JPH1113598A - 燃料噴射ノズル - Google Patents

燃料噴射ノズル

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JPH1113598A
JPH1113598A JP18454697A JP18454697A JPH1113598A JP H1113598 A JPH1113598 A JP H1113598A JP 18454697 A JP18454697 A JP 18454697A JP 18454697 A JP18454697 A JP 18454697A JP H1113598 A JPH1113598 A JP H1113598A
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JP
Japan
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nozzle
hole
fuel
injection
branch
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Application number
JP18454697A
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English (en)
Inventor
Yuji Furuya
雄二 古谷
Kenichi Iino
賢一 飯野
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Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧燃料を噴霧するディーゼル機関に対して
も1本のノズルで精度の高い衝突噴霧を実現でき、噴霧
方向の管理が容易に行える燃料噴射ノズルを提供する。
併せて現行の噴射ノズルの流用を図る。 【解決手段】 弁体10が着座する着座面13とこの着
座面13よりも下流側に形成された噴孔15とを有する
ノズルボディ4を備えた既存の燃料噴射ノズルを用い
る。これに、ノズルボディ4の噴孔15を覆うノズルチ
ップ5を設け、このノズルチップ5に噴射方向へ広がる
凹部19を形成すると共にノズルボディ4の弁体当接部
位よりも下流側に通じる複数の吹出孔21を形成する。
これら吹出孔21の軸線を凹部19の内側で交叉させ、
凹部内で燃料を衝突させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃料を噴霧する
燃料噴射ノズル、特にディーゼルエンジンにおいて予混
合希薄燃焼を実現するため等に利用される燃料噴射ノズ
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、ディーゼルエンジンにおいて、吸
入工程中に燃料を噴射させて希薄な予混合状態を作り、
自発火させることで混合気の濃い部分を無くし、NOx
やスモークの大幅な低減を図るようにした予混合希薄燃
焼が注目されている。
【0003】この燃焼を形成するために利用される噴霧
は、微粒化が良く、ペネトレーションの小さいものが良
いとされており、例えば、スワールノズルや、広角なピ
ントルノズル若しくはポペットノズル、又は衝突型ノズ
ル等の噴射ノズルが好ましいとされている。
【0004】衝突型ノズルの例としては、特開平8−2
06448号公報に示されるように複数のノズルを用い
るものや、実公平7−52373号公報に示されるよう
に1つの噴射ノズルによって噴霧を衝突させる構成が知
られており、このうち、前者は、排ガス中の硫黄酸化物
を吸収する吸収液を散布する装置に関するものである
が、被噴霧空間に複数のスプレイノズルから噴流体を噴
射し、噴霧同士を積極的に衝突させ、液滴同士の衝突に
より噴流体を微粒化させるようにしたものである。
【0005】また、後者は、燃料圧力としては比較的低
圧のガソリン機関に用いられる電磁式燃料噴射ノズルに
関し、ホール型ノズルを改良して衝突型としたもので、
弁体が着座する着座面より下流側にオリフィスを形成し
たプレートを配置し、このプレート13に形成されたオ
リフィスを軸線が互いにオリフィスの外側で交叉するよ
うに形成し、噴射された燃料をオリフィス近傍で衝突さ
せて燃料の微粒化を図る構成となっている。また、プレ
ート13よりも下流側にこのプレートを保持するプロテ
クタ12を設け、このプロテクタ12に形成された通路
16内でオリフィスを通過した燃料を衝突させる構成も
開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】燃料圧力が高いディー
ゼル機関に用いる噴射ノズルにおいては、上記前者の構
成を転用して微粒化の促進、ペネトレーションの低下を
図ることも考えられるが、複数の噴射ノズルを用いる構
成では噴霧の衝突の正確さが得られないばかりか、衝突
位置が噴孔から離れて衝突時のエネルギーが小さくな
り、十分に微粒化することができなくなる。また、複数
のノズルで燃料を衝突させる場合には、取り付けスペー
スに制約されて要求される噴霧状態を形成することが困
難になる等の不都合もある。
【0007】この点、1つの噴射ノズルによって噴霧を
衝突させる構成によれば、取り付けスペースの確保や微
粒化の促進等を図りやすく、この点では望ましい形態と
いえるが、上記後者の構成のように、オリフィス付きの
プレートをノズル端部に取り付ける構成にあっては、プ
レートの肉厚が薄いためにオリフィスによって燃料の噴
霧角を正確に設定しにくく、仮に正確な噴霧角が得られ
たとしても、燃料の高圧化が要求されるディーゼル機関
に用いる場合には、燃料圧によってプレートが歪み、噴
霧角度がずれてしまう等の不具合が懸念される。
【0008】また、後者の技術によれば、オリフィスを
通過した燃料は、プレート13のオリフィスとプロテク
タ12の通路16とによって噴霧方向が最終的に決定さ
れる構成となっており、プレート13の寸法管理のみな
らずプロテクタの寸法管理も必要となり、これらが別部
材で構成されていることから部材間の組み付け調整も必
要となる等、噴射精度の管理が複雑になる不都合もあ
る。さらにまた、現行の噴射ノズルを排斥して新たな衝
突型ノズルを構築するのであれば生産設備の大幅な変更
等を余儀なくされ、既存の部品を有効利用することもで
きない不都合がある。
【0009】そこで、この発明においては、高圧燃料が
要求されるディーゼル機関に対しても1本のノズルで精
度の高い衝突噴霧を実現できると共に、噴霧状態の管理
が容易に行える燃料噴射ノズルを提供することを課題と
している。また、現行の噴射ノズルを流用してわずかな
変更を加えるだけで衝突型ノズルとすることができ、も
って現行の生産設備の大幅な変更を不要にすることがで
きる燃料噴射ノズルを提供することも課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明にかかる燃料噴射ノズルは、弁体が着座する
着座面とこの着座面の弁体当接部位よりも下流側に形成
される噴孔とを有するノズルボディを備え、前記弁体の
リフト時に前記着座面の上流側から供給される燃料を前
記噴孔へ導くようにした既存の燃料噴射ノズルに対し、
前記ノズルボディに前記噴孔を覆うノズルチップを設
け、このノズルチップに噴射方向へ広がる凹部を形成す
ると共に前記ノズルボディの弁体当接部位よりも下流側
に通じる複数の吹出孔を形成し、前記複数の吹出孔のう
ちの2以上の吹出孔の軸線を前記凹部の内側で交叉する
ようにしたことを特徴としている(請求項1)。
【0011】したがって、着座面よりも上流側から供給
された高圧燃料が弁体のリフトによって着座面より下流
側へ送られると、高圧燃料は吹出孔を通ってノズルチッ
プの凹部へ噴射される。そして、複数の吹出孔から噴射
される燃料は、凹部内で衝突されて微粒化され、この微
粒化された噴霧は、凹部の開口方向へ送出されることと
なる。
【0012】このような燃料噴射ノズルは、スプリング
等によって弁体を着座面に向かって常時付勢しておき、
上流側より送られる燃料の油圧によって弁体をリフトさ
せる自動開閉型ノズルであっても、弁体をソレノイドの
通電、非通電によって動かす電磁弁型であってもよい。
【0013】ノズルボディの弁体当接部位よりも下流側
に通じる複数の吹出孔の形態としては、ノズルボディに
弁体当接部位よりも下流側からノズルチップとの当接端
面にかけて分岐孔を形成し、吹出孔を分岐孔と流体的に
接続するような構成が考えられる(請求項2)。つま
り、この構成は、既存のノズルボディの噴孔とは別に分
岐孔を形成し、この分岐孔からノズルチップの吹出孔に
燃料を送るようにしたもので、弁体のリフト時に送られ
る高圧燃料は、弁体と着座面との間を通って分岐孔に入
り、弁体の軸心から一旦遠ざかるように流れる。その
後、分岐孔からノズルチップの吹出孔に入り、ノズルチ
ップの凹部へ噴射される。そして、凹部内で衝突されて
微粒化され、凹部によって決定される方向へ噴霧され
る。
【0014】また、ノズルボディの噴孔は単一の噴孔か
らなり、この噴孔と連通して分岐する分岐溝をノズルチ
ップのノズルボディとの当接端面に形成し、吹出孔を分
岐溝と流体的に接続するようにしてもよい(請求項
3)。ここで、分岐溝は、噴孔が対峙する部位から各吹
出孔にかけて放射状に形成されるものであっても(請求
項4)、噴孔と対峙する部位を避けるように形成され、
且つ、吹出孔が接続される非放射状溝と、前記噴孔が対
峙する部位と前記非放射状溝とを連通する放射状溝とに
よって構成するものであってもよい(請求項5)。
【0015】このような構成によれば、高圧燃料は、弁
体がリフトすると噴孔から分岐溝に入り、ノズルボディ
とノズルチップとの接触面に沿って弁体の軸心から一旦
遠ざかるように流れる。その後、分岐溝から分岐孔に入
り、ノズルチップの凹部へ噴射される。そして、凹部内
で衝突されて微粒化され、凹部によって決定される方向
へ噴霧される。このような構成においては、ノズルボデ
ィに何の加工も施す必要がなく、単にノズルチップをノ
ズルボディに取り付ければ衝突型ノズルを構成すること
ができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面により説明する。図1において、噴射ノズル1の要部
が示され、この噴射ノズル1は、ノズルホルダ2の先端
にディスタンスピース3を介してノズルボディ4を設
け、このノズルボディ4の先端にさらにノズルチップ5
を設け、ノズルホルダ2の周囲に螺合されるリテーニン
グナット6によって、これらノズルホルダ2、ディスタ
ンスピース3、ノズルボディ4、及びノズルチップ5が
一体に締結されている。
【0017】ノズルホルダ2の上部には、図示しない燃
料噴射ポンプから圧送される高圧燃料を流入するための
燃料入口が形成され、この燃料入口は、ノズルホルダ2
に形成された通路7a、ディスタンスピース3に形成さ
れた通路7b、ノズルボディ4に形成された通路7cを
整合して構成された燃料流入通路7に通じ、この燃料流
入通路7を介してノズルボディ4に形成された油溜り室
8に通じている。この油溜り室8には、ノズルボディの
嵌挿孔9に摺動自在に挿入されたニードル弁からなる弁
体10の受圧部11が臨んでおり、この受圧部11に燃
料流入通路7を通って油溜り室8に送られる高圧燃料が
導かれるようになっている。
【0018】ノズルボディ4には、図2にも示されるよ
うに、弁体10の弁頭部12が当接する着座面13が油
溜り室8に続いて形成されている。この着座面13は、
弁体10の軸心に対してこの弁体のテーパ部14よりも
僅かではあるがより鋭角に形成されており、したがっ
て、弁頭部12と着座面13とは、厳密に言えば弁頭部
12のテーパ部14へ移行する角部で当接するようにな
っている。そして、ノズルボディ4には、着座面13に
続いてノズルボディ4の端面に開口する噴孔15が形成
されており、この噴孔15には、弁体10の先端に形成
された突部16が挿入可能となっている。尚、弁体は、
図示しないスプリングによって常時着座面に向けて付勢
されている。
【0019】以上のノズルボディ4の構成は、既存のス
ロットルノズルの構成と同様のものであるが、本構成に
あっては、さらにノズルボディ4に分岐孔17が形成さ
れている。この分岐孔17は、一端が着座面13の弁体
当接部位よりも下流側に開口し、他端が噴孔15から離
れたノズルチップ5との接触端面に開口しており、全体
として直線状に穿設され、着座面13からノズルボディ
4の端面にかけて外側へ傾斜するように形成されてい
る。
【0020】これに対して、ノズルチップ5は、ノズル
ボディ4と当接する側が径を拡大したフランジ部18と
なっており、このフランジ部18がノズルボディ4の径
に合わせて形成され、リテーナーナット6とノズルボデ
ィ4とによってフランジ部18を強固に挟持することで
ノズルボディ4の先端に密着されている。そして、この
ノズルチップ5には、ノズル先端に向かって円錐状に広
がる凹部19が形成され、リテーナーナット6の開口端
部は、この凹部19の円錐面に連続するようにカットさ
れている。
【0021】また、ノズルチップ5には、ノズルボディ
4との接触面に環状グルーブ20が形成され、この環状
グルーブ20から吹出孔21が形成されている。環状グ
ルーブ20は、ノズルチップ5をノズルボディ4に密接
させた際に、弁体10の軸心延長上に中心を有し、分岐
孔17の開口部分に臨む径に形成されている。また、吹
出孔21は、環状グルーブ20に一端が開口し、他端が
凹部19の内面に開口するように形成され、全体として
直線状に穿設されると共に環状グルーブ20から凹部1
9内面にかけて内側へ傾斜するように形成されている。
【0022】この吹出孔21は、2つ又は3つ以上形成
されるものであり、必ずしも分岐孔17の数に合わせて
形成される必要はないが、軸心が凹部19の内側で交叉
するように傾斜角が調整されている。尚、各吹出孔21
の軸心は、必ずしも弁体10の軸心延長上で交叉させる
必要はなく、凹部19の内側であれば軸心延長上からず
れた位置で交叉させるようにしてもよい。また、上述し
た分岐孔17や吹出孔21の数、分岐孔17および吹出
孔21の傾斜角は、ある程度の自由度をもって形成でき
るものであり、要請される噴霧形状や噴霧方向、吹出孔
21の開口位置、噴射燃料の衝突位置等を考慮して設計
される。
【0023】また、各分岐孔17の通路断面を合わせた
総断面積は、各吹出孔21の通路断面を合わせた総断面
積に等しいかそれよりも大きくなっている。これは、吹
出孔21の総断面積を分岐孔のそれよりも小さくする
と、燃料が吹出孔21に至った時点で圧力降下が生じ、
良好な微粒化が得られなくなるためであり、また、噴射
率の調節するためには、分岐孔17の総断面積を予め大
きくしておき、吹出孔の径を微調整することで対応でき
るようにしたほうが調整作業も容易であること等によ
る。
【0024】上記構成において、噴射が行われない時に
は、弁体10がスプリングの付勢力によって図中下方へ
付勢され、弁頭部12が着座面13に当接して閉弁し、
油溜り室9と分岐孔17との連通は遮断された状態にあ
る。この状態で、高圧燃料が燃料入口から燃料流入通路
7に送られると、この高圧燃料は油溜り室8に入り、弁
体10の受圧部11に作用して弁体10をスプリングの
付勢力に抗して図中上方へリフトさせる。すると、油溜
り室8と分岐孔17とが連通され、高圧燃料は、分岐孔
17を流れて弁体10の軸心から一旦遠ざかり、しかる
後に吹出孔21を通って弁体10の軸心に向かって流
れ、凹部19に噴射する。そして、各吹出孔21から噴
射する燃料は、凹部19内で衝突し、この衝突によって
微粒化されると共にペネトレーションが押さえられた噴
霧となる。
【0025】各吹出孔21は、ノズルボディ4と当接す
るノズルチップ5の端面から凹部19にかけて内側へ傾
斜するように形成されているので、衝突して微粒化した
粉霧は、その大部分が図中下方へ向かって噴霧されるこ
ととなるが、衝突によって図中上方や側方へ飛散する噴
霧も生じる。しかしながら、燃料の衝突は凹部19の内
側で行われるので、衝突後の噴霧は、噴霧方向が凹部1
9の内面形状によって規制されることとなり、図中下方
へのみ広がる円錐状の噴霧となる。
【0026】上記構成の噴射ノズルを製造するにあたっ
ては、既存のスロットルノズルに分岐孔17を穿設し、
吹出孔21や凹部19を形成したノズルチップ5をノズ
ルボディ4の先端部にリテーニングナット6で締結する
だけでよく、これにより、ノズルボディ4の噴孔15が
ノズルチップ5によって閉塞され、分岐孔17と吹出孔
21との位相がずれて取り付けられた場合でも、環状グ
ルーブ20によって分岐孔17と吹出孔21とは確実に
連通され、既存の噴射ノズルを衝突型ノズルに変更する
ことができる。
【0027】ノズルチップ5は、環状グルーブ20や吹
出孔21、凹部19を形成できる程度の肉厚なものが用
意され、しかも、凹部19を円錐状に形成していること
から、ノズルチップ5の軸方向の強度が高められ、高圧
燃料に対しても充分な耐久性を持たせることができる。
即ち、ノズルチップ5が高圧燃料によって歪み、吹出孔
の傾斜角がずれてしまうような恐れがなくなる。
【0028】また、衝突された燃料は、凹部19によっ
て噴霧方向が最終的に決定される構成となっているの
で、ノズルチップ単体の設計如何によって噴射状態を調
節することができ、複数部材によって噴霧方向が決定さ
れていた従来の構成に比べて格段に管理しやすい構成と
なる。しかも、分岐孔17や吹出孔21は、直線状に形
成されているので、複雑な燃料経路を構築する必要がな
く、バリ、穴ふさぎといった燃料経路の複雑化に伴う問
題も低減され、精度の向上も見込まれる。
【0029】尚、上記構成においては、ノズルチップ5
に環状グルーブ20を形成してノズルボディ4とノズル
チップ5との位置決めを不要とした構成を示したが、環
状グルーブをノズルボディ4側に形成するものであって
も、ノズルボディ4とノズルチップ5とを位置決めピン
等によって位置決めできるのであれば、デッドボリュー
ムを低減する観点から環状グルーブ20をなくすように
してもよい。但し、環状グルーブ20を無くした場合に
は、吹出孔21の数と同数の分岐孔17をノズルボディ
4に形成する必要がある。
【0030】上記構成では、すべての吹出孔21の軸線
を一点で交叉させ、すべての噴射燃料を衝突させる構成
としているが、3つ以上の吹出孔を形成する構成であれ
ば、衝突しない噴射燃料を残すようにしてもよい。ま
た、4つ以上の吹出孔21が形成される構成にあって
は、2つ以上の交叉点を凹部19内に形成するようにし
てもよい。さらには、各吹出孔21の径は、全て同じで
ある必要はなく、噴霧形状の要請等に合わせて異ならせ
るようにしてもよい。
【0031】上記構成では、油圧によって弁体10をリ
フトさせる自動開閉弁にノズルチップ5を設けた場合を
示したが、電磁弁タイプのノズルにあっても同様の構成
とすることはもとより可能であり、上述した作用効果を
得ることができる。また、上記構成では、スロットルノ
ズルを用いてこれにノズルチップを組み付けた構成を示
したが、ピントルノズル等の他のピン型ノズルを流用し
ても、ホール型ノズルにノズルチップを組み合わせて衝
突型ノズルを形成するようにしてもよい。
【0032】図3にこの発明の他の構成例が示され、以
下、異なる点を主として説明し、同一個所には、同一番
号を付して説明を省略する。
【0033】図3に示される燃料噴射ノズル1では、図
1のノズルと異なり、既存のノズルボディ4に分岐孔を
穿設せず、ノズルチップ5の付設のみによって衝突型ノ
ズルを構成しようとするものである。ここで、用いられ
るノズルチップ5は、フランジ部18がノズルボディ4
の径に合わせて形成されている点、フランジ部18がリ
テーナナット6によって先端側から係止され、このリテ
ーナナット6とノズルボディ4とによってフランジ部1
8を強固に挟持することでノズルボディ4の先端にノズ
ルチップを密着するようにしている点、ノズル先端に向
かって円錐状に広がる凹部19が形成されている点、複
数の吹出孔21が先端に向かうにつれて内側へ傾斜され
ている点で図1のノズルチップ5と同様の構成である
が、ノズルボディ4との接触端面に分岐溝25が形成さ
れ、この分岐溝25がノズルボディ4の噴孔15に臨む
ように形成されている。
【0034】例えば、4つの吹出孔21が90度の位相
間隔で形成されている場合の分岐溝25の構成例として
は、ノズルボディ4の噴孔15と対峙する部位から、図
4(a)に示されるように、各吹出孔21にかけて放射
状に形成し、全体として十字形状の分岐溝25に形成す
るものが考えられている。このような構成にあっては、
吹出孔21の一端が放射状に伸びる分岐溝25の終端若
しくは途中に開口し、他端が前記構成例と同様に凹部内
面に開口するように形成される。
【0035】また、分岐溝25の他の構成例としては、
図4(b)に示されるように、ノズルボディの噴孔との
連通を避けるように形成され、且つ、複数(2つ)の吹
出孔21に掛かるように形成された2つの非放射状溝2
5aと、ノズルボディの噴孔と対峙する部位から各非放
射状溝25aに接続する放射状溝25bとによって分岐
溝25を構成するものであってもよい。このような構成
では、吹出孔21の一端が非放射状溝25aの両端部又
はその近傍に開口し、他端が凹部内面に開口するように
形成される。
【0036】上述の分岐溝25は、ノズルチップ5の材
質がシリコンであれば、通常の半導体製造プロセスに利
用されるエッチング加工を利用することによって、ま
た、鉄等の金属であれば、放電加工等を利用することに
よって精度よく形成することができる。
【0037】このような構成において、燃料流入通路7
を通って油溜り室8に供給された燃料は、弁体10がリ
フトすると噴孔15からノズルボディ4とノズルチップ
5との接触面に沿って形成された分岐溝25に入り、弁
体10の軸心から一旦遠ざかるように流れ、その後、分
岐溝25から吹出孔21を通ってノズルチップ5の凹部
19内へ噴射される。そして、凹部19内で衝突された
燃料は、微粒化されて凹部19の開口方向へ噴霧され
る。
【0038】したがって、このような構成においては、
ノズルチップ5をノズルボディ4に単に取り付ければ衝
突型ノズルを構成することができ、また、分岐溝25が
ノズルボディ4の噴孔15に臨むように形成されている
ことから、吹出孔21にばらつきを予定しないものであ
れば、ノズルボディ4とノズルチップ5との位相合わせ
の必要もなくなる。さらに、ノズルボディ4の噴孔15
から直接燃料が供給されるので、図1の構成に比べてデ
ッドボリュームを小さくすることができ、噴射終わりの
燃料の後ダレを低減することができる。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
既存の燃料噴射ノズルにノズルボディの噴孔を覆うノズ
ルチップを設け、このノズルチップに噴射方向へ広がる
凹部を形成すると共にノズルボディの着座面よりも下流
側で連通する複数の吹出孔を形成し、これら吹出孔の軸
線をノズルチップの凹部の内側で交叉するようにしたの
で、現行の噴射ノズルを流用してわずかな変更を加える
だけで衝突型ノズルとすることができ、もって現行の生
産設備に大幅な変更を加える必要がなくなる。
【0040】また、ノズルチップは、凹部等が形成でき
る程度に充分な厚みを有しているので、吹出孔の長さも
充分にとれて吹出孔からの燃料の吹出方向が定まりやす
くなり、また、ノズルチップ自体の強度も強められて高
圧燃料によっても変形しにくいものとなる。このため、
ディーゼル機関用の噴射ノズルとして用いてもガソリン
機関用の噴射ノズルと同様に1本のノズルで精度の高い
衝突噴霧を実現することができ、また、機関への取り付
けスペースに制約されることもなくなり、ディーゼルエ
ンジンで要求される予混合希薄燃焼を得るのに適した噴
射ノズルを提供することができる。
【0041】さらに、ノズルチップに凹部を同時に形成
したことにより、噴霧方向をもノズルチップのみによっ
て調節することができ、噴射精度の管理が容易になる等
の利点も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明にかかる燃料噴射ノズルの要
部の構成例を示す断面図である。
【図2】図2は、図1のノズルチップとその周辺を拡大
した断面図である。
【図3】図3は、この発明にかかる燃料噴射ノズルの要
部の他の構成例を示す断面図である。
【図4】図4は、ノズルチップのノズルボディとの当接
端面を示すもので、図4(a)は、分岐溝を十字形状に
形成した例を、図4(b)は、分岐溝を非放射状溝と放
射状溝とによって構成した例を示す。
【符号の説明】
1 燃料噴射ノズル 4 ノズルボディ 5 ノズルチップ 13 着座面 15 噴孔 18 分岐孔 19 凹部 21 吹出孔 25 分岐溝 25a 非放射状溝 25b 放射状溝

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁体が着座する着座面とこの着座面の弁
    体当接部位よりも下流側に形成される噴孔とを有するノ
    ズルボディを備え、前記弁体のリフト時に前記着座面の
    上流側から供給される燃料を前記噴孔へ導く燃料噴射ノ
    ズルにおいて、 前記ノズルボディに前記噴孔を覆うノズルチップを設
    け、このノズルチップに噴射方向へ広がる凹部を形成す
    ると共に前記ノズルボディの弁体当接部位よりも下流側
    に通じる複数の吹出孔を形成し、前記複数の吹出孔のう
    ちの2以上の吹出孔の軸線を前記凹部の内側で交叉する
    ようにしたことを特徴とする燃料噴射ノズル。
  2. 【請求項2】 前記ノズルボディに、前記着座面の弁体
    当接部位よりも下流側に一端を開口し、前記ノズルチッ
    プとの当接端面に他端を開口する分岐孔を形成し、前記
    吹出孔を前記分岐孔と流体的に接続するようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載の燃料噴射ノズル。
  3. 【請求項3】 前記ノズルボディの噴孔は単一の噴孔か
    らなり、この噴孔と連通して分岐する分岐溝を前記ノズ
    ルチップのノズルボディとの当接端面に形成し、前記吹
    出孔を前記分岐溝と流体的に接続するようにしたことを
    特徴とする請求項1記載の燃料噴射ノズル。
  4. 【請求項4】 前記分岐溝は、前記噴孔が対峙する部位
    から各吹出孔にかけて放射状に形成されている請求項3
    記載の燃料噴射ノズル。
  5. 【請求項5】 前記分岐溝は、前記噴孔が対峙する部位
    を避けるように形成されると共に前記吹出孔が接続され
    る非放射状溝と、前記噴孔が対峙する部位と前記非放射
    状溝とを連通する放射状溝とによって構成される請求項
    3記載の燃料噴射ノズル。
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