JPH07197430A - 防舷材 - Google Patents

防舷材

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JPH07197430A
JPH07197430A JP5337353A JP33735393A JPH07197430A JP H07197430 A JPH07197430 A JP H07197430A JP 5337353 A JP5337353 A JP 5337353A JP 33735393 A JP33735393 A JP 33735393A JP H07197430 A JPH07197430 A JP H07197430A
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真一 梶ケ谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 船舶の接舷加重を軸線方向に受ける防舷材に
おいて、吸収エネルギ−を増大せしめると共に耐外傷
性、耐候性を向上させる防舷材を提供する。 【構成】 全体としてゴムもしくはゴム状弾性体よりな
る防舷材であって、該防舷材の支承部の一端に受衝部、
その他端に接舷施設の表面に取りつける取り付け部より
なる防舷材であって、前記弾性体の軸線方向に船舶の主
接舷荷重を受け、圧縮変形する前記支承部の外周面上の
周方向に少なくとも一本の帯状突起体を連続状にもしく
は不連続状に一体に設ける。またこの帯状突起体は圧縮
変形時に少なくとも膨径部を十分にカバ−するように設
けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、全体としてゴムもし
くはゴム状弾性体よりなる防舷材、特には船舶の接舷荷
重を軸線方向に受ける支承部の外周面上に適宜な形状の
帯状突起体設けることにより吸収エネルギ−を増大せし
めるとともに耐外傷性を向上させる防舷材に関するもの
である。
【0002】
【従来技術】従来、図8に示すような防舷材が多く用い
られている。この防舷材01は、ゴムもしくはゴム状弾
性体からなり、中空の円筒状支承部02の両端に、それ
ぞれ受衝部03および取付け部04が一体に形成されて
おり、受衝部03および取り付け部04は、それぞれボ
ルト(図示せず)により受衝板(図示せず)および接舷
施設の表面(図示せず)に取付け、受衝板を接舷する船
舶の舷側に対向させる。従って、接舷荷重は、矢印aで
示すよう円筒状支承部02の軸線方向に作用する。また
支承部02の両端部よりわずかに内側の外周面に断面形
状が弧状をなす環状溝05が設けられている。
【0003】接舷荷重が増加するにつれて中空の円筒状
支承部02の弾性体は、図8(a)の無荷重時の断面状
態より図8(b)〜(c)の断面図に示すように中央部
が外周面側に膨出していくが、この弾性変形により接舷
エネルギ−を吸収する。この吸収エネルギ−が大きい程
優れた防舷材となる。
【0004】図8(a)に示すように円筒状支承部02
の弾性体の肉厚がほぼ均一な防舷材の性能を示す圧縮変
位〜反力の関係を図7(a)の曲線Aで示した。この曲
線Aにおいて、圧縮変位がゼロのときの図8(a)の状
態より大きくなるにつれて反力が漸増し最初のピ−クX
に達する。このときの防舷材の圧縮変形状態は図8
(b)に相当する。さらに接舷荷重の増加とともに圧縮
変位も大きくなり、反力は漸減後、漸増し最初のピ−ク
Xと同じ反力レベルYに達するがこのときの防舷材の圧
縮変形状態は図8(C)に相当し支承部02の内面どう
しが接触し、弾性体の逃げ場がほとんどない状態になっ
ている。ここで曲線Aが横軸と交差するY点を最大変位
と称し設計上の使用可能変位としている。Y点を越える
と支承部02の内面どうしの接触部分がさらに増えるた
め弾性体逃げ場がほとんどなくなるため反力は急激に増
大する。またY点までの曲線Aに囲まれる面積が吸収エ
ネルギ−に相当し、このエネルギ−の大きい防舷材が求
められているが図8(a)や図9のような支承部02の
弾性体の肉厚がほぼ均一な断面形状を有する従来の防舷
材では吸収エネルギ−を増加せしめるのに限界があっ
た。
【0005】この吸収エネルギ−を増加せしめるために
は最大変位をできるだけ大きくするか、もしくは反力を
増加させる必要がある。そのために図8(a)の従来の
防舷材において、単に支承部02の弾性体の肉厚を均一
に厚くすると図7(b)の圧縮変位〜反力関係図の曲線
Cに示すように従来の防舷材の曲線Aにたいし、反力は
増加するが最大変位yが小さくなるため吸収エネルギ−
の増加(斜線部の面積−斜線部の面積に相当する)
は大きくはない。
【0006】一方、逆に肉厚を薄くすると、圧縮変位は
大きくなるが、反面反力が低下するので同様に吸収エネ
ルギ−の増加は見込めない。
【0007】また従来の防舷材では、中空の円筒状支承
部02の外周面の膨出部の表面には引張り方向の歪みが
発生し、小さな外力による衝撃、例えば、荷役中の落下
物等により、容易に亀裂が生じ、この亀裂が繰り返し歪
みにより、成長し破損に至る場合がある。
【0008】さらに紫外線、オゾン、日光等により発生
した微小な亀裂が、前記の繰り返し歪みにより、成長し
破損に至るおそれもある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】肉厚がほぼ均一な断面
形状を有する従来の防舷材では吸収エネルギ−を増加せ
しめるには前述のように限界がある。また従来の防舷材
では、中空の円筒状支承部02の外周面の膨出部の表面
には引張り方向の歪みが発生し、小さな外力による衝
撃、例えば、荷役中の落下物等により、容易に亀裂が生
じ、この亀裂が繰り返し歪みにより、成長し破損に至る
場合があるし、さらに紫外線、オゾン、日光等により発
生した微小な亀裂が、前記の繰り返し歪みにより、成長
し破損に至るおそれもある。また設計上の使用可能範囲
を超えたり、設計条件を越えた傾斜や剪断を伴う複合圧
縮を受けた場合に支承部02の外周面の膨出部表面が受
衝部03および取り付け部04に設けられているボルト
(図示せず)に接触するため、外傷が発生し、やがては
破損に至る場合が有り、防舷材の耐久性が損なわれる。
【0010】従って、本発明は従来の防舷材対比、大幅
に吸収エネルギ−を増大せしめると共に耐外傷性および
耐候性を改良し、耐久性を向上する防舷材を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用】請求項1に記
載の本発明の防舷材は、全体としてゴムもしくはゴム状
弾性体よりなる防舷材であって、該防舷材の支承部の一
端に受衝部、その他端に接舷施設の表面に取りつける取
り付け部よりなる防舷材において、前記弾性体の軸線方
向に船舶の主接舷荷重を受け、圧縮変形する前記支承部
の外周面上に周方向に少なくとも一本の帯状突起体を連
続状にもしくは不連続状に一体に設けたことを特徴とし
ている。
【0012】請求項2に記載の前記突起体は、前記支承
部の軸線方向の両端部よりわずかに内側の外周面に断面
形状が弧状をなす環状溝の間で、かつ圧縮変形時に少な
くとも膨径部をカバ−するように設けられていることを
特徴とする請求項1の防舷材。
【0013】前記突起体は、防舷材のサイズに対応する
所望の断面形状と厚み、幅と長さを有するゴムもしくは
ゴム状弾性体より形成されるが、その弾性体は防舷材に
使用される弾性体材料と同様のものでもよいが、好まし
くは、より伸長性に富み、耐外傷性と耐侯性に優れるも
のがよい。
【0014】前記帯状突起体は通常支承部外周面上に連
続状に一体に成形され、適当なモ−ルドの中にいれて加
硫され製品とするが、別体として所望の断面形状、厚
み、幅および長さを有し、かつ伸長性に富み、耐外傷性
と耐侯性に優れたゴムもしくはゴム状弾性体を前もって
加硫しておき、接着剤により支承部の外周面上に連続状
に取り付けることもできる。この帯状突起体が外傷等を
受けた時、この帯状突起体のみを交換すればよいので経
済的である。
【0015】また前記帯状突起体の所望の断面形状と厚
みおよび幅を有するゴムもしくはゴム状弾性体を連続状
に支承部外周面上の周方向の適当な位置に軸線方向に対
して適宜な間隔をあけて、少なくとも一本以上一体に設
けてもよい。
【0016】さらに前記帯状突起体の所望の断面形状、
厚み、幅および長さを有するゴムもしくはゴム状弾性体
よりなる短冊状のものを不連続状に支承部外周面上に、
この短冊の長手方向が軸線と平行をなし、周方向に適宜
な間隔をあけて環状に配置することもできる。
【0017】上述したように支承部の外周面上に配置さ
れる連続状もしくは不連続状の突起体は、防舷材本体に
使用される弾性体材料より、伸長性に富み、耐外傷性と
耐侯性に優れた材料のものを、防舷材のサイズに対応す
る所望の断面形状と厚み、幅および長さを有する少なく
とも一本を支承部の外周面上の周方向に少なくとも圧縮
変形時、膨径変形する部分をカバ−するように、かつそ
の支承部の両端部よりわずかに内側の外周面に断面形状
が弧状をなす環状溝の間の適当な位置に一体的に設けた
ことにより、軸線方向に対し支承部の剛性を効果的に増
加させることにより、防舷材の吸収エネルギ−を著しく
増大せしめると共に支承部本体を十分に保護し、耐久性
を大幅に改良した防舷材が得られる。
【0018】
【実施例】図1,図2は本発明の一実施例に係る防舷材
1の側面図である。これらの防舷材1は全体としてゴム
もしくはゴム状の弾性体より作られており、円筒状の中
空の支承部2の両端にそれぞれ受衝部3と、取り付け部
4が形成され、これらの支承部2の外周面上の周方向
に、それぞれ適宜な幅と厚みを有し、断面形状としてそ
れぞれ台形形状と、円弧状を有する帯状突起体の一本
6, 6a が連続上に一体化されている。これらの帯状突
起体は支承部2に使用されている弾性材料より優れた伸
張性、耐外傷性および耐候性を有している。また、これ
らの帯状突起体は支承部2の両端部よりわずかに内側の
外周面に断面形状が弧状をなす環状溝5,5の間の外周
面上に設けられ、かつその帯状突起体の周方向の中心線
は軸線aと交差する支承部2の中心点の外周線と合致す
るように一体化されている。
【0019】なお、これらの突起体6, 6a は成形され
た未加硫の円筒状の支承部2の外周面上の適宜な位置
に、適当な形状に押し出すため適当な口金を取るつけた
押し出し装置より押し出された未加硫弾性体を巻つける
か、もしくはラミネ−ト装置により適当な形状の未加硫
弾性体シ−トを順次巻つけ成形した後、または注入装置
によって直接モ−ルド内にゴムを充填した後、適宜なモ
−ルドを備えた加硫装置によって加硫することによって
容易に得られる。
【0020】図2の本発明の防舷材において圧縮変位が
増加するにつれてその断面形状が変化していく様子を図
6(a)〜(c)に示した。その変化していく様子は図
8(a)〜(c)に示した従来の防舷材と同様であるが
その圧縮変位〜反力の関係を図7(a)の曲線Bとして
示した。図8(a)の帯状突起体のない従来の防舷材の
曲線Aと比較し同じ圧縮変位でも軸線方向に対する支承
部2の剛性が増加するため常に反力が増加し最大変位
Y,Y’までの斜線で示された面積の部分が増大した吸
収エネルギ−に相当し、その吸収エネルギ−は増加は非
常に大きく優れた性能を有する防舷材を提供することが
明白である。
【0021】図1,2のように配置されているゴムもし
くはゴム状の弾性体よりなる帯状の突起体6,6aは、
支承部2に使用されているゴムもしくはゴム状の弾性体
より、伸長性に富み、破壊強度が高く、耐外傷性と耐侯
性に優れているため、接舷圧縮荷重による支承部2の外
周面の帯状突起部6もしくは6aの表面に引っ張り方向
の歪みが発生し、外力による衝撃例えば、荷役中の落下
物等による外傷にも強く、かつ耐オゾン性等にも良好な
ので、かかる防舷材1の製品寿命は著しく改善される。
【0022】図3〜図5に本発明の他の実施例を示し、
円筒状の支承部2の外周面上の周方向に、断面形状とし
て円弧状で、おのおの厚みと幅が異なる帯状突起体6b
および6cを軸線方向に適宜な間隔を置いて一体に配置
したもである。この図3では中央部の広幅の帯状突起体
6bの周方向の中心線は支承部2の中心点の外周線と合
致するように設けられ、また、この帯状突起体6bの上
下には突起体6bの周方向中心線より対称的に狭幅の帯
状突起体6cを配置したもので、この狭幅の帯状突起体
6cは、支承部2が過大な圧縮変形を受けた時、両端の
受衝板3もしくは取り付け部4にある金属製ボルトと接
触する位置をもカバ−するように設けられているので、
この帯状突起体6b, 6cの有する優れた耐外傷性と耐
候性等のため、支承部2を保護し防舷材1の製品寿命を
向上できる。
【0023】図4も本発明の他の実施例を示す側面図
で、上記と同じ配置の理由で、優れた特性を持つゴムも
しくはゴム状の弾性体よりなる断面形状が台形状で、か
つブロック状の突起体6dをその長手方向が軸線と平行
をなし、かつ支承部2の中心点の外周線上に突起体6d
の中心部があるように外周面上に適宜な間隔をおいて、
一体に配置した例であり、吸収エネルギ−を増加せしめ
ると共に重量を軽くする利点がある。
【0024】図5は断面が円錐台形状の防舷材1で軸線
方向に圧縮変位を受けた時、支承部2の外面方向の膨径
部全域を十分にカバ−するように断面形状が円錐台形状
のゴムもしくはゴム状の弾性体よりなる適宜な幅、厚み
を有する一本の帯状突起体6eを周方向に連続上に一体
化したものである。
【0025】なおゴムもしくはゴム状の弾性体よりなる
本発明の帯状の突起体6,6a,6b,6c,6d,6e の断面
形状は、ここに例示された形状に限定されるものではな
い。また本発明のこれらの帯状突起体6,6a,6b,6c,
6d,6e が適用される防舷材1の側面図もしくは断面図
はここに例示された形状に限定されるものではない。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、全体としてゴムもしく
はゴム状弾性体よりなる防舷材の支承部の外周面上の周
方向に少なくとも一本の帯状突起体を適当な形状の幅と
厚みをもたせて連続上にもしくは不連続上に一体に設け
たことことにより、接舷圧縮荷重時の吸収エネルギ−を
著しく増大せしめると共に伸張性ならびに耐外傷性に優
れた弾性体の帯状突起体であるため製品寿命も向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示した側面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示した側面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示した側面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示した側面図である。
【図5】本発明の他の実施例を示した側面図である。
【図6】
【図2】の防舷材が圧縮変位を受けた時の変形状態を示
す断面図である。
【図7】防舷材の圧縮変位〜反力の関係を示す。
【図8】従来の防舷材が圧縮変位を受けたときの変形状
態を示す断面図である。
【図9】従来の防舷材の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
a 軸線 Y,Y’,y 最大変位。 A 従来の防舷材の圧縮変位〜反力の関係を示す曲線。 B 本発明の防舷材の圧縮変位〜反力の関係を示す曲
線。 C 従来の防舷材の支承部の弾性体の厚みを均一に増し
た防舷材が圧縮変位を 受けた時の変形状態を示す断面図である。 1,01 防舷材。 2,02 支承部。 3,03 受衝部。 4,04 取り付け部。 5,05 環状溝。 6,6a,6b,6c,6d,6e 帯状突起体。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全体としてゴムもしくはゴム状弾性体よ
    りなる防舷材であって、該防舷材の支承部の一端に受衝
    部、その他端に接舷施設の表面に取りつける取り付け部
    よりなる防舷材において、前記弾性体の軸線方向に船舶
    の主接舷荷重を受け、圧縮変形する前記支承部の外周面
    上の周方向に少なくとも一本の帯状突起体を連続状にも
    しくは不連続状に一体に設けたことを特徴とする防舷
    材。
  2. 【請求項2】 前記突起体は、前記支承部の軸線方向の
    両端部よりわずかに内側の外周面に断面形状が弧状をな
    す環状溝の間にあり、かつ圧縮変形時に少なくとも膨径
    部をカバ−するように設けられていることを特徴とする
    請求項1の防舷材。
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