JPH07199711A - 画像形成装置と定着装置 - Google Patents

画像形成装置と定着装置

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JPH07199711A
JPH07199711A JP33704793A JP33704793A JPH07199711A JP H07199711 A JPH07199711 A JP H07199711A JP 33704793 A JP33704793 A JP 33704793A JP 33704793 A JP33704793 A JP 33704793A JP H07199711 A JPH07199711 A JP H07199711A
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transfer paper
roller
separation
claw
heat
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JP33704793A
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Yuji Kamiya
神谷裕二
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分離爪による熱圧接ローラへの損傷を低減す
ることができ、かつ、分離爪の高寿命を図ることができ
るとともに、転写紙上の画像乱れが生じないようにした
画像形成装置と定着装置を提供することにある。 【構成】 画像形成装置の画像を転写紙に固着させるた
めに設けた熱または圧力を印加した熱圧接ローラと、転
写紙と熱圧接ローラとを分離する分離爪を有した定着装
置において、該熱圧接ローラとの当接・解除あるいは加
圧力加減が可能な分離爪を具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像形成装置と定着装
置に関するもので、とりわけ、熱圧接ローラを有した定
着装置の分離手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、複写機等において、トナーを載
せた転写紙を一対の熱圧接ローラを有した定着器に通過
させ、圧力あるいは熱を付与して、トナーを転写紙に固
着させて、永久画像を形成させるプロセスがある。従来
の定着器の構成を図14に示す。トナー画像2を載せた
転写紙1が、熱圧接ローラ対のトナーを溶融する側定着
ローラ3と対向側の加圧ローラ4に突入して出力され
る。熱圧接ローラにはトナーとの離型性向上を目的とし
たフッ素樹脂等が被膜されているが、それでも転写紙が
ローラへ密着して、巻き付きを生じる場合がある。そこ
で、複数個の分離爪5を常時熱圧接ローラへ当接し、機
械的に転写紙を引き剥す技術が知られている。この分離
爪5は、転写紙の衝突を受けた場合でも分離機能を損な
わないために、所定の加圧力がバネ等によって付与され
ている。
【0003】また、分離爪以外の分離補助部材として
は、当接ローラ直後に一対の排紙ローラ6および7を設
け、これを当接ローラに比べて数%の周速差で回転さ
せ、熱圧接ローラへの密着度をその引っ張り速度差によ
って転写紙を引き抜く技術が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、常時所
定の圧力で加圧当接された分離爪により、熱圧接ローラ
側の離型性層の摩耗や損傷を被る悪影響が生じている。
図15に分離爪の当接位置において、離型性層が剥離し
た場合の出力画像状態を示す。剥離した部分はトナーの
離型性が著しく劣るため、転写紙上のトナー画像を奪
い、白抜けを引き起こす。また、奪ったトナーは次回の
転写紙上に汚れを付着させてしまう。
【0005】そもそも、分離爪が必要となる条件は、転
写紙がローラへ巻き付きを生じた場合にのみ限られる。
巻き付きを引き起こす原因として、転写紙上のトナー濃
度や、転写紙の平滑性や剛性がある。とりわけ、トナー
濃度が高く、かつ、転写紙の平滑性が良好で、剛性の少
ない転写紙では、熱圧接ローラへの巻き付きが多く発生
する。しかし、通常のトナー濃度、転写紙の場合は、ロ
ーラへの巻き付きは生じることなく排紙され、従って、
分離爪は熱圧接ローラへ当接する必要としない。図16
に、通常の転写紙進行経路を点線で示し、爪分離を必要
となるようなローラへの巻き付きを生じた場合の転写紙
進行経路を一点鎖線で示す。分離爪5により強制的に引
き剥された転写紙は進行経路を無理に変更するため、熱
圧接ローラへ余分な負荷がかかり、一層ローラを傷める
原因となる。
【0006】さらに、転写紙がローラへ密着し始めた場
合でも、転写紙前半部が前記の排紙ローラへ突入する
と、排紙ローラの周速差によってローラへの密着は減少
または消滅する。従って転写紙後半部分においても、分
離爪は熱圧接ローラへ当接する必要がない。
【0007】そして、分離爪のみに頼った分離手段で
は、複数個の爪に転写紙の密着力が分圧され、転写紙上
のトナーが分離爪と摩擦して分離爪をも摩耗させること
になる。通常分離爪は高離型性層を被覆することで、ト
ナー等の付着を低減させている。摩耗により高離型性層
の剥離が促進されると、トナーが付着し、転写紙上の画
像を引き剥したり、汚れが付着したりして画像を乱す。
図17に分離爪に頼った場合での失敗画像を示す。爪分
離に頼った分離では、転写紙の先端から排紙ローラによ
り引き抜きが始まるまで、爪位置に白筋が生じたり、分
離の衝撃によって転写紙の爪位置近傍には応力集中が発
生し、転写紙に凹凸を生じるという問題点があった。
【0008】本発明は、上記のような問題点を解決しよ
うとするものである。すなわち、本発明は、分離爪によ
る熱圧接ローラへの損傷を低減することができ、かつ、
分離爪の高寿命を図ることができるとともに、転写紙上
の画像乱れが生じないようにした画像形成装置と定着装
置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、画像形成装置の画像を転写紙に固着させ
るために設けた熱または圧力を印加した熱圧接ローラ
と、転写紙と熱圧接ローラとを分離する分離爪を有した
定着装置において、該熱圧接ローラとの当接・解除ある
いは加圧力加減が可能な分離爪を具備するものとした。
【0010】すなわち、本発明では、転写紙と熱圧接ロ
ーラの密着度が高い場合にのみ分離爪を当接し、かつ、
密着度の大小により、当接圧力の加減を行うようにして
いる。
【0011】また、機械的動作可能な分離抑え部材を熱
圧接ローラ後方に配置し、密着度に応じて分離を補助促
進する方向に移動するようにしている。
【0012】ここで、転写紙上のトナー濃度や転写紙の
平滑性や転写紙の剛性を検知することで、密着度を予測
評価する方法と、現実に密着力が高く、ローラへの巻き
付きを生じているか否かを実測評価する方法がある。密
着状態を予測評価する方法では、紙間はもちろん、前述
した排紙ローラの作用で巻き付きの生じていない転写紙
の後半部分では、分離爪や分離補助抑え部材はもはや必
要がないために所定の退避位置で停止すればよい。
【0013】さらに、分離爪においても、密着度を均一
に減衰させることを目的として転写紙全幅に亘るような
構成をとっている。そして、転写紙先端部分の分離を担
う目的の熱圧接ローラに当接された第1の爪と、密着度
を均一に低減させることを目的として熱圧接ローラに当
接させない第2の爪を合わせ持つ構成としている。加え
て、第1の爪から第2の爪へスロープ部を設けて緩やか
に推移させ、分離時の応力集中を低減し、分離爪の高離
型性層高寿命化と、不快な転写紙の凹凸を防止してい
る。また、第1の爪と第2の爪およびその間のスロープ
部は一体構造としている。
【0014】
【作用】本発明によれば、画像形成装置の画像を転写紙
に固着させるために設けた熱または圧力を印加した熱圧
接ローラと、転写紙と熱圧接ローラとを分離する分離爪
を有した定着装置において、該熱圧接ローラとの当接・
解除あるいは加圧力加減が可能な分離爪を具備するの
で、すなわち、分離爪の加減圧または解除により、分離
爪による熱圧接ローラへの損傷を極力低減させることが
可能となる。
【0015】また、分離補助部材として、抑え部材を動
作させて分離爪への負担を軽減させることにより、分離
爪の高寿命化への寄与している。
【0016】さらに、分離爪を転写紙全幅の大きさと
し、分離のきっかけと密着度の均一な低減という機能を
分割すること、加えて、スロープ部を設けることによ
り、転写紙上の画像乱れや転写紙の凹凸のない画像が出
力可能となる。
【0017】
【実施例】本発明の第1実施例について、図1ないし図
6を参照しながら説明する。
【0018】図1は電子写真技術を搭載したデジタル式
複写機の概略図である。原稿台カバー51とプラテンガ
ラス52に載置された原稿を原稿照明ランプ53で照明
し、各反射ミラー54,55,56とレンズ57を使っ
て、CCD(電荷結合素子)58に投影して画像濃度デ
ータとして原稿画像を読み取る。
【0019】一方、レーザ光源59により画像濃度デー
タ等から発光された出力光を高速回転するポリゴンミラ
ー60と、結像レンズ61と、反射ミラー62により感
光体63に投影走査させる。この感光体63は、予め帯
電器64により電荷付与され、トナー剤を付着させる現
像器65により可視化して、給紙デッキ66から搬送し
た転写紙1に、転写分離帯電器67で転写させ、搬送ベ
ルト68を通過して、前述の熱圧接ローラ3及び4によ
り、トナーを転写紙1上へ固着させ、排紙トレイ69に
出力する。
【0020】一方、本発明による定着装置の分離爪制御
機構を図2(a)に示す。前述のとおり、熱圧接ローラ
3及び4における転写紙進行方向直後には、定着ローラ
3への当接・解除を目的とする分離爪5が装着されてい
る。この分離爪5は、不図示であるが熱圧接ローラ3,
4の長手方向に複数個具備されている。分離爪5は、一
括ないしは個別にバネ8と電磁ソレノイド9により、当
接・解除動作可能である。このような構成とすること
で、分離爪を必要としない場合、例えば、本体電源投入
時、紙詰まり時、大サイズ用分離爪の小サイズ通紙時に
図2(b)に示すごとく分離爪を解除させて、極力分離
爪による定着ローラ3の損傷を抑制することが可能であ
る。
【0021】また、図3では、偏心バネ支持部材10を
不図示のモータで回転動作させて、分離爪5の加圧力を
多段階に制御可能となっている。すなわち、爪の当接と
解除の2通りだけでなく、偏心バネ支持部材10の回転
角度により、加圧力を段階的に調整することができる。
【0022】ところで、分離爪5の解除及び加圧力の調
整を制御する機構が、本発明では工夫がなされている。
【0023】熱圧接ローラ3,4へ転写紙が密着し、巻
き付きを生じやすい要因として、転写紙上のトナー濃度
や、転写紙の平滑性や剛性が寄与していることが、経験
的に知られている。すなわち、転写紙上にトナーが多量
に付着しているほど、転写紙の平滑性が良好なほど、転
写紙の剛性が低いほど、熱圧接ローラへの吸着を生じや
すい原因となる。本発明では、これらの要因を把握し、
フィードバックすることにより分離爪の解除及び加圧力
の調整を実行している。
【0024】そこで、図1におけるデジタル式の複写機
やプリンタでは、原稿画像を濃度データとして不図示の
画像保持用RAM等に保存されるため、原稿濃度の濃淡
を知ることができる。あるいは、濃度調整、縮小拡大、
切りとり、組み合わせ、フィルタリング、といった画像
的な加工後の出力画像の濃度も知ることができる。
【0025】また、図4に示すようにアナログ式複写機
においても、感光体63上の原稿画像露光後の帯電状態
を読み取る電位センサー121を搭載することで、出力
される転写紙1上のトナー濃度を推定することができ
る。また、搬送ベルト68上の転写紙上トナー濃度を直
接読み取る濃度センサーを搭載することも有用である。
それから、図5では、転写紙の平滑性を検知する測定系
を示す。この測定系は、図1ないしは図4の給紙デッキ
66から転写分離帯電器67間等に設置される。金属ロ
ーラ130と同様な金属ローラ131を設け、定電圧電
源132により、一方の金属ローラ130に電圧を印加
して、他方の金属ローラ131には、電流計133とダ
ミーの負荷抵抗134を取り付ける。そして、図に示す
ように金属ローラ130,131が転写紙1に当接され
るように、転写紙1を搬入し、定電圧電源132内の不
図示のスイッチを投入して、測定系に定電圧V(ボル
ト)を印加させる。すると、金属ローラ間の転写紙表面
の抵抗Rは、測定された電流をI(アンペア)、ダミー
の負荷抵抗134の抵抗値をrとすると、R=V/I−
rという簡単な計算式により求めることができる。
【0026】ここで、転写紙表面の抵抗は、金属ローラ
と転写紙との接触抵抗と、純然とした転写紙表面の抵抗
によって左右される。どちらの抵抗も転写紙の平滑性と
密接な関係があり、結果として、抵抗値が低いほど平滑
性が良好な傾向にあることが分かっている。
【0027】また、転写紙の剛性を検知する手段を図6
に示す。第1の給紙ローラ対140と第2の給紙ローラ
対141間に、屈曲パス142を設け、屈曲パス上方に
バネスイッチ143を設置する。これにより、剛性の高
い転写紙は屈曲パスに反発してバネスイッチ143を短
絡させることになる。一方、剛性の低い転写紙は、屈曲
パスに反発することなく、自重により下へカールして、
バネスイッチ143を短絡させることはない。また、バ
ネスイッチを多値化としたり、バネの剛さを変えた複数
のバネスイッチを用いることで、多段階に転写紙の剛性
を測定することができる。
【0028】以上、本発明の第1実施例では、転写紙上
のトナー濃度と転写紙の平滑性及び剛性を検知すること
で、転写紙と熱圧接ローラの密着度の程度を推定してい
る。すなわち、表1に示すように、各検知結果に評価点
数を付け、それぞれの要因結果をもとに密着度を推測し
ようというものである。表では、各要因を3段階(0か
ら2点)とし、検知結果の和を演算して、密着度を7通
りのレベルに分解している。ここでは、合計得点の低い
場合ほど、密着度は低く、爪を解除または低圧で加圧す
ればよい。反対に合計得点が高い場合ほど、従来通りの
所定圧力に爪を加圧しなければならない。
【0029】
【表1】
【0030】このようにして得られた密着度により、図
2や図3で示した分離爪5の当接・解除あるいは加圧力
の調整機構を使用することで最適な分離爪の使用が可能
となり、熱圧接ローラの耐久性と分離性能を両立するこ
とが可能となっている。
【0031】本発明の第1実施例の効用を、以下に述べ
る。一般に通常の使用では、転写紙上のトナー濃度が高
めであることは少なく、統計的に全原稿の約5%以下と
いわれる。また転写紙の平滑性については、極端に粗い
または滑らかであることは少なく、「中」のレベルであ
ることが常である。転写紙の剛性についても、「中」レ
ベルであることが多い。従って密着度を決定する合計得
点は、多くの場合2から3点程度となり、分離爪の加圧
力は低圧で済む。つまり、分離爪の加圧力を、従来通り
のいかなる転写紙をも分離する加圧力最強状態とするこ
とに比べ、10倍程度、熱圧接ローラへの負担が少なく
なり高寿命化が達成される。無論、必要に応じた分離爪
の加圧が実施されるので、転写紙が熱圧接ローラに巻き
付いて事故を引き起こすことは全く生じない。
【0032】さらに、非通紙時や、転写紙が前記排紙ロ
ーラにより引き抜かれる状態、すなわち、転写紙の後半
部分が通過時には、密着度に関わらず、分離爪を当接す
る必要がないため、当接解除動作を実行している。そし
て、再加圧する場合には、時間的に緩やかに当接し、衝
撃力を加えないような加圧動作をさせている。従って、
熱圧接ローラへの負担は一層減少している。
【0033】なお本発明は、熱圧接ローラの加圧ローラ
側についても実施が可能である。
【0034】つぎに、本発明の第2実施例について述べ
る。
【0035】前記第1実施例では、分離爪が不要な場合
は解除すること、転写紙と熱圧接ローラの密着度の程度
によって分離爪の加圧力を制御することを主旨としてい
た。しかし、密着度が高い場合、分離爪による強制分離
は、図17に示すような画像不良を生ずる場合が多かっ
た。
【0036】そこで、本発明の第2実施例では、図7
(a)に示すような分離爪5とは別に、機械的動作可能
な分離補助抑え部材150を設ける構成としている。こ
の分離補助抑え部材は図から明らかなように、熱圧接ロ
ーラである定着ローラ3及び加圧ローラ4と分離爪5の
転写紙進行方向直後に設置されるものであり、従来技術
であった上排紙ローラ6及び下排紙ローラ7よりも上流
側に位置している。通常、爪分離をしない、すなわち転
写紙と熱圧接ローラの密着度が低い場合には、図の点線
上を転写紙は進行する。ところが、密着度が高くなり、
爪分離されると、図の一点鎖線上を進行することにな
る。また、そのような排紙経路の違いは上下排紙ローラ
の位置を下流側位置へ余儀なくさせてもいる。上下排紙
ローラの位置が下流へ移動するほど、上下排紙ローラに
よる分離補助効果が薄くなり、図4に示すような分離爪
による爪傷長さは延びる傾向があった。これらの問題を
解決すべく上述の分離補助部材として、揺動可能な分離
補助抑え部材を設け、図7(a)の一点鎖線上を進行し
つつある転写紙を抑え込み、図7(b)に示すように分
離爪による強制分離をしにくくする。この分離補助抑え
部材の表面はトナーの付着しにくいフッ素樹脂等の高離
型性材料に被覆されている。通常は図7aに示すごとく
転写紙の通路を侵害しない位置に待機している。爪分離
をする場合のみ動作することで、分離を補助する役割を
有している。
【0037】一方、揺動することで、転写紙を抑え込む
分離補助抑え部材150を図8(a)に示すような回転
コロ151とすることも可能である。この回転コロを有
した分離補助抑え部材151を前述のとおり爪分離を生
じた場合に動作させることで、爪分離抑制によって転写
紙爪傷を減少することが可能である。ここで、コロを有
した抑え部材と転写紙を挟んで反対側に対向ローラ15
2を用い、抑え部材151と対向ローラ152の少なく
とも一方を転写紙進行方向に回転させると前記排紙ロー
ラの役割を兼ねると共に、爪分離を抑制する効果が向上
する。抑え部材は高離型性材料で被覆されるか、高温耐
久性と高離型性を有する部材で作られている。対向ロー
ラには耐熱性の弾性ゴムを使用している。そして、熱圧
接ローラ3,4に比べ+0.1〜5%の周速差で回転さ
せると熱圧接ローラからの引き抜き効果により爪分離を
早期に抑制し、図4に示すような爪傷を極力短くするこ
とが可能となっている。
【0038】ところで、第1実施例では、転写紙と熱圧
接ローラの密着度を知るために、トナー濃度と転写紙の
物性検知結果から推測を行ったが、本実施例では、密着
度を実測することを試みている。
【0039】図9は、転写紙の密着状態を実測する構成
を説明する概略図で、通常の転写紙進行経路を通過する
か否かを判別する検知部材160とこれを検知するフォ
トインタラプタ161から成っている。前述したように
密着度が高く、爪分離をする場合には、転写紙の通過経
路が通常と比較して異なるため、フォトインタラプタ1
61には検知されない。転写紙の進行経路を検知する手
段としては、図10に示すような転写紙からの反射光を
測定することでも確認できる。フォトセンサ170内に
はLED等の発光部171とフォトダイオード等の受光
部172を有し、反射光が認められない場合は、密着度
が高く、爪分離しやすい状態であることが検出できる。
【0040】また、図11に示すように、分離爪付近に
は爪分離状態を把握するセンサを搭載することも有用で
ある。図では、爪分離検出部材180とフォトインタラ
プタ181により構成される。爪分離状態の場合には、
爪分離検出部材180を転写紙が押すことでフォトイン
タラプタ181により検出される。なお、これらのセン
サは図7及び図8で示した分離補助抑え部材と干渉しな
い位置に設置されている。
【0041】このように実測された通紙経路による密着
状態の評価を、表2に示すようにセンサの検知結果から
演算している。すなわち、各検知結果に評価点数をつ
け、それぞれの要因結果をもとに密着度を決定しようと
いうものである。表では、各検出結果を2段階(0点か
1点)とし、検知結果の和を演算して、密着度を3通り
のレベルに分解している。ここでは、合計得点は0,
1,2点のいづれかとなり、3段階の分類が可能で、合
計得点の高いほど密着度が高いことが分かる。
【0042】
【表2】
【0043】ただし、2つのセンサ検知結果が共に検知
することは、通常有り得ないので、紙詰まり状態か、装
置の異常であるといえる。
【0044】以上、転写紙と熱圧接ローラとの密着状態
を把握することで、密着度の高い状態、すなわち、爪分
離状態の場合に、前述の分離補助抑え部材を動作して、
爪分離のみに頼った分離構成による画像乱れを減少する
ことが可能となっている。また、爪分離を抑制すること
で爪自体の表面削れと、熱圧接ローラへの分離ショック
を軽減することから熱圧接ローラの耐久性も改善され
る。なお、密着度については、実施例1で用いた予測に
基づくものでもよいし、同様に第1実施例における分離
爪の加圧力制御においても、本実施例で用いた密着度の
実測に基づくものでもよい。
【0045】さらに、本発明の第3実施例について説明
する。
【0046】第2実施例では、分離爪のみに頼った熱圧
接ローラからの分離を抑制する分離補助抑え部材を設け
た。しかし、依然として転写紙先端部分の分離は分離爪
のみに頼らざるを得ない。例えば、転写紙先端部分から
約2〜3cmは未だ分離爪による画像乱れを引き起こし
ていた。そこで本実施例では、分離爪の形状を従来と変
更し、爪分離状態においても、画像乱れを引き起こしに
くい構成を採っている。従来技術では複数個の分離爪5
を熱圧接ローラ3,4に当接させていたが、本実施例で
は引き剥し効果を有した分離爪を転写紙全幅に亘って構
成させたことによるものである。
【0047】図12(a)は、本実施例で採用している
転写紙全幅に亘って有効な分離爪190の上視図で、図
12(b)は、分離爪先端部分の拡大図である。図にお
いて、分離爪先端部分が熱圧接ローラへ直接当接された
第1の爪部分と、熱圧接ローラには当接されない第2の
爪部分と、第1と第2の爪をなだらかに構成されたスロ
ープ部分によって形成されている。また、図13(a)
は、図12におけるA−A’断面を示したものであり、
同様に図13(b)は、B−B’断面を示したものであ
る。
【0048】第1の爪部分と第2の爪部分の高さhは
0.1〜5mmで、望ましくは1mm程度が好例であ
る。また、第1の爪部分と第2の爪部分の爪長手方向
で、長さの比が1:1前後となっている。さらに、第1
の爪エッジ部には、曲率R1の面取りが、第2の爪部分
からスロープ部へは、曲率R2の凹みが設けられてい
る。材料的には、ポリイミド樹脂等の耐熱材料が使用さ
れ、少なくとも爪先端部分にはPFA樹脂等の高離型性
材料が塗布されている。
【0049】このような構成は、以下に記す特徴を有し
ている。
【0050】まず、第1の爪部分は従来の分離爪と同
様、熱圧接ローラから転写紙を機械的に強制分離させる
きっかけをつくる作用を有している。そして、第1の爪
部分で分離を開始した直後、転写紙の先端部分が第2の
爪部分に進行した時、第2の爪部分は、第1の爪部分に
よる分離を抑制して、熱圧接ローラから転写紙を引き剥
す役割を一手に受け持つ。この時点で第1の爪部分は分
離への寄与は減少する。第2の爪部分は、転写紙を引き
剥す能力を有した部分が爪全幅に亘るために、転写紙の
進行状態を矯正しても応力集中を引き起こさない。従っ
て、従来技術にみられた分離爪と転写紙の応力集中によ
る画像の損傷や転写紙の不快な凹凸は生じない。またス
ロープ部分は、爪の強度維持と共に、第1の爪部分で分
離され始めた転写紙先端部分においても応力集中を逃が
して、画像の損傷を極力減少させる効果がある。加え
て、転写紙の進行方向前半部の長手方向両端部分が爪付
近を通過する際に、端部折れを引き起こしにくくする。
また応力集中を分散させることで、従来技術にみられる
摩耗による分離爪の高離型性膜の摩耗も減少している。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
画像形成装置の画像を転写紙に固着させるために設けた
熱または圧力を印加した熱圧接ローラと、転写紙と熱圧
接ローラとを分離する分離爪を有した定着装置におい
て、該熱圧接ローラとの当接・解除あるいは加圧力加減
が可能な分離爪を具備するので、表3に示すように、熱
圧接ローラの高耐久化、画像の損傷防止、分離爪の高耐
久化の3つの効果がある。
【0052】
【表3】
【0053】さらに、前記各実施例について効果を述べ
ると、第1実施例では、分離爪を熱圧接ローラに対し
て、当接・解除あるいは加圧力調整機構を有すること
で、必要な場合にのみ分離爪を当接または圧力増加させ
ることが可能なため、熱圧接ローラへの摩耗負担が小さ
くなり、高耐久化が実現可能となっている。
【0054】ここで、密着度を実測、ないしは転写紙上
のトナー濃度や転写紙の物性等から密着度を予測してい
るので、転写紙と熱圧接ローラの密着度が高く、爪分離
する場合にのみ動作することで、分離性と耐久性を両立
させることが可能となっている。
【0055】また第2実施例では、熱圧接ローラと分離
爪後方にあって、爪分離をした際の転写紙進行経路を通
常の進行経路へ矯正する抑え部材を設けることで、分離
爪のみに頼った分離を抑制し、画像の損傷を減少させて
いる。
【0056】ここで、密着度を実測、ないしは転写紙上
のトナー濃度や転写紙の物性等から密着度を予測して、
転写紙と熱圧接ローラの密着度が高く、爪分離する場合
にのみ動作することようにしている。
【0057】さらに、第3実施例では、転写紙全体にわ
たって引き剥し効果を有した分離爪を有し、分離のきっ
かけをつくる第1の爪部分と、転写紙分離を一手に担う
第2の爪部分と、その間にスロープ部を有することで、
画像の損傷を無くし、転写紙の凹凸を無くし、かつ分離
爪の耐久性を向上することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のデジタル式複写機を示し
た断面側面図である。
【図2】図1の分離爪の解除機構と解除状態を示した側
面図である。
【図3】図1の分離爪の加圧力調整機構を示した側面図
である。
【図4】本発明の第1実施例の感光体上に電位センサを
設けたアナログ式複写機を示した断面側面図である。
【図5】図4の転写紙の平滑性を検知する測定系を示し
た斜視図である。
【図6】同じく転写紙の剛性を検知する測定系を示した
側面図である。
【図7】本発明の第2実施例の分離補助抑え部材とその
動作状態を示した側面図である。
【図8】同じく分離補助抑え部材を回転コロとした場合
の機構と動作状態を示した側面図である。
【図9】同じくフォトインタラプタを使用した転写紙の
通常進行経路測定系を示した側面図である。
【図10】同じくフォトセンサを使用した転写紙の通常
進行経路測定系を示した側面図である。
【図11】同じくフォトインタラプタを使用した転写紙
の爪分離状態測定系を示した側面図である。
【図12】本発明の第3実施例の分離爪の拡大平面図で
ある。
【図13】図12の切断線A−A’およびB−B’に沿
う断面図である。
【図14】従来の定着器の構成の一例を示した斜視図で
ある。
【図15】図1の熱圧接ローラが損傷した場合の出力画
像状態を示した斜視図である。
【図16】同じく熱圧接ローラ通紙後の転写紙進行経路
を示した側面図である。
【図17】同じく爪分離に頼った場合の失敗画像の説明
図である。
【符号の説明】
1…転写紙 3…定着ローラ 4…加圧ローラ 5…分離爪 6…上排紙ローラ 7…下排紙ロー
ラ 8…バネ 9…電磁ソレノ
イド 10…偏心バネ支持部材 121…感光体
上電位センサ 130…金属ローラ 142…屈曲パ
ス 143…バネスイッチ 150…分離補
助抑え部材 151…回転コロ 152…対向ロ
ーラ 160…検知部材 161…フォト
インタラプタ 170…フォトセンサ 180…検知部
材 181…フォトインタラプタ 190…転写紙
全幅の分離爪

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成装置の画像を転写紙に固着させ
    るために設けた熱または圧力を印加した熱圧接ローラ
    と、転写紙と熱圧接ローラとを分離する分離爪を有した
    定着装置において、該熱圧接ローラとの当接・解除ある
    いは加圧力加減が可能な分離爪を具備することを特徴と
    する定着装置。
  2. 【請求項2】 転写紙と熱圧接ローラとの密着度を検知
    する手段を有し、かつ、分離爪を密着度に応じて当接・
    解除あるいは加圧力を加減する手段を有する請求項1記
    載の定着装置。
  3. 【請求項3】 転写紙の通過時のみ動作させるか、また
    は、転写紙の略前半部が熱圧接ローラを通過時まで動作
    させる手段を有し、前記状態を除く場合は所定位置へ退
    避させる手段を有する請求項1記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 熱圧接ローラと分離爪の転写紙進行方向
    直後にあって、爪分離を必要とする転写紙経路を矯正
    し、通常の転写紙経路へ導く機械的動作可能な分離補助
    部材を有する請求項1記載の定着装置。
  5. 【請求項5】 転写紙と熱圧接ローラとの密着度を検知
    する手段を有し、かつ、分離補助部材を密着度に応じて
    動作させる手段を有する請求項4記載の定着装置。
  6. 【請求項6】 転写紙の通過時のみ動作させるか、また
    は、転写紙の略前半部が熱圧接ローラを通過時まで動作
    させる手段を有し、前記状態を除く場合は所定位置へ退
    避させる手段を有する請求項4記載の定着装置。
  7. 【請求項7】 請求項2または5記載の定着装置を有
    し、かつ、転写紙上のトナー濃度、あるいは、転写紙の
    紙物性を検知する手段を有し、検知結果から前記密着度
    を予測する手段を有する画像形成装置。
  8. 【請求項8】 熱圧接ローラ通過直後の転写紙の進行経
    路を検知する手段を有し、検知結果から前記密着度を実
    測する手段を有する請求項2または5記載の定着装置。
  9. 【請求項9】 画像形成装置の画像を転写紙に固着させ
    るために設けた熱圧接ローラを有した定着装置におい
    て、分離爪の引き剥し効果を有する長さが、転写紙全幅
    以上に亘り構成されていることを特徴とする分離爪を有
    する定着装置。
  10. 【請求項10】 転写紙先端部分を分離するきっかけを
    つくる複数の第1の爪と、該第1の爪の間にあって、熱
    圧接ローラに当接されず引き剥し効果を有した第2の爪
    とにより構成され、かつ、第1の爪と第2の爪へは、ス
    ロープ部分を設けて、滑らかに連続形成されている分離
    爪を有する請求項8記載の定着装置。
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