JPH07208294A - 電磁式燃料噴射弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料噴射弁より噴射される霧状の燃料の微粒
化を改善する。 【構成】 燃料噴射弁の端部に配置されたバルブシート
６の端部にアダプター１０が配置される。アダプター１
０には噴孔６Ｃに対向して開口する噴射流路１０Ｃと、
噴射流路１０Ｃ内の下流側に配置される分流壁１０Ｄに
よって噴射流路１０Ｃが隔別に区分され端部に開口する
複数の分流路１３と、一側方がアダプター１０の外周１
０Ｆに開口し、他側方が噴射流路１０Ｃ、分流路１３内
に開口するとともに噴射流路１０Ｃ、分流路１０Ｅの長
手方向に沿って連続的に穿設される空気スリット溝１１
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関に用いられる
電磁式燃料噴射弁に関するものであり、そのうち特に電
磁式燃料噴射弁（以下燃料噴射弁という）より噴射され
る燃料の微粒化の改善に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】燃料噴孔から噴射される燃料噴霧を微粒
化させた燃料噴射弁は、実開平１−６１４６１号に示さ
れる。かかる燃料噴射弁によると、アダプターの２ホー
ル分岐部の上流端に、燃料噴孔から噴射する燃料を衝突
させる燃料衝突部を設け、アダプターに２ホールから離
れるに従ってインジェクタ本体に接近する方向に斜めに
延び、燃料衝突部の上流端近傍に向けて空気を噴出する
空気噴孔を設けたものであり、その一つの態様として燃
料衝突部の上流端を平面とし、空気噴孔の孔軸芯を燃料
衝突部を含んでエアーアシシストアダプタ軸心に直交す
る平面よりインジェクタ本体に近い側に位置させたもの
である。又、他の一つの態様は、燃料衝突部の上流端を
先細りとし、空気噴孔は燃料衝突部の上流端近傍に開口
させたものである。

【０００３】一つの態様によると、燃料噴孔から噴射さ
れた燃料は、燃料衝突部に衝突し、半径方向外方に向か
う液状燃料の流れに転換され、この燃料に向かって空気
噴孔から空気流が斜めに噴射され、空気と燃料が衝突し
て微粒化が促進される。そしてこの微粒化された燃料が
２ホールを通してアダプターの端部より噴射される。他
の一つの態様によると、燃料は燃料衝突部の上流端への
衝突により、燃料衝突部の壁面に沿って流れる液膜状の
噴霧となり、この霧化された燃料に空気噴孔からの空気
が衝突するので燃料は微粒化され、２ホールを通してア
ダプターの端部より噴射される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】一つの態様によれば、
燃料衝突部に衝突した液状燃料に空気噴孔より噴射され
る空気が混入するので、この空気噴射部における燃料の
微粒化は促進されるものの、その後この微粒化された燃
料が２ホール内を流下する際、２ホールの内壁に燃料が
付着し、燃料の微粒化が阻害される恐れがある。

【０００５】又、他の一つの態様によれば、燃料衝突部
の壁面（２ホールの壁面に相当）に沿って流れる燃料に
空気噴孔から空気が噴射されるので、前記一つの態様に
比較すれば２ホール内を流下する燃料の微粒化は良好と
なるものの２ホールに対して部分的に開口する空気噴孔
より空気が噴射されるので、燃料が２ホールを流下する
際、燃料は内壁に付着し燃料の微粒化が阻害される。

【０００６】本発明は、かかる問題点に鑑みなされたも
ので、燃料噴射弁より噴射される燃料の微粒化を向上す
ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決する為
に、本発明は、ハウジングの内部に配置された電磁コイ
ルへの通電によって可動コアが駆動され、可動コアと一
体的に駆動するニードル弁の弁部によってハウジングの
端部に配置されるバルブシートに形成された弁座を開閉
制御し、弁座の下流側にあってバルブシートの端部に開
口する噴孔より燃料を噴射する電磁式燃料噴射弁におい
て、バルブシートの端部に、噴孔に対向して開口する噴
射流路と、分流壁にて噴射流路が複数に隔別され、端部
に向かって開口する複数の分流路とを備えるアダプター
を配置し、更に、少なくとも前記アダプターの噴射流路
と分流路には一側方がアダプターの外周に開口し、他側
方が噴射流路、分流路内に開口するとともに噴射流路、
分流路の長手方向に沿って連続的に空気スリット溝を穿
設した点に第１の特徴がある。

【０００８】又、本発明は、空気スリット溝の、噴射流
路、分流路、内への他側方の開口を、噴射流路、分流路
の横断面における接線方向に開口した点に第２の特徴が
ある。

【０００９】又、空気スリット溝の、噴射流路、分流路
内への他側方の開口を、噴射流路、分流路の横断面にお
いて互いに対向させて開口した点に第３の特徴がある。

【００１０】

【作用】燃料噴射弁内に加圧供給された燃料は、弁座よ
り噴孔を介して噴射流路内へ噴射される。噴射流路内を
流下する燃料は分流壁によって分流され、各分流路を流
下してアダプターの端部の開口より噴射される。噴射流
路、及び各分流路を流下する燃料は、それら流路内を速
い噴射速度をもって流下するものであり、この際、空気
スリット溝より噴射流路、分流路内に連続的に空気を引
きこみ、それら流路内において燃料は連続的に微粒化さ
れ、良好に微粒化された燃料が分流路の開口端より噴射
される。

【００１１】又、第２の特徴である、空気スリット溝が
噴射流路、分流路の接線方向に開口したことによると、
噴射流路、分流路、内において空気は旋回流を発生する
もので、これによって燃料の噴射流路、分流路、内にお
ける微粒化は促進されるとともに流路内壁に対する付着
はなくなり、燃料の微粒化は一層促進された。

【００１２】又、第３の特徴である、空気スリット溝の
開口を噴射流路、分流路において互いに対向させたこと
によると、噴射流路、分流路、内において空気が複数の
開口より供給されるので、燃料の微粒化は促進されると
ともに流路内壁に対する燃料の付着はなくなり、燃料の
微粒化は更に一層促進される。

【００１３】

【実施例】以下、本発明になる燃料噴射弁の一実施例を
図１、図２、図３によって説明する。１は上下方向が開
口した円筒状のハウジングであり、該ハウジングの上端
からコイルボビン２に巻回された電磁コイル３と、固定
コア４が挿入され、固定コア４の拡大鍔部４Ａがハウジ
ング１の係止段部１Ａに配置された状態でハウジング１
の上端が拡大鍔部４Ａの上端に向けて内方へカシメられ
る。電磁コイル３は端子５を介して外方に引出され、固
定コア４の中心には上端から下端に向けて流路４Ｂが穿
設され、流路４Ｂの上方の開口は図示せぬ燃料ポンプの
吐出孔に連絡され、電磁コイル３には端子５を介して電
気信号が入力される。

【００１４】ハウジング１の下端開口よりバルブシート
６が挿入配置され、バルブシート６には、弁座６Ａと、
弁座６Ａより上方に向かって開口するニードル弁案内孔
６Ｂと、弁座６Ａより下方に向かって開口する噴孔６Ｃ
とが形成される。

【００１５】このニードル弁案内孔６Ｂ内には、ニード
ル弁７が移動自在に配置されるもので、ニードル弁７の
下方には、噴孔６Ｃ内に挿入されるピントル部７Ａと、
弁座６Ａを開閉する弁部７Ｂが連設して形成され、ニー
ドル弁７の上方には固定コア４の下端に対向する可動コ
ア８が一体的に配置され、さらに可動コア８と固定コア
４との間にはスプリング９が縮設される。すなわち、電
磁コイル３に通電されないとき、ニードル弁７はスプリ
ング９にて下方に押圧され、ニードル弁７の弁部７Ｂは
バルブシート６の弁座６Ａを閉塞する。以上は従来公知
の燃料噴射弁である。

【００１６】本発明になる燃料噴射弁は前記目的達成の
為に、以下の構成を付加した。すなわち、１０は、内筒
１０Ａを有するアダプターであり、内筒１０Ａの底部１
０Ｂには、噴孔６Ｃに対向する噴射流路１０Ｃが開口
し、この噴射流路１０Ｃはアダプター１０の下端から上
方に向かう分流壁１０Ｄによって隔別された複数の分流
路１０Ｅに区分され、この分流路１０Ｅはアダプター１
０の下端に開口する。本実施例において分流路１０Ｅは
２個用意され、それぞれの分流路１０Ｅがアダプター１
０の下端に開口する。すなわち、バルブシート６の噴孔
６Ｃより噴射された燃料は、噴射流路１０Ｃ内へ噴射さ
れ、噴射流路１０Ｃ内を下方へ向かって流下する燃料は
分流壁１０Ｄにてその燃料流れが分流され、分流された
燃料は、それぞれの分流路１０Ｅ内を流下した後にアダ
プター１０の下端に開口する各分流路１０Ｅより噴射さ
れる。

【００１７】そして、前記アダプター１０には、更に空
気スリット溝１１が穿設される。かかる空気スリット溝
１１は以下の要件を備える。空気スリット溝１１は、
少なくとも噴射流路１０Ｃと分流路１０Ｅにその他側方
が開口し、一側方はアダプター１０の外周１０Ｆに開口
する。空気スリット溝１１は、噴射流路１０Ｃと、分
流路１０Ｅの長手方向に延びるとともに連続的に穿設さ
れる。

【００１８】すなわち、本実施例の空気スリット溝１１
にあっては、ニードル弁７の長手方向軸心線Ｘ−Ｘの左
方に、左方の空気スリット溝１１が穿設され、この左方
の空気スリット溝１１は、その一側方がアダプター１０
の外周１０Ｆに連続的に開口し、他側方が底部１０Ｂよ
り上方の内筒１０Ａの左側壁、噴射流路１０Ｃの左側壁
及び左方の分流路１０Ｅの左側壁に連続的に穿設され、
空気スリット溝１１の下端はアダプター１０の下端に開
口する。

【００１９】又、ニードル弁７の長手方向軸心線Ｘ−Ｘ
の右方に、右方の空気スリット溝１１が穿設され、この
右方の空気スリット溝１１は、その一側方がアダプター
１０の外周１０Ｆに連続的に開口し、他側方が底部１０
Ｂより上方の内筒１０Ａの右側壁、噴射流路１０Ｃの右
側壁及び右方の分流路１０Ｅの右側壁に連続的に穿設さ
れ、空気スリット溝１１の下端はアダプター１０の下端
に開口する。このように、本実施例の空気スリット溝１
１にあってはニードル弁７の長手方向軸心線Ｘ−Ｘをは
さんで左方の空気スリット溝１１と右方の空気スリット
溝１１が穿設された。

【００２０】そして、バルブシート６、アダプター１０
は以下によってハウジング１に取着される。すなわち、
ハウジング１の下方に形成された係止段部１Ｂ上に、ス
トッパー１２、ニードル弁７を備えたバルブシート６、
アダプター１０を順次配置し、しかる後にハウジング１
の下方の開口端をアダプター１０の鍔部１０Ｇ上に向け
て内方へカシメる。以上によれば、ハウジング１にバル
ブシート６、アダプター１０が取着されたもので、アダ
プター１０の噴射流路１０Ｃはバルブシート６の噴孔６
Ｃに臨んで配置され、分流路１０Ｅはアダプター１０の
下端に開口する。

【００２１】次にその作用について説明する。図示され
ない燃料ポンプによって加圧された燃料は、流路４Ｂを
介して燃料噴射弁内に供給され、バルブシート６の弁座
６Ａに達する。電磁コイル３に通電されていない状態に
おいて、ニードル弁７はスプリング９によって押圧さ
れ、弁部７Ｂが弁座６Ａを閉塞するので、噴孔６Ｃから
燃料が噴射されることはない。

【００２２】そして、電磁コイル３に所定のデューティ
比の電流が供給されると、電磁コイル３の周囲に磁力が
発生し、ニードル弁７はスプリング９のバネ力に抗して
上動し、弁部７Ｂが弁座６Ａを開放する。以上による
と、燃料噴射弁内に貯溜されていた加圧燃料は弁座６Ａ
を介して噴孔６Ｃ内へ流れこみ、噴孔６Ｃとピントル部
７Ａによってその量が計量されてアダプター１０の噴射
流路１０Ｃ内に向けて霧状の燃料が速い噴射速度をもっ
て噴射される。

【００２３】そして、アダプター１０の噴射流路１０Ｃ
内に噴射された燃料は、噴射流路１０Ｃ内を下方に向か
って流下し、分流壁１０Ｄに衝突することによって燃料
は左右に分流され、この分流された燃料は左、右の各分
流路１０Ｅ内を流下し、各分流路１０Ｅの端部より噴射
される。

【００２４】そして、前記、アダプター１０の噴射流路
１０Ｃ及び分流路１０Ｅ内を燃料が流下する際、空気ス
リット溝１１は以下の作用をなす。すなわち、バルブシ
ート６の噴孔６Ｃからアダプター１０の噴射流路１０Ｃ
内に速い噴射速度をもった霧状の燃料が噴射されると、
左右の空気スリット溝１１から噴射流路１０Ｃの長手方
向に沿って連続的に空気が吸入される。これによると、
噴孔６Ｃから噴射される霧状の燃料に空気が混入される
ことにより霧状の燃料の微粒化が促進されるとともに噴
射流路１０Ｃ内に吸入される空気流によって噴射流路１
０Ｃの内壁への燃料の付着が解消される。

【００２５】そして、さらにかかる霧状の燃料が分流壁
１０Ｄによって分流され、分流路１０Ｅ内を速い噴射速
度をもった霧状の燃料が流下すると、左方の分流路１０
Ｅにあっては左方の空気スリット溝１１より分流路１０
Ｅの長手方向に沿って連続的に空気が吸入されるので、
分流路１０Ｅ内を流れる霧状の燃料に対して更に空気が
混入されるもので、これによると、分流路１０Ｅ内を流
れる霧状の燃料の微粒化が更に促進されるとともに分流
路１０Ｅ内に吸入される空気流によって分流路１０Ｅの
内壁への燃料の付着を効果的に抑止するので、左方の分
流路１０Ｅの開口端より良好に微粒化された霧状の燃料
を噴射供給できるものである。

【００２６】尚、前記は左方の分流路１０Ｅについて説
明したが、右方の分流路１０Ｅにあっても空気スリット
溝１１は同様の作用をなし、右方の分流路１０Ｅの開口
端より良好に微粒化された霧状の燃料を噴射供給できる
ものである。

【００２７】前述の如く、空気スリット溝１１より噴射
流路１０Ｃ、分流路１０Ｅ内へ空気を吸入する際におい
て、噴射流路１０Ｃ、分流路１０Ｅ内を流れる燃料の流
速を主に利用するものにあっては、機関の吸気管３０へ
装着する際、アダプター１０の外周に吸気管３０の吸気
路３１に連なる環状空気室３２が形成されるよう燃料噴
射弁を吸気管３０に装着するとよいもので、これは図４
に示される。環状空気室３２内の空気が空気スリット溝
１１より噴射流路１０Ｃ、分流路１０Ｅ内へ吸入され
る。

【００２８】一方、空気スリット溝１１より噴射流路１
０Ｃ、分流路１０Ｅ内へ予め流速をもった空気流を供給
する際においては、アダプター１０の外周に密閉状の環
状空気室４０が形成されるよう環状のゴムリング４１、
４２を介して燃料噴射弁を吸気管３０に装着すればよい
もので、この環状空気室４０内に空気流入路４３が開口
するとともにアダプター１０の空気スリット溝１１の一
部が開口する。従って、空気流入路４３より空気ポンプ
（図示せず）によって加圧された空気が環状空気室４０
内へ供給されると、この加圧された空気が空気スリット
溝１１を介して噴射流路１０Ｃ、分流路１０Ｅ内へ積極
的に噴射される。この装着状態が図５に示される。かか
る環状空気室４０内へ空気スリット溝１１を開口する
際、空気スリット溝１１は図２において噴射流路１０Ｃ
より更に上方に向かって穿設させるとよい。

【００２９】図６に空気スリット溝の他の実施例を示
す。かかる空気スリット溝５０は、一側方がアダプター
１０の外周１０Ｆに開口し、他側方が噴射流路１０Ｃ、
分流路１０Ｅの横断面における接線方向に開口するとと
もに噴射流路１０Ｃ、分流路１０Ｅの長手方向に沿って
連続的に穿設される。かかる空気スリット溝５０を用い
たことによると、噴射流路１０Ｃ、分流路１０Ｅ内を霧
状の燃料が流下することによって空気スリット溝５０よ
り空気を前記各流路１０Ｃ、１０Ｅ内へ吸入する際、空
気は、前記各流路１０Ｃ、１０Ｅ内において旋回流をな
すもので、これによると、空気と霧状の燃料の接触長さ
が長くなるとともに前記各流路１０Ｃ、１０Ｅの内壁へ
の燃料付着が減少し、霧状の燃料の微粒化は一層良好に
行なわれる。

【００３０】図７には、空気スリット溝の更に他の実施
例を示す。説明を容易とする為に、分流路１０Ｅ、空気
スリット溝１１の符号を変えて説明する。噴射流路１０
Ｃの下方は分流壁１０Ｄによって左方の分流路６０と右
方の分流路６１とに隔別に区分され、分流路６０、６１
の端部がアダプター１０の下端に開口する。左方の分流
路６０、噴射流路１０Ｃの図７における上側部分に第１
の空気スリット溝６２が穿設される。この第１の空気ス
リット溝６２の一側方はアダプター１０の外周に開口
し、他側方は、噴射流路１０Ｃ、左方の分流路６０の上
側部分に開口するとともに噴射流路１０Ｃ、左方の分流
路６０の長手方向に沿って穿設される。左方の分流路６
０、噴射流路１０Ｃの図７における下側部分に第２の空
気スリット溝６３が穿設される。この第２の空気スリッ
ト溝６３の一側方はアダプター１０の外周に開口し、他
側方は、噴射流路１０Ｃ、左方の分流路６０の下側部分
に開口するとともに噴射流路１０Ｃ、左方の分流路６０
の長手方向に沿って穿設される。従って、前記第１の空
気スリット溝６２と第２の空気スリット溝６３とは噴射
流路１０Ｃと左方の分流路６０の横断面において互いに
対向して開口する。

【００３１】右方の分流路６１、噴射流路１０Ｃの図７
における上側部分に第３の空気スリット溝６４が穿設さ
れる。この第３の空気スリット溝６４の一側方はアダプ
ター１０の外周に開口し、他側方は噴射流路１０Ｃ、右
方の分流路６１の上側部分に開口するとともに噴射流路
１０Ｃ、右方の分流路６１の長手方向に沿って穿設され
る。右方の分流路６１、噴射流路１０Ｃの図７における
下側部分に第４の空気スリット溝６５が穿設される。こ
の第４の空気スリット溝６５の一側方はアダプター１０
の外周に開口し、他側方は、噴射流路１０Ｃ、右方の分
流路６１の下側部分に開口するとともに噴射流路１０
Ｃ、右方の分流路６１の長手方向に沿って穿設される。
従って、前記第３の空気スリット溝６４と第４の空気ス
リット溝６５とは噴射流路１０Ｃと右方の分流路６１の
横断面において互いに対向して開口する。

【００３２】以上によれば、噴射流路１０Ｃにあって
は、第１の空気スリット溝６２と第２の空気スリット溝
６３が対向して開口するとともに第３の空気スリット溝
６４と第４の空気スリット溝６５が対向して開口し、更
に左方の分流路６０にあっては、第１の空気スリット溝
６２と第２の空気スリット溝６３が対向して開口し、更
に右方の分流路６１にあっては第３の空気スリット溝６
４と第４の空気スリット溝６５が対向して開口してお
り、複数の空気スリット溝を介して各流路内に空気を吸
入することができるとともにそれら空気スリット溝が対
向し、各流路内に対向して空気を吸入したので噴射流路
１０Ｃ内及び左方の分流路６０、右方の分流路６１内に
おける霧状の燃料の微粒化は更に一層促進されるととも
に各流路における燃料の付着が一層解消されたので、燃
料の微粒化を更に大きく向上できたものである。

【００３３】

【発明の効果】以上の如く本発明になる燃料噴射弁によ
ると、噴孔から噴射される燃料に対し、噴射流路、分流
路、内において、それら流路の長手方向に沿って穿設さ
れた空気スリット溝より長手方向に連続して空気を混入
できたので燃料の微粒化を達成でき、しかも噴射流路、
分流路、内を流下する燃料が空気スリット溝から該流路
内に吸入される空気流によって噴射流路、分流路、の内
壁に付着することを抑止されたので、良好に微粒化され
た燃料を分流路から噴射供給できたものである。又、空
気スリット溝の、噴射流路、分流路内への他側方の開口
を噴射流路、分流路の横断面における接線方向に開口し
たこと、更に、空気スリット溝の噴射流路、分流路内へ
の他側方の開口を、噴射流路、分流路の横断面において
互いに対向させて開口したことによると、噴射流路、分
流路内における燃料に対する空気の混合を極めて良好に
行なうことができるとともに噴射流路、分流路の内壁に
おける燃料の付着が抑止されたので更に微粒化された燃
料の供給が可能となったものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明になる電磁式燃料噴射弁の一実施例を示
す縦断面図。

【図２】図１のバルブシート、アダプターの要部拡大縦
断面図。

【図３】図２のアダプターを下方よりみた下方平面図。

【図４】図１に示された電磁式燃料噴射弁を吸気管に装
着した第１の実施例を示す縦断面図。

【図５】図１に示された電磁式燃料噴射弁を吸気管に装
着した第２の実施例を示す縦断面図。

【図６】空気スリット溝の他の実施例を示す下方平面
図。

【図７】空気スリット溝の更に他の実施例を示す下方平
面図。

【符号の説明】

１ ハウジング ３ 電磁コイル ６ バルブシート ６Ａ 弁座 ７ ニードル弁 ７Ｂ 弁部 １０ アダプター １０Ｃ 噴射流路 １０Ｄ 分流壁 １０Ｅ 分流路 １０Ｆ アダプターの外周

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハウジング１の内部に配置された電磁コ
   イル３への通電によって可動コア８が駆動され、可動コ
   ア８と一体的に駆動するニードル弁７の弁部７Ｂによっ
   てハウジング１の端部に配置されるバルブシート６に形
   成された弁座６Ａを開閉制御し、弁座の下流側にあって
   バルブシート６の端部に開口する噴孔６Ｃより燃料を噴
   射する電磁式燃料噴射弁において、バルブシート６の端
   部に、噴孔６Ｃに対向して開口する噴射流路１０Ｃと、
   分流壁１０Ｄにて噴射流路１０Ｃが複数に隔別され、端
   部に向かって開口する複数の分流路１０Ｅとを備えるア
   ダプター１０を配置し、更に、少なくとも前記アダプタ
   ーの噴射流路１０Ｃと分流路１０Ｅには一側方がアダプ
   ター１０の外周１０Ｆに開口し、他側方が噴射流路１０
   Ｃ、分流路１０Ｅ内に開口するとともに噴射流路１０
   Ｃ、分流路１０Ｅの長手方向に沿って連続的に空気スリ
   ット溝１１を穿設してなる電磁式燃料噴射弁。
2. 【請求項２】 前記、空気スリット溝の、噴射流路１０
   Ｃ、分流路１０Ｅ、内への他側方の開口を、噴射流路１
   ０Ｃ、分流路１０Ｅの横断面における接線方向に開口し
   てなる請求項１記載の電磁式燃料噴射弁。
3. 【請求項３】 前記、空気スリット溝の、噴射流路１０
   Ｃ、分流路１０Ｅ内への他側方の開口を、噴射流路１０
   Ｃ、分流路１０Ｅの横断面において互いに対向させて開
   口してなる請求項１記載の電磁式燃料噴射弁。