JPH0317891Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、浴槽の底に敷く浴用マツトに関する
もので、特に、気泡を噴出させるようにした浴用
マツトに関するものである。

（従来の技術） 入浴中に皮膚を刺激し、活性化させるために、
浴槽内に気泡を発生させることは、従来より行な
われている。その場合、従来は、浴槽外から取り
入れた空気を、その温度のまま浴槽内に噴出させ
るようにしていた。また、その気泡発生部はパイ
プ状のものとされていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、浴槽外の気温は湯温よりかなり
低いので、従来のように浴槽外の空気をそのまま
浴槽内に噴出させるようにしたものでは、湯温が
低下してしまうという問題があつた。しかも、そ
の湯温の低下は、特に皮膚活性化の効果が求めら
れる冬季や寒冷地ほど大きくなる。

また、従来のようにパイプ状の気泡発生部から
気泡を発生させるようにしたものでは、気泡が生
じる範囲が狭いので、全身が刺激されるようにす
ることは難しく、入浴中に身体の位置を変えるこ
とが必要となつていた。

本考案は、このような問題に鑑みてなされたも
のであつて、その目的は、湯温の低下を来たすこ
となく、浴槽内の広い範囲にわたつて気泡を発生
させることができるようにすることである。

（問題点を解決するための手段） この目的を達成するために、本考案では、気泡
発生体を、浴槽の底に敷く浴用マツトとして形成
するようにしている。その浴用マツトは、平板状
の遠赤外線ヒータを絶縁カバーによつて水密に覆
い、その上面に軟質多孔板を取り付けたものであ
る。その軟質多孔板の下面側には、エアパイプを
介して外部から空気が供給されるようになつてい
る。

（作 用） このように構成することにより、そのマツトを
浴槽の底に敷き、遠赤外線ヒータに通電するとと
もに、エアパイプから空気を送りこめば、その空
気は遠赤外線ヒータによつて加熱され、軟質多孔
板の上面全体から気泡状となつて噴出する。した
がつて、湯温が低下することはなくなり、また、
浴槽全体に気泡が発生するようになる。

（実施例） 以下、図面を用いて本考案の実施例を説明す
る。

図は、本考案による浴用マツトの一実施例を示
すもので、第１図はその縦断面図であり、第２図
はその使用状態に示す側面図である。

第１図から明らかなように、この浴用マツト１
は、内部に遠赤外線ヒータ２を備えたものとされ
ている。この遠赤外線ヒータ２は、例えば特開昭
60−241691号公報に示されているように、メンブ
レンヒータ等の軟質発熱板３の上面に可撓性を有
する遠赤外線放射体４を取り付けたもので、全体
として平板状に形成され、折り曲げ可能とされて
いる。発熱板３にはコード５が接続され、外部か
ら電力が供給されるようになつている。第２図に
示されているように、コード５の他端には、コン
トローラ６が設けられており、発熱板３の近傍に
設けられた温度センサ（図示せず）によつて検出
される温度検出値と、コントローラ６に設定され
た設定値とを比較することによつて、供給電力が
制御されるようになつている。また、そのコント
ローラ６内には、漏電ブレーカ、ヒユーズ等が設
けられている。

遠赤外線ヒータ２の下面には、下方への熱伝達
を防止する断熱板７が設けられている。そして、
これら遠赤外線ヒータ２及び断熱板７が、防災加
工が施された耐熱性樹脂板からなる密封袋８内に
収容されている。更に、その密封袋８は、耐熱性
及び電気絶縁性を有する絶縁カバー９によつて水
密に覆われている。このカバー９にも、防災加工
が施されている。

カバー９の上面には、不織布等のような通気性
を有する軟質の多孔板１０が取り付けられてい
る。この多孔板１０は、その周辺部全周がカバー
９に接着され、中央部下面とカバー９の上面との
間には空間が形成されるようになつている。そし
て、その空間に連通するように、エアパイプ１１
が接続されている。エアパイプ１１の他端には、
第２図に示されているように、コントローラ６と
一体に設けられたエアポンプ１２に接続されてい
る。

このように構成された浴用マツト１は、第２図
に示されているように、湯が溜められた浴槽１３
の底に敷いて使用される。コントローラ６及びエ
アポンプ１２は、浴槽１３の外部に設置される。

この状態で、コントローラ６をセツトして、遠
赤外線ヒータ２の発熱板３に通電する。すると、
その発熱板３が発熱して、遠赤外線放射体４が加
熱され、遠赤外線が放射される。それによつて、
カバー９の上面が加熱される。そこで、エアポン
プ１２を作動させると、エアパイプ１１を通し
て、カバー９と多孔板１０との間の空間に空気が
送られる。その空気は、カバー９によつて加熱さ
れる。そして、その温められた空気が、多孔板１
０の表面から、細かい気泡となつて浴槽１３内に
噴出する。その気泡は、多孔板１０の全面におい
て発生する。したがつて、浴槽１３内には、ほぼ
全体にわたつて気泡が形成されることになる。

このようにして、温かい気泡が広い範囲で生じ
るようになる。したがつて、全身の皮膚が十分に
刺激されるようになる。また、気泡による湯温の
低下も防止されるようになる。更に、このような
浴用マツト１を浴槽１３の底に敷くことにより、
浴槽１３の底面からの放熱が抑制されるようにな
るので、それによつても湯温の低下が防止され
る。そして、その浴用マツト１の上面は、軟質の
多孔板１０によつて形成されているので、入浴時
の感触も良好なものとなる。

不使用時には、コンパクトに折り畳んで、小さ
なスペース内に収納しておくようにすることもで
きる。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、加熱された空気の気泡を発生させるようにし
ているので、湯温の低下が防止されるばかりでな
く、温かい気泡によつて皮膚が刺激されることに
より、その活性化効果が向上する。また、気泡が
浴槽内全体に生じるので、全身の活性化効果が得
られるようになる。

そして、その空気の加熱に遠赤外線ヒータを用
いるようにしているので、その加熱が効果的に行
なわれるばかりでなく、放射される遠赤外線によ
つて身体が内部から温められるようになる。した
がつて、温かい気泡による皮膚の刺激に加えて、
遠赤外線による身体の内部からの発熱作用が生じ
ることになり、極めて良好な入浴効果が得られる
ようになる。

また、その入浴マツトを敷くだけでよく、浴槽
には何らの工事を施す必要もないので、既設の浴
槽を手軽に気泡発生風呂とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による浴用マツトの一実施例
を示す縦断面図、第２図は、その浴用マツトの使
用状態を示す側面図である。 １…浴用マツト、２…遠赤外線ヒータ、３…発
熱板、４…遠赤外線放射体、５…コード、９…絶
縁カバー、１０…軟質多孔板、１１…エアパイ
プ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 外部から通電されることにより熱を発する平板
   状の遠赤外線ヒータと、 その遠赤外線ヒータを水密に覆う絶縁カバー
   と、 そのカバーの上面に取り付けられ、外部からエ
   アパイプを介して供給される空気を気泡状として
   噴出させる軟質多孔板と、 を備えてなる、浴用マツト。