JPH072128A - 後輪操舵装置の制御方法 - Google Patents

後輪操舵装置の制御方法

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JPH072128A
JPH072128A JP14904893A JP14904893A JPH072128A JP H072128 A JPH072128 A JP H072128A JP 14904893 A JP14904893 A JP 14904893A JP 14904893 A JP14904893 A JP 14904893A JP H072128 A JPH072128 A JP H072128A
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JP
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rear wheel
wheel steering
steering
vehicle
load
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JP14904893A
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English (en)
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Akira Takahashi
明 高橋
Minoru Hiwatari
穣 樋渡
Atsushi Mine
篤 美禰
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Subaru Corp
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Fuji Heavy Industries Ltd
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 後輪操舵制御における限界領域の後輪操舵ア
クチュエータ負荷状態を適確に判定して、アクチュエー
タの負荷を軽減し、小型化する。 【構成】 制御ユニット50からの電気信号により後輪
操舵アクチュエータとしてのモータ31を作動して、後
輪11をそのグリップ力に抗して動かすことで自動的に
操舵する。そして車両走行中に車両の加速度等によりモ
ータ負荷の状態を推定し、モータ負荷が過大な限界領域
を判断すると、後輪切り増し方向の操舵制御を中止し
て、モータ負荷が過大になる直前の後輪舵角に保持し、
切り戻しの際に目標後輪舵角が保持された後輪舵角以下
となった以降に後輪操舵制御を再開する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両の4輪
操舵システム(4WS)において、後輪を電子的に操舵
する後輪操舵装置の制御方法に関し、詳しくは、後輪操
舵制御の限界領域でのモータ等のアクチュエータの保護
対策に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、4輪操舵システムは、高μ路の
路面状態にあってはエンジン出力が部分負荷の運転状態
で、後輪のグリップ力があまり大きくなくて自由に操舵
することが可能な条件、またはグリップ力の小さい低μ
路で車両の挙動が変化し易い条件に適応される。そして
この条件において、小回り性能を向上し、高速時や低μ
路、横風等の外乱に対する車両の安定性を図ることを目
的としている。従って、高μ路での全開加速等の運転状
態で、後輪のグリップ力が特に大きく発揮されている条
件では、車両の安定性が或る程度確保されているので後
輪操舵の必要性が小さく、この場合の旋回性は左右輪の
トルク配分制御等により対処できる。またこの条件で
は、後輪をその過大なグリップ力に打ち勝って操舵する
ことが実質的に困難になる。このことから後輪のグリッ
プ力の過大な運転、走行状態が、必然的に後輪操舵制御
の限界領域となる。
【0003】そこで後輪操舵アクチュエータとして、4
輪操舵システムが後輪グリップ力の比較的小さい領域で
機能することを考慮して、例えば特開平1−17207
3号公報で示すようにモータを使用し、モータ動力によ
り直接的に後輪をそのグリップ力に抗して左右に動かし
て自動的に操舵するように構成し、構造を大幅に簡素化
したものがある。ところでこの方式において、後輪グリ
ップ力の大きい限界領域でも後輪操舵制御を継続する
と、必然的にモータ負荷が過大になって故障を生じ易く
なったり、モータ容量の増大を招く。このため後輪操舵
制御ではその限界領域のモータ負荷状態を適確に判定し
て、モータを保護することが必要になる。
【0004】従来、上記後輪操舵制御の例えば低μ路対
策に関しては、例えば特開昭61−241276号公報
の先行技術がある。この先行技術において、前後輪の舵
角比を車速の関数で設定し、この舵角比とハンドル角に
より後輪操舵する制御系を前提とし、低μ路では舵角比
を逆相側が少なく同相側が多い特殊モードに切換えて、
安定側に操舵することが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術のものにあっては、低μ路に対する対策であるから、
逆の高μ路側の限界領域の対策には適応できない。また
限界領域でも先行技術のように比例ゲインを補正して制
御量を少なくすることで、モータ等を保護することも考
えられるが、4WS効果の薄い領域であるため有効では
ない。
【0006】本発明は、このような点に鑑み、後輪操舵
制御における限界領域の後輪操舵アクチュエータ負荷状
態を適確に判定して、アクチュエータの負荷を軽減し、
小型化することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、制御ユニットからの電気信号により作動する
モータ等のアクチュエータを有し、このアクチュエータ
により後輪をそのグリップ力に抗して動かすことで自動
的に操舵する後輪操舵装置において、車両走行中に後輪
操舵アクチュエータの負荷の状態を推定し、アクチュエ
ータ負荷が過大な限界領域を判断すると、後輪の切り増
し方向の操舵制御を中止してアクチュエータ負荷が過大
になる直前の後輪舵角に保持し、切り戻しの際に目標後
輪舵角が保持された後輪舵角以下となった以降に後輪操
舵制御を再開することを特徴とする。
【0008】
【作用】上記制御方法による本発明では、車両走行時に
制御ユニットの電気信号によりアクチュエータが作動し
て、後輪が自動的に同相または逆相に操舵される。そし
て車両の加速度等により後輪操舵アクチュエータの負荷
状態が推定され、高μ路で全開加速して直進または旋回
するような走行条件で、後輪グリップ力と共にアクチュ
エータ負荷が過大な限界領域になったことを判断する
と、後輪の切り増し方向の操舵制御を中止してアクチュ
エータ負荷が過大になる直前の後輪舵角に保持すること
で、アクチュエータに過大な負荷がかかることが回避さ
れる。またハンドル切り戻しの際に目標後輪舵角が保持
された後輪舵角以下となった以降に後輪操舵制御を再開
するため、誤操舵が防止される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2において、車両の駆動系と4輪操舵系の概略
について説明する。先ず、車両1においてエンジン2が
クラッチ3、変速機4に連結され、変速機4の出力側が
フロントデフ5、車軸6等を介して前輪7に伝動構成さ
れる。また変速機4の出力側は、プロペラ軸8、リヤデ
フ9、車軸10等を介して後輪11にも伝動構成され、
4輪駆動走行する。また4輪操舵系として、前輪操舵装
置20と後輪操舵装置30を有する。
【0010】前輪操舵装置20は、ハンドル21を有す
るステアリングシャフト22が、油圧式の制御バルブ2
3とパワーシリンダ24、ロッド25、ナックルアーム
26を介して前輪7に連結され、ハンドル操作により前
輪7を手動操舵するように構成される。後輪操舵装置3
0は、電動モータ31を有し、このモータ31が減速用
のウォームギヤ32を介して偏芯軸33に連結され、こ
の偏芯軸33からリンク34、レバー35、ナックルア
ーム36等を介して後輪11に連結され、モータ駆動に
より後輪11を自動操舵するように構成される。また異
常時にモータ電源を切った場合には、ウォームギヤ32
の非可逆性により後輪11を路面外力に対して所定の舵
角状態に保持する。
【0011】制御系として、ハンドル角θを検出するハ
ンドル角センサ40、ハンドル角速度dθを検出するハ
ンドル角速度センサ41、後輪舵角Erを検出する後輪
舵角センサ42、後輪舵角速度ωrを検出する後輪舵角
速度センサ43を有する。また車両の回頭状態に応じた
回転角速度のヨーレートγを検出するヨーレートセンサ
44を有する。更に、制御用車速Vを演算するため前左
車輪速Nfrを検出する前左車輪速センサ45、後右車
輪速Nrlを検出する後右車輪速センサ46を有し、こ
れらセンサ信号が制御ユニット50に入力して電気的に
処理され、後輪の操舵方向、舵角、舵角速度に応じたモ
ータ信号をモータ31に出力する。
【0012】制御ユニット50は、前左車輪速Nfrと
後右車輪速Nrlが入力する車速算出部51を有し、制
御用の車速Vを、V=(Nfr+Nrl)/2により算
出する。車速Vはハンドル角係数設定部52に入力し
て、ハンドル角係数Kθを車速Vの関数で設定し、同時
にヨーレート係数設定部53に入力して、ヨーレート係
数Kγを同様に車速Vの関数で設定する。ハンドル角係
数Kθは、図3(a)の舵角ゲインマップのように車速
全域で逆相であり、低中速域において車速Vが低いほど
値の絶対値が減少変化する特性である。ヨーレート係数
Kγは、同図のヨーレートゲインマップのように車速全
域で同相であり、車速Vの上昇に応じて緩やかに増大変
化する特性である。そこでこのマップを参照して両係数
Kθ、Kγを設定する。
【0013】ハンドル角θとハンドル角係数Kθは乗算
部54に入力して両者の乗算値Kθ・θを算出し、ヨー
レートγとヨーレート係数Kγも乗算部55に入力して
両者の乗算値Kγ・γを算出する。これら2つの乗算値
Kθ・θ、Kγ・γは目標後輪舵角演算部56に入力
し、目標後輪舵角ETを、 ET=Kγ・γ+Kθ・θ により算出する。従って、Kγ・γの項は車両を安定側
に保つ安定要素であり、Kθ・θの項は旋回を促進する
旋回要素である。
【0014】ここでヨーレートγは車速全域で旋回や外
乱による車両回頭状態に応じて発生し、この係数Kγが
車速Vの増大関数の特性であるため、車速Vが大きいほ
どKγ・γの値が大きくなる。ハンドル角θは一般に中
高速域では非常に小さく、このため係数Kθが逆相方向
に小さい特性でもKθ・θの値は零付近になる。そこで
中高速域でヨーレートγが発生すると、Kγ・γの値に
より目標後輪舵角ETは同相方向になって、安定性重視
で制御される。ハンドル角θの大きい低速域では逆相方
向のKθ・θの値により旋回性重視で制御され、このと
きヨーレートγの同相方向のKγ・γの値で安定側に補
正される。
【0015】目標後輪舵角ETと後輪舵角Erは偏差算
出部57に入力して偏差EDを、ED=ET−Erによ
り算出する。この偏差EDは目標後輪転舵速度設定部5
8に入力し、図3(b)のマップにより偏差EDに応じ
た目標後輪転舵速度ωoを設定する。更に、目標後輪転
舵速度ωoと後輪舵角速度ωrは速度差算出部59に入
力して速度差ωdを、ωd=ωo−ωrにより算出す
る。そして速度差ωdは制御量設定部60に入力して、
速度差ωdに応じた比例成分の制御量Kpを設定し、駆
動部61により制御量Kpに応じた正転または逆転のモ
ータ電流Iをモータ31に供給するように構成される。
【0016】上記制御系において、限界領域の制御につ
いて説明する。先ず、後輪操舵制御の限界領域は、高μ
路の全開加速のように後輪グリップ力が特に大きい走行
状態であり、この場合は車両に大きい加速度が作用す
る。このため限界領域のモータ負荷状態は、車両の加速
度の大きさにより推定できる。またモータ負荷が大きい
場合において、後輪の切り増し方向の操舵ではモータ負
荷の増大を招いて好ましくないが、切り戻し方向には容
易に操舵することができる。
【0017】そこで車両の前後加速度Gxを検出する前
後Gセンサ47、車両の横加速度Gyを検出する横Gセ
ンサ48を有し、これら前後加速度Gxと横加速度Gy
がモータ負荷推定部62に入力する。そして車両の直進
及び旋回時の全体的な加速度から限界領域のモータ負荷
状態を推定するため、前後加速度Gx、横加速度Gy、
前後加速度方向の重み係数p(p>0)により、モータ
負荷Rを以下のように算出する。 R=(p・Gx2 +Gy21/2 そしてモータ負荷Rの大きさにより限界領域のモータ負
荷過大を推定する。
【0018】またモータ負荷信号、後輪舵角Er、目標
後輪舵角ETは後輪操舵制限部63に入力する。そして
モータ負荷Rが過大な場合は、目標後輪舵角ETにより
後輪切り増しまたは切り戻しを判断し、後輪切り増しの
場合は制御量設定部60に中止信号を出力して、モータ
負荷増大直前の後輪舵角Ernに保持する。また後輪切
り戻しの場合は、目標後輪舵角ETが保持していた後輪
舵角Ern以下となった以降に再開信号を出力して、後
輪操舵制御を再開するように構成される。
【0019】次に、この実施例の作用を説明する。先
ず、エンジン2を運転し、変速機4の変速動力が駆動系
により前輪7と後輪11に伝達することで、車両1が4
輪駆動で走行する。このときドライバがハンドル21を
操作すると、前輪操舵装置20により前輪7が転舵して
手動操舵される。また図4のフローチャートが所定時間
毎に実行して、走行、ハンドル操作、車両の回頭等の状
態により後輪操舵制御される。
【0020】即ち、車両の走行中にステップS1で前後
加速度Gxと横加速度Gyを読込み、ステップS2でこ
れら前後加速度Gxと横加速度Gyにより直進時と旋回
時に車両にかかる全体的な加速度に応じてモータ負荷R
を算出し、ステップS3でモータ負荷Rを設定値Rsと
比較する。そこで路面μの低い場合はエンジン出力が大
きくても車輪スリップにより車両の加速度は小さくて、
モータ負荷Rも小さくなる。また高μ路でも通常のエン
ジン出力の走行では、車両の加速度が比較的小さくて、
後輪グリップ力と共にモータ負荷Rは設定値Rs以下に
なる。従って、これらの場合は後輪操舵制御の限界領域
に達していないことを判断し、ステップS3からステッ
プS4に進んで通常に後輪操舵制御する。
【0021】そこでハンドル角θ、ヨーレートγ、後輪
舵角Er、後輪舵角速度ωrを読込み、車速Vを算出す
る。そして車速Vに応じてハンドル角係数Kθとヨーレ
ート係数Kγを設定し、目標後輪舵角ETをハンドル角
θとその係数Kθ、ヨーレートγとその係数Kγにより
演算する。その後目標後輪舵角ETと後輪舵角Erとの
偏差EDを算出して、偏差EDに応じた目標後輪転舵速
度ωoを設定し、目標後輪転舵速度ωoと後輪舵角速度
ωrとの速度差ωdを算出する。そして速度差ωdに応
じた制御量Kpを定め、制御量Kpのモータ電流Iを出
力してモータ31を駆動する。
【0022】このため後輪操舵装置30では、モータ3
1によりウォームギヤ32、偏芯軸33が回転し、リン
ク34、レバー35が左右に揺動して後輪11が自動的
に操舵される。この場合に後輪11は同相または逆相
で、所望の舵角や舵角速度を得るように、逆相舵角比例
制御とヨーレートフィードバック制御される。
【0023】そこで発進等の低速時にハンドル21を大
きく切ると、目標後輪舵角ETがKθ・θの値により負
になり、後輪11が逆相操舵して小回り旋回される。こ
のとき急旋回したり、路面μにより車両が回頭してヨー
レートγが大きくなると、Kγ・γの値により後輪11
の逆相操舵が減少補正され、車両の挙動が安定化され
る。中高速時の旋回では目標後輪舵角ETが主としてK
γ・γの値により正になって後輪11が同相操舵され、
このため旋回時の車両の安定性が良くなる。また横風等
の外乱で車両が左右に急激に回頭すると、ヨーレートγ
が大きく増減変化してこの車両1の挙動変化が迅速に検
出される。そしてKγ・γの値により後輪11は車両1
が回頭するにもかかわず同相状態を保持するように操舵
される。このため車両1は横風により流されないように
安定して対向した姿勢になり、且つスムースに元の進路
に戻る。
【0024】一方、高μ路で全開加速して直進または旋
回するような走行条件では、車両の加速度と共に後輪グ
リップ力が急増し、この場合の車両の加速度によりモー
タ負荷Rも大きい値に算出される。そして前後加速度方
向の重み係数pにより、後輪11が転舵した状態でも、
後輪グリップ力に対応したモータ負荷Rが正確に算出さ
れる。
【0025】そこで例えば図5のような旋回時に、モー
タ負荷Rが設定値Rsより大きくなると限界領域を判断
する。そしてこの限界領域のモータ負荷Rが過大な場合
は、ステップS3からステップS5に進み目標後輪舵角
ETの前回の値ETn−1と今回の値ETnを比較し
て、後輪切り増し方向または切り戻し方向を判断する。
そこで図5の右旋回の時点t1のように、ETn−1<
ETnにより後輪切り増しを判断すると、ステップS6
に進んで後輪舵角を保持するように制御する。またET
n−1>ETnにより切り戻しを判断すると、ステップ
S5からステップS7に進んで目標後輪舵角ETと後輪
舵角Erとをチェックする。そして目標後輪舵角ETの
方が大きい場合は同様にステップS6に進んで、後輪舵
角を保持する。
【0026】かかる旋回時には車速V、横加速度Gyと
共にヨーレートγが大きくて、目標後輪舵角ETにより
後輪11も同相に大きく操舵されつつある。この状態で
後輪11は、図5の破線のようにモータ負荷Rが過大に
なった直前の舵角Ernに固定保持される。このためモ
ータ31は後輪11の過大なグリップ力に抗して動く必
要がなくなって、過大な負荷がかからなくなる。このと
き後輪舵角Erは目標後輪舵角ETより小さく制限され
るが、車両1は大きい後輪グリップ力自体により安定状
態に保持され、不都合を生じない。
【0027】またハンドル21を切り戻すと、目標後輪
舵角ETが減少する。そして図5の時点t2で上述の保
持された後輪舵角Ern以下となると、これ以降はステ
ップS7からステップS8に進んで、後輪操舵制御を再
開する。そこでモータ31は逆転駆動し、後輪11が目
標後輪舵角ETに追従して負荷の小さい中立方向に容易
に操舵される。この場合にヨーレートγの分だけ後輪1
1は遅れて戻るが、前輪7と同様に後輪11も戻り、こ
のためハンドル切り戻しの際の誤操舵が防止される。ま
た同一の条件で左旋回する場合も、図5のように同様に
後輪操舵が中止または再開するように制御される。
【0028】本発明の他の実施例として、摩擦円の理論
を用いて前後輪の路面μを算出することで、後輪グリッ
プ力と共にモータ負荷状態を推定する場合について説明
する。この場合に前輪7と後輪11の関係を2輪モデル
で示すと図6のようになり、重心に前後加速度Gxと横
加速度Gyが作用し、重心と前後輪の距離はLf,L
r、ホイールベースはLである。そこで車重W、前後加
速度Gx、前後トルク配分αにより前輪前後力Xfと後
輪前後力Xrを求めると、 Xf=W・Gx・α、 Xr=W・Gx・(1−α) になる。また横加速度Gyと前後輪の距離Lf,Lr,
Lにより前輪横力Yfと後輪横力Yrを求めると、 Yf=W・Gy・Lr/L、 Yr=W・Gy・Lf/
L になる。
【0029】また静止時の前輪接地荷重Wfo、後輪接
地荷重Wro、重心高hを加えて前軸荷重Wfと後軸荷
重Wrを求めると、 Wf=Wfo−W・Gx・h/L、 Wr=Wro+W
・Gx・h/L になる。そこで前輪前後力Xfと前輪横力Yfを前軸荷
重Wfにより除算して、荷重移動の影響を除いた前輪7
の前後力Xf/Wfと、横力Yf/Wfを算出する。そ
して図6のように摩擦円の理論を用い、前輪仮想路面μ
fを両者の2乗和の平方根により求める。
【0030】一方、後輪11に関しても、同様に後輪前
後力Xrと後輪横力Yrを後軸荷重Wrにより除算し
て、荷重移動の影響を除いた後輪11の前後力Xr/W
rと、横力Yr/Wrを算出する。そして図6のように
摩擦円の理論を用い、後輪仮想路面μrを両者の2乗和
の平方根により求める。そしてこれら前輪仮想路面μf
と後輪仮想路面μrのいずれか大きい方を選択し、路面
利用率(例えば0.9)で除算して路面μを求める。そ
こでこの場合の路面μの値を設定値と比較することによ
り、同様に限界領域のモータ負荷Rの過大を推定するこ
とができる。尚、この場合に後輪11の路面μのみを算
出するだけでも良い。
【0031】以上、本発明の実施例として、後輪操舵ア
クチュエータがモータの場合について説明したが、他の
アクチュエータにも同様に適応できる。後輪操舵制御の
方式が異なる場合にも適応できることは勿論である。
【0032】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によると、
後輪操舵装置において、4WS効果の薄い後輪操舵制御
の限界領域では、後輪切り増し方向の操舵制御を中止す
るので、後輪操舵アクチュエータの過大な負荷を確実に
回避することができる。このためアクチュエータの故障
の頻度を低減して、長期間良好に保護することができ
る。またアクチュエータの出力、容量を増大する必要が
無くて、装置を小型化することが可能になる。アクチュ
エータの負荷が過大な場合でも、後輪切り戻し方向には
後輪操舵制御するので、ハンドル切り戻しの際の誤操舵
が防止される。
【0033】アクチュエータ負荷状態を車両の加速度や
前後輪の路面μにより推定する方法であるから、高μ路
の全開加速のような走行条件での大きい後輪グリップ力
に対応した限界領域と、この領域のアクチュエータ負荷
を正確に推定できる。また制御の演算も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る後輪操舵装置の制御方法に適した
制御系を示すブロック図である。
【図2】車両の駆動系と4輪操舵系の概略を示す構成図
である。
【図3】ハンドル角係数、ヨーレート係数、目標後輪転
舵速度のマップを示す図である。
【図4】後輪操舵の中止、再開等の制御を示すフローチ
ャートである。
【図5】左右旋回時の後輪操舵の中止と再開の状態を示
す図である。
【図6】路面μの推定に使用する説明図である。
【符号の説明】
30 後輪操舵装置 31 電動モータ 50 制御ユニット 56 目標後輪舵角演算部 62 モータ負荷推定部 63 後輪操舵制限部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 111:00 113:00 117:00 137:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御ユニットからの電気信号により作動
    するモータ等のアクチュエータを有し、このアクチュエ
    ータにより後輪をそのグリップ力に抗して動かすことで
    自動的に操舵する後輪操舵装置において、車両走行中に
    後輪操舵アクチュエータの負荷の状態を推定し、アクチ
    ュエータ負荷が過大な限界領域を判断すると、後輪の切
    り増し方向の操舵制御を中止してアクチュエータ負荷が
    過大になる直前の後輪舵角に保持し、切り戻しの際に目
    標後輪舵角が保持された後輪舵角以下となった以降に後
    輪操舵制御を再開することを特徴とする後輪操舵装置の
    制御方法。
  2. 【請求項2】 アクチュエータ負荷は、車両の前後加速
    度と横加速度による全体的な加速度、または車両の前後
    加速度、横加速度、前後トルク配分等を用いて前後輪の
    摩擦円により算出される路面μの値で推定することを特
    徴とする請求項1記載の後輪操舵装置の制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010264928A (ja) * 2009-05-16 2010-11-25 Nissan Motor Co Ltd 車両用操舵制御装置、および操舵制御装置付き車両
CN113619681A (zh) * 2021-09-15 2021-11-09 东风汽车集团股份有限公司 一种弯道主动稳定控制方法和系统

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