JPH07206874A - トリス(シリル)アルカンとその製造方法 - Google Patents
トリス(シリル)アルカンとその製造方法Info
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- JPH07206874A JPH07206874A JP5324059A JP32405993A JPH07206874A JP H07206874 A JPH07206874 A JP H07206874A JP 5324059 A JP5324059 A JP 5324059A JP 32405993 A JP32405993 A JP 32405993A JP H07206874 A JPH07206874 A JP H07206874A
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- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 銅触媒の存在下で、トリクロロアルカン
(I)と、塩化水素又はアルキルクロリド(II)の混合
気体を、200〜360℃の反応温度で、金属ケイ素と
直接反応させ、式(III)、式(IV)、式(V)、及び式
(VI)のトリス(シリル)アルカンを同時に製造する方
法。 【化7】 上記式中、Rはメチル又は水素であり、R´は水素、低
級アルキル又は−CH2 CH2 Clである。 【効果】 これらジクロロヒドロシリル基を有するトリ
ス(シリル)アルカンは、不飽和結合を有する有機化合
物に付加反応させて、種々の有機官能基を有するケイ素
化合物を製造するのに有用な出発物質である。
(I)と、塩化水素又はアルキルクロリド(II)の混合
気体を、200〜360℃の反応温度で、金属ケイ素と
直接反応させ、式(III)、式(IV)、式(V)、及び式
(VI)のトリス(シリル)アルカンを同時に製造する方
法。 【化7】 上記式中、Rはメチル又は水素であり、R´は水素、低
級アルキル又は−CH2 CH2 Clである。 【効果】 これらジクロロヒドロシリル基を有するトリ
ス(シリル)アルカンは、不飽和結合を有する有機化合
物に付加反応させて、種々の有機官能基を有するケイ素
化合物を製造するのに有用な出発物質である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トリス(シリル)アル
カン類とその製造方法に関する。
カン類とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属ケイ素と有機ハロゲン化合物を、銅
触媒の存在下で反応させてメチルクロロシラン類を製造
する方法が、米国特許2,380,995号明細書に紹
介されて以来、今日シリコン工業ではこの技術を基礎と
している。
触媒の存在下で反応させてメチルクロロシラン類を製造
する方法が、米国特許2,380,995号明細書に紹
介されて以来、今日シリコン工業ではこの技術を基礎と
している。
【0003】 Si+2CH3 Cl→(CH3)2 SiCl2
【0004】上記反応では、ジメチルジクロロシランだ
けでなく、メチルトリクロロシラン、トリメチルクロロ
シラン、テトラクロロシラン等の生成物が得られる。こ
れらの外にも少量の沸点の高い物質も得られ、生成物の
組成が反応条件によって異なる複雑な反応であるため、
主生成物であるジメチルジクロロシランを効果的に得る
には、反応条件例えば出発物質の純度、触媒の種類、そ
の使用量、助触媒、反応温度、反応圧力、使用する反応
槽の形態等を考慮しなければならない。
けでなく、メチルトリクロロシラン、トリメチルクロロ
シラン、テトラクロロシラン等の生成物が得られる。こ
れらの外にも少量の沸点の高い物質も得られ、生成物の
組成が反応条件によって異なる複雑な反応であるため、
主生成物であるジメチルジクロロシランを効果的に得る
には、反応条件例えば出発物質の純度、触媒の種類、そ
の使用量、助触媒、反応温度、反応圧力、使用する反応
槽の形態等を考慮しなければならない。
【0005】金属ケイ素と有機塩化物の直接反応におい
ては、触媒を使用しなければ反応がよく進行しないこと
が知られており、銅が最も良い触媒として知られてい
る。或る場合には、亜鉛、アルミニウム、カドミウム等
の金属を助触媒として使用することもある。助触媒は反
応開始時間を短縮させ、生成物中でジメチルジクロロシ
ラン生成の選択性を高める(E.G. Rachow, J. Am. Che
m. Soc., 67, 963 (1945))。銅触媒の使用量を増加す
れば反応は速くなるが、生成物中の塩素含量が高くなる
傾向がある。そのため、ケイ素とメチルクロリドとの反
応ではケイ素の重量に対して10%程度の銅を触媒とし
て使用しなければならない。
ては、触媒を使用しなければ反応がよく進行しないこと
が知られており、銅が最も良い触媒として知られてい
る。或る場合には、亜鉛、アルミニウム、カドミウム等
の金属を助触媒として使用することもある。助触媒は反
応開始時間を短縮させ、生成物中でジメチルジクロロシ
ラン生成の選択性を高める(E.G. Rachow, J. Am. Che
m. Soc., 67, 963 (1945))。銅触媒の使用量を増加す
れば反応は速くなるが、生成物中の塩素含量が高くなる
傾向がある。そのため、ケイ素とメチルクロリドとの反
応ではケイ素の重量に対して10%程度の銅を触媒とし
て使用しなければならない。
【0006】触媒として使用する銅は、金属ケイ素とη
−状のCu3 Siのケイ素結合を形成し、このη−状の
Cu3 Siが有機塩化物と反応することが報告されてい
るが(V.S. Fikhtengolts and A.L. Klebanskii, J. Ge
n. Chem. U.S.S.R, 27, 2535(1957))、η−状のCu3
Siを形成させる方法としては、不活性気体下で銅とケ
イ素を800〜1,100℃に加熱する物理的な方法
〔P. Trambouze, and B.Imelik, J. Chim. Phys., 51,
505 (1954)〕と、塩化第1銅をケイ素と反応させる化
学的な方法〔(R.J.H. Voorhoeve and J.C. Ulugter,
J. Catalysis, 4,129 (1965)〕が知られている。
−状のCu3 Siのケイ素結合を形成し、このη−状の
Cu3 Siが有機塩化物と反応することが報告されてい
るが(V.S. Fikhtengolts and A.L. Klebanskii, J. Ge
n. Chem. U.S.S.R, 27, 2535(1957))、η−状のCu3
Siを形成させる方法としては、不活性気体下で銅とケ
イ素を800〜1,100℃に加熱する物理的な方法
〔P. Trambouze, and B.Imelik, J. Chim. Phys., 51,
505 (1954)〕と、塩化第1銅をケイ素と反応させる化
学的な方法〔(R.J.H. Voorhoeve and J.C. Ulugter,
J. Catalysis, 4,129 (1965)〕が知られている。
【0007】nSi+CuCl→SiCl4 +Cu3
Si+Cu+(n−2)Si
Si+Cu+(n−2)Si
【0008】ケイ素とメチルクロリドとの反応は、30
0℃以上の高温で起こる発熱反応であるから、反応熱を
効果的に除去できなければ、反応物質が凝固して部分的
な過熱状態が形成される〔A.L. Klibam Skii and V.S.
Fikhtengolts, J. Gen. Chem. U.S.S.R., 27, 2693 (19
57)〕。反応温度が適正温度より高ければ、所望のジメ
チルジクロロシランの生成量が減少し、副反応が多く起
こり、出発物質であるメチルクロリドや生成物が分解し
てケイ素の表面に炭素が蒸着する。これによりケイ素の
活性は急激に低下する〔J.C. Vlugter, and R.J.H. Voo
rhoeve, Conf.Accad, Lin cei, Alta Tech. Chim. 1961
P.81 (1962)〕。そのため、直接法でジメチルジクロ
ロシランを合成するには、反応温度を調節することが極
めて重要である。
0℃以上の高温で起こる発熱反応であるから、反応熱を
効果的に除去できなければ、反応物質が凝固して部分的
な過熱状態が形成される〔A.L. Klibam Skii and V.S.
Fikhtengolts, J. Gen. Chem. U.S.S.R., 27, 2693 (19
57)〕。反応温度が適正温度より高ければ、所望のジメ
チルジクロロシランの生成量が減少し、副反応が多く起
こり、出発物質であるメチルクロリドや生成物が分解し
てケイ素の表面に炭素が蒸着する。これによりケイ素の
活性は急激に低下する〔J.C. Vlugter, and R.J.H. Voo
rhoeve, Conf.Accad, Lin cei, Alta Tech. Chim. 1961
P.81 (1962)〕。そのため、直接法でジメチルジクロ
ロシランを合成するには、反応温度を調節することが極
めて重要である。
【0009】直接法で使用する反応槽の形態は、固定
型、撹拌型、流動型反応槽がある。撹拌型反応槽は、固
定型反応槽よりは温度調節が容易で、固体粒子が互いに
衝突しながら表面を新しくする効果があるために反応性
が良い。触媒として使用する銅は、反応物質である金属
ケイ素の密度より約3倍高く、2つの金属を効果的に混
合することが非常に難しい。このような難点を解決する
ために、螺旋型撹拌器を備え、底にある固体を上に汲み
上げながら、有機塩化物を気体状態で下から吹き上げな
がら反応させる方法が紹介されている(J.E. Sellers a
nd J.L. Davis 、米国特許第2,449,821号)。
しかし、この工程は腐蝕性の強い有機塩化物を高温で反
応させなければならないから、これに適合した耐腐蝕性
撹拌器を求めるのが難しく、大量生産と連続製法にも適
当でない。このような欠点を補完する工程として、メチ
ルクロリドを反応槽の底から吹き上げ、ケイ素と銅触媒
を流動化させながら反応させる流動型反応槽が開発され
た(B.A. Bluestrin、米国特許第2,887,502
号)。この方法は反応熱を効果的に除去することができ
るのでメチルクロロシラン類の製造に広く使用されてい
る。
型、撹拌型、流動型反応槽がある。撹拌型反応槽は、固
定型反応槽よりは温度調節が容易で、固体粒子が互いに
衝突しながら表面を新しくする効果があるために反応性
が良い。触媒として使用する銅は、反応物質である金属
ケイ素の密度より約3倍高く、2つの金属を効果的に混
合することが非常に難しい。このような難点を解決する
ために、螺旋型撹拌器を備え、底にある固体を上に汲み
上げながら、有機塩化物を気体状態で下から吹き上げな
がら反応させる方法が紹介されている(J.E. Sellers a
nd J.L. Davis 、米国特許第2,449,821号)。
しかし、この工程は腐蝕性の強い有機塩化物を高温で反
応させなければならないから、これに適合した耐腐蝕性
撹拌器を求めるのが難しく、大量生産と連続製法にも適
当でない。このような欠点を補完する工程として、メチ
ルクロリドを反応槽の底から吹き上げ、ケイ素と銅触媒
を流動化させながら反応させる流動型反応槽が開発され
た(B.A. Bluestrin、米国特許第2,887,502
号)。この方法は反応熱を効果的に除去することができ
るのでメチルクロロシラン類の製造に広く使用されてい
る。
【0010】1958年にPetrovと彼の共同研究者ら
は、初めてジクロロメチル基を有するシラン類を金属ケ
イ素と直接反応させ、種々のシラアルカン類を合成する
ことができると報告した〔A.D. Petrov, S.I. Sadykh-Z
ade, E.A. Chernyshev, and V.F. Mironov, Zh, Obshe
h. Khim, 26, 1248 (1956)〕。しかし、ジクロロメチ
ルトリクロロシランを360℃でケイ素と反応させ、わ
ずか14%のトリス(トリクロロシリル)メタンを得、
70%程度が出発物質が分解して生じた副産物であっ
た。しかしビス(トリクロロシリル)ジクロロメタンを
ケイ素と反応させた場合は、予想されるテトラキスシリ
ルメタン化合物は得られなく、出発物質の分解による化
合物等だけが得られると報告している。
は、初めてジクロロメチル基を有するシラン類を金属ケ
イ素と直接反応させ、種々のシラアルカン類を合成する
ことができると報告した〔A.D. Petrov, S.I. Sadykh-Z
ade, E.A. Chernyshev, and V.F. Mironov, Zh, Obshe
h. Khim, 26, 1248 (1956)〕。しかし、ジクロロメチ
ルトリクロロシランを360℃でケイ素と反応させ、わ
ずか14%のトリス(トリクロロシリル)メタンを得、
70%程度が出発物質が分解して生じた副産物であっ
た。しかしビス(トリクロロシリル)ジクロロメタンを
ケイ素と反応させた場合は、予想されるテトラキスシリ
ルメタン化合物は得られなく、出発物質の分解による化
合物等だけが得られると報告している。
【0011】その後、Mullerと彼の共同研究者も、ビス
(トリクロロシリル)ジクロロメタンをケイ素と反応さ
せた場合は、予想されたテトラキスシリルメタン化合物
は得られなく、出発物質の分解による化合物等だけが得
られたと報告している〔R. Muller and H. Beyer, Che
m. Ber., 92, 1957 (1959); 96, 2894 (1963)〕。
(トリクロロシリル)ジクロロメタンをケイ素と反応さ
せた場合は、予想されたテトラキスシリルメタン化合物
は得られなく、出発物質の分解による化合物等だけが得
られたと報告している〔R. Muller and H. Beyer, Che
m. Ber., 92, 1957 (1959); 96, 2894 (1963)〕。
【0012】本発明者らは、クロロメチル基を有するシ
ラン類を、ケイ素と直接反応させるにさいして、流動型
反応槽を使用するか、螺旋型撹拌器を備えた撹拌型反応
槽中で、反応温度を350℃以下に調節し、銅触媒を約
10%、15%を越えないように維持しながら反応さ
せ、トリスシリルメタン類を主生成物として得、若干の
ビスシリルメタンを副産物として得た。流動化を助ける
ために、ケイ素の使用量に対し5〜50%の球型の微細
粉末酸性白土を使用した場合は、流動化がより良くで
き、ケイ素の反応性と生成物の選択性もより良い結果を
得た(I.N. Jung, G. -H. Lee, S.H. Yeon and M. -Y.
Suk 、米国特許第5,075,477号)。
ラン類を、ケイ素と直接反応させるにさいして、流動型
反応槽を使用するか、螺旋型撹拌器を備えた撹拌型反応
槽中で、反応温度を350℃以下に調節し、銅触媒を約
10%、15%を越えないように維持しながら反応さ
せ、トリスシリルメタン類を主生成物として得、若干の
ビスシリルメタンを副産物として得た。流動化を助ける
ために、ケイ素の使用量に対し5〜50%の球型の微細
粉末酸性白土を使用した場合は、流動化がより良くで
き、ケイ素の反応性と生成物の選択性もより良い結果を
得た(I.N. Jung, G. -H. Lee, S.H. Yeon and M. -Y.
Suk 、米国特許第5,075,477号)。
【0013】
【化3】
【0014】上記式中、R1 、R2 及びR3 は、それぞ
れメチル基を又は塩素原子を示す。
れメチル基を又は塩素原子を示す。
【0015】本発明者らは、金属ケイ素にクロロメチル
基を有するクロロシラン類をケイ素と反応させるにさい
して、塩化水素を共に使用すれば、ジクロロシリル基を
有するビス(シリル)メタンとトリクロロシリル基を有
するビス(シリル)メタン類が同時に得られることを知
った。この反応で、塩化水素の代りに反応温度で分解し
て塩化水素を生成することのできるアルキルクロリドを
使用しても、同じ結果を得ることができた。このアルキ
ルクロリドの例を挙げれば、1,2−ジクロロエタン、
プロピルクロリド、n−ブチルクロリド、t−ブチルク
ロリド等がある(韓国特許出願番号91−2424
3)。
基を有するクロロシラン類をケイ素と反応させるにさい
して、塩化水素を共に使用すれば、ジクロロシリル基を
有するビス(シリル)メタンとトリクロロシリル基を有
するビス(シリル)メタン類が同時に得られることを知
った。この反応で、塩化水素の代りに反応温度で分解し
て塩化水素を生成することのできるアルキルクロリドを
使用しても、同じ結果を得ることができた。このアルキ
ルクロリドの例を挙げれば、1,2−ジクロロエタン、
プロピルクロリド、n−ブチルクロリド、t−ブチルク
ロリド等がある(韓国特許出願番号91−2424
3)。
【0016】
【化4】
【0017】式中、R1 、R2 及びR3 は、それぞれメ
チル基又は塩素原子を示す。
チル基又は塩素原子を示す。
【0018】本発明者らは、上記の反応で、クロロメチ
ル基を有するシラン類を反応させる代りに、メチレンク
ロリドを塩化水素と共に使用すれば、分子の両側にジク
ロロシリル基を有するビス(シリル)メタンとトリクロ
ロシリル基を有するビス(シリル)メタン、そして一方
にトリクロロシリル基を有し、異なる一方にジクロロシ
リル基を有するビス(シリル)メタン類が同時に得られ
ることを知った〔韓国特許出願番号92−935(9
2.1.23)〕。
ル基を有するシラン類を反応させる代りに、メチレンク
ロリドを塩化水素と共に使用すれば、分子の両側にジク
ロロシリル基を有するビス(シリル)メタンとトリクロ
ロシリル基を有するビス(シリル)メタン、そして一方
にトリクロロシリル基を有し、異なる一方にジクロロシ
リル基を有するビス(シリル)メタン類が同時に得られ
ることを知った〔韓国特許出願番号92−935(9
2.1.23)〕。
【0019】
【化5】
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者は、金属ケイ素
に一般式(I)のトリス(シリル)アルカンを反応させ
るにさいして、一般式(II)の化合物を塩化水素の供給
源として共に使用すれば、一般式(III)、(IV)、
(V)及び(VI)のトリス(シリル)アルカン類が得ら
れることを知った。
に一般式(I)のトリス(シリル)アルカンを反応させ
るにさいして、一般式(II)の化合物を塩化水素の供給
源として共に使用すれば、一般式(III)、(IV)、
(V)及び(VI)のトリス(シリル)アルカン類が得ら
れることを知った。
【0021】すなわち、本発明は、一般式(I)のトリ
クロロアルカンと、一般式(II)の塩化水素又は反応温
度で塩化水素を発生するアルキルクロリドの混合物を、
銅触媒の存在下で金属ケイ素と直接反応させて、一般式
(III)のジクロロシリル基3個を有するトリス(シリ
ル)アルカン、一般式(IV)のジクロロシリル基を2個
とトリクロロシリル基1個を有するトリス(シリル)ア
ルカン、一般式(V)のジクロロシリル基1個とトリク
ロロシリル基1個を有するトリス(シリル)アルカン及
び一般式(VI)のトリクロロシリル基3個を有するトリ
ス(シリル)アルカンを同時に製造する方法に関するも
のである。
クロロアルカンと、一般式(II)の塩化水素又は反応温
度で塩化水素を発生するアルキルクロリドの混合物を、
銅触媒の存在下で金属ケイ素と直接反応させて、一般式
(III)のジクロロシリル基3個を有するトリス(シリ
ル)アルカン、一般式(IV)のジクロロシリル基を2個
とトリクロロシリル基1個を有するトリス(シリル)ア
ルカン、一般式(V)のジクロロシリル基1個とトリク
ロロシリル基1個を有するトリス(シリル)アルカン及
び一般式(VI)のトリクロロシリル基3個を有するトリ
ス(シリル)アルカンを同時に製造する方法に関するも
のである。
【0022】
【化6】
【0023】式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、
R´は水素原子、アルキル基(C1−C4 )又は−CH2
CH2 Cl基を示す。
R´は水素原子、アルキル基(C1−C4 )又は−CH2
CH2 Cl基を示す。
【0024】一般式(II)の化合物の例を挙げれば、塩
化水素1,2−ジクロロエタン、プロピルクロリド、n
−ブチルクロリド、t−ブチルクロリド等があげられ
る。特に塩化水素を使用するか、反応温度で分解して容
易に塩化水素を生成するブチルクロリドのようなアルキ
ルクロリドを共に使用すれば、一般式(III )のジクロ
ロシリル基3個を有するトリス(シリル)アルカンを主
生成物として得、1,2−ジクロロエタンのような分解
して塩化水素を容易に発生するアルキルクロリドを共に
使用すれば、一般式(VI)のトリクロロシリル基3個を
有するトリス(シリル)アルカンを主生成物として得る
ことができる。
化水素1,2−ジクロロエタン、プロピルクロリド、n
−ブチルクロリド、t−ブチルクロリド等があげられ
る。特に塩化水素を使用するか、反応温度で分解して容
易に塩化水素を生成するブチルクロリドのようなアルキ
ルクロリドを共に使用すれば、一般式(III )のジクロ
ロシリル基3個を有するトリス(シリル)アルカンを主
生成物として得、1,2−ジクロロエタンのような分解
して塩化水素を容易に発生するアルキルクロリドを共に
使用すれば、一般式(VI)のトリクロロシリル基3個を
有するトリス(シリル)アルカンを主生成物として得る
ことができる。
【0025】一般式(I)のトリクロロアルカンと、一
般式(II)の塩化水素又はアルキルクロリドは、金属ケ
イ素と反応させる前に気体状態で混合するか、一般式
(I)の化合物を液体状態にある一般式(II)の化合物
に吹き入れて混ぜることもできる。2つの化合物の混合
は、重量比で又は容量比でどの比率でも混ぜることがで
きる。しかし一般式(II)の比率が高くなれば、生成物
において一般式(III )の比率が高くなる。一般式(II
I )のケイ素と水素の結合とを有する化合物の生成比率
を高くしたければ、混合する一般式(II)のモル数を一
般式(I)の1モル当り0.1〜12.0モル使用する
ことができるが、4.5〜9.0モルが適当である。
般式(II)の塩化水素又はアルキルクロリドは、金属ケ
イ素と反応させる前に気体状態で混合するか、一般式
(I)の化合物を液体状態にある一般式(II)の化合物
に吹き入れて混ぜることもできる。2つの化合物の混合
は、重量比で又は容量比でどの比率でも混ぜることがで
きる。しかし一般式(II)の比率が高くなれば、生成物
において一般式(III )の比率が高くなる。一般式(II
I )のケイ素と水素の結合とを有する化合物の生成比率
を高くしたければ、混合する一般式(II)のモル数を一
般式(I)の1モル当り0.1〜12.0モル使用する
ことができるが、4.5〜9.0モルが適当である。
【0026】本発明で使用する反応槽は、撹拌型か流動
型反応槽が良く、回分式でも連続的に反応させることが
可能である。
型反応槽が良く、回分式でも連続的に反応させることが
可能である。
【0027】金属ケイ素は工業用ケイ素を使用しうる
が、その純度が95%以上であれば使用が可能であり、
望ましくは98%以上であるものが好ましい。反応に適
合したケイ素粉末の大きさは1から200ミクロン迄の
粉末が適当であるが、反応槽の大きさと形に従い、適当
なケイ素粉末の大きさと分布の選択は異なることができ
る。流動型反応槽を使用する場合には、20から200
ミクロン迄の粉末が適当である。
が、その純度が95%以上であれば使用が可能であり、
望ましくは98%以上であるものが好ましい。反応に適
合したケイ素粉末の大きさは1から200ミクロン迄の
粉末が適当であるが、反応槽の大きさと形に従い、適当
なケイ素粉末の大きさと分布の選択は異なることができ
る。流動型反応槽を使用する場合には、20から200
ミクロン迄の粉末が適当である。
【0028】反応温度は200℃から360℃迄可能で
あるが、好ましくは250〜350℃、より好ましくは
260℃から320℃が適当である。反応圧力は常圧か
ら5気圧迄使用することができ、圧力を高めれば反応速
度が速くなる。
あるが、好ましくは250〜350℃、より好ましくは
260℃から320℃が適当である。反応圧力は常圧か
ら5気圧迄使用することができ、圧力を高めれば反応速
度が速くなる。
【0029】触媒は、金属銅又は反応条件で銅を遊離し
うる銅化合物を使用することができる。銅の使用量は1
%から20%迄使用しうるが、好ましくは5〜10%が
適当である。銅触媒以外に、銅の重量に対し0.001
%から5%の間の助触媒を使用すれば、反応が速くなる
か又は特定生成物に対する選択性を高めることができ
る。この反応に適当な助触媒の例を挙げれば次の通りで
あるが、これに制限されるものではない。カルシウム、
錫、亜鉛、カドミウム、マンガン、マグネシウム、銀、
クロム等の金属と、反応条件でこの金属を生成すること
のできる金属化合物を使用することができる。
うる銅化合物を使用することができる。銅の使用量は1
%から20%迄使用しうるが、好ましくは5〜10%が
適当である。銅触媒以外に、銅の重量に対し0.001
%から5%の間の助触媒を使用すれば、反応が速くなる
か又は特定生成物に対する選択性を高めることができ
る。この反応に適当な助触媒の例を挙げれば次の通りで
あるが、これに制限されるものではない。カルシウム、
錫、亜鉛、カドミウム、マンガン、マグネシウム、銀、
クロム等の金属と、反応条件でこの金属を生成すること
のできる金属化合物を使用することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明のジクロロヒドロシリル基を有す
るトリス(シリル)アルカンは、不飽和結合を有する有
機化合物に付加反応させて、種々の有機官能基を有する
ケイ素化合物を製造するのに有用な原料物質である。
るトリス(シリル)アルカンは、不飽和結合を有する有
機化合物に付加反応させて、種々の有機官能基を有する
ケイ素化合物を製造するのに有用な原料物質である。
【0031】
【実施例】以下の実施例は、本発明をより詳細に説明す
るもので、本発明がこれにより限定されるものではな
い。
るもので、本発明がこれにより限定されるものではな
い。
【0032】実施例1.Si/Cu接触混合物の製造
(I) 金属ケイ素360g(100〜325mesh)と塩化第1銅
(CuCl)62.3mgを反応槽に入れ、反応槽の温度
を250℃に高めた後、乾燥した窒素を流しながら約2
時間乾燥させた。乾燥後、反応槽の温度を370℃迄上
げれば、その反応生成物としてテトラクロロシランが生
成し、その結果、活性の大きいSi/Cu接触混合物が
生成する。この温度で約3時間維持して接触混合物を生
成させた後に、反応生成物であるテトラクロロシランを
採取した。主触媒である銅以外の助触媒として、カドミ
ウム、錫、亜鉛等を使用する場合には、接触混合物の生
成が完了した後に、反応槽の上部をあけ、必要量の助触
媒を投入し、撹拌して良く混ぜた後反応させた。
(I) 金属ケイ素360g(100〜325mesh)と塩化第1銅
(CuCl)62.3mgを反応槽に入れ、反応槽の温度
を250℃に高めた後、乾燥した窒素を流しながら約2
時間乾燥させた。乾燥後、反応槽の温度を370℃迄上
げれば、その反応生成物としてテトラクロロシランが生
成し、その結果、活性の大きいSi/Cu接触混合物が
生成する。この温度で約3時間維持して接触混合物を生
成させた後に、反応生成物であるテトラクロロシランを
採取した。主触媒である銅以外の助触媒として、カドミ
ウム、錫、亜鉛等を使用する場合には、接触混合物の生
成が完了した後に、反応槽の上部をあけ、必要量の助触
媒を投入し、撹拌して良く混ぜた後反応させた。
【0033】実施例2.Si/Cu接触混合物の製造
(II) 金属ケイ素360g(100〜325mesh)と銅触媒40
g を反応槽に入れ、実施例1の条件で乾燥させた。乾燥
後、反応槽の温度を350℃に上げ、メチルクロリドを
反応槽下部の予熱管を通じて吹き入れてやれば、初期に
は若干の水が生成し、約40〜70分後にはそれらの反
応生成物としてジメチルジクロロシランとメチルトリク
ロロシランが生成し始め、受けフラスコに集められる。
これらが生成し始めるのは、Si/Cu接触混合物が生
成している証拠であり、約2時間メチルクロリドと反応
させた後、メチルクロリドの供給を中断し、受けフラス
コの反応生成物を取り出した。反応に助触媒が必要な場
合には、実施例1で述べたような方法で投入し、反応さ
せた。
(II) 金属ケイ素360g(100〜325mesh)と銅触媒40
g を反応槽に入れ、実施例1の条件で乾燥させた。乾燥
後、反応槽の温度を350℃に上げ、メチルクロリドを
反応槽下部の予熱管を通じて吹き入れてやれば、初期に
は若干の水が生成し、約40〜70分後にはそれらの反
応生成物としてジメチルジクロロシランとメチルトリク
ロロシランが生成し始め、受けフラスコに集められる。
これらが生成し始めるのは、Si/Cu接触混合物が生
成している証拠であり、約2時間メチルクロリドと反応
させた後、メチルクロリドの供給を中断し、受けフラス
コの反応生成物を取り出した。反応に助触媒が必要な場
合には、実施例1で述べたような方法で投入し、反応さ
せた。
【0034】触媒の配合比が異なるSi/Cu接触混合
物を準備して使用したが、その組成は表1の通りであ
る。
物を準備して使用したが、その組成は表1の通りであ
る。
【0035】
【表1】
【0036】実施例3.クロロホルムと塩化水素の1:
6混合気体と金属ケイ素との反応 本実施例は、実験番号1が典型的な例である。実施例2
で準備した試料番号I−3のSi/Cu接触混合物40
2g を撹拌型反応槽に入れ、反応槽温度を260℃に高
めた後、反応槽下部の注入器ポンプにクロロホルムを入
れ、窒素気体を200ml/minの速度で吹き入れながら、
同時に塩化水素を280ml/minの速度で反応槽に流入さ
せ、クロロホルムは10.0ml/hr.の速度で流入させた
(クロロホルムと塩化水素とのモル比=1:6)。反応
開始1分後から発熱反応による温度上昇が観察でき、反
応生成物が反応槽上部に設置された受けフラスコに集ま
り始めた。このような条件を継続維持しながら、1時間
毎に反応生成物を取り出し、2時間の間に使用したクロ
ロホルムは29.4g であり、取り出した反応生成物は
55.1g であった。ここで生成した反応生成物は気体
クロマトグラフ(packed column, 5%SE-54, 1.5m×1/8
″O.D., SS, TCD)を使用して分析し、各成分を分別蒸
溜して核磁気共鳴分光分析器でその構造を確認した。
6混合気体と金属ケイ素との反応 本実施例は、実験番号1が典型的な例である。実施例2
で準備した試料番号I−3のSi/Cu接触混合物40
2g を撹拌型反応槽に入れ、反応槽温度を260℃に高
めた後、反応槽下部の注入器ポンプにクロロホルムを入
れ、窒素気体を200ml/minの速度で吹き入れながら、
同時に塩化水素を280ml/minの速度で反応槽に流入さ
せ、クロロホルムは10.0ml/hr.の速度で流入させた
(クロロホルムと塩化水素とのモル比=1:6)。反応
開始1分後から発熱反応による温度上昇が観察でき、反
応生成物が反応槽上部に設置された受けフラスコに集ま
り始めた。このような条件を継続維持しながら、1時間
毎に反応生成物を取り出し、2時間の間に使用したクロ
ロホルムは29.4g であり、取り出した反応生成物は
55.1g であった。ここで生成した反応生成物は気体
クロマトグラフ(packed column, 5%SE-54, 1.5m×1/8
″O.D., SS, TCD)を使用して分析し、各成分を分別蒸
溜して核磁気共鳴分光分析器でその構造を確認した。
【0037】ここで生成した反応生成物の組成は、1,
1,3,3−テトラクロロ−2−(ジクロロシリル)−
1,3−ジシラプロパン(一般式III )23.7g(4
3.0%)〔NMR(CDCl3), δ, 5.83(s, 3H, Si-H), 1.5
6(s, 1H, -CH=)と;1,1,1,3,3−ペンタクロロ
−2−(ジクロロシリル)−1,3−ジシラプロパン
(一般式IV)7.8g(14.2%)〔NMR(CDCl3), δ,
5.86(s, 2H, Si-H), 1.83(s, 1H, -CH=);1,1,1,
3,3,3−ヘキサクロロ−2−(ジクロロシリル)−
1,3−ジシラプロパン(一般式V)0.5g(0.9
%)〔NMR(CDCl3), δ, 5.89(s, 1H, Si-H), 2.10(s, 1
H, -CH=);そして1,1,1,3,3,3−ヘキサクロ
ロ−2−(トリクロロシリル)−1,3−ジシラプロパ
ン(一般式VI)0.2g (0.4%)〔NMR(CDCl3),
δ, 2.37(s, 1H, -CH=) が得られた。これらの外に副産
物として、出発物質クロロホルムが塩化水素により還元
されて生成したメチレンクロリドが、更に塩化水素と共
にケイ素が反応し、1,1,3,3−テトラクロロ−
1,3−ジシラプロパンと1,1,1,3,3−ペンタ
クロロ−1,3−ジシラプロパン、そして1,1,1,
3,3,3−ヘキサクロロ−1,3−ジシラプロパンも
各々11.8%、4.5%そして1.3%生成した。そ
の他の副産物23.9%中には、トリクロロシランが1
8.7%、残りは未確認物質であった。
1,3,3−テトラクロロ−2−(ジクロロシリル)−
1,3−ジシラプロパン(一般式III )23.7g(4
3.0%)〔NMR(CDCl3), δ, 5.83(s, 3H, Si-H), 1.5
6(s, 1H, -CH=)と;1,1,1,3,3−ペンタクロロ
−2−(ジクロロシリル)−1,3−ジシラプロパン
(一般式IV)7.8g(14.2%)〔NMR(CDCl3), δ,
5.86(s, 2H, Si-H), 1.83(s, 1H, -CH=);1,1,1,
3,3,3−ヘキサクロロ−2−(ジクロロシリル)−
1,3−ジシラプロパン(一般式V)0.5g(0.9
%)〔NMR(CDCl3), δ, 5.89(s, 1H, Si-H), 2.10(s, 1
H, -CH=);そして1,1,1,3,3,3−ヘキサクロ
ロ−2−(トリクロロシリル)−1,3−ジシラプロパ
ン(一般式VI)0.2g (0.4%)〔NMR(CDCl3),
δ, 2.37(s, 1H, -CH=) が得られた。これらの外に副産
物として、出発物質クロロホルムが塩化水素により還元
されて生成したメチレンクロリドが、更に塩化水素と共
にケイ素が反応し、1,1,3,3−テトラクロロ−
1,3−ジシラプロパンと1,1,1,3,3−ペンタ
クロロ−1,3−ジシラプロパン、そして1,1,1,
3,3,3−ヘキサクロロ−1,3−ジシラプロパンも
各々11.8%、4.5%そして1.3%生成した。そ
の他の副産物23.9%中には、トリクロロシランが1
8.7%、残りは未確認物質であった。
【0038】上の実験と同じ反応物質、反応槽、触媒、
助触媒の存在下で、反応温度だけを変化させて得た反応
生成物の組成を表2に示す。
助触媒の存在下で、反応温度だけを変化させて得た反応
生成物の組成を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】実施例4.クロロホルムと塩化水素の混合
気体と金属ケイ素との反応 実施例3と同じ接触混合物を使用し、同じ形態の反応
槽、同じ反応条件、260℃の反応温度で反応させた
が、クロロホルムと塩化水素のモル比を異なるようにし
て反応させた。表3にはこれらのモル比が異なるように
して得た反応生成物の組成を表した。表3で実験番号9
は、酸性白土を接触混合物に対して5%である20.0
g を使用して反応させた結果である。
気体と金属ケイ素との反応 実施例3と同じ接触混合物を使用し、同じ形態の反応
槽、同じ反応条件、260℃の反応温度で反応させた
が、クロロホルムと塩化水素のモル比を異なるようにし
て反応させた。表3にはこれらのモル比が異なるように
して得た反応生成物の組成を表した。表3で実験番号9
は、酸性白土を接触混合物に対して5%である20.0
g を使用して反応させた結果である。
【0041】
【表3】
【0042】実施例5.クロロホルムと塩化水素の混合
気体と金属ケイ素との反応 実施例2に示した表1の接触混合物を準備し、実施例3
の実験番号1と接触混合物の種類だけが異なり、他の条
件はすべて同じ反応条件で反応させ、得た反応生成物の
組成を表4に示す。
気体と金属ケイ素との反応 実施例2に示した表1の接触混合物を準備し、実施例3
の実験番号1と接触混合物の種類だけが異なり、他の条
件はすべて同じ反応条件で反応させ、得た反応生成物の
組成を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】実施例6.クロロホルムとアルキルクロリ
ドの混合気体と金属ケイ素との反応 本実施例は、表5の実験番号24が典型的な例である。
実施例2の試料番号I−3の接触混合物を準備し、反応
出発物質としてクロロホルム28.8g (0.241mo
le)と塩化水素供給源としてt−ブチルクロリド13
3.8g (1.446mole)を混ぜて、1:6モル比の
混合物を製造した。これらの混合物を反応温度260℃
の窒素気体下(200ml/min)で67ml/hr の速度で反
応槽内に流入させ、2.0時間反応させた結果56.0
g の反応生成物を得た。
ドの混合気体と金属ケイ素との反応 本実施例は、表5の実験番号24が典型的な例である。
実施例2の試料番号I−3の接触混合物を準備し、反応
出発物質としてクロロホルム28.8g (0.241mo
le)と塩化水素供給源としてt−ブチルクロリド13
3.8g (1.446mole)を混ぜて、1:6モル比の
混合物を製造した。これらの混合物を反応温度260℃
の窒素気体下(200ml/min)で67ml/hr の速度で反
応槽内に流入させ、2.0時間反応させた結果56.0
g の反応生成物を得た。
【0045】この反応生成物の組成は、実施例3の方法
で分析し、反応中にコンデンサーで凝縮されずに外に抜
け出た気体の成分は、t−ブチルクロリドが高温で分解
されて塩化水素を発生し、生成したイソブテンであっ
た。またn−ブチルクロリド使用時には2−ブテンが生
成した。またt−ブチルクロリドの使用量を半分に減ら
し、その量だけの塩化水素を使用しても同じ結果を得
た。
で分析し、反応中にコンデンサーで凝縮されずに外に抜
け出た気体の成分は、t−ブチルクロリドが高温で分解
されて塩化水素を発生し、生成したイソブテンであっ
た。またn−ブチルクロリド使用時には2−ブテンが生
成した。またt−ブチルクロリドの使用量を半分に減ら
し、その量だけの塩化水素を使用しても同じ結果を得
た。
【0046】表5は、クロロホルムと種々のアルキルク
ロリドの混合気体と金属ケイ素を、反応条件が異なるよ
うにして反応させ、得た反応生成物の組成を表わしたも
のである。
ロリドの混合気体と金属ケイ素を、反応条件が異なるよ
うにして反応させ、得た反応生成物の組成を表わしたも
のである。
【0047】
【表5】
【0048】実施例7.流動型反応槽を使用したクロロ
ホルムとアルキルクロリド又は塩化水素との混合気体と
金属ケイ素との反応 この実施例は実験番号30が典型的な例である。前で言
及した流動型反応槽を使用し、実施例2の試料番号I−
3の接触混合物402g を反応槽に入れ、反応槽の温度
を260℃に高めた後、反応槽の下部に装置した予熱管
を通じてクロロホルムと塩化水素の1:6モル比の混合
物を反応槽内に流入させた。このとき金属ケイ素の流動
化を助けるために、乾燥した窒素気体を約200ml/min
の速度で反応物質と共に流してやった。2.0時間の反
応を通じて得られた反応生成物の量は51.5g であ
り、反応に使用したクロロホルムは29.4g であっ
た。これらの反応生成物の組成を確認した結果は表6に
示した通りであり、クロロホルムも多く回収されている
ことが分った。表6の実験は、すべて流動型反応槽を使
用し、同じ反応温度、同じ接触混合物を使用して反応さ
せ、クロロホルムと塩化水素の供給源のモル比はすべて
1:6で反応させ、実験番号31は実験番号30と同じ
条件であるが、反応槽の圧力を3kg/cm2に高めて反応さ
せた結果である。
ホルムとアルキルクロリド又は塩化水素との混合気体と
金属ケイ素との反応 この実施例は実験番号30が典型的な例である。前で言
及した流動型反応槽を使用し、実施例2の試料番号I−
3の接触混合物402g を反応槽に入れ、反応槽の温度
を260℃に高めた後、反応槽の下部に装置した予熱管
を通じてクロロホルムと塩化水素の1:6モル比の混合
物を反応槽内に流入させた。このとき金属ケイ素の流動
化を助けるために、乾燥した窒素気体を約200ml/min
の速度で反応物質と共に流してやった。2.0時間の反
応を通じて得られた反応生成物の量は51.5g であ
り、反応に使用したクロロホルムは29.4g であっ
た。これらの反応生成物の組成を確認した結果は表6に
示した通りであり、クロロホルムも多く回収されている
ことが分った。表6の実験は、すべて流動型反応槽を使
用し、同じ反応温度、同じ接触混合物を使用して反応さ
せ、クロロホルムと塩化水素の供給源のモル比はすべて
1:6で反応させ、実験番号31は実験番号30と同じ
条件であるが、反応槽の圧力を3kg/cm2に高めて反応さ
せた結果である。
【0049】
【表6】
【0050】実施例8.1,1,1−トリクロロエタン
と塩化水素の混合気体と金属ケイ素との反応 実施例2の試料番号I−4の接触混合物を準備し、1,
1,1−トリクロロエタン35.6g と塩化水素の1:
6モル比の混合物を、実施例3の反応条件と320℃の
反応温度で2.0時間反応させ、その反応生成物58.
3g を得た。
と塩化水素の混合気体と金属ケイ素との反応 実施例2の試料番号I−4の接触混合物を準備し、1,
1,1−トリクロロエタン35.6g と塩化水素の1:
6モル比の混合物を、実施例3の反応条件と320℃の
反応温度で2.0時間反応させ、その反応生成物58.
3g を得た。
【0051】反応生成物の組成を確認した結果、1,
1,3,3−テトラクロロ−2−(ジクロロシリル)−
2−メチル−1,3−ジシラプロパン(一般式III )
8.1g(13.9%)〔NMR(CDCl3), δ, 5.73(s, 2H,
Si-H), 1.66(s, 3H, -CH3)〕;1,1,3,3−テトラ
クロロ−2−(トリクロロシリル)−2−メチル−1,
3−ジシラプロパン(一般式IV)4.5g(7.8%)
〔NMR(CDCl3), δ, 5.78(s,1H, Si-H), 1.83(s, 3H, -C
H3)〕;そして1,1,1,3,3−ペンタクロロ−2
−(トリクロロシリル)−2−メチル−1,3−ジシラ
プロパン(一般式V)0.5g(0.9%)〔NMR(CDC
l3), δ, 5.82(s, 1H, Si-H), 2.00(s, 3H, -CH3)〕が
得られた。その他の副産物として1,1,3,3−テト
ラクロロ−2−メチル−1,3−ジシラプロパンが1
5.9%〔NMR(CDCl3), δ, 5.62(s, 2H, Si-H), 1.42
〜1.39(d, 3H, -CH3), 1.24 〜1.18(m, 1H, -CH=) 〕、
そして1,1,1,3,3−ペンタクロロ−2−メチル
−1,3−ジシラプロパンが9.3%生成した。その外
にトリクロロシランが35.5%であり、残りは種々の
未確認物質であった。
1,3,3−テトラクロロ−2−(ジクロロシリル)−
2−メチル−1,3−ジシラプロパン(一般式III )
8.1g(13.9%)〔NMR(CDCl3), δ, 5.73(s, 2H,
Si-H), 1.66(s, 3H, -CH3)〕;1,1,3,3−テトラ
クロロ−2−(トリクロロシリル)−2−メチル−1,
3−ジシラプロパン(一般式IV)4.5g(7.8%)
〔NMR(CDCl3), δ, 5.78(s,1H, Si-H), 1.83(s, 3H, -C
H3)〕;そして1,1,1,3,3−ペンタクロロ−2
−(トリクロロシリル)−2−メチル−1,3−ジシラ
プロパン(一般式V)0.5g(0.9%)〔NMR(CDC
l3), δ, 5.82(s, 1H, Si-H), 2.00(s, 3H, -CH3)〕が
得られた。その他の副産物として1,1,3,3−テト
ラクロロ−2−メチル−1,3−ジシラプロパンが1
5.9%〔NMR(CDCl3), δ, 5.62(s, 2H, Si-H), 1.42
〜1.39(d, 3H, -CH3), 1.24 〜1.18(m, 1H, -CH=) 〕、
そして1,1,1,3,3−ペンタクロロ−2−メチル
−1,3−ジシラプロパンが9.3%生成した。その外
にトリクロロシランが35.5%であり、残りは種々の
未確認物質であった。
Claims (16)
- 【請求項1】 一般式(III)のトリス(シリル)アルカ
ン。 【化1】 上記式中、Rはメチル基又は水素原子を示す。 - 【請求項2】 一般式(III)のRが水素原子である請求
項1のトリス(シリル)アルカン。 - 【請求項3】 一般式(III)のRがメチル基である請求
項1のトリス(シリル)アルカン。 - 【請求項4】 一般式(I)で示されるトリクロロアル
カンと一般式(II)で示される化合物の混合気体を、銅
触媒の存在下で、金属ケイ素と反応させて、一般式(II
I)、(IV)、(V)及び(VI)で示されるトリス(シリ
ル)アルカンを製造する方法。 【化2】 上記式中、Rはメチル基又は水素原子を示し、R´は水
素原子、低級アルキル基又は−CH2 CH2 Cl基を示
す。 - 【請求項5】 一般式(II)のR´が水素原子である請
求項4の製造方法。 - 【請求項6】 一般式(II)のR´がプロピル基である
請求項4の製造方法。 - 【請求項7】 一般式(II)のR´がn−ブチル基であ
る請求項4の製造方法。 - 【請求項8】 一般式(II)のR´がt−ブチル基であ
る請求項4の製造方法。 - 【請求項9】 一般式(II)のR´が2−クロロエチル
基である請求項4の製造方法。 - 【請求項10】 一般式(II)の化合物を、一般式
(I)のトリクロロアルカンに対しモル比で0.5〜1
2.0倍になるように混合して反応させる請求項4の製
造方法。 - 【請求項11】 一般式(II)の化合物が、塩化水素と
アルキルクロリドを1:1のモル比で混合したものであ
る請求項4の製造方法。 - 【請求項12】 流動型反応槽又は螺旋型撹拌器を備え
た反応槽で反応させる請求項4の製造方法。 - 【請求項13】 反応物質を1気圧から5気圧迄の圧力
下で反応させる請求項4の製造方法。 - 【請求項14】 球型の微細粉末酸性白土を、金属ケイ
素重量に対して1〜50%添加して反応させる請求項4
の製造方法。 - 【請求項15】 触媒として、金属銅又は反応条件で銅
を生成する銅化合物を、反応物質に対して重量比で1〜
20%添加し、200〜360℃で反応させる請求項4
の製造方法。 - 【請求項16】 カルシウム、カドミウム、錫、亜鉛、
銀、マグネシウム、マンガン、クロム及びそれらの金属
化合物から選ばれる少なくとも1つの助触媒を、反応固
体全体の0.001〜5%添加して反応させる請求項1
5の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5324059A JP2511244B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | トリス(シリル)アルカンとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5324059A JP2511244B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | トリス(シリル)アルカンとその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07206874A true JPH07206874A (ja) | 1995-08-08 |
JP2511244B2 JP2511244B2 (ja) | 1996-06-26 |
Family
ID=18161700
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5324059A Expired - Fee Related JP2511244B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | トリス(シリル)アルカンとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2511244B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008511711A (ja) * | 2004-08-31 | 2008-04-17 | シレクス オサケユキチュア | 新規ポリオルガノシロキサン誘電体 |
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- 1993-12-22 JP JP5324059A patent/JP2511244B2/ja not_active Expired - Fee Related
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