JPH07203872A - 種子粘質物、その製造方法およびそれを含有する食品素材ならびに食品 - Google Patents

種子粘質物、その製造方法およびそれを含有する食品素材ならびに食品

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JPH07203872A
JPH07203872A JP6004952A JP495294A JPH07203872A JP H07203872 A JPH07203872 A JP H07203872A JP 6004952 A JP6004952 A JP 6004952A JP 495294 A JP495294 A JP 495294A JP H07203872 A JPH07203872 A JP H07203872A
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atm
water
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Hideyuki Goto
英之 後藤
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Harima Chemical Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い吸水・保水能、糸曳き能を備え、かつ毒
性のない食品添加用の粘質物を提供するものである。 【構成】 Artemisia属の種子表皮中に含まれる粘質物
を主成分とする食品添加用種子粘質物、その製造法およ
びそれを含有する食品素材ならびに食品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Artemisia属
(以下ATMという)の種子表皮に薄膜状に極在してい
る高分子多糖類を目的に応じ粉砕・分離・精製加工を施
し、その粘質物の持つ極めて優良な物性を利用し、増粘
剤・品質保存剤・形質転換剤・テクスチャー改善剤・麺
の折損防止・油揚げ食品への油付着率減少・食物繊維基
剤・結着剤・芳香剤等として食品に対して供給する技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】加工食品の製造に従来幅広く使用されて
いる増粘、安定、ゲル化剤はいずれも主として食品の粘
度を増大せしめ、食品の物性、感触を向上させるために
使用されている。現在天然物を中心に様々な製品が開発
されているが、それぞれの物性は個別であり、用途に対
して向き不向きがはっきりしている。その中でも水難溶
性の増粘剤は少なく、増粘剤が膨潤後、その多糖類の繊
維質が互いに結着しゾルを動かしたときに糸を曳いたよ
うな物性を示すような増粘剤は数種類にすぎない。ま
た、これらの増粘剤も製造工程より発生・殘留する酢酸
臭があったり、酸、塩基、電解質濃度に物性が影響を受
けたり、生産が安定しないなど不便な点が多い。
【0003】そこで当該ATM種子の表皮薄膜に注目す
ると、極めて高機能な物質を分泌しているにもかかわら
ず、その構造上、種子全体を単に粉砕すると、胚乳中の
脂質・タンパク質・デンプンが流出し、特にフェノール
化合物の緑変によって強い呈色・また脂質の酸化臭によ
る悪臭が発生し、食品に添加することは不可能である。
一方、全粉砕した後にそれらを除去する事は非常に込み
入った工程をふまえなければならない。また、目的の高
分子多糖類は図1(a)に示すように、ゴマより小さな
種子の表皮に薄膜状に分布しているため純度よく剥離す
る技術・機械は現存しない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】極めて小さいATM種
子表皮の薄膜状の高分子多糖類を剥離・分級する技術、
及びその後の精製法を開発できれば、ATMのような強
力な糸曳き性と酸・塩基・温度・塩類安定性、また、極
めて高い吸水・保水性は、多くの分野、特に麺類・パン
生地等の製造において需要が高まっている。
【0005】さらに、添加物の臭気は製品にそのまま影
響を与えるため、精製品で悪臭を放つ物、臭いのきつい
物は用途範囲が狭められる。
【0006】本発明はこの種のニーズに応えて、極めて
高い吸水・保水能、糸曳き能を備え、好ましい微香性、
もしくは無臭の添加物を低コストで安定して供給するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】ATMはモンゴル地方の
海抜1,100〜1,500mの高山地帯でかつ年間降
雨量の極端に少ない砂漠地帯に生息する草本植物であ
る。これらの厳しい自然環境のなかで繁殖を継続させる
ために、ATM種子は一度降った雨を体内に保持する特
殊な生態を持っている。それは保水性の物質を表皮に分
泌し、発芽のために限られた降雨をその表皮の物質に大
量に取り込む機構である。
【0008】本発明者は、この種子の持つ自然環境への
適応力に着目し、どうにか食品へ応用できないかを検討
した。
【0009】まず、この種子の毒性を検査するためdd
y-N系マウス♂♀2群、各5匹ずつに対し、500m
g/体重kgを最低量とし、以降1,000・1,50
0・2,000mg/体重kgまで4水準、計40匹の
マウスに対する原体経口投与試験を行い、2週間経過を
観察した。その結果、生育阻害、行動異変、糞尿の異
常、試験後の内臓の病理発生は観察されず、LD50
2,000mg/体重kgと考察され、毒性は認められ
なかった。
【0010】次にATM種子の微細構造を分析し、この
吸水性の物質がどのように分泌されているのか研究を行
った。ATM種子断面の走査型電子顕微鏡観察により図
1(b)に示すような構造を確認した。その結果、吸水
性の物質が種子表皮に40〜100μmという薄膜状に
しかもタタミ状に規則正しく折たたまれて存在している
ことが分かった。さらに高倍率のCCD顕微鏡下で水を
吸収させるとこのタタミ状の物質が膨潤し、急速に構造
を解き放ち折りたたまれた繊維状の物質が伸びてゆくこ
とが観察された。さらに、実体顕微鏡下でこの薄膜を単
離し、吸水性の測定をした結果、pH、塩濃度、プロテ
アーゼに対し極めて良好かつ安定な吸水性を示し、吸水
性等の物性要因がこの薄膜に存在する物質であることが
判明した。
【0011】次に、この薄膜物質の成分特定を目的とし
て、下記の様な実験を行った。
【0012】見かけ上、それがかなりの吸水・吸着・粘
弾性を示すことより、薄膜物質は脂質以外の高分子多糖
類、もしくはタンパク質であることが予測されたので、
まず全食物繊維量を測定した。その内容を下記する。
【0013】薄膜膨潤部分のみを大量に収集するため、
ATM種子を70%エタノールで数回丁寧に洗浄を行い
表皮に付着・吸着している夾雑物等を取り除いた。次い
でATM自重の300倍以上の4℃の蒸留水を添加し、
1時間弱放置し、完全に膨潤させた。種子表皮薄膜部の
膨潤しきった多糖類を種子から引き剥がすために、ホモ
ジナイザー(Nissei AM−8型、容量500c
c)を用いて、10,000γ.p.m.で約2分間膨
潤物をホモジナイズし、穏やかな遠心分離を行い、沈殿
の種子を取り除き、清潔なトレーに膨潤した粘質物を薄
く広げ、沈降しなかった種子をピンセットで1つ1つ取
り除いた。このときに、この粘質物の色が少しでも黄色
がかっていたら、上記条件が不適当でホモジナイズ時に
種子の破壊によるコンタミネーションが生じていること
を示すので,ホモジナイズの条件を変えて上記操作を繰
返した。このようにして得られた粘質物は5,000G
以上の遠心分離で脱水濃縮した後、順に70,80,9
0,95,98,100%エタノール及び100%アセ
トンで脱脂、置換脱水を行うか、凍結乾燥を行ったあ
と、クロロホルム:メタノール=1:1で脱脂、アセト
ンで洗浄し精製サンプルとした。
【0014】全食物繊維量はProsky-AOAC酵
素法、タンパク質はケルダール測定法、灰分、水分測定
は法定手法を用いた。
【0015】上記検討の結果、ATM種子表皮薄膜の精
製物の全食物繊維量=92.9%、タンパク量=4.0
% 水分=3.0% 灰分=0.3%と測定され、当該
薄膜は食してもほとんどいっさい消化されずに排泄され
る極めて純度の高い非消化性の高分子多糖類であること
が分かった。
【0016】精製段階において脱脂、水溶性物質の除
去、脱水工程があるため、表皮そのものの構成成分は現
段階ではわからないがその物性よりその全食物繊維量は
かなり高いものと思われる。ちなみに、全種子の粉砕物
の全食物繊維量は54.6%であった。
【0017】次に、この高分子多糖類の組成の調査を行
なうため、次のような実験を行った。まず、常法によ
り、ピリジルアミノ化による蛍光標識を施した試料を調
整した。すなわち、試料を硫酸で加水分解し、炭酸バリ
ウム、次いでイオン交換樹脂を用いて脱塩した。得られ
た試料溶液の所定量に、まず2-アミノピリジンと酢酸
よりなるカップリング試薬を加え反応させ、次いでBo
rane-ジメチルアミンコンプレックスと酢酸よりな
る還元試薬を加えて反応させ、メタノール、トルエンを
加えて窒素を系内に吹き込む方法を繰返して乾燥する操
作により、蛍光標識を施したサンプルを得た。
【0018】この標識を施したサンプルを下記の条件で
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を施し、高分
子多糖類の構成糖を調査した。 移動相:HPLC用アセトニトリル:水=9:1混合
系;ホウ酸カリ緩衡液;pH9.0 カラム:Takara Palpak タイプA N−アセチル−D−グルコサミン(Glc−Nac)を
内部標準として添加し、標準試薬として N−アセチル−D−ガラクトサミン(Gal−Na
c)、ラムノース(Rha)、グルコース(Glc)、
ガラクトース(Gal)、マンノース(Man)、およ
びキシロース(Xyl)を用いて各検量線を作成し、定
量を行なった。
【0019】すなわち、標準試薬の各糖類で上記と同様
にピリジルアミノ化による蛍光標識を行なって検量線を
作成し、被験サンプルのHPLCで得られたチャート面
積より構成糖の補正係数を計算した結果、図2に示すよ
うな値が得られた。
【0020】この場合Glc-Nacを内部標準として
添加しているため結果よりは削除される。この実験系に
おいては中性糖のみをディテクトしているため(精製の
段階で脱塩を行っている)ウロン酸の定量が行われてい
ないが、オルシノール硫酸法による糖濃度の測定結果よ
り、脱イオン処理前の糖濃度と脱イオン処理後の糖濃度
は大差無く全体的にウロン酸は少量と考えられる。
【0021】構成糖をみるとグルコース、マンノースが
多量にふくまれており、グルコマンナンの形状が予想さ
れるが、高pHにおいても架橋を起こさないことから側
鎖にアセチル基などの不純物を含んでいない構造と考え
られる。
【0022】さらに、これらの高分子多糖類の構成要素
を調べた。精製した薄皮を下記の3分画に分け、その組
成比からだいたいの物性要因を予測した。
【0023】1.ペクチン質(植物体の非木質化組織に
特有の酸性多糖 細胞壁・細胞間物質等)の分画 精製品7gを0.05M-リン酸ナトリウム緩衝液(p
H6.8)中の0.5%EDTA液300mlに充分膨
潤させ、得られた不均一なゾル状のものをホモジナイザ
ーで均質化した。これを窒素雰囲気のもと、100℃で
1時間還流加熱ののち、1G2のグラスフィルターを用
いてろ液と殘渣に分別した。(殘渣は次の第2の分画の
ための試料となる。)得られたろ液をNO.2のろ紙で
ろ過しながら、そのろ液に対し4倍量以上のエタノール
を添加し、蓋をして1夜静置した。次いで、10,00
0γ.p.m.で20分間遠心分離を行ない、回収でき
た沈殿をエタノールで2回、石油エーテルで2回洗浄
後、風乾することによってペクチン質の分画を得た。
【0024】2.ヘミセルロース(植物体の食物繊維部
をアルカリ抽出し得られる多糖、酸・酵素で容易に加水
分解される。細胞壁をcelluloseと形成してい
る。)の分画 上記操作の途中で得られた殘渣を純水で洗浄し、それを
300mlの17.5%苛性ソーダと4%ホウ酸を含む
液で窒素雰囲気下に12時間室温にて還流処理した。つ
いで1G2のグラスフィルターを用いてろ液と殘渣に分
別した。得られたろ液について10,000γ.p.
m.で20分間遠心分離を行なって、上澄液を回収し
た。(上記操作中に得た殘渣は、次の第3の分画のため
の試料となる。)得られたろ液に酢酸を約70ml添加
してpHを5に調整後、NO.2のろ紙でろ過しなが
ら、そのろ液に対し4倍量以上のエタノールを添加し、
蓋をして1夜静置した。次いで、10,000γ.p.
m.で20分間遠心分離を行ない、回収できた沈殿を大
量のエタノールで2回、石油エーテルで2回洗浄後、風
乾することによってヘミセルロースの分画を得た。
【0025】3.α−セルロースの分画 上記操作の途中で得られた殘渣を純水で洗浄し、それを
1000mlの純水中で1夜静置し、さらに2N酢酸1
00mlを添加し、室温で1時間静置した。ついで1
0,000γ.p.m.で20分間遠心分離を行ない、
回収できた沈殿を大量のエタノールで2回、石油エーテ
ルで2回洗浄後、風乾することによってα−セルロース
の分画を得た。
【0026】上気した操作により2gの精製したATM
の表皮薄膜からペクチン質1.173g、ヘミセルロー
ス0.505g、α−セルロース0.404gの3分画
を得た。
【0027】合計が2gを越えるが、α−セルロースの
吸湿速度が早く実際の質量より多めに出ているためと思
われる。
【0028】この実験結果を考察してみるとペクチン質
が他の植物体にくらべ多いこが分かる。ATMガムの付
着性はこれを反映しているものと考えられる。ペクチン
質分画はゲル化に起因する場合が多く見られる。ATM
ガムも濃度を高めるとゲル化することを考えるとペクチ
ン質による多少のネットワークの再構築がそこに生じて
いる可能性がある。ペクチン質はアラビノース,ガラク
トース,ラムノース,キシロース,マンノースなどのグ
ルカンであり、ウロン酸は定量していないが、単糖分析
の結果も踏まえるとグルコマンナン等を基調とした骨格
中にペクチン質が存在する為に、それが極めて高い膨潤
性と付着性を持っているものと考えられる。
【0029】これら各種の研究の結果、種子表皮の薄膜
を効率よく工業的に剥離、回収することが可能であれ
ば、それは極めて優良な機能を持った素材であることが
判明した。
【0030】そこで、種子表皮の薄膜の剥離法に関して
検討を行った。
【0031】まず、ATM種子表皮の厚みの測定を走査
型電子顕微鏡で調べた結果、30〜300μmであるこ
とが分かった。
【0032】一般に知られている増粘剤とはちがって、
ATM種子の薄膜中の高分子のような難水溶性の物質は
抽出法では精製できない。物理的な手段で精製しなけれ
ばならないが薄膜のみを種子本体(胚乳部)を破壊しな
いまま回収する事は非常に困難で、前例もしくは機械も
ない。米の搗精用に種々精米機が販売されているが、A
TM種子の様な非常に微細な種子で胚乳部の組織が脆弱
なものに対しては使用できる物はなかった。表皮を削り
取れる機種があっても内部の胚乳中の脂質が研磨部に固
着し継続的な研磨は不可能であった。これらの機械を改
良することは原理的に困難と考えられた。そこで、種子
に衝撃・剪断・面圧力等の外力を加え、薄膜の剥離状
態、及び胚乳部の破壊状態を走査型電子顕微鏡で詳細に
観察した。その結果表皮の薄膜は比較的弱い衝撃によっ
て、図3に示すようにブロック状組織単位で種子本体よ
り剥がれることが判明した。そこで衝撃をその粉砕原理
とする数種の粉砕機で様々な条件下で粉砕を行った結
果、ピンミルタイプの粉砕機が最も薄膜の剥離状態がよ
く歩留まりも高いことが判明した。ピンミルタイプの粉
砕機を用いた場合の、ミル周速(m/sec)と、粉砕
された表皮薄膜の42メッシュ篩下分の歩留まり(%)
および、その中に含まれる脂質含量(wt/wt%)
(これが多いことは、粉砕の際の胚乳部の破損によるコ
ンタミネーションが生じていることを示す)の関係の1
例を図4に示した。この関係は原料の含水率、収穫場
所、気候変動に伴う種子の結実状態などの影響を受ける
ので、原料の状態に応じて粉砕条件を適宜設定すること
が好ましい。他種のジェットミル、スタンプミル、ハン
マーミル、ブレーキロールの様な機種も薄膜の剥離は可
能ではあるが、内部の胚乳部まで破壊が起こるために製
品の色・臭いに影響が出、それを取り除く工程に負担が
増え、また、粉砕中に脂質・澱粉等が融着・固化し、連
続運転が困難である等の問題が発生した。
【0033】剥離状態は図3に示したように完全に脱離
したものと浮いた状態になっている物等があり、粉砕し
た表皮薄膜を効率よく胚乳部と分別回収してやる。
【0034】空気比重分級で分別回収するには円形振動
篩い、あるいはそれに準ずるもので、ある程度の弱い外
力を加えながら粒度で分級を行うことで効率よく薄膜の
みを回収する事ができた。
【0035】このように回収された薄膜には若干の脂質
を含んでおり、また回避できない胚乳部の破砕により混
入する脂質分が存在するために、その用途によってはこ
のまま添加物として供する事は好ましくない。この時点
で6%程度の粗脂質を含んでいるために1%代までに脱
脂するのが好ましい。しかしながら、剥離・分級した直
後の粒度分布帯は幅が広く脱脂後の固液分離がかなり難
しい。したがって、分級に際して50μm以下の微粒子
は取り除くのが好ましい。
【0036】その用途が食品であることを考慮して、脱
脂にはヘキサンを使用するが、この時点での薄皮の粒度
自体は通常355μm以下となっているので脱脂は2〜
3分で完了する。しかし、薄皮の微細構造が図1に示す
ごとく表面積が大きいので抽出された脂質の再付着が多
く、所望の程度まで脱脂するには数回の抽出を繰返す必
要がある。ピンミルタイプの粉砕機を用い、ミル周速8
5m/secで粉砕し、篩分して得た355μmアンダ
ーのものについて、ヘキサンを用いて抽出操作を繰返し
た場合の、抽出回数と試料に対する累積使用溶媒比、試
料中の抽殘脂質(%)および抽出液中の抽液脂質(%)
の1例を図5に示した。各脱脂抽出の度に固液分離を行
い、その後乾燥するが、乾燥は、わずかに残存している
脂質・タンパク質の変色点以下の温度で減圧加熱乾燥す
るのが好ましい。ついで、必要に応じて用途に応じた粒
度に再粉砕を行い最終の形態に加工を施すことができ
る。本発明は、上記したような研究成果および下記する
ような検討結果に基いてなされたものである。
【0037】ATMの種子表皮薄膜の多糖類を、目的に
応じ下記に述べるような粉砕・分離・精製加工を施して
得られる粘質物は、きわめてすぐれた増粘性、吸水性、
膨潤性、糸曳き性、pH安定性、耐塩性、耐酵素性、耐
熱性とともに、ずり応力が時間経過とともに減少し、応
力を解除し一定時間が経過すると再びずり応力が増加す
るいわゆるチキソトロピー性を有していることがわかっ
た。これらの性質を利用し、食品の増粘剤、品質保存
剤、形質転換剤、テクスチャー改善剤、増強剤、麺の折
損防止剤、油揚げ食品の油付着率減少剤、食物繊維基
剤、結着剤、等として、麺類、アイスクリーム、ソー
ス、ケチャップ、ヨーグルト、佃煮、水産練り製品、畜
産練り製品、ジャム、パン生地、インスタントスープ、
焼き肉用のたれ、練りがらし、練りわさび、ドレッシン
グ、健康食品などに添加することにより、これら食品の
物性を改善することができる。したがって、本発明は、
ATMの種子表皮中に含まれる粘質物を主成分とする食
品添加用種子粘質物、および該粘質物を含有する食品素
材または食品である。
【0038】この粘質物の物性について述べると、その
増粘性は、0.5%水溶液は20℃にて5,000〜1
0,000cpsを示し、吸水性、膨潤性の点では自重
の50〜200倍の水を吸収することができ、pH安定
性の点では食用に供することのできるpH1〜11の範
囲ならば種々の物性にほとんど変化が生じず、耐塩性は
10%NaCl溶液でもほとんど種々の物性に影響を及
ぼさない。たとえばわずかに5%の粘度低下を示すにす
ぎない。耐酵素性はProsky-AOAC法によって
全食物繊維量約75〜80%を示し、腸内の細菌、酵素
に分解されることが少なく、耐熱性の点では、オートク
レーブ中で120℃10分間の加熱でわずかな粘度増加
がみられる程度である。
【0039】食品添加剤としてこの種子粘質物を使用す
るには、ATM種子から簡便に目的物質を取りだす必要
があるが、本発明においては、ATM種子にピンミル型
などの衝撃型粉砕機で衝撃を加えて表皮薄膜を種子本体
から剥離粉砕し、粉砕された薄膜を種子本体から、篩
分、風選分級などの手段で分離することによって目的の
種子粘質物を得ることができる。更に精製する必要のあ
る用途に使用するには、ヘキサンなどの有機溶媒を用い
て、粉砕された薄膜に付着している脂質を抽出し、抽出
残分を乾燥することにより、呈臭、呈色成分の除去され
た精製品とすることができ、更に必要に応じて粒度調整
のための粉砕を行うと、主として高分子多糖類からなる
品質のすぐれた精製品とすることができる。
【0040】また別の方法として、ATM種子を冷水中
に放置(冷水温度は室温以下が好ましく、その量は種子
重量の20倍量以上が好ましく、放置時間は30分以上
が好ましい)して種子表皮を水で膨潤させ、ついで回転
翼式ホモジナイザー中で回転翼を回転させることによっ
て(回転数は、回転翼の大きさ、容器の大きさによって
異なるが、通常50〜500rpmの範囲が好ましい)
膨潤した粘質物を回転翼に絡みつかせ、同時に遠心力に
より、粘質物が除去された種子本体を容器底部に沈降さ
せ、次いで粘質物を凍結乾燥もしくはアセトン、エタノ
ールなどの有機溶媒による水置換後風乾することによっ
て精製された粘質物を得ることができる。このようにし
て分離された粘質物は純度が高く全食物繊維量が90%
を越えるため健康食品としてそのまま供することができ
る。
【0041】
【実施例】以下に本発明の食品添加用種子粘質物の製造
方法、ならびにそれをそばおよびパンに添加した場合の
本発明の効果を、実施例により説明する。
【0042】実施例1(製造法) 図6に全体的な製造フローを示した。黒茶色のATM種
子の夾雑物を目開き2mm及び200μmの2段に組ん
だ円形振動篩いにかけて取り除いた。次に粉砕部全面に
耐摩耗処理を施したアルピネ社コロプレックス250Z
(ピンミル型粉砕機)を使用し、供給量400kg/h
r、ミルのディスク周速85m/secで粉砕を行っ
た。この場合周速の制御が製品に大きく影響するため過
不足の無いよう注意した。粉砕物はサイクロン等で補集
し回収した。この時点で原料は薄膜の薄い褐色と種子本
体の黒茶色の混在した形態になっている。
【0043】次に目開き500,355および105μ
mのメッシュを3段組に組立てた直径1.4mの円形振
動篩いにかけ、分級を行った。剥離した薄膜は500μ
mの目開きを通過するが種子本体は通過できずに上部に
残り排出された。薄膜は500μmを通過し分級速度を
調整するためいったん355μmのメッシュ上を旋回し
ながら通過した。このとき粉砕時に破壊されてしまった
種子のかけらが排出された。105μmのメッシュでは
薄膜のほとんどが通過できずに排出されるが50μm以
下の物は通過する。この通過分は脱脂後の固液分離時に
フィルターの目詰まりを起すため工程外に排出した。1
05μmメッシュ上で排出された薄膜は次記の脱脂工程
へ移した。この時の歩留まりは35%程度であった。
【0044】底部に105μmのステンレスメッシュを
2枚重ねてセットした攪拌棒を備えた釜に上記方法で得
られた105μmメッシュ上の薄皮を仕込み、一度目に
薄皮の重量に対し2倍量のヘキサンを加え2分間攪拌、
底部より吸引濾過、底部のバルブを閉じ仕込量と同量の
ヘキサンを加え2分間攪拌、底部より吸引濾過、もう一
度同様の洗浄を行い底部より吸引濾過した。濾過後ジャ
ケット温度80℃で300torrの真空下に加熱乾燥
を行った。乾燥した薄皮を取り出し、任意の粉砕機で粒
度調整して製品とした。
【0045】実施例2(そばへの添加) そば粉300g、薄力粉700g、食塩40g、実施例
1で得られた本発明のATM種子粘質物、あるいは市販
そば添加用山芋凍結乾燥粉末、あるいは市販卵白凍結乾
燥粉末、あるいはグルテンのそれぞれ10g、コントロ
ールとしてそば粉、薄力粉および食塩のみのもの、計5
種の混合物をそれぞれ別々によく攪拌し、均一にせしめ
カートンミキサーで攪拌しながら、水350gを徐々に
加え常法に従い5分間ミキシングした。これを麺帯機で
粗延べ、重ねを繰り返し3mm厚にせしめ、1時間ねか
し再び麺帯機のロール間隔を1.4mmで厚延した。こ
の麺帯、及び3mm幅に切り出した麺を冷蔵保存し実験
に供した。
【0046】すなわち、図7のごとく麺帯をレオメータ
ー(物性測定装置)にて引っ張り強度試験を行った。麺
帯を図中左上にある定められた一定の大きさに打ち抜き
上下を毎分2cmの速度で引っ張った時の伸びた長さ及
びそのときの反力を破線に示し、最終的に麺帯が切れた
点を各種の大きい印で示した。その結果、ATM種子粘
質物添加品は無添加に比べ約2.1倍、市販そば添加用
として最も良いとされる山芋粉末より約1.8倍の強度
を示した。これは、特に最近の製造装置の機械化に際し
て問題となっているそばの機械耐性を飛躍的に増加させ
るものであって、そば業界にとって画期的な添加物と言
える。また、そばの製造時にはつなぎとして薄力粉を使
用するが、これはそばのみでは結着力が弱いため麺が作
れないためであり、つなぎを如何に少なくするかが、そ
ばの品質を決める重要な要因である。図7のごとく強い
結着力が得られるATM種子粘質物を使用すれば、つな
ぎの量を大幅に抑えることができ風味の高いそばを作る
ことができる。
【0047】図8には上記麺帯を一旦沸騰水中で10分
間ゆで、その後急冷した状態で上記と同様の実験条件に
より引っ張り強度を示した。また、ゆで麺としての流通
を考慮し、この麺帯の保存による物性の変化も示した。
図中、0,1,2および3の数字はゆで麺の5℃保存の
日数を示し、すなわち、0はゆでた直後、1,2および
3はそれぞれ24,48および72時間5℃に保存した
後の物性を示す。いわゆるゆでた直後は直接食せる状態
であり、且つゆでたことによりゆで麺製品ともなる。A
TM種子粘質物添加品は、図8のごとくゆでた場合のこ
しの出現が大きく、触感に大きく好影響を与えている。
また、保存流通時にも物性の劣化が少ない。
【0048】図9には麺をゆでた場合の含水量、溶出固
形物含有量を示した。このようにATM種子粘質物を添
加した物はそばの組織を確実に保持しているため、ゆで
ても水が過剰に浸透することを防ぐ。また、組織がしっ
かりとしているため煮崩れによる固形物の溶出が極めて
少ない。この数値の違いははっきりと視認できる。AT
M種子粘質物を使用したそばのそば湯は非常にクリアー
であり、他の物と一目瞭然である。このことは、インス
タント麺、工業的なゆで麺の製造にとって排水の抑制、
作業効率の向上、歩留まりの向上、安定した製品の供給
上、極めて重要なことである。そばを扱う飲食店におい
ても現在はそば湯はお湯にそば粉、薄力粉を添加し飲食
客に出す場合が多く、上記のような条件は同様に切望さ
れている。また、煮沸を沸騰水で20分続けたところ、
無添加品はずたずたに麺が切れ、山芋粉末添加品も箸で
持ち上げると切れてしまうくらいにふやけたが、ATM
種子粘質物を添加したものは充分食せた。このことは、
特に製造条件の一定しない一般のそばを扱う飲食店にと
って必要な機能である。
【0049】実施例3(パンへの応用) パンの作成は図10のごとく直コネ法に従い常法で行っ
た。ATM種子粘質物は乾燥原料に対し1%添加した。
生地の段階で同重量に分割し、正確に直径7.5cmの
球慧に整形した。無添加区、ATM種子粘質物添加区は
各10個ずつ作成しその変化を視認した。
【0050】ATM種子粘質物添加品は型くずれが少な
かった。ATM種子粘質物の添加によりドウの粘弾性が
向上したことが一つの要因であるが、これにより熱の伝
わり方が均一で焼き上がりがよいのも好結果を生んでい
ると考えられる。ドウの粘弾性の向上は直接、加水量の
増加限度の向上にもつながり、歩留まりの向上、製品の
形態制御にも役立つものである。
【0051】その断面について見ても全体的に気泡がな
めらかな球状であり、特に表皮直下の部分は無添加区に
比べつぶれたようにはなっていなかった。また、焼き上
がっても保水生があるため、水分の過剰な蒸散を妨げ乾
燥による食感の劣化を防ぐことができる。
【0052】以上、直捏ね法の例を示したが、中種法に
よる製法も初期の生地を捏ねる段階でATM種子粘質物
を添加すれば同様の効果が得られ、冷凍生地を作成する
場合においても生地の構造を維持し保存効果を高める機
能を持つことがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ATM種子の構造を示す図であり、(a)はそ
の断面拡大図、(b)はそのA部を走査型電子顕微鏡で
観察した状態を示す更なる拡大図である。
【図2】ATM種子表皮薄膜中に極在している高分子多
糖類を構成する糖組成を、Glc−Nacを内部標準と
するHPLCで分析した結果を示す棒グラフである。
【図3】比較的弱い衝撃によってATM種子本体より剥
離する表皮薄膜の様子を示す概念図である。
【図4】ATM種子をピンミル型粉砕機で粉砕した場合
の、ミル周速と粉砕された表皮薄膜の42メッシュ篩下
分の歩留まりおよびその中の脂質含有の関係の1例を示
すグラフである。
【図5】粉砕されたATM種子の表皮薄膜をヘキサンで
抽出した場合の抽出回数と抽残脂質、抽液脂質および累
積溶媒比との関係の1例を示すグラフである。
【図6】本発明の種子粘質物の製造フローの1例を示す
図である。
【図7】添加物による生そばの伸張度と破断強度の関係
を示すグラフである。
【図8】添加物によるそばのゆで麺の伸張度と破断強度
の関係、およびその保存による変化を示すグラフであ
る。
【図9】添加物によるそばのゆで麺の含水量および溶出
固形物含量のちがいを示す棒グラフである。
【図10】直捏ねパン製造法を示す工程図である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Artemisia属(以下ATMとい
    う)の種子表皮中に含まれる粘質物を主成分とする食品
    添加用種子粘質物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の粘質物を含有する食品
    素材。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の粘質物を含有する食
    品。
  4. 【請求項4】 ATM種子に衝撃型粉砕機で衝撃を加え
    て表皮薄膜を種子本体から剥離粉砕し、粉砕された薄膜
    を種子本体から分離することを特徴とする、請求項1記
    載の粘質物を製造する方法。
  5. 【請求項5】 請求項4の方法で得られた粘質物を有機
    溶媒で処理して付着している脂質を抽出し、抽出殘分を
    乾燥することを特徴とする、請求項1記載の粘質物を製
    造する方法。
  6. 【請求項6】 有機溶媒がヘキサンである、請求項5記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 衝撃型粉砕機がピンミル型のものであ
    る、請求項4ないし6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 粉砕された薄膜の種子本体からの分離を
    振動篩いによる篩分で行なう、請求項4ないし7のいず
    れか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 ATM種子を冷水中に放置して種子表皮
    を水で膨潤させ、ついで回転翼式ホモジナイザー中で回
    転翼を回転させることによって膨潤した粘質物を回転翼
    に絡みつかせるとともに、遠心力により粘質物が除去さ
    れた種子本体を容器底部に沈降させ、次いで粘質物を凍
    結乾燥もしくは有機溶媒による水置換後風乾することを
    特徴とする、請求項1記載の粘質物を製造する方法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の粘質物を含有するそば
    原料。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の粘質物を含有するパン
    原料。
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