JPH0720464B2 - 電気掃除機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は電気掃除機、更に詳細には電気掃除機の集じん
用のファンから送出される空気を排出するための空気排
出装置に関するものである。

〔発明の背景〕

従来の電気掃除機の空気排出方法を第８図ないし第10図
及び第11図ないし第12図に基づき説明する。

第８図ないし第10図は従来の電気掃除機の一例を示すも
ので、図中、20は電気掃除機のハウジング、21は集じん
カプセル、22はモータ、23はモータ22により回転する集
じん用のファン、24はハウジング内部に画成したファン
収納部、25はファン収納部24の側壁に配設した空気排出
口、26はフィルタ、27は吸込口であり、吸込口27から塵
埃と共に吸引された空気はフィルタ26からファン収納部
24に流入した後に空気排出口25から排出される。

一般に、このような空気排出過程においては、空気排出
の風路間にあるフィルタ26、ハウジング20内のリブ等の
障害物が風路抵抗となり、この風路抵抗が集じん性能に
悪影響を及ぼすために、できるだけ障害物を設けず、し
かも風路距離を短くして風路抵抗を小さくする必要があ
る。以上の見地から、本例の電気掃除機は、第10図に示
すように、ファン23から空気排出口25までの距離を短く
し、また、空気排出口25の面積を多く取ることにより、
風路抵抗を小さくしているが、このようなタイプの掃除
機は、空気排出口25が専ら空気排出のみを目的としてい
るため、空気排出作用をはたき代わりのブロワとして利
用することができなかった。

第11図及び第12図は、空気排出機能とブロワ機能を兼用
させた吹出口を有する従来の電気掃除機の一例を示すも
のである。図中、既述した第８図ないし第10図の従来例
と同一の符号は同一部分を示すものである。

本例では、ハウジング20の上部に風路28を設け、ハウジ
ング20の後部にブロワ吹出口29を設けたもので、ファン
23から送出される空気を風路28を通してブロワ吹出口29
から排出させるようにしたものである。このように、従
来のブロワ機能付きの掃除機は、外観形状を損わないよ
うにするために、ブロワ吹出口29をファン23から離れた
位置に設けているが、この場合には、風路28が長くな
り、また、ブロワとして使用するために、吹出口29をあ
る程度絞らなければならず、その結果、風路抵抗が大き
くなる問題を有していた。

更に、常時、ブロワ吹出口29から風が集中的に送出され
るため、風量も多く、風速も強いので、操作的に使用者
の手や体に風が当たり、使用者に不快感を与えたり、付
近にある物やごみ等を吹散らず不具合を生じていた。

〔発明の目的〕

本発明は、以上の問題点を考慮してなされたものであ
り、その目的とするところは、電気掃除機の性能及び操
作性を損うことなく、併せてブロワとしても使用するこ
とができる電気掃除機を提供することにある。

〔発明の概要〕

本発明は、上記目的を達成するために、電気掃除機にお
いて、ファンを収納するファン収納空間部の近傍にこの
ファンから送出された空気を掃除機本体のハウジング外
部に排出する空気排出口を設けると共に、前記ファン収
納空間部と前記ハウジングの外部とを連通させるブロワ
用風路を前記空気排出口の風路と別個に設け、更に前記
空気排出口の風路距離を前記ブロワ用風路よりも短くし
て前記空気排出口の風路抵抗を前記ブロワ用風路よりも
小さく設定すると共に、前記空気排出口にこの空気排出
口を開閉操作するためのカバー部材を設けたものであ
る。

このような構成よりなる本発明によれば、空気排出口を
カバー部材の操作により開放させると、空気排出口の風
路とブロワ用風路とが共に開き、この場合には、空気排
出口の方がブロワ用風路よりも風路抵抗が小さいので、
大半の空気が空気排出口から排出される。

また、空気排出口をカバー部材により閉じると、ファン
の空気の大半がブロワ用風路の吹出口から吹出され、ブ
ロワ機能を発揮することができる。

従って、本発明によれば、カバー部材の切換操作によ
り、電気掃除機をクリーナ及びブロワのいずれの用途に
も使用することができる。また、クリーナとして使用す
る場合には、空気排出口の風路距離を短くして風路抵抗
を小さくしてあるので、ブロワ用風路を設けていても、
空気排出口側に多量の空気が流れ、クリーナの性能が損
うことはない。

〔発明の実施例〕

本発明の一実施例を第１図ないし第７図に基づいて説明
する。

第１図ないし第７図は、本実施例の電気掃除機を視角を
かえて立体的に斜視図或るいは断面図として表わしたも
のである。

図中、１はハウジング、２はハウジング１に分離可能に
装着した集じんカプセル、３は掃除機駆動用のモータ、
４はモータ３により回転する集じん用のファン、５はフ
ァン収納ケース、６は集じんカプセル２側に設けたフィ
ルタ、７は集じんカプセル２の先端に設けた吹込口であ
る。

しかして、本実施例における電気掃除機は、第１図の分
解斜視図に示すように、ハウジング１の集じんカプセル
２取付側に、ハウジング１の胴径よりも小さく形成した
ファン収納ケース５を突設してファン４を収納するもの
で、このファン収納ケース５の左右側にスリット状の空
気排出口８を配設している。

ま、ファン収納ケース５の外周面には、空気排出口８の
設置面積に対応するスペース分だけ切欠いた開口部9a、
9bを有する環状カバー部材９が外周方向に摺動可能に嵌
装されている。

他方、集じんカプセル２の両側端には、集じんカプセル
２をハウジング１に取付けたときに、ハウジング１の空
気排出口８、８と適合する切欠部10、10が配設され、空
気排出口８からの空気が切欠部10を通して排出されるよ
うにしてある。

更に、第２図の縦断面図に示すように、ハウジング１の
内部には、ファン収納ケース５の後方にモータ３が中央
付近に位置して設置されており、モータ３設置部の下
部、すなわち、ファン収納ケース５の後方にエルボ状の
ブロワ用風路11が形成されている。ブロワ用風路11の一
端開口部11aはファン収納ケース５の一部に配設され、
他端開口部（ブロワ用吹出口）11bはハウジング１の底
部に配設されているもので、このような開口部11a、11b
及び風路11を介して、ファン収納ケース５の内部とハウ
ジング１の外部が連通状態になっている。

また、空気排出口８の風路８′は（第６図、第７図参
照）、その風路距離がブロワ用風路11よりも短く形成さ
れ、空気排出口８とファン４の位置は互いに近い位置に
ある。

なお、12は電気掃除機の操作スイッチ、13はモータ駆動
用の蓄電池、14は延長管、15はＴ形ノズルである。

次に、本実施例の作用を説明する。

第６図に示すように、ファン収納ケース５の外周面に嵌
装したカバー部材９を回し、カバー部材９の開口部9a、
9bの各空気排出口８の位置に合わせた状態で掃除機を運
転させた場合には、次のような空気排出作用がなされ
る。

吹出口７からの空気は、フィルタ６を通り、ファン収納
ケース５内に吸引されるが、この場合、空気排出口８が
開状態にあり、しかも、空気排出口８の方がブロワ用吹
出口11bよりもファン４に近いため、風路抵抗がブロワ
用吹出口11bより小さくなるので、ファン収納ケース５
に吸引された空気の大半が空気排出口８よりも排出され
る。

従って、この場合には、ブロワ機能は発揮せず、専ら電
気掃除機本来のクリーナ機能が発揮する。

また、第７図に示すように、カバー部材９を回して、カ
バー部材９の閉鎖部9cを空気排出口８の位置に合わせる
と、空気排出口８の風路抵抗がブロワ用風路11に較べて
極めて大きくなり、ファン収納ケース５に吸引された空
気の大半がブロワ用風路11を通ってブロワ用吹出口11b
から吹出され、他方、空気排出口８からは、空気排出口
８とカバー部材９との間のすき間から漏れた僅かな空気
のみが排出される。

従って、この場合には、電気掃除機のブロワ機能が発揮
し、ブロワ用吹出口11bをＴ型ノズル15の届かない場所
や、戸等の桟に向ければ、塵埃を払い飛ばしてはたき代
わりとして使用することができる。

以上のような本実施例によれば、カバー部材９の回動操
作により、電気掃除機のクリーナ機能とブロワ機能を切
換えることができる。即ち、空気排出口より排出される
排出風の風速が低い場合には、電気掃除機として使用さ
れ且つ排出風の風速が高い場合には、ブロワとして使用
される。

しかも、クリーナとして使用する場合には、空気排出口
８とファン４とが近くに位置するために、風路抵抗が小
さくなり、空気排出量を増大させるので、クリーナとし
ての性能を損うことがない。また、この場合には、ブロ
ワ用吹出口11bから多量の空気が排出することがないの
で、強い風が使用者の手や体に当たることがなく、使用
者に不快感を与えず、しかも、周囲のごみ等を吹き飛ば
すような不具合が生じない。

また、ブロワ用吹出口11bを掃除機本体の底部に設けて
いるので、掃除機本体を立てるだけで、はたき代わりの
ブロワとして使用が容易である。

なお、本実施例においては、ブロワ用吹出口11bをハウ
ジング１の底部に配設したが、その他、ハウジング側壁
等の適宜位置に配設してもよく、また、空気排出口８の
操作用のカバー部材９を環状に形成したが、その他に、
蓋体、扉状のもので形成してもよい。

〔発明の効果〕

本発明によれば、ファン収納ケースに形成された空気排
出口の外周に開口部及び閉鎖部の形成された環状カバー
部材を設け、且つこの環状カバー部材を回転操作するこ
とによって、排出風の風速を任意に変えることのできる
電気掃除機を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第７図は本発明の一実施例である電気掃除
機を示すもので、第１図は同上の分解斜視図、第２図は
縦断側面図、第３図は全体斜視図、第４図は側面図、第
５図は底部側からみた斜視図、第６図及び第７図は第４
図のＡ−Ａ線を断面して示す動作説明図、第８図は従来
の電気掃除機の側面図、第９図は第８図の縦断側面図、
第10図は第８図のＢ−Ｂ線断面図、第11図は従来のブロ
ワ機能付き電気掃除機の側面図、第12図は第11図の縦断
側面図である。 １……ハウジング、２……集じんカプセル、３……モー
タ、４……ファン、５……ファン収納ケース、６……フ
ィルタ、７……吸込口、８……空気排出口、８′……風
路（ファン収納空間部）、９……カバー部材、9a、9b…
…開口部、9c……閉塞部、11……ブロワ用風路、11b…
…ブロワ用吹出口。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】モータと、該モータによって回転されるフ
   ァンとを備えた電気掃除機において、前記ファンを覆う
   ように設けられたファン収納ケースの一部に空気排出口
   を形成すると共に該空気排出口の外周に開口部及び閉鎖
   部を有した環状カバー部材を回転可能に配設することを
   特徴とする電気掃除機。
2. 【請求項２】特許請求の範囲第１項において、前記ファ
   ン収納ケースと連通するブロワ用風路を設けて成る電気
   掃除機。