JPH0720449U - ツインクラッチ型差動制限装置 - Google Patents

ツインクラッチ型差動制限装置

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JPH0720449U
JPH0720449U JP5059093U JP5059093U JPH0720449U JP H0720449 U JPH0720449 U JP H0720449U JP 5059093 U JP5059093 U JP 5059093U JP 5059093 U JP5059093 U JP 5059093U JP H0720449 U JPH0720449 U JP H0720449U
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JP
Japan
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differential
differential limiting
clutch
plate
damper
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JP5059093U
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Inventor
和己 黒澤
Original Assignee
栃木富士産業株式会社
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐久性にすぐれる摩擦クラッチとしての特性
を保ったまま差動制限クラッチが発生する異常振動を有
効に吸収できるような高品質、廉価なツインクラッチ型
差動制限装置を提供する。 【構成】 デフケース3とサイドギヤ4L、4Rとの間
に配置されこれらを断接可能にするディスク状の左右の
多板差動制限クラッチ8L、8Rとを有する差動制限装
置において、前記左右の多板差動制限クラッチ8L、8
Rのうちの少なくとも一方に、ダンパークラッチ11を
介在させてツインクラッチ型差動制限装置としたもので
ある。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、多板型差動制限クラッチを有する自動車用差動制限装置に関するも のである。
【0002】
【従来の技術】
この種の、多板型差動制限クラッチを有する自動車用差動制限装置としては、 従来、例えば、図2に示した特公昭63−33574号公報に記載されたものが ある。 この従来例の多板型差動制限装置は、ドライブピニオン1と噛合するリングギ ヤ2を固定したデフケース3と、該ケース内部に設けられ、車輪と連結する図示 しない車軸と連結するサイドギヤ4、4と、該サイドギヤ4、4に噛合するピニ オンギヤ5と、該ピニオンギヤ5を設けたピニオン軸6と、該ピニオン軸6の両 側部に配置された前記デフケース3に軸方向摺動可能に嵌合されたプレッシャリ ング7、7と、該プレッシャリング7、7と前記デフケース3との間に配置され サイドギヤ4と一体に動作するフリクションディスク8aおよびデフケース3と 一体に動作するフリクションプレート8bで構成されている多板摩擦クラッチ機 構8、8とから成る。 かく構成された差動制限装置のLSD(差動制限)作用について詳述すると、 ドライブピニオン1によりリングギヤ2を介してデフケース3が回転されると回 転方向に固定されているプレッシャリング7、7もデフケース3と同速で回転す る。そして、同リング7、7とピニオン軸6と適合させているものであるために プレッシャリング7、7の回転に伴ってピニオン軸6を回転させるもので、この 回転の際にプレッシャリング7、7はピニオン軸6とのカム作用で左右に押し開 かれ、フリクションディスク8aおよびフリクションプレート8bを圧接して結 合させるものである。 つまり、直進時においては、左右の車輪抵抗が等しいために左右のサイドギヤ 4、4にかかる抵抗も等しくなり、ピニオンギヤ5の運動はデフケース3と同速 にて車軸を中心に公転し、サイドギヤ4、4との間に相対速度がなくなり、ドラ イブピニオン1からのトルク入力は、リングギヤ2、デフケース3、プレッシャ リング7、7、ピニオン軸6、ピニオンギヤ5、サイドギヤ4、4、車軸の順で 均等にトルク伝達がなされる。
【0003】 また、左右の車輪に回転差がある場合には、まず直進時と同様にトルクは左右 の車輪に等分されるが、高速車輪側に伝達されたトルクは同車輪の路面抵抗に相 応する分のトルクしか車軸にかからないことからクラッチ容量を差し引いたトル ク伝達状態となる。つまり、高速車輪側に表れるトルクはクラッチ抵抗の影響を 受けないものであるが、このクラッチ抵抗はブレーキ作用をすることから低速車 輪側のサイドギヤ4へデフケース3を介して伝えられ、低速車輪側へ伝達される トルクはクラッチ抵抗により加算される。 以上のように、左右の車輪に回転差がある場合には、回転の遅い方の車輪にト ルクが多く配分されるというトルク伝達を示す。 カム分力機構については、前進時アクセルONでエンジンからプレッシャリン グ7、7を介して駆動力が入力される側で大きなカム分力P1 が得られるカム角 度θ1 に設定されているため、プレッシャリング7、7が矢印A方向に回転する と該リング7、7の分力可変V字溝7b、7bが分力可変シャフト端6bを押圧 してプレッシャリング7、7を押し開こうとするカム分力P1 が得られる。
【0004】 このような従来の多板型差動制限クラッチにおいて、左右のタイヤが路面との 摩擦係数が異なる状況下におかれるスプリットμ路での車両発進時や泥濘地走行 時に、左右両輪間で差動回転を行い差動制限トルクを発生してその差動制限作用 を充分に発揮するところとなる。 ところが、急激な差動回転によって差動制限装置を構成する多板クラッチのデ ィスク間に高い面圧が作用し、これらディスク間で異常な滑りを発生することが ある。 これら異常な滑りの主なものとして、ディスク間でのがたつきを伴うスティッ クスリップおよびディスクの自励振動によるジャダーがあるが、いずれも異音、 振動を伴うために不快感を与え、装置の商品価値を低下させるのみならず差動制 限作用にも支承を来たしかねないものであり、差動制限装置が特に作動して欲し い状況下で問題を生じる虞もあった。 これらの問題を解決するため、特にジャダー対策として別途トーショナルダン パーを設けたり振動ばね系のチューニング等を行っていたが、そのために技術的 な負担が増してコスト的にも不利となり、これらのことが原因で商品化が中止さ れることもあった。 また、ディスク材として自励振動を発生しにくいμ−V特性(μ;摩擦係数、 V;滑り速度)に優れるものを採用することも考えられるがきわめて高価であり 、しかもこれらμ−V特性に優れる素材は摩擦クラッチとしては耐久性に不安を 残すものであった。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
このため、本考案では、上述した従来の多板型差動制限クラッチに見られたよ うな諸課題を解決して、耐久性にすぐれる摩擦クラッチとしての特性を保ったま ま差動制限クラッチが発生する異常振動を有効に吸収できるような高品質、廉価 なツインクラッチ型差動制限装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本考案では、上記した従来の課題を解決するための手段として、エン ジンからの駆動力により回転するデフケースと、該デフケースの回転軸と直交し て配置されたピニオン軸に軸支された複数のピニオンギヤと、これらピニオンギ ヤと噛合して前記ピニオン軸と直交した回転軸を有する傘歯歯車からなる左右の サイドギヤと、前記デフケースと前記サイドギヤとの間に配置されこれらを断接 可能にするディスク状の左右の多板差動制限クラッチとを有する差動制限装置に おいて、前記左右の多板差動制限クラッチのうちの少なくとも一方にダンパーク ラッチを介在させたことを特徴とするツインクラッチ型差動制限装置としたもの である。 前記ダンパークラッチは平板状ディスクと皿ばねから構成し、前記ダンパーク ラッチの平板状ディスクと皿ばねを囲むようにダンパーケースが配置され、該ダ ンパーケースは平板状ディスクとその外周から軸方向に延びるスペーサー部とか らなり、該スペーサー部の軸方向長さは前記平板状ディスクおよび皿ばねが平板 状に圧縮された厚さの合計にほぼ等しくして、振動吸収用ダンパークラッチが低 トルクにて発生トルクが飽和するようにされ、ジャダーの発生が抑えられた後は 差動制限クラッチの摩擦圧力からは開放保護される。 ここで、前記デフケースと前記サイドギヤとの間に配置されこれらを断接可能 にするディスク状の左右の多板差動制限クラッチの断接動作はシリンダー等の油 圧、電磁力等の電気あるいはカム等の機械式のいずれのアクチュエーターによっ て行う形式の差動制限装置であってもよいことは勿論である。
【0007】
【作用】
本考案では、上記構成により、エンジンからの駆動力によりデフケースが回転 するが、直進時においては、エンジンからのトルク入力は、左右の差動制限クラ ッチを圧接して結合させて左右のサイドギヤへ伝えられる。また直進時には左右 の車輪抵抗が等しいために左右のサイドギヤにかかる抵抗も等しく、ピニオンギ ヤは自転することなくデフケースと同速にて車軸を中心に公転し、ピニオン軸、 ピニオンギヤ、サイドギヤが一体となって左右の車輪に均等にトルク伝達がなさ れる。 一方、左右のタイヤが路面との摩擦係数が異なる状況下におかれるスプリット μ路での車両発進時や泥濘地走行時に左右輪間に回転差を生じると、左右のサイ ドギヤ間に差動を生じ、まず直進時と同様にトルクは左右の車輪に等分されるが 、高速車輪側へのトルクは同車輪の路面抵抗に相応する分のトルクしか車軸にか からず、結局クラッチ容量を差し引いたトルク伝達状態となる。したがって左右 の車輪に回転差がある場合には、回転の遅い方の車輪にトルクが多く配分される ことになる。 高速車輪側では、サイドギヤが高速で相対回転するので差動制限クラッチが圧 接する際に振動を発生するが、多板差動制限クラッチのうちの少なくとも一方に ダンパークラッチを介在させたことによって、差動回転によって発生した振動を 有効に吸収することができる。
【0008】
【実施例】
まず、本考案の実施例の説明の前に、ジャダー発生時の振動モデルについて考 察すると、通常、ジャダー振動は負減衰力によって発生する自励振動によるもの と、外部の振動(エンジン加振等)による強制振動によるものとに分けられる。 自励振動モデルについて以下説明すると、 図4のような簡易な振動モデルを考える。 図4において、 I:ピストンイナーシャ(Kgm sec2 ) K:ダンパーばね定数 (Kgf/m) C:ダンパー減衰力 (Kgm) −a:スリップ時の摩擦特性勾配 F:ピストン押し付け力(Kg) R:フェーシング有効半径(m) 負減衰力:−aFR(Kgm) 正減衰力:C(Kgm) 強制加振:Iに加わるトルク変動 振動応答特性:K(Kgf/m),I(Kgm/sec) このような振動系の運動方程式は I(d2 θ/dt 2)+(C−aFR)(dθ/dt)+Kθ=0 α=aFRとしてこれを解くと、D=4IK−(C−α)2 として θ=2exp〔(α−C)t/(2I)〕×cos〔D1/2 t/(2I)〕 t:時間 θ:ピストン変位角 ここで、α−Cが正の時、t→∞の時、θ→∞となるため自励振動となる。 一方、α−Cが負の時、t→∞の時、θ→0となるため振動は発生しない。 よってαが負の時(摩擦特性正勾配)の時にはα−Cが負となり、ジャダーの 自励振動は発生しない。負勾配がある限界を越えた時(α>C)に自励振動とな り、ジャダーが発生するものである。 図5に、参考までに数種類の材料のダンパークラッチとしてのμ−V特性図を 示す。 図5中、Aはコルク材〜ガラス、Cは銅系合金〜スチールである。 コルク材〜ガラスは高速回転時のμは小さく、銅系合金〜スチールは低速時よ り大きくなる。Bは回転速度によってさほど影響されない特性であり、ダンパー クラッチとしてのμ−V特性に優れると言える。
【0009】 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図1に示すものは本考案のツインクラッチ型差動制限装置の実施例である。 エンジンからの駆動力が伝えられるドライブピニオン1と噛合するリングギヤ 2を固定したデフケース3と、該デフケース3の回転軸と直交して配置されたピ ニオン軸6に軸支された複数のピニオンギヤ5と、これらピニオンギヤ5と噛合 して前記ピニオン軸6と直交した回転軸を有する傘歯歯車からなる左右のサイド ギヤ4L、4Rと、前記ピニオンギヤ5とサイドギヤ4L、4Rとの噛合部の軸 方向外側にそれぞれ配置されるデフケース3と回転を共にする左右のプレッシャ リング7L、7Rと、前記デフケースと前記サイドギヤ4L、4Rとの間に配置 されこれらを断接可能にするディスク状の左右の多板差動制限クラッチ8L、8 Rとを有する差動制限装置において、前記左右の多板差動制限クラッチ8L、8 Rのうちの少なくとも一方に、図示の例では差動制限クラッチ8R側にダンパー クラッチ11を介在させてツインクラッチ型差動制限装置としたものである。 勿論、必要に応じてダンパークラッチ11を差動制限クラッチ8L側にも設け てもよい。
【0010】 かく構成されたツインクラッチ型差動制限装置の差動制限作用について詳述す ると、直進時においては、エンジンからの駆動力にてドライブピニオン1が回転 し、リングギヤ2を介してデフケース3が回転されると該デフケース3に回転方 向に固定されているプレッシャリング7L、7Rもデフケース3と同速で回転す る。そして、これらプレッシャリング7L、7Rと各ピニオン軸6の端部とはカ ム9を介して係合しているためにプレッシャリング7L、7Rの回転に伴ってピ ニオン軸6を回転させるもので、この回転の際にプレッシャリング7L、7Rは ピニオン軸6とのカム作用で左右に押し開かれ、差動制限クラッチ8L、8R内 の多板ディスクを互いに圧接して結合させるものである。 これらの多板ディスクはデフケース23のみに回転方向に固定されて摺動自在 に連結される群とサイドギヤのみに回転方向に固定されて摺動自在に連結される 群とから構成されている。 かくして、直進時においては、左右の車輪抵抗が等しいために左右のサイドギ ヤ4L、4Rにかかる抵抗も等しくなり、ピニオンギヤ5の運動はデフケース3 と同速にて車軸を中心に公転し、サイドギヤ4L、4Rとの間に相対速度がない 状態で、ドライブピニオン1からのトルク入力は、リングギヤ2、デフケース3 、プレッシャリング7L、7R、ピニオン軸6、ピニオンギヤ5、サイドギヤ4 L、4R、車軸の順で均等にトルク伝達がなされる。
【0011】 また、車両の操向時には、左右のサイドギヤ4L、4R間に差動を生じ、まず 直進時と同様にトルクが左右の車輪に等分されるが、デフケース3が回転される と該デフケース3に回転方向に固定されているプレッシャリング7L、7Rもデ フケース3と同速で回転する。そして、これらプレッシャリング7L、7Rと各 ピニオン軸6の端部とはカム9を介して係合しているためにプレッシャリング7 L、7Rの回転に伴ってピニオン軸6を回転させるもので、この回転の際にプレ ッシャリング7L、7Rはピニオン軸6とのカム作用で左右に押し開かれ、差動 制限クラッチ8L、8R内の多板ディスクを互いに圧接して結合させていくこと になるが、左右のサイドギヤ4L、4R間に差動を生じているので、操向時に内 側となる方つまり車輪回転数の小さい側のサイドギヤ4に対してピニオンギヤ5 が噛合自転しつつ車軸上を公転する。したがって、操向時に外側となる方つまり 車輪回転数の大きい側のサイドギヤ4は増速されることになる。 かくして、操向時には差動制限クラッチ8L、8Rの内部の多板間の滑りを伴 うかたちで左右の車輪間での差動作用が行われる。
【0012】 次に、左右のタイヤが路面との摩擦係数が異なる状況下におかれるスプリット μ路での車両急発進時や、より劣悪な泥濘地等にさしかかると左右輪間に急激な 回転差を生じ、左右のサイドギヤ4L、4R間に差動を生じて低μの路面に臨ん だ高速車輪側へのトルクは同車輪の路面抵抗に相応する分のトルクしか車軸にか からないので、差動制限クラッチ容量を差し引いたトルク伝達状態となり、デフ ケース3からの駆動力によりプレッシャリング7L、7Rが押し開かれていると ころへ一方のサイドギヤ4例えばサイドギヤ4Rが高速で相対回転するので差動 制限クラッチ8Rが圧接する際に振動を発生する。 本考案では、多板差動制限クラッチのうちの少なくとも一方にダンパークラッ チ11を介在させてツインクラッチ型差動制限装置としたことによって、差動回 転によって発生した振動を有効に吸収することができる。 前記ダンパークラッチ11は平板状プレート13と平板状ディスク14と皿ば ね12から構成し、前記ダンパークラッチ11の平板状プレート13と平板状デ ィスク14と皿ばね12を囲むようにダンパーケース10が配置され、該ダンパ ーケース10は平板状ディスク部とその外周から軸方向に延びるスペーサー部と からなり、該スペーサー部の軸方向長さは前記平板状プレート13、平板状ディ スク14および皿ばね12が平板状に圧縮された厚さの合計にほぼ等しくして、 振動吸収用ダンパークラッチ11が低トルクにて発生トルクが飽和するようにさ れ、ジャダーの発生が抑えられた後は差動制限クラッチ8Rの摩擦圧力からは開 放保護される。 ここで、前記デフケース3と前記サイドギヤ4との間に配置されこれらを断接 可能にする多板差動制限クラッチ8の断接動作はシリンダー等の油圧、電磁力等 の電気あるいはカム等の機械式のいずれのアクチュエーターによって行う形式の 差動制限装置であってもよいことは勿論である。
【0013】
【考案の効果】
本考案では、エンジンからの駆動力が伝えられるデフケースと、該デフケース の回転軸と直交して配置されたピニオン軸に軸支された複数のピニオンギヤと、 これらピニオンギヤと噛合して前記ピニオン軸と直交した回転軸を有する傘歯歯 車からなる左右のサイドギヤと、前記デフケースと前記サイドギヤとの間に配置 されこれらを断接可能にするディスク状の左右の多板差動制限クラッチとを有す る差動制限装置において、前記左右の多板差動制限クラッチのうちの少なくとも 一方に、差動制限クラッチにダンパークラッチを介在させてツインクラッチ型差 動制限装置としたことにより、差動制限作用が必要な差動回転数の高いときに発 生しやすいスティックスリップやジャダーによる振動をダンパークラッチによっ て振動発生の初期に該振動を吸収してしまうことができる。 したがって、差動および差動制限が静粛に行われ、その動作も円滑である。し かも、スティックスリップやジャダー現象を抑止するために格別の外部機構を設 けずとも差動制限装置内の僅かな改良のみで絶大なる効果が得られるものである 。 その上、廉価で耐久性に優れる多板差動制限クラッチをそのまま差動制限作用 を受け持たせたままでダンパークラッチを共存して介在させてツインクラッチ型 差動制限装置としたことにより、ダンパークラッチとして一部分にジャダーを誘 発する自励振動を発生しにくいμ−V特性に優れるものを採用するのみなので、 コスト的にも優れまた耐久性にも優れるものとなった。 さらに、平板状プレートと平板状ディスクと皿ばねから構成されるダンパーク ラッチは、これらダンパークラッチの平板状プレートと平板状ディスクと皿ばね を囲むようにダンパーケースが配置され、該ダンパーケースは平板状ディスク部 とその外周から軸方向に延びるスペーサー部とからなり、該スペーサー部の軸方 向長さは前記ダンパークラッチの平板状プレート、平板状ディスクおよび皿ばね が平板状に圧縮された厚さの合計にほぼ等しくして、振動吸収用ダンパークラッ チが低トルクにて発生トルクが飽和するようにされ、ジャダーの発生が抑えられ た後は差動制限クラッチの摩擦圧力からは開放保護されるので装置の寿命も増大 するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のツインクラッチ型差動制限装置を示す
図である。
【図2】従来の差動制限装置を示す図である。
【図3】図2のプレッシャリングとピニオン軸とのカム
作用を説明する図である。
【図4】自励振動モデルの図である。
【図5】摩擦材のμ−V特性を示す図である。
【符号の説明】
1 ドライブピニオン 2 リングギヤ 3 デフケース 4 サイドギヤ 5 ピニオンギヤ 6 ピニオン軸 7 プレッシャリング 8 差動制限クラッチ 9 カム 10 ダンパーケース 11 ダンパークラッチ 12 皿ばね 13 平板状プレート 14 平板状ディスク

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの駆動力により回転するデ
    フケースと、該デフケースの回転軸と直交して配置され
    たピニオン軸に軸支された複数のピニオンギヤと、これ
    らピニオンギヤと噛合して前記ピニオン軸と直交した回
    転軸を有する傘歯歯車からなる左右のサイドギヤと、前
    記デフケースと前記サイドギヤとの間に配置されこれら
    を断接可能にするディスク状の左右の多板差動制限クラ
    ッチとを有する差動制限装置において、前記左右の多板
    差動制限クラッチのうちの少なくとも一方にダンパーク
    ラッチを介在させたことを特徴とするツインクラッチ型
    差動制限装置。
  2. 【請求項2】 前記ダンパークラッチは平板状ディスク
    と平板状プレートと皿ばねから構成されることを特徴と
    する請求項1に記載のツインクラッチ型差動制限装置。
  3. 【請求項3】 前記ダンパークラッチの平板状ディスク
    と平板状プレートと皿ばねを囲むようにダンパーケース
    が配置され、該ダンパーケースは平板状ディスク部とそ
    の外周から軸方向に延びるスペーサー部とからなり、該
    スペーサー部の軸方向長さは前記平板状ディスク、平板
    状プレートおよび皿ばねが平板状に圧縮された厚さの合
    計にほぼ等しいことを特徴とする請求項2に記載のツイ
    ンクラッチ型差動制限装置。
  4. 【請求項4】 前記デフケースと前記サイドギヤとの間
    に配置されこれらを断接可能にするディスク状の左右の
    多板差動制限クラッチの断接動作はシリンダー等の油
    圧、電磁力等の電気あるいはカム等の機械式のいずれか
    のアクチュエーターによって行うことを特徴とする請求
    項1に記載のツインクラッチ型差動制限装置。
JP5059093U 1993-09-17 1993-09-17 ツインクラッチ型差動制限装置 Pending JPH0720449U (ja)

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