るまで充分蒸留水で洗浄した。洗浄後スズ担持アルミナ
を115℃で2時間オーブン中で乾燥した。スズ担持ア
ルミナをイソプロパノール12.0gに室温で分散した
後、次いで5%硝酸エステルルテニウムニトロシル溶液
10.1gを加え15時間撹拌して含浸した後、溶媒を
ロータリーエバポレーターで留去した。最後に10リッ
トル/時間(25℃換算)の水素気流下、300℃で4
時間還元処理して触媒を調製した。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル
20.0gおよびジグライム50gを仕込み、前記
(1)で製造した触媒3.0gを加え、水素圧100K
g/cm2 、温度280℃、4時間の反応条件で反応を
行った。反応液は濾別の後、ガスクロマトグラフィーで
分析した。その結果、原料に対して、87モル%のシク
ロヘキサンジメタノールを得た。
は実施例1の(1)と同様に触媒を製造した。また、実
施例1の(2)において、触媒として前記触媒を用いた
他は、実施例1の(2)と同様の方法により水素化分解
を行った。その結果、原料に対して、80%のシクロヘ
キサンジメタノールを得た。
ウム3.65gを使用し、スズ酸カリウム含浸時の溶媒
を水にかえた以外は実施例1の(1)と同様に触媒を製
造した。また、実施例1の(2)において、触媒として
前記触媒を用いた他は、実施例1の(2)と同様の方法
により水素化分解を行った。その結果、原料に対して、
79%のシクロヘキサンジメタノールを得た。
(2)と同様の条件、触媒量で表1に示す各種の飽和カ
ルボン酸エステルの水素化分解を行った。結果を表1に
示す。
(2)と同様の条件、触媒量で表2に示す各種の不飽和
または芳香族カルボン酸エステルの水素化分解を行っ
た。結果を表2に示す。
散した後、塩化第一スズ2水和物6.20gをイソプロ
パノール10.0gに溶解した溶液を加え、15時間撹
拌して含浸した。その後、ロータリーエバポレーターに
てイソプロパノールを留去した。得られたスズ担持チタ
ニアをイソプロパノール12.0gに室温で分散した
後、次いで5%硝酸エステルルテニウムニトロシル溶液
10.1gを加え15時間撹拌して含浸した。溶媒をロ
ータリーエバポレーターで留去した。最後に10リット
ル/時間(25℃換算)水素気流下、300℃で4時間
還元処理して触媒を調製した。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル
20.0gおよびジグライム50gを仕込み、前記
(1)で製造した触媒3.0gを加え、水素圧100K
g/cm2 、温度280℃、4時間の反応条件で反応を
行った。反応液は濾別の後、ガスクロマトグラフィーで
分析した。その結果、原料に対して、5%のシクロヘキ
サンジメタノールを得た。
アルコール10gに溶解した後、予めイソプロピルアル
コール15g中で30分浸漬させたアルミナ10gに加
え一晩室温下で撹拌した。次いで、イソプロピルアルコ
ールを減圧下で留去し乾燥させた後、空気気流下、60
0℃で5時間焼成し、再びイソプロピルアルコール15
g中で30分浸漬させた。次に、5重量%ルテニウム含
有硝酸ルテニウムニトロシル溶液12gを2.4gまで
濃縮し、イソプロピルアルコール10gに溶解させてか
ら加え、一晩室温下で撹拌した。次いで、イソプロピル
アルコールを減圧下で留去し乾燥させた後、窒素気流下
で再度乾燥、置換した後に、水素気流下で300℃、4
時間還元した。還元終了後、室温まで放冷し窒素で置換
して目的とする触媒を得た。
同様の条件、触媒量で1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸ジメチルエステルの水素化分解を行った。反応液は
濾別の後、ガスクロマトグラフィーで分析した。その結
果、原料に対して、57%のシクロヘキサンジメタノー
ルを得た。
Claims (11)
- 【請求項1】 担体にスズ化合物及びルテニウム化合物
を担持してなるカルボン酸エステル還元能を有する触媒
であって、該触媒の調製にあたり、担体にスズ化合物を
担持した後に、酸素存在下で焼成する工程(1)および
アルカリ性溶液にて処理する工程(2)、ならびに担体
にスズ化合物及びルテニウム化合物を担持し、かつ前記
工程(1)および工程(2)の後に、活性化処理を施す
工程(3)を設けてなるカルボン酸エステル還元能を有
する触媒。 - 【請求項2】 担体に担持されるスズ化合物が、塩化第
1スズ、塩化第2スズ、スズ酸カリウム、スズ酸ナトリ
ウム、オクチル酸スズ、塩化トリブチルスズ、テトラエ
トキシスズおよび酸化ビス−トリブチルスズから選ばれ
る少なくとも1種である請求項1記載の触媒。 - 【請求項3】 担体が、チタニアおよび/またはアルミ
ナである請求項1または2記載の触媒。 - 【請求項4】 触媒の調製にあたり、酸素存在下で焼成
する工程(1)の後に、アルカリ性溶液にて処理する工
程(2)を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かに記載の触媒。 - 【請求項5】 触媒の調製にあたり、担体にスズ化合物
を担持した後に、担体にルテニウム化合物を担持するこ
とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の触媒。 - 【請求項6】 前記酸素存在下で焼成する工程(1)に
おける焼成温度が300℃以上であることを特徴とする
請求項1〜5のいずれかに記載の触媒。 - 【請求項7】 前記アルカリ性溶液にて処理する工程
(2)におけるアルカリ性溶液が水酸化ナトリウムおよ
び/または水酸化カリウムの水溶液である請求項1〜6
のいずれかに記載の触媒。 - 【請求項8】 前記活性化処理工程(3)において、水
素気流下に温度200℃以上の条件で還元処理を施して
なる請求項1〜7のいずれかに記載の触媒。 - 【請求項9】 担体にスズ化合物を担持した後に、酸素
存在下で焼成する工程(1)およびアルカリ性溶液にて
処理する工程(2)、ならびに担体にスズ化合物及びル
テニウム化合物を担持し、かつ前記工程(1)および工
程(2)の後に、活性化処理を施す工程(3)を設けて
なることを特徴とする請求項1記載のカルボン酸エステ
ル還元能を有する触媒の製造方法。 - 【請求項10】 請求項1〜8のいずれかに記載のカル
ボン酸エステル還元能を有する触媒の存在下で、飽和カ
ルボン酸エステル含有化合物のカルボン酸エステル部位
を水素化分解することを特徴とする飽和アルコール化合
物の製造方法。 - 【請求項11】 請求項1〜8のいずれかに記載のカル
ボン酸エステル還元能を有する触媒の存在下で、不飽和
結合および/または芳香環を有するカルボン酸エステル
含有化合物のカルボン酸エステル部位の水素化分解なら
びに不飽和結合および/または芳香環の水素化を行うこ
とを特徴とする飽和アルコール化合物の製造方法。
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JP02904594A JP3572589B2 (ja) | 1994-01-31 | 1994-01-31 | カルボン酸エステルの水素化反応用触媒および該触媒の製造方法ならびに飽和アルコール化合物の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009215289A (ja) * | 2008-03-06 | 2009-09-24 | Korea Research Inst Of Chemical Technology | モノカルボキシル酸またはその誘導体から一価アルコールを製造する方法 |
CN111715221A (zh) * | 2014-05-23 | 2020-09-29 | 三菱化学株式会社 | 负载金属催化剂、负载金属催化剂的保存方法以及醇的制造方法 |
-
1994
- 1994-01-31 JP JP02904594A patent/JP3572589B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2009215289A (ja) * | 2008-03-06 | 2009-09-24 | Korea Research Inst Of Chemical Technology | モノカルボキシル酸またはその誘導体から一価アルコールを製造する方法 |
CN111715221A (zh) * | 2014-05-23 | 2020-09-29 | 三菱化学株式会社 | 负载金属催化剂、负载金属催化剂的保存方法以及醇的制造方法 |
CN111715221B (zh) * | 2014-05-23 | 2023-10-31 | 三菱化学株式会社 | 负载金属催化剂、负载金属催化剂的保存方法以及醇的制造方法 |
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