JPH07204065A - 組立式立体写真立て - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 平面的な写真を収納して凸面状に保形させる
ことで立体感が得られる写真立てを、分解すると偏平に
なるな安価な部材を用いて容易に組立てられる組立式立
体写真立てを提供する。 【構成】 方形枠状で天板５と底板６に挿通孔９，１
０，１１が左右の側板７，８には差込み溝孔１２，１３
が穿設された偏平状に折り畳み可能なケース２と、平板
状のシートを筒状に丸めてケース２の挿通孔へ貫通状態
で挿通させ、ケース２を方形枠状に保形させ且つ自立支
持させる保形シート３と、平板状のシートで中央が筒状
に丸めた保形シート３の前面側に当接すると共に、両端
側が差込み溝孔１２，１３に挿通されて凸面状に湾曲し
た態様でケース２に挿着される透明パネル４とで構成さ
れ、差込み溝孔１２，１３から挿入させた写真１を透明
パネル４と筒状の保形シート３間で凸面状に保形支持せ
しめた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、分解すると偏平な部材
を組立し、一般の平面的な写真を収納すると凸面状に保
形された状態になって立体感が出るよう組立てられる組
立式立体写真立てに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般の写真立ては、窓穴が穿設された額
縁状のケース内に写真が収容され、この写真を窓穴部分
に張設されたガラスと裏板とで挾持するものであるが、
写真がそのまま平板状に収容されるので立体感に乏しい
ものであった。この課題を改善するために、例えば本件
出願人が先に実開平５−５８０７９号公報で開示された
立体写真立てを提案した。この立体写真立ては、前面側
に膨出する凸面状の透明表パネルと、この凸面状の透明
表パネルの後方に配され、前面側に膨出するパネル面に
写真を形成した凸面状の写真と、上記凸面状の透明表パ
ネルと上記凸面状の写真とを嵌め込んで固定する額縁状
の収納ケースとで構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記した
立体写真立ての場合には写真を所望の凸面状に保形する
ために、この写真自体を凸面状に加工したり写真の前方
または後方に配設した凸面状の押え板等で押圧を加えて
強制的に変形する必要があった。このように写真自体を
加工したり押え板で写真を押圧変形させると、その加工
や組み込み作業が煩雑であると共に、一旦使用した写真
は再度写真アルバムに戻して使用することができない。
また、高く構造が複雑で部品単価も高いので大量生産し
て安価に提供することが困難であった。さらに、厚みが
あって嵩ばるので持ち運びや保管に不便であることや、
出来合いのために年少者などが自分で組み立てて楽しむ
ことはできなかった。そこで本発明では、このような従
来の技術が有する課題を解決するための組立式立体写真
立ての提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明による第１の組立
式立体写真立ては、前方開口側が次第に拡径する方形枠
状に折り曲げ形成され、天板と底板には挿通孔が左右の
側板には差込み溝孔がそれぞれ対向状に穿設された偏平
状に折り畳み可能なケースと、平板状のシートを筒状に
丸めて上記ケースの挿通孔へ貫通状態で挿通させ、当該
ケースを方形枠状に保形させ且つ自立支持させる保形シ
ートと、平板状のシートで中央が筒状に丸めた上記保形
シートの前面側に当接すると共に、両端側が上記差込み
溝孔にそれぞれ挿通されて凸面状に湾曲した態様で上記
ケースに挿着される透明パネルとで構成され、上記差込
み溝孔を介して上記ケース内へ挿入させた写真を上記透
明パネルと筒状の保形シート間で凸面状に保形支持せし
めた。

【０００５】また本発明の第２の組立式立体写真立て
は、第１の組立式立体写真立てにおける上記ケースの左
右側板内面には、写真の左右周辺部を反射して写し出す
鏡面処理が施されている。

【０００６】

【実施例】以下に、本発明による組立式立体写真立てを
図示の実施例に基づいて詳細に説明する。図１と図２は
第１実施例による組立式立体写真立てＡを示し、この立
体写真立てＡは内部に写真１が装着される長方形枠状に
折り曲げ形成されたケース２と、このケース２に挿着さ
れて当該ケース２が長方形枠状を保持するように保形し
且つ自立させる保形シート３と、この保形シート３と協
働して平板な写真１を凸面状に保形させる透明な透明パ
ネル４とで構成されている。ケース２は、例えば平板状
のプラスチック材で形成された一枚のシートに折溝を設
け、この折溝部分を折り曲げることによって上記長方形
枠状に形成するものであり、展開すると図３で示すよう
に底板６を形成する底板片６Ａ，６Ｂと天板５は挿通孔
９，１０，１１が穿設された同一形状の台形で、左側板
７と右側板８は差込み溝孔１２，１３が穿設された同一
形状の台形にそれぞれ形成され、隣接する各板状片の間
には折溝１４〜１７が設けられている。各折溝１４〜１
７で折り曲げて底板片６Ａと底板片６Ｂとを重合させる
と、天板５と底板６および左右の両側板７，８で囲まれ
た縦横の寸法が異なる長方形枠状で、前面開口側から背
面開口側へ次第に縮径された形状となる。この長方形枠
状のケース２は、写真１の左右周辺部を反射して写し出
すために、少なくとも左右の両側板７，８の内面に鏡面
処理が施されるが、実施例では折り曲げ形成する以前の
平板状態で全ての内面に例えば銀紙の貼付などを行って
鏡面にしている。

【０００７】保形シート３は、ケース２の高さ寸法より
十分に長尺な高さ寸法を有する方形状をした一枚のプラ
スチックシート材で形成されている。このシート材を円
筒状に丸め、予め長方形枠状に折り曲げ形成しておいた
ケース２の挿通孔９，１０，１１に挿通させると、重合
して底板６を形成している底板片６Ａと底板片６Ｂとの
間が接合され且つ天板５と底板６の間隔が保持されるの
で、ケース２は長方形枠状に保形され、また下端が底板
６から垂設状に突出した保形シート３の円筒状底面によ
ってケース２は自立状態に支持される。透明パネル４
は、ケース２に穿設された差込み溝孔１２，１３の高さ
寸法より僅かに短尺な高さ寸法を有する方形状をした一
枚の透明なプラスチックシート材で形成されている。こ
の透明パネル４は、ケース２の前面開口側から両端を差
込み溝孔１２，１３にそれぞれ挿入させると、中間部が
保形シート３の前面側に当接する態様で凸面状に湾曲形
成される。

【０００８】上記したように組み立てた写真立てＡに対
し、差込み溝孔１２または差込み溝孔１３を介して透明
パネル４の裏面側から平板状の写真１を挿入すると、当
該写真１は透明パネル４の裏面に沿って摺接しながら保
形シート３の円筒前面側を通過し、ケース２の前面開口
側から鑑賞し得る所定位置へ挿着される。この挿着され
た写真１は、中央部の裏面が保形シート３によって前方
へ押圧された状態で透明パネル４との間で挾持されるの
で、当該透明パネル４の裏面に密着した凸面状に湾曲し
て保形される。この凸面状に保形された写真１をケース
２の前面開口側から鑑賞すると、湾曲面によって遠近感
が生じて奥行きのある立体的な写真に見えると共に、左
右の両側板７，８の内面に施された鏡面に写真１の左右
周辺部が反射して写し出されて広がりのある写真として
も鑑賞することができる。また、別の被写体による写真
と交換するために挿着されている写真１を引き抜くと、
平板状に復元されるので元のアルバムに戻して使用する
ことができる。

【０００９】次に図４と図５で第２実施例による組立式
立体写真立てＢを示すが、この立体写真立てＢは、正方
形枠状に折り曲げ形成されて折り畳み可能なケース２１
と、展開するとそれぞれ平板状になる保形シート２２お
よび透明パネル２３とで構成されている。この写真立て
Ｂは、ケース２１が正方形枠状に折り曲げ形成されてい
ることと、この正方形枠状の前面開口側の四方に縁取り
片が設けられている点で第１実施例とは相違し、その他
の構成は第１実施例による立体写真立てＡの場合と同様
である。ケース２１は、挿通孔２４が穿設された天板２
５と挿通孔２６が穿設された底板２７とが対称形状の台
形で、差込み溝孔２８が穿設された左側板２９と差込み
溝孔３０が穿設された右側板３１とが対称形状の台形に
形成され、これらの各板状片は折溝３２〜３５を介して
連設されている。また、天板２５と底板２７の前端には
折溝３６，３７を介して縁取り片３８，３９が、左側板
２９と右側板３１の前端には折溝４０，４１を介して縁
取り片４２，４３が、それぞれ平行状に設けられてい
る。このようにケース２１を正方形枠状にすると、予め
正方形枠状に一体形成しておいたものを図６のように例
えば天板２５を右側板３１に底板２７を左側板２９にそ
れぞれ重合させた状態で二つ折りして偏平状に折り畳む
ことができ、広げるとる正方形枠状に復元される。

【００１１】上記したケース２１の挿通孔２４，２６に
円筒状に丸めた保形シート２２を挿通させると、天板２
５と底板２７とが拘束されて間隔が保持された状態でケ
ース２１は正方形枠状に保形され、また下端が底板２７
から垂設状に突出した保形シート３の円筒状底面によっ
てケース２１は自立状態に支持される。このケース２１
に対し、差込み溝孔２８または差込み溝孔３０を介して
透明パネル４の裏面側へ写真１を挿着し、円筒状の保形
シート３との間で挾持して凸面状に湾曲して保形させた
状態で使用される。なお、上記した実施例では組立した
際に各縁取り片３８，３９，４０，４１は端部で相互に
分離されているが、予め両面接着テープを貼付しておい
て端部を接着することでケース２１の変形をさらに向上
させたり、各縁取り片の前面に方形枠状に一体形成され
た別の窓枠パネルを接着させることでケース２１補強と
外観の体裁を良くするようにしても良い。

【００１２】

【発明の効果】以上に説明した実施例でも明らかなよう
に、本発明による組立式立体写真立てでは次のような効
果を奏する。請求項１の立体写真立てでは、偏平状に折
り畳み可能な方形枠状をしたケース本体に対し、丸めて
筒状にした保形シートを天板と底板に穿設した挿通孔へ
挿入することでケースの保形および自立支持が得られ、
また左右の側板に穿設した差込み溝孔へ透明シートを挿
入して上記保形シートとの間で写真を凸面状に保形させ
ることができる。これにより、平板な写真を奥行きのあ
る立体写真として鑑賞することができると共に、写真の
着脱を容易に行うことができ且つ交換のために取り出し
た写真は平板状に復元するのでそのまま写真アルバムヘ
戻して使用することができる。また、構造が簡単で構成
部品の数も少ないので大量生産して安価に提供するのに
適し、然も構成部品は分解するといずれも偏平状になる
ので持ち運びや保管が容易であると共に、組立が容易で
年少の購入者でも使用することができる。請求項２の立
体写真立てでは、左右の鏡面に写真の周辺部が写し出さ
れるので画面に広がりが加わり、特に写真の中央部に人
物を配してその周囲を背景にした写真を使用した際に
は、人物が前面に浮き出された状態で背景に広がりが加
わってより効果的な立体写真として鑑賞することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例による組立式立体写真立て
Ａを斜視図で示す。

【図２】図１の立体写真立てＡを中央横断面図で示す。

【図３】図１の立体写真立てＡにおけるケースを展開図
で示す。

【図４】本発明の第２実施例による組立式立体写真立て
Ｂを、一部を破断した状態の正面図で示す。

【図５】図４の立体写真立てＢを中央横断面図で示す

【図６】図４の立体写真立てＢにおけるケースの折り畳
み状態を平面図で示す。

【符号の説明】

１ 写真 ２，２１ ケース ３，２２ 保形シート ４，２３ 透明シート ５，２５ 天板 ６，２７ 底板 ７，２９ 左側板 ８，３１ 右側板 ９，１０，１１，２４，２６ 挿通孔 １２，１３，２８，３０ 差込み溝孔 １４〜１７，３２〜４５，３６，３７，４０，４１ 折
溝 ３８，３９，４２，４３ 縁取り片

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前方開口側が次第に拡径する方形枠状に
   折り曲げ形成され、天板と底板には挿通孔が左右の側板
   には差込み溝孔がそれぞれ対向状に穿設された偏平状に
   折り畳み可能なケースと、平板状のシートを筒状に丸め
   て上記ケースの挿通孔へ貫通状態で挿通させ、当該ケー
   スを方形枠状に保形させ且つ自立支持させる保形シート
   と、平板状のシートで中央が筒状に丸めた上記保形シー
   トの前面側に当接すると共に、両端側が上記差込み溝孔
   にそれぞれ挿通されて凸面状に湾曲した態様で上記ケー
   スに挿着される透明パネルとで構成され、上記差込み溝
   孔を介して上記ケース内へ挿入させた写真を上記透明パ
   ネルと筒状の保形シート間で凸面状に保形支持せしめた
   ことを特徴とした組立式立体写真立て。
2. 【請求項２】 上記ケースの左右側板内面には、写真の
   左右周辺部を反射して写し出す鏡面処理が施されている
   請求項１に記載した組立式立体写真立て。