JPH07212725A - 静止画多重伝送装置及び静止画多重受信装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 テレビジョン信号におけるフレーム周期の単
位で識別信号と映像信号とを対応させて静止画の伝送と
受信を行う。 【構成】 静止画映像信号に係る垂直帰線期間の所定位
置に該静止画映像を区別するためのそれぞれ異なる識別
信号をフレーム周期で重畳する映像信号源１、２、３ご
とに設けてなる識別信号重畳部４、５、６それそぞれ
と、前記識別信号重畳部よりのそれぞれの信号を切り換
える映像切換部８とを備え、該識別信号と対応せしめて
フレーム毎に異なる静止画映像信号を周期的に送信す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、静止画多重伝送装置及
び静止画多重受信装置に係り、より詳細には、テレビジ
ョン信号におけるフレーム周期の単位で識別信号と映像
信号とを対応させて伝送し、又これを受信するようにし
た装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、放送波（NTSC方式）を利用して自
然画に近い静止画をフレーム単位（１／30秒）で多重し
て送受信するという方法は無かった。もっとも、放送波
を利用して静止画を伝送できる方法として文字多重放送
がある。同文字多重放送は映像信号の垂直帰線期間の所
定位置に文字や図形等の信号を重畳して伝送するもので
あるが、伝送情報量が限定されることから、自然画とし
ての伝送はできず、また表示密度等も少ない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の文字
多重放送とは異なる方式による静止画の伝送と受信を行
うようにした装置を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、静止画映像信
号に係る垂直帰線期間の所定位置に該静止画映像を区別
するためのそれぞれ異なる識別信号をフレーム周期で重
畳する映像信号源ごとに設けてなる識別信号重畳手段そ
れそぞれと、前記識別信号重畳手段よりのそれぞれの信
号を切り換える切換手段とを備え、該識別信号と対応せ
しめてフレーム毎に異なる静止画映像信号を周期的に送
信するようにした静止画多重伝送装置と、及び、受信し
た前記静止画映像信号から垂直同期信号と水平同期信号
とを分離する同期分離部と、前記同期分離部よりの垂直
同期信号によりリセットしつつ同水平同期信号をカウン
トし、識別信号が重畳された所定位置に係る信号を出力
するカウンタと、前記静止画映像信号を水平ラインごと
に記憶するラインメモリと、指定操作に基づき識別信号
を発生する識別信号発生部と、前記カウンタよりの所定
位置に係る信号に基づき、前記ラインメモリの映像信号
における識別信号と前記識別信号発生部よりの指定識別
信号とを比較し、双方が一致したときには書き込み許可
の信号を出力する比較部と、前記比較部よりの書き込み
許可の信号が入力されたときには、前記同期分離部より
の水平同期信号と垂直同期信号とを使用して前記静止画
映像信号の中から指定した識別信号に係る所要の映像信
号を書き込むフレームメモリと、次に識別信号が一致す
る映像信号を取り込むまで前記フレームメモリから前記
書き込んだ映像信号を出力させる表示コントローラとを
備え、識別信号を指定することで同識別信号に対応する
静止画映像信号を取り出すようにした静止画多重受信装
置とを提供するものである。

【０００５】

【作用】

（１）伝送（送信） 静止画はフレーム単位（２フィールド）で１つの静止画
を構成する。このフレームに対応させて識別信号を垂直
帰線期間の最初のフィールドの所定位置（例えば、10Ｈ
位置）に重畳する。これら識別信号が重畳された静止画
をスイッチでフレーム単位に切り換えて送出する。

【０００６】（２）受信 受信映像信号から分離した水平同期信号及び垂直同期信
号を基に識別信号が重畳された前記所定位置を検出す
る。また、ユーザは映出したい静止画に対応する識別番
号を指定する。比較部において、前記検出した受信映像
信号の識別信号と指定した識別信号とを比較する。この
比較で一致した識別信号に係る映像信号をフレームメモ
リに記憶する。表示コントローラはフレームメモリから
記憶した映像信号を読みだし、出力させる。この出力は
識別信号の変更指定があるまで継続する。

【０００７】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明による静止画多
重伝送装置及び静止画多重受信装置を説明する。図１か
ら図３は本発明による静止画多重伝送装置及び静止画多
重受信装置の一実施例を示す要部ブロック図であり、図
１は送信側の要部ブロック図、図２は図１における識別
信号の重畳に係る要部ブロック図、図３は受信側の要部
ブロック図である。また、図４は識別信号重畳の説明図
である。図１において、１、２及び３は映像源の例とし
てのカメラＡ、カメラＮ及び光磁気ディスクでり、４及
び５は各カメラからの映像信号に固定の識別信号を重畳
する固定識別信号重畳部、６は多数の映像源に対応する
ための可変識別信号重畳部、７は前記可変識別信号重畳
部６に要する可変の識別信号を生成する識別信号生成
部、８は各識別信号重畳部よりの映像信号を切換える映
像切換部である。

【０００８】図２において、11は映像信号Ｓ11から水平
同期信号（HD）及び垂直同期信号（VD）を分離する同期
分離部、12は前記分離した水平同期信号（HD）を垂直同
期信号（VD）でリセットしつつカウントし、識別信号を
重畳する所定位置を示す信号（ラインメモリに対するロ
ード信号）を出力するカウンタ、13は伝送する静止画そ
れぞれに対応させる固有の識別信号を発生する識別信号
発生部、14はカウンタ12よりのロード信号に基づき識別
信号発生部13からの識別信号を最初のフィールドに係る
垂直帰線期間内の所定位置（例えば、10Ｈ位置）に記憶
するラインメモリ、15はラインメモリ14から読みだした
識別信号を映像信号の前記所定位置に重畳する重畳部で
ある。

【０００９】また、図３において、21は受信した映像信
号Ｓ21から水平同期信号（HD）及び垂直同期信号（VD）
を分離する同期分離部、22は前記分離した水平同期信号
（HD）を垂直同期信号（VD）でリセットしつつカウント
し、識別信号の重畳位置を示す信号を出力するカウン
タ、23は映像信号Ｓ21を水平ラインごとに記憶更新して
いくラインメモリ、24は指定の識別信号を発生する指定
識別信号発生部、25はラインメモリ23からの識別信号と
指定識別信号発生部24からの指定識別信号とを比較する
比較部、26は比較部25での比較の結果、双方の識別信号
が一致したときには対応するフレームの映像信号を記憶
するフレームメモリ、27はフレームメモリ26から記憶し
た映像信号読み出す表示コントローラである。

【００１０】次に、本発明の動作につき伝送装置と受信
装置とに分けて説明する。 （１）伝送（送信）装置 図１において、カメラ１、２や光磁気ディスク３等の各
映像源からの各映像信号にそれぞれ対応させた固有の識
別信号を重畳する（識別信号重畳部４、５、６）（重畳
については後述）。カメラ１、２や光磁気ディスク３等
の各映像源相互間は基準同期信号S1によりフレーム同期
がとられている。識別信号が重畳された映像信号を映像
切換部８でフレーム（２フィールド）周期で切り換え
る。これにより、フレームごとに異なる静止画が連続し
て送出される。上記の識別信号の重畳は以下のようにす
る。図２において、同期分離部11により受信映像信号Ｓ
11から水平同期信号（HD）と垂直同期信号（VD）とを得
る。カウンタ12は同HDをカウントして識別信号を重畳す
る所定位置を示す信号（ラインメモリに対するロード信
号となる）を出力する。なお、カウンタ12はVDでリセッ
トする。

【００１１】識別信号は１フレームにおける最初のフィ
ールドの垂直帰線期間内に重畳するが、その位置は本発
明の成立上からは特に制約はない。本実施例では信号を
図４に示すようにNTSC方式テレビ信号とし、その垂直帰
線期間の10Ｈ目の位置に識別信号（イ）を重畳する。ま
た、この重畳はフレーム単位で行う。従って、NTSC方式
の場合には垂直周期は１／60（秒）（１フィールド）で
あり、２フィールド（＝１フレーム）で１つの画像が構
成されるので１／30（秒）単位且つ最初のフィールドの
10Ｈ目の位置に各静止画に対応する識別信号を重畳す
る。以上から、NTSC方式の場合には30枚／１秒の割合で
静止画が伝送されることになる。また、上記識別信号は
ディジタル信号である。例えば、1800枚の静止画を多重
伝送するとしたとき、11ビットの２値ディジタル信号で
識別信号を割り当てることができる。さらに、誤り検出
用の符号（１ビット）とビット同期をとるためのクロッ
クラインを16周期（16ビット）付加するとすれば上記18
00枚の静止画を伝送するための識別信号は28ビットの信
号となり、これを各静止画に割り当てる。

【００１２】各静止画に割り当てる固有の識別信号は各
重畳部ごとに設けてなる識別信号発生部13により発生す
る。なお、可変識別信号重畳部７で重畳する識別信号も
個々には固有の信号である。発生した識別信号はライン
メモリ14に、カウンタ11からの前記ロード信号に基づき
所定位置（前記10Ｈ目）に対して記憶される。ラインメ
モリ14に一旦記憶された識別信号は読み出されて重畳部
15で映像信号Ｓ11の所定位置に重畳される。以上により
１つの静止画が完成し、これら個々の静止画をフレーム
周期に切り換える（図１映像切換部８）。 （２）受信装置 識別信号と対応した個々の静止画がフレーム周期で連続
してなる映像信号を受信した受信装置側は同映像信号Ｓ
21から同期分離部21で水平同期信号（HD）と垂直同期信
号（VD）とを分離する。このHDをカウンタ22がVDでリセ
ットしつつカウントする。同カウンタ22の目的は識別信
号の重畳位置（前記例から10Ｈ目）を検出することであ
る。この検出信号は比較部25へ送られる。一方、ライン
メモリ23では受信映像信号Ｓ21について水平ラインごと
に記憶更新している。

【００１３】ここで、ユーザが識別信号を指定すると指
定識別信号発生部24から同信号が発生され、比較部25へ
送られる。比較部25はカウンタ22からの識別信号の重畳
位置を示す信号に従い、ラインメモリ23及び指定識別信
号発生部24それぞれからの識別信号を比較する。この比
較で双方の信号が一致したときには比較部25は同識別信
号に続いて送られてくる該当静止画映像信号をフレーム
メモリ26に取り込ませる。この取り込みにより指定した
静止画映像信号がフレームメモリ26に記憶される。表示
コントローラ27はフレームメモリ26から記憶した指定の
静止画映像信号を読みだし、映像出力Ｓ22とする。同Ｓ
22がモニタ上に映出される。表示コントローラ27による
フレームメモリ26からの読みだしは、次に識別信号が指
定されるまで、換言すれば、比較部25での次の識別信号
の一致があるまで継続される。以上が受信装置側の動作
である。

【００１４】次に、本発明の応用例につきNTSC方式を前
提として説明する。 （１）地図情報システム 例えば、日本地図を1800枚に分割し、各々の地図情報に
それと対応せしめた識別信号を１から1800までの数字で
表し（この場合、前述のように11ビット信号で可能）、
これを垂直帰線期間の前記同様に10Ｈ目に重畳する。こ
の場合、１枚の地図情報を伝送するのに１／30（秒）か
かるので1800枚伝送する所要時間は１分となる〔1800×
（１／30）（秒）〕。これを１周として反復送信する。
受信側は希望の地図に対応する識別番号を指定入力する
と前記動作説明に従い指定した地図がモニタ上に映出さ
れる。本例の受信待ち時間は最大１分、平均30秒とな
る。

【００１５】（２）その他の応用 前記例の地図を写真情報として受信装置側にビデオプリ
ンタを接続することで高速・大容量の写真伝送が可能と
なる。この場合、図３の表示コントローラ27のフレーム
メモリ26に対する制御信号Ｓ23を上記ビデオプリンタの
駆動制御信号に使用すれば自動的なプリンタが可能とな
る。更に他の応用例として、テレビカメラを入力ソース
とし、広告や各観光地の状況（リアルタイム）をサービ
スし、受信端末で場所を選択（識別信号の指定）するこ
とにより希望の広告や各観光地の状況を映出することが
できる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来の文字多重放送とは別異の方式により多数の静止画を
短い待ち時間で映出することが可能となる。特に、伝送
情報数を制限すれば以下のような半動画映像としての伝
送が可能となる。例えば、前記実施例における各観光地
の状況に関する映像において、伝送する観光地を30箇所
とすれば１枚／１秒の割合で映像を伝送できるので時間
とともに変化する状態を半動画として見ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による静止画多重伝送装置の一実施例を
示す要部ブロック図である。

【図２】図１における識別信号の重畳に係る一実施例を
示す要部ブロック図である。

【図３】本発明による静止画多重受信装置の一実施例を
示す要部ブロック図である。

【図４】識別信号重畳の説明図である。

【符号の説明】

１ カメラＡ ３ 光磁気ディスク ４ 固定識別信号重畳部 ６ 可変識別信号重畳部 ７ 識別信号生成部 ８ 映像切換部 11 同期分離部 12 カウンタ 13 識別信号発生部 14 ラインメモリ 15 重畳部 21 同期分離部 22 カウンタ 23 ラインメモリ 24 指定識別信号発生部 25 比較部 26 フレームメモリ 27 表示コントローラ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 静止画映像信号に係る垂直帰線期間の所
   定位置に該静止画映像を区別するためのそれぞれ異なる
   識別信号をフレーム周期で重畳する映像信号源ごとに設
   けてなる識別信号重畳手段それそぞれと、前記識別信号
   重畳手段よりのそれぞれの信号を切り換える切換手段と
   を備え、該識別信号と対応せしめてフレーム毎に異なる
   静止画映像信号を周期的に送信するようにしたことを特
   徴とする静止画多重伝送装置。
2. 【請求項２】 前記識別信号重畳手段を、前記静止画映
   像信号から垂直同期信号と水平同期信号とを分離する同
   期分離部と、前記同期分離部よりの垂直同期信号により
   リセットしつつ同水平同期信号をカウントし、前記所定
   位置を示す信号を出力するカウンタと、各々の静止画映
   像信号と対応させる識別信号を発生する識別信号発生部
   と、前記カウンタよりの前記所定位置を示す信号に基づ
   き垂直帰線期間の同所定位置に前記識別信号発生部より
   の各々の識別信号を対応せしめて記憶するラインメモリ
   と、前記ラインメモリよりの各々の識別信号を前記静止
   画映像信号の垂直帰線期間のそれぞれのフレームに係る
   所定位置に重畳する重畳部とで構成したことを特徴とす
   る請求項１記載の静止画多重伝送装置。
3. 【請求項３】 受信した前記静止画映像信号から垂直同
   期信号と水平同期信号とを分離する同期分離部と、前記
   同期分離部よりの垂直同期信号によりリセットしつつ同
   水平同期信号をカウントし、識別信号が重畳された所定
   位置に係る信号を出力するカウンタと、前記静止画映像
   信号を水平ラインごとに記憶するラインメモリと、指定
   操作に基づき識別信号を発生する識別信号発生部と、前
   記カウンタよりの所定位置に係る信号に基づき、前記ラ
   インメモリの映像信号における識別信号と前記識別信号
   発生部よりの指定識別信号とを比較し、双方が一致した
   ときには書き込み許可の信号を出力する比較部と、前記
   比較部よりの書き込み許可の信号が入力されたときに
   は、前記同期分離部よりの水平同期信号と垂直同期信号
   とを使用して前記静止画映像信号の中から指定した識別
   信号に係る所要の映像信号を書き込むフレームメモリ
   と、次に識別信号が一致する映像信号を取り込むまで前
   記フレームメモリから前記書き込んだ映像信号を出力さ
   せる表示コントローラとを備え、識別信号を指定するこ
   とで同識別信号に対応する静止画映像信号を取り出すよ
   うにしたことを特徴する静止画多重受信装置。