JPH07197132A - 珪素鋼板の磁場中熱処理方法 - Google Patents

珪素鋼板の磁場中熱処理方法

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JPH07197132A
JPH07197132A JP5350439A JP35043993A JPH07197132A JP H07197132 A JPH07197132 A JP H07197132A JP 5350439 A JP5350439 A JP 5350439A JP 35043993 A JP35043993 A JP 35043993A JP H07197132 A JPH07197132 A JP H07197132A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁歪、鉄損特性に優れ、トランスにした時の
騒音が小さい珪素鋼板を得ることができる磁界中熱処理
方法を提供すること 【構成】Si:1〜10wt%を含有する珪素鋼板に、
キューリー温度未満の温度領域において、有効磁界40
A/m以上の交番磁界を印加し、引き続き該磁界中で4
00℃以下まで冷却する磁場中熱処理方法であり、磁場
中熱処理された珪素鋼板は特定の磁区構造をもつに至
り、鉄損、磁歪の各特性が改善される。このような磁場
中熱処理の効果はSi:4〜10wt%またはSi+S
ol.Al:4〜10wt%を含有する珪素鋼板におい
て特に顕著である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低騒音のトランス用鉄
心材料等に使用される珪素鋼板の磁界中熱処理方法に関
し、磁歪、鉄損が低い珪素鋼板を製造しようとするもの
である。
【0002】
【従来の技術】モータやトランスの鉄心材料として広く
用いられている電磁鋼板には、通常、珪素が添加されて
いる。このように珪素が添加される理由は、珪素添加に
より電気抵抗が向上すること、磁気異方性が低下するこ
と、添加元素として安価であること、冶金学的にも安定
した相を形成すること等が挙げられている。従来、高珪
素鋼板を製造する方法として、圧延法(例えば、特公昭
60−32705号)、浸珪法(例えば、特公平3−8
0846号)等が工業技術として確立されている。ま
た、Siを約6.5wt%含有する珪素鋼板は磁歪が非
常に小さく、最大透磁率等の磁気特性も非常に優れてい
ることが知られており、低騒音(低磁歪)のトランス用
鉄心材料としての用途が注目されている。
【0003】ところで、Siが3wt%以上含まれる高
珪素鋼板の磁場中熱処理の効果については従来からよく
知られており、以下のような具体的提案もなされてい
る。Goertz は3〜11wt%Siを含む鉄合金をリン
グ状に鋳込み、10Oe(800A/m)の磁界中で7
00℃から冷却することにより透磁率の改善を図ってい
る。(J. Appl. Phys., 22,(7),964,(1951)) 特開昭57−79120号では、超急冷凝固法により得
られた薄鋼帯を高温で熱処理することで{100}〈0
kl〉或いは{100}〈001〉を発達させ、特定の
温度域を磁界中で熱処理することにより磁界中焼鈍時の
冷却速度を500℃/分以上に速めても長手方向の軟磁
気特性を向上させることができる方法を提案している。
【0004】特開昭62−56527号では、100〜
200エルステッドの磁界を鋼板打ち抜き後に印加し、
鋼板中の析出物の状態をコントロールすることにより磁
気特性を向上させることを提案している。特開昭62−
227079号および特開昭63−26326号におい
ては、浸珪法における磁界中冷却方法を提案している。
これらは連続ラインにおいて磁界を印加する方法および
複数回磁界を印加する方法を開示しており、これらの方
法により経済的に軟磁性材料が得られることを述べてい
る。特開平1−309922号では、方向性珪素鋼板に
金属粉を含む被膜を塗布した後、磁界中で冷却すること
により、これら金属粉の析出物を析出させ、磁気特性を
向上させる方法を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
磁場中熱処理法はいずれも磁気特性を向上させることは
できるものの、低騒音のトランス用鉄心として必要な特
性である低磁歪を得るための方法としては有効ではな
い。また、浸珪法で製造された高珪素鋼板の場合には、
Si含有量が鋼帯内部、特に板幅方向等でバラツキを生
じることがあり、このようなSi含有量のバラツキを生
じた場合には、磁気特性や鉄損、磁歪のコントロールが
困難になり、製品の歩留りが悪くなる。
【0006】本発明はこのような従来技術の問題に鑑み
なされたもので、同じSi含有量でもより小さい磁歪が
得られ、トランスにした時の騒音が小さく、また、Si
含有量にバラツキを生じている珪素鋼板でも、優れた磁
歪、鉄損特性を安定して得ることができる磁界中熱処理
方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】高珪素鋼板の磁界中熱処
理に関しては上述のように種々の方法が提案されてきた
が、磁界中熱処理の効果を引き出し、優れた鉄損、磁歪
を得るための重要な要件である磁界の性質に関しては、
特開昭62−56527号、特開昭62−227079
号および特開昭63−26326号に10Oe(800
A/m)以上の強さの磁界を印加する方法が開示されて
いるだけである。
【0008】本発明者らは、珪素鋼板、特に圧延法また
は浸珪法により製造される高珪素鋼板について、最適な
磁界中熱処理条件、とりわけ印加磁界の性質を見い出す
べく試験研究を行なった。その結果、磁場中熱処理を施
す際の印加磁界を交流にすることによって、優れた鉄
損、磁歪が得られることを新たに見い出し、さらに、そ
の熱処理条件および磁界の強さ等についての最適条件を
見い出した。また、この効果はSi含有量に拘りなく、
また、圧延法、浸珪法、急冷凝固法という珪素鋼板の製
造方法に拘りなく得られることを確認した。本発明はこ
のような知見に基づきなされたもので、以下のような構
成からなることをその特徴とする。
【0009】(1) Si:1〜10wt%を含有する
珪素鋼板に、キューリー温度未満の温度領域において、
有効磁界40A/m以上の交番磁界を印加し、引き続き
該磁界中で400℃以下まで冷却することを特徴とする
珪素鋼板の磁場中熱処理方法。
【0010】(2) Si:1〜10wt%、C:0.
01wt%以下、Mn:0.5wt%以下、P:0.0
1wt%以下、S:0.01wt%以下、Sol.A
l:0.2wt%以下、N:0.01wt%以下、O:
0.02wt%以下を含有する高珪素鋼板に、キューリ
ー温度未満の温度領域において、有効磁界40A/m以
上の交番磁界を印加し、引き続き該磁界中で400℃以
下まで冷却することを特徴とする珪素鋼板の磁場中熱処
理方法。
【0011】(3) Si:4〜10wt%を含有する
高珪素鋼板に、キューリー温度未満の温度領域におい
て、有効磁界40A/m以上の交番磁界を印加し、引き
続き該磁界中で400℃以下まで冷却することを特徴と
する珪素鋼板の磁場中熱処理方法。
【0012】(4) Si:4〜10wt%、C:0.
01wt%以下、Mn:0.5wt%以下、P:0.0
1wt%以下、S:0.01wt%以下、Sol.A
l:0.2wt%以下、N:0.01wt%以下、O:
0.02wt%以下を含有する高珪素鋼板に、キューリ
ー温度未満の温度領域において、有効磁界40A/m以
上の交番磁界を印加し、引き続き該磁界中で400℃以
下まで冷却することを特徴とする珪素鋼板の磁場中熱処
理方法。
【0013】(5) Si+Sol.Al:4〜10w
t%を含有する珪素鋼板に、キューリー温度未満の温度
領域において、有効磁界40A/m以上の交番磁界を印
加し、引き続き該磁界中で400℃以下まで冷却するこ
とを特徴とする珪素鋼板の磁場中熱処理方法。
【0014】(6) Si+Sol.Al:4〜10w
t%、C:0.01wt%以下、Mn:0.5wt%以
下、P:0.01wt%以下、S:0.01wt%以
下、N:0.01wt%以下、O:0.02wt%以下
を含有する珪素鋼板に、キューリー温度未満の温度領域
において、有効磁界40A/m以上の交番磁界を印加
し、引き続き該磁界中で400℃以下まで冷却すること
を特徴とする珪素鋼板の磁場中熱処理方法。
【0015】
【作用】以下、本発明の詳細をその限定理由とともに説
明する。本発明の磁界中熱処理は、珪素鋼板を再結晶焼
鈍した際の冷却時或いはコーティングやスリッティング
等のために鋼板を加熱した際の冷却時等に実施すること
ができ、また、鋼板にSiを富化するためのSi浸透拡
散処理後の冷却時に実施することもできる。また、磁界
中熱処理のための特別の工程において実施してもよい。
【0016】鋼板に所定の磁界を印加する温度(磁界中
熱処理温度)はキューリー温度未満であればよい。磁界
中熱処理温度がキューリー温度以上では鋼板は強磁性を
示さず、磁場印加の効果はない。また、好ましくは40
0℃以上、650℃以下で磁界中熱処理を実施すれば磁
場中熱処理の効果は一層顕著となる。
【0017】磁界の性質は本発明が最も大きな特徴とす
るところであって、印加する磁界は交番磁界である。こ
のような交番磁界での熱処理は、珪素鋼板の磁区を動か
しながら冷却するという作用があり、その処理中、移動
に要するエネルギーの低い磁壁(180度磁壁)は積極
的に移動し、移動に要するエネルギーの高い磁壁(90
度磁壁等)は移動しない状態で冷却される。このような
処理を行なった珪素鋼板は特定の磁区構造をもつに至
り、その結果、鉄損、磁歪の各特性が改善されることに
なる。このような作用を得るための交流波形は、サイン
波、三角波、方形波のいずれでもよく、また各々の波形
の半波でもよい。
【0018】交番磁界とは周波数0.5Hz以上の周期
的に振動する磁界である。周波数が0.5Hz未満で
は、冷却中に移動する磁壁のスピードが遅すぎるために
効果がない。また、周波数は1kHz以下とすることが
好ましい。1kHzを超える周波数では、磁場印加コイ
ルにかける電圧が非常に大きくなる上、鋼板内での損失
が大きくなるため実用的ではない。
【0019】印加磁界の大きさ、すなわち交番磁界の磁
界の強さの実効値は、反磁界を補正した有効磁界として
40A/m以上であることが必要である。有効磁界が4
0A/m未満では磁界印加の効果が十分に得られない。
一方、磁界の強さを大きくすればするほど磁歪、鉄損の
各特性は向上するものの、その効果は2400A/m程
度でほぼ飽和し、また、これよりも有効磁界を大きくし
ようとすると設備上のコスト負担の増大を招く。したが
って、有効磁界の大きさは2400A/m以下とするこ
とが好ましい。
【0020】以上のようにして磁界を印加された鋼板
は、当該磁界中において400℃以下まで冷却される。
磁界中で400℃以下まで冷却しないと、磁界中熱処理
による効果を十分引き出すことはできない。また、好ま
しくは300℃以下まで冷却することにより、磁場中熱
処理の効果は一層顕著となる。
【0021】磁界中熱処理の雰囲気については、非酸化
性雰囲気であれば特に制約はないが、鋼板に絶縁皮膜等
のコーティングが既に施されており、その焼付けを兼ね
た熱処理において本発明法を実施する場合には、厳密に
非酸化性雰囲気である必要はなく、酸素濃度がある程度
高い雰囲気であっても構わない。
【0022】次に、磁界中熱処理に供される珪素鋼板の
成分組成等について説明する。本発明が対象とする珪素
鋼板は、Siを1〜10wt%含有する珪素鋼板であ
り、このような珪素鋼板を上記のような磁界中熱処理す
ることにより磁歪、鉄損の各特性が大幅に改善され、ま
た、透磁率等の磁気特性も向上する。Si量が1wt%
未満では磁場中熱処理の効果が十分発揮されず、一方、
Siが10wt%を超えると飽和磁束密度が著しく減少
するため、電磁鋼板としては適さない。
【0023】また、特にSi含有量が4〜10wt%の
所謂高珪素鋼板において、上記磁場中熱処理の効果が顕
著に発揮される。このような高珪素鋼板はSi含有量が
約6.5wt%で磁歪がゼロとなり最も優れた軟磁性を
示す。したがって、このような特性をさらに向上させる
磁場中熱処理の効果は実用上も非常に重要である。な
お、Siの一部をAlで置換することができ、この場合
には、Si+Sol.Alで4〜10wt%とする。
【0024】次に、他の元素の好ましい含有量について
説明する。Cは軟磁気特性に有害な元素であり、また、
Cが0.01wt%を超えると経時的に軟磁気特性が劣
化する、所謂時効劣化現象が生じる。このためCは0.
01wt%以下とする。なお、Cの下限に特別な制約は
ないが、溶製上の観点から0.0005wt%程度が実
質的な下限となる。MnはSと結合してMnSとなり、
スラブ段階での熱間加工性を改善する働きがある。但
し、Mnが0.5wt%を超えると飽和磁束密度の減少
が大きくなるため適当ではない。このためMnは0.5
wt%以下とする。なお、Mnの下限に特別な制約はな
いが、溶製上の観点から0.005wt%程度が実質的
な下限となる。
【0025】Pは軟磁気特性を劣化させる元素であり、
その含有量はできるだけ低いほうが好ましい。経済性お
よびPが0.01wt%以下であれば実質的にその悪影
響は無視できるほど小さくなることから、Pは0.01
wt%以下とする。なお、Pの下限に特別な制約はない
が、溶製上の観点から0.001wt%程度が実質的な
下限となる。Sは熱間圧延時の脆性を増大させる元素で
あるとともに、軟磁気特性を劣化させるため、その含有
量はできるだけ低いほうが好ましい。経済性およびSが
0.01wt%以下であれば実質的にその悪影響は無視
できることから、Sは0.01wt%以下とする。な
お、Sの下限に特別な制約はないが、溶製上の観点から
0.0001wt%程度が実質的な下限となる。
【0026】Alは脱酸により鋼を清浄化する作用を有
するとともに、電気抵抗を高め磁気特性に影響を及ぼ
す。Siを1〜10wt%添加する鋼では、Siにより
磁気特性の改善を図り、Alは鋼の脱酸作用のみを果た
せばよいことから、Sol.Alは0.2wt%以下と
する。なお、Sol.Alの下限に特別な制約はない
が、溶製上の観点から0.0005wt%程度が実質的
な下限となる。一方、Siの一部をSol.Alで置換
する場合には、上述したようにSi+Alを4〜10w
t%とする。
【0027】Nは軟磁気特性を劣化させる元素であり、
時効による磁気特性の経時変化も引き起こすため、その
含有量はできるだけ低いほうが好ましい。経済性および
Nが0.01wt%以下であれば実質的にその悪影響は
無視できることから、Nは0.01wt%以下とする。
なお、Nの下限に特別な制約はないが、溶製上の観点か
ら0.0005wt%程度が実質的な下限となる。Oは
軟磁気特性を劣化させる元素であり、その含有量はでき
るだけ低いほうが好ましい。経済性およびOが0.02
wt%以下であれば実質的にその悪影響は無視できるこ
とから、Oは0.02wt%以下とする。なお、Oの下
限に特別な制約はないが、溶製上の観点から0.000
5wt%程度が実質的な下限となる。
【0028】以上の成分以外に、鋼中の不可避不純物と
して、Cr、Ni、Cu、Sn、Mo等が含まれる場合
があり、これらがそれぞれ0.05wt%程度を限度に
含まれても本発明の効果は損なわれない。これらの成分
を有する珪素鋼板は圧延法、超急冷法、浸珪法等のいず
れの方法で製造されるものでもよい。
【0029】また、これらの鋼板は板厚が0.5mm以
下、平均結晶粒径が20μm以上2.0mm以下のもの
が好ましい。板厚が0.5mmを超えると鋼板の渦電流
損失が極めて大きくなる。また、平均結晶粒径が20μ
m未満ではヒステリシス損失が大きくなり実用に適さな
くなる。一方、平均結晶粒径が2.0mmを超えると、
打ち抜き性、曲げ性等の鋼板の加工性が劣化する。以上
の理由から珪素鋼板の板厚は0.5mm以下、平均結晶
粒径は20μm以上2.0mm以下が好ましい。
【0030】
【実施例】
〔実施例1〕表1の化学成分を有する板厚0.30mm
の珪素鋼板を浸珪法および圧延法にて製造した。これら
鋼板から3m×30mmの試料を採取し、各試料を図1
に示すような長さ1mの磁場印加コイルを有する炉中に
装入し、0.25cm/秒の速度で移動しながら試料を
磁場中熱処理した。試料には熱処理の冷却途中から磁場
印加を開始した。この時の磁場印加開始の温度をT
1(℃)、また、磁場印加を終了した時の温度をT
2(℃)とする。この実施例では、T1、T2、磁場の種
類、周波数、波形および磁場の強さ等について異なる条
件で磁界中熱処理を実施し、処理後の試料の中心部から
エプスタイン試験片を採取し、交流磁化試験を行なって
鉄損を測定するとともに光学式磁歪測定器で磁歪を測定
した。その結果を磁界中熱処理条件とともに表2および
表3に示す。
【0031】表2および表3によれば、本発明が規定す
る条件で磁界中熱処理を施すことにより磁歪および鉄損
の値が改善されることが判る。また、この効果は交流波
形の種類に拘りなく得られ、また、印加磁界の強さが大
きい程鉄損および磁歪は小さくなっている。但し、24
00〜4000A/mの範囲においては、磁歪、鉄損と
も若干減少する傾向がみられるが、磁場の強さを強くし
た割にはその変化量は小さい。
【0032】〔実施例2〕図2に示すような絶縁膜のコ
ーティングラインにおける焼付け工程の設備を用いて、
磁場中熱処理を実施した。この実施例では、表1の化学
成分を有する板厚0.30mmの高珪素鋼帯を浸珪法に
よって製造し、これを80mm幅にスリットしたものを
試料として用いた。焼付け炉の温度を調整し、磁場印加
を開始する箇所の鋼帯温度を500℃〜550℃の範囲
となるようにし、焼付け炉出口の空冷装置の空気の流量
を調節することで、鋼帯が焼付け炉から出て磁場印加が
終了する箇所での温度を300℃とした。この実施例で
は、磁場の種類と強さを変えた磁界中熱処理を実施し
た。処理後の試料を切断して図3に示すような直角突合
せ法によりトランス形状に積層した後、6箇所を同じト
ルクでボルト締めし、片脚に巻き線を20回施し、騒音
試験用トランスとした。このトランスに1kHz、1T
で励磁した時の騒音値を測定した。測定は30dB(A
スケール)の音響実験室において行い、トランスより1
00mm離れた地点の騒音を騒音計(Aスケール)で測
定した。その結果を磁界中熱処理条件とともに表4に示
す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、優れた磁
歪、鉄損特性を有し、トランスにした時の騒音が小さい
珪素鋼板を得ることができ、特に高珪素鋼板においてそ
の効果が顕著である。また、板幅方向でSi含有量にバ
ラツキを生じているような珪素鋼板でも、優れた磁歪、
鉄損特性を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた装置を示す説明図
【図2】実施例2で用いた装置を示す説明図
【図3】実施例3の試料により構成した騒音試験用トラ
ンスを示す斜視図

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si:1〜10wt%を含有する珪素鋼
    板に、キューリー温度未満の温度領域において、有効磁
    界40A/m以上の交番磁界を印加し、引き続き該磁界
    中で400℃以下まで冷却することを特徴とする珪素鋼
    板の磁場中熱処理方法。
  2. 【請求項2】 Si:1〜10wt%、C:0.01w
    t%以下、Mn:0.5wt%以下、P:0.01wt
    %以下、S:0.01wt%以下、Sol.Al:0.
    2wt%以下、N:0.01wt%以下、O:0.02
    wt%以下を含有する高珪素鋼板に、キューリー温度未
    満の温度領域において、有効磁界40A/m以上の交番
    磁界を印加し、引き続き該磁界中で400℃以下まで冷
    却することを特徴とする珪素鋼板の磁場中熱処理方法。
  3. 【請求項3】 Si:4〜10wt%を含有する高珪素
    鋼板に、キューリー温度未満の温度領域において、有効
    磁界40A/m以上の交番磁界を印加し、引き続き該磁
    界中で400℃以下まで冷却することを特徴とする珪素
    鋼板の磁場中熱処理方法。
  4. 【請求項4】 Si:4〜10wt%、C:0.01w
    t%以下、Mn:0.5wt%以下、P:0.01wt
    %以下、S:0.01wt%以下、Sol.Al:0.
    2wt%以下、N:0.01wt%以下、O:0.02
    wt%以下を含有する高珪素鋼板に、キューリー温度未
    満の温度領域において、有効磁界40A/m以上の交番
    磁界を印加し、引き続き該磁界中で400℃以下まで冷
    却することを特徴とする珪素鋼板の磁場中熱処理方法。
  5. 【請求項5】 Si+Sol.Al:4〜10wt%を
    含有する珪素鋼板に、キューリー温度未満の温度領域に
    おいて、有効磁界40A/m以上の交番磁界を印加し、
    引き続き該磁界中で400℃以下まで冷却することを特
    徴とする珪素鋼板の磁場中熱処理方法。
  6. 【請求項6】 Si+Sol.Al:4〜10wt%、
    C:0.01wt%以下、Mn:0.5wt%以下、
    P:0.01wt%以下、S:0.01wt%以下、
    N:0.01wt%以下、O:0.02wt%以下を含
    有する珪素鋼板に、キューリー温度未満の温度領域にお
    いて、有効磁界40A/m以上の交番磁界を印加し、引
    き続き該磁界中で400℃以下まで冷却することを特徴
    とする珪素鋼板の磁場中熱処理方法。
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KR100544751B1 (ko) * 2001-12-26 2006-01-24 주식회사 포스코 무방향성전기강판의 자장열처리방법
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