JPH0720293B2 - リモ−トコントロ−ル受信回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 この発明は、一般家庭やビルなどにおける照明器具ある
いは他の電気製品（以下「負荷」という）を離れたとこ
ろから集中的に制御するリモートコントロールシステム
にて使用されるリモートコントロール受信回路に関す
る。

（ロ）従来の技術 従来、リモートコントロールシステムにて使用される、
電波を通信媒体とした制御信号を受信するリモートコン
トロール受信回路においては、受波による制御信号を受
信したのち、所定のレベルにまで増幅し、その後制御信
号に重畳しているノイズを除去し、制御信号の判読をお
こなつて、負荷に所定の作動をさせるよう信号を出力す
るように構成されるものである（特開昭61-59934号公
報）。

上記リモートコントロール受信回路における各信号波形
を第５図に示す。ａはリモートコントロールシステムの
送信器から発射された送信信号の波形送信（パルスコー
ド）、ｂは送信器の送信アンテナから近い位置で受信し
た場合の受信波形、ｃは遠隔位置で受信した場合の受信
波形である。

（ハ）発明が解決しようとする問題点 第５図において、ｂの場合は、受信波形は反転している
ものの送信波形と同一であるので、上記リモートコント
ロール受信回路が誤動作することはないが、ｃの場合に
は電波が微弱になつているために、受信波形がくずれ、
同図ｄに示すように、復調した信号にビツト落ちｅを生
じた。すなわち、たとえば送受信間の距離が大きくなつ
たりして電波が弱くなると、受信された制御信号の波形
は、その一部が受信された制御信号の波形とは異なる場
合が起こり、したがつて正確な制御信号とはならずに、
負荷の制御が誤つて行なわれる場合があつた。

この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、電界強
度が弱くなつて受信された制御信号波形が送信された制
御信号波形と異つた場合には、受信された制御信号をリ
セツトすることができるリモートコントロール受信回路
を提供しようとするものである。

（ニ）問題点を解決するための手段 この発明の構成は、電波によって送出された制御信号を
受信する電波受信回路１と、電波受信回路１より出力さ
れる受信された制御信号よりノイズを除去するノイズ除
去回路２と、ノイズ除去回路２より出力されるノイズの
除去された制御信号によって負荷を制御するリセット入
力RSTを有する負荷制御回路３とで構成されるリモート
コントロール受信回路において、受信された制御信号が
所定の閾値をこえた場合に信号を出力する閾値判定回路
８と、閾値判定回路８が出力する信号と上記受信された
制御信号との否定論理和を演算したのち演算結果の信号
を波形整形して負荷制御回路３のリセット入力RSTへ信
号を出力する信号判定回路13とからなるレベル判定回路
４を、電波受信回路１の出力と負荷制御回路３のリセッ
ト入力RSTとに接続して設け、信号判定回路13から負荷
制御回路３のリセット入力RSTへ信号が出力されたとき
に受信動作を中止して誤動作を防ぐことを特徴とするリ
モートコントロール受信回路である。

（ホ）作用 電波受信回路にて受信された制御信号は、レベル判定回
路に入力されるとともに、ノイズ除去回路にてノイズを
除去されて負荷制御回路に入力される。閾値判定回路
は、入力された上記制御信号が所定の閾値（スレツシホ
ールドレベル）をこえた場合には信号判定回路に対し信
号を出力する。信号判定回路は、上記制御信号と上記閾
値判定回路の出力信号との否定論理和を演算し、その後
その演算結果の信号を波形整形して負荷制御回路のリセ
ツト信号を出力する。すなわち、受信された制御信号の
信号レベルが、レベル判定回路で判定され、上記制御信
号が所定の閾値をこえれば、受信された制御信号は誤り
があるとして、負荷制御回路をリセツトさせる。

（ヘ）実施例 以下この発明の実施例を図面にて詳述するが、この発明
は以下の実施例に限定されるものではない。

第１図において、１は電波受信回路で、リモートコント
ロールシステムにおいて、送信機より送出された電波に
よる制御信号を受信し、ノイズ除去回路２にて必要なレ
ベルにまで受信した制御信号を増幅する。ノイズ除去回
路２にてノイズの除去された制御信号は、負荷制御回路
３の入力端子SDIへ入力される。この実施例において負
荷制御回路３は、専用のIC（リモートコントロールIC）
にて構成されている。４はレベル判定回路で、電波受信
回路１にその入力端子4aが接続されるとともに、負荷接
続回路３のリセツト入力RSTにその出力端4bが接続され
る。1aは電波受信用のアンテナである。

レベル判定回路４は、第２図に示すように、所定の閾値
が入力されるとOFFするトランジスタ５とそのトランジ
スタ５のベースに接続される抵抗６とトランジスタ５の
コレクタに接続される抵抗７とで構成される閾値判定回
路８と、一方の入力がトランジスタ５のコレクタに接続
されるとともに他方の入力がレベル判定回路４の入力端
子4aに接続される、たとえばC-MOS ICなどの２入力のNO
Rゲート９とNORゲート９の出力とレベル判定回路の出力
端4bの間に接続される抵抗10と出力端4bとグラウンド11
との間に接続されるコンデンサ12とで構成される信号判
定回路13とで構成される。トランジスタ５は、所定の閾
値をたとえば0.6Vとした場合、入力端子4aに入力される
受信された接続信号が0.6Vより小さくなつた場合にOFF
となつて、NORゲート９にHigh信号を出力する。NORゲー
ト９は、それぞれの入力に入力される信号の否定論理和
を演算する。抵抗10とコンデンサ12とは積分回路を形成
しており、NORゲート９から出力される演算結果の信号
を波形整形する。

つぎにこの実施例の動作について、第３図を交えて説明
する。

制御信号Ｓは、第３図に示すように、たとえば12ビツト
が１組の送信パルスコードとして送信される。制御信号
Ｓは、電界強度が充分である場合（正常時）において
は、電波受信回路１によつて受信されると、反転された
状態で電波受信回路１より出力される。第３図のＡに示
すものは、電界強度が不充分な場合、すなわち受信場所
が送信位置から遠隔地にある場合の電波受信回路１の出
力波形、受信された制御信号Srであり、電波が微弱なた
めに波形にくずれを生じている（第３図のＡのA₁部）。

上記制御信号Srは、閾値判定回路８の閾値SH₁によつて
その信号レベルが判定され、第３図のＢに示す信号をNO
Rゲート９に出力する。一方、制御信号Srは、そのままN
ORゲート９に入力されるが、この場合、NORゲート９の
閾値SH₂は、たとえば電源電圧を5Vとした場合には約2.5
Vとなるので、制御信号Srは、NORゲート９内部では、第
３図のＣに示す信号波形となつて演算出力される。閾値
判定回路８の出力信号と制御信号Srとは、NORゲート９
によつて否定論理和の演算がなされ、その演算の結果、
NORゲート９は第３図のＤに示す波形の信号を出力す
る。NORゲート９の出力信号（第３図のＤ）は、抵抗10
とコンデンサ12とによつて波形整形されて、第３図のＥ
に示す波形の信号となる。このレベル判定回路４の出力
信号（第３図のＥ）には、ビツト落ちとなる最終ビツト
があることを示すパルス幅の広いパルス信号Ｐが表わ
れ、リセツト信号となるこのパルス信号Ｐを負荷制御回
路３のリセツト入力RSTに入力することにより、受信さ
れた制御信号Srにビツト落ちが生じている場合には、負
荷制御回路３はリセツトされ、受信された制御信号Srは
有効とならない。

なお、受信された制御信号が正常な場合であつても、NO
Rゲート９の出力信号は、立ち上がり、立ち下がり時に
細い（幅の狭い）パルスが発生するが、受信波形のくず
れによるビツト落ちのような幅の広いパルスが発生しな
いので、リセツト信号とはならない。

第４図に示すものは、レベル判定回路４の他実施例で、
トランジスタ５のスイツチング速度を早くするために、
ベースとグラウンドとの間に抵抗14が接続されるととも
に、NORゲート９に入力される受信された制御信号を分
圧する抵抗15,16が接続される。分圧のための抵抗15,16
によつて、見かけ上NORゲート９の他方の入力の閾値を
可変できるものとなる。したがつて、抵抗15,16の定数
を変化させることにより、受信された制御信号のちよつ
とした波形のくずれを検出することが可能となり、レベ
ル判定回路４の入力感度を調整することができる。

以上の２つの実施例のように、レベル判定回路を主とし
て１個のトランジスタと１個のNORゲートとで構成すれ
ば、回路構成が簡単になり、経済的にも優れたものとな
る。

なお、上記実施例において、電波受信回路は受信した制
御信号を反転して出力したが、必ずしも反転する必要は
ない。

（ト）発明の効果 この発明によれば、一つの入力信号を二つに分流して両
者の差を取出し、これをリセツト信号として使用してい
るので、受信信号が微弱で波形でくずれている場合には
受信動作を中止してしまい、誤動作を防ぐことができる
リモートコントロール受信回路が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例の構成を示すブロツク図、第
２図はおなじくレベル判定回路の電気回路図、第３図は
それぞれの回路の出力の電圧波形を示す波形図、第４図
は他実施例のレベル判定回路の電気回路図、第５図は従
来例を説明するための信号波形図である。 １……電波受信回路、２……ノイズ除去回路、３……負
荷制御回路、４……レベル判定回路、８……閾値判定回
路、13……信号判定回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電波によって送出された制御信号を受信す
   る電波受信回路１と、電波受信回路１より出力される受
   信された制御信号よりノイズを除去するノイズ除去回路
   ２と、ノイズ除去回路２より出力されるノイズの除去さ
   れた制御信号によって負荷を制御するリセット入力RST
   を有する負荷制御回路３とで構成されるリモートコント
   ロール受信回路において、受信された制御信号が所定の
   閾値をこえた場合に信号を出力する閾値判定回路８と、
   閾値判定回路８が出力する信号と上記受信された制御信
   号との否定論理和を演算したのち演算結果の信号を波形
   整形して負荷制御回路３のリセット入力RSTへ信号を出
   力する信号判定回路13とからなるレベル判定回路４を、
   電波受信回路１の出力と負荷制御回路３のリセット入力
   RSTとに接続して設け、信号判定回路13から負荷制御回
   路３のリセット入力RSTへ信号が出力されたときに受信
   動作を中止して誤動作を防ぐことを特徴とするリモート
   コントロール受信回路。