JPH07212219A - 半導体集積回路 - Google Patents

半導体集積回路

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Publication number
JPH07212219A
JPH07212219A JP6005762A JP576294A JPH07212219A JP H07212219 A JPH07212219 A JP H07212219A JP 6005762 A JP6005762 A JP 6005762A JP 576294 A JP576294 A JP 576294A JP H07212219 A JPH07212219 A JP H07212219A
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JP
Japan
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channel mos
mos transistor
potential
complementary
source
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JP6005762A
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English (en)
Inventor
Moichi Matsukuma
茂一 松熊
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Logic Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 動作速度の向上、消費電力の削減、ラッチア
ップ現象発生の低減。 【構成】 相補PチャネルMOSトランジスタTPC
と、相補NチャネルMOSトランジスタTNCとによ
り、CMOS型のインバータゲートを構成する。最高電
位降下手段Dは、前記最高電位より低い降下最高電位を
発生し、前記相補PチャネルMOSトランジスタTPC
のソースへ供給する。最低電位上昇手段Uは、前記最低
電位より高い上昇最低電位を発生し、前記相補Nチャネ
ルMOSトランジスタTNCのソースへ供給する。前記
相補PチャネルMOSトランジスタ及び前記相補Nチャ
ネルMOSトランジスタTNCとには、バックバイアス
が印加され、入力容量低減による負荷軽減との動作速度
の向上や、貫通電流減少による消費電力削減等を図るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、最高電位側に用いられ
る相補PチャネルMOS(metal oxide semiconductor
)トランジスタと、最低電位側に用いられる相補Nチ
ャネルMOSトランジスタとを対としたCMOS(comp
lementary metal oxide semiconductor)型の回路を有
する半導体集積回路に係り、特に、論理ゲート等の構成
の基本要素として用いられる前記CMOS型の回路にあ
って、まず、論理回路の動作速度向上を図ると共に、更
に、消費電力の削減を図るだけでなく、合せて、ラッチ
アップ現象が発生してしまう恐れを軽減することができ
る半導体集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】論理演算を行うデジタル回路の出力は、
通常、2つの論理値“0”及び“1”に対応する2種類
の電圧の切替えによるものとなっている。又、このよう
に出力される2種類の電圧は、トランジスタ等のスイッ
チング動作によって行われるものである。
【0003】例えば、CMOS型の論理回路にあって
は、最高電位側、即ち一般には電源VDD側に用いられ
るPチャネルMOSトランジスタ(以降、相補Pチャネ
ルMOSトランジスタと称する)と、最低電位側、即ち
一般にはグランドGND側に用いられるNチャネルMO
Sトランジスタ(以降、相補NチャネルMOSトランジ
スタと称する)とを対としたCMOS型の論理回路にあ
っては、これら相補PチャネルMOSトランジスタ及び
相補NチャネルMOSトランジスタをほぼ排他的にスイ
ッチング動作させるようにする。
【0004】例えば、これによって、前記相補Pチャネ
ルMOSトランジスタがオン状態となると、その論理回
路の出力はH状態に切替えられる。一方、前記相補Nチ
ャネルMOSトランジスタがオン状態となると、その論
理回路の出力はL状態に切替えられる。
【0005】従来、このようなCMOS型の論理回路に
あって、その動作速度を向上させようとする場合、前記
相補PチャネルMOSトランジスタのオン時のインピー
ダンスを下げるようにしたり、あるいは、前記相補Nチ
ャネルMOSトランジスタのオン時のインピーダンスを
下げるようにしている。
【0006】一方、このようなCMOS型の回路にあっ
ては、ラッチアップ現象が知られている。
【0007】このラッチアップ現象は、CMOSプロセ
スにて作り込んだ所望の論理回路における寄生PNPN
サイリスタ構造が、何等かの原因、例えばノイズの混入
によってオン状態となってしまうというものである。こ
の寄生PNPNサイリスタ構造は、PNP型のトランジ
スタとNPN型のトランジスタとの複合構造とも考えら
れる。このラッチアップ現象が発生してしまうと、その
半導体集積回路の電源VDDからグランドGNDへと大
きな電流が流れてしまい、その電流のジュール熱による
発熱によって、その半導体集積回路が劣化してしまった
り、場合によっては破壊されてしまう。
【0008】このようなラッチアップ現象が発生してし
まうと、前述のような寄生PNPNサイリスタ構造のサ
イリスタとしての特性上、前述のような電源VDDから
グランドGNDへの大きな電流は、その半導体集積回路
の全体の電源を遮断しなければ、これを遮断することが
できない。
【0009】以下、図を用いて、インバータゲートを一
例として、ラッチアップ現象について詳しく説明する。
【0010】図22は、従来から用いられている一般的
なインバータゲートの回路図である。
【0011】この図22に示されるCMOS型のインバ
ータゲートは、一般的に半導体集積回路等に作り込まれ
るものである。このCMOS型のインバータゲートは、
相補PチャネルMOSトランジスタTPCと、相補Nチ
ャネルMOSトランジスタTNCとにより構成されてい
る。
【0012】なお、以降の説明においては、Pチャネル
MOSトランジスタが正孔(ホール)の移動によって動
作するという観点から、PチャネルMOSトランジスタ
のソースとドレインの呼称については、最高電位側をソ
ースとし、最低電位側をドレインと称するものとする。
一方、NチャネルMOSトランジスタについては、その
動作が主として電子の移動によるものであるという観点
から、その最低電位側をソースと称し、その最高電位側
をドレインと称する。
【0013】この図22において、前記相補Pチャネル
MOSトランジスタTPCのソースは、最高電位である
電源VDDに接続されている。一方、該相補Pチャネル
MOSトランジスタTPCのドレインについては、最低
電位のグランドGND側、具体的には出力So 及び前記
相補NチャネルMOSトランジスタTNCのドレインに
接続されている。従って、前記相補NチャネルMOSト
ランジスタTNCのドレインは、前記相補PチャネルM
OSトランジスタTPCを経て、最高電位側の前記電源
VDDへと接続されている。一方、該相補NチャネルM
OSトランジスタTNCのソースは、最低電位の前記グ
ランドGNDへと接続されている。
【0014】前記相補PチャネルMOSトランジスタT
PCについて、その基板は前記電源VDDへと接続さ
れ、その基板電位や前記電源VDDと同一となってい
る。前記相補NチャネルMOSトランジスタについて、
その基板は前記グランドGNDに接続され、その基板電
位は前記グランドGNDと同一となっている。又、この
ような相補PチャネルMOSトランジスタTPCについ
ても又相補NチャネルMOSトランジスタTNCについ
ても、いずれもゲートは、入力Si へと接続されてい
る。
【0015】図23は、従来の一般的なインバータゲー
トの半導体集積回路レイアウトである。
【0016】この図23においては、前記図22に示し
たインバータゲートの半導体集積回路上でのレイアウト
(平面図)が示されている。この図23において、Nウ
ェルNw を中心として、前記図22に示した前記相補P
チャネルMOSトランジスタTPCが作り込まれてい
る。一方、この図23のPウェルPw を中心として、前
記図22に示される前記相補NチャネルMOSトランジ
スタTNCが作り込まれている。
【0017】具体的には、この図23において、破線G
p が前記相補PチャネルMOSトランジスタTPCのゲ
ートである。該ゲートGp は、コンタクトにて前記入力
Siに接続されている。又、該相補PチャネルMOSト
ランジスタTPCのソースは前記電源VDDへとコンタ
クト(図23中で“×”で示されるもの)に接続されて
いる。一方、該相補PチャネルMOSトランジスタTP
Cのドレインについては、コンタクトにて出力So へと
接続されている。
【0018】又、この図23において、破線Gn で示さ
れるものが前記相補NチャネルMOSトランジスタTN
Cのゲートである。該ゲートは、コンタクトにて、前記
入力Si に接続されている。又、該相補NチャネルMO
SトランジスタTNCのそのソースは、コンタクトにて
前記グランドGNDへと接続されている。又、該相補N
チャネルMOSトランジスタTNCのドレインは、コン
タクトにて前記出力So へと接続されている。
【0019】なお、この図23における2点鎖線で示さ
れる領域は、まず、前記相補PチャネルMOSトランジ
スタTPC近傍の符号Ea 及びEb で示されるものにあ
っては、前記電源VDDへとその下方の基板を接続する
ものである。一方、前記相補NチャネルMOSトランジ
スタTNCの近傍の符号Ec 及びEd で示される2点鎖
線で示される領域は、前記グランドGNDへと該相補N
チャネルMOSトランジスタTNCの基板を接続するも
のである。
【0020】図24は、従来から用いられている一般的
なインバータゲートの集積回路での断面図である。
【0021】この図24においては、前記図22に示し
た従来から用いられている一般的なインバータゲートの
断面が示されている。この図24においては、インバー
タゲートを構成する前記PチャネルMOSトランジスタ
TPCは、P型基板上の前記NウェルNw へと作り込ま
れている。一方、インバータゲートの前記相補Nチャネ
ルMOSトランジスタTNCについては、P型基板上の
前記PウェルPw 上に作り込まれている。
【0022】図25は、従来から用いられている一般的
なインバータゲートの動作を示すタイムチャートであ
る。
【0023】この図25においては、前記図22に示し
たインバータゲートの動作が示されている。特に、前記
入力Si の電圧と前記出力So の電圧とのタイムチャー
トが示されている。又、この図25において、最高電位
Vmax は電源電圧VDDであり、最低電位Vmin はグラ
ンド電位GNDである。又、前記相補PチャネルMOS
トランジスタTPCの閾値電圧はVtpc で示され、前記
相補NチャネルMOSトランジスタTNCの閾値電圧は
Vtnc にて示されている。
【0024】この図25において、まず時刻 t10では、
前記入力Si が立ち下り始めている。なお、該時刻 t10
以前では、前記相補PチャネルMOSトランジスタTP
Cがオフ状態であり、前記相補NチャネルMOSトラン
ジスタTNCはオン状態である。従って、前記出力So
は電位Vmin となっている。
【0025】この後、時刻 t11において、前記入力Si
が前記閾値電圧Vtpc となると、前記相補PチャネルM
OSトランジスタTPCがオン状態となり始める。更
に、この後の時刻 t12において、前記入力Si が前記閾
値電圧Vtnc となると、前記相補NチャネルMOSトラ
ンジスタTNCはオフ状態となり始める。
【0026】従って、少なくともこれら時刻 t11から時
刻 t12までの間では、前記相補PチャネルMOSトラン
ジスタTPCと前記相補NチャネルMOSトランジスタ
TNCとが共にオン状態となっている。
【0027】時刻 t13においては、前記入力Si は完全
に前記電位Vmin となっている。この時刻 t13までに
は、前記相補NチャネルMOSトランジスタTNCは完
全にオフ状態となる。一方、前記相補PチャネルMOS
トランジスタTPCについては完全にオン状態となる。
【0028】この図25において、時刻 t20において
は、前記入力Si が立ち上り始めている。少なくとも前
記時刻 t13からこの時刻 t20までの期間では、前記相補
PチャネルMOSトランジスタTPCは完全にオン状態
であり、前記相補NチャネルMOSトランジスタTNC
は完全にオフ状態となっており、前記出力So は電位V
max となっている。
【0029】この後、時刻 t21で、前記入力Si が前記
閾値電圧Vtnc となると、前記相補NチャネルMOSト
ランジスタTNCがオン状態となり始める。又、時刻 t
22において、前記入力Si が前記閾値電圧Vtpc となる
と、前記相補PチャネルMOSトランジスタTPCがオ
フ状態となり始める。
【0030】従って、少なくともこれら時刻 t21と時刻
t22との間では、前記相補PチャネルMOSトランジス
タTPCと前記相補NチャネルMOSトランジスタTN
Cとが共にオン状態となっている。
【0031】時刻 t23において、前記入力Si が完全に
前記電位Vmax となると、前記相補PチャネルMOSト
ランジスタTPCは完全にオフ状態となる。又、この時
刻 t 23までには、前記相補NチャネルMOSトランジス
タTNCについても完全にオン状態となっている。
【0032】図26は、従来から用いられている一般的
なインバータゲートにおける寄生PNPNサイリスタ構
造によるラッチアップ現象を説明する等価回路図であ
る。
【0033】この図26においては、前記図22の回路
図に示され、又前記図24の断面図に示されたインバー
タゲートにおいて、ラッチアップ現象を発生させてしま
う寄生PNPNサイリスタ構造となる、PNP型トラン
ジスタTraと、NPN型トランジスタTrbとが示されて
いる。これらPNP型トランジスタTra及びNPN型ト
ランジスタTrbの複合的な動作によって、前述のような
ラッチアップ現象が発生してしまう。
【0034】まず前記PNP型トランジスタTraについ
て、この図26で符号e にて示されるエミッタは、前記
図24において電源VDDへと接続されるP+領域、即
ちソース領域である。又、該PNP型トランジスタTra
のこの図26の符号b で示されるベースは、前記図24
において抵抗Rp に接続されるN+領域である。前記図
24及び前記図26で示される前記抵抗Rp は、前記電
源VDDから前記相補PチャネルMOSトランジスタT
PCの基板までの等価的な抵抗である。前記PNP型ト
ランジスタTraの前記図26で符号c にて示されるコレ
クタへは、前記図24に示されるP型基板である。
【0035】続いて、前記NPN型トランジスタTrbに
ついては、前記図26の符号e で示されるエミッタは、
前記図24で前記グランドGNDへと接続されるN+領
域、即ち前記相補NチャネルMOSトランジスタTNC
のソース領域である。該NPN型トランジスタTrbの前
記図26の符号b で示されるベースは、前記図24の抵
抗Rn へと接続されるP+領域である。前記図24又前
記図26で示される前記抵抗Rn は、前記グランドGN
Dから前記相補NチャネルMOSトランジスタTNCの
基板までの等価的な電気抵抗である。前記NPN型トラ
ンジスタTrbの前記図26の符号c で示されるコレクタ
は、前記図24に示される前記NウェルNw によるもの
である。
【0036】この図26に示されるような寄生PNPN
サイリスタ構造において、前記抵抗Rp と該抵抗Rp に
流れる電流iaとによって、前記PNP型トランジスタT
raのベースb とエミッタe との間に、該エミッタe 側が
高くなるような電位差が生じる。一方、前記NPN型ト
ランジスタTrbについては、前記抵抗Rn と該抵抗Rn
に流れる電流ibとによって、そのベースb とそのエミッ
タe との間に、該ベースb 側が高くなるような電位差が
生じる。
【0037】これらPNP型トランジスタTraの電位差
やNPN型トランジスタTrbの電位差について、これら
電位差が、それぞれのトランジスタの順方向降伏電圧以
上となると、そのトランジスタはオン状態となる。
【0038】更には、これらPNP型トランジスタTra
又はNPN型トランジスタTrbの少なくともいずれか一
方がこのようにオン状態となると、他方のトランジスタ
Tra又はTrbのそのベースb とそのエミッタe との間に
接続された前記抵抗Rp 又は前記抵抗Rn に流れる前記
電流ia又は前記電流ibが増加する。すると、一般的に
は、この他方のトランジスタTra又はTrbについても、
続いてオン状態となってしまう。
【0039】最終的に、このように前記PNP型トラン
ジスタTraと前記NPN型トランジスタTrbとが共にオ
ン状態となってしまうと、前記電源VDDから前記グラ
ンドGNDへと大きな電流が流れてしまう。これが、即
ちラッチアップ現象である。
【0040】このようなラッチアップ現象を防止するた
めに、従来では、前記PNP型トランジスタTraの電流
増幅率βや、前記NPN型トランジスタTrbの電流増幅
率βを減少させるようにしていた。特に、これら2つの
トランジスタTra及びTrbの電流増幅率βの積が“1”
以下となるようにしていた。
【0041】あるいは、このようなラッチアップ現象を
防止するために、従来においては、前記抵抗Rp や前記
抵抗Rn を減少させるようにしていた。具体的には、前
記相補PチャネルMOSトランジスタTPCについて、
前記電源VDDとその基板との間の電気抵抗を減少する
べく、例えば基板上に多くのコンタクトを設けるように
していた。あるいは、前記相補NチャネルMOSトラン
ジスタTNCについては、前記グランドGNDとその基
板との間の電気抵抗を減少すべく、同様に基板上に多く
のコンタクトを設けるようにしていた。
【0042】
【発明が達成しようとする課題】しかしながら、前述の
ように論理回路の動作速度の向上を目的として、CMO
S型の回路での前記相補PチャネルMOSトランジスタ
のオン時のインピーダンスを抑えるようにしたり、ある
いは前記相補NチャネルMOSトランジスタのオン時の
インピーダンスを抑えるようにした場合には、出力の論
理状態の切り替わり時における電源側からグランド側へ
の貫通電流が増大してしまう。
【0043】この貫通電流は、例えば前記図22の回路
図に示されるCMOS型のインバータゲートにおいて
は、前記相補PチャネルMOSトランジスタTPCのソ
ースからドレイン、又前記相補NチャネルMOSトラン
ジスタTNCのドレインからソースへと流れる、前記電
源VDDから前記グランドGNDへの電流である。この
ような電流は、その前記出力So の論理状態の切り替わ
り時に発生するものである。
【0044】例えば前記図25のタイムチャートにおい
ては、前記時刻 t10から前記時刻 t 13までの期間で生じ
る前記入力Si の論理状態のH状態からL状態への変化
に際しては、主として、前記時刻 t11から前記時刻 t12
までの期間で、前述のような貫通電流が流れる。又、前
記時刻 t20から前記時刻 t23までの前記入力Si の論理
状態のL状態からH状態への変化に際しては、主とし
て、前記時刻 t21から前記時刻 t22までの期間で、前述
のような貫通電流が流れてしまう。
【0045】このような貫通電流が流れてしまうと、消
費電力が増大してしまうだけでなく、その電流によるジ
ュール熱によって、その半導体集積回路の温度上昇、及
びこれに伴った素子の劣化や、場合によっては素子の破
損を招いてしまう恐れがある。
【0046】又、このような消費電力の増加や発熱等が
問題とならないとしても、その動作速度向上を目的とし
た、前記相補PチャネルMOSトランジスタTPCのト
ランジスタサイズの拡大や、前記相補NチャネルMOS
トランジスタTNCのトランジスタサイズの拡大には、
様々な面積上の制限がある。このため、前述のようなこ
れら相補PチャネルMOSトランジスタTPCや相補N
チャネルMOSトランジスタTNCのオン時のインピー
ダンスの低減には、限界があるという問題がある。
【0047】このように、従来においては、CMOS型
の論理回路の動作速度を向上させようとした場合、消費
電力の増大等、様々な問題が発生してしまうものであっ
た。
【0048】一方、前述の如く、ラッチアップ現象が発
生してしまうことを抑えるために、従来では前記図24
の断面図や前記図26の等価回路での前記抵抗Rp や前
記抵抗Rn を減少させるべく、基板コンタクトの数を増
加させるようにしていた。しかしながら、このように基
板コンタクトの数を増加させるためには、そのコンタク
トを設けるための半導体集積回路上での面積を確保する
必要があった。即ち、トランジスタの寸法や、その半導
体集積回路チップ全体から見た基板コンタクト位置の均
一化等を、常に考慮しなければならなかった。
【0049】又、前記抵抗Rp や前記抵抗Rn で示され
るような基板に対する電気抵抗を抑えるという観点で
は、集積度の高い半導体集積回路ほど、逆にその基板コ
ンタクトの数を増加させなければならないという矛盾が
生じてしまう。このため、その基板コンタクトの数の増
加によって、その集積度を低下させなければならないと
いう結果になってしまっていた。
【0050】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、論理ゲート等の構成の基本要素とし
て用いられるCMOS型の回路にあって、まず、論理回
路の動作速度向上を図ると共に、更に、消費電力の削減
を図るだけでなく、併せて、ラッチアップ現象が発生し
てしまう恐れを低減することができる半導体集積回路を
提供することを目的とする。
【0051】
【課題を達成するための手段】本発明は、最高電位側に
用いられる相補PチャネルMOSトランジスタと、最低
電位側に用いられる相補NチャネルMOSトランジスタ
とを対としたCMOS型の回路を有する半導体集積回路
において、前記最高電位側にそのドレイン及びそのゲー
トが接続され、又、前記相補PチャネルMOSトランジ
スタのソース側にそのソースが接続された最高電位降下
NチャネルMOSトランジスタを有し、前記最高電位よ
り低い降下最高電位を発生し、これを前記相補Pチャネ
ルMOSトランジスタのソース側へ供給する最高電位降
下手段と、前記最低電位側にそのドレイン及びそのゲー
トが接続され、又、前記相補NチャネルMOSトランジ
スタのソース側にそのソースが接続された最低電位上昇
PチャネルMOSトランジスタを有し、前記最低電位よ
り高い上昇最低電位を発生し、これを前記相補Nチャネ
ルMOSトランジスタのソース側へ供給する最低電位上
昇手段とを備えたことにより、前記課題を達成したもの
である(請求項1対応)。
【0052】又、前記半導体集積回路において、前記最
高電位を供給する動作最高電位供給経路とは別に設けら
れた、前記相補PチャネルMOSトランジスタの基板電
位を供給し、且つ、前記最低電位上昇PチャネルMOS
トランジスタの基板電位を供給する基板最高電位の供給
経路を備えると共に、更に、前記最低電位を供給する動
作最低電位供給経路とは別に設けられた、前記相補Nチ
ャネルMOSトランジスタの基板電位を供給し、且つ、
前記最高電位降下NチャネルMOSトランジスタの基板
電位を供給する基板最低電位の供給経路を備えるように
したことにより、前記最高電位から独立して、前記相補
PチャネルMOSトランジスタや前記最低電位上昇Pチ
ャネルMOSトランジスタの基板電位を独立してより容
易に設定できるようにしたり、前記相補NチャネルMO
Sトランジスタや前記最高電位降下NチャネルMOSト
ランジスタの基板電位をより容易に独立して設定できる
ようにしたり、前記最高電位とこのような基板電位との
間での、電源ノイズ等による相互の影響を低減できるよ
うにし、動作速度や信頼性又消費電力等の点でより最適
な半導体集積回路を提供可能にしたものである(請求項
2対応)。
【0053】又、前記半導体集積回路において、前記相
補PチャネルMOSトランジスタのそのソース電位と、
前記相補NチャネルMOSトランジスタのそのソース電
位との差である電源電位差と、前記相補PチャネルMO
Sトランジスタのその閾値電圧と、前記相補Nチャネル
MOSトランジスタのその閾値電圧との和である閾値合
計電圧とについて、前記電源電位差の方が、前記閾値合
計電圧よりも低くされていることにより、前記課題を達
成すると共に、その消費電力低減効果をより高めたもの
である(請求項3対応)。
【0054】又、前記半導体集積回路において、論理状
態のH状態及びL状態に対応する、前記CMOS型の回
路の入力信号の振幅あるいは出力信号の振幅の少なくと
も一方が、前記降下最高電位から前記上昇最低電位まで
の範囲内とされていることにより、前記課題を達成する
と共に、その消費電力低減効果をより高めたものである
(請求項4対応)。
【0055】
【作用】図1は、本発明の要旨を示すブロック図であ
る。
【0056】この図1に示される如く、本発明は、前記
相補PチャネルMOSトランジスタTPCと前記相補N
チャネルMOSトランジスタTNCとを対としたCMO
S型の回路に対してなされるものである。前記相補Pチ
ャネルMOSトランジスタTPCは、電源VDD等の最
高電位Vmax 側に設けられるものである。該相補Pチャ
ネルMOSトランジスタTPCのそのソースは前記最高
電位Vmax 側となり、そのドレインは例えばグランドG
ND等の最低電位Vmin 側となる。一方、前記相補Nチ
ャネルMOSトランジスタTNCは、前記最低電位Vmi
n 側に用いられる。該相補NチャネルMOSトランジス
タTNCについて、そのソースは前記最低電位Vmin 側
となり、そのドレインは前記最高電位Vmax 側となる。
【0057】なお、前記相補PチャネルMOSトランジ
スタTPCの基板には、例えば前記電源VDD等、前記
最高電位Vmax が供給されているものとする。一方、前
記相補NチャネルMOSトランジスタTNCの基板につ
いては、例えば前記グランドGND等、前記最低電位V
min が供給されているものとする。
【0058】なお、これら相補PチャネルMOSトラン
ジスタTPC及び相補NチャネルMOSトランジスタT
NCについては、各部の電位及び電位差を図2のように
定義する。
【0059】即ち、前記相補PチャネルMOSトランジ
スタTPC又は前記相補NチャネルMOSトランジスタ
TNCにおいて、そのゲートの電位とそのドレインの電
位とそのソースの電位とを、それぞれ、電圧Vg 、電圧
Vd 、電圧Vs とする。又、そのソースに対するそのゲ
ートの電位の絶対値は、電圧Vgsとする。そのソースと
ドレインとの間の電位差の絶対値を電圧Vdsとする。そ
のソースとその基板との間の電位差の絶対値を電圧Vbg
とする。
【0060】本発明の半導体集積回路のCMOS型の回
路にあっては、前記図1に示される如く、前述した前記
相補PチャネルMOSトランジスタTPCと前記相補N
チャネルMOSトランジスタTNCとの構成に加えて、
最高電位降下手段Dと、最低電位上昇手段Uとを備える
ものである。
【0061】まず、前記図1において、前記最高電位降
下手段Dは、前記最高電位Vmax より低い降下最高電位
Vmx2を発生し、これを前記相補PチャネルMOSトラ
ンジスタTPCのソース側へと供給するものである。一
方、前記最低電位上昇手段Uは、前記最低電位Vmin よ
り高い上昇最低電位Vmn2を発生し、これを前記相補N
チャネルMOSトランジスタTNCのソース側へと供給
するものである。
【0062】従って、前記相補PチャネルMOSトラン
ジスタTPCと前記相補NチャネルMOSトランジスタ
TNCとを対としたCMOS型の回路にあっては、その
電源として用いられるものの電圧は、前記電源VDDと
前記グランドGNDとによって供給されるものよりも低
くなる。即ち、前記電源VDDと前記グランドGNDと
によって供給される電源電圧(Vmax −Vmin )に比べ
て低い、(Vmx2−Vmn2)の電圧の電源が、前記相補
PチャネルMOSトランジスタTPC及び前記相補Nチ
ャネルMOSトランジスタTNCへと供給される。
【0063】又、本発明においては、特に前記最高電位
降下手段が、前記最高電位側にそのドレイン及びそのゲ
ートが接続され、又、前記相補PチャネルMOSトラン
ジススタのソース側にそのソースが接続された最高電位
降下NチャネルMOSトランジスタを有するものとなっ
ている。又、前記最低電位上昇手段が、前記最低電位側
にそのドレイン及びそのゲートが接続され、又、前記相
補NチャネルMOSトランジスタのソース側にそのソー
スが接続された最低電位上昇PチャネルMOSトランジ
スタを有するものとなっている。例えば、後述する実施
例では図8、図9、図11〜図16、図18及び図20
の回路図等に示されるようなものである。
【0064】これら前記最高電位降下手段及び前記最低
電位上昇手段をこのような構成とすることで、それぞれ
の回路構成を比較的簡単にすることができている。即
ち、前記最高電位降下手段については、このような構成
とすることで、比較的簡単な構成にて、前記最高電位よ
り低い降下最高電位を発生し、これを前記相補Pチャネ
ルMOSトランジスタのソース側へ供給するこのような
最高電位降下手段を構成することができている。又、前
記最低電位上昇手段についても、このような構成とする
ことで、比較的簡単な構成にて、前記最低電位より高い
上昇最低電位を発生し、これを前記構成NチャネルMO
Sトランジスタのソース側へ供給するこのような最低電
位上昇手段を構成することができている。
【0065】図3は、本発明における前記相補Pチャネ
ルMOSトランジスタの動作を示す断面図である。
【0066】この図3においては、特に、前記図1に示
した前記相補PチャネルMOSトランジスタTPCの動
作を示すべく、その断面図が示されている。この図3に
示される如く、基板電圧を印加することで、基板上のソ
ース領域とドレイン領域との間にある電子は、この図で
の下方へと移動される。
【0067】特に、従来において、前記ソース側へと供
給される電圧が前記最高電位Vmaxである場合、その電
子の空乏層の境界は符号Za となる。
【0068】一方、本発明においては、その基板には従
来と同様に前記最高電位Vmax が印加されているもの
の、そのソースへと印加される電圧は前記最高電位降下
手段Dにて低下されている。即ち、本発明の前記相補P
チャネルMOSトランジスタTPCについては、そのソ
ースには、前記最高電位Vmax より低い前記降下最高電
位Vmx2が印加され、いわゆるバックバイアスがかかっ
た状態である。このため、本発明では、その基板のその
ソース領域とそのドレイン領域との間にある、前述のよ
うな前記図3ではその下方への電子の移動は、従来に比
べより顕著となる。従って、本発明における電子の空乏
層の境界はこの図3の符号Zb に示されるものとなる。
【0069】このように、本発明においては、従来に比
べ、より顕著に電子が下方へと移動する。又、その空乏
層の境界Zb についても、従来に比べ、より下方へと押
し下げられている。
【0070】このため、本発明の前記相補PチャネルM
OSトランジスタTPCについては、そのゲートとその
ソースとそのドレインとの間での、相互間の容量が低下
される。例えば、そのゲート容量が低減され、当該相補
PチャネルMOSトランジスタTPCの入力容量が低減
され、前段の出力の負荷が軽減される。これによって、
その動作速度の向上を図ることができる。又、そのソー
スとそのドレインとの間の容量も低減されるため、当該
相補PチャネルMOSトランジスタTPCの出力の負荷
をも低減することができ、その動作速度の向上を図るこ
とが可能である。
【0071】なお、図4は、本発明に用いられる前記相
補NチャネルMOSトランジスタの動作を示す断面図で
ある。
【0072】この図4においては、本発明に用いられ
る、前記図1に示した前記相補NチャネルMOSトラン
ジスタTNCの動作を示す断面図が示されている。前記
相補NチャネルMOSトランジスタTNCについては、
その基板電圧と同一の電位の電圧がソース電圧Vs とし
て印加された従来のものにおいては、下方へと移動され
るホール(正孔)の移動によるその空乏層の境界はZc
となる。一方、本発明において、前記最低電位上昇手段
Uによって、前記相補NチャネルMOSトランジスタT
NCのそのソースの電圧Vs が上昇され、いわゆるバッ
クバイアスがかかった状態となると、前述のようなホー
ルの下方への移動はより顕著となり、その空乏層の境界
はZd となる。
【0073】従って、本発明においては、その相補Nチ
ャネルMOSトランジスタTNCについても、そのゲー
トとそのソースとそのドレインとの間の相互の容量を低
減することができる。例えば、そのゲートに対するその
ソースあるいはそのドレインに対する容量を低減するこ
とができ、当該相補NチャネルMOSトランジスタTN
Cの入力容量を低減し、これによって前段の出力の負荷
を低減し、その動作速度の向上を図ることができる。
又、当該相補NチャネルMOSトランジスタTNCのそ
のソースとそのドレインとの間の容量を低減することが
でき、当該相補NチャネルMOSトランジスタTNCの
出力の負荷をも抑えることができ、その動作速度の向上
をも図ることができる。
【0074】以上説明したとおり、まず本発明において
は、前記最高電位降下手段Dや前記最低電位上昇手段U
を備えることで、用いられる前記相補PチャネルMOS
トランジスタTPCや前記相補NチャネルMOSトラン
ジスタTNCに係る容量を低減することができ、前段や
これら相補PチャネルMOSトランジスタや相補Nチャ
ネルMOSトランジスタTNCに係る負荷を低減するこ
とができ、その動作速度の向上を図ることが可能であ
る。このように本発明においてはその動作速度の向上を
図るものであるが、これは、従来の如く前記相補Pチャ
ネルMOSトランジスタTPCや前記相補NチャネルM
OSトランジスタTNCのオン時のインピーダンスの低
減に依存するものではなく、これに伴った貫通電流の増
加等の問題もない。
【0075】更に、本発明においては、前述の如く前記
最高電位降下手段Dや前記最低電位上昇手段Uを備える
ことで、前述のような動作速度の向上を図ることができ
るだけでなく、更に、消費電力の削減をも図ることが可
能である。
【0076】以下、この消費電力の削減の作用につい
て、図5〜図7を用いて説明する。
【0077】図5は、PチャネルMOSトランジスタあ
るいはNチャネルMOSトランジスタにおける、そのバ
ックバイアス電圧とその閾値電圧との関係を示すグラフ
である。
【0078】この図5において、その横軸は、そのPチ
ャネルMOSトランジスタについて、あるいはそのNチ
ャネルMOSトランジスタについての、電圧Vbgにあっ
て、{(|Vbg|+2Φf )1/2 }の値となる。なお、
“Φf ”は、フェルミポテンシャルである。このフェル
ミポテンシャルΦf は、一般には、シリコンにおける禁
止帯と導電帯との電位幅を“1.1e V(エレクトロン
ボルト)”として、“0.35”とするものである。
【0079】一方、この図5の縦軸は、PチャネルMO
Sトランジスタの閾値電圧Vtpの絶対値(|Vtp|)、
又は、NチャネルMOSトランジスタの閾値電圧Vtnの
絶対値(|Vtn|)となる。
【0080】特に、この図5において、符号Ba は、前
記電圧Vbgの絶対値が“0”の時のものであり、バック
バイアスがかかっていない状態のものである。即ち、そ
のPチャネルMOSトランジスタあるいはそのNチャネ
ルMOSトランジスタのそのソースとその基板との間の
電位差が“0”の時のものである。この時、前記閾値電
圧Vtp又はVtnの絶対値は“0.7”とする。
【0081】又、この図5における符号Bb は、前記電
圧Vbgの絶対値が“0.7”の時のものであり、バック
バイアスがかかっている状態である。即ち、本発明にお
いて、前記最高電位降下手段Dや前記最低電位上昇手段
Uを用いたような場合である。この時の前記閾値電圧V
tpあるいはVtnの絶対値は、例えば“0.9”となる。
【0082】このように前記電圧Vbgの絶対値を大きく
し、バックバイアス電圧が増大することで、そのPチャ
ネルMOSトランジスタの閾値電圧VtpやNチャネルM
OSトランジスタの閾値電圧Vtnの絶対値を大きくする
ことができる。従って、前記最高電位降下手段Dを用い
ることで、前記相補PチャネルMOSトランジスタTP
Cのその閾値電圧Vtpc の絶対値を大きくすることがで
きる。一方、前記最低電位上昇手段Uを用いることで、
前記相補NチャネルMOSトランジスタTNCのその閾
値電圧Vtnc の絶対値を大きくすることができる。
【0083】図6は、本発明のCMOS型の回路の動作
を示すタイムチャートである。
【0084】特に、前記図6のタイムチャートにおいて
は、前記最高電位降下手段Dにて前記最高電位Vmax が
降下された前記降下最高電位Vmx2や、前記最低電位上
昇手段Uにて前記最低電位Vmin が上昇された前記上昇
最低電位Vmn2等について、電圧の大小関係は次式のと
おりとなっている。
【0085】 Vmax >Vmx2>Vtpc >Vtnc >Vmn2>Vmin …(1)
【0086】又、前記図7のタイムチャートにおいて
は、前記最高電位Vmax が降下された前記降下最高電位
Vmx2は、前記最低電位Vmin が上昇された前記上昇最
低電位Vmn2等について、電圧の大小関係は次式のとお
りである。
【0087】 Vmax >Vmx2>Vtnc >Vtpc >Vmn2>Vmin …(2)
【0088】まず、上記(1)式に示される如く、前記
図6のタイムチャートにおいては、前述のようにバック
バイアスが印加され、前記相補PチャネルMOSトラン
ジスタTPCの前記閾値電圧Vtpc が下降され(その絶
対値|Vtpc |は大きくされている)、前記相補Nチャ
ネルMOSトランジスタTNCの閾値電圧Vtnc は上昇
されているが、しかしながら、(Vtpc >Vtnc )の関
係となっている。一方、前記図7においては、前記相補
PチャネルMOSトランジスタTPCの閾値電圧Vtpc
がより一層降下され(その絶対値|Vtpc |はより大き
くされている)、前記相補NチャネルMOSトランジス
タTNCの閾値電圧Vtnc はより一層上昇され、そのた
め、これら閾値電圧Vtpc 及びVtnc の大小関係が反転
し、(Vtpc <Vtnc )となっている。
【0089】まず、前記図6において、時刻 t30で、前
記入力Si が立ち下り始める。この時刻 t30以前におい
ては、前記入力Si はH状態(但しVmax ではなく、例
えばVmx2となっている)、前記出力So がL状態(但
しVmin ではなく、例えばVmn2である)、前記相補P
チャネルMOSトランジスタTPCがオフ状態であり、
前記相補NチャネルMOSトランジスタTNCがオン状
態となっている。
【0090】時刻 t31において、前記入力Si が前記閾
値電圧Vtpc となる。これに伴って、前記相補Pチャネ
ルMOSトランジスタTPCがオフ状態からオン状態へ
と変化し始める。これに伴って、前記出力So は立ち上
り始める。
【0091】この後、時刻 t32では、前記入力Si が前
記閾値電圧Vtnc となる。これに伴って、前記相補Nチ
ャネルMOSトランジスタTNCがオン状態からオフ状
態へと変化し始める。この後、時刻 t33では、前記入力
Si が前記上昇最低電位Vmn2となる。又、この時刻 t
33の近傍においては、前記出力So は前記下降最高電位
Vmx2となる。
【0092】このように、前記時刻 t30から前記時刻 t
33までの前記入力Si の立ち下りの際には、少なくとも
前記時刻 t31と前記時刻 t32との間において、前記相補
PチャネルMOSトランジスタTPCと前記相補Nチャ
ネルMOSトランジスタTNCとが共にオン状態とな
り、貫通電流が流れる。しかしながら、前記図25のタ
イムチャートに示した従来のものに比べ、このような貫
通電流が流れている期間は短縮されている。従って、こ
のような貫通電流を原因とする消費電力は、従来に比べ
抑えられている。
【0093】一方、この図6のタイムチャートにおい
て、時刻 t40では、前記入力Si が立ち上り始めてい
る。又、時刻 t41において、前記入力Si は、前記閾値
電圧Vtnc となっている。これに伴って、前記相補Nチ
ャネルMOSトランジスタTNCはオフ状態からオン状
態へと変化し始める。これに伴って、前記出力So は該
時刻 t41において、H状態からL状態へと変化し始め
る。
【0094】この後、時刻 t42において、前記入力Si
は前記閾値電圧Vtpc となる。これに伴って、前記相補
PチャネルMOSトランジスタTPCはオン状態からオ
フ状態へと変化し始める。この後、時刻 t43において、
前記入力Si が前記降下最高電位Vmx2となっている。
又、該時刻 t43の近傍において、前記出力So は前記上
昇最低電位Vmn2となっている。
【0095】前記時刻 t40から前記時刻 t43までの前記
入力Si の立ち上り期間においては、少なくとも、前記
時刻 t41と前記時刻 t42との間において、前記相補Pチ
ャネルMOSトランジスタTPCと前記相補Nチャネル
MOSトランジスタTNCとが共にオン状態となり、前
述のような貫通電流が流れてしまう。しかしながら、前
記図25のタイムチャートの前記時刻 t21から前記時刻
t22までの期間に比べて、このような貫通電流が流れる
前記時刻 t41と前記時刻 t42との間の時間は短縮されて
いるため、このように貫通電流が流れる期間は短縮され
ている。従って、本発明によれば、従来に比べ、貫通電
流を原因とする消費電力をより抑えることが可能となっ
ている。
【0096】更に、本発明はこれに限定されるものでは
ないが、この図6において、前記入力Si の電圧変化幅
及び前記出力So の電圧変化幅は、従来の電圧Vmax と
電圧Vmin との間の幅に比べて、電圧Vmx2と電圧Vmn
2との間の幅となり、よりその振幅が狭くなっている。
このため、従来に比べ、その動作速度をより向上できる
だけでなく、消費電力の低減をもより図ることが可能と
なっている。例えば、前述のように貫通電流が流れる期
間が短縮されるだけでなく、このように電圧が低くなる
ことで、その貫通電流の大きさをも減少させることがで
きる。
【0097】次に、前記図7のタイムチャートにおいて
は、次のとおりである。
【0098】即ち、まず時刻 t50において、前記入力S
i が立ち下り始める。この時刻 t50以前においては、前
記入力Si はH状態、即ち例えば前記降下最高電位Vmx
2となっている。前記出力So は、L状態、即ち例えば
前記上昇最低電位Vmn2となっている。前記相補Pチャ
ネルMOSトランジスタTPCはオフ状態であり、前記
相補NチャネルMOSトランジスタTNCはオン状態と
なっている。
【0099】この後、時刻 t51において、前記入力Si
が前記閾値電圧Vtnc となる。これに伴って、前記相補
NチャネルMOSトランジスタTNCがオン状態からオ
フ状態へと変化し始める。この時、前記相補Pチャネル
MOSトランジスタTPCはオフ状態のままである。
【0100】続いて時刻 t52において、前記入力Si が
前記閾値電圧Vtpc となる。これに伴って、前記相補P
チャネルMOSトランジスタTPCがオフ状態からオン
状態へと変化し始める。なお、該時刻 t52の時点では、
基本的には、前記相補NチャネルMOSトランジスタT
NCがオン状態から完全にオフ状態へと変化しているも
のとする。
【0101】続いて時刻 t53では、前記入力Si が完全
にL状態(例えば前記上昇最低電位Vmn2)となる。
又、該時刻 t53近傍又は該時刻 t53以降の時刻 t54にお
いて、前記出力So がH状態(例えば前記降下最高電位
Vmx2)となる。
【0102】前記時刻 t50から前記時刻 t53までの前述
のような前記入力Si の立ち下りの際、この図7に示さ
れる条件においては、前記相補PチャネルMOSトラン
ジスタTPCと前記相補NチャネルMOSトランジスタ
TNCとが共にオン状態となる期間はない。従って、こ
の図7のような条件においては、前記入力Si の立ち下
りに際して、基本的に、全く貫通電流が流れない。従っ
て、このような貫通電流を原因とする消費電力もゼロと
なる。
【0103】続いて、前記図7の時刻 t60において、前
記入力Si が立ち上り始める。又、時刻 t61において、
前記入力Si が前記閾値電圧Vtpc となる。これに伴っ
て、前記相補PチャネルMOSトランジスタTPCはオ
ン状態からオフ状態へと変化し始める。なお、この時刻
t61においては、基本的には、前記相補NチャネルMO
SトランジスタTNCはオフ状態となっている。
【0104】この後、時刻 t62において、前記入力Si
が前記閾値電圧Vtnc となる。これに伴って、前記相補
NチャネルMOSトランジスタTNCがオフ状態からオ
ン状態となる。なお、該時刻 t62までには、基本的に
は、前記相補PチャネルMOSトランジスタTPCはオ
フ状態となっているものとする。
【0105】この後、時刻 t63において、前記入力Si
がH状態(前記降下最高電位Vmx2)となる。又、該時
刻 t63の近傍あるいは該時刻 t63以降の時刻 t64におい
て、前記出力So がL状態(前記上昇最低電位Vmn2)
となる。
【0106】このような前記時刻 t60から前記時刻 t63
までの前記入力Si の立ち上りに際して、基本的に、前
記相補PチャネルMOSトランジスタTPCと前記相補
NチャネルMOSトランジスタTNCとは、共にオン状
態となることはない。このため、これら相補Pチャネル
MOSトランジスタTPCと相補NチャネルMOSトラ
ンジスタTNCとが共にオン状態となることによって生
じる前述のような貫通電流は発生せず、この貫通電流を
原因とする消費電力も発生しない。
【0107】本発明は、この図7に示されるような条
件、即ち下降された前記閾値電圧Vtpc が上昇される前
記閾値電圧Vtnc より小さくなるという条件に限定され
るものではない。しかしながら、このような条件の下で
は、前記入力Si の論理状態の切り替わり時や前記出力
So の論理状態の切り替わり時にあっても、前述のよう
な貫通電流は基本的に生じず、これを原因とした消費電
力も発生しない。又、このような貫通電流を原因とする
半導体集積回路の温度上昇も、基本的に発生しない。従
って、このような条件の下では、前記図6のタイムチャ
ートを用いて説明したものに比べ、よりその消費電力を
低減することが可能である。
【0108】
【実施例】以下、図を用いて本発明の実施例を詳細に説
明する。
【0109】図8は、本発明が適用された第1実施例の
半導体集積回路に用いられるインバータゲートの回路図
である。
【0110】この図8において、電源VDDの最高電位
側に用いられる相補PチャネルMOSトランジスタTP
Cと、グランドGNDの最低電位側に用いられる相補N
チャネルMOSトランジスタTNCとを対として、CM
OS型のインバータゲートが構成されている。
【0111】又、本第1実施例において、前記図1に示
した前記最高電位降下手段Dは、最高電位降下Nチャネ
ルMOSトランジスタTNDによって構成されている。
【0112】この最高電位降下NチャネルMOSトラン
ジスタTNDには、そのソースとそのドレインに、前記
電源VDDが接続されている。又、該最高電位降下Nチ
ャネルMOSトランジスタTNDのそのソースは、前記
相補PチャネルMOSトランジスタTPCのソースに接
続されている。従って、該最高電位降下NチャネルMO
SトランジスタTNDにあって、そのソースの電位は、
そのドレインの前記電源VDDの電位に対して、該最高
電位降下NチャネルMOSトランジスタTNDの、その
閾値電圧分だけ降下されることとなる。
【0113】一方、本第1実施例においては、前記図1
に示した前記最低電位上昇手段Uは、最低電位上昇Pチ
ャネルMOSトランジスタTPUにて構成されている。
【0114】該最低電位上昇PチャネルMOSトランジ
スタTPUにおいて、そのゲートとそのドレインとは、
前記グランドGNDへと接続されている。又、該最低電
位上昇PチャネルMOSトランジスタTPUのそのソー
スは、前記相補NチャネルMOSトランジスタTNCの
ソースに接続されている。このため、該最低電位上昇P
チャネルMOSトランジスタTPUのソースの電位は、
前記グランドGNDへと接続される該最低電位上昇Pチ
ャネルMOSトランジスタTPUのドレインの電位によ
り、該最低電位上昇PチャネルMOSトランジスタTP
Uの、その閾値電圧Vtpu だけ上昇されることとなる。
【0115】このように、本第1実施例においては、前
記最高電位降下手段Dを僅か1つの前記最高電位降下N
チャネルMOSトランジスタTNDのみで構成すること
ができ、更に、前記最低電位上昇手段Uを僅か1つの前
記最低電位上昇PチャネルMOSトランジスタTPUの
みで構成することが可能となっている。従って、本実施
例においては、集積回路レイアウト面積を縮小する等、
集積度の向上を図ることが可能となっている。
【0116】図9は、本発明が適用された第2実施例の
半導体集積回路に用いられるインバータゲートの回路図
である。
【0117】この図9に示される如く、本第2実施例に
おいても、前記第1実施例と同様に、前記最高電位降下
手段Dとして前記最高電位降下NチャネルMOSトラン
ジスタTNDが用いられ、前記最低電位上昇手段Uとし
て前記最低電位上昇PチャネルMOSトランジスタTP
Uが用いられている。従って、本実施例においても、前
記第1実施例と同様の効果を得ることができる。
【0118】更に、本第2実施例においては、電源電圧
が2つの系統、即ち電源電圧VDD1と電源電圧VDD
2とにより供給されている。又、グランドについても、
独立した2つのグランド、即ちグランドGND1とグラ
ンドGND2とになっている。
【0119】まず、前記電源VDD1は、前記相補Pチ
ャネルMOSトランジスタTPCの基板電位を供給する
と共に、前記最低電位上昇PチャネルMOSトランジス
タTPUの基板電位を供給する。又、前記電源VDD2
は、前記最低電位上昇PチャネルMOSトランジスタT
PUのドレイン及びソースを経て、前記相補Pチャネル
MOSトランジスタTPCのソースへと電源を供給す
る。
【0120】前記グランドGND1は、前記相補Nチャ
ネルMOSトランジスタTNCの基板電位を供給すると
共に、前記最高電位降下NチャネルMOSトランジスタ
TNDの基板電位を供給する。又、前記グランドGND
2は、前記最低電位上昇PチャネルMOSトランジスタ
TPUのドレイン及びソースを経て、前記相補Nチャネ
ルMOSトランジスタTNCのソースへと接続されてい
る。
【0121】このように、本第2実施例においては、最
高電位側について、前記電源VDD1と前記電源VDD
2との独立した電源供給経路となっている。又、前記最
低電位側についても、前記グランドGND1と前記グラ
ンドGND2との、1つの独立したグランドとなってい
る。このため、前記相補PチャネルMOSトランジスタ
TPCの基板電位を容易に設定することができ、該相補
PチャネルMOSトランジスタTPCのバックバイアス
の大きさを容易に変更することができる。又、前記相補
NチャネルMOSトランジスタTNCについても、その
基板電位を任意に設定することができ、該相補Nチャネ
ルMOSトランジスタTNCのバックバイアスの大きさ
を容易に変更することができる。
【0122】前記図5〜前記図7を用いて前述したとお
り、前記相補PチャネルMOSトランジスタTPCのバ
ックバイアスの大きさは、その閾値電圧Vtpc 等に影響
を与えるものであり、前記相補NチャネルMOSトラン
ジスタTNCのそのバックバイアスの大きさは、その相
補NチャネルMOSトランジスタTNCのその閾値電圧
Vtnc の大きさに影響を与えるものである。又、これら
閾値電圧Vtpc 又閾値電圧Vtnc は、そのCMOS型の
回路の特性に影響を与えるものである。
【0123】従って、本第2実施例のように、これら相
補PチャネルMOSトランジスタTPCのバックバイア
スの大きさや相補NチャネルMOSトランジスタTNC
のバックバイアスの大きさを容易に変更できるようにす
ることで、その特性をより容易に変更することが可能と
なる。
【0124】図10は、本発明が適用された第3実施例
の半導体集積回路の全体構成図である。
【0125】この図10に示される如く、本第3実施例
の半導体集積回路は、合計n 本の入力ピンPi 1〜Pin
を有する。これら入力ピンから入力された信号は、それ
ぞれの入力ピンPi 1〜Pin毎に設けられた入力回路I
1〜In を経て、内部回路10へと入力される。
【0126】一方、本第3実施例の半導体集積回路は、
合計m 本の出力ピンPo 1〜Pomを有する。これら出力
ピンPo 1〜Pomを経て、前記内部回路10から、本第
3実施例の半導体集積回路の外部へと出力される信号
は、前記出力ピンPo 1〜Pom毎に設けられた出力回路
O1〜Om を経て出力される。
【0127】図11は、本第3実施例に用いられる入力
回路の回路図である。
【0128】この図11に示される入力回路は、前記図
10において、符号I1〜In それぞれにて示されたも
のである。
【0129】まず、この入力回路は、前記図9に示した
前記第2実施例と同様のインバータゲート、即ち前記相
補PチャネルMOSトランジスタTPCと、前記相補N
チャネルMOSトランジスタTNCと、前記最高電位降
下NチャネルMOSトランジスタTNDと、前記最低電
位上昇PチャネルMOSトランジスタTPUとにより構
成されるインバータゲートが、入力バッファとして用い
られている。又、NチャネルMOSトランジスタTN1
とPチャネルMOSトランジスタTP1とによって、論
理閾値変換回路が構成されている。
【0130】なお、この図11や又後述する図12〜図
15においては、前記図9に示した前記第2実施例と同
様に、2つの独立した電源、即ち前記電源VDD1及び
前記電源VDD2と、2つの独立したグランド、即ち前
記グランドGND1及び前記グランドGND2とを有し
たものである。即ち、これら図11〜図15において図
示が省略されているものの、それぞれのPチャネルMO
Sトランジスタの基板には、前記電源VDD1が接続さ
れているものとする。又、それぞれのNチャネルMOS
トランジスタの基板には、前記グランドGND1が接続
されているものとする。
【0131】図12は、本第3実施例の内部回路に用い
られるインバータゲートの回路図である。この図12に
示されるインバータゲートは、基本的に、前記図9に示
されるものと同一のものである。
【0132】図13は、本第3実施例の内部回路に用い
られる2入力NAND論理ゲートの回路図である。この
2入力AND論理ゲートにおいては、PチャネルMOS
トランジスタTPCa 及びTPCb 、又NチャネルMO
SトランジスタTNCa 及びTNCb によって、2入力
NANDの論理演算が行われている。又、このようにN
ANDの論理演算を行うものに対して、前記最高電位降
下NチャネルMOSトランジスタTNDと、前記最低電
位上昇PチャネルMOSトランジスタTPUとが設けら
れている。
【0133】図14は、本第3実施例の内部回路に用い
られる2入力NOR論理ゲートの回路図である。この図
14に示されるNOR論理ゲートは、PチャネルMOS
トランジスタTPCa 及びTPCb と、NチャネルMO
SトランジスタTNCa 及びTNCb によって、NOR
の論理演算が行われている。又、このようにNORの論
理演算を行うものについて、前記最高電位降下Nチャネ
ルMOSトランジスタTNDと、前記最低電位上昇Pチ
ャネルMOSトランジスタTPUとが設けられている。
【0134】図15は、本実施例に用いられる出力回路
の回路図である。
【0135】この図15において、PチャネルMOSト
ランジスタTP4とNチャネルMOSトランジスタTN
4とによって構成されるインバータゲートが、出力バッ
ファとして用いられている。又、NチャネルMOSトラ
ンジスタTN2及びTN3、又、PチャネルMOSトラ
ンジスタTP2及びTP3によって、論理レベルの変換
がなされている。
【0136】なお、2つのインバータゲートG1及びG
2、又AND論理ゲートG3によって、入力Si の論理
状態の立ち上りのみ遅延させる回路が構成されている。
この回路は、前記入力Si の立ち上り時には、2つの前
記インバータゲートG1及びG2の遅延時間の合計分だ
け、この立ち上りを遅延させる。一方、前記入力Siの
立ち下り時には、基本的に遅延なく、この立ち下りを出
力するものである。このような信号は、前記Nチャネル
MOSトランジスタTN4のゲートへと入力されてい
る。
【0137】以上説明したとおり、本第3実施例によれ
ば、例えば、前記入力回路I1〜In や、前記出力回路
O1〜Om を用いて、本発明を適用した半導体集積回路
を構成することができる。更に、前記内部回路10に
は、前記図12に示したインバータゲートや、前記図1
3に示した2入力NAND論理ゲート、又前記図14に
示した2入力NOR論理ゲートを用いて任意の回路を作
り込むことができる。
【0138】なお、これらインバータゲートや2入力N
AND論理ゲートや2入力NOR論理ゲートと同様に、
前記最高電位降下NチャネルMOSトランジスタTND
や前記最低電位上昇PチャネルMOSトランジスタTP
Uを用いることで、他の形態の論理ゲート、例えばより
入力数の多いNAND論理ゲートやNOR論理ゲート、
あるいはAND論理ゲートやOR論理ゲート等も構成す
ることが可能である。
【0139】図16は、本発明が適用された第4実施例
の半導体集積回路に用いられるインバータゲートの模式
的な回路図である。又、図17は、該インバータゲート
の半導体集積回路レイアウト図である。図18は、本発
明が適用された第5実施例の半導体集積回路に用いられ
る4入力NAND論理ゲートの模式的な回路図である。
又、図19は、該第5実施例の4入力NAND論理ゲー
トの半導体集積回路レイアウト図である。図20は、本
発明が適用された第6実施例の半導体集積回路に用いら
れるインバータゲートの模式的な回路図である。又、図
21は、該第6実施例のインバータゲートの半導体集積
回路レイアウト図である。
【0140】まず、前記第4及び前記第5実施例のイン
バータゲートは、いずれも、等価的には、前記図8に示
した前記第1実施例のインバータゲートと同一のもので
ある。又、これら第4実施例〜第6実施例は、それぞれ
のPウェル領域Pw 1及びPw 2、又Nウェル領域Nw
1及びNw 2がそれぞれが有する、4個のMOSトラン
ジスタを用いたものである。
【0141】まず、前記Pウェル領域Pw 2において
は、図17、図19、図21に示す如く、ゲートG1〜
ゲートG4それぞれを用いた最大4個のNチャネルMO
Sトランジスタを形成することが可能となっている。前
記Nウェル領域Nw 1においては、ゲートG5〜G8そ
れぞれを用いて、最大4個のPチャネルMOSトランジ
スタを形成することが可能となっている。前記Pウェル
領域Pw 1においては、ゲートG9〜G12それぞれを
用いた、最大4個のNチャネルMOSトランジスタを形
成することが可能となっている。前記Nウェル領域Nw
2においては、ゲートG13〜G16を用いた、最大4
個のPチャネルMOSトランジスタを形成することが可
能となっている。
【0142】まず、前記第4実施例においては、前記P
ウェル領域Pw 2において、前記ゲートG1を用いたN
チャネルMOSトランジスタによって、前記最高電位降
下NチャネルMOSトランジスタTNDを形成してい
る。前記Nウェル領域Nw 1において、前記ゲートG5
を用いたPチャネルMOSトランジスタTPCa によっ
て、前記相補PチャネルMOSトランジスタを構成して
いる。前記Pウェル領域Pw 1において、前記ゲートG
9を用いたNチャネルMOSトランジスタTNCa によ
って、前記相補NチャネルMOSトランジスタが形成さ
れている。前記Nウェル領域Nw 2において、前記ゲー
トG13を用いたPチャネルMOSトランジスタによっ
て、前記最低電位上昇PチャネルMOSトランジスタT
PUが作り込まれている。
【0143】なお、本第4実施例においては、前記Pウ
ェル領域Pw 2での前記ゲートG2〜G4それぞれを用
いたNチャネルMOSトランジスタは利用されていな
い。前記Nウェル領域Nw 1の前記ゲートG6〜G8そ
れぞれを用いたPチャネルMOSトランジスタTPCb
〜TPCd は利用されていない。前記Pウェル領域Pw
1の前記ゲートG10〜G12それぞれを用いたNチャ
ネルMOSトランジスタTNCb 〜TNCd は利用され
ていない。前記Nウェル領域Nw 2の前記ゲートG14
〜G16それぞれを用いたPチャネルMOSトランジス
タは利用されていない。
【0144】次に、前記第5実施例においては、前記P
ウェル領域Pw 2のゲートG1を用いたNチャネルMO
Sトランジスタによって、前記最高電位降下Nチャネル
MOSトランジスタが形成されている。該Pウェル領域
Pw 2でのゲートG2〜G4を用いたNチャネルMOS
トランジスタは利用されていない。
【0145】前記Nウェル領域Nw 1において、前記ゲ
ートG5〜G8それぞれを用いたPチャネルMOSトラ
ンジスタ、又、前記Pウェル領域Pw 1の前記ゲートG
9〜G12それぞれを用いたNチャネルMOSトランジ
スタによって、4入力NAND論理の論理演算が行われ
ている。
【0146】又、前記Nウェル領域Nw 2の前記ゲート
G16を用いたPチャネルMOSトランジスタによっ
て、前記最低電位上昇PチャネルMOSトランジスタT
PUが形成されている。該Nウェル領域Nw 2の前記ゲ
ートG13〜G16それぞれを用いたPチャネルMOS
トランジスタは利用されていない。
【0147】次に、前記第6実施例は、前記Nウェル領
域Nw 1と、前記Pウェル領域Pw1との、2つの領域
のみを用いたものとなっている。
【0148】まず、前記Nウェル領域Nw 1の前記ゲー
トG8を用いたPチャネルMOSトランジスタによっ
て、前記最低電位上昇PチャネルMOSトランジスタT
PUが形成されている。ゲートG5を用いたPチャネル
MOSトランジスタによって、前記相補PチャネルMO
SトランジスタTPCが形成されている。
【0149】前記Pウェル領域Pw 1の前記ゲートG1
2を用いたNチャネルMOSトランジスタによって、前
記最高電位降下NチャネルMOSトランジスタTNDが
形成されている。前記ゲートG9を用いたNチャネルM
OSトランジスタによって、前記相補NチャネルMOS
トランジスタTNCが形成されている。
【0150】なお、本第6実施例において、前記Nウェ
ル領域Nw 1の前記ゲートG6及びG7それぞれを用い
たPチャネルMOSトランジスタは利用されていない。
又、前記Pウェル領域Pw 1の前記ゲートG10及びG
12それぞれを用いたNチャネルMOSトランジスタも
利用されていない。
【0151】これら第4実施例〜第6実施例に示すとお
り、配線層以降のみカスタム化された、セミカスタム形
式の半導体集積回路においても、本発明を適用すること
が可能である。これら第4実施例〜第6実施例では、各
Pウェル領域Pw 1及びPw2又Nウェル領域Nw 1及
びNw 2等のトランジスタセルのゲートや拡散領域は共
通化されている。共通化されたゲート等をカスタム化さ
れた配線で接続することで、ユーザの所望の回路を作り
込むことができるゲートアレイ方式となっている。この
ようなトランジスタセルを用いた半導体集積回路や、ゲ
ートアレイ方式の半導体集積回路であっても、前記最高
電位降下NチャネルMOSトランジスタや前記最低電位
上昇PチャネルMOSトランジスタを作り込んで、前記
相補PチャネルMOSトランジスタと前記相補Nチャネ
ルMOSトランジスタとを対としたCMOS型の回路に
おいて、本発明を適用することは可能である。
【0152】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
論理ゲート等の構成の基本要素として用いられるCMO
S型の回路にあって、まず、論理回路の動作速度向上を
図ると共に、更に、消費電力の削減を図るだけでなく、
合せて、ラッチアップ現象が発生してしまう恐れを低減
することができるという優れた効果を得ることができ
る。例えば、ジャンクション容量低減による入力負荷容
量低減等によって、論理回路の動作速度向上を図ること
ができる。あるいは、電源電流等の電流を減少させるこ
とで、消費電力を削減すると共に、寄生トランジスタに
よるラッチアップ現象の発生を抑えることも可能であ
る。
【0153】なお、一般的に、論理回路の動作速度と消
費電力とは相反する関係にある。従って、本発明の効果
を考える上で、この点を配慮する必要がある。即ち、動
作速度向上の効果のみを狙ったり、消費電力削減の効果
のみを狙うことも考えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要旨を示すブロック図
【図2】本発明におけるPチャネルMOSトランジスタ
あるいNチャネルMOSトランジスタにおける各部の電
位及び電位差を示す線図
【図3】本発明における動作作用を説明するPチャネル
MOSトランジスタの断面図
【図4】本発明における動作作用を説明するNチャネル
MOSトランジスタの断面図
【図5】本発明の動作作用を説明するためのMOSトラ
ンジスタのバックバイアスと閾値電圧との関係を示すグ
ラフ
【図6】本発明の動作作用を説明する第1のタイムチャ
ート
【図7】本発明の動作作用を説明する第2のタイムチャ
ート
【図8】本発明が適用された第1実施例の半導体集積回
路に用いられるインバータゲートの回路図
【図9】本発明が適用された第2実施例の半導体集積回
路に用いられるインバータゲートの回路図
【図10】本発明が適用された第3実施例の半導体集積
回路の全体ブロック図
【図11】前記第3実施例に用いられる入力回路の回路
【図12】前記第3実施例の内部回路に用いられるイン
バータゲートの回路図
【図13】前記第3実施例の内部回路に用いられる2入
力NAND論理ゲートの回路図
【図14】前記第3実施例の内部回路に用いられる2入
力NOR論理ゲートの回路図
【図15】前記第3実施例に用いられる出力回路の回路
【図16】本発明が適用された第4実施例の半導体集積
回路に用いられるインバータゲートの模式的な回路図
【図17】前記第4実施例の前記インバータゲートの半
導体集積回路レイアウト図
【図18】本発明が適用された第5実施例の半導体集積
回路に用いられる4入力NAND論理ゲートの模式的な
回路図
【図19】前記第5実施例に用いられる前記4入力NA
ND論理ゲートの半導体集積回路レイアウト図
【図20】本発明が適用された第6実施例の半導体集積
回路に用いられるインバータゲートの模式的な回路図
【図21】前記第6実施例の前記インバータゲートの半
導体集積回路レイアウト図
【図22】従来の半導体集積回路に用いられるインバー
タゲートの回路図
【図23】前記従来のインバータゲートの半導体集積回
路レイアウト図
【図24】前記従来のインバータゲートの断面図
【図25】前記従来のインバータゲートの動作を示すタ
イムチャート
【図26】前記従来のインバータゲートにおけるラッチ
アップ現象を示す寄生トランジスタを示す回路図
【符号の説明】
TPC…相補PチャネルMOSトランジスタ TNC…相補NチャネルMOSトランジスタ D…最高電位降下手段 U…最低電位上昇手段 TND…最高電位降下NチャネルMOSトランジスタ TPU…最低電位上昇PチャネルMOSトランジスタ Si …入力 So …出力 G…ゲート D…ドレイン S…ソース Vg …ゲート電圧 Vd …ドレイン電圧 Vs …ソース電圧 Vgs…ゲート−ソース間電圧 Vbg…バックバイアス電圧 Vds…ソース−ドレイン間電圧 VDD、VDD1、VDD2…電源電圧 GND、GND1、GND2…グランド Vmax …最高電位 Vmx2…降下最高電位 Vmin …最低電位 Vmn2…上昇最低電位 Pi 1〜Pin…入力ピン Po 1〜Pom…出力ピン I1〜In …入力回路 O1〜Om …出力回路 10…内部回路 G1〜G16…ゲート Pw 1、Pw 2…Pウェル領域 Nw 1、Nw 2…Nウェル領域
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03K 19/0175 8839−5J H03K 19/00 101 F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】最高電位側に用いられる相補PチャネルM
    OSトランジスタと、最低電位側に用いられる相補Nチ
    ャネルMOSトランジスタとを対としたCMOS型の回
    路を有する半導体集積回路において、 前記最高電位側にそのドレイン及びそのゲートが接続さ
    れ、又、前記相補PチャネルMOSトランジスタのソー
    ス側にそのソースが接続された最高電位降下Nチャネル
    MOSトランジスタを有し、前記最高電位より低い降下
    最高電位を発生し、これを前記相補PチャネルMOSト
    ランジスタのソース側へ供給する最高電位降下手段と、 前記最低電位側にそのドレイン及びそのゲートが接続さ
    れ、又、前記相補NチャネルMOSトランジスタのソー
    ス側にそのソースが接続された最低電位上昇Pチャネル
    MOSトランジスタを有し、前記最低電位より高い上昇
    最低電位を発生し、これを前記相補NチャネルMOSト
    ランジスタのソース側へ供給する最低電位上昇手段とを
    備えたことを特徴とする半導体集積回路。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記最高電位を供給する動作最高電位供給経路とは別に
    設けられた、前記相補PチャネルMOSトランジスタの
    基板電位を供給し、且つ、前記最低電位上昇Pチャネル
    MOSトランジスタの基板電位を供給する基板最高電位
    の供給経路を備えると共に、 更に、前記最低電位を供給する動作最低電位供給経路と
    は別に設けられた、前記相補NチャネルMOSトランジ
    スタの基板電位を供給し、且つ、前記最高電位降下Nチ
    ャネルMOSトランジスタの基板電位を供給する基板最
    低電位の供給経路を備えるようにしたことを特徴とする
    半導体集積回路。
  3. 【請求項3】請求項1又は2のいずれか1つにおいて、 前記相補PチャネルMOSトランジスタのそのソース電
    位と、前記相補NチャネルMOSトランジスタのそのソ
    ース電位との差である電源電位差と、 前記相補PチャネルMOSトランジスタのその閾値電圧
    と、前記相補NチャネルMOSトランジスタのその閾値
    電圧との和である閾値合計電圧とについて、前記電源電
    位差の方が、前記閾値合計電圧よりも低くされているこ
    とを特徴とする半導体集積回路。
  4. 【請求項4】請求項1ないしは3のいずれか1つにおい
    て、 論理状態のH状態及びL状態に対応する、前記CMOS
    型の回路の入力信号の振幅あるいは出力信号の振幅の少
    なくとも一方が、前記降下最高電位から前記上昇最低電
    位までの範囲内とされていることを特徴とする半導体集
    積回路。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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