JPH07208571A - 直線駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は直線駆動装置に関し、特に互いに平
行な駆動用のラックとリニアガイド部材とを備えたこと
により取付の手間を軽減することができる直線駆動装置
を提供することを目的とする。 【構成】 一対のリニアガイド部材５、６を単一のガイ
ドレールの両側面部に一体に設けたガイドレール２と、
該ガイドレール２の両側面部間に設けられた溝部７と、
該溝部７の一方の側壁面９に近接させて固定されたラッ
ク１と、一対のリニアガイド部材５、６に案内された移
動体１２と、ラック１に直接または間接的に係合するよ
う移動体１２に回転自在に支持され、該回転時に移動体
１２をラック１に沿って所定直線方向に移動させるピニ
オン１９と、ピニオン１９に外部からの回転を入力する
駆動モータ２０と、からなるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、直線駆動装置に関し、
特に互いに平行な駆動用のラックとリニアガイド部材と
を備えた直線駆動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、各種産業機械においては、機械本
体に対し移動部を直進運動させるためラック・ピニオン
機構やボールネジ等を用いた直線運動機構が設けられて
いる。この種の直線駆動装置においては、ラックやボー
ルねじに対し所定距離を隔てて平行に延在するレール又
はシャフト状のリニアガイド部材を設けているものが多
い。また、幅広のリニアガイドレールの両側部に一対の
ガイド部を設けてガイドレール本数を削減したものもあ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の直線駆動装置にあっては、次のような問題が
あった。 (1)直線駆動装置の位置決め精度および寿命を確保する
ために、ガイドおよびラックの取付位置の精度が高度に
要求され、取付面の加工等にコストがかかる。 (2)２本のガイドとラックとの平行を高精度に確保する
必要があり、取付に手間がかかる。 (3)外部荷重による装置の歪によりラックとピニオンの
噛み合いがくるい、精度が確保しにくい。また、歪を抑
えるために構造物の剛性を高くすると、装置が重く大き
くなってしまう。 (4)また、幅広のリニアガイドレールを用いて構成すれ
ば、２本のガイドレールを用いるより取付のわずらわし
さは軽減するが、ラックがガイドの外に位置するため装
置が大きくなり、大きなモーメント荷重がかかるため、
精度不良や作動不良を起こしやすい。さらに、ラックの
取付に関しての問題が残る。

【０００４】そこで、請求項１記載の発明は、ラックと
一対のリニアガイド部材を個別に平行配置したりこれら
の高さ調整をしたりする作業を不要にして、取付の手間
を軽減しつつ位置決め精度の高い直線駆動装置を提供す
ることを目的とする。また、請求項２記載の発明は、高
さ寸法を縮小した小型の直線駆動装置を提供することを
目的とし、請求項３記載の発明は、構成を簡単にしつつ
応答性にすぐれた直線駆動装置を提供することを目的と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項１記載の発明は、互いに平行に延在するラックおよ
び一対のリニアガイド部材と、一対のリニアガイド部材
に案内された移動体と、ラックに直接又は間接的に係合
するよう移動体に回転自在に支持され、該回転時に移動
体をラックに沿って所定直線方向に移動させる駆動部材
と、駆動部材に外部からの回転を入力する入力手段と、
を備えた直線駆動装置において、前記一対のリニアガイ
ド部材を単一のガイドレールの両側面部に一体に設ける
とともに、該ガイドレールの両側面部間に前記ラックを
収納する溝部を設け、前記ラックを該溝部の一方の側壁
面に近接させて該ガイドレールに固定したことを特徴と
するものであり、請求項２記載の発明は、前記ガイドレ
ールの溝部の一方の側壁面に前記ラックの背面を近接さ
せて前記ラックを固定し、前記駆動部材の一部又は全部
が前記溝部内を移動するようにしたことを特徴とするも
のであり、請求項３記載の発明は、前記駆動部材が前記
ラックに直接噛合するピニオンであることを特徴とする
ものである。

【０００６】

【作用】請求項１記載の発明では、ラックが溝部の一方
の側壁面に近接してガイドレールに固定されることか
ら、その溝側壁を利用してあるいは更に適当なスペーサ
等を介してラックとリニアガイド部材とを幅方向に突き
合わせるだけで両者の平行度が確保される。また、溝部
の深さによりラックとリニアガイド部材の高さの関係が
規定される。したがって、取付の手間が軽減される。

【０００７】請求項２記載の発明では、ガイドレールの
溝部の一方の側壁面にラックの背面が近接し、駆動部材
がラックと略同一高さで移動することになる。したがっ
て、その分だけ直線駆動装置の高さ寸法が縮小される。
請求項３記載の発明では、駆動部材が前記ラックに直接
噛合されるピニオンで構成される。したがって、装置の
構成を簡単にできるとともに応答性にすぐれたものにす
ることができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。図１および図２は本発明に係る直線駆動
装置の一実施例を示す図である。図１、図２において、
１はラック、２はラックを支持するガイドレールであ
り、ラック１およびガイドレール２は互いに平行に所定
直線方向に延在している。ガイドレール２は、リニアガ
イド溝３、４を有する左右一対のリニアガイド部材５、
６をその両側面部に一体に設けたもので、このガイドレ
ール２の両側面部（リニアガイド部材５、６）間には前
記ラック１を収納する溝部７が設けられている。また、
ラック１は複数のボルト８によりガイドレール２の溝部
７内に固定され、溝部７の一方の側壁面９に近接してい
る。なお、ガイドレール２は複数のボルト１０により架
台１１上に固定されている。

【０００９】１２は移動体であり、移動体１２はそれぞ
れ複数の２組のボール１３およびコロ１４を介してガイ
ドレール２に案内されている。複数のボール１３は移動
体１２に設けられた円弧溝１５、１６とリニアガイド部
材５、６のリニアガイド溝３、４と係合するとともに、
移動体１２の移動に伴いその内部に形成された循環路１
７、１８を通って循環するようになっており、移動体１
２をころがり運動によって案内する。複数のコロ１４は
移動体１２に設けられた凹部に回転自在に保持されてお
り、移動体１２をころがり運動によって案内する。

【００１０】一方、ガイドレール２の溝部７内にはピニ
オン１９（駆動部材）が収納されており、移動体１２の
上面側には駆動モータ回転軸２１を介してピニオン１９
に外部からの回転を入力する駆動モータ２０（入力手
段）がラック１とその軸線を直交するように取り付けら
れている。このピニオン１９は、ラック１に直接噛み合
うよう移動体１２に回転自在に支持されて、駆動モータ
２０からの回転入力により移動体１２をラック１に沿っ
て所定の直線方向に移動させるとともに、ガイドレール
２の溝部７内を移動するようになっている。また、駆動
モータ２０は例えばサーボモータ（あるいはこれに減速
機を付設したもの）からなり、図示しないコントローラ
によって駆動制御されるとき、移動体１２を目標位置に
移動させたり移動体１２の停止位置を保ったりすること
ができる。そして、前記コントローラからの制御信号に
より駆動モータ２０が制御され、駆動モータ２０がピニ
オン１９を回転させると、移動体１２がラック１に沿っ
て所定の直線方向に移動する。

【００１１】このように構成された本実施例の直線駆動
装置においては、ラック１を溝部７の一方の側壁面９に
近接してガイドレール２に固定するとき、溝部７の側壁
面９を利用して、図示しない所定厚さのスペーサを介し
てラック１とガイドレール２を幅方向に突き合わせ、両
者を溝部７の深さに対応する所定の高さ位置で平行にす
ることができる。したがってラック１とガイドレール２
の相対的な高さ調整が必要でなく、しかもこれらの平行
度調整がきわめて容易になり、取付の手間を軽減しつつ
十分な位置決め精度を確保することができる。また、ラ
ック１が溝部７の深さ分だけ下方に位置するだけでな
く、ラック１の背面１ｂを側壁面９に近接させ、ラック
１の歯面１ａを溝部７内で移動するピニオン１９に噛合
させているので、装置全体の高さ寸法を縮小することが
できる。さらに、ピニオン１９が前記ラック１に直接噛
合されるため装置の構成を簡単にできるとともに応答性
にすぐれたものにすることができる。

【００１２】なお、本実施例においてはラック１が溝部
７の一方の側壁面９に対し所定の隙間を隔てて近接して
いるものとしたが、ラック１を溝部７の一方の側壁面９
に当接させることもできる。その場合、リニアガイド部
材５又は６から溝部７側に突出する位置決め用の突起や
段付部を設け、リニアガイド部材５又は６とラック１と
を点接触あるいは線接触させることができる。勿論、ガ
イド部への影響をなくすようリニアガイド部材５、６の
うち少なくとも一方を幅広にしたりして、リニアガイド
部材５又は６とラック１とを面同士で接触させることが
できるのは言うまでもない。

【００１３】また、本実施例においては、ラック１の背
面１ｂを側壁面９に近接させる横置き方式としたが、歯
面１ａを上にし背面１ｂを溝部７の底壁に当接させる場
合であっても、溝部７の側壁を利用した位置調整作業を
容易化することができる。さらに、本図のピニオン１９
は駆動モータ２０に直接的に駆動されるものであった
が、他の伝動手段を介在させてもよい。また、ピニオン
１９に代え、無端のタイミングベルト等をプーリを介し
て移動体１２に取り付け、これをラック１側の凹凸波形
に係合させるとともに、駆動部材としての駆動プーリに
よって駆動することもできる。この場合、駆動プーリは
ラック１に間接的に駆動することになるが噛合い歯数は
増加させることができる。

【００１４】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、ラックを
溝部の一方の側面壁に近接してガイドレールに固定して
いるので、溝部の側壁面を利用してラックとリニアガイ
ド部材とを幅方向に突き合わせるだけで溝部の深さに対
応する所定の高さを保ちつつ両者の平行度を確保するこ
とができ、ラックと一対のリニアガイド部材を個別に平
行配置したりこれらの高さ調整をしたりする作業を不要
にして、取付の手間を軽減しつつ位置決め精度の高い直
線駆動装置を提供することができる。

【００１５】請求項２記載の発明によれば、ラックを溝
部の一方の側壁面に近接させて該ガイドレールに固定
し、該ラックに噛み合う駆動部材を溝部内で移動させる
ようにしているので、高さ寸法を縮小した小型の直線駆
動装置を提供することができる。請求項３記載の発明に
よれば、駆動部材をラックに直接噛合するピニオンとし
たので、構成を簡単にしつつ応答性にすぐれた直線駆動
装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る直線駆動装置の一実施例の全体構
成を示す断面図である。

【図２】その平面図である。

【符号の説明】 １ ラック ２ ガイドレール ５、６ リニアガイド部材 ７ 溝部 ９ 一方の側壁面 １２ 移動体 １９ ピニオン（駆動部材） ２０ 駆動モータ（入力手段）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】互いに平行に延在するラックおよび一対の
   リニアガイド部材と、 一対のリニアガイド部材に案内された移動体と、 ラックに直接又は間接的に係合するよう移動体に回転自
   在に支持され、該回転時に移動体をラックに沿って所定
   直線方向に移動させる駆動部材と、 駆動部材に外部からの回転を入力する入力手段と、を備
   えた直線駆動装置において、 前記一対のリニアガイド部材を単一のガイドレールの両
   側面部に一体に設けるとともに、該ガイドレールの両側
   面部間に前記ラックを収納する溝部を設け、 前記ラックを該溝部の一方の側壁面に近接させて該ガイ
   ドレールに固定したことを特徴とする直線駆動装置。
2. 【請求項２】前記ガイドレールの溝部の一方の側壁面に
   前記ラックの背面を近接させ、 前記駆動部材の一部又は全部が前記溝部内を移動するよ
   うにしたことを特徴とする請求項１記載の直線駆動装
   置。
3. 【請求項３】前記駆動部材が前記ラックに直接噛合する
   ピニオンであることを特徴とする請求項１又は２記載の
   直線駆動装置。