JPH07201487A - 除電シート - Google Patents
除電シートInfo
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- JPH07201487A JPH07201487A JP34968693A JP34968693A JPH07201487A JP H07201487 A JPH07201487 A JP H07201487A JP 34968693 A JP34968693 A JP 34968693A JP 34968693 A JP34968693 A JP 34968693A JP H07201487 A JPH07201487 A JP H07201487A
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- fiber
- fiber sheet
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐磨耗性及び除電性に優れた除電シートを提
供すること。 【構成】 立毛を有する導電性繊維シート1の少なくと
も片面に、立毛端部よりも突出したネット状物2が接着
された除電シート3である。なお、ネット状物2が導電
性材料からなると、より除電性能に優れている。
供すること。 【構成】 立毛を有する導電性繊維シート1の少なくと
も片面に、立毛端部よりも突出したネット状物2が接着
された除電シート3である。なお、ネット状物2が導電
性材料からなると、より除電性能に優れている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複写機などのOA機器の
使用中や、プラスチックシート、不織布などの製造中な
どに発生する静電気を除去するために使用できる、耐磨
耗性に優れた除電シートに関する。
使用中や、プラスチックシート、不織布などの製造中な
どに発生する静電気を除去するために使用できる、耐磨
耗性に優れた除電シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、複写機などのOA機器の使用
中に発生する静電気を除去する方法として、特公昭56
−30960号に記載されているように、金属製のバー
を折り曲げて、その間にカーボン繊維を所定間隔毎に束
状に挟み込んで突出させた除電バーが知られている。し
かしながら、このようにカーボン繊維を突出させた除電
バーは、帯電物と接触して折れてしまい、除電性能がな
くなるばかりでなく、折れたカーボン繊維は異物とな
り、悪影響を及ぼしていた。例えば、複写機等の感光ド
ラムにおいて、紙の搬入側に設置した上記除電バーのカ
ーボン繊維が折れると、感光ドラムに付着して、感光状
態が悪くなったり、感光ドラムにかかる高電圧のため
に、電流がリークして感光ドラムを損傷してしまうとい
う問題が生じていた。
中に発生する静電気を除去する方法として、特公昭56
−30960号に記載されているように、金属製のバー
を折り曲げて、その間にカーボン繊維を所定間隔毎に束
状に挟み込んで突出させた除電バーが知られている。し
かしながら、このようにカーボン繊維を突出させた除電
バーは、帯電物と接触して折れてしまい、除電性能がな
くなるばかりでなく、折れたカーボン繊維は異物とな
り、悪影響を及ぼしていた。例えば、複写機等の感光ド
ラムにおいて、紙の搬入側に設置した上記除電バーのカ
ーボン繊維が折れると、感光ドラムに付着して、感光状
態が悪くなったり、感光ドラムにかかる高電圧のため
に、電流がリークして感光ドラムを損傷してしまうとい
う問題が生じていた。
【0003】上記以外にも、特開昭63−26999
号、特開昭56−50346号には、導電性繊維を植毛
した除電材が開示され、実開昭60−161373号、
実願平1−114145号、実願平2−142085号
には不織布からなる除電材が開示されているが、いずれ
も耐磨耗性に乏しく、前記と同様の問題が生じていた。
号、特開昭56−50346号には、導電性繊維を植毛
した除電材が開示され、実開昭60−161373号、
実願平1−114145号、実願平2−142085号
には不織布からなる除電材が開示されているが、いずれ
も耐磨耗性に乏しく、前記と同様の問題が生じていた。
【0004】そのため、本願出願人は、実願平3−49
636号において、導電性不織布の片面に、ネット状物
を接着した除電シートを提案した。この除電シートは耐
磨耗性に優れているものであったが、ネット状物を接着
することにより除電性能が低下しやすいという問題があ
った。
636号において、導電性不織布の片面に、ネット状物
を接着した除電シートを提案した。この除電シートは耐
磨耗性に優れているものであったが、ネット状物を接着
することにより除電性能が低下しやすいという問題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決するためになされたものであり、耐磨耗性及び除電
性に優れた除電シートを提供することを目的とする。
解決するためになされたものであり、耐磨耗性及び除電
性に優れた除電シートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の除電シートは、
立毛を有する導電性繊維シートの少なくとも片面に、立
毛端部よりも突出したネット状物が接着されたものであ
り、ネット状物が導電性材料からなると、除電性能によ
り優れたものである。
立毛を有する導電性繊維シートの少なくとも片面に、立
毛端部よりも突出したネット状物が接着されたものであ
り、ネット状物が導電性材料からなると、除電性能によ
り優れたものである。
【0007】
【作用】本発明の除電シートを構成する導電性繊維シー
トとして、立毛を有するものを使用しており、ネット状
物の厚みと立毛端部との差に相当する微小空間が形成さ
れるため、この立毛端部からコロナ放電が生じやすく、
効率的に除電することができる。また、ネット状物は立
毛端部よりも突出しているため、立毛端部は帯電物と接
触せず、耐磨耗性にも優れている。
トとして、立毛を有するものを使用しており、ネット状
物の厚みと立毛端部との差に相当する微小空間が形成さ
れるため、この立毛端部からコロナ放電が生じやすく、
効率的に除電することができる。また、ネット状物は立
毛端部よりも突出しているため、立毛端部は帯電物と接
触せず、耐磨耗性にも優れている。
【0008】本発明の立毛を有する導電性繊維シート
は、立毛を有する繊維シートを導電加工したり、或いは
導電加工した繊維、炭素繊維、金属繊維などの導電性を
有する繊維を使用して、立毛を有する繊維シートを形成
することにより得ることができる。
は、立毛を有する繊維シートを導電加工したり、或いは
導電加工した繊維、炭素繊維、金属繊維などの導電性を
有する繊維を使用して、立毛を有する繊維シートを形成
することにより得ることができる。
【0009】立毛を有する繊維シートとしては、例え
ば、フロック加工された繊維シート、タフテッドカーペ
ット、不織布をニードルで処理したり、ブラシなどで摩
擦して起毛させた繊維シートなどを使用できる。これら
の中でも、帯電物に対して直角で、コロナ放電が生じや
すく、立毛端部までの長さが一定で均一性に優れた、フ
ロック加工された繊維シートやタフテッドカーペットが
好適に使用できる。
ば、フロック加工された繊維シート、タフテッドカーペ
ット、不織布をニードルで処理したり、ブラシなどで摩
擦して起毛させた繊維シートなどを使用できる。これら
の中でも、帯電物に対して直角で、コロナ放電が生じや
すく、立毛端部までの長さが一定で均一性に優れた、フ
ロック加工された繊維シートやタフテッドカーペットが
好適に使用できる。
【0010】なお、不織布をニードルで処理したり、ブ
ラシなどで摩擦して起毛させた繊維シートなどのよう
に、立毛が不均一な場合、立毛端部は最も立毛した繊維
の端部をいう。
ラシなどで摩擦して起毛させた繊維シートなどのよう
に、立毛が不均一な場合、立毛端部は最も立毛した繊維
の端部をいう。
【0011】この不織布を形成する方法としては、カー
ド法、エアレイ法、湿式法、スパンボンド法、メルトブ
ロー法などにより得られる繊維ウエブを、水流またはニ
ードルによって繊維同士を絡合させる方法、部分的に熱
或いはバインダーを作用させて結合する方法を例示でき
る。
ド法、エアレイ法、湿式法、スパンボンド法、メルトブ
ロー法などにより得られる繊維ウエブを、水流またはニ
ードルによって繊維同士を絡合させる方法、部分的に熱
或いはバインダーを作用させて結合する方法を例示でき
る。
【0012】このような繊維シート又は繊維に対する導
電加工は、例えば、金属メッキ処理、蒸着処理、スパッ
タリング処理、イオンプレーティング処理、金属溶射処
理、或いは導電性ポリマーの被覆処理などがある。これ
らの中でも、導電性ポリマーの被覆処理、特に、電子共
役系ポリマーにより被覆処理を行なうと、密着性が良い
ため、繊維表面から剥離しにくく、耐久性、柔軟性、除
電性に優れているので、好適な導電加工方法である。な
お、除電シートを複写機などの感光ドラム付近に設置す
る場合、仮に電子共役系のポリマーで被覆された繊維が
脱離し、複写機などの感光ドラムに付着したとしても、
導電性が比較的低いので、電流がリークしにくいという
特長がある。
電加工は、例えば、金属メッキ処理、蒸着処理、スパッ
タリング処理、イオンプレーティング処理、金属溶射処
理、或いは導電性ポリマーの被覆処理などがある。これ
らの中でも、導電性ポリマーの被覆処理、特に、電子共
役系ポリマーにより被覆処理を行なうと、密着性が良い
ため、繊維表面から剥離しにくく、耐久性、柔軟性、除
電性に優れているので、好適な導電加工方法である。な
お、除電シートを複写機などの感光ドラム付近に設置す
る場合、仮に電子共役系のポリマーで被覆された繊維が
脱離し、複写機などの感光ドラムに付着したとしても、
導電性が比較的低いので、電流がリークしにくいという
特長がある。
【0013】この導電性ポリマーにより繊維シート又は
繊維表面を被覆する方法として、例えば、少なくとも塩
化鉄(II)、塩化銅(II)などの酸化剤を含む溶液を、
繊維シート又は繊維に含浸した後、モノマーに接触させ
ることにより重合させる方法、少なくとも塩化鉄(I
I)、塩化銅(II)などの酸化剤を含む高分子マトリッ
クスを、繊維シート又は繊維に付着させた後、モノマー
に接触させることにより重合させる方法などがある。
繊維表面を被覆する方法として、例えば、少なくとも塩
化鉄(II)、塩化銅(II)などの酸化剤を含む溶液を、
繊維シート又は繊維に含浸した後、モノマーに接触させ
ることにより重合させる方法、少なくとも塩化鉄(I
I)、塩化銅(II)などの酸化剤を含む高分子マトリッ
クスを、繊維シート又は繊維に付着させた後、モノマー
に接触させることにより重合させる方法などがある。
【0014】また、接触方法としては、モノマーが液体
状態の場合、モノマーを酸化剤の付着した繊維シート又
は繊維に含浸したり、塗布したり、スプレーすれば良
く、モノマーが気体状態の場合、モノマーで充填した容
器内に酸化剤の付着した繊維シート又は繊維を載置する
ことにより行なうことができる。
状態の場合、モノマーを酸化剤の付着した繊維シート又
は繊維に含浸したり、塗布したり、スプレーすれば良
く、モノマーが気体状態の場合、モノマーで充填した容
器内に酸化剤の付着した繊維シート又は繊維を載置する
ことにより行なうことができる。
【0015】この重合させるモノマーとしては、ベンゼ
ン、アニリン、フェニルアセチレン、ピロール、フラ
ン、チオフェン、インドール、アセチレン及びこれら電
子共役系モノマーの誘導体などを例示することができ
る。これらの中でも、ピロールは導電性、重合性に優
れ、特に好適に使用できる。
ン、アニリン、フェニルアセチレン、ピロール、フラ
ン、チオフェン、インドール、アセチレン及びこれら電
子共役系モノマーの誘導体などを例示することができ
る。これらの中でも、ピロールは導電性、重合性に優
れ、特に好適に使用できる。
【0016】繊維シートを構成する繊維は特に限定する
ものではなく、例えば、絹、羊毛、綿、麻、石綿などの
天然繊維、レーヨン繊維などの再生繊維、アセテート繊
維などの半合成繊維、ポリアミド繊維、ポリビニルアル
コール繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩
化ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリウレタ
ン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの
合成繊維を、単独で又は混合して使用することができ
る。なお、一成分のみからなる繊維ではなく、2成分以
上からなる芯鞘型、サイドバイサイド型の複合繊維も使
用することができる。
ものではなく、例えば、絹、羊毛、綿、麻、石綿などの
天然繊維、レーヨン繊維などの再生繊維、アセテート繊
維などの半合成繊維、ポリアミド繊維、ポリビニルアル
コール繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩
化ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリウレタ
ン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの
合成繊維を、単独で又は混合して使用することができ
る。なお、一成分のみからなる繊維ではなく、2成分以
上からなる芯鞘型、サイドバイサイド型の複合繊維も使
用することができる。
【0017】また、繊維シート構成繊維として、機械的
あるいは化学的処理を施すことにより、繊度が0.5デ
ニール以下の極細繊維に分割可能な繊維を分割して使用
すると、よりコロナ放電を生じやすく、優れた除電性を
発揮する。この中でも機械的に分割可能な繊維は、水流
又はニードルによって分割できると同時に、繊維同士を
絡合できるので、不織布を形成する場合には好適な繊維
である。
あるいは化学的処理を施すことにより、繊度が0.5デ
ニール以下の極細繊維に分割可能な繊維を分割して使用
すると、よりコロナ放電を生じやすく、優れた除電性を
発揮する。この中でも機械的に分割可能な繊維は、水流
又はニードルによって分割できると同時に、繊維同士を
絡合できるので、不織布を形成する場合には好適な繊維
である。
【0018】この繊度が0.5デニール以下の極細繊維
に分割可能な繊維としては、例えば、一成分中に他成分
を島状に配置した断面をもつ海島型繊維、異なる成分を
交互に層状に積層した断面をもつ多重バイメタル型繊
維、或いは一成分で他成分を分割した断面をもつ菊花型
繊維を使用できる。
に分割可能な繊維としては、例えば、一成分中に他成分
を島状に配置した断面をもつ海島型繊維、異なる成分を
交互に層状に積層した断面をもつ多重バイメタル型繊
維、或いは一成分で他成分を分割した断面をもつ菊花型
繊維を使用できる。
【0019】前記の分割可能な繊維を構成する樹脂成分
の組み合わせとしては、例えば、ポリアミド樹脂とポリ
エステル樹脂、ポリアミド樹脂とポリオレフィン系樹
脂、ポリエステル樹脂とポリオレフィン系樹脂、ポリエ
ステル樹脂とポリアクリロニトリル系樹脂がある。
の組み合わせとしては、例えば、ポリアミド樹脂とポリ
エステル樹脂、ポリアミド樹脂とポリオレフィン系樹
脂、ポリエステル樹脂とポリオレフィン系樹脂、ポリエ
ステル樹脂とポリアクリロニトリル系樹脂がある。
【0020】以上のような立毛を有する導電性繊維シー
ト1(以下、単に「導電性繊維シート1」ということが
ある)の少なくとも片面に、ネット状物2を接着して、
除電シート3を得る。
ト1(以下、単に「導電性繊維シート1」ということが
ある)の少なくとも片面に、ネット状物2を接着して、
除電シート3を得る。
【0021】本発明のネット状物2は導電性繊維シート
1の除電性を妨げることなく、帯電物との磨耗から保護
するため、帯電物と接触する恐れがある部分にのみ接着
すれば良いが、導電性繊維シート1の片面又は両面の表
面全体に接着すれば、より確実に保護できる。
1の除電性を妨げることなく、帯電物との磨耗から保護
するため、帯電物と接触する恐れがある部分にのみ接着
すれば良いが、導電性繊維シート1の片面又は両面の表
面全体に接着すれば、より確実に保護できる。
【0022】このネット状物2の素材としては、例え
ば、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ
塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂などからな
る合成繊維、レーヨン、アセテートなどの再生繊維、ガ
ラス繊維などの無機繊維、綿、麻などの植物繊維、羊
毛、絹などの動物繊維などを使用できるが、導電加工し
た繊維、金属繊維、炭素繊維、或いは炭素粉末などの導
電性物質を練り込んだ繊維のような、導電性を有する材
料からなると、より除電性能に優れ、しかもコロナ放電
により除去した電荷を速やかにアースできるため、大量
の電荷を生じる条件下での使用にも耐え得るものであ
る。
ば、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ
塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂などからな
る合成繊維、レーヨン、アセテートなどの再生繊維、ガ
ラス繊維などの無機繊維、綿、麻などの植物繊維、羊
毛、絹などの動物繊維などを使用できるが、導電加工し
た繊維、金属繊維、炭素繊維、或いは炭素粉末などの導
電性物質を練り込んだ繊維のような、導電性を有する材
料からなると、より除電性能に優れ、しかもコロナ放電
により除去した電荷を速やかにアースできるため、大量
の電荷を生じる条件下での使用にも耐え得るものであ
る。
【0023】このような素材からなるネット状物2とし
て、例えば、織物、編物、組物、レース、網、或いはワ
リフなどの、導電性繊維シート1が露出できる部分を有
しているものを使用する。
て、例えば、織物、編物、組物、レース、網、或いはワ
リフなどの、導電性繊維シート1が露出できる部分を有
しているものを使用する。
【0024】このようなネット状物2は接着剤により、
導電性繊維シート1に接着するが、ポリエチレン繊維や
ポリプロピレン繊維などのように、熱融着性を有する繊
維からなるネット状物2の場合には、加熱、或いは加熱
加圧により、導電性繊維シート1に融着できるので、製
造上、好適である。また、前述のように、導電性を有す
る材料からなるネット状物2を接着する場合には、接着
剤に導電性粒子を混入させるなど、接着剤にも導電性を
もたせるのがより好ましい。
導電性繊維シート1に接着するが、ポリエチレン繊維や
ポリプロピレン繊維などのように、熱融着性を有する繊
維からなるネット状物2の場合には、加熱、或いは加熱
加圧により、導電性繊維シート1に融着できるので、製
造上、好適である。また、前述のように、導電性を有す
る材料からなるネット状物2を接着する場合には、接着
剤に導電性粒子を混入させるなど、接着剤にも導電性を
もたせるのがより好ましい。
【0025】本発明の接着したネット状物2の繊維幅W
が2mmを越えると、導電性繊維シート1を覆う面積が広
くなり、除電性能が低下するので、繊維幅Wは2mm以下
にするのが好ましい。なお、繊維幅Wは図2〜図5に示
したように、繊維の最も太い部分をいう。
が2mmを越えると、導電性繊維シート1を覆う面積が広
くなり、除電性能が低下するので、繊維幅Wは2mm以下
にするのが好ましい。なお、繊維幅Wは図2〜図5に示
したように、繊維の最も太い部分をいう。
【0026】また、接着したネット状物2の厚さDは、
ネット状物2が立毛端部よりも突出した構造となるよう
に、立毛端部までの長さと同等以上の厚さDとして、コ
ロナ放電を生じやすくする。なお、繊維シート1がフロ
ック加工された繊維シート1やタフテッドカーペットで
ある場合、ネット状物2の厚さDをパイルの長さと同じ
にすると、繊維シート形成時に使用する接着剤の厚さに
相当する微小距離が形成されるため、よりコロナ放電が
生じやすく、除電性能に優れている。
ネット状物2が立毛端部よりも突出した構造となるよう
に、立毛端部までの長さと同等以上の厚さDとして、コ
ロナ放電を生じやすくする。なお、繊維シート1がフロ
ック加工された繊維シート1やタフテッドカーペットで
ある場合、ネット状物2の厚さDをパイルの長さと同じ
にすると、繊維シート形成時に使用する接着剤の厚さに
相当する微小距離が形成されるため、よりコロナ放電が
生じやすく、除電性能に優れている。
【0027】更に、接着したネット状物2の繊維間隙L
が5mmを越えると、導電性繊維シート1の露出する面積
が広く、帯電物と接触しやすくなるため、耐磨耗性が悪
くなり、1mmよりも短いと、導電性繊維シート1の露出
する面積が狭くなり、除電性が低下するので、繊維間隙
Lは1〜5mmであるのが好ましい。なお、この繊維間隙
Lは図2〜図5に示すように、繊維間の最も短い距離を
いう。
が5mmを越えると、導電性繊維シート1の露出する面積
が広く、帯電物と接触しやすくなるため、耐磨耗性が悪
くなり、1mmよりも短いと、導電性繊維シート1の露出
する面積が狭くなり、除電性が低下するので、繊維間隙
Lは1〜5mmであるのが好ましい。なお、この繊維間隙
Lは図2〜図5に示すように、繊維間の最も短い距離を
いう。
【0028】なお、繊維シートがフロック加工された繊
維シートやタフテッドカーペットである場合、フロック
加工などをする前にネット状物を接着しても良いし、フ
ロック加工などの後にネット状物を接着しても良い。
維シートやタフテッドカーペットである場合、フロック
加工などをする前にネット状物を接着しても良いし、フ
ロック加工などの後にネット状物を接着しても良い。
【0029】また、繊維シートを導電加工する前にネッ
ト状物を接着しても良いし、導電加工した後にネット状
物を接着しても良い。前者のように、導電加工の前にネ
ット状物を接着し、導電加工すると、繊維シートを導電
加工すると同時に、ネット状物も導電加工できるので、
より除電性に優れたものが得られる。
ト状物を接着しても良いし、導電加工した後にネット状
物を接着しても良い。前者のように、導電加工の前にネ
ット状物を接着し、導電加工すると、繊維シートを導電
加工すると同時に、ネット状物も導電加工できるので、
より除電性に優れたものが得られる。
【0030】以上のような除電シートは用途に応じて、
シート状、ロール状、糸状に加工した形態、或いは金属
ロールなどの導電性基材に巻回、或いは貼り付けた状態
で使用できる。
シート状、ロール状、糸状に加工した形態、或いは金属
ロールなどの導電性基材に巻回、或いは貼り付けた状態
で使用できる。
【0031】以下に、本発明の実施例を記載するが、以
下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例の
導電性繊維シートの表面抵抗は、表面抵抗計(三菱油化
株式会社製、ロレスタAP)により測定した値である。
下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例の
導電性繊維シートの表面抵抗は、表面抵抗計(三菱油化
株式会社製、ロレスタAP)により測定した値である。
【0032】
(実施例1)0.2デニール、0.3mmのパイル(ポリア
ミド)を、密度10万本/cm2で、ポリエステル−レ
ーヨン混の織物に静電植毛した繊維シートを、30%濃
度の塩化鉄(II)に含浸した後、ピロール溶液を蒸発さ
せたピロールモノマーガスに接触させ、重合させて、繊
維シートの繊維表面に、ポリピロール皮膜を形成させて
導電性繊維シートを得た。この導電性繊維シートの表面
抵抗は、1.4×103Ω/□であった。この導電性繊維
シートの片面全体に、ポリエチレンフィラメント製平織
ネットを、温度130℃で熱融着して、繊維間隙1.6m
m、繊維幅0.3mm、厚さ0.5mmのネット状物の接着し
た除電シートを得た。
ミド)を、密度10万本/cm2で、ポリエステル−レ
ーヨン混の織物に静電植毛した繊維シートを、30%濃
度の塩化鉄(II)に含浸した後、ピロール溶液を蒸発さ
せたピロールモノマーガスに接触させ、重合させて、繊
維シートの繊維表面に、ポリピロール皮膜を形成させて
導電性繊維シートを得た。この導電性繊維シートの表面
抵抗は、1.4×103Ω/□であった。この導電性繊維
シートの片面全体に、ポリエチレンフィラメント製平織
ネットを、温度130℃で熱融着して、繊維間隙1.6m
m、繊維幅0.3mm、厚さ0.5mmのネット状物の接着し
た除電シートを得た。
【0033】(実施例2)別のポリエチレンフィラメン
ト製平織ネットを熱融着した以外は、実施例1と全く同
様にして、繊維間隙1.6mm、繊維幅0.5mm、厚さ0.
8mmのネット状物の接着した除電シートを得た。
ト製平織ネットを熱融着した以外は、実施例1と全く同
様にして、繊維間隙1.6mm、繊維幅0.5mm、厚さ0.
8mmのネット状物の接着した除電シートを得た。
【0034】(実施例3)実施例1と同様にして得た導
電性繊維シートに、ステンレス製平織ネットを、カーボ
ン含有導電性粘着剤で接着して、繊維間隙1.3mm、繊
維幅0.3mm、厚さ0.6mmのネット状物の接着した除電
シートを得た。
電性繊維シートに、ステンレス製平織ネットを、カーボ
ン含有導電性粘着剤で接着して、繊維間隙1.3mm、繊
維幅0.3mm、厚さ0.6mmのネット状物の接着した除電
シートを得た。
【0035】(実施例4)繊維としてポリエステル成分
を主体とし、このポリエステル成分を繊維軸から放射状
に伸びるポリアミド成分により分割した、菊花型の断面
形状を有する、繊度2デニール、繊維長38mmで、0.
1デニールに分割できる分割繊維を使用した。この分割
繊維をカード機を通して繊維ウエブとした後、水圧95
kg/cm2の水流により絡合し、目付85g/m2、厚み0.5m
mの繊維シートを得た。この繊維シートを実施例1と同
様に導電加工し、次いで、ブラシにより表面を起毛させ
て、導電性繊維シートを得た。この起毛した導電性繊維
シートの立毛端部は0.9mmで、表面抵抗は1.5×10
2Ω/□であった。この導電性繊維シート片面全体にポ
リエチレン製平織ネットを、温度130℃で熱融着し
て、繊維間隙5.0mm、繊維幅1.5mm、厚さ1.0mmの
ネット状物の接着した除電シートを得た。
を主体とし、このポリエステル成分を繊維軸から放射状
に伸びるポリアミド成分により分割した、菊花型の断面
形状を有する、繊度2デニール、繊維長38mmで、0.
1デニールに分割できる分割繊維を使用した。この分割
繊維をカード機を通して繊維ウエブとした後、水圧95
kg/cm2の水流により絡合し、目付85g/m2、厚み0.5m
mの繊維シートを得た。この繊維シートを実施例1と同
様に導電加工し、次いで、ブラシにより表面を起毛させ
て、導電性繊維シートを得た。この起毛した導電性繊維
シートの立毛端部は0.9mmで、表面抵抗は1.5×10
2Ω/□であった。この導電性繊維シート片面全体にポ
リエチレン製平織ネットを、温度130℃で熱融着し
て、繊維間隙5.0mm、繊維幅1.5mm、厚さ1.0mmの
ネット状物の接着した除電シートを得た。
【0036】(比較例1)実施例1の導電性繊維シート
を除電シートとした。
を除電シートとした。
【0037】(比較例2)導電性繊維シートを起毛して
いない以外は、実施例4と全く同様にして、除電シート
を得た。
いない以外は、実施例4と全く同様にして、除電シート
を得た。
【0038】(除電効果試験)ポリイミドフィルムを羊
毛布で摩擦することにより、13.0KVの静電気を帯電
させ、この帯電ポリイミドフィルム上に、2cm×30cm
に裁断した実施例1〜4及び比較例1〜2の除電シート
を、1秒間載せた後に、残留した帯電圧を測定した。こ
の摩擦帯電方法及び帯電圧測定はJIS規格、L109
2参考法に準拠の摩擦帯電圧試験装置(カネボウエンジ
ニアリング株式会社製、EST−7)により行った。な
お、この測定は温度20℃、湿度50%の条件下で行
う。この結果は表1に示す。
毛布で摩擦することにより、13.0KVの静電気を帯電
させ、この帯電ポリイミドフィルム上に、2cm×30cm
に裁断した実施例1〜4及び比較例1〜2の除電シート
を、1秒間載せた後に、残留した帯電圧を測定した。こ
の摩擦帯電方法及び帯電圧測定はJIS規格、L109
2参考法に準拠の摩擦帯電圧試験装置(カネボウエンジ
ニアリング株式会社製、EST−7)により行った。な
お、この測定は温度20℃、湿度50%の条件下で行
う。この結果は表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】(耐磨耗性試験)実施例1〜4及び比較例
1〜2の除電シートを、JIS規格、L1076に準ず
る、C法(アピアランス、リテンション試験機)によ
り、荷重20g/cm2、摩擦回数50回で行ない、目視に
より評価を行なう。この評価はH<M<L<Nの順に耐
磨耗性に優れていることを示す。この結果も表1に示
す。
1〜2の除電シートを、JIS規格、L1076に準ず
る、C法(アピアランス、リテンション試験機)によ
り、荷重20g/cm2、摩擦回数50回で行ない、目視に
より評価を行なう。この評価はH<M<L<Nの順に耐
磨耗性に優れていることを示す。この結果も表1に示
す。
【0041】
【発明の効果】本発明の除電シートを構成する導電性繊
維シートとして、立毛を有するものを使用しており、ネ
ット状物の厚みと立毛端部との差に相当する微小空間が
形成されるため、この立毛端部からコロナ放電が生じや
すく、効率的に除電することができる。また、ネット状
物は立毛端部よりも突出しているため、立毛端部は帯電
物と接触せず、耐磨耗性にも優れている。
維シートとして、立毛を有するものを使用しており、ネ
ット状物の厚みと立毛端部との差に相当する微小空間が
形成されるため、この立毛端部からコロナ放電が生じや
すく、効率的に除電することができる。また、ネット状
物は立毛端部よりも突出しているため、立毛端部は帯電
物と接触せず、耐磨耗性にも優れている。
【0042】ネット状物が導電性材料からなると、より
除電性能に優れている。
除電性能に優れている。
【図1】 本発明の除電シートの斜視図
【図2】 本発明の除電シートの一部拡大図
【図3】 ネット状物が編物である場合の拡大図
【図4】 ネット状物が糸レースである場合の拡大図
【図5】 ネット状物が平打組物である場合の拡大図
1 導電性繊維シート 2 ネット状物 3 除電シート W 繊維幅 D 繊維の厚さ L 繊維間隙
Claims (2)
- 【請求項1】 立毛を有する導電性繊維シートの少なく
とも片面に、立毛端部よりも突出したネット状物が接着
されていることを特徴とする除電シート。 - 【請求項2】 ネット状物が導電性材料からなることを
特徴とする請求項1記載の除電シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34968693A JPH07201487A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 除電シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34968693A JPH07201487A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 除電シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07201487A true JPH07201487A (ja) | 1995-08-04 |
Family
ID=18405422
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34968693A Pending JPH07201487A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 除電シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07201487A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100794032B1 (ko) * | 2006-10-19 | 2008-01-10 | 주성숙 | 전자기기용 도전성 시트 및 그 제조방법 |
JP2016122036A (ja) * | 2014-12-24 | 2016-07-07 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 定着装置及び画像形成装置 |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP34968693A patent/JPH07201487A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100794032B1 (ko) * | 2006-10-19 | 2008-01-10 | 주성숙 | 전자기기용 도전성 시트 및 그 제조방법 |
JP2016122036A (ja) * | 2014-12-24 | 2016-07-07 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 定着装置及び画像形成装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040115 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040127 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20040302 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040615 |