JPH0720067A - 結晶構造決定方法 - Google Patents
結晶構造決定方法Info
- Publication number
- JPH0720067A JPH0720067A JP5163032A JP16303293A JPH0720067A JP H0720067 A JPH0720067 A JP H0720067A JP 5163032 A JP5163032 A JP 5163032A JP 16303293 A JP16303293 A JP 16303293A JP H0720067 A JPH0720067 A JP H0720067A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- waves
- incident
- wave
- scattered
- substance
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N23/00—Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00
- G01N23/20—Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by using diffraction of the radiation by the materials, e.g. for investigating crystal structure; by using scattering of the radiation by the materials, e.g. for investigating non-crystalline materials; by using reflection of the radiation by the materials
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Immunology (AREA)
- Pathology (AREA)
- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 信頼性の高い構造決定に極めて重要な役割を
果たす多重散乱効果を取り込んだ、正確かつ高速な物質
構造決定を自動的に行う。 【構成】 粒子線あるは電磁波の単色線を図1Aのよう
に図面右側の方向から物質に入射し、散乱波として透過
波あるいは反射波、、を得たのちに、図1Bの
の入射波に示すように、散乱波と逆の方向から同一の入
射波を物質に入射して得られる散乱波(透過波あるいは
反射波)の方向と強度を観測する事により従来の構造決
定法の欠点であった試行錯誤的任意性や煩雑性を克服し
未知の物質の構造を正確にかつ迅速に決定する事が出来
る。
果たす多重散乱効果を取り込んだ、正確かつ高速な物質
構造決定を自動的に行う。 【構成】 粒子線あるは電磁波の単色線を図1Aのよう
に図面右側の方向から物質に入射し、散乱波として透過
波あるいは反射波、、を得たのちに、図1Bの
の入射波に示すように、散乱波と逆の方向から同一の入
射波を物質に入射して得られる散乱波(透過波あるいは
反射波)の方向と強度を観測する事により従来の構造決
定法の欠点であった試行錯誤的任意性や煩雑性を克服し
未知の物質の構造を正確にかつ迅速に決定する事が出来
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は物質に入射された粒子線
あるいは電磁波の散乱波を計測する事により物質の構造
を自動的に決定する手法に関する。
あるいは電磁波の散乱波を計測する事により物質の構造
を自動的に決定する手法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでの構造未知の物質の構造決定法
には、X線や中性子線の散乱によってえられる回折強度
と予想結晶構造の理論回折強度との一致を求める試謬法
や多数の回折スポットの回折強度のフーリエ変換から原
子の位置を求めるフーリエ法などがある。これらは主と
してバルク物質の結晶構造をきめる方法であるが、試謬
法では結晶構造を予め想定する必要があり、フーリエ法
では有限の回折スポットを選択せざるを得ないなどいず
れにしろ結晶構造の決定に任意性や曖昧さが含まれる。
には、X線や中性子線の散乱によってえられる回折強度
と予想結晶構造の理論回折強度との一致を求める試謬法
や多数の回折スポットの回折強度のフーリエ変換から原
子の位置を求めるフーリエ法などがある。これらは主と
してバルク物質の結晶構造をきめる方法であるが、試謬
法では結晶構造を予め想定する必要があり、フーリエ法
では有限の回折スポットを選択せざるを得ないなどいず
れにしろ結晶構造の決定に任意性や曖昧さが含まれる。
【0003】一方結晶表面や薄膜に電子線を入射させそ
の散乱波の強度や方向を観察して結晶表面や薄膜の構造
を決定する方法がある。中でも20〜500eVの電子
線を結晶表面に垂直に入射させその電子線反射波より表
面数原子層の構造の情報を得るいわゆる低速電子線回折
法(LEED)や表面すれすれに20〜50keVの電
子線を入射させる事により、表面付近の原子層の構造の
情報を得る反射高速電子線回折法(RHEED)がよく
知られている。
の散乱波の強度や方向を観察して結晶表面や薄膜の構造
を決定する方法がある。中でも20〜500eVの電子
線を結晶表面に垂直に入射させその電子線反射波より表
面数原子層の構造の情報を得るいわゆる低速電子線回折
法(LEED)や表面すれすれに20〜50keVの電
子線を入射させる事により、表面付近の原子層の構造の
情報を得る反射高速電子線回折法(RHEED)がよく
知られている。
【0004】これらの方法により未知の物質の構造を解
析する場合、入射電子線のエネルギーを変化させ反射電
子線の回折スポットの強度を入射電子線のエネルギーの
関数、いわゆるI−V曲線を観測する。そして結晶の構
造を仮定し対応する電子線の散乱強度を計算し実験に一
致するような結晶構造を試行錯誤で見いだしてきた。こ
のためこれらの方法では、解析に一年以上かかる場合も
あり原子数が増加した場合正確に構造を決定する事がほ
とんど不可能になる。更に構造決定の曖昧さを避けるた
めに入射エネルギーを変化させるが散乱条件が入射エネ
ルギーとともに変化し一意に構造を決定する際の障害に
もなりうる。
析する場合、入射電子線のエネルギーを変化させ反射電
子線の回折スポットの強度を入射電子線のエネルギーの
関数、いわゆるI−V曲線を観測する。そして結晶の構
造を仮定し対応する電子線の散乱強度を計算し実験に一
致するような結晶構造を試行錯誤で見いだしてきた。こ
のためこれらの方法では、解析に一年以上かかる場合も
あり原子数が増加した場合正確に構造を決定する事がほ
とんど不可能になる。更に構造決定の曖昧さを避けるた
めに入射エネルギーを変化させるが散乱条件が入射エネ
ルギーとともに変化し一意に構造を決定する際の障害に
もなりうる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】新しい材料を開発する
際には迅速かつ正確にその構造を決定する事が極めて重
要であり、本発明の目的は構造決定に大変重要な役割を
果たす多重散乱効果を正確に取り込みつつ従来の構造決
定法における試行錯誤的手続きに含まれる恣意性や曖昧
さそして煩雑さを克服し高速かつ正確に物質の構造の決
定を自動的に行う手段を提供することである。
際には迅速かつ正確にその構造を決定する事が極めて重
要であり、本発明の目的は構造決定に大変重要な役割を
果たす多重散乱効果を正確に取り込みつつ従来の構造決
定法における試行錯誤的手続きに含まれる恣意性や曖昧
さそして煩雑さを克服し高速かつ正確に物質の構造の決
定を自動的に行う手段を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明ではこのように物
質の構造を決定するのにこれまで要していた膨大な時間
を大幅に縮小し自動化を可能にするため鋭意研究を進め
てきた結果、散乱波の方向を新たに入射方向として出来
た散乱波の方向と強度をセットとして観察する事を基本
とした手法により、従来法の問題を画期的に解決される
ことを見いだした。本発明者は過去に多重散乱を正確に
取り込んだ反射高速電子線回折理論を構築し、1990
年10月フィジカル・レビューB、第42巻、第12号
7363〜7369頁(PHYSICAL REVIE
W B,VOL.42,NO.12,OCTOBER,
1990)に報告した。そこではあらゆる入射波と散乱
波の関係は入射エネルギーを固定した場合(即ち一定の
波長の単色波の場合)物質の性質を含む一つの行列(論
文中のRまたはT)を通して相互に結ばれていることが
明らかにされた。そしてこれまでの測定法は、Rまたは
Tの行列の一列目(または一行目)の情報だけを得てい
ることに対応していることが分かった。物質の構造を試
行錯誤的手段でなく厳密に求める為には、これらRまた
はTの行列要素の全体を明らかにする必要が有った。
質の構造を決定するのにこれまで要していた膨大な時間
を大幅に縮小し自動化を可能にするため鋭意研究を進め
てきた結果、散乱波の方向を新たに入射方向として出来
た散乱波の方向と強度をセットとして観察する事を基本
とした手法により、従来法の問題を画期的に解決される
ことを見いだした。本発明者は過去に多重散乱を正確に
取り込んだ反射高速電子線回折理論を構築し、1990
年10月フィジカル・レビューB、第42巻、第12号
7363〜7369頁(PHYSICAL REVIE
W B,VOL.42,NO.12,OCTOBER,
1990)に報告した。そこではあらゆる入射波と散乱
波の関係は入射エネルギーを固定した場合(即ち一定の
波長の単色波の場合)物質の性質を含む一つの行列(論
文中のRまたはT)を通して相互に結ばれていることが
明らかにされた。そしてこれまでの測定法は、Rまたは
Tの行列の一列目(または一行目)の情報だけを得てい
ることに対応していることが分かった。物質の構造を試
行錯誤的手段でなく厳密に求める為には、これらRまた
はTの行列要素の全体を明らかにする必要が有った。
【0007】その後本発明者は、この問題を解決すべく
鋭意多重散乱問題の諸様相を考察して次のような重大な
発見に到った。即ち入射エネルギーを固定し最初の入射
ベクトルから逆格子分だけを加えた新たな入射方向を選
びその散乱強度を観測するとそれに対応した列ベクトル
(または行ベクトル)の情報が得られることが判明し
た。一般に結晶中の各原子についてx,y,z座標の3
個の未知数が有り、原子数がn個の場合3n個の未知数
があることになる。そのため原子の位置を決定するため
には3n個のデータが必要になる。別の言葉で云えばn
個の原子の位置の関数である3n個の独立した方程式群
が必要になる。上記RまたはT行列中には3n個の原子
位置情報が含まれているので逆格子分だけ異なる入射波
のセットを用いて観測した場合3n個の独立したデータ
を得ることに対応し、多重散乱効果を取り入れた正確な
原子の位置の決定が可能になる。では未知の結晶構造の
逆格子をどの様にしてあらかじめ知る事が出来るであろ
うか。構造が決まらないと、その逆格子も決まらない。
本発明者はこのために従来にない手法を開発した。それ
は、まず物質に入射波を結晶に入射しそれによって得ら
れた散乱波(反射波または透過波)のセットは、入射波
と結晶の逆格子ベクトル分だけ異なる関係で結びついて
いることに思い至り、これら散乱波を観測してその方向
を入射波とする散乱波を観測する事で問題が解決するこ
とを発見した。
鋭意多重散乱問題の諸様相を考察して次のような重大な
発見に到った。即ち入射エネルギーを固定し最初の入射
ベクトルから逆格子分だけを加えた新たな入射方向を選
びその散乱強度を観測するとそれに対応した列ベクトル
(または行ベクトル)の情報が得られることが判明し
た。一般に結晶中の各原子についてx,y,z座標の3
個の未知数が有り、原子数がn個の場合3n個の未知数
があることになる。そのため原子の位置を決定するため
には3n個のデータが必要になる。別の言葉で云えばn
個の原子の位置の関数である3n個の独立した方程式群
が必要になる。上記RまたはT行列中には3n個の原子
位置情報が含まれているので逆格子分だけ異なる入射波
のセットを用いて観測した場合3n個の独立したデータ
を得ることに対応し、多重散乱効果を取り入れた正確な
原子の位置の決定が可能になる。では未知の結晶構造の
逆格子をどの様にしてあらかじめ知る事が出来るであろ
うか。構造が決まらないと、その逆格子も決まらない。
本発明者はこのために従来にない手法を開発した。それ
は、まず物質に入射波を結晶に入射しそれによって得ら
れた散乱波(反射波または透過波)のセットは、入射波
と結晶の逆格子ベクトル分だけ異なる関係で結びついて
いることに思い至り、これら散乱波を観測してその方向
を入射波とする散乱波を観測する事で問題が解決するこ
とを発見した。
【0008】この様な散乱波の方向を新たな入射波の方
向とする事を特徴とする構造解析手段は、電子線回折に
限らずX線などの電磁波や他の中性子線などの粒子線を
用いた構造解析にも同様に適用可能である事は勿論であ
り、汎用性の大きな手段である。多数原子の構造決定に
はとりわけ威力を発揮する。散乱波情報が原子位置を関
数とした互いに関連した方程式群を形成するため、厳密
な3n次元の最小値問題を解く計算機による自動化手法
が可能になる。
向とする事を特徴とする構造解析手段は、電子線回折に
限らずX線などの電磁波や他の中性子線などの粒子線を
用いた構造解析にも同様に適用可能である事は勿論であ
り、汎用性の大きな手段である。多数原子の構造決定に
はとりわけ威力を発揮する。散乱波情報が原子位置を関
数とした互いに関連した方程式群を形成するため、厳密
な3n次元の最小値問題を解く計算機による自動化手法
が可能になる。
【0009】
【実施例】ここでは結晶構造を決定する例を示す。図1
Aに示すように構造を決めたい物質にまず任意の入射波
をあてる。そうすると結晶構造を反映した反射波、透過
波が作られる。これらの散乱波の方向とは正反対の向き
をもつ入射波を構造解析に用いる一連の波として特定す
る。これにより解析に使用する2次元逆格子ベクトルの
セットが選定される。次に図1Bで示すようにここで特
定された一連の入射波を物質にあてて生じた散乱波の強
度を測定する。測定には、例えば、蛍光面上で光ファイ
バーとフォトマルチプライアーを組み合わせたものを用
いる。単位格子中にn個の粒子がある場合未知数の数は
3nであり構造決定の問題は3n次元中の最小値問題に
帰属される。3n次元の未知数を含む量の最小値問題を
解く手法として例えばパウエル法等のコンピュータプロ
グラムがよく知られている。このプログラムに一連の観
測値(反射率あるいは透過率)を入力し、発明者による
前出の1990年10月、フィジカル・レビューBで記
述される反射率あるいは透過率の値を原子位置の関数と
して与え両者の差を最小にする最適解を求めることを行
えばよい。
Aに示すように構造を決めたい物質にまず任意の入射波
をあてる。そうすると結晶構造を反映した反射波、透過
波が作られる。これらの散乱波の方向とは正反対の向き
をもつ入射波を構造解析に用いる一連の波として特定す
る。これにより解析に使用する2次元逆格子ベクトルの
セットが選定される。次に図1Bで示すようにここで特
定された一連の入射波を物質にあてて生じた散乱波の強
度を測定する。測定には、例えば、蛍光面上で光ファイ
バーとフォトマルチプライアーを組み合わせたものを用
いる。単位格子中にn個の粒子がある場合未知数の数は
3nであり構造決定の問題は3n次元中の最小値問題に
帰属される。3n次元の未知数を含む量の最小値問題を
解く手法として例えばパウエル法等のコンピュータプロ
グラムがよく知られている。このプログラムに一連の観
測値(反射率あるいは透過率)を入力し、発明者による
前出の1990年10月、フィジカル・レビューBで記
述される反射率あるいは透過率の値を原子位置の関数と
して与え両者の差を最小にする最適解を求めることを行
えばよい。
【0010】例として理想的Si単結晶の(100)表
面に対して電子線をほぼ[110]方向から入射した場
合の反射高速電子線の散乱を対象として本方法の有効性
を実証する。Siの理想結晶はダイヤモンド型の構造を
持ち単位胞に8個の原子を含む。このうち原点(00
0)のSi原子以外の7個のSi原子位置を理想位置か
ら3次元的にランダムに各々5%移動させそれを単位胞
とする仮想的な「乱れたSi結晶」を作り20keVの
エネルギーの電子線をほぼ[110]方向から入射させ
た。そのとき反射電子線として多数の反射が理論的にも
とめられるがそのうち強度の強い6個の反射を入射方向
として逆反射高速電子線散乱を模擬的に行わせた。その
各々の入射に対して互いに独立な6個の散乱波を選択し
その反射率を前出の論文によって理論計算した。この様
にして36個の互いに独立の散乱強度のセットが得られ
た。36個の入射散乱方向のセットに対してSiの原子
座標を理想位置から適当に移動させた構造(本実施例で
はランダムに20%移動させた構造)を出発点(初期
値)としてパウエル法によって36セットの反射強度最
適解を与えるSiの原子位置を求めさせた。その結果5
回の繰り返し計算で最初にランダムに5%移動した7個
のSi原子の座標を4桁の精度で再現する事に成功し
た。8回以上の繰り返し計算では5桁以上の精度で完全
に再現した。
面に対して電子線をほぼ[110]方向から入射した場
合の反射高速電子線の散乱を対象として本方法の有効性
を実証する。Siの理想結晶はダイヤモンド型の構造を
持ち単位胞に8個の原子を含む。このうち原点(00
0)のSi原子以外の7個のSi原子位置を理想位置か
ら3次元的にランダムに各々5%移動させそれを単位胞
とする仮想的な「乱れたSi結晶」を作り20keVの
エネルギーの電子線をほぼ[110]方向から入射させ
た。そのとき反射電子線として多数の反射が理論的にも
とめられるがそのうち強度の強い6個の反射を入射方向
として逆反射高速電子線散乱を模擬的に行わせた。その
各々の入射に対して互いに独立な6個の散乱波を選択し
その反射率を前出の論文によって理論計算した。この様
にして36個の互いに独立の散乱強度のセットが得られ
た。36個の入射散乱方向のセットに対してSiの原子
座標を理想位置から適当に移動させた構造(本実施例で
はランダムに20%移動させた構造)を出発点(初期
値)としてパウエル法によって36セットの反射強度最
適解を与えるSiの原子位置を求めさせた。その結果5
回の繰り返し計算で最初にランダムに5%移動した7個
のSi原子の座標を4桁の精度で再現する事に成功し
た。8回以上の繰り返し計算では5桁以上の精度で完全
に再現した。
【0011】本構造解析手法は、この実施例で見られる
ようにひどく乱れた物質系にも有効である事がわかる。
従来法においては、構造を恣意的に仮定しそれとの一致
が不十分な場合、本質的には別の構造を仮定して再び一
致の程度をみるという手法を採るため、この様な乱れた
構造はとうてい解析不可能で、この場合のランダムな5
%の原子位置の乱れは熱振動による平均的な原子位置の
ボケ(いわゆる熱振動因子)として取り扱うしか実質的
解法はなかったといってよい。
ようにひどく乱れた物質系にも有効である事がわかる。
従来法においては、構造を恣意的に仮定しそれとの一致
が不十分な場合、本質的には別の構造を仮定して再び一
致の程度をみるという手法を採るため、この様な乱れた
構造はとうてい解析不可能で、この場合のランダムな5
%の原子位置の乱れは熱振動による平均的な原子位置の
ボケ(いわゆる熱振動因子)として取り扱うしか実質的
解法はなかったといってよい。
【0012】この様に本発明の構造解析手法は、多数の
原子を含む本質的に構造未知の物質に関して、散乱波の
セットを特別に選択する事でその強度情報をもとに著し
く簡便に構造を決定する手法を提供することが出来る。
その手続き上3n次元の最適解をもとめるパウエル法な
どの既存のコンピュータプログラムが使用可能であり、
本発明の手法を電子線やX線の線源と試料ホルダーに多
軸のゴニオメーターを持つ回折装置を組み合わせ全体を
コンピュータ制御する事により完全自動化の構造解析装
置としてシステム化が可能な事は明かである。
原子を含む本質的に構造未知の物質に関して、散乱波の
セットを特別に選択する事でその強度情報をもとに著し
く簡便に構造を決定する手法を提供することが出来る。
その手続き上3n次元の最適解をもとめるパウエル法な
どの既存のコンピュータプログラムが使用可能であり、
本発明の手法を電子線やX線の線源と試料ホルダーに多
軸のゴニオメーターを持つ回折装置を組み合わせ全体を
コンピュータ制御する事により完全自動化の構造解析装
置としてシステム化が可能な事は明かである。
【0013】
【発明の効果】これまでの構造決定法は一回散乱だけを
用いて行われてきた。しかも構造決定のアルゴリズムに
試行錯誤的任意性が含まれることが大半であった。本発
明においては一般の回折現象を用いての構造解析は勿論
の事、多重散乱が重要な働きをする電子線回折などにお
いても、曖昧さを含まない、正確、高速で自動化可能な
構造解析手法となるものである。
用いて行われてきた。しかも構造決定のアルゴリズムに
試行錯誤的任意性が含まれることが大半であった。本発
明においては一般の回折現象を用いての構造解析は勿論
の事、多重散乱が重要な働きをする電子線回折などにお
いても、曖昧さを含まない、正確、高速で自動化可能な
構造解析手法となるものである。
【図1】本発明の方法で結晶構造を決定するときの概念
を説明する図である。
を説明する図である。
【符号の説明】 ,, 反射波
Claims (2)
- 【請求項1】 粒子線あるいは電磁波を用いて物質の構
造解析を行う手法において、粒子線あるは電磁波の単色
線を物質に入射波として入射し、散乱波として透過波あ
るいは反射波を得たのちに、これら透過波あるいは反射
波の方向から同一波長の単色線を逆に該物質に入射して
得られる透過波あるいは反射波の強度と方向を計測する
事を特徴とする構造未知の物質の構造決定方法。 - 【請求項2】 入射波が電子線よりなり、散乱波として
反射波を計測する請求項1に記載の構造決定方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5163032A JP2580953B2 (ja) | 1993-07-01 | 1993-07-01 | 結晶構造決定方法 |
US08/260,454 US5418829A (en) | 1993-07-01 | 1994-06-14 | Method for determining unknown structure of crystal |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5163032A JP2580953B2 (ja) | 1993-07-01 | 1993-07-01 | 結晶構造決定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0720067A true JPH0720067A (ja) | 1995-01-24 |
JP2580953B2 JP2580953B2 (ja) | 1997-02-12 |
Family
ID=15765895
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5163032A Expired - Lifetime JP2580953B2 (ja) | 1993-07-01 | 1993-07-01 | 結晶構造決定方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5418829A (ja) |
JP (1) | JP2580953B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006071449A (ja) * | 2004-09-02 | 2006-03-16 | Japan Atom Energy Res Inst | 中性子散乱を用いた構造マッピング法 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7792250B1 (en) * | 2009-04-30 | 2010-09-07 | Halliburton Energy Services Inc. | Method of selecting a wellbore cement having desirable characteristics |
US8887806B2 (en) | 2011-05-26 | 2014-11-18 | Halliburton Energy Services, Inc. | Method for quantifying cement blend components |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4074132A (en) * | 1976-08-24 | 1978-02-14 | North American Philips Corporation | Automatic single crystal diffractometer |
JPS59163548A (ja) * | 1983-03-09 | 1984-09-14 | Central Res Inst Of Electric Power Ind | 電子線回折像の自動分析方法 |
GB8607482D0 (en) * | 1986-03-26 | 1986-04-30 | Howe S | Orientation of crystals |
US4870669A (en) * | 1987-05-01 | 1989-09-26 | Florida Nuclear Associates, Inc. | Gamma ray flaw detection system |
US5235523A (en) * | 1989-11-13 | 1993-08-10 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of Commerce | Apparatus and methods for identifying and comparing lattice structures and determining lattice structure symmetries |
-
1993
- 1993-07-01 JP JP5163032A patent/JP2580953B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1994
- 1994-06-14 US US08/260,454 patent/US5418829A/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006071449A (ja) * | 2004-09-02 | 2006-03-16 | Japan Atom Energy Res Inst | 中性子散乱を用いた構造マッピング法 |
JP4565202B2 (ja) * | 2004-09-02 | 2010-10-20 | 独立行政法人 日本原子力研究開発機構 | 中性子散乱を用いた構造マッピング法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5418829A (en) | 1995-05-23 |
JP2580953B2 (ja) | 1997-02-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Pendry et al. | SEXAFS without X-rays | |
Santisteban et al. | ENGIN-X: a third-generation neutron strain scanner | |
Cereser et al. | Time-of-flight three dimensional neutron diffraction in transmission mode for mapping crystal grain structures | |
US20100241396A1 (en) | Three dimensional imaging | |
Peetermans et al. | Cold neutron diffraction contrast tomography of polycrystalline material | |
JPH04337236A (ja) | 電子顕微鏡装置及び電子顕微方法 | |
WO2001009925A2 (en) | Apparatus and method for texture analysis on semiconductor wafers | |
Raventós et al. | Laue three dimensional neutron diffraction | |
US7822177B2 (en) | Back-reflection X-ray crystallography method and system | |
JP4994722B2 (ja) | 超小角x線散乱測定の測定結果表示方法、及び超小角x線散乱測定に基づく配向度の解析方法 | |
Maksym et al. | Calculation of MEED intensities in the 5–10 keV electron energy range | |
Sass | The study of the structure of grain boundaries using diffraction techniques | |
KR920003050A (ko) | 단결정 소재의 외부상 침전물의 검사방법 | |
JPH0720067A (ja) | 結晶構造決定方法 | |
Marchesini et al. | Holographic analysis of diffraction structure factors | |
Saini et al. | X-ray diffraction | |
JP3954936B2 (ja) | ブラッグ反射条件シミュレーション装置およびブラッグ反射測定システム | |
Robinson | Four‐circle diffractometry for surfaces | |
Eba et al. | Observation of crystalline phase distribution with confocal angle-dispersive X-ray diffractometer | |
Ishibashi et al. | Electron-positron momentum density in TTF-TCNQ | |
Alianelli | Characterization and modelling of imperfect crystals for thermal neutron diffraction | |
Morawiec | Multigrain Indexing | |
Proudhon | Synchrotron imaging and diffraction for In Situ 3D characterization of polycrystalline materials | |
Castanon | Monte Carlo simulations for the development of TOSCA’s guide at ISIS | |
Goswami et al. | The measurement of the inner potential of diamond |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19960924 |