JPH07204250A - 足温浴器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全性が高く、操作が簡単でしかも適温が簡
単に維持出来、さらに温浴後に足を乾燥することが出来
る足温浴器を提供する。 【構成】 電気絶縁材料で成形され、上面が開口した内
容器１の外側底面に、該内容器１の耐熱温度以下の温度
で飽和する防水性の発熱体２を設けるとともに、これら
の内容器１及び発熱体２を電気絶縁材料で成形され、外
郭を構成する外容器３と内容器１の上面開口を塞ぐ外蓋
１４で覆い、さらに前記発熱体２の発熱量を制御する制
御体１１と発熱体２の発熱量を設定するダイヤル５と内
容器１の過熱を防止する温度ヒューズ１３及び電動ファ
ン８、温風ヒータ９よりなる乾燥装置７を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は湯を用いて足を温める足
専用の温浴器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の足温浴器として実用化さ
れているものに図４に示すようにスチロール等の断熱材
からなる容器１８に適当な温度（３８℃〜４５℃程度）
に温めた湯１９を適量注ぎ、それに浴用薬剤を溶かし、
椅子２０等に腰かけた姿勢でその中に両足を浸し、適当
な時間保持することにより湯１９のエネルギーと浴用薬
剤の作用で足の皮膚を通して人体を加温し、血液の流れ
により全身に湯の熱や薬剤の作用を伝え、血行を良くし
て疲労回復、健康の維持を計るものがある。

【０００３】またこのほかに容器１８の上面側に遠赤外
線放射体を設け、足を湯と遠赤外線の両方によって加温
するもの（特開昭５８−１５８５７号公報）や、容器１
８内を仕切板によって左右２室に仕切り、両室内に温度
の異なる湯を入れて人体の障害に応じて足を別々の温度
で加温するものもある。（実開平２−３９７４３号公
報）

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】図４に示す従来装置に
おいては容器１８にはある程度の保温力はあるものの数
十分の使用の後は湯が冷めてしまうため、次に使用する
時には冷めた湯を捨て、新たに熱い湯を加えて再び適温
の湯を作り、浴用薬剤を投入する必要があり、大変面倒
でかつ不経済であるとともに、湯の交換時等に危険を伴
うものであった。

【０００５】また湯と遠赤外線の両方で足を加温するも
のや容器内を左右２室に仕切って温度の異なる湯を入れ
るものでは、容器１８の中に発熱体を内蔵したり、湯に
直接触れる位置に発熱体を取付けているため、湯温の低
下が防げなかったり、発熱体の絶縁低下が直接人体の感
電につながってしまう等不安全な要素を有していた。さ
らに温浴後の濡れた足を乾燥する手段がなく、タオルを
使用の前に準備したり、使用後に家人に依頼する必要が
あり、これを怠ると薬剤を溶かした湯が足からたれ落ち
て床材や畳、カーペット等に付着し、汚損することがあ
った。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の欠点を解
決するためになされたもので、具体的には電気絶縁材料
で成形され、上面が開口した内容器の外側底面に、該内
容器の耐熱温度以下の温度で飽和する防水性の発熱体を
設けるとともに、これらの内容器及び発熱体を電気絶縁
材料で成形され、外郭を構成する外容器と内容器の上面
開口を塞ぐ外蓋で覆い、さらに前記発熱体の発熱量を制
御する制御体と発熱体の発熱量を設定する設定手段及び
電動ファンと温風用ヒータよりなり、温浴後の濡れた足
を乾燥する乾燥装置を備えたものであり、さらに発熱体
と直列に内容器の耐熱温度以下の温度で動作する温度過
昇防止装置を内容器に接して設けたものである。

【０００７】

【作用】内容器内にあらかじめ適当な温度に調整した湯
を注ぎ、その中に浴用薬剤を溶かし、ダイヤル等の設定
手段で適温に設定すれば発熱体には適当な電力が供給さ
れ、湯は冷めることがない。また制御体はセットされた
温度に合わせて電力を調整するため、あらかじめ設定さ
れた範囲内ではあるがお好みの温度が持続して得られ
る。また発熱体は防水処理が施されており、さらに電気
絶縁物で隔離された状態に設置してあるため、感電防止
対策は十分である。また発熱体はその通電時の飽和温度
が内容器の耐熱温度より低いため、制御体の故障時でも
内容器がダメージを受けることがない。

【０００８】さらに温浴後乾燥装置の前に足を置き、乾
燥装置を駆動すれば電動ファンの回転によって足元に温
風が吹出し、足を乾燥することが出来、床材や畳、カー
ペットを汚すことがない。

【０００９】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面によって説明す
る。図１は本発明の縦断面図である。

【００１０】図において、１は上面開口の内容器で、耐
熱温度が１２０℃程度のポリプロピレン樹脂等の電気絶
縁材料により成形され、使用者の両足を収納するのに適
した容積を有している。

【００１１】２は内容器１の外側底面に設けられたコー
ド状の発熱体で、電熱線をガラス等で構成した芯糸に巻
き、シリコンゴム等の電気絶縁材料で被覆されており、
その飽和温度は１００℃になるように設定されている。
尚この発熱体２は内容器１の外側側面にも設けることが
出来る。３は内容器１を外側から覆う外容器で、ポリプ
ロピレン樹脂等の電気絶縁材料により成形され、外郭を
構成している。４は内容器１の背面部と外容器３の背面
部との間に形成された空間部で、その上部側は内容器１
の上面開口部より上に突出している。５は外容器３の背
面下部に設けられた吸込口、６は内容器１の前記突出部
に設けられた吹出口、７は吹出口に対向して空間部４内
に設けられた乾燥装置で、電動ファン８、温風ヒータ９
とで構成されている。１０は空間部４内の上部に設けら
れた遮熱兼温風案内板で、乾燥装置７の上面で、吹出口
６の上面開口縁に連なっている。

【００１２】１１は制御体で、遮熱兼温風案内板１０よ
り上の空間部４内に設けられており、発熱体２の出力を
サーミスタの抵抗変化を利用して湯温を３８℃〜４５℃
程度に保つように制御している。

【００１３】１２は制御体１１に連動したダイヤル等の
設定手段で、使用者が湯の温度を適当にセットするため
のものであり、外部に露出している。

【００１４】１３は温度ヒューズ等の温度過昇防止装置
で、内容器１の外側底面に取付けられており、制御体１
１が故障した際の安全装置として発熱体２の過熱を防止
する。１４は内容器１の上面を覆う外蓋で、ポリプロピ
レン樹脂等で成形されている。１５は外蓋１４の下面に
設けられた内蓋で、外蓋１４と同様にポリプロピレン樹
脂等で構成され、内容器１の上部内周に段部を設けるこ
とにより支持されており、一側に使用者の足のふくらは
ぎの太さよりやや大きめの切欠き１５ａを設けている。
１６は内容器１内に入れた湯であり、１７は湯９の中に
溶かした浴用薬剤である。尚電気経路はすべて防水処理
されている。

【００１５】本発明は以上の構成よりなり、使用方法は
外蓋１４、内蓋１５を取外し、あらかじめ適当な温度に
調整した湯１６を内容器１内に入れ、そののち内蓋１
５、外蓋１４を取付けて電源を接続し、設定手段１２を
使用者の好みの温度にセットする。

【００１６】これによって発熱体２に通電が開始され、
制御体１１が通電動作を制御するまで発熱を続け、設定
された温度に達すると通電を停止する動作を繰返して湯
１６の温度を一定に保つ。

【００１７】使用者は外蓋１４、内蓋１５を取外して湯
１６の中に浴用薬剤１７を規定量投入し、図２に示すよ
うに椅子２０に腰掛けて内容器１内の湯１６に足を入
れ、再び内蓋１５のみ取付けて１５〜３０分間その状態
を保つ。これによって使用者自身の足の血行を良くする
ことが出来る。

【００１８】またこの使用中万一制御体１１の動作が不
良となり、発熱体２に設定温度以上に通電されると、発
熱体２の温度が上り、これとともに発熱体２と直列に接
続された温度過昇防止装置１３の温度が上り、遂には発
熱回路を電源から遮断し、発熱を停止させて器具の安全
を保つ。

【００１９】この時発熱体２の飽和温度が内容器１の耐
熱温度以下であれば温度過昇防止装置１３が動作しない
場合でも内容器１には損傷はなく、使用者の安全が確保
出来る。

【００２０】また内容器１は合成樹脂で出来ているた
め、防水性が高く、しかも電気絶縁性も高いため使用者
を感電から守る。

【００２１】さらに発熱体２はゴムや合成樹脂で被覆さ
れ、コード状をなしているため、内容器１の形状に合わ
せて広範囲にしかも設計自由度の高い設置が出来るとと
もに、絶縁性と防水性を高めることができる。

【００２２】また外郭を構成する外容器３も合成樹脂に
よって成形されているため外部からの水に対しても抵抗
力が高く、電気的な安全性を高く保つことが出来る。

【００２３】温浴後は足を図３に示すように内容器１の
上面に持ち上げて吹出口６の前に位置させ、乾燥装置７
を駆動すると、電動ファン８が回転するとともに、温風
ヒータ９が発熱し、これによって吸込口５より空間部４
内に空気を吸込み、温風ヒータ９によって加熱され、温
風となって吹出口６より吐出され足を乾燥する。

【００２４】

【発明の効果】本発明によれば内容器の外側底面に防水
性の発熱体を設け、これを制御体によって制御するよう
にしたので、使用中の温度低下が少なく、使用感が良
い。

【００２５】また発熱量を設定手段によって設定するこ
とにより湯温を常時適温に保つことが出来、従来物のよ
うに使用の都度湯を調整する面倒な作業を行う必要がな
い。

【００２６】また電気絶縁材料よりなる内、外容器と防
水性の発熱体により器体を構成しているため、使用者の
感電に対する安全性が高く、かつ湯を捨てる頻度が少な
いため節水が得られる。

【００２７】さらに乾燥装置によって温浴後の濡れた足
を事前の準備や家人の助けを借りることなく乾かすこと
が出来るので、従来のように床材や畳、カーペット等を
汚損することがない。

【００２８】さらに発熱体と直列に内容器の耐熱温度以
下で動作する温度過昇防止装置を内容器に接して設けて
いるため安全性を高めることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の縦断面図である。

【図２】同使用状態の側面図である。

【図３】同使用後の足乾燥状態の側面図である。

【図４】従来の使用状態の側面図である。

【符号の説明】

１ 内容器 ２ 発熱体 ３ 外容器 ４ 空間部 ５ 吸込口 ６ 吹出口 ７ 乾燥装置 ８ 電動ファン ９ 温風ヒータ １１ 制御体 １２ 設定手段

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気絶縁材料で成形され、上面が開口し
   た内容器（１）の外側底面に、該内容器（１）の耐熱温
   度以下の温度で飽和する防水性の発熱体（２）を設ける
   とともに、これらの内容器（１）及び発熱体（２）を電
   気絶縁材料で成形され、外郭を構成する外容器（３）と
   内容器（１）の上面開口を塞ぐ外蓋（１４）で覆い、さ
   らに前記発熱体（２）の発熱量を制御する制御体（１
   １）と発熱体（２）の発熱量を設定する設定手段（１
   ２）及び電動ファン（８）と温風ヒータ（９）とよりな
   り、温浴後の濡れた足を乾燥する乾燥装置（７）とを備
   えたことを特徴とする足温浴器。
2. 【請求項２】 発熱体（２）と直列に内容器（１）の耐
   熱温度以下の温度で動作する温度過昇防止装置（１３）
   を内容器（１）に接して設けたことを特徴とする請求項
   １記載の足温浴器。