JPH07210085A - シール - Google Patents
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- JPH07210085A JPH07210085A JP6003612A JP361294A JPH07210085A JP H07210085 A JPH07210085 A JP H07210085A JP 6003612 A JP6003612 A JP 6003612A JP 361294 A JP361294 A JP 361294A JP H07210085 A JPH07210085 A JP H07210085A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】信頼性が高く、高品質、かつ装飾性に優れた光
学的偽造防止用シールを提供すること。 【構成】基材1上に機能層、接着層2を設けてなり、前
記機能層が、屈折率の異なる複数の材料2−a,bを積
層してなり、更にその上にIII 〜VI族の元素或いはこの
酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物からなる薄膜層2−
cを積層してなることを特徴とする。
学的偽造防止用シールを提供すること。 【構成】基材1上に機能層、接着層2を設けてなり、前
記機能層が、屈折率の異なる複数の材料2−a,bを積
層してなり、更にその上にIII 〜VI族の元素或いはこの
酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物からなる薄膜層2−
cを積層してなることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シールに関するもので
あり、偽造もしくは改ざん防止用シールに関するもので
ある。
あり、偽造もしくは改ざん防止用シールに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、偽造防止用のシールには、偽
造防止機能を有することは無論、その他に容易に判別で
きること、構成を判定しにくいこと、周囲の環境により
変化しないことなどの要求があった。
造防止機能を有することは無論、その他に容易に判別で
きること、構成を判定しにくいこと、周囲の環境により
変化しないことなどの要求があった。
【0003】一方、屈折率の異なるセラミックの光学的
な積層体は反射防止膜、フィルターなどに応用されてい
る。これらは主としてガラスなどの基材上に作成されて
いる。さらに高分子の積層体として、セラミックの積層
体同様の性質を有させるようにするには、数十あるいは
百層近く積層する必要があった。
な積層体は反射防止膜、フィルターなどに応用されてい
る。これらは主としてガラスなどの基材上に作成されて
いる。さらに高分子の積層体として、セラミックの積層
体同様の性質を有させるようにするには、数十あるいは
百層近く積層する必要があった。
【0004】この両方の要求を満たす新規なシールとし
て、屈折率の異なるセラミックを積層した光学的な偽造
防止シールが本発明者らによって(特願平5−2440
63号)提案された。
て、屈折率の異なるセラミックを積層した光学的な偽造
防止シールが本発明者らによって(特願平5−2440
63号)提案された。
【0005】しかし、屈折率の異なるセラミックを順
次、基材フィルム上に積層した後、シールとしての機能
を付加するため接着層を設けると、接着層と接する機能
層の屈折率が変化し、機能層の光学特性を劣化させる。
また基材と機能層との密着が不足すると、接着剤の硬化
に伴う体積収縮のため、機能層にクラックが生じたりす
ることがある。このため、偽造防止用シールの要求特性
である、易判別性が低下したり、目視した際の色彩・装
飾性が低下するという問題があった。
次、基材フィルム上に積層した後、シールとしての機能
を付加するため接着層を設けると、接着層と接する機能
層の屈折率が変化し、機能層の光学特性を劣化させる。
また基材と機能層との密着が不足すると、接着剤の硬化
に伴う体積収縮のため、機能層にクラックが生じたりす
ることがある。このため、偽造防止用シールの要求特性
である、易判別性が低下したり、目視した際の色彩・装
飾性が低下するという問題があった。
【0006】一方、シールを貼り付ける対象は、主に偽
造防止を要求されるカード、ビデオケース等である。こ
れらは日常的に様々な人に使用されるため、このような
過酷な使用環境では、特に耐摩耗性に優れることが要求
される。しかし、シールの最表面となる基材フィルムに
は、一般的にポリエステルやポリオレフィン等の高分子
フィルムが使用されるため、耐摩耗性など過酷な使用環
境に対して十分な性能を有しているとは言えない。
造防止を要求されるカード、ビデオケース等である。こ
れらは日常的に様々な人に使用されるため、このような
過酷な使用環境では、特に耐摩耗性に優れることが要求
される。しかし、シールの最表面となる基材フィルムに
は、一般的にポリエステルやポリオレフィン等の高分子
フィルムが使用されるため、耐摩耗性など過酷な使用環
境に対して十分な性能を有しているとは言えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、偽造防止用
のシールに対する要求を満足させるという問題点に着目
してなされたもので、その課題とするところは、信頼性
が高く、高品質、かつ装飾性に優れた光学的偽造防止用
シールを提供することにある。
のシールに対する要求を満足させるという問題点に着目
してなされたもので、その課題とするところは、信頼性
が高く、高品質、かつ装飾性に優れた光学的偽造防止用
シールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
基材上に、機能層、接着層を設けてなり、前記機能層
が、屈折率の異なる複数のセラミック材料を積層した上
に更にIII 〜VI族の元素或いはこの酸化物、炭化物、窒
化物、ホウ化物からなる薄膜層を積層してなるものであ
ることを特徴とするシールである。
基材上に、機能層、接着層を設けてなり、前記機能層
が、屈折率の異なる複数のセラミック材料を積層した上
に更にIII 〜VI族の元素或いはこの酸化物、炭化物、窒
化物、ホウ化物からなる薄膜層を積層してなるものであ
ることを特徴とするシールである。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1の発明を
前提として、セラミック層が、高屈折率層と低屈折率層
との組み合わせからなることを特徴とするシールであ
る。
前提として、セラミック層が、高屈折率層と低屈折率層
との組み合わせからなることを特徴とするシールであ
る。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1、2の発
明を前提として、前記機能層のセラミック層が、フッ化
マグネシウム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化
セリウム、フッ化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸
化マグネシウムのうちの何れか一つと、硫化亜鉛との組
み合わせからなる積層体であることを特徴とするシール
である。
明を前提として、前記機能層のセラミック層が、フッ化
マグネシウム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化
セリウム、フッ化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸
化マグネシウムのうちの何れか一つと、硫化亜鉛との組
み合わせからなる積層体であることを特徴とするシール
である。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1、2の発
明を前提として、前記機能層のセラミック層が、フッ化
マグネシウム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化
セリウム、フッ化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸
化マグネシウムのうち何れか一つと、二酸化ジルコニウ
ムの積層体であることを特徴とするシールである。
明を前提として、前記機能層のセラミック層が、フッ化
マグネシウム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化
セリウム、フッ化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸
化マグネシウムのうち何れか一つと、二酸化ジルコニウ
ムの積層体であることを特徴とするシールである。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項1、2の発
明を前提として、前記機能層のセラミック層が、フッ化
マグネシウム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化
セリウム、フッ化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸
化マグネシウムのうち何れか一つと、二酸化チタンとの
組み合わせからなる積層体であることを特徴とするシー
ルである。
明を前提として、前記機能層のセラミック層が、フッ化
マグネシウム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化
セリウム、フッ化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸
化マグネシウムのうち何れか一つと、二酸化チタンとの
組み合わせからなる積層体であることを特徴とするシー
ルである。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項1、2の発
明を前提として、前記機能層のセラミック層が、フッ化
マグネシウム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化
セリウム、フッ化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸
化マグネシウムのうち何れか一つと、二酸化セリウムと
の組み合わせからなる積層体であることを特徴とするシ
ールである。
明を前提として、前記機能層のセラミック層が、フッ化
マグネシウム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化
セリウム、フッ化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸
化マグネシウムのうち何れか一つと、二酸化セリウムと
の組み合わせからなる積層体であることを特徴とするシ
ールである。
【0014】請求項7記載の発明は、請求項1〜6記載
の発明を前提として、前記薄膜層が、高屈折率材料から
なる薄膜であることを特徴とするシールである。
の発明を前提として、前記薄膜層が、高屈折率材料から
なる薄膜であることを特徴とするシールである。
【0015】請求項8記載の発明は、請求項7記載の発
明を前提として、前記薄膜層が、透明の薄膜であること
を特徴とするシールである。
明を前提として、前記薄膜層が、透明の薄膜であること
を特徴とするシールである。
【0016】請求項9記載の発明は、請求項8記載の発
明を前提として、前記薄膜層が、ダイヤモンド、ダイヤ
モンドライクカーボン、炭化珪素、或いは窒化ホウ素か
らなる薄膜であることを特徴とするシールである。
明を前提として、前記薄膜層が、ダイヤモンド、ダイヤ
モンドライクカーボン、炭化珪素、或いは窒化ホウ素か
らなる薄膜であることを特徴とするシールである。
【0017】請求項10記載の発明は、請求項7記載の
発明を前提として、薄膜層が不透明の薄膜であることを
特徴とするシールである。
発明を前提として、薄膜層が不透明の薄膜であることを
特徴とするシールである。
【0018】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の発明を前提として、前記薄膜層が、ダイヤモンドライ
クカーボン、炭化珪素、或いは炭化ホウ素からなる薄膜
であることを特徴とするシールである。
の発明を前提として、前記薄膜層が、ダイヤモンドライ
クカーボン、炭化珪素、或いは炭化ホウ素からなる薄膜
であることを特徴とするシールである。
【0019】請求項12記載の発明は、請求項1〜11
記載の発明において、機能層、接着層を設けた基材フィ
ルムの反対側に、硬質の保護膜を被覆していることを特
徴とするシールである。
記載の発明において、機能層、接着層を設けた基材フィ
ルムの反対側に、硬質の保護膜を被覆していることを特
徴とするシールである。
【0020】請求項13記載の発明は、請求項12記載
の発明において、前記硬質保護膜が、ダイヤモンド、ダ
イヤモンドライクカーボン、炭化珪素、アルミニウム酸
化物、珪素酸化物、或いは窒化ホウ素からなる薄膜であ
ることを特徴とするシールである。
の発明において、前記硬質保護膜が、ダイヤモンド、ダ
イヤモンドライクカーボン、炭化珪素、アルミニウム酸
化物、珪素酸化物、或いは窒化ホウ素からなる薄膜であ
ることを特徴とするシールである。
【0021】以下、本発明を図面を用いて詳述する。説
明図1は、本発明における、請求項1〜11の構成を示
したものである。1は基材、2は機能層であり、2−a
(高屈折率)、2−b(低屈折率)はセラミック層、2
−cはIII 〜VI族の元素、或いはこの酸化物、炭化物、
窒化物、ホウ化物からなる薄膜層である。3は接着層で
ある。説明図2は、本発明における、請求項11、12
の構成を示したものである。1は基材、2は機能層であ
り、2−a(高屈折率)、2−b(低屈折率)はセラミ
ック層、2−cはIII 〜VI族の元素、或いはこの酸化
物、炭化物、窒化物、ホウ化物からなる薄膜層である。
3は接着層であり、4は硬質の保護膜である。
明図1は、本発明における、請求項1〜11の構成を示
したものである。1は基材、2は機能層であり、2−a
(高屈折率)、2−b(低屈折率)はセラミック層、2
−cはIII 〜VI族の元素、或いはこの酸化物、炭化物、
窒化物、ホウ化物からなる薄膜層である。3は接着層で
ある。説明図2は、本発明における、請求項11、12
の構成を示したものである。1は基材、2は機能層であ
り、2−a(高屈折率)、2−b(低屈折率)はセラミ
ック層、2−cはIII 〜VI族の元素、或いはこの酸化
物、炭化物、窒化物、ホウ化物からなる薄膜層である。
3は接着層であり、4は硬質の保護膜である。
【0022】本発明において用いられる基材とは、ある
程度のフレキシビリティー、引張強度、および表面の平
滑性があれば特に限定されるものではなく、例えばポリ
エステルフィルム、ポリオレフィンフィルム等の高分子
フィルムが使用できる。
程度のフレキシビリティー、引張強度、および表面の平
滑性があれば特に限定されるものではなく、例えばポリ
エステルフィルム、ポリオレフィンフィルム等の高分子
フィルムが使用できる。
【0023】本発明における機能層とは屈折率の異なる
セラミックを交互に複数層積層し、更にこのセラミック
層の上にIII 〜VI族の元素、或いはこの酸化物、炭化
物、窒化物、ホウ化物からなる薄膜層を形成したもので
ある。
セラミックを交互に複数層積層し、更にこのセラミック
層の上にIII 〜VI族の元素、或いはこの酸化物、炭化
物、窒化物、ホウ化物からなる薄膜層を形成したもので
ある。
【0024】屈折率の異なるセラミック層は、低屈折率
層として、酸化マグネシウム(屈折率n=1.6 )、二酸
化珪素(n=1.5 )、フッ化マグネシウム(n=1.4
)、フッ化セリウム(n=1.6 )等々を、高屈折率層
として二酸化チタン(n=2.4 )、二酸化ジルコニウム
(n=2.0 )、硫化亜鉛(n=2.3 )、二酸化セリウム
(n=2.4 )等々を、各々組み合わせて積層すれば良
い。
層として、酸化マグネシウム(屈折率n=1.6 )、二酸
化珪素(n=1.5 )、フッ化マグネシウム(n=1.4
)、フッ化セリウム(n=1.6 )等々を、高屈折率層
として二酸化チタン(n=2.4 )、二酸化ジルコニウム
(n=2.0 )、硫化亜鉛(n=2.3 )、二酸化セリウム
(n=2.4 )等々を、各々組み合わせて積層すれば良
い。
【0025】III 〜VI族の元素、或いはこの酸化物、炭
化物、窒化物、ホウ化物としては、本発明の請求の範囲
であれば、特に問題はない。薄膜層はシールの光学特性
を担う機能層であり、高屈折率層であることが望まし
く、高屈折率の薄膜層として、透明の薄膜ではダイヤモ
ンド(n=2.2 〜2.4)、ダイヤモンドライクカーボン
(n=2.1 〜2.3)、炭化珪素(n=2.4 〜2.6)、或いは
窒化ホウ素(n=2.0 〜2.2)等を、不透明層ではダイヤ
モンドライクカーボン(n=2.1 〜2.3)、炭化珪素(n
=2.4 〜2.6)、或いは窒化ホウ素(n=2.0 〜2.2)等を
各々所定の膜厚で積層させる。
化物、窒化物、ホウ化物としては、本発明の請求の範囲
であれば、特に問題はない。薄膜層はシールの光学特性
を担う機能層であり、高屈折率層であることが望まし
く、高屈折率の薄膜層として、透明の薄膜ではダイヤモ
ンド(n=2.2 〜2.4)、ダイヤモンドライクカーボン
(n=2.1 〜2.3)、炭化珪素(n=2.4 〜2.6)、或いは
窒化ホウ素(n=2.0 〜2.2)等を、不透明層ではダイヤ
モンドライクカーボン(n=2.1 〜2.3)、炭化珪素(n
=2.4 〜2.6)、或いは窒化ホウ素(n=2.0 〜2.2)等を
各々所定の膜厚で積層させる。
【0026】本発明では、基材の主たる材料が有機ポリ
マーからなる高分子フィルムであることから、屈折率が
低く基材に接する次の層は高屈折率である必要がある。
一般的に多層干渉膜は光の干渉理論に基づき高屈折率
膜、低屈折率膜を交互に積層したものであり、分光特性
は層数に応じて変化する。本発明においては、基材を含
め層数は偶数であるが、積層した機能層の数は奇数とな
る。
マーからなる高分子フィルムであることから、屈折率が
低く基材に接する次の層は高屈折率である必要がある。
一般的に多層干渉膜は光の干渉理論に基づき高屈折率
膜、低屈折率膜を交互に積層したものであり、分光特性
は層数に応じて変化する。本発明においては、基材を含
め層数は偶数であるが、積層した機能層の数は奇数とな
る。
【0027】機能層として、屈折率の異なる層を交互に
複数層積層することにより、所定の波長領域の光線を反
射あるいは透過させること、ならびに見る角度を変える
ことで薄膜内の光路長が変化し、色が変化して見えるこ
とを利用して、偽造防止性を持たせるようにしたもので
ある。
複数層積層することにより、所定の波長領域の光線を反
射あるいは透過させること、ならびに見る角度を変える
ことで薄膜内の光路長が変化し、色が変化して見えるこ
とを利用して、偽造防止性を持たせるようにしたもので
ある。
【0028】更に、接着層と接する機能層の最上層に、
III 〜VI族の元素、或いはこの酸化物、炭化物、窒化
物、ホウ化物からなり、特に化学的に安定、かつ硬質の
高屈折率の薄膜層を形成することにより、接着層を設け
る際に生ずる、接着層と接する機能層の屈折率変化を防
止したり、また基材と機能層の接着力不足と接着剤の硬
化に伴う体積収縮により生ずる機能層のクラックの発生
を防止し、機能層の光学特性の劣化させず接着層を形成
できるようにしたものである。
III 〜VI族の元素、或いはこの酸化物、炭化物、窒化
物、ホウ化物からなり、特に化学的に安定、かつ硬質の
高屈折率の薄膜層を形成することにより、接着層を設け
る際に生ずる、接着層と接する機能層の屈折率変化を防
止したり、また基材と機能層の接着力不足と接着剤の硬
化に伴う体積収縮により生ずる機能層のクラックの発生
を防止し、機能層の光学特性の劣化させず接着層を形成
できるようにしたものである。
【0029】本発明では、薄膜層を透明層或いは、不透
明層にすることにより、透過光、反射光の分光特性を、
層数及び膜厚の他に、薄膜層の色によっても任意に設定
できるようになっており、装飾性や偽造防止性を向上さ
せ、付加価値を高いものを得ることができる。
明層にすることにより、透過光、反射光の分光特性を、
層数及び膜厚の他に、薄膜層の色によっても任意に設定
できるようになっており、装飾性や偽造防止性を向上さ
せ、付加価値を高いものを得ることができる。
【0030】本発明においては、機能層の膜厚は合計で
1μm以下が望ましい。なぜならば、1μm以上である
と柔軟性に乏しくなり、機能層にクラックが生じて機能
層の光学特性を劣化させる場合があるからである。
1μm以下が望ましい。なぜならば、1μm以上である
と柔軟性に乏しくなり、機能層にクラックが生じて機能
層の光学特性を劣化させる場合があるからである。
【0031】一方、本発明における硬質の保護膜とは、
機能層、接着層を設けた基材フィルムの反対側に、ダイ
ヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、炭化珪素、ア
ルミニウム酸化物、珪素酸化物、或いは窒化ホウ素等
の、化学的に安定であり、硬質の透明薄膜を形成したも
のである。
機能層、接着層を設けた基材フィルムの反対側に、ダイ
ヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、炭化珪素、ア
ルミニウム酸化物、珪素酸化物、或いは窒化ホウ素等
の、化学的に安定であり、硬質の透明薄膜を形成したも
のである。
【0032】前記のように硬質膜を基材上に被覆するこ
とにより、耐摩耗性、対薬品性などを向上し、過酷な使
用環境下での耐久性を高めることができる。よってシー
ルの偽造防止性、装飾性等を長期間維持できる。
とにより、耐摩耗性、対薬品性などを向上し、過酷な使
用環境下での耐久性を高めることができる。よってシー
ルの偽造防止性、装飾性等を長期間維持できる。
【0033】本発明における機能層、及び硬質の保護層
の形成方法は、特定の方法に限定されるわけではなく、
いかなる成膜方法を用いてもかまわない。
の形成方法は、特定の方法に限定されるわけではなく、
いかなる成膜方法を用いてもかまわない。
【0034】
【作用】本発明のシールは、機能層に低屈折率と高屈折
率のセラミックを交互に組み合わせ、更に接着層と接す
る高屈折率層を高屈折率で化学的に安定性な硬質保護層
とすることにより、接着層を設ける際に生ずる、接着層
と接する機能層の屈折率低下を防止し、機能層の光学特
性の劣化させず接着層を形成できる。これにより特定の
波長領域の光線を反射或いは透過させるという性質を有
し、かつ見る角度を変化させることで機能層の膜厚が変
化し、波長領域がシフトし色が異なって見える、判別が
容易で装飾性の良い付加価値の高い偽造防止シールとな
る。
率のセラミックを交互に組み合わせ、更に接着層と接す
る高屈折率層を高屈折率で化学的に安定性な硬質保護層
とすることにより、接着層を設ける際に生ずる、接着層
と接する機能層の屈折率低下を防止し、機能層の光学特
性の劣化させず接着層を形成できる。これにより特定の
波長領域の光線を反射或いは透過させるという性質を有
し、かつ見る角度を変化させることで機能層の膜厚が変
化し、波長領域がシフトし色が異なって見える、判別が
容易で装飾性の良い付加価値の高い偽造防止シールとな
る。
【0035】更に、透明な硬質保護膜を基材上に被覆す
ることにより、耐摩耗性、対薬品性に優れ、かつ、判別
が容易で装飾性の良い、付加価値の高い偽造防止シール
となる。
ることにより、耐摩耗性、対薬品性に優れ、かつ、判別
が容易で装飾性の良い、付加価値の高い偽造防止シール
となる。
【0036】
【実施例】本発明を、実施例を挙げて詳細に説明する。
なお、フィルムの光学特性評価は、分光光度計により測
定した。シールの装飾性、判別性は、目視による評価を
行い、機能層の基材からの剥離試験はセロファンテープ
により行った。
なお、フィルムの光学特性評価は、分光光度計により測
定した。シールの装飾性、判別性は、目視による評価を
行い、機能層の基材からの剥離試験はセロファンテープ
により行った。
【0037】<実施例1>基材には厚さ25μmのポリ
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
して二酸化珪素を、高屈折率層として酸化ジルコニウム
を、高屈折率の硬質保護膜には透明な窒化ホウ素を使用
した。機能層の数は5層とした。合計の膜厚は1μmと
した。基材に機能層を形成したあと、接着層を設けシー
ルとした。結果を表1に示す。フィルムに垂直入射した
可視光の吸収の中心波長は550nmであった。可視光
を45度の角度より入射した場合に、中心波長は低波長
側にシフトした。このフィルムを目視した場合、垂直方
向から見ると青紫色の透過光が確認でき、斜め45度の
角度から見ると赤紫色の透過光が確認でき、易判別性、
装飾性に優れていた。基材への機能層の密着性は良好で
あった。
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
して二酸化珪素を、高屈折率層として酸化ジルコニウム
を、高屈折率の硬質保護膜には透明な窒化ホウ素を使用
した。機能層の数は5層とした。合計の膜厚は1μmと
した。基材に機能層を形成したあと、接着層を設けシー
ルとした。結果を表1に示す。フィルムに垂直入射した
可視光の吸収の中心波長は550nmであった。可視光
を45度の角度より入射した場合に、中心波長は低波長
側にシフトした。このフィルムを目視した場合、垂直方
向から見ると青紫色の透過光が確認でき、斜め45度の
角度から見ると赤紫色の透過光が確認でき、易判別性、
装飾性に優れていた。基材への機能層の密着性は良好で
あった。
【0038】<実施例2>基材には厚さ25μmのポリ
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
してフッ化マグネシウムを、高屈折率層として硫化亜鉛
を、高屈折率の硬質保護膜には黒色不透明なダイヤモン
ドライクカーボンを使用した。機能層の数は5層とし
た。合計の膜厚は1.5μmとした。基材に機能層を形
成したあと、接着層を設けシールとした。結果を表1に
示す。フィルムに垂直入射した可視光は、黒色不透明な
ダイヤモンドライクカーボンにより透過しない。このフ
ィルムを目視した場合、垂直方向から見ると黄金色の反
射光が確認でき、斜め45度の角度から見ると青緑色の
反射光が確認でき、易判別性、装飾性に優れていた。基
材への機能層の密着性は良好であった。
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
してフッ化マグネシウムを、高屈折率層として硫化亜鉛
を、高屈折率の硬質保護膜には黒色不透明なダイヤモン
ドライクカーボンを使用した。機能層の数は5層とし
た。合計の膜厚は1.5μmとした。基材に機能層を形
成したあと、接着層を設けシールとした。結果を表1に
示す。フィルムに垂直入射した可視光は、黒色不透明な
ダイヤモンドライクカーボンにより透過しない。このフ
ィルムを目視した場合、垂直方向から見ると黄金色の反
射光が確認でき、斜め45度の角度から見ると青緑色の
反射光が確認でき、易判別性、装飾性に優れていた。基
材への機能層の密着性は良好であった。
【0039】<実施例3>基材には厚さ25μmのポリ
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
して二酸化珪素を、高屈折率層として酸化ジルコニウム
を、高屈折率の硬質保護膜には、実施例2より薄くした
透明なダイヤモンドライクカーボンを使用した。機能層
の数は5層とした。合計の膜厚は1μmとした。基材に
機能層を形成したあと、接着層を設けシールとした。結
果を表1に示す。フィルムに垂直入射した可視光の吸収
の中心波長は550nmであった。可視光を45度の角
度より入射した場合に、中心波長は低波長側にシフトし
た。このフィルムを目視した場合、垂直方向から見ると
青紫色の透過光(実施例2の黄金色の補色)が確認で
き、斜め45度の角度から見ると赤紫色の透過光が確認
でき、易判別性、装飾性に優れていた。基材への機能層
の密着性は良好であった。
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
して二酸化珪素を、高屈折率層として酸化ジルコニウム
を、高屈折率の硬質保護膜には、実施例2より薄くした
透明なダイヤモンドライクカーボンを使用した。機能層
の数は5層とした。合計の膜厚は1μmとした。基材に
機能層を形成したあと、接着層を設けシールとした。結
果を表1に示す。フィルムに垂直入射した可視光の吸収
の中心波長は550nmであった。可視光を45度の角
度より入射した場合に、中心波長は低波長側にシフトし
た。このフィルムを目視した場合、垂直方向から見ると
青紫色の透過光(実施例2の黄金色の補色)が確認で
き、斜め45度の角度から見ると赤紫色の透過光が確認
でき、易判別性、装飾性に優れていた。基材への機能層
の密着性は良好であった。
【0040】<実施例4>基材には厚さ25μmのポリ
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
して二酸化珪素を、高屈折率層として二酸化チタンを使
用し、硬質保護膜には、透明なダイヤモンドライクカー
ボンを使用した。機能層の数は5層とした。合計の膜厚
は1μmとした。基材に機能層を形成したあと、接着層
を設けシールとした。結果を表1に示す。フィルムに垂
直入射した可視光の吸収の中心波長は550nmであっ
た。可視光を45度の角度より入射した場合に、中心波
長は低波長側にシフトした。このフィルムを目視した場
合、垂直方向から見ると青紫色の透過光が確認でき、斜
め45度の角度から見ると赤紫色の透過光が確認でき、
易判別性、装飾性に優れていた。基材への機能層の密着
性は良好であった。
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
して二酸化珪素を、高屈折率層として二酸化チタンを使
用し、硬質保護膜には、透明なダイヤモンドライクカー
ボンを使用した。機能層の数は5層とした。合計の膜厚
は1μmとした。基材に機能層を形成したあと、接着層
を設けシールとした。結果を表1に示す。フィルムに垂
直入射した可視光の吸収の中心波長は550nmであっ
た。可視光を45度の角度より入射した場合に、中心波
長は低波長側にシフトした。このフィルムを目視した場
合、垂直方向から見ると青紫色の透過光が確認でき、斜
め45度の角度から見ると赤紫色の透過光が確認でき、
易判別性、装飾性に優れていた。基材への機能層の密着
性は良好であった。
【0041】<実施例5>基材には厚さ25μmのポリ
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
してフッ化セリウムを、高屈折率層として二酸化セリウ
ムを、硬質保護膜には、透明な炭化珪素を使用した。層
の数は5層とした。合計の膜厚は1μmとした。基材に
機能層を形成したあと、接着層を設けシールとした。結
果を表1に示す。フィルムに垂直入射した可視光の吸収
の中心波長は550nmであった。可視光を45度の角
度より入射した場合に、中心波長は低波長側にシフトし
た。このフィルムを目視した場合、垂直方向から見ると
青紫色の透過光が確認でき、斜め45度の角度から見る
と赤紫色の透過光が確認でき、易判別性、装飾性に優れ
ていた。基材への機能層の密着性は良好であった。
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
してフッ化セリウムを、高屈折率層として二酸化セリウ
ムを、硬質保護膜には、透明な炭化珪素を使用した。層
の数は5層とした。合計の膜厚は1μmとした。基材に
機能層を形成したあと、接着層を設けシールとした。結
果を表1に示す。フィルムに垂直入射した可視光の吸収
の中心波長は550nmであった。可視光を45度の角
度より入射した場合に、中心波長は低波長側にシフトし
た。このフィルムを目視した場合、垂直方向から見ると
青紫色の透過光が確認でき、斜め45度の角度から見る
と赤紫色の透過光が確認でき、易判別性、装飾性に優れ
ていた。基材への機能層の密着性は良好であった。
【0042】<実施例6>基材には厚さ25μmのポリ
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
して二酸化珪素を、高屈折率層として酸化ジルコニウム
を、薄膜層には透明な窒化ホウ素を使用した。機能層の
数は5層とし、合計の膜厚は1μmとした。更に透明な
硬質保護膜として窒化ホウ素を用いた。
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
して二酸化珪素を、高屈折率層として酸化ジルコニウム
を、薄膜層には透明な窒化ホウ素を使用した。機能層の
数は5層とし、合計の膜厚は1μmとした。更に透明な
硬質保護膜として窒化ホウ素を用いた。
【0043】基材に機能層として酸化ジルコニウムと二
酸化珪素を交互に2層ずつ合計4層形成した後、二酸化
珪素の上、つまり機能層の最上層とこの反対の基材面上
に、それぞれ透明な窒化ホウ素を所定の膜厚で形成し、
更に接着層を設けシールとした。
酸化珪素を交互に2層ずつ合計4層形成した後、二酸化
珪素の上、つまり機能層の最上層とこの反対の基材面上
に、それぞれ透明な窒化ホウ素を所定の膜厚で形成し、
更に接着層を設けシールとした。
【0044】結果を表1に示す。フィルムに垂直入射し
た可視光の吸収の中心波長は550nmであった。可視
光を45度の角度より入射した場合に、中心波長は低波
長側にシフトした。このフィルムを目視した場合、垂直
方向から見ると青紫色の透過光が確認でき、斜め45度
の角度から見ると赤紫色の透過光が確認でき、易判別
性、装飾性に優れていた。基材への機能層の密着性は良
好であった。
た可視光の吸収の中心波長は550nmであった。可視
光を45度の角度より入射した場合に、中心波長は低波
長側にシフトした。このフィルムを目視した場合、垂直
方向から見ると青紫色の透過光が確認でき、斜め45度
の角度から見ると赤紫色の透過光が確認でき、易判別
性、装飾性に優れていた。基材への機能層の密着性は良
好であった。
【0045】次に、このシールをポリ塩化ビニル板の上
に貼り、スチールウール(「ボンスターNo.00」日
本スチールウール(株)製)で擦ったが、引っかき傷は
無く、耐摩擦性に優れていた。
に貼り、スチールウール(「ボンスターNo.00」日
本スチールウール(株)製)で擦ったが、引っかき傷は
無く、耐摩擦性に優れていた。
【0046】<実施例7>基材には厚さ25μmのポリ
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
して二酸化珪素を、高屈折率層として二酸化チタンを使
用し、薄膜層には、透明なダイヤモンドライクカーボン
を使用した。機能層の数は5層とし、合計の膜厚は1μ
mとした。更に透明な硬質保護膜としてダイヤモンドラ
イクカーボンを用いた。
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
して二酸化珪素を、高屈折率層として二酸化チタンを使
用し、薄膜層には、透明なダイヤモンドライクカーボン
を使用した。機能層の数は5層とし、合計の膜厚は1μ
mとした。更に透明な硬質保護膜としてダイヤモンドラ
イクカーボンを用いた。
【0047】基材に機能層として二酸化チタンと二酸化
珪素を交互に2層ずつ合計4層形成した後、二酸化珪素
の上、つまり機能層の最上層とこの反対の基材面上に、
それぞれ透明なダイヤモンドライクカーボンを所定の膜
厚で形成し、更に接着層を設けシールとした。
珪素を交互に2層ずつ合計4層形成した後、二酸化珪素
の上、つまり機能層の最上層とこの反対の基材面上に、
それぞれ透明なダイヤモンドライクカーボンを所定の膜
厚で形成し、更に接着層を設けシールとした。
【0048】結果を表1に示す。フィルムに垂直入射し
た可視光の吸収の中心波長は550nmであった。可視
光を45度の角度より入射した場合に、中心波長は低波
長側にシフトした。このフィルムを目視した場合、垂直
方向から見ると青紫色の透過光が確認でき、斜め45度
の角度から見ると赤紫色の透過光が確認でき、易判別
性、装飾性に優れていた。基材への機能層の密着性は良
好であった。
た可視光の吸収の中心波長は550nmであった。可視
光を45度の角度より入射した場合に、中心波長は低波
長側にシフトした。このフィルムを目視した場合、垂直
方向から見ると青紫色の透過光が確認でき、斜め45度
の角度から見ると赤紫色の透過光が確認でき、易判別
性、装飾性に優れていた。基材への機能層の密着性は良
好であった。
【0049】次に、このシールをポリ塩化ビニル板の上
に貼り、スチールウール(「ボンスターNo.00」日
本スチールウール(株)製)で擦ったが、引っかき傷は
無く、耐摩擦性に優れていた。
に貼り、スチールウール(「ボンスターNo.00」日
本スチールウール(株)製)で擦ったが、引っかき傷は
無く、耐摩擦性に優れていた。
【0050】<比較例1>基材には厚さ25μmのポリ
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
して二酸化珪素を、高屈折率層として二酸化チタンのみ
を使用した。層の数は5層とした。合計の膜厚は1μm
以下とした。基材に機能層を形成したあと、接着層を設
けシールとした。結果を表1に示す。フィルムに垂直入
射した可視光の吸収の中心波長は550nmであった。
可視光を45度の角度より入射した場合に、中心波長は
低波長側にシフトした。このフィルムを目視した場合、
垂直方向から見ると薄い青紫色の透過光が確認でき、斜
め45度の角度から見ると薄い赤紫色の透過光が確認で
きたが、色彩が薄く色の変化も鮮明でなく、易判別性、
装飾性は劣っていた。基材への機能層の密着性は良好で
あった。
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
して二酸化珪素を、高屈折率層として二酸化チタンのみ
を使用した。層の数は5層とした。合計の膜厚は1μm
以下とした。基材に機能層を形成したあと、接着層を設
けシールとした。結果を表1に示す。フィルムに垂直入
射した可視光の吸収の中心波長は550nmであった。
可視光を45度の角度より入射した場合に、中心波長は
低波長側にシフトした。このフィルムを目視した場合、
垂直方向から見ると薄い青紫色の透過光が確認でき、斜
め45度の角度から見ると薄い赤紫色の透過光が確認で
きたが、色彩が薄く色の変化も鮮明でなく、易判別性、
装飾性は劣っていた。基材への機能層の密着性は良好で
あった。
【0051】<比較例2>基材には厚さ25μmのポリ
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
してフッ化マグネシウムを、高屈折率層として硫化亜鉛
のみを使用した。層の数は5層とした。合計の膜厚は1
μm以下とした。基材に機能層を形成したあと、接着層
を設けシールとした。結果を表1に示す。フィルムに垂
直入射した可視光の吸収の中心波長は550nmであっ
た。可視光を45度の角度より入射した場合に、中心波
長は低波長側にシフトした。このフィルムを目視した場
合、垂直方向から見ると薄い青紫色の透過光が確認で
き、斜め45度の角度から見ると薄い赤紫色の透過光が
確認でき、色の変化も鮮明であったが、機能層にクラッ
クが発生し、装飾性やシールの品質が著しく劣ってい
た。基材への機能層の密着性は不良であった。
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
してフッ化マグネシウムを、高屈折率層として硫化亜鉛
のみを使用した。層の数は5層とした。合計の膜厚は1
μm以下とした。基材に機能層を形成したあと、接着層
を設けシールとした。結果を表1に示す。フィルムに垂
直入射した可視光の吸収の中心波長は550nmであっ
た。可視光を45度の角度より入射した場合に、中心波
長は低波長側にシフトした。このフィルムを目視した場
合、垂直方向から見ると薄い青紫色の透過光が確認で
き、斜め45度の角度から見ると薄い赤紫色の透過光が
確認でき、色の変化も鮮明であったが、機能層にクラッ
クが発生し、装飾性やシールの品質が著しく劣ってい
た。基材への機能層の密着性は不良であった。
【0052】<比較例3>基材には厚さ25μmのポリ
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
して二酸化珪素を、高屈折率層として二酸化チタンのみ
を使用した。層の数は5層とした。合計の膜厚は1μm
以下とした。基材に機能層を形成したあと、接着層を設
けシールとした。結果を表1に示す。フィルムに垂直入
射した可視光の吸収の中心波長は550nmであった。
可視光を45度の角度より入射した場合に、中心波長は
低波長側にシフトした。このフィルムを目視した場合、
垂直方向から見ると薄い青紫色の透過光が確認でき、斜
め45度の角度から見ると薄い赤紫色の透過光が確認で
きたが、色彩が薄く色の変化も鮮明でなく、易判別性、
装飾性は劣っていた。基材への機能層の密着性は良好で
あった。
エステルフィルムを使用した。機能層には低屈折率層と
して二酸化珪素を、高屈折率層として二酸化チタンのみ
を使用した。層の数は5層とした。合計の膜厚は1μm
以下とした。基材に機能層を形成したあと、接着層を設
けシールとした。結果を表1に示す。フィルムに垂直入
射した可視光の吸収の中心波長は550nmであった。
可視光を45度の角度より入射した場合に、中心波長は
低波長側にシフトした。このフィルムを目視した場合、
垂直方向から見ると薄い青紫色の透過光が確認でき、斜
め45度の角度から見ると薄い赤紫色の透過光が確認で
きたが、色彩が薄く色の変化も鮮明でなく、易判別性、
装飾性は劣っていた。基材への機能層の密着性は良好で
あった。
【0053】次に、このシールをポリ塩化ビニル板の上
に貼り、スチールウール(「ボンスターNo.00」日
本スチールウール(株)製)で擦ったら、全面に引っか
き傷が生じ、耐摩耗性が著しく劣っていた。
に貼り、スチールウール(「ボンスターNo.00」日
本スチールウール(株)製)で擦ったら、全面に引っか
き傷が生じ、耐摩耗性が著しく劣っていた。
【0054】
【表1】
【0055】以上、代表的な構成の実施例により本発明
を説明したが、本発明はそれらの実施例に限定されるも
のではなく、請求の範囲に記載した技術的範囲内で自由
に改変し機能層を構成できる。
を説明したが、本発明はそれらの実施例に限定されるも
のではなく、請求の範囲に記載した技術的範囲内で自由
に改変し機能層を構成できる。
【0056】
【発明の効果】本発明に係わるシールは、屈折率の異な
るセラミックを特定の厚さで交互に積層し、更に、接着
層と接する機能層の最上層に、III 〜VI族の元素、或い
はこの酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物からなり、特
に化学的に安定、かつ硬質の高屈折率の薄膜層を形成す
ることにより、機能層の光学特性の劣化させず接着層を
形成できるようになる。これにより判別が容易であり、
装飾性に優れた高品質、高信頼性のシールが得られ、従
来の偽造防止シールに比べてより効果的なものである。
るセラミックを特定の厚さで交互に積層し、更に、接着
層と接する機能層の最上層に、III 〜VI族の元素、或い
はこの酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物からなり、特
に化学的に安定、かつ硬質の高屈折率の薄膜層を形成す
ることにより、機能層の光学特性の劣化させず接着層を
形成できるようになる。これにより判別が容易であり、
装飾性に優れた高品質、高信頼性のシールが得られ、従
来の偽造防止シールに比べてより効果的なものである。
【0057】更に、前記シールの基材上に、透明な硬質
保護膜を被覆することにより、耐摩耗性、対薬品性に優
れ、かつ判別が容易で装飾性の良い、付加価値の高い偽
造防止シールとなる。
保護膜を被覆することにより、耐摩耗性、対薬品性に優
れ、かつ判別が容易で装飾性の良い、付加価値の高い偽
造防止シールとなる。
【0058】
【図1】本発明の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の構成を示す断面図である。
1…基材フィルム 2…機能層 2−a…高屈折率層
2−b…低屈折率層 2−c…薄膜層 3…接着層4…硬質保護膜
2−b…低屈折率層 2−c…薄膜層 3…接着層4…硬質保護膜
Claims (13)
- 【請求項1】基材上に、機能層、接着層を設けてなり、
前記機能層が、屈折率の異なる複数のセラミック材料を
積層したセラミック層上に更にIII 〜VI族の元素或いは
この酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物からなる薄膜層
を積層してなるものであることを特徴とするシール。 - 【請求項2】前記セラミック層が、高屈折率層と低屈折
率層との組み合わせからなることを特徴とする請求項1
記載のシール。 - 【請求項3】前記セラミック層が、フッ化マグネシウ
ム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、
フッ化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシ
ウムのうち何れか一つと、硫化亜鉛との組み合わせから
なる積層体であることを特徴とする請求項1、2記載の
シール。 - 【請求項4】前記セラミック層が、フッ化マグネシウ
ム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、
フッ化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシ
ウムのうち何れか一つと、二酸化ジルコニウムとの組み
合わせからなる積層体であることを特徴とする請求項
1、2記載のシール。 - 【請求項5】前記セラミック層が、フッ化マグネシウ
ム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、
フッ化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシ
ウムのうち何れか一つと、二酸化チタンとの組み合わせ
からなる積層体であることを特徴とする請求項1、2記
載のシール。 - 【請求項6】前記セラミック層が、フッ化マグネシウ
ム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、
フッ化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシ
ウムのうち何れか一つと、二酸化セリウムとの組み合わ
せからなる積層体であることを特徴とする請求項1、2
記載のシール。 - 【請求項7】前記薄膜層が、高屈折率材料からなる薄膜
であることを特徴とする請求項1〜6記載のシール。 - 【請求項8】前記薄膜層が、透明の薄膜であることを特
徴とする請求項7記載のシール。 - 【請求項9】前記薄膜層が、ダイヤモンド、ダイヤモン
ドライクカーボン、炭化珪素、或いは窒化ホウ素からな
る薄膜であることを特徴とする請求項8記載のシール。 - 【請求項10】前記薄膜層が、不透明の薄膜であること
を特徴とする請求項7記載のシール。 - 【請求項11】前記薄膜層が、ダイヤモンドライクカー
ボン、炭化珪素、或いは炭化ホウ素からなる薄膜である
ことを特徴とする請求項10記載のシール。 - 【請求項12】機能層、接着層を設けた基材の反対側
に、透明かつ硬質の保護膜を設けたことを特徴とする請
求項1〜11記載のシール。 - 【請求項13】前記硬質保護膜が、ダイヤモンド、ダイ
ヤモンドライクカーボン、炭化珪素、アルミニウム酸化
物、珪素酸化物、窒化ホウ素のうちの何れか一つからな
る保護膜であることを特徴とする請求項12記載のシー
ル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6003612A JPH07210085A (ja) | 1994-01-18 | 1994-01-18 | シール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6003612A JPH07210085A (ja) | 1994-01-18 | 1994-01-18 | シール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07210085A true JPH07210085A (ja) | 1995-08-11 |
Family
ID=11562321
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6003612A Pending JPH07210085A (ja) | 1994-01-18 | 1994-01-18 | シール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07210085A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006084944A (ja) * | 2004-09-17 | 2006-03-30 | Sumitomo Electric Ind Ltd | ホログラムシートおよびその製造方法、ホログラムシール、ならびにホログラムカードおよびその製造方法 |
JP2009047606A (ja) * | 2007-08-21 | 2009-03-05 | Seiko Epson Corp | 時計用文字板および時計 |
JPWO2016181740A1 (ja) * | 2015-05-11 | 2018-03-01 | 旭硝子株式会社 | 車両用の断熱ガラスユニットおよびその製造方法 |
JP2018531388A (ja) * | 2015-11-30 | 2018-10-25 | ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド | 温度センサーを備えた外装要素 |
US10618838B2 (en) | 2015-05-11 | 2020-04-14 | AGC Inc. | Heat insulating glass unit for vehicle |
-
1994
- 1994-01-18 JP JP6003612A patent/JPH07210085A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006084944A (ja) * | 2004-09-17 | 2006-03-30 | Sumitomo Electric Ind Ltd | ホログラムシートおよびその製造方法、ホログラムシール、ならびにホログラムカードおよびその製造方法 |
JP2009047606A (ja) * | 2007-08-21 | 2009-03-05 | Seiko Epson Corp | 時計用文字板および時計 |
JPWO2016181740A1 (ja) * | 2015-05-11 | 2018-03-01 | 旭硝子株式会社 | 車両用の断熱ガラスユニットおよびその製造方法 |
US10576713B2 (en) | 2015-05-11 | 2020-03-03 | AGC Inc. | Heat insulating glass unit for vehicle and manufacturing method thereof |
US10618838B2 (en) | 2015-05-11 | 2020-04-14 | AGC Inc. | Heat insulating glass unit for vehicle |
JP2018531388A (ja) * | 2015-11-30 | 2018-10-25 | ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド | 温度センサーを備えた外装要素 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040316 |