JPH0720649Y2 - 光源装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、手術用顕微鏡等の光源装置の改良に関する。

〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕

近年、微細な手術を顕微鏡観察下で拡大観察しながら行
ういわゆるマイクロサージェリーが盛んに行われるよう
になってきており、これによれば微細な手術を正確に行
えることから、眼科、脳神経外科，耳鼻科をはじめ各分
野で多大な成果を挙げるに至っている。

ところでこの場合、手術用顕微鏡を介しての拡大観察で
あるため高輝度の照明光を必要とし、そのため光量の特
に大きい光源装置が必要となるが、この種の光源装置の
ランプは特に寿命が短いので度々ランプの交換をしなけ
ればならない。そして、特に手術中においてのランプ切
れは、手術を中断させてしまい、患者の安全を損なう原
因となるので、ランプが切れた場合には速やかに且つ容
易に交換できなければならない。又、光源装置全体とし
ては術者の邪魔にならないように小型であることが望ま
しい。

しかしながら従来の光源装置で上記条件を満足するもの
はなかった。

例えば第５図はその一例を示しており、１はランプハウ
ス、２はランプハウス１に挿脱される蓋、３は蓋２の外
面に固着された取手、４は蓋２の内面に固着された支持
枠、５は支持枠４に取付けらたランプ、６はランプ５の
後端に取付けられたソケット、７は蓋２の内面に取付け
られていてソケット６とリード線８を介して接続されて
いると共に蓋２をランプハウス１に装着した時ランプハ
ウス１側の電源用コネクタ（図示されていない）と自動
的に接続されるコネクタである。そして、これらが一つ
の光源ユニットを構成しており、これと同じ構成の予備
の光源ユニットが別に備えられている。９はランプハウ
ス１の内面に固着された支持枠、10は入射端がランプ５
の前部に対面するようにして支持枠９に固定されていて
ランプ５を発した光を図示しない手術用顕微鏡の照明系
等に伝送するライトガイドである。

そして、この例の場合、ランプの交換は、それまで使用
されていた光源ユニットをランプハウス１から引き抜い
て離脱させ、代りに予備の光源ユニットをランプハウス
１に嵌め込んで装着するようになっている。

この例は、光源ユニット内に手を入れるスペース等を必
要としないので小型であるという利点はあるが、ランプ
交換の際は使用済み光源ユニットの離脱と所定位置への
移動、予備光源ユニットの所定位置からの移動と装着と
いうように少なくとも四つの手順を経る必要があるので
手間がかかり、これは手術中においては患者の安全を損
なう極めて重大な欠点であった。

又、第６図及び第７図は他の例を示しており、これはラ
ンプハウス１内に設置されたガイド棒11に摺動可能に装
架されていてランプ５と予備のランプ５′が並んで取付
けられたソケット12と、ソケット12に固着された操作ツ
マミ13と、ソケット12の左右移動端近傍に配設されてい
てソケット12の端部により押圧された時ONとなってラン
プ５及び５′を夫々点灯せしめるスイッチ14及び14′と
を有していると共に、蓋２をランプハウス１にヒンジ結
合せしめて開閉自在としたものである。

そして、この例の場合、手術中にランプ５が切れた場合
は、操作ツマミ13によりソケット12を第６図右方に移動
させてランプ５′をライトガイド10の入射端に対応する
位置に持ち来たすと共に、スイッチ14をOFFにして且つ
スイッチ14′をONにしてランプ５′が点灯するように
し、ランプの切換えを行う。そして、原則として手術中
以外に、第７図に示した如く蓋２を開いてランプ５を他
のランプと交換する。尚、10′は集光レンズである。

この例の場合、ランプの切換えは単一動作で容易に行え
るが、ランプの交換はランプハウス１内に手を入れなけ
ればないないため容易ではなく、又手を入れるスペース
を確保しなければならないため光源装置が大型になって
しまうという欠点がある。

本考案は、上記問題点に鑑み、ランプの切換えを速やか
に行うことができ且つランプの交換が容易であると共に
光源装置全体も小型にできる光源装置を提供することを
目的とする。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本考案による光源装置は、複数個のランプを保持し且つ
回転移動又は直線移動により該複数個のランプのうちの
一つを光伝送位置に持ち来たすと同時に該一つのランプ
に電流を通じるスイッチだけをONにするランプ・スイッ
チ切換え機構を、ランプハウスに対して開閉可能又は着
脱可能な蓋の内面に装架して成ることにより、ランプの
切換えは単一動作で行うことができ、ランプの交換時に
は蓋を開く又は離脱せしめることによりランプまわりを
露出させ得るようにしたものである。

〔実施例〕

以下、図示した実施例に基づき上記従来例と同一の部材
には同一符号を付して本考案を詳細に説明する。

第１図は第１実施例の平面図、第２図は第１図II-II線
に沿う断面図である。15は蓋２の内面に枢着された扇形
回転板であって、その表面にはランプ5,ソケット6,リー
ド線８と、これらと同一の予備のランプ５′，ソケット
６′，リード線８′とが所定の角度をもって設けられて
おり、その回転軸15aの外部突出端には操作部13が固着
されている。又、蓋２の内面の扇形回転板15の回転移動
端近傍には扇形回転板15の側端部により押圧された時ON
となってランプ５及び５′を夫々点灯せしめるスイッチ
14及び14′が設けられている。又、蓋２はランプハウス
１にヒンジ16を介して結合せしめられて開閉自在となっ
ていると共に、ヒンジ16を介してリード線8,8′とラン
プハウス１内の電源と接続されている。

本実施例は上述の如く構成されており、手術中にランプ
５が切れた時は、操作ツマミ13により扇形回転板15を第
１図において二点鎖線図示の如く右旋せしめてランプ
５′をライトガイド10の入射端に対応する位置に持ち来
たすと共に、スイッチ14をOFFにし且つスイッチ14′をO
Nにしてランプ５′が点灯するようにし、ランプの切換
えを行う。従って、ランプの切換えは単一動作で行うこ
とができるので速やかに行うことができ、その結果手術
中において患者の安全を損なうことがない。又、切れた
ランプを交換する時は、蓋２を第２図二点鎖線図示の如
く開いてランプ５′を他のランプと交換する。この場
合、ランプまわりが全部露出せしめられるのでランプ交
換が容易になると共に、ランプ位置はヒンジ16により決
定されているので、ランプ交換後蓋を再び閉じたときに
ランプをランプ交換前と同じ位置に容易に位置決めする
ことができる。又、同じ理由により、ランプハウス１内
に手を入れるスペースを確保する必要もなくなるので、
光源装置全体が小型になる。更に、本実施例ではランプ
交換時にもリード線8,8′がヒンジ16を介して常に電源
と接続されているため、電気的に極めて安全である。

第３図は第２実施例の縦断面図、第４図は第３図IV-IV
線に沿う断面図である。この例は、ランプハウス切換機
構自体は第６図及び第７図に示した例と同じであるが、
このランプ切換機構全体が蓋２の内面に装着されている
点と、ヒンジ16を介してソケット12とランプハウス１内
の電源と接続されている点が上記例と根本的に異なって
おり、これらの点は第１実施例と同じである。従って、
第１実施例と同様に、ランプの切換えを速やかに行うこ
とができ且つランプの交換が容易であると共に光源装置
全体も小型にできるという利点を有している。

尚、ランプ及びそれに付随する部材は必要に応じて三組
以上設けて良いことは言うまでもない。

〔考案の効果〕

上述の如く、本考案による光源装置は、ランプの切換え
を速やかに行うことができ且つランプの交換が容易であ
ると共に光源装置全体も小型にできるという実用上重要
な利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による光源装置の第１実施例の平面図、
第２図は第１図II-II線に沿う断面図、第３図は第２実
施例の縦断面図、第４図は第３図IV-IV線に沿う断面
図、第５図は一従来例の縦断面図、第６図は他の従来例
の縦断面図、第７図は第６図IX-IX線に沿う断面図であ
る。 １……ランプハウス、２……蓋、３……取手、4,9……
支持枠、5,5′……ランプ、6,6′,12……ソケット、8,
8′……リード線、10……ライトガイド、10′……集光
レンズ、11……ガイド棒、13……操作ツマミ、14,14′
……スイッチ、15……扇形回転板、16……ヒンジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数個のランプを保持し且つ回転移動又は
   直線移動により該複数個のランプのうちの一つを光伝送
   位置に持ち来すと同時に該一つのランプに電流を通じる
   スイッチだけをONにするランプ・スイッチ切換え機構
   を、ランプハウスに対しヒンジを介して開閉可能な蓋の
   内面に装架すると共に、前記ランプは前記ヒンジを介し
   てランプハウス内の電源と接続されていることを特徴と
   する光源装置。