JPH07200875A - ３次元モデルの表示位置変更方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な操作で３次元モデル全体を確認しなが
らリアルタイムで３次元モデルの視点位置を変更する。 【構成】 ３次元モデル２１の表示エリア２２の水平方
向の枠の部分に第１のスクロールバー２３を表示すると
共に、表示エリア２２の垂直方向の枠の部分に第２のス
クロールバー２４を表示する。第１のスクロールバー２
３に対する操作に従って視点座標系を３次元モデル２１
の基本座標系の水平面に沿って回転させ、第２のスクロ
ールバー２４に対する操作に従って視点座標系を３次元
モデル２１の基本座標系の垂直面に沿って回転させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、３次元ＣＡＤシステム
等において作成された３次元モデルの表示姿勢を変更す
るための３次元モデルの表示位置変更方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、３次元ＣＡＤシステムで作成され
た３次元図面を任意の視点位置から表示する場合、視点
位置を指定するためにキーボードから視点座標を入力し
たり、特別のウィンドウを表示画面中に表示し、このウ
ィンドウに対する所定の操作で視点位置を変更するよう
にしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の３次モデルの表示位置変更方法では、視点位
置の指定操作が面倒であるという問題がある。また、視
点位置変更操作用のウィンドウを表示する方式では、３
次元モデルの表示エリアの一部が操作用のウィンドウに
よって隠れてしまうことがあり、その結果、３次元モデ
ル全体を確認しながらリアルタイムで表示位置を変更す
ることが不可能であった。

【０００４】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、簡単な操作によって３次元モデル
全体を確認しながらリアルタイムで３次元モデルの視点
位置を変更することができる３次元モデルの表示位置変
更方法を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係る３次元モデ
ルの表示位置変更方法は、３次元モデルの表示エリアの
水平方向の枠の部分に第１のスクロールバーを表示する
と共に、前記３次元モデルの表示エリアの垂直方向の枠
の部分に第２のスクロールバーを表示し、前記第１のス
クロールバーに対する操作に従って視点座標系を前記３
次元モデルの基本座標系の水平面に沿って回転させ、前
記第２のスクロールバーに対する操作に従って視点座標
系を前記３次元モデルの基本座標系の垂直面に沿って回
転させることを特徴とする。

【０００６】

【作用】本発明によれば、表示エリアの枠の部分にスク
ロールバーを表示し、このスクロールバーに対する操作
によって３次元モデルに対する視点位置を任意の位置に
変更することができるので、簡単な操作で、３次元モデ
ル全体を確認しながら、リアルタイムで３次元モデルの
表示姿勢を変更することができる。

【０００７】

【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明の実施例
について説明する。図１は、本発明の実施例に係る３次
元ＣＡＤシステムの構成を示す機能ブロック図である。
このシステムは、マウス、キーボード等の入力部１と、
ＣＰＵ及び所定のソフトウェア等で構成されたＣＡＤ処
理部２と、外部ディスク装置等の２次元図面データ記憶
部３及び３次元図面データ記憶部４と、ＣＲＴディスプ
レイ装置等の表示部５と、プリンタ、ラスタプロッタ等
の印刷出力部６とを備えて構成されている。

【０００８】ＣＡＤ処理部２は、３次元モデルに対する
視点の位置を指定するためのスクロールバーの表示とそ
れに基づく処理を実行するスクロールバー表示制御部１
１と、指定された視点位置に基づいて３次元モデルの視
点座標系における３次元座標値を算出する視点座標算出
部１２と、視点座標系における３次元座標値をスクリー
ン座標に変換するスクリーン座標変換部１３と、視点座
標系における３次元座標値を２次元ＣＡＤデータに変換
する２次元ＣＡＤデータ変換部１４とを備えている。

【０００９】次に、このように構成された本システムの
動作について説明する。図２は、このシステムで使用さ
れるスクロールバーの一例を示す図である。表示部５の
表示画面に形成される３次元モデル２１の表示エリア２
２の上側の枠の部分には、第１のスクロールバー２３が
表示され、表示エリア２２の左側の枠の部分には、第２
のスクロールバー２４が表示される。これらスクロール
バー２３，２４にはそれぞれ−１８０°〜１８０°まで
の目盛りが付してあり、その範囲内で第１のパッド２５
及び第２のパッド２６がマウスのカーソル２７に追従し
て移動するようになっている。

【００１０】第１のパッド２５を水平方向に移動させる
と、図３（ａ）に示すように、３次元モデル２１の基本
座標系Ｘ，Ｙ，Ｚの原点Ｏを中心として基本座標系Ｘ，
Ｙ，Ｚの水平面に沿って視点位置、即ち視点座標系Ｘ
ｅ，Ｙｅ，Ｚｅ（但し、Ｚｅは視線方向ベクトル）が回
転移動する。第２のパッド２６を垂直方向に移動させる
と、図３（ｂ）に示すように、３次元モデル２１の基本
座標系Ｘ，Ｙ，Ｚの原点Ｏを中心として基本座標系Ｘ，
Ｙ，Ｚの垂直面に沿って視点座標系Ｘｅ，Ｙｅ，Ｚｅが
回転移動する。これにより、視点座標系Ｘｅ，Ｙｅ，Ｚ
ｅは、基本座標系Ｘ，Ｙ，Ｚの原点Ｏを中心とする球面
の全ての位置に移動し得る。

【００１１】この実施例では、この他に、図２に示す第
１及び第２のスクロールバー２３，２４の交差部にも第
３のパッド２８が表示され、このパッドにマウスのカー
ソルを位置させてドラッギング操作すると、ドラッギン
グの方向に応じて、第１及び第２のパッド２５，２６が
同時に移動するようになっている。

【００１２】この場合、カーソル２７を左上方向又は右
下方向に移動させると、第１及び第２のパッド２５，２
６が共に減少するか増加する方向に移動し、図４（ａ）
に示すように、視点座標系Ｘｅ，Ｙｅ，Ｚｅが基本座標
系Ｘ，Ｙ，Ｚの左上がりの面に沿って移動する。また、
カーソル２７を左下方向又は右上方向に移動させると、
第１及び第２のパッド２５，２６のうち一方が減少し、
他方が増加する方向に移動し、図４（ｂ）に示すよう
に、視点座標系Ｘｅ，Ｙｅ，Ｚｅが基本座標系Ｘ，Ｙ，
Ｚの右上がりの面に沿って移動する。

【００１３】次に、以上の処理とこの処理によって任意
の視点位置から見た３次元モデルから２次元ＣＡＤデー
タを生成する処理を図５のフローチャートに従って説明
する。３次元モデルの表示姿勢の変更は、カーソルの移
動を検出する毎に（Ｓ１）、以下の表示座標算出処理を
実行することにより実現される。先ず、マウスのカーソ
ル位置に基づいてスクロールバー２３，２４のパッド２
５，２６の表示位置を移動させる（Ｓ２）。スクロール
バー２３，２４のパッド２５，２６の表示位置から図６
に示すように視点座標系の原点Ｐの水平面上の角度θh
と垂直面上の角度θv とが一意的に求められる（Ｓ
３）。

【００１４】次に、角度θh ，θv から視点座標系を求
める（Ｓ４）。図６に示すように、視点座標系は、視点
座標系の原点Ｐから基本座標系の原点ＯへのベクトルＲ
と、視点座標系の各軸の単位ベクトルＸｅ，Ｙｅ，Ｚｅ
とによって特定され、これらも角度θh ，θv から一意
的に求められる。

【００１５】続いて、基本座標系で定義されている３次
元モデル２１のワイヤーフレームの座標値を視点座標系
における座標値に変換する（Ｓ５）。即ち、基本座標系
の各軸の単位ベクトルＸ，Ｙ，Ｚと視点座標系の各軸の
単位ベクトルＸｅ，Ｙｅ，Ｚｅとの方向余弦行列をＴと
すれば、３次元モデル２１の基本座標系での座標値ｘ，
ｙ，ｚから変換後の座標値ｘｅ，ｙｅ，ｚｅは、下記数
１のように求められる。

【００１６】

【数１】 ［ｘｅ ｙｅ ｚｅ］＝［ｘ ｙ ｚ］Ｔ＋［ｒx ｒy ｒz ］ 但し、ｒｘ，ｒｙ，ｒｚはスカラーで、 Ｒ＝ｒx Ｘｅ＋ｒy Ｙｅ＋ｒz Ｚｅ

【００１７】次に、求められた視点座標系での３次元モ
デルから２次元平面への投影図を得るために、視点座標
系の座標値をスクリーン座標系の座標値に変換する（Ｓ
６）。この処理としては投影法、平行法等が知られてい
るが、投影法の場合には、更に投影角を指定する必要が
ある。

【００１８】投影法の場合、図７に示すように、視線上
に立てたスクリーン３０の位置をｄ、スクリーン３０の
１／２幅をｓとすると、下記数２のように変換処理を行
って、スクリーン座標系での座標値ｘｓ，ｙｓ，ｚｓを
求める。なお、ｗはスケールファクタで、ｘｓ＝ｘ／
ｗ，ｙｓ＝ｙ／ｗ，ｚｓ＝ｚ／ｗである。

【００１９】

【数２】 ［ｘ ｙ ｚ ｗ］＝［ｘｅ ｙｅ ｚｅ １］Ｐ

【００２０】また、平行法により変換する場合には、ｄ
＝∞とすれば良い。変換された座標値には、視線方向
（深さ方向）の座標値ｚｓも含まれているので、次に、
座標値ｚｓの大小判定を行うことにより、隠線・隠面消
去を行う（Ｓ７）。これにより、２次元空間上でのワイ
ヤーフレーム情報を得ることができる。そこで、得られ
た情報をもとにビットマップメモリへの展開処理を実行
し（Ｓ８）、表示部５に表示する。

【００２１】以上の操作は、カーソルの移動が検出され
る度に実行される（Ｓ１）。これにより、３次元モデル
２１を表示画面上でリアルタイムに回転移動させること
ができる。３次元モデル２１が所望の方向から表示され
ていることが確認されたら、確定のコマンドを入力する
（Ｓ９）。

【００２２】次に２次元図面への変換処理について説明
する。上記の手順で任意の視線位置から見た３次元モデ
ルのイメージを表示部５に表示させると同時に、２次元
図面への変換処理を指定すると（Ｓ１０）、前述した隠
線・隠面処理（Ｓ７）後のデータから２次元ＣＡＤ図面
が生成され（Ｓ１１）、２次元図面記憶部３に保存され
る（Ｓ１２）と共に、必要に応じて印刷出力部６を通し
て変換後の２次元図面が出力される。即ち、隠線・隠面
処理後のワイヤーフレームの各要素データは、要素の種
類、ｘ，ｙの２次元座標値及び必要なパラメータによっ
て構成されているので、このデータをそのまま２次元Ｃ
ＡＤデータとして利用することができる。

【００２３】この処理を利用して３次元モデル２１から
３面図を作成する手順を図８〜図１０に従って説明す
る。図８（ａ）に示す３次元モデル２１を第１のパッド
２５をカーソル２７で左方向に移動させて図８（ｂ）に
示す正面斜め上から見たイメージを表示させ、第２のパ
ッド２６をカーソル２７で上方向に移動させて図８
（ｃ）に示す上方からみたイメージを表示させる。そし
て、これを２次元図面に変換して上面図としたのち、必
要な寸法線やコメント等を付加する。

【００２４】同様の操作を図９及び図１０のように行っ
て、３次元モデル２１の正面図及び左側面図を作成す
る。これにより、３次元モデル２１から３面図を簡単に
作成することができる。なお、このような３面図を作成
する場合には、平行法による２次元変換を行ったほうが
都合が良い。

【００２５】３次元モデルの任意方向からの透視図の２
次元コピーを出力する場合には、投影法のほうが遠近感
が得られるので好ましい。この場合、従来のようにハー
ドコピーによる出力とは異なり、２次元データがベクト
ルデータであるため、印刷出力の品質が良好であるとい
う特徴がある。

【００２６】また、生成した２次元図面に関する情報
を、もとになった３次元図面にリンクさせて保存してお
き、方向余弦ベクトル行列Ｔ及びベクトルＲ等の変換パ
ラメータを３次元図面に記憶させておくことが好まし
い。そして、３次元モデルに修正が加えられたときに、
再度前述した座標変換処理（Ｓ５，Ｓ６，Ｓ７）をシス
テム内部で再実行するようにしておけば、３次元図面の
修正結果を２次元図面に反映させることが可能になる。
２次元に変換したデータは、自由曲線を多く含むが、こ
れらを直線の集合ではなく、自由曲線として表現するこ
とにより、データ量が増えることもなく操作性も良くな
る。また、円、楕円等で表現できるものは自由曲線では
なく円、楕円等で表現すればよい。

【００２７】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、表
示エリアの枠の部分にスクロールバーを表示し、このス
クロールバーに対する操作によって３次元モデルに対す
る視点位置を任意の位置に変更することができるので、
簡単な操作で、３次元モデル全体を確認しながら、リア
ルタイムで３次元モデルの表示姿勢を変更することがで
きるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施例に係る３次元ＣＡＤシステム
の機能ブロック図である。

【図２】 同システムで使用されるスクロールバーの一
例を示す図である。

【図３】 同スクロールバーの第１及び第２のパッドの
操作による視点位置の移動方向を説明するための図であ
る。

【図４】 同第３のパッドの操作による視点位置の移動
方向を説明するための図である。

【図５】 同システムにおける３次元モデルの視点位置
移動処理と２次元図面データ変換処理を示すフローチャ
ートである。

【図６】 同基本座標系と視点座標系との関係を示す図
である。

【図７】 同スクリーン変換の方法を説明するための図
である。

【図８】 同３次元モデルから上面図を作成する操作手
順を説明するための図である。

【図９】 同３次元モデルから正面図を作成する操作手
順を説明するための図である。

【図１０】 同３次元モデルから右側面図を作成する操
作手順を説明するための図である。

【符号の説明】

１…入力部、２…ＣＡＤ処理部、３…２次元図面データ
記憶部、４…３次元図面データ記憶部、５…表示部、６
…印刷出力部、１１…スクロールバー表示制御部、１２
…視点座標算出部、１３…スクリーン座標変換部、１４
…２次元ＣＡＤデータ変換部、２１…３次元モデル、２
２…表示エリア、２３…第１のスクロールバー、２４…
第２のスクロールバー、２５…第１のパッド、２６…第
２のパッド、２７…カーソル、２８…第３のパッド。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ３次元モデルの表示エリアの水平方向の
   枠の部分に第１のスクロールバーを表示すると共に、前
   記３次元モデルの表示エリアの垂直方向の枠の部分に第
   ２のスクロールバーを表示し、 前記第１のスクロールバーに対する操作に従って視点座
   標系を前記３次元モデルの基本座標系の水平面に沿って
   回転させ、 前記第２のスクロールバーに対する操作に従って視点座
   標系を前記３次元モデルの基本座標系の垂直面に沿って
   回転させることを特徴とする３次元モデルの表示位置変
   更方法。
2. 【請求項２】 前記第１及び第２のスクロールバーの交
   差部に対する操作に従って前記視点座標系を前記３次元
   モデルを中心とする球面に沿って移動させることを特徴
   とする請求項１記載の３次元モデルの表示位置変更方
   法。