JPH07208953A - 位相振幅測定装置 - Google Patents

位相振幅測定装置

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JPH07208953A
JPH07208953A JP651294A JP651294A JPH07208953A JP H07208953 A JPH07208953 A JP H07208953A JP 651294 A JP651294 A JP 651294A JP 651294 A JP651294 A JP 651294A JP H07208953 A JPH07208953 A JP H07208953A
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民樹 竹森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光の検出単位である撮像素子の物理的な大き
さよりも空間分解能を向上するとともに、精度の良い測
定が可能な位相振幅測定装置を提供する。 【構成】 被測定光を撮像手段300に照射されるとと
もに、処理演算手段500が参照光生成手段400に参
照光の位相条件を指示し、この指示に従って参照光生成
手段400で生成された参照光が撮像素子に照射され
る。夫々の位相条件ごとに、撮像手段300は被測定光
と参照光との干渉によって発生する干渉縞を撮像し、各
撮像素子の撮像データを処理演算手段500に通知す
る。処理演算手段500は、干渉縞のデータを使用し、
各撮像素子ごとの光強度検出値相互の連立関係に基づい
て、撮像素子の配列方向について撮像素子の大きさより
も小さな空間分解能で、被測定光の位相および振幅の分
布を演算して求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物体の形状などを反映
した位相振幅分布を有する光が担った情報を測定する位
相振幅測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光の干渉を利用して、被測定物の表面形
状など測定する装置が知られている。こうした装置は、
被測定物に光を照射した結果得られる被測定物の表面形
状などを位相に反映した被測定光と、参照光とを干渉さ
せ、その結果発生する干渉縞を観測することにより、被
測定光の位相分布を求め、被測定物の表面形状など測定
する。こうした干渉縞から被測定光の位相分布を求める
方法として、干渉縞解析法と縞走査法が使用されてい
る。
【0003】干渉縞解析法は、例えば、「Mitsuo Taked
a et.al.“Fourier-transformmethod of fringe-patter
n analysis for computer-based topography andinterf
erometry”, J.Opt.Soc.Am.1, pp156-160(1982) 」など
に開示されている。この干渉縞解析法では、まず、干渉
縞画像をフーリエ変換する。次に、干渉縞画像のフーリ
エ変換結果から必要とする成分を取り出して、原点に移
動後、逆フーリエ変換を施す。次いで、逆フーリエ変換
結果を複素対数変換を行い、その虚部から被測定の位相
分布を求める。
【0004】縞走査法は、例えば、「J.H.Bruning et.a
l.“Digital Wavefront MeasuringInterferometer for
Testing Optical Surface and Lenses ”, Appl. Opt.1
1,pp2693-2703(1974) 」などに開示されている。この縞
走査法では、まず、参照光の位相(φ)を1波長に対し
て少なくとも3以上変化させて、干渉縞を計測する。次
に、夫々の位相で検出した各撮像素子(座標(x,y)
に位置する)の計測光強度(I(x,y,φi ))に、
計測時の位相変化分(φi )の正弦(sin)および余
弦(cos)を重みとして乗じ、以下のように各撮像素
子ごとに夫々の重みに関して和C(x,y)、S(x,
y)を計算する。
【0005】
【数1】
【0006】
【数2】
【0007】次いで、S(x,y)/C(x,y)を求
め、逆正接を計算することで、撮像素子(x,y)の面
積内の平均的な被測定光の位相を求める。また、参照光
の光強度が既知であれば、被測定光の振幅も求めること
ができる。
【0008】また、被測定光と撮像素子との相対的な位
置関係を微小変位させながら、各変位位置において干渉
縞を観測し、この観測結果に補間を施すことにより撮像
素子の大きさで決まる空間分解能を向上して受光強度を
求めた後、縞走査法により被測定光の位相を求める方法
および装置が、「特開平1−156606」に開示され
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の干渉縞解析法あ
るいは縞走査法を使用した装置は、被測定光の位相を1
撮像素子の大きさの空間分解能で測定するものであり、
撮像素子の大きさより小さな領域での位相の分布を測定
することができなかった。空間分解能を向上する方法と
して、撮像素子の大きさを小さくすることが考えられる
が、撮像素子の製造上の限界があり、飛躍的な分解能の
向上は望めない。
【0010】また、物体と撮像素子との相対的な位置関
係を微小変位させながら、各変位位置において干渉縞を
観測し、この観測結果に補間を施すことにより撮像素子
の大きさで決まる空間分解能を向上する方法では、撮像
素子の端部への入射光に関しても検出することが必須で
ある。一般的に、撮像素子の端部での光検出は精度の維
持が困難であるので、この方法での測定精度の向上は必
ずしも保証されない。
【0011】本発明は、上記を鑑みてなされたものであ
り、光の検出単位である撮像素子の物理的な大きさより
も空間分解能を向上するとともに、精度の良い測定が可
能な位相振幅測定装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の位相振幅測定装
置は、位相または振幅の空間分布に情報が反映された被
測定光と、被測定光と可干渉な参照光との干渉によって
発生する干渉縞を観測して被測定光の位相および振幅を
測定する位相振幅測定装置であって、(a)被測定光と
参照光との干渉によって発生する干渉縞を撮像する、複
数の撮像素子が周期的に配列された撮像手段と、(b)
被測定光を発生する被測定光発生手段と、(d)外部か
らの指示により、撮像手段において撮像素子の配列周期
で位相周期の第1の整数倍の位相が線形に変化し、か
つ、被測定光の位相分布に対する撮像素子への到達時点
の相対位相を、初期相対位相から位相周期の3以上の第
2の整数分の1を単位として、該単位の第3の整数倍だ
け変化した参照光を生成する参照光生成手段と、(e)
参照光生成手段に第1の整数と第2の整数とを通知する
とともに、夫々の第1の整数と第2の整数との組み合わ
せごとに撮像手段が撮像した干渉縞データを収集し、収
集した干渉縞データに基づいて被測定光の位相および振
幅を測定する処理演算部と、を備えることを特徴とす
る。
【0013】ここで、参照光生成手段は、入力した可干
渉光の撮像手段までの光路長を入力した可干渉光の波長
の第2の整数分の1を単位として変更することにより、
被測定光の位相分布に対する撮像素子への到達時点の位
相を位相周期の第2の整数分の1ごとに変化させる、こ
とを特徴としてもよい。
【0014】また、前記参照光生成手段が、参照光の光
路中に配置され、外部からの指示により屈折率が変化す
る屈折率可変器を備える、ことを特徴としてもよい。
【0015】また、被測定光発生手段は、平行可干渉
光を出力する光源手段と、光源手段から出力された光
を2つに分岐する光分岐手段と、光分岐手段から出力
された第1の光を被測定体に照射する照射手段と、を備
え、参照光生成手段は、光分岐手段から出力された第2
の光を入力して第2の光から参照光を生成する、ことを
特徴としてもよい。
【0016】また、撮像手段の撮像素子の配列は1次元
状配列または2次元状配列とすることができる。
【0017】また、撮像手段の夫々の撮像素子の大きさ
は略同一であり、撮像素子の配列周期は配列方向におけ
る撮像素子の大きさと略一致する、ことが好適である。
【0018】また、撮像手段の夫々の撮像素子は、撮像
素子の配列方向の周期を第2の数の最大値分の1の領域
ごとに分割した場合の夫々の領域の中央点付近以外の領
域は遮光マスクが形成されている、ことを特徴としても
よい。
【0019】
【作用】本発明の位相振幅測定装置では、まず、被測定
光を撮像手段に照射されるとともに、処理演算手段が参
照光生成手段に参照光の初期位相条件を指示し、この指
示に従って参照光生成手段で生成された参照光が撮像素
子に照射される。この参照光の初期位相条件は、撮像手
段において撮像素子の配列周期で変化する位相周期の整
数倍を指示する第1の整数値(m=0〜M−1)と、被
測定光の位相分布に対して撮像素子への到達時点の位相
を位相周期の第2の整数(D;D≧3)分の1ごとの変
化における変化量を示す第3の整数値(d=0〜D−
1)とである。例えば、初期の第1の整数値として「m
=0」が、初期の第3の整数値として「d=0」が選択
される。この状態で撮像手段は、被測定光と参照光との
干渉によって発生する干渉縞を撮像し、各撮像素子の撮
像データを処理演算手段に通知する。処理演算手段は、
この各撮像データを、(m,d)の組の値とともに格納
する。
【0020】次に、被測定光はそのままにしつつ、処理
演算手段が参照光生成手段に第1の整数値あるいは第3
の整数値の変更を順次指示する。参照光生成手段は指示
値(m,d)に応じた参照光を生成し、この参照光が被
測定光とともに撮像手段に照射される。夫々の指示値
(m,d)の状態で、撮像手段は、被測定光と参照光と
の干渉によって発生する干渉縞を撮像し、各撮像素子の
撮像データを処理演算手段に通知する。処理演算手段
は、この各撮像データを、夫々の(m,d)の組の値と
ともに格納する。
【0021】処理演算手段は、格納した干渉縞のデータ
を使用し、各撮像素子ごとの光強度検出値相互の連立関
係に基づいて、撮像素子の配列方向について撮像素子を
M等分した場合の各領域における被測定光の位相および
振幅の分布を演算して求める。この結果、撮像素子の配
列方向について撮像素子の大きさの1/Mの空間分解能
で、被測定光の位相および振幅の分布を測定する。
【0022】なお、配列方向は1方向とは限らず、2方
向とすることも可能である。この場合、各方向について
夫々上記と同様の動作を行うことで、2次元的に空間分
解能を向上して、被測定光の位相および振幅の分布を測
定する。
【0023】
【実施例】本発明の実施例の説明に先立って、本発明で
利用する原理について概要(簡単のため、1次元の場合
について)を説明する。図1は、本発明で利用する原理
の説明図である。図示のように、光検出単位である受光
素子PDには、被測定光(被測定物体の形状などを反映
した位相振幅分布を有する物体光など)と参照光とが同
時に入力している。参照光には、被測定光と同一波長を
有し、可干渉な光を用いる。こうした、被測定光と参照
光との関係を実現するには、同一のレーザ光源から出力
されて2つに分岐された光の一方を用いて被測定光を生
成し、他方を用いて参照光を生成すればよい。
【0024】被測定光Q(x,t)は、一般に、 Q(x,t)=QAP(x)・exp(−jωt) =AQ (x)・exp(jPQ (x)) ・exp(−jωt) …(3) ここで、AQ (x):被測定光の位置xにおける振幅 PQ (x):被測定光の位置xにおける位相 と表せる。本発明の装置の測定対象は、このAQ (x)
およびPQ (x)である。一方、参照光R(x,t)
は、一般に、 R(x,t)=RAP(x)・exp(−jωt) =AR (x)・exp(jPR (x)) ・exp(−jωt) …(4) ここで、AR (x):参照光の位置xにおける振幅 PR (x):参照光の位置xにおける位相 と表せる。したがって、受光素子PDが被測定光Q
(x,t)と参照光R(x,t)とを受光して出力する
光検出信号IT は、次の通りとなる。
【0025】
【数3】
【0026】ここで、W:受光素子の大きさ (5)式から明らかなように、光検出信号IT を対象と
した場合、時間tに関する依存性を考慮しなくてもよい
ので、位置xの関数であるQAP(x)とRAP(x)とを
考えればよい。
【0027】以上は受光素子の光検出する受光領域を連
続的としたが、受光領域をM等分し、各領域(m:m=
0〜M−1)の中点付近での受光に関してのみ光検出す
る場合を考える。以後、L等分した受光領域の各中点の
x座標を単にm(m=0〜M−1)と記す。また、同時
に、参照光RAP(m)を、 RAP(m,L)=AR exp(j(((2πL)/M)m+α)) …(6) ここで、AR :参照光の振幅(一定値) L :同時刻における受光素子の両端での2πを単位と
した位相のずれ(自然数) α :位相調整量 と設定する。更に、位相調整量αの調整単位を2π/D
(D≧3)とする。この結果、受光素子上の参照光はm
とLとd(=0〜D−1)との関数であり、 RAP(m,L,d)=AR exp(j2π(L(m/M)+d/D)) …(7) となる。このとき、光検出信号IT はLとdとの関数で
あり、次の通りである。
【0028】
【数4】
【0029】位相調整量α、すなわちdを変化させてI
T (L,0)〜IT (L,D−1)のD個の測定値を得
て、これらの測定値から次の2つの量(IC ,IS )を
求める。
【0030】
【数5】
【0031】
【数6】
【0032】(9)および(10)式は、未知数がCQ
(m)およびSQ (m)(m=0〜M−1)の連立方程
式である。
【0033】さて、以上では、Lを固定値としてきた
が、Lは参照光の属性であり、任意に変化させることが
できる。そこで、Lを0〜M−1の整数に設定して、順
次、(9)および(10)式のIC (L)およびI
S (L)を求める。この結果、未知数が2M個(C
Q (m)およびSQ (m)(m=0〜M−1))であ
り、式が2M個(IC (L)がM個、IS (L)がM
個)の連立方程式が得られる。この連立関係を整理する
と次のようになる。
【0034】
【数7】
【0035】この(11)式の行列X(Xij)は正則で
ある。したがって、IC (L)およびIS (L)(L=
0〜M−1)を(7)および(8)式で測定値I
T (L,d)から求め、(11)式を未知数CQ (m)
およびSQ (m)(m=0〜M−1)について解けば、
Q (m)およびSQ (m)(m=0〜M−1)を算出
することができる。
【0036】算出したCQ (m)およびSQ (m)(m
=0〜M−1)を用いて、 SQ (m)/CQ (m) =BQ (m)sinPQ (m)/BQ (m)cosPQ (m) =tanPQ (m) …(12) より、被測定光の位相PQ (m)(m=0〜M−1)が
求まる。また、位相P(m)が求まると、 A(m)=CQ (m)/AR cosPQ (m) …(13) または、 AQ (m)=SQ (m)/AR sinPQ (m) …(14) より、被測定光の振幅AQ (m)(m=0〜M−1)が
求まる。
【0037】以上のようにして、受光素子の大きさで決
まる空間分解能のm倍の空間分解能で、被測定光の受光
素子の受光面における位相および振幅の分布を測定する
ことができる。
【0038】また、以上では説明の便宜上、撮像素子を
1次元として取り扱ったが、2次元の場合も同様にし
て、受光素子の大きさで決まる空間分解能のm×n倍の
空間分解能で、被測定光の受光素子の受光面における位
相および振幅の分布を測定することができる。
【0039】被測定光Q(x,y,t)は、一般に、 Q(x,y,t)=QAP(x,y)・exp(−jωt) =AQ (x,y)・exp(jPQ (x,y)) ・exp(−jωt) …(15) ここで、AQ (x,y):被測定光の位置(x,y)に
おける振幅 PQ (x,y):被測定光の位置(x,y)における位
相 と表せる。本発明の装置の測定対象は、このAQ (x,
y)およびPQ (x,y)である。一方、参照光R
(x,y,t)は、一般に、 R(x,y,t)=RAP(x,y)・exp(−jωt) =AR (x,y)・exp(jPR (x,y)) ・exp(−jωt) …(16) ここで、AR (x,y):参照光の位置(x,y)にお
ける振幅 PR (x,y):参照光の位置(x,y)における位相 と表せる。したがって、受光素子PDが被測定光Q
(x,y,t)と参照光R(x,y,t)とを受光して
出力する光検出信号IT は、次の通りとなる。
【0040】
【数8】
【0041】 ここで、W1 :x方向の受光素子の大きさ W2 :y方向の受光素子の大きさ (17)式から明らかなように、光検出信号IT を対象
とした場合、時間tに関する依存性を考慮しなくてもよ
いので、位置xの関数であるQAP(x,y)とR
AP(x,y)とを考えればよい。
【0042】以上は受光素子の光検出する受光領域を連
続的としたが、第1の配列方向について受光領域をM等
分するとともに、第2の配列方向について受光領域をN
等分し、各領域((m,n):m=0〜M−1,n=0
〜N−1)の中点付近での受光に関してのみ光検出する
場合を考える。以後、L等分した受光領域の各中点のx
座標を単に(m,n)と記すとともに、第1の配列方向
をm方向、第2の配列方向をn方向と呼ぶ。また、同時
に、参照光RAP(m,n)を、 RAP(m,n,L,K)= AR exp(j(2π(Lm/M+Kn/N)+α)) …(18・1) ここで、AR :参照光の振幅(一定値) L :同時刻における受光素子のm方向両端での2πを
単位とした位相のずれ(自然数) K :同時刻における受光素子のn方向両端での2πを
単位とした位相のずれ(自然数) α :位相調整量 と設定する。更に、位相調整量αの調整単位を2π/D
(D≧3)とする。この結果、受光素子上の参照光は
m,n,L,K,d(=0〜D−1)の関数であり、
RAP(m,n,L,K,d)= AR exp(j2π((Lm/M+Kn/N)+d/D))
…(18・2)となる。このとき、光検出信号IT
はL、K、およびdの関数であり、次の通りである。
【0043】
【数9】
【0044】位相調整量α、すなわちdを変化させてI
T (L,K,0)〜IT (L,K,D−1)のD個の測
定値を得て、これらの測定値から次の2つの量(IC
S)を求める。
【0045】
【数10】
【0046】
【数11】
【0047】(19)および(20)式は、未知数がC
Q (m,n)およびSQ (m,n)(m=0〜M−1,
n=0〜N−1)の連立方程式である。
【0048】さて、以上では、LおよびKを固定値とし
てきたが、LおよびKは参照光の属性であり、任意に変
化させることができる。そこで、Lを0〜M−1の整数
に、Kを0〜N−1の整数に設定して、順次、(19)
および(20)式のIC (L,K)およびIS (L,
K)を求める。この結果、未知数が2MN個(C
Q (m,n)およびSQ (m,n)(m=0〜M−1,
n=0〜N−1))であり、式が2MN個(IC (L,
K)がMN個、IS (L,K)がMN個)の連立方程式
が得られる。この連立関係を整理すると次のようにな
る。
【0049】
【数12】
【0050】この(21)式の行列Y(Yij)は正則で
あり。したがって、IC (L,K)およびIS (L,
K)(L=0〜M−1,K=0〜N−1)を(19)お
よび(20)式で測定値IT (L,d)から求め、(2
1)式を未知数CQ (m)およびSQ (m)(m=0〜
M−1)について解けば、CQ (m,n)およびS
Q (m,n)(m=0〜M−1,n=0〜N−1)を算
出することができる。
【0051】算出したCQ (m,n)およびSQ (m,
n)を用いて、 SQ (m,n)/CQ (m,n) =BQ (m,n)sinPQ (m,n) /BQ (m,n)cosPQ (m,n) =tanPQ (m,n) …(22) より、被測定光の位相PQ (m,n)(m=0〜M−
1,n=0〜N−1)が求まる。また、位相PQ (m,
n)が求まると、 AQ (m,n)=CQ (m,n)/AR cosPQ (m,n) …(23) または、 AQ (m,n)=SQ (m,n)/AR sinPQ (m,n) …(24) より、被測定光の振幅AQ (m,n)(m=0〜M−
1,n=0〜N−1)が求まる。
【0052】以上のようにして、受光素子の大きさで決
まる空間分解能のm倍の空間分解能で、被測定光の受光
素子の受光面における位相および振幅の分布を測定する
ことができる。
【0053】以下、添付図面を参照して、本発明の位相
振幅分布測定装置の実施例を説明する。なお、図面の説
明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複す
る説明は省略する。
【0054】(第1実施例)図2は、本発明の第1実施
例の位相振幅測定装置の構成図である。この装置は、1
次元構造を有する被測定体(シリンドリカルレンズ、光
ファイバ、光導波路の屈折率分布など)の複素ホログラ
ムを、光の検出単位である撮像素子の大きさによる空間
分解能の2倍の空間分解能で測定する。図4に示すよう
に、本実施例の装置は、(a)平行可干渉光を発生する
光源部100と、(b)光源装置100から出力された
平行可干渉光を2分岐するハーフミラー200と、
(c)ハーフミラー200で分岐された一方の光を被測
定体900に照射して発生した、被測定体900の1次
元構造を位相および振幅の1次元空間分布に反映する被
測定光と、ハーフミラー200で分岐された他方の光か
ら生成された参照光とを受光し、被測定光と参照光との
干渉により発生する干渉像を撮像する、位相および振幅
の1次元空間分布の方向に連続的に配列された同種の撮
像素子を備えた撮像器300と、(d)外部からの指示
に応じて、位相および振幅の1次元空間分布の方向につ
いて位相が変化しない参照光と、位相および振幅の1次
元空間分布方向について撮像素子の配列周期と同周期で
位相が変化する参照光とを選択して生成するとともに、
これらの参照光の撮像器300への到達時の位相を1/
3周期を単位として変化させる参照光生成部400と、
(e)参照光生成部400に使用する参照光の撮像器3
00への到達時の位相を半周期だけ変化させる指示を通
知するとともに、撮像器300が撮像した干渉縞像の各
撮像素子ごとの光強度データを収集し、この収集データ
間で成立する連立関係から、撮像素子の大きさの1/2
の空間分解能で被測定光の位相および振幅の分布を求め
る処理演算部500と、を備える。
【0055】ここで、光源部100は、He−Neレ
ーザを有し、0.6328μmの波長の光を発生するレ
ーザ光源110と、レーザ光源110から出力された
レーザ光を広がった略平行光にするコリメータ120
と、を備える。
【0056】また、撮像器300は2次元状に配列され
た複数の撮像素子を有するCCDカメラを使用し、撮像
素子の配列ピッチは11μmとした。
【0057】また、参照光生成部400は、ハーフミ
ラー200を透過した光に一部を入力して、撮像器30
0への到達時点で撮像素子の配列方向について撮像素子
の両端で位相差が「0」の参照光を生成する位相調整器
410と、ハーフミラー200を透過した光に一部を
入力して、撮像器300への到達時点で撮像素子の配列
方向について撮像素子の両端で位相差が「2π」の参照
光を生成する位相調整器420と、を備える。ここで、
位相調整器410は、(i)入力した光を反射する反射
鏡411と、(ii)処理演算部500の指示に従って、
反射鏡411の位置を調節するピエゾ素子412と、(i
ii) 処理演算部500の指示に従って、反射鏡411で
反射された光を遮るシャッタ413と、を備える。ま
た、位相調整器420は、(i)入力した光を反射する
反射鏡421と、(ii)処理演算部500の指示に従っ
て、反射鏡421の位置を調節するピエゾ素子422
と、(iii) 処理演算部500の指示に従って、反射鏡4
21で反射された光を遮るシャッタ423と、を備え
る。位相調整器410の反射鏡411で生成された参照
光は、撮像素子に対して垂直に入射し、撮像素子上では
全て等位相となる。また、位相調整器420の反射鏡4
21で生成された参照光は、撮像素子に対して垂直から
3.2924゜傾いて入射し、撮像素子の配列周期で位
相差が1波長に設定される。この入射角度を満足させる
ため、反射鏡411および反射鏡421から撮像器30
0の撮像面までの光路長を34.76cmとするととも
に、反射鏡411と反射鏡421とは2cmの間隔で配
置した。
【0058】また、処理演算部500は、撮像器30
0が撮像した干渉縞データを保持するフレームメモリ5
10と、参照光生成部400への生成参照光の指示を
発するとともに、フレームメモリ510から干渉縞デー
タを読み出し、格納し、演算して被測定光の位相および
振幅の分布を求めるデータ処理器520と、データ処
理器520から発せられた生成参照光の指示を参照光生
成手段400へ通知するインタフェース530と、デ
ータ処理器520から指定された像データを表示する表
示器540と、を備える。
【0059】本実施例の位相振幅分布測定装置は、次の
ようにして被測定光の位相および振幅の分布を測定す
る。
【0060】測定に先立ち、反射鏡411および反射鏡
421で反射され撮像器に照射される夫々の光が、各撮
像素子の特定の位置で同位相となるように、ピエゾ素子
412およびピエゾ素子422を調整する。この調整の
実施は次の様にして実施される。まず、最低1つの撮像
素子に対して、特定の位置に照射された光のみを通過さ
せるマスクを施す。この状態でシャッタ413およびシ
ャッタ423の双方を開け、ハーフミラー200を介
し、反射鏡411および反射鏡421で反射された夫々
の光を同時に該撮像素子に照射する。そして、双方の光
を干渉させ、該撮像素子の光検出出力が最大(または最
小)となるようにピエゾ素子412およびピエゾ素子4
22を調整し、位相合わせを行う。処理演算部500
は、こうして得たピエゾ素子412およびピエゾ素子4
22の調整値を初期位置として格納する。
【0061】以上の準備が終了した後、まず、データ処
理器520がインタフェース530を介して、シャッタ
413を開け、シャッタ423を閉じ、反射鏡411お
よび反射鏡421が初期位置となるようにピエゾ素子4
12およびピエゾ素子422に指示を通知する。これと
同時に、レーザ光源110からレーザ光を出力する。こ
のレーザ光はコリメータ120により広がった平行光と
なり、ハーフミラー200に入力して反射光と透過光と
に分岐される。反射した光は被測定体910に照射さ
れ、透過光は参照光生成部400に入力する。被測定体
910で反射された光はハーフミラー200に到達し、
このうちハーフミラー200を透過した光が被測定光と
して撮像器300に照射される。また、参照光生成部4
00に入力した光の内、反射鏡411で反射された光が
ハーフミラー200に到達し、このうちハーフミラー2
00で反射された光が参照光として撮像器300に照射
される。
【0062】撮像器300に到達する被測定光と参照光
とは干渉し、撮像器300の撮像素子上で干渉縞を形成
する。撮像器300はこの干渉縞を撮像し、各撮像素子
の光強度検出データを演算処理部500へ通知する。演
算処理部500では、各撮像素子の光強度検出データ
を、まず、フレームメモリ510に格納する。データ処
理器520は、フレームメモリ510から干渉縞データ
を読み出し、反射鏡411を選択し、反射鏡411は初
期位置であった、という参照光の生成情報のデータとと
もに、データ処理器520内に格納する。
【0063】次に、データ処理器520がインタフェー
ス530を介して参照光生成部400へ指示し、光源部
100から撮像器300までの参照光の光路長が反射鏡
411の初期位置の場合から(1/3)波長(すなわ
ち、位相が「2π/3」)だけ変化するように反射鏡4
11の位置を調整する。以後、上記と同様にして、撮像
器300が干渉縞を撮像し、データ処理器520が、反
射鏡411を選択したこと、および反射鏡411の位置
の初期位置からのずれという参照光の生成情報のデータ
とともに、干渉縞データをデータ処理器520内に格納
する。
【0064】引き続き、データ処理器520がインタフ
ェース530を介して参照光生成部400へ指示し、光
源部100から撮像器300までの参照光の光路長が反
射鏡411の初期位置の場合から(2/3)波長(すな
わち、位相が「4π/3」)だけ変化するように反射鏡
411の位置を調整する。以後、上記と同様にして、撮
像器300が干渉縞を撮像し、データ処理器520が、
反射鏡411を選択したこと、および反射鏡411の位
置の初期位置からのずれという参照光の生成情報のデー
タとともに、干渉縞データをデータ処理器520内に格
納する。
【0065】次いで、データ処理器520がインタフェ
ース530を介して、シャッタ413を閉じ、シャッタ
423を開け、反射鏡421が初期位置となるようにピ
エゾ素子422に指示を通知する。以後、上記と同様に
して、撮像器300が干渉縞を撮像し、データ処理器5
20が、反射鏡421を選択し、反射鏡421は初期位
置であった、という参照光の生成情報のデータととも
に、干渉縞データをデータ処理器520内に格納する。
【0066】次に、データ処理器520がインタフェー
ス530を介して参照光生成部400へ指示し、光源部
100から撮像器300までの参照光の光路長が反射鏡
411の初期位置の場合から(1/3)波長(すなわ
ち、位相が「2π/3」)だけ変化するように反射鏡4
21の位置を調整する。以後、上記と同様にして、撮像
器300が干渉縞を撮像し、データ処理器520が、反
射鏡421を選択したこと、および反射鏡421の位置
の初期位置からのずれという参照光の生成情報のデータ
とともに、干渉縞データをデータ処理器520内に格納
する。
【0067】引き続き、データ処理器520がインタフ
ェース530を介して参照光生成部400へ指示し、光
源部100から撮像器300までの参照光の光路長が反
射鏡411の初期位置の場合から(2/3)波長(すな
わち、位相が「4π/3」)だけ変化するように反射鏡
421の位置を調整する。以後、上記と同様にして、撮
像器300が干渉縞を撮像し、データ処理器520が、
反射鏡421を選択したこと、および反射鏡421の位
置の初期位置からのずれという参照光の生成情報のデー
タとともに、干渉縞データをデータ処理器520内に格
納する。
【0068】本実施例は、撮像素子の大きさの1/2の
空間分解能で測定する装置であり、上述の原理説明にお
ける(7)〜(14)式において、L=0〜1,M=
2,m=0〜1,D=3,d=0〜2となる。すなわ
ち、1つの撮像素子に着目して、その撮像素子を撮像素
子の配列方向に関して2等分した2つの領域の中央点の
座標を夫々、m=0およびm=1で表現する。そして、
これらの領域での受光は、夫々の領域の中央点での受光
と推定する。この推定は、夫々の領域における被測定光
の位相および振幅の変化がなだらかで略線形である場合
に成立する。
【0069】上記の動作でデータ処理器520に格納さ
れた1つの撮像素子における光強度検出値(IT (L,
d)=IT (L,d,m=0)+IT (L,d,m=
1))は、上記の6つの状態((L=0,d=0)、
(L=0,d=1)、(L=0,d=2)、(L=1,
d=0)、(L=1,d=1)、および(L=1,d=
2)の状態)に応じた6つの値(IT (0,0)、IT
(0,1)、IT (0,2)、IT (1,0)、I
T (1,1)、およびIT (1,2))である。
【0070】以後、上述の本発明の原理に従って、デー
タ処理器520が以下の演算を行う。まず、(9)式お
よび(10)式に従って、IC (L)およびIS (L)
(L=0〜1)を次のように演算する。
【0071】
【数13】
【0072】
【数14】
【0073】
【数15】
【0074】
【数16】
【0075】したがって、IC (L)およびIS (L)
(L=0〜1)とCQ (m)およびSQ (m)(m=0
〜1)との関係は、次の通りとなる。
【0076】
【数17】
【0077】(29)式で表される4元1次連立方程式
を解いて、CQ (0)、SQ (0)、CQ (1)、およ
びSQ (1)を求める。こうして求めたCQ (0)、S
Q (0)、CQ (1)、およびSQ (1)には(12)
式の関係があるので、 PQ (0)=tan-1(SQ (0)/CQ (0)) …(30) PQ (1)=tan-1(SQ (1)/CQ (1)) …(31) により、撮像素子の大きさの1/2の空間分解能で被測
定光の位相分布を求める。
【0078】更に、(13)式を使用して、 AQ (0)=CQ (0)/AR cosPQ (0) …(32) AQ (1)=CQ (1)/AR cosPQ (1) …(33) により、撮像素子の大きさの1/2の空間分解能で被測
定光の振幅分布を求める。
【0079】以後、データ処理器520は、上記と同様
の演算を全撮像素子について実施し、全撮像素子に関し
て、撮像素子の大きさの1/2の空間分解能で被測定光
の位相および振幅の分布を求める。
【0080】なお、上記の装置では、各撮像素子を2等
分した夫々の領域において、被測定光の位相および振幅
の変化がなだらかで略線形であることを仮定して、夫々
の領域の中央点での受光と推定したが、図3に示すよう
に各撮像領域の中央点付近のみで受光がなされるように
遮光マスクを形成すれば、推定の必要が無くなり精度良
く計測が可能となる。また、こうした遮光マスクを形成
すれば、各撮像素子の端部での受光がなくなるので、更
に精度良く計測が可能となる。
【0081】また、説明を簡単にするため、上記の装置
は、1次元構造の物体の複素ホログラムの場合に適用さ
れるものとした。しかし、上記の本発明の原理で説明し
たように、2次元構造の物体(平面鏡、ポリゴンミラ
ー、放物面鏡、半導体ウエハなど)の複素ホログラムの
場合に適用できる装置への拡張が可能である。この場合
は、撮像器として撮像素子の配列が2次元状のものを用
意し、参照光の生成を夫々の配列方向について上記の装
置と同様に行い、干渉縞を観測する。そして、上記の本
発明の原理の演算を2次元に拡張して実施することによ
り、被測定光の位相および振幅の2次元分布を空間分解
能を向上して測定する。
【0082】(第2実施例)図4は、本発明の第2実施
例の位相振幅測定装置の構成図である。この装置は、第
1実施例と同様に、1次元構造を有する被測定体の複素
ホログラムを、光の検出単位である撮像素子の大きさに
よる空間分解能の2倍の空間分解能で測定する。図4に
示すように、本実施例の装置は、参照光生成部を除いて
は第1実施例と同様の構成される。
【0083】本実施例の参照光生成部450は、ハー
フミラー200を透過した光に一部を入力して、撮像器
300への到達時点で撮像素子の配列方向について撮像
素子の両端で位相差が「0」の参照光を生成する位相調
整器460と、ハーフミラー200を透過した光に一
部を入力して、撮像器300への到達時点で撮像素子の
配列方向について撮像素子の両端で位相差が「2π」の
参照光を生成する位相調整器470と、を備える。ここ
で、位相調整器410は、(i)入力した光を反射する
反射鏡411と、(ii)処理演算部500の指示に従っ
て、屈折率が変化し経由する光の光路長を変化させる液
晶素子414と、(iii) 処理演算部500の指示に従っ
て、反射鏡411で反射された光を遮るシャッタ413
と、を備える。また、位相調整器470は、(i)入力
した光を反射する反射鏡421と、(ii)処理演算部5
00の指示に従って、屈折率が変化し経由する光の光路
長を変化させる液晶素子424と、(iii) 処理演算部5
00の指示に従って、反射鏡421で反射された光を遮
るシャッタ423と、を備える。
【0084】すなわち、第1実施例では反射鏡の位置を
機械的に変化させて参照光の光路長を調整したが、本実
施例では光路中の一部の媒質の屈折率を変化させて参照
光の光路長を調整する。
【0085】本実施例の位相振幅分布測定装置は、次の
ようにして被測定光の位相および振幅の分布を測定す
る。
【0086】測定に先立ち、反射鏡411および反射鏡
421で反射され撮像器に照射される夫々の光が、各撮
像素子の特定の位置で同位相となるように、液晶素子4
14および液晶素子424を調整する。この調整の実施
は次の様にして実施される。まず、最低1つの撮像素子
に対して、特定の位置に照射された光のみを通過させる
マスクを施す。この状態でシャッタ413およびシャッ
タ423の双方を開け、ハーフミラー200を介し、反
射鏡411および反射鏡421で反射された夫々の光を
同時に該撮像素子に照射する。そして、双方の光を干渉
させ、該撮像素子の光検出出力が最大(または最小)と
なるように液晶素子414および液晶素子424を調整
し、位相合わせを行う。処理演算部500は、こうして
得た液晶素子414および液晶素子424の調整値を初
期屈折率として格納する。
【0087】以上の準備が終了した後、まず、データ処
理器520がインタフェース530を介して、シャッタ
413を開け、シャッタ423を閉じ、初期屈折率とな
るように液晶素子414および液晶素子424に指示を
通知する。これと同時に、レーザ光源110からレーザ
光を出力する。このレーザ光はコリメータ120により
広がった平行光となり、ハーフミラー200に入力して
反射光と透過光とに分岐される。反射した光は被測定体
910に照射され、透過光は参照光生成部400に入力
する。被測定体910で反射された光はハーフミラー2
00に到達し、このうちハーフミラー200を透過した
光が被測定光として撮像器300に照射される。また、
参照光生成部400に入力した光の内、反射鏡411で
反射された光がハーフミラー200に到達し、このうち
ハーフミラー200で反射された光が参照光として撮像
器300に照射される。
【0088】撮像器300に到達する被測定光と参照光
とは干渉し、撮像器300の撮像素子上で干渉縞を形成
する。撮像器300はこの干渉縞を撮像し、各撮像素子
の光強度検出データを演算処理部500へ通知する。演
算処理部500では、各撮像素子の光強度検出データ
を、まず、フレームメモリ510に格納する。データ処
理器520は、フレームメモリ510から干渉縞データ
を読み出し、反射鏡411を選択したこと、および液晶
素子の屈折率という参照光の生成情報のデータととも
に、データ処理器520内に格納する。
【0089】次に、データ処理器520がインタフェー
ス530を介して参照光生成部400へ指示し、光源部
100から撮像器300までの参照光の光路長が(1/
3)波長(すなわち、位相が「2π/3」)だけ変化す
るように液晶素子414の屈折率を調整する。以後、上
記と同様にして、撮像器300が干渉縞を撮像し、デー
タ処理器520が、反射鏡411を選択したこと、およ
び液晶素子414の屈折率という参照光の生成情報のデ
ータとともに、干渉縞データをデータ処理器520内に
格納する。
【0090】引き続き、データ処理器520がインタフ
ェース530を介して参照光生成部400へ指示し、光
源部100から撮像器300までの参照光の光路長が
(2/3)波長(すなわち、位相が「4π/3」)だけ
変化するように液晶素子414の屈折率を調整する。以
後、上記と同様にして、撮像器300が干渉縞を撮像
し、データ処理器520が、反射鏡411を選択したこ
と、および液晶素子414の屈折率という参照光の生成
情報のデータとともに、干渉縞データをデータ処理器5
20内に格納する。
【0091】次いで、データ処理器520がインタフェ
ース530を介して、シャッタ413を閉じ、シャッタ
423を開け、初期屈折率となるように液晶素子424
に指示を通知する。以後、上記と同様にして、撮像器3
00が干渉縞を撮像し、データ処理器520が、反射鏡
421を選択し、液晶素子424は初期屈折率であっ
た、という参照光の生成情報のデータとともに、干渉縞
データをデータ処理器520内に格納する。
【0092】次に、データ処理器520がインタフェー
ス530を介して参照光生成部400へ指示し、光源部
100から撮像器300までの参照光の光路長が(1/
3)波長(すなわち、位相が「2π/3」)だけ変化す
るように液晶素子424の屈折率を調整する。以後、上
記と同様にして、撮像器300が干渉縞を撮像し、デー
タ処理器520が、反射鏡421を選択したこと、およ
び液晶素子424の屈折率という参照光の生成情報のデ
ータとともに、干渉縞データをデータ処理器520内に
格納する。
【0093】引き続き、データ処理器520がインタフ
ェース530を介して参照光生成部400へ指示し、光
源部100から撮像器300までの参照光の光路長が
(2/3)波長(すなわち、位相が「4π/3」)だけ
変化するように液晶素子424の屈折率を調整する。以
後、上記と同様にして、撮像器300が干渉縞を撮像
し、データ処理器520が、反射鏡421を選択したこ
と、および液晶素子424の屈折率という参照光の生成
情報のデータとともに、干渉縞データをデータ処理器5
20内に格納する。
【0094】以後、データ処理器520が、第1実施例
と同様の演算を実行して、全撮像素子に関して、撮像素
子の大きさの1/2の空間分解能で被測定光の位相およ
び振幅の分布を求める。
【0095】なお、本実施例でも第1実施例と同様に、
図3に示すように各撮像領域の中央点付近のみで受光が
なされるように遮光マスクを形成すれば、第1実施例と
同様の効果を奏する。
【0096】また、本実施例においても、第1実施例と
同様にして、2次元測定への拡張が可能である。
【0097】(第3実施例)図5は、本発明の第3実施
例の位相振幅測定装置の構成図である。この装置は、1
次元構造を有する被測定体の形状などを、光の検出単位
である撮像素子の大きさによる空間分解能の2倍の空間
分解能で測定する。図4に示すように、本実施例の装置
は、光源部100、撮像器300、参照光生成部40
0、および処理演算部500は第1実施例と同様の構成
される。第1実施例と異なる点は、被測定体900と撮
像器300とを結像関係とするためにレンズ240が配
置されたことに伴い、光路設定用の部品が付加されたこ
とである。
【0098】本実施例の位相振幅分布測定装置は、次の
ようにして被測定光の位相および振幅の分布を測定す
る。
【0099】測定に先立ち、第1実施例と同様に、反射
鏡411および反射鏡421で反射され撮像器に照射さ
れる夫々の光が、各撮像素子の特定の位置で同位相とな
るように、ピエゾ素子412およびピエゾ素子422を
調整する。そして、処理演算部500は、こうして得た
ピエゾ素子412およびピエゾ素子422の調整値を初
期位置として格納する。
【0100】以上の準備が終了した後、まず、データ処
理器520がインタフェース530を介して、シャッタ
413を開け、シャッタ423を閉じ、反射鏡411が
初期位置となるようにピエゾ素子412に指示を通知す
る。これと同時に、レーザ光源110からレーザ光を出
力する。このレーザ光はコリメータ120により広がっ
た平行光となり、ハーフミラー210に入力して反射光
と透過光とに分岐される。反射した光は被測定体910
に照射され、透過光は反射鏡230で反射された後、参
照光生成部400に入力する。被測定体910で反射さ
れた光はハーフミラー210に到達し、このうちハーフ
ミラー210を透過した光がレンズ240を経由した
後、ハーフミラー220を透過し、被測定光として撮像
器300に照射される。また、参照光生成部400に入
力した光の内、反射鏡411で反射された光がハーフミ
ラー200に到達し、このうちハーフミラー200で反
射された光が参照光として撮像器300に照射される。
【0101】以後、第1実施例と同様に動作して、全撮
像素子に関して、撮像素子の大きさの1/2の空間分解
能で被測定光の位相および振幅の分布を測定する。な
お、本実施例の装置でも、第1実施例に対する第2実施
例と同様の変形が可能である。また、本実施例において
も、第1実施例と同様にして、2次元測定への拡張が可
能である。
【0102】本発明は、上記の実施例に限定されるもの
ではなく変形が可能である。例えば、上記実施例では、
参照光の撮像器への到達時の位相を1/3周期を単位と
して変化させたが、位相を等分し且つ3以上の等分であ
れば、何等分としてもよい。等分数が多ければ、測定値
の精度が向上する(標準偏差が小さくなる)。但し、干
渉縞の撮像回数が増え、演算にも時間を要することにな
る。
【0103】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明の位
相振幅測定装置によれば、被測定光と参照光との干渉縞
を観測するにあったて、参照光の強度を一定とし且つ参
照光の被測定光に対する位相を変化させ、各位相関係ご
とに干渉縞を撮像して、演算処理するので、被測定体と
撮像器の位置関係を固定したままで空間分解能を向上し
て、被測定光の位相および振幅の分布を精度よく測定が
できる。この結果、従来困難であった、CCDカメラに
よる物体のホログラム撮像に留まらず、従来の干渉計測
における空間分解能の向上を、視野を狭くすることなく
達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理の説明図である。
【図2】本発明の第1実施例の位相振幅測定装置の構成
図である。
【図3】撮像素子の遮光マスクの形成例の説明図であ
る。
【図4】本発明の第2実施例の位相振幅測定装置の構成
図である。
【図5】本発明の第3実施例の位相振幅測定装置の構成
図である。
【符号の説明】
100…光源部、110…レーザ光源、120…コリメ
ータ、200,210,220…ハーフミラー、240
…レンズ、230…反射鏡、300…撮像器、310…
撮像素子、320…遮光マスク、400,450…参照
光生成部、410,420,460,470…位相調整
器、411,412…反射鏡、412,422…ピエゾ
素子、413,423…シャッタ、414,424…液
晶素子、500…処理演算部、510…フレームメモ
リ、520…データ処理器、530…インタフェース、
540…表示器。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相または振幅の空間分布に情報が反映
    された被測定光と、前記被測定光と可干渉な参照光との
    干渉によって発生する干渉縞を観測して被測定光の位相
    および振幅を測定する位相振幅測定装置であって、 前記被測定光と前記参照光との干渉によって発生する干
    渉縞を撮像する、複数の撮像素子が周期的に配列された
    撮像手段と、 前記被測定光を発生する被測定光発生手段と、 外部からの指示により、前記撮像手段において前記撮像
    素子の配列周期で位相周期の第1の整数倍の位相が線形
    に変化し、かつ、前記被測定光の位相分布に対する前記
    撮像素子への到達時点の相対位相を、初期相対位相から
    位相周期の3以上の第2の整数分の1を単位として、該
    単位の第3の整数倍だけ変化した参照光を生成する参照
    光生成手段と、 前記参照光生成手段に前記第1の整数と前記第3の整数
    との情報を通知するとともに、夫々の前記第1の整数と
    前記第3の整数との組み合わせごとに前記撮像手段が撮
    像した干渉縞データを収集し、収集した前記干渉縞デー
    タに基づいて被測定光の位相および振幅を測定する処理
    演算部と、 を備えることを特徴とする位相振幅測定装置。
  2. 【請求項2】 前記参照光生成手段は、入力した可干渉
    光の前記撮像手段までの光路長を前記入力した可干渉光
    の波長の前記第2の整数分の1を単位として変更するこ
    とにより、前記被測定光の位相分布に対する前記撮像素
    子への到達時点の位相を位相周期の第2の整数分の1ご
    とに変化させる、ことを特徴とする請求項1記載の位相
    振幅測定装置。
  3. 【請求項3】 前記参照光生成手段は、前記参照光の光
    路中に配置され、外部からの指示により屈折率が変化す
    る屈折率可変器を備える、ことを特徴とする請求項1記
    載の位相振幅測定装置。
  4. 【請求項4】 前記被測定光発生手段は、 平行可干渉光を出力する光源手段と、 前記光源手段から出力された光を2つに分岐する光分岐
    手段と、 前記光分岐手段から出力された第1の光を被測定体に照
    射する照射手段と、 を備え、前記参照光生成手段は、前記光分岐手段から出
    力された第2の光を入力して前記第2の光から参照光を
    生成する、ことを特徴とする請求項1記載の位相振幅測
    定装置。
  5. 【請求項5】 前記撮像手段の前記撮像素子の配列は1
    次元状配列または2次元状配列である、ことを特徴とす
    る請求項1記載の位相振幅測定装置。
  6. 【請求項6】 前記撮像手段の夫々の前記撮像素子の大
    きさは略同一であり、前記撮像素子の配列周期は配列方
    向における前記撮像素子の大きさと略一致する、ことを
    特徴とする請求項1記載の位相振幅測定装置。
  7. 【請求項7】 前記撮像手段の夫々の前記撮像素子は、
    前記撮像素子の配列方向の周期を前記第2の数の最大値
    分の1の領域ごとに分割した場合の夫々の前記領域の中
    央点付近以外の領域は遮光マスクが形成されている、こ
    とを特徴とする請求項1記載の位相振幅測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113406004A (zh) * 2016-08-15 2021-09-17 国立大学法人大阪大学 电磁波相位振幅生成装置、方法和非临时记录介质

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