JPH07208570A - 直線駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ストロークの長短に拘らず位置決
め精度が高く、しかも同一ガイドレール上で複数の移動
体を独立に走行させることのできる小型の直線駆動装置
を提供することを目的とする。 【構成】 ガイドレール１と、ガイドレール１にガイド
された移動体３と、外周部に凹凸４ａが形成され移動体
３に回転自在に支持された駆動プーリ４を有し、該駆動
プーリ４に外部からの回転を入力する回転入力手段５
と、外周側に駆動プーリ４の外周部に係合する凹凸係合
部６ａが形成された無端走行部材６と、移動体３に回転
自在に支持され、無端走行部材６が所定領域でガイドレ
ール１と平行に走行するよう無端走行部材６を回動走行
可能に保持する従動プーリ７ａ、７ｂと、無端走行部材
６の外周側の凹凸に係合する固定凹凸２ａを有し、ガイ
ドレール１に一体的に装着された固定凹凸部材２から構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、直線駆動装置に関し、
特に長ストロークの直線駆動と位置決めのための剛性と
が要求される用途に好適な直線駆動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ラック・ピニオンやボールネジ
機構あるいは搬送ベルト等を用いた各種の直線駆動装置
が知られており、例えば、旋盤等にワークを供給するワ
ークローダに使用するものとして、図７、図８に示すよ
うなものがある。両図において、タイミングベルト51に
取り付けられた移動台52は、ケース50に図中左右方向へ
移動可能に支持され、図示しないモータ等により駆動プ
ーリ53が駆動されているとき、タイミングベルト51の回
動に伴って移動する。55はケース50に設けられたガイド
溝であり、56はそのガイド溝55と移動台52内を循環する
複数のボールである。このようなタイミングベルトを用
いた直線駆動装置は、高速かつ長ストロークの直線駆動
が可能で、移動部も軽量にできるという利点がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の直線駆動装置にあっては、移動台52を高速に
移動させ、停止させると、タイミングベルト51が伸縮し
たり振動したりするため、移動台52の位置が安定するま
での時間が長くなるばかりか、タイミングベルト51が伸
びて位置決め精度が低下し易い。そして、このような不
具合は、移動ストロークを長くした場合にタイミングベ
ルト51の剛性が不足してより顕著になってしまう。すな
わち、タイミングベルト51の剛性が十分でないために移
動台52の好ましい位置制御ができないという問題があ
る。

【０００４】また、タイミングベルト51に移動台52を一
体的に連結しているため、大物部品であるケース50に対
して移動できる移動台52は１台しかなく、複数の移動台
52を同時に独立に動かすためには大型化が避けられない
という問題もある。そこで、請求項１記載の発明は、移
動体側に循環走行可能な凹凸を有する無端走行部材を設
けて、ガイドレールと一体の固定凹凸上を自走させるこ
とにより、ストロークの長短に拘らず位置決め精度が高
く、しかも同一ガイドレール上で複数の移動体を独立に
走行させることのできる小型の直線駆動装置を提供する
ことを目的とする。

【０００５】また、請求項２記載の発明は、直線駆動力
が十分あり、位置決め精度の高い直線駆動装置を提供す
ることを目的とする。更に、請求項３記載の発明は、無
端走行部材や固定凹凸部材の軽量化とコスト低減を図る
ことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項１記載の発明は、所定方向に延在するガイドレール
と、ガイドレールにガイドされた移動体と、外周部に所
定ピッチの凹凸が形成され移動体に回転自在に支持され
た駆動プーリを有し、該駆動プーリに外部からの回転を
入力する回転入力手段と、内外周の何れか一方側に駆動
プーリの外周部に係合する凹凸係合部が形成されるとと
もに、外周側に前記凹凸係合部と同一又はそれとは異な
る直線駆動用の凹凸が所定ピッチで形成された無端走行
部材と、移動体に回転自在に支持され、無端走行部材が
所定領域でガイドレールと平行に走行するよう無端走行
部材を回動走行可能に保持する少なくとも１つの従動プ
ーリと、無端走行部材の直進駆動用の凹凸に係合する所
定ピッチの固定凹凸を有し、ガイドレールに一体的に装
着された固定凹凸部材と、を備えたことを特徴とするも
のであり、請求項２記載の発明は、前記無端走行部材
と、前記駆動プーリおよび固定凹凸部材のうち少なくと
も一方とに、矩形断面の凹凸をなす歯形を形成したこと
を特徴とするものであり、請求項３記載の発明は、前記
無端走行部材および固定凹凸部材がそれぞれ歯付ベルト
からなることを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】請求項１記載の発明では、無端走行部材を回動
走行させると、移動体が直線方向に移動する。したがっ
て、長ストロークであっても位置決め部の剛性に変わり
がなく、位置決め精度の高い直線駆動装置となる。ま
た、単一のガイドレール及び固定凹凸部材に対して、複
数の移動体を同時に独立に駆動することができる。

【０００８】請求項２記載の発明では、駆動プーリ及び
固定凹凸部材のうち少なくとも一方に、矩形断面の凹凸
をなす歯形が形成される。したがって、これらに対する
無端走行部材の噛み合い係合が確実になり、直線駆動力
の増大と位置決め精度の向上を図ることができる。請求
項３記載の発明では、無端走行部材及び固定凹凸部材が
それぞれ歯付ベルトから構成される。したがって、無端
走行部材と固定凹凸部材とが軽量でかつ特別な加工の必
要ない低コストの部品となる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。 ＜実施例１＞図１〜３は請求項１、２及び３記載の発明
に係る実施例１の直線駆動装置を示す図である。

【００１０】まず、その構成を説明する。図１〜３にお
いて、１は所定直線方向に延在するガイドレールであ
り、２はガイドレール１上に一体的に装着された固定凹
凸部材である。この固定凹凸部材２は、例えば所定ピッ
チの矩形断面の凹凸を有する歯付ベルト（可撓性のもの
であってもよい）からなるとともに、ガイドレール１上
に貼り付けられることで所定ピッチの固定凹凸２ａを形
成しており、ガイドレール１とともにラックとして機能
する。３は移動体で、ガイドレール１の両側部にガイド
されて固定凹凸部材２上を直線方向に移動することがで
きるようになっている。移動体３内には、駆動プーリ
４、入力軸５、無端走行部材６及び従動プーリ７ａ、７
ｂが設けられている。駆動プーリ４はその外周部に固定
凹凸２ａと同一歯形ピッチの矩形断面の凹凸４ａを有し
ているとともに、移動体３に回転自在に支持されてい
る。また、入力軸５は外部に設けられたパルスモータ等
の駆動源10からの回転をシャフト等の伝動部材11を介し
て駆動プーリ４に入力する回転入力手段となっている。
無端走行部材６は、その外周側にのみ駆動プーリ４の外
周部に係合する矩形断面の凹凸係合部６ａが形成された
もので、歯付ベルトからなる。この無端走行部材６の凹
凸係合部６ａは固定凹凸部材２の固定凹凸２ａ及び駆動
プーリ４の凹凸４ａ同一ピッチの歯形となっている。従
動プーリ７ａ、７ｂは移動体３に所定距離を隔てて回転
自在に支持されており、これら従動プーリ７ａ、７ｂに
無端走行部材６が巻回されている。そして、この無端走
行部材６が所定領域（固定凹凸部材２の固定凹凸２ａに
噛合する無端走行部材６の下走部）で固定凹凸部材２上
をガイドレール１と平行に走行するよう従動プーリ７
ａ、７ｂが無端走行部材６を回動走行可能に保持してい
る。

【００１１】次に、その作用を説明する。まず、駆動源
10からの回転が伝動部材11を介して入力軸５に伝達する
と、入力軸５から回転が駆動プーリ４に入力され、駆動
プーリ４が回転する。駆動プーリ４が回転すると、駆動
プーリ４の外周部に係合している無端走行部材６が駆動
プーリ４と従動プーリ７ａ、７ｂとによって規定されて
いる走行経路を循環しながら回動し、ガイドレール１上
の固定凹凸部材２に対して相対移動する。このとき、こ
の無端走行部材６の回動走行に伴ってガイドレール１の
両側部にガイドされた移動体３が固定凹凸部材２上を自
走する。

【００１２】このように本実施例においては、外周側に
凹凸のある無端走行部材６を移動体３側に配置し、ガイ
ドレール１側に無端走行部材６の凹凸に係合する所定ピ
ッチの固定凹凸部材２を敷設して、両者を所定領域で係
合させることにより、無端走行部材６を回動走行させ、
移動体３を直線方向に移動させる。したがって、ガイド
レール１が長ストロークであっても位置決め部の剛性に
変化がなく、高い位置決め精度を得ることができる。し
かも、単一のガイドレール１及び固定凹凸部材２に対し
て、複数の移動体３を設け、これらを同時に独立して駆
動することができる。したがって、高精度かつ高機能な
直線駆動装置となる。

【００１３】また、駆動プーリ４及び固定凹凸部材２の
うち少なくとも一方に、矩形断面の凹凸をなす歯形が形
成されているので、これらに対する無端走行部材６の確
実な噛み合い係合が得られ、直線駆動力が増大するとと
もに、位置決め精度が格段に向上し、高速かつ位置決め
性能のよい直線駆動装置が実現できる。更に、無端走行
部材６と固定凹凸部材２とにそれぞれ歯付ベルトを用い
たので、これらを軽量でかつ特別な歯形加工等の必要な
い低コストの部品とすることができ、直線駆動装置のコ
ストを低減させることができる。

【００１４】＜実施例２＞図４〜６は請求項１、２及び
３記載の発明に係る実施例２の直線駆動装置を示す図で
ある。なお、先の実施例と同一の構成については、同一
符号を付してその具体的な説明を省略する。図４〜６に
おいて、移動体23内には、駆動プーリ24、無端走行部材
26及び従動プーリ27が設けられている。駆動プーリ24は
その外周部に所定ピッチの矩形断面の凹凸24ａを有して
いるとともに、移動体23に回転自在に支持されている。
入力軸25は外部に設けられたパルスモータ等の駆動源30
からの回転をシャフト等の伝動部材31を介して駆動プー
リ24に回転を入力する回転入力手段となっている。無端
走行部材26は、駆動プーリ24の外周部の凹凸24ａと同一
ピッチの矩形断面を有する内周側の凹凸係合部26ａと、
固定凹凸部材２の固定凹凸２ａと同一ピッチの矩形断面
を有する外周側の直線駆動用の凹凸26ｂとを有する歯付
ベルトで、駆動プーリ24及び固定凹凸部材２に係合して
いる。従動プーリ27は外周側に無端走行部材26の凹凸係
合部26ａと同一ピッチの矩形断面を有する凹凸27ａを形
成したもので、駆動プーリ24と所定距離を隔てて移動体
３に回転自在に支持されている。そして、従動プーリ27
と駆動プーリ24とに無端走行部材26が巻回され、この無
端走行部材26が所定領域（固定凹凸部材２の固定凹凸２
ａに噛合する無端走行部材26の下走部）で固定凹凸部材
２上をガイドレール１と平行に走行する。

【００１５】駆動源30からの回転が伝動部材31、入力軸
25を介して駆動プーリ24に入力されると、駆動プーリ24
の外周側に係合している無端走行部材26が駆動プーリ24
と従動プーリ27とによって規定されている走行経路を循
環しながら回動し、ガイドレール１上の固定凹凸部材２
に対して相対移動する。このとき、この無端走行部材26
の回動走行に伴ってガイドレール１にガイドされた移動
体23が固定凹凸部材２上を自走する。なお、無端走行部
材26の内周側凹凸係合部26ａと外周側凹凸係合部26ｂと
は、ピッチや歯形状が異なる凹凸を形成してもよい。

【００１６】このように本実施例においても、外周側に
凹凸のある無端走行部材26を移動体23側に配置し、ガイ
ドレール１側に無端走行部材26の直線駆動用の凹凸26ｂ
に係合する所定ピッチの固定凹凸部材２を敷設して、両
者を所定領域で係合させることにより、無端走行部材26
を回動走行させ、移動体23を直線方向に移動させる。し
たがって、ガイドレール１が長ストロークであっても位
置決め部の剛性に変化がなく、高い位置決め精度を得る
ことができる。しかも、単一のガイドレール１及び固定
凹凸部材２に対して、複数の移動体23を設け、これらを
同時に独立して駆動することができる。したがって、高
精度かつ高機能な直線駆動装置となる。

【００１７】また、駆動プーリ24及び固定凹凸部材２の
うち少なくとも一方に、矩形断面の凹凸をなす歯形が形
成されているので、これらに対する無端走行部材26の確
実な噛み合い係合が得られ、直線駆動力が増大するとと
もに、位置決め精度が格段に向上し、高速かつ位置決め
性能のよい直線駆動装置が実現できる。更に、無端走行
部材26と固定凹凸部材２とにそれぞれ歯付ベルトを用い
たので、これらを軽量でかつ特別な歯形加工等の必要な
い低コストの部品とすることができ、直線駆動装置のコ
ストを低減させることができる。

【００１８】なお、本実施例においては、ガイドレール
１と固定凹凸部材２を別部材としたが、これらを同一素
材からなるラックとして一体形成してもよい。また、そ
の凹凸は矩形歯形に限らず、規則的な凹凸ピッチを有す
るものであればよい。

【００１９】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、無端走行
部材を回動走行させることにより、移動体を直線方向に
移動させるので、長ストロークであっても位置決め部の
剛性に変化がなく、高い位置決め精度を得ることができ
るとともに、単一のガイドレール及び固定凹凸部材に対
して、複数の移動体を同時に独立に駆動することができ
る。その結果、高精度かつ高機能な直線駆動装置を実現
することができる。

【００２０】請求項２記載の発明によれば、駆動プーリ
及び固定凹凸部材のうち少なくとも一方に、矩形断面の
凹凸をなす歯形を形成しているので、これらに対し無端
走行部材を確実に噛み合い係合させ、直線駆動力の増大
と位置決め精度の向上を図り、高速かつ位置決め性能の
よい直線駆動装置を実現することができる。請求項３記
載の発明によれば、無端走行部材と固定凹凸部材とにそ
れぞれ歯付ベルトを用いているので、これらを軽量でか
つ特別な加工の必要ない部品として、低コストの直線駆
動装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１の直線駆動装置を示すその正
面断面図である。

【図２】実施例１の上面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ断面図である。

【図４】本発明の実施例２の直線駆動装置を示すその正
面断面図である。

【図５】実施例２の上面図である。

【図６】図５のＢ−Ｂ断面図である。

【図７】従来例の直線駆動装置を示すその正面断面図で
ある。

【図８】図７のＣ−Ｃ断面図である。

【符号の説明】

１ ガイドレール ２ 固定凹凸部材（歯付ベルト） ２ａ 固定凹凸（歯形） ３、23 移動体 ４、24 駆動プーリ ４ａ、24ａ 凹凸（歯形） ５、25 入力軸（回転入力手段） ６、26 無端走行部材（歯付ベルト） ６ａ、26ａ 凹凸係合部 ７ａ、７ｂ、27 従動プーリ 26ｂ 凹凸

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定方向に延在するガイドレールと、 ガイドレールにガイドされた移動体と、 外周部に所定ピッチの凹凸が形成され移動体に回転自在
   に支持された駆動プーリを有し、該駆動プーリに外部か
   らの回転を入力する回転入力手段と、 内外周の何れか一方側に駆動プーリの外周部に係合する
   凹凸係合部が形成されるとともに、外周側に前記凹凸係
   合部と同一又はそれとは異なる直線駆動用の凹凸が所定
   ピッチで形成された無端走行部材と、 移動体に回転自在に支持され、無端走行部材が所定領域
   でガイドレールと平行に走行するよう無端走行部材を回
   動走行可能に保持する少なくとも１つの従動プーリと、 無端走行部材の直進駆動用の凹凸に係合する所定ピッチ
   の固定凹凸を有し、ガイドレールに一体的に装着された
   固定凹凸部材と、を備えたことを特徴とする直線駆動装
   置。
2. 【請求項２】前記無端走行部材と、前記駆動プーリおよ
   び固定凹凸部材のうち少なくとも一方とに、矩形断面の
   凹凸をなす歯形を形成したことを特徴とする請求項１記
   載の直線駆動装置。
3. 【請求項３】前記無端走行部材および固定凹凸部材がそ
   れぞれ歯付ベルトからなることを特徴とする請求項１又
   は２記載の直線駆動装置。