JPH07209289A - 尿分析機能付トイレ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 化学反応試験部材から得られる糖分、タンパ
ク、ウロビリノーゲン、潜血等の成分検出分析に加え、
人体からの分泌物との免疫反応から人体の健康状態や生
理状態情報を得ることができる尿分析機能付トイレ装置
の提供を目的としたものである。 【構成】 免疫反応試験部材と化学反応試験部材と反応
メカニズムを異にする複数の試験部材と、試験部材の変
化に対応し入力される入力信号の時間的変化量と設定値
との比較により尿成分を判定する免疫反応試験部材用分
析判定器構成。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は試験部材を尿に浸すこと
で尿中の各種データを分析するようにした装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の尿分析用の試験部材としては、試
験基材に呈色反応をする試薬を含浸させた試験紙構成の
ものがある。これは試験紙を尿に浸し、その時の色変化
により尿成分を判定するのである。

【０００３】また、実公平５−１５０９８号公報の如く
尿中に試薬を滴下し、反応させる構成のものがある。こ
れは尿と試薬との反応による酸素量の変化に対応した信
号を出力する酸素電極を用いるものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成は、尿分析機能付トイレ装置を使用することで日
常生活に置いて尿成分の測定、分析ができ、健康管理に
役立つのであるが、尿から得られる情報量としては限界
があるという課題があった。

【０００５】本発明は上記課題を解決するもので、試験
部材を免疫反応試験部材と化学反応試験部材とで構成
し、化学反応試験部材から得られる糖分、タンパク、ウ
ロビリノーゲン、潜血等の成分検出分析に加え、免疫反
応試験部材と人体からの分泌物との免疫反応から妊娠状
態の検知等ができる尿分析機能付トイレ装置の提供を目
的としたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、試験部材を挿入する進退機構、試験部材に付
着した尿中に含まれる成分を分析する検知装置とよりな
る尿分析装置において、試験部材が免疫反応試験部材と
化学反応試験部材とで構成したものである。

【０００７】また、免疫反応試験部材は妊娠時に分泌さ
れる抗原体と反応する抗体を固定化した妊娠検知センサ
から構成し、化学反応試験部材は糖、蛋白、ウロビリノ
ーゲン、潜血を検出するマルチセンサとで構成したもの
である。

【０００８】さらに、免疫反応試験部材用分析判定器は
試験部材の変化に対応し入力される入力信号の時間的変
化量と設定値との比較により尿成分を判定する構成とし
たものである。

【０００９】

【作用】本発明は上記構成によって、使用者の放尿時
に、進退機構により試験部材を反応室に入れ、前記試験
部材に採尿手段により採取された尿をディピングや吹き
付け等で尿に触れさせる。尿含浸した試験部材は進退機
構で検知装置のセンサ位置まで後退させられる。検知装
置では、センサからの信号が免疫反応試験部材の時は妊
娠状態を検出し、化学反応試験部材の時は糖分、タンパ
ク、ウロビリ、潜血等の諸成分を検出分析する。

【００１０】

【実施例】以下本発明の実施例を図１から図４を参照し
て説明する。

【００１１】図１は本発明の尿分析機能付トイレ装置の
平面断面図、図２は便器装着時の正面図、図３、図４は
尿受け容器の断面図である。

【００１２】図１から図４において、１は便器で、便器
１の前部上面には便座２及び便蓋３が開閉自在に取り付
けられている。

【００１３】便座２、便蓋３に共締めされた支持台４に
は、採尿手段５が取り付けられている。採尿手段５は尿
吹付室６、尿誘引手段７と、一端が尿誘引手段７に、他
端が尿受け容器８と連通する尿導入路９を有した回動ア
ーム１０よりなる流路構成をしている。流路の途中には
採尿前後の洗浄をおこなうための洗浄バルブ１１が挿入
された洗浄水供給路１２が接続されている。尿吹付室６
には、排尿口が便器１に開口する排尿管１３が取り付け
られている。１４は回転アーム１０を回動させるための
レバーである。

【００１４】尿受け容器８の長軸側内壁はある角度で吸
込管１５と当接する傾斜面１６を有している。また、尿
受け容器８は容器側面の軸受穴１７と回転アーム１０と
は隙間１８を有し回転自在に装着されると共に、容器下
部に錘体１９が取り付けられている。この容器構成によ
り、容器は回転アーム１０がある程度回転しても水平に
保たれる。

【００１５】尿誘引手段７は気体供給源に接続された気
体供給管１９に連通された供給ノズル２０、供給ノズル
２０下流に位置し、尿導入路９に連通する誘引口２１、
流出口２２が尿吹付室６に開口する流出路２３とで構成
されている。

【００１６】尿吹付室６の横にはモータ２４、第１偏心
カム２５、第２偏心カム２６、一端がカム面を摺動し、
他端には試験部材を保持する第１ホルダー２７、第２ホ
ルダー２８を取り付けた可動シャフト２９とで構成され
た進退機構３０が配設されている。第１ホルダー２７に
は棒状の免疫反応試験部材３１が取り付けられている。
この免疫反応試験部材３１は妊娠時に分泌される抗原体
と反応する抗体を固定化したもので妊娠状態を検出す
る。第２ホルダーにはシート状の化学反応試験部材３２
が取り付けられている。この化学反応試験部材３２は尿
中の糖分、タンパク、ウロビリ、潜血等尿成分に対し呈
色反応をする試薬が含まれたものである。２５は尿成分
を分析するための検知装置３３である。また検知装置３
３は反射測光式の光電センサを用い色変化を検出して
る。

【００１７】上記構成において、尿中の妊娠時に分泌さ
れる免疫体や尿中の含有物である糖分、タンパク、ウロ
ビリ、潜血等を検出するには、使用者は、レバー１４を
操作し尿受け容器８を放尿位置にセットした後、放尿し
尿受け容器８に尿を溜める。放尿後、進退機構３０のモ
ータ２４を回転させる。回転によりまず第１偏心カム２
５の回動により第１ホルダー２７に取り付けた未使用の
免疫反応試験部材３１が尿誘引手段７の流出口２２位置
まで進出する。この状態の時、尿誘引手段７に気体を供
給する。気体は供給ノズル２０で高速噴流となり、誘引
口２１部の圧力は大気圧以下になる。この結果、尿は吸
込管１５から尿導入路９を通り誘引口２１へと誘引さ
れ、気体噴流中に混入し流出口２２から噴出する。この
尿混入気体の吹き付けにより免疫反応試験部材３１は尿
で浸された状態となる。

【００１８】更にモータ２４の回転が進むと、第２偏心
カム２６の回動により第２ホルダー２８に取り付けた未
使用の化学反応試験部材３２が尿誘引手段７の流出口２
２前まで進出する。この状態の時、同様尿誘引手段７に
気体を供給し、化学反応試験部材３２が尿で浸された状
態にする。

【００１９】尿を含浸した試験部材は尿との呈色反応を
行うと共に、回動する偏心カム面に沿って検知装置３３
の位置まで後退する。検知装置３３では、最初に免疫反
応試験部材３１に検知装置３３から光が当てられる。そ
の反射光により呈色度が計測分析され、妊娠に対し陽性
か陰性かが判定される。

【００２０】次に、化学反応試験部材３２が検知装置３
３の位置まで後退し、検知装置３３から光が当てられ
る。化学反応試験部材３２も成分含有量に応じた色変化
を呈し、検知装置３３から当てられた光の反射光により
呈色度が計測され、尿中の含有物である糖分、タンパ
ク、ウロビリ、潜血等の各成分の検出分析が行なわれ
る。

【００２１】データの分析終了後、洗浄バルブ１１を開
き洗浄水供給路１２から送られる清潔な水で採尿手段５
を洗浄する。この洗浄は尿採取前におこなうとより正確
な尿データが得られることになる。

【００２２】図５は検知装置３３の検出データ例を示
し、横軸に時間、縦軸に試験部材の反射光に応じた出力
電圧である。Ｌ１は免疫反応試験部材３１の、Ｌ２、Ｌ
３は化学反応試験部材３２の特性を示す。Ｖ１、Ｖ２、
Ｖ３は各特性の判定設定値でＴ１、Ｔ２、Ｔ３は判定時
間である。

【００２３】図に示されるように、一般に、免疫反応試
験部材３１の成分検出判定時間（図５、Ｔ１）は化学反
応試験部材３２の成分検出判定時間（図５、Ｔ２、Ｔ
３）に比べ長くなる。

【００２４】図６は本発明の検知装置３３の特性判定の
実施例を示す。Ｌ４、Ｌ５は免疫反応試験部材３１の時
間に対する出力電圧特性である。ＣＬは特性の判定設定
値である。

【００２５】特性の判定は時間に対する出力電圧の変化
量ΔＶ／ΔＴの値（特性の立ち上がり時の勾配）を設定
値ＣＬの変化量ΔＶ／ΔＴとの比較で行なわれる。実施
例の場合は、Ｌ４は免疫成分が多く陽性でＬ５は逆に少
なく陰性と判定される。この特性の取り込みは反応開始
と共に行なわれるため、化学反応試験部材３２の成分判
定時間とほぼ同じ時間で判定が出来る。

【００２６】このように本発明の実施例の尿分析機能付
トイレ装置によれば、試験部材を免疫反応試験部材と化
学反応試験部材と反応メカニズムを異にする試験部材が
用いられているため、従来尿について行われていた糖
分、タンパク、ウロビリノーゲン、潜血等の成分検出分
析に加え、妊娠等人体からの特殊な分泌物に基ずく人体
の健康状態や生理状態情報を得ることができる。

【００２７】また、一般に化学反応試験部材に比べ反応
速度が遅い免疫反応試験部材の特性評価を特性の時間に
対する出力電圧の変化量を用いているため判定時間を早
めることができると共に、データ取り込み初期の０点変
動誤差を吸収することができ分析判定の精度が向上する
という効果を有する。

【００２８】

【発明の効果】（１）試験部材を免疫反応試験部材と化
学反応試験部材と反応メカニズムを異にする試験部材が
用いられているため、従来尿について行われていた糖
分、タンパク、ウロビリノーゲン、潜血等の成分検出分
析に加え、妊娠等人体からの特殊な分泌物に基ずく人体
の健康状態や生理状態情報を得ることができる。

【００２９】（２）一般に化学反応試験部材に比べ反応
速度が遅い免疫反応試験部材の特性評価を特性の時間に
対する出力電圧の変化量を用いているため判定時間を早
めることができると共に、データ取り込み初期の０点変
動誤差を吸収することができ分析判定の精度が向上する
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における尿分析機能付トイレ
装置の平面断面図

【図２】同装置の正面図

【図３】同装置の尿受け容器の断面図

【図４】同装置の尿受け容器の断面図

【図５】同装置の検知装置の検出データの一例を示す特
性図

【図６】同装置の検知装置の免疫反応試験部材の検出デ
ータの特性図

【符号の説明】

５ 採尿手段 ６ 尿吹付室 ３０ 進退機構 ３１ 免疫反応試験部材 ３２ 化学反応試験部材 ３３ 検知装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲よし▼田 博明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】試験部材を挿入する進退機構、試験部材に
   付着した尿中に含まれる成分を分析する検知装置とより
   なる尿分析装置において、試験部材が免疫反応試験部材
   と化学反応試験部材とで構成された尿分析機能付トイレ
   装置。
2. 【請求項２】免疫反応試験部材は妊娠時に分泌される抗
   原体と反応する抗体を固定化した妊娠検知センサから構
   成し、化学反応試験部材は糖、蛋白、ウロビリノーゲ
   ン、潜血を検出するマルチセンサとで構成した請求項１
   記載の尿分析機能付トイレ装置。
3. 【請求項３】免疫反応試験部材用分析判定器は試験部材
   の変化に対応し入力される入力信号の時間的変化量と設
   定値との比較により尿成分を判定する構成とした請求項
   １記載の尿分析機能付トイレ装置。