JPH0721222Y2

JPH0721222Y2 - プログラム式間欠回転・水平振盪機

Info

Publication number: JPH0721222Y2
Application number: JP13588489U
Authority: JP
Inventors: 春一大桐
Original assignee: 株式会社大同工業所
Priority date: 1989-11-22
Filing date: 1989-11-22
Publication date: 1995-05-17
Anticipated expiration: 2004-11-22
Also published as: JPH0375829U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は血小板の保存等に利用する振盪機の改良に係
り、回転運動と水平往復運動の何れか一方若しくは両方
を任意に選択できるようにした間欠式回転・水平振盪機
に関するものである。

（従来の技術）一般に血小板製剤の調整は、血液保存液と混和された血
液から遠心分離により多血小板血漿を採集し、更にその
多血小板血漿に遠心分離と振盪を加えて濃縮を行い、濃
厚血小板を調整することである。この調整において、血
小板は遠心力により一時的に塊となるため、振盪作用を
加えて血小板を血漿中に再浮遊させる必要がある。ま
た、血小板製剤の保存においても、振盪作用を加えて血
小板の沈降・凝集の防止や血液バッグ内外における通気
による血漿PHの維持が必要である。

ところで、血小板は機械的外力によって破壊され易く極
めて不安定なものである。

従って、前記血小板製剤の振盪に際しても、血小板を破
壊することなしに、しかも血小板を血漿中に均等に分散
した状態に保持する必要があり、万一過度の振盪によっ
て多数の血小板が破壊されたり、或は振盪の不足によっ
て血小板の凝集や血漿PHの低下等が生じると、血小板製
剤の品質が大幅に低下することとなる。

その為、従来この種の血小板製剤の振盪は、血液バッグ
等を乗せた台車を所定の速度で水平方向に往復動させる
ようにした水平振盪装置や、外表面に血液バッグ等を固
定した円板を垂直上に軸支し、これを所定の速度で回転
するようにした回転振盪装置（実願昭61-100304号等）
を用い、振盪作用の強さや振盪時間を適宜に選定しつつ
行なわれている。

即ち、前者の水平振盪装置は、その作動条件を適宜に選
定することにより血小板の破壊を殆んど生じることなし
に振盪を行なうことが出きるものの、血小板の分散・再
浮遊作用に劣ると云う難点がある。これに対して、後者
の回転振盪装置は、血小板の分散・再浮遊作用には優れ
ているものの、血小板の破壊を生じ易いと云う難点があ
る。

その結果、至適な血小板製剤の振盪を行なう為には、水
平振盪装置と回転振盪装置とを組み合わせて使用し、水
平振盪装置による血小板の保存を主とする振盪と、回転
振盪装置による血小板の再浮遊を主とする振盪とを、所
定のピッチで実施する必要がある。

しかし乍ら、水平振盪装置と回転振盪装置を夫々別個に
設置することは、設備費や設置場所を多く必要とするだ
けでなく、血液バッグ等の出し入れにも多くの手数を要
し、作業性に欠けると云う難点がある。

（考案が解決しようとする課題）本考案は、従前の血小板製剤等の振盪装置に於ける上述
の如き問題、即ち水平振盪装置若しくは回転振盪装置
のみでは、適正な振盪を行なうことが出来ないこと、
水平振盪装置と回転振盪装置の両方を組み合わせ使用し
た場合には、設備費が高騰するうえ、血液バッグ等の出
し入れにも手数が掛かり作業性に欠けること等の問題を
解決せんとするものであり、血液バッグ等を出し入れす
ることなしに水平振盪と回転振盪とを任意に切換え実施
できるようにした、間欠式回転水平振盪機を提供するも
のである。

（課題を解決するための手段）基台１と；前記基台１上に載置され、間欠的若しくは連
続的に駆動される水平駆動装置２と；前記基台１上に移
動自在に配設され、水平駆動装置２により水平方向に所
定のストローク並びに速度で往復動される台車４と；前
記台車４上に回転自在に軸支され、複数の棚状収納部6c
を備えた収納棚６と；前記台車４上に載置され、収納棚
６を所定の速度で間欠的若しくは連続的に回転駆動する
回転駆動装置８と；前記水平駆動装置２及び回転駆動装
置８の作動と停止並びに間欠作動と連続作動を夫々制御
する制御装置３とを考案の基本構成とするものである。

（作用）制御装置３の振盪モードスイッチ3bを設定し、これを回
転モードに設定した場合には、収納棚６は所定の回転数
並びに時間間隔で間欠的に回転される。これにより、収
納棚６内の血小板は分散・再浮遊作用を受けることにな
る。

また、前記振盪モードスイッチ3bを水平モードに設定し
た場合には、収納棚６は所定のストローク並びに速度で
水平方向に間欠的に往復動される。これにより、収納棚
６内の血小板は主として揺動作用を受けることになる。

更に、振盪モードスイッチ3bを回転・水平モードに設定
した場合には、前記分散・再浮遊と揺動の両作用が血小
板に同時に与えられる。

（実施例）以下、第１図乃至第３図に基づいて本考案の実施例を説
明する。

第１図は本考案に係る間欠式回転・水平振盪機の一部を
破断した正面図であり、第２図はその側面図、第３図は
平面図である。

図に於いて、１は基台、２は水平駆動装置、３は制御装
置、４は台車、５は支持枠体、６は収納棚、７は支軸、
８は回転駆動装置である。

前記基台１の一側には水平駆動装置２と制御装置３と台
車４が夫々載置されており、前記制御装置３によって後
述する如く、台車４の水平方向へ往復動や収納棚６の回
転駆動等の制御が行なわれる。

前記水平駆動装置２はモータ2aと減速機構2b並びに回転
運動を往復動に変換するクランク機構2c等より構成され
ており、台車４を一定のストローク並びに時間間隔で水
平方向に往復動させる。

前記制御装置３は基台１の一側前方に配設されており、
その盤面には、回転駆動装置８や水平駆動装置２を間欠
運動か若しくは連続運転に設定するための運転モードス
イッチ3aや、回転振盪装置８及び水平駆動装置２の運転
を設定するための振盪モードスイッチ3b等の各種制御ス
イッチ類が設けられている。

前記台車４は車輪4aを備えており、前記水平駆動装置２
により連結機構4bを介して基台１上に固設したガイドレ
ール1aに沿って、左右方向へ所定の速度で往復動され
る。又、当該台車４には一対の支持枠体５が立設されて
おり、該支持枠体５により、収納棚６が支軸７を介して
回転自在に支承されている。

前記収納棚６は両側面側を開放自在とした箱形に形成さ
れており、その内部には、仕切板6a,6bによって仕切ら
れた高さ20〜40mm、横幅120〜150mm、奥行120〜150mm程
度の収納部6cが多数形成されている。

また、当該収納棚６の前・後枠体の中央には、前述の如
く支軸７が外方向へ向けて固設されており、該支軸７を
支持枠体５へ回転自在に軸支することにより、収納棚６
が台車４上に回転可能に支持されている。

尚、図示されてはいないが、収納棚６の各収納部6cの開
口部には、収納棚６の回転時に内部の血液バッグＡ等が
脱落しないよう蓋体等の脱落防止装置が設けられてい
る。

また、図示されてはいないが、収納部6c内には血液バッ
グＡ等の固定装置が適宜に設けられている。更に、本実
施例では血小板製剤等の血液バッグＡを収納部6c内へ直
接収納固定する構成としているが、所謂カセットケース
等を利用して血液バッグＡを収納部6c内へ着脱自在に挿
入する構成としてもよい。

前記回転駆動装置８を構成するモータ8aは台車４の前方
部に載置されており、減速・伝動機構8bを介して収納棚
６の支軸７を回転駆動する。

次に、本考案の作動について説明する。血小板製剤の保
存等に際しては、所定数の血液バッグＡ（又は、これに
替わるカセット式収納容器）を収納棚６の収納部6c内へ
収納し、これを適宜に固定する。次に、制御装置３上の
振盪モードスイッチ3bを操作し、回転モード、水平モー
ド及び回転・水平モードの何れかに設定すると共に、運
転モードスイッチ3aを操作して間欠運転モード又は連続
運転モードの何れかに入れる。尚、前記運転モードスイ
ッチ3aは、常時間欠運転モードに設定されており、必要
な場合にのみ連続運転モード側へ切換えられる。

振盪モードスイッチ3bを回転モードに設定すると、
回転駆動装置８が駆動され、収納棚６が回転する。前記
収納棚６の回転駆動は３〜10rpmで約10〜20分間程度行
なわれ、10〜20分間回転を休止した後再度回転を開始す
る。この様な間欠回転を５〜10回程度連続して繰り返
す。

尚、前記回転速度、回転時間、休止時間及び間欠運転回
数は任意に選定できることは勿論である。

振盪モードスイッチ3bを水平モードに設定すると、
水平駆動装置２が駆動され、台車４が第１図の左右方向
へ往復動する。前記台車４（即ち収納棚６）の往復運動
は、ストローク30〜60mm、60〜100往復／分の割合で約1
0〜20分間行なわれ、10〜20分間往復動を休止した後再
度往復動を開始する。この様な間欠的な往復動を５〜10
回程度連続して繰り返す。

尚、前記ストローク、往復動速度、運転時間、休止時間
及び間欠運転回数は任意に調整可能である。

振盪モードスイッチ3bを回転・水平モードに設定す
ると、前記及びの作動が重畳して行なわれる。

尚、運転モードスイッチ3aを連続運転モード側へ入れる
と、前記、及びの何れかの運転が連続的に行なわ
れる。

また、前記運転モードスイッチ3aを静置モード側へ入れ
ると、当該振盪機は一切の作動を停止し、血液バッグＡ
は静置の状態に保持される。

前記の回転モードの運転に於いては、収納棚６が回転
することにより血液バッグＡの姿勢が所謂天・地方向に
逆転され、血小板の分解・再浮遊が主として行なわれ
る。また、回転が適宜の速度で間欠的に行なわれるた
め、血小板の破壊は殆んど生じない。

又、前記の水平モードの運転に於いては、保存袋Ａ内
の血小板に適当な横方向の揺動作用が与えられ、血漿PH
等が防止されて良好な保存状態が得られる。

（考案の効果）本考案に於いては、台車４上に収納棚６を回転自在に軸
支し、該収納棚６を台車４上に載置した回転駆動装置８
によって間欠的（若しくは連続的）に回動させると共
に、台車４そのものを水平方向に所定のストローク及び
速度で間欠的（若しくは連続的）に往復動させる構成と
しているため、下記の如き効用を奏することが出来る。

１台の振盪機でもって、少ない手数で、しかも血小
板の破壊による品質の低下を最小限抑え、良好に血小板
を保存することができる。

静置と振盪を交互に組み合せる間欠式運転が可能な
ため、血小板に過度な刺激や過度な運動を与えることが
無くなり、血小板を殆んど破壊することなしに効率よく
分散・再浮遊させることが出来る。

運転モードを切替えることにより、分散・再浮遊に
良い回転振盪と保存に良い水平振盪とを任意に選定する
ことが出来、血小板の分散・再浮遊及び保存を最適条件
下で行なうことが出来る。

収納棚６をカートリッジ方式とした場合には、製品
の収納棚６への出し入れがスムーズに行なえ、作業性が
大幅に向上する。

本考案は上述の通り優れた実用的効用を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る振盪機の一部を破断した正面図で
あり、第２図はその側面図、第３図はその平面図であ
る。１……基台２……水平駆動装置３……制御装置 3a……運転モードスイッチ 3b……振盪モードスイッチ４……台車５……支持枠体６……収納棚 6c……収納部７……支軸８……回転駆動装置Ａ……血液バッグ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】基台（１）と；前記基台（１）上に載置さ
れ、間欠的若しくは連続的に駆動される水平駆動装置
（２）と；前記基台（１）上に移動自在に配設され、水
平駆動装置（２）により水平方向に所定のストローク並
びに速度で往復動される台車（４）と；前記台車（４）
上に回転自在に軸支され、複数の棚状収納部（6c）を備
えた収納棚（６）と；前記台車（４）上に載置され、収
納棚（６）を所望の速度で間欠的若しくは連続的に回転
駆動する回転駆動装置（８）と；前記水平駆動装置
（２）及び回転駆動装置（８）の作動と停止並びに間欠
作動と連続作動を夫々制御する制御装置（３）とより構
成した血小板製剤のプログラム式間欠回転・水平振盪
機。