JPH07197307A - ポリベンザゾール繊維の乾燥方法 - Google Patents

ポリベンザゾール繊維の乾燥方法

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JPH07197307A
JPH07197307A JP30411193A JP30411193A JPH07197307A JP H07197307 A JPH07197307 A JP H07197307A JP 30411193 A JP30411193 A JP 30411193A JP 30411193 A JP30411193 A JP 30411193A JP H07197307 A JPH07197307 A JP H07197307A
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隆治 一柳
Hirotaka Murase
浩貴 村瀬
Susumu Kitagawa
享 北河
Hai Imu Jiyan
ハイ イム ジャン
Chiyun Chiyau Chii
チュン チャウ チー
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はポリベンザゾール繊維に余計な欠陥
を発生させることなく、乾燥速度の大きい方法を提供す
るものである。 【構成】 2段以上の好ましくは断熱した加熱乾燥帯を
用い、各加熱乾燥帯の温度を前に位置する加熱乾燥帯の
温度より高く設定し、その乾燥温度を糸の残留水分率と
関連して設定する乾燥方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリベンゾオキサゾール
(PBO)もしくはポリベンゾチアゾール(PBT)を
含むポリベンザゾール(PBZ)繊維の改良された乾燥
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ではないライオトロピック液晶
性ポリベンザゾールは、典型的には乾湿式紡糸法により
製糸される。USP07/985079(ポリベンザゾ
ール繊維の紡糸方法)、USP07/985078(ポ
リベンザゾール繊維の増速紡糸方法)に示されるように
ポリベンザゾールポリマーと酸溶媒からなる溶液(ドー
プ)を口金から吐出して製糸するに際し、気体中で引張
った後、脱溶媒のためポリマーを溶解させない濃度の薄
い溶媒の液体に接触させて製糸される。このプロセスは
凝固として知られている。USP08/110149
(ポリベンザゾール繊維の改良された凝固水洗方法)に
示されるように、凝固の後、繊維中の残留溶媒は水洗さ
れる。水洗後のポリベンザゾール繊維は30重量%から
200重量%の多量の水分を有している。ここで言う残
留水分率は次式で表される。 残留水分率(%)=(乾燥前繊維重量−乾燥後繊維重
量)/乾燥後繊維重量×100 水洗後の繊維は乾燥されなければならない。その一つの
理由としては、熱処理時に発生する欠陥を避けるためで
ある。熱処理は乾燥繊維を用いて物理特性を改良される
ためになされるのであるが、約12重量%以上の残留水
分率を有するPBZ繊維は、典型的には400℃で熱処
理すると欠陥が生じることがわかった。このため、熱処
理時には通常、残留水分率を約12重量%以下にしなけ
ればならない。従来、熱処理前の残留水分率を12%以
下にする方法として、65℃で乾燥した場合40時間以
上必要であった。このような低温長時間乾燥はコスト的
にも工業的にも受けいれられるものではない。しかし、
乾燥速度を上げるために繊維を高温で加熱した場合、繊
維中にボイド欠陥が生じる問題があった。この欠陥は極
力避けなければならない。このため、欠陥を生じさせる
ことなく、迅速に乾燥させる改良されたプロセスが必要
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を改良し、繊維中にボイドなどの欠陥を発生させる事な
く、乾燥速度を飛躍的に高めたポリベンザゾール繊維の
乾燥方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリベン
ザゾール繊維の水洗後の繊維を欠陥の発生無しにできる
だけ高温で乾燥させる方法について検討し本発明に到達
した。すなわち、30重量%以上の残留水分率を有する
ポリベンザゾール繊維を以下に示す方法で乾燥して約1
2重量%以下の残留水分率にするとともに、該繊維の欠
陥を最少にする迅速乾燥方法である。その一つは、連続
的に、乾燥温度が異なる2段階以上の温度で段階的に乾
燥し、その乾燥温度を繊維中の残留水分率に関連して設
定し、各段階の乾燥温度をその前段階の乾燥温度より高
く設定し、乾燥中の繊維は設定温度とは異なる非接触の
乾燥滞留時間を有する乾燥方法である(製法1)。その
二つは、30重量%以上の残留水分率を有するポリベン
ザゾール繊維を、連続的に、乾燥温度が異なる2段階以
上の温度で段階的に乾燥し、その乾燥温度を繊維中の残
留水分率に関連して選定し、各段階の乾燥温度はその前
段階の乾燥温度より高く選定して乾燥し、約12重量%
以下の残留水分率にするとともに、該繊維の欠陥を最少
にする迅速乾燥方法である(製法2)。
【0005】更に、最終の残留水分率が10重量%以下
である上記製法1記載の乾燥方法である。最終の残留水
分率が6重量%以下である製法1の乾燥方法である。最
終の残留水分率が4重量%以下である製法1記載の乾燥
方法である。最終の残留水分率が2重量%以下である製
法1記載の乾燥方法てある。乾燥の総滞留時間が20分
以下である製法1記載の乾燥方法である。乾燥の総滞留
時間が15分以下である製法1記載の乾燥方法である。
乾燥の総滞留時間が10分以下である製法1記載の乾燥
方法である。乾燥温度が2段階である製法1記載の乾燥
方法である。乾燥温度が3段階である製法1記載の乾燥
方法である。最初の乾燥温度が少なくとも140℃以上
である製法1記載の乾燥方法である。最初の乾燥温度が
少なくとも150℃以上である製法1記載の乾燥方法で
ある。最初の乾燥温度が少なくとも170℃以上である
製法1記載の乾燥方法である。最初の乾燥温度が少なく
とも180℃以上である製法1記載の乾燥方法である。
ポリベンザゾール繊維がポリベンザゾール繊維である製
法1記載の乾燥方法である。ポリベンザゾール繊維がポ
リベンザゾール繊維である製法1記載の乾燥方法であ
る。製法1記載の方法で乾燥されたポリベンザゾール繊
維である。ポリベンザゾール繊維である上記ポリベンザ
ゾール繊維である。ポリベンゾチアゾール繊維である上
記のポリベンザゾール繊維であることが好ましい。
【0006】最終の残留水分率が10重量%以下である
製法2の乾燥方法である。最終の残留水分率が6重量%
以下である製法2の乾燥方法である。最終の残留水分率
が4重量%以下である製法2の乾燥方法である。最終の
残留水分率が2重量%以下である製法2の乾燥方法であ
る。総滞留時間が14分以下である製法2の乾燥方法で
ある。総滞留時間が10分以下である製法2の乾燥方法
である。総滞留時間が7分以下である製法2記載の乾燥
方法である。乾燥温度が2段階である製法2記載の乾燥
方法である。乾燥温度が3段階である製法2記載の乾燥
方法である。最初の乾燥温度が少なくとも140℃以上
である製法2記載の乾燥方法である。最初の乾燥温度が
少なくとも150℃以上である製法2記載の乾燥方法で
ある。最初の乾燥温度が少なくとも170℃以上である
製法2記載の乾燥方法である。最初の乾燥温度が少なく
とも180℃以上である製法2記載の乾燥方法である。
ポリベンザゾール繊維がポリベンゾオキサゾール繊維で
ある製法2記載の乾燥方法である。ポリベンザゾール繊
維がポリベンゾチアゾール繊維である製法2記載の乾燥
方法である。製法2記載の方法で乾燥されたポリベンザ
ゾール繊維である。ポリベンザゾール繊維がポリベンゾ
オキサゾール繊維であること。上記ポリベンザゾール繊
維がポリベンゾチアゾール繊維であることが好ましい。
この乾燥方法を図で説明する。
【0007】図1はポリベンザゾール繊維の残留水分率
と乾燥温度を示したものである。実線10は欠陥が発生
しない安全域30と欠陥が発生する危険域20との境界
を表している。この実線10はポリベンゾオキサゾール
繊維のnon-damage drying(NDD)lineである。図2は図1
の実線に沿って、安全域30で連続的に残留水分率を低
下させる(垂線部分)ように乾燥温度を上昇させる(水
平線部分)ことを示している。図3は図1の実線に沿っ
て乾燥させる2つの場合を示している。ライン1は欠陥
が発生するケース、ライン2は欠陥が発生しないケース
である。ポリベンザゾール(PBZ)とは、ポリベンゾ
オキサゾール(PBO)ホモポリマー、ポリベンゾチア
ゾール(PBT)ホモポリマー及びそれらPBO、PB
Tのランダム、シーケンシャルあるいはブロック共重合
ポリマーをいう。ここでポリベンゾオキサゾール、ポリ
ベンゾチアゾール及びそれらのランダム、シーケンシャ
ルあるいはブロック共重合ポリマーは、例えば、Wolfe
らの「Liquid Crystalline Polymer Compositions,Proc
ess and Products」U.S.Patent 4,703,103(October 27,
1987) 、「Liquid Crystalline Polymer Compositions,
Process and Products」 U.S.Patent 4,533,692(August
6,1985)、「Liquid Crystalline Poly(2,6-Benzothiaz
ole) Compositions, Process and Products 」 U.S.Pat
ent4,533,724(August 6,1985)、「Liquid Crystalline
Polymer Compositions,Process and Products」 U.S.Pa
tent 4,533,693(August 6,1985)、Evers の「Thermooxi
datively Stable Articulated p-Benzobisoxazole and
p-BenzobisthiazolePolymers」 U.S.Patent 4,359,567
(November 16,1982) ;Tsaiらの「Method forMaking He
terocyclic Block Copolymer」 U.S.Patent 4,578,432
(March 25,1986),などに記載されている。PBZポリマ
ーに含まれる構造単位としては、好ましくはライオトロ
ピック液晶ポリマーから選択される。
【0008】モノマー単位は化学式1及び2における構
造式(a) −(h)に記載されている。そのポリマーは好ま
しくは、本質的に構造式(a) −(h)から選択されるモノ
マー単位からなり、更に好ましくは本質的に構造式(a)
−(c)から選択されたモノマー単位からなる。PBZポ
リマーのドープを形成するための好適な溶媒としては、
クレゾールやそのポリマーを溶解しうる非酸化性の酸が
含まれる。好適な酸溶媒の例としては、ポリリン酸、メ
タンスルフォン酸及び高濃度の硫酸あるいはそれらの混
合物が挙げられる。更に適する溶媒はポリリン酸及びメ
タンスルフォン酸である。また最も適する溶媒はポリリ
ン酸である。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】溶液中のポリマー濃度は好ましくは少なく
とも約7重量%以上であり、更に好ましくは少なくとも
約10重量%以上、最も好ましくは少なくとも約14重
量%以上である。最大ポリマー濃度は、例えばポリマー
の溶解性やドープ粘度といった実際上の取扱性により限
定される。それらの限界要因のために、ポリマー濃度
は、通常では20重量%を超えることはない。
【0012】好適なポリマーやコポリマーあるいはドー
プは次のような公知の手法で合成される。例えば、Wolf
e らのU.S.Patent 4,533,693(August 6,1985) 、Sybert
らのU.S.Patent 4,772,678(September 20,1988) 、Harr
isのU.S.Patent 4,847,350(July 11,1989)に見られる。
PBZポリマーは、Gregory らのU.S.Patent 5,089,591
(February 18,1992)によると、脱水性の酸溶媒中での比
較的高温、高剪断条件下において高反応速度での高分子
量化が可能である。
【0013】従来技術で説明したように、ドープは既知
の乾湿式紡糸法により製糸される。すなわち、ドープを
口金から吐出した繊維状のドープは気体中を通過して、
ポリマーを溶解しない濃度の薄い溶媒の液体に接触させ
て(凝固)製糸される。凝固後、繊維中の残留溶媒は水
洗される。水洗後の繊維は通常、30重量%から200
重量%の残留水分率を有している。既に説明したよう
に、水洗後の繊維は乾燥されなければならない。その一
つの理由としては、熱処理時に発生する欠陥を避ける必
要があるためである。それには、繊維の残留水分率を1
2重量%以下、好ましくは10重量%以下、更に好まし
くは6重量%以下、最も好ましくは2重量%以下にする
のがよい。逆に、PBZ繊維を速く乾燥させるための温
度は、欠陥が発生しない範囲で最も高く選定するのがよ
い。繊維中の残留水分率が低いほど欠陥を発生させず
に、乾燥温度を高くできるのである。すなわち、連続的
に乾燥して残留水分率を低下させるほど欠陥の発生なし
に乾燥温度を上げることが可能である。
【0014】PBZ繊維の乾燥速度を上げる最適な方法
は、残留水分率の低下に伴なって欠陥が発生しない安全
域の温度が高くなるので、欠陥が発生する危険域に入ら
ない範囲で最高の温度で乾燥することである。PBO繊
維の残留水分率と乾燥温度との関係を調べた結果、図
1、図2、図3に示すnon-damage drying(NDD)line10
を得た。この NDD line は特定の残留水分率との関係
で、繊維中に欠陥が発生しない最高乾燥温度を表したも
のであり、安全域30と危険域20との境界である。例
えば最初に乾燥させる最高温度は、その時の繊維が有す
る残留水分率によって単純に選定できる。この際、残留
水分率を約12重量%以下にするように、滞留時間を最
少にする最高乾燥温度を選定すべきである。乾燥温度の
段数は設備等のプロセス条件によって選定されるが、滞
留時間を最少にして残留水分率を約12重量%以下にす
るように、前段の乾燥温度より引き続く後段の乾燥温度
を高くする2段以上が必要である。
【0015】図2は最初の残留水分率が40重量%以上
のPBO繊維を段階的に温度を上げて最終的に5重量%
以下に乾燥させる23段階の多段乾燥プロセスを示す。
この乾燥プロセスでは NDD line の安全域内で、できる
だけ NDD line に沿って乾燥している。この方法は繊維
中に欠陥を発生させずに最も速く乾燥させることができ
る。乾燥PBZ繊維のモルフォルジーと物理的性質はド
ープ組成、ポリマー構造、プロセス条件によって変わる
ので、欠陥の発生しない最高温度は変化する。そのた
め、PBZ繊維の NDD line は次のような要因の違いと
その大きさによって変化する。 a)乾燥に先だっての製造過程に入る繊維中の欠陥 b)繊維中の多孔性 c)製造条件 d)繊維中の溶媒等の残留化学物質や不純物等 e)繊維中の添加物や工程補助剤 実際上、乾燥に適した一対の加熱ロールが典型的には使
用される。繊維はこの加熱ロール上に接触時間を増加さ
せるため多重巻きされる。接触時間は設定温度の加熱ロ
ール(他の装置でもよい)と繊維とが直接接触している
時間である。この時、ロールに接触している繊維の温度
はロールの表面温度と同一であると推定される。加熱ロ
ールの表面温度はロールの設定温度と同一と推定され、
例えば180℃に設定した場合ロールの表面温度はそれ
と同一になる。ここに加熱装置の設定温度を実際の加熱
温度とする。
【0016】次に加熱ロールとの接触時間について説明
する。繊維は一対の加熱ロールで乾燥される場合、その
ロール間を移動し、二対の加熱ロールの場合、その対間
でも移動する。繊維がロールと接触していない時間を非
接触時間とする。乾燥中の総滞留時間は接触時間(C
T)と非接触時間(NCT)との和である。繊維が加熱
ロールと接触してない時、繊維の温度は加熱ロール温度
より低い。それ故、繊維が加熱ロール温度で実質的に乾
燥されている時間は短く、加熱ロール間でのNCT中も
乾燥が進んでいるが、CT中のようには効率的ではない
と推定される。乾燥効率を上げる一つの方法として加熱
ロールが設置されているキャビネットを取り巻くように
断熱する方法と、加熱空気もしくは繊維に欠陥を発生さ
せない加熱した窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素
などをキャビネット内に吹かして、キャビネット内全て
を加熱ロールの設定温度と同一にする方法がある。他の
更に乾燥効率を上げる方法として、前段の乾燥キャビネ
ットより引き続く後段乾燥キャビネットのロールと雰囲
気温度を高く設定した複数の乾燥キャビネット内に連続
して繊維を通して乾燥させる方法がある。上記の方法の
併合で乾燥効率は更に上がり、総滞留時間は全てCTと
同様な取扱ができる。記述したようにCTの乾燥効率は
NCTより高い。これらの乾燥効率を上げた方法によっ
て、目標とする残留水分率に到達する滞留時間を減少さ
せることができ、上記の方法でない場合(NCTを含
む)に比べて滞留時間を約2/3にすることができる。
【0017】CT及びNCTの考慮が必要な場合の総滞
留時間は残留水分率を約12重量%以下にするのに、工
業的要請から好ましくは約10分以下、さらに好ましく
は約5分以下、最も好ましくは約3分以下にすべきであ
る。CTのみで滞留時間を表わすことができる場合の総
滞留時間は、残留水分率を約12重量%以下にするの
に、工業的要請から好ましくは約6分以下、さらに好ま
しくは約3.3分以下、最も好ましくは約2分以下にす
べきである。CT及びNCTの考慮が必要な場合の総滞
留時間は残留水分率を約2重量%以下にするのに、工業
的要請から好ましくは約20分以下、さらに好ましくは
約15分以下、最も好ましくは約10分以下にすべきで
ある。CTのみで滞留時間を表わすことができる場合の
総滞留時間は、残留水分率を約2重量%以下にするの
に、工業的要請から好ましくは約14分以下、さらに好
ましくは約10分以下、最も好ましくは約7分以下にす
べきである。
【0018】上記の説明の中で特定の残留水分率を得る
には特定の最低温度より始めるのがよい。従って、最初
の温度は少なくとも約140℃以上で、好ましくは少な
くとも約150℃以上、さらに好ましくは少なくとも約
160℃以上、最も好ましくは少なくとも約180℃以
上である。滞留時間を短くするには繊維の走行速度をで
きるだけ速くすべきである。図2に示すように、乾燥を
進めていく過程中の選定温度は安全域内で NDD line 温
度を超えない温度であればボイドの発生もない。通常、
最終乾燥温度は300℃を超えず、好ましくは280℃
を超えず、さらに好ましくは260℃を超えない。
【0019】乾燥の重要なポイントは残留水分率がいつ
所定のレベルになったかである。乾燥は乾燥装置を出る
までに多くても残留水分率12重量%以下、好ましくは
多くても残留残留水分率10重量%以下、更に好ましく
は多くても残留水分率8重量%以下、更に高度に好まし
くは多くても残留水分率6重量%以下、それ以上に好ま
しくは多くても残留水分率4重量%以下、最も好ましく
は多くても残留水分率2重量%以下に連続して乾燥され
る。乾燥後の糸は繊維の物理的性質を改良するために熱
処理してもよい。PBZ繊維の熱処理はUSP07/9
85068及びUSP07/985067に述べられて
いる。以上の説明した方法により、PBO繊維中の欠陥
を最少にして迅速な乾燥ができるのである。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例により示すが、本発明
はこれら実施例に限定されるものではない。特に断わら
ない限り以下に示すパーセンテージ表示は全て重量%で
ある。残留水分率の測定法は次の通りである。約0.5
gの繊維を秤量(w1)し、オーブン中250℃で30
分乾燥した後再び秤量(w0)し、次式で算出する。 残留水分率(%)=(w1−w0)/w0×100 繊維中のボイドの量と分散状態は、3インチの長さに繊
維サンプルをカットしてスライドグラス上に乗せ、光学
顕微鏡下200倍で観察した。ボイドは通常、斑点や繊
維軸に沿っての暗い筋のように見え、それらのサイズ、
数、厚みは変化する。ボイドの量は無し、僅か有り、
多、極多のようにランク付けした。
【0021】極限粘度数30dl/gのシス−ポリベン
ゾオキサゾールをポリ燐酸に14%溶かした紡糸ドープ
を、0.22mmのオリフィス径を有する166孔数の
ノズルから、160℃で押しだした。ノズルから押し出
された繊維状のドープは22cmのエアーギャップを通
過し、約22℃に調整された凝固浴を通り、更に連続的
にローラーで水洗された。引き続いて、同一温度に設定
した一対のロールがキャビネット内に設置されている乾
燥装置を、3台連続的に後段になるほど高温にして乾燥
した。図3は次に述べる例の乾燥プロファイルである。
【0022】<実施例1>図3中、ライン2は速度20
0m/分で走行する繊維2の乾燥プロファイルである。
最初に170℃(滞留時間84.3秒)で残留水分率2
0%以下に乾燥し、次に200℃(滞留時間84.3
秒)で残留水分率10%以下に、更に240℃(滞留時
間79.3秒)で残留水分率3%以下に乾燥した。この
繊維は最終的に総滞留時間4.1分で残留水分率3.0
%であった。この条件で、240℃の滞留時間を更に長
く158.6秒にすると最終残留水分率は1.0%以下
になった。この繊維2の乾燥プロファイルは NDD line
と交差せず危険域20に入らない。この繊維の引張強
度は38.0〜39.3g/d,引張弾性率1616〜
1624g/d,破断伸度2.86〜3.00%であっ
た。なお,この繊維にボイドは観察されなかった。キャ
ビネットを断熱しない場合(総滞留時間はCTとNCT
との和)、最初の一対の加熱ロールを180℃、二段目
の加熱ロールを200℃、三段目の加熱ロールを220
℃に設定すると残留水分率4.6%に達するのに約4.
21分かかるのに対し、 同一条件で、キャビネットを
断熱しその内部を設定加熱ロールと同一温度にした場合
(総滞留時間はCTのみ)、残留水分率4.6%に達す
るのに約2.78分で乾燥できる。以上のようにCTの
みで滞留時間を表すことができる場合、そうでない場合
の約2/3の滞留時間にすることができるのである。
【0023】<比較例1〜3>図3中、ライン1は速度
200m/分で走行する繊維1の乾燥プロファイルであ
る。最初に180℃(滞留時間42秒)で残留水分率2
5%以下に乾燥し、次に240℃(滞留時間121秒)
で残留水分率15%以下に乾燥した。ライン1は点5で
NDD line と交差し危険域20に入っている。この繊維
の引張強度は33.8g/d,引張弾性率1671g/
d,破断伸度2.46%であった。ボイドを観察した結
果この繊維は多くのボイドを有していた。以上の結果を
比較例2、比較例3と合わせて表に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明によると、繊維中のボイド欠陥を
発生させることなく、乾燥速度を飛躍的に高めたポリベ
ンザゾール繊維の乾燥方法を提供することを可能とし
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するポリベンザゾール繊維の残留
水分率と乾燥度の関係を示した図。
【図2】図1において安全域で連続的に残留水分率を低
下させる様に乾燥温度を上昇させていることを示した
図。
【図3】図1において繊維に欠陥が生じるケース(点
線)と欠陥が生じないケース(実線)を示した図。
【符号の説明】
10:ポリベンザゾール繊維のNDD線。20:欠陥が
発生する危険域、30:欠陥が発生しない安全域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャン ハイ イム アメリカ合衆国 ミシガン州48640 ミッ ドランドストニー クリークドライブ 5315 (72)発明者 チー チュン チャウ アメリカ合衆国 ミシガン州48640 ミッ ドランドブルーバード ドライブ 4205

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 30重量%以上の残留水分率を有するポ
    リベンザゾール繊維を以下に示す方法で乾燥して、12
    重量%以下の残留水分率にするポリベンザゾール繊維の
    乾燥方法。 (1)連続的に、乾燥温度が異なる2段階以上の温度で
    段階的に乾燥し、その温度を繊維の残留水分率に関連し
    て設定し、各段階の乾燥温度をその前段階の温度より高
    く設定する。 (2)乾燥中の繊維は設定温度とは異なる温度の非接触
    の滞留時間を有する。
  2. 【請求項2】 30重量%以上の残留水分率を有するポ
    リベンザゾール繊維を、連続的に、乾燥温度が異なる2
    段階以上の温度で段階的に乾燥し、その乾燥温度を繊維
    の残留水分率に関連して選定し、各段階の温度をその前
    段階の温度より高く選定する方法で乾燥して12重量%
    以下の残留水分率にするポリベンザゾール繊維の乾燥方
    法。
JP5304111A 1993-11-02 1993-12-03 ポリベンザゾール繊維の乾燥方法 Expired - Lifetime JP3065467B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/142,526 US5429787A (en) 1992-12-03 1993-11-02 Method for rapid drying of a polybenzazole fiber
US08/142526 1993-11-02

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07197307A true JPH07197307A (ja) 1995-08-01
JP3065467B2 JP3065467B2 (ja) 2000-07-17

Family

ID=22500185

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KR20140003530A (ko) * 2011-01-13 2014-01-09 이 아이 듀폰 디 네모아 앤드 캄파니 공중합체 섬유의 제조 및 건조
JP2014503711A (ja) * 2011-01-13 2014-02-13 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー コポリマー繊維の生成および乾燥
JP2014507568A (ja) * 2011-01-13 2014-03-27 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー コポリマー繊維の生成および乾燥

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