JPH07197124A - 耐孔あき腐食性に優れた高強度強加工用鋼板の製造方法 - Google Patents

耐孔あき腐食性に優れた高強度強加工用鋼板の製造方法

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JPH07197124A
JPH07197124A JP35539293A JP35539293A JPH07197124A JP H07197124 A JPH07197124 A JP H07197124A JP 35539293 A JP35539293 A JP 35539293A JP 35539293 A JP35539293 A JP 35539293A JP H07197124 A JPH07197124 A JP H07197124A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 耐孔あき腐食性が優れていると共に、スクラ
ップとして簡単に使用できる鋼板。 【構成】 重量%で、0.02<C≦0.08、Si≦
2.0、0.30<Mn≦2.50、P<0.30、S
≦0.01、0.01≦Al≦0.05、0.02≦全
Ti≦0.30、N≦0.006を含有し、残部が鉄及
び不可避的不純物からなる鋼に、加熱温度1200℃以
上、仕上温度Ar点以上、冷却速度20℃/s以上、
巻取温度350〜600℃の熱間圧延を行うことによ
り、0.02〜0.25の固溶Tiを含有させる、耐孔
あき腐食性に優れた強加工用鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐食性に優れた高強度強
加工用鋼板の製造方法に関し、自動車、建築、造船等、
鋼板を用い腐食が問題となる工業的分野に広く用いるこ
とができる鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】鉄は大
気中においても腐食し、鋼板を工業的に使用する場合、
腐食を防止するため、また腐食が発生しても十分な特性
を確保するために、多大なコストを消費しているのが現
状である。
【0003】なかでも自動車は、大きな温度変化、高速
で飛来する石等、寒冷地における融雪剤等、非常に厳し
い腐食環境で使用されている。また、近年の地球環境の
保護、自動車の燃費向上、乗り心地の向上の観点から、
自動車に使用する鋼板の高強度・薄肉化傾向が強くなっ
ている。
【0004】特に自動車足まわり等の重要保安部品で
は、鋼板に腐食により孔があかないこと、或いは孔あき
に至らないまでも設計上強度を確保するために必要な板
厚が残存することが必要である。このため、部品の薄肉
化を行う場合には、防錆能を向上させることが必要であ
る。
【0005】また、高級化、高質感化の観点から、錆の
発生が少ない、耐食性の優れた鋼板の使用が要求されて
いる。特に、北米、北欧等、冬季に道路凍結防止剤(Na
Cl、KCl、MgClなど)や、滑り止めのために砂利を
道路に散布する地域では、塗膜を破壊する砂利と、鋼板
の腐食を促進するCl-イオンの存在下で乾湿の繰り返し
となるため、特に優れた防錆能が必要となってくる。
【0006】一方、自動車用の鋼板では、プレスにより
打ち抜かれた時に発生するスクラップを自動車メーカ等
で溶解し、エンジン等の鋳物用原料としてリサイクルさ
れるため、鋳物の特性、特に靭性を劣化させる元素を鋼
板中に多量に含む場合には、リサイクルが限定されると
いう問題がある。
【0007】従来、鋼板の耐食性を向上させるために
は、P、Cu等の単独或いは複合添加が有効であること
が知られている(特開平2−22416号)。この技術で
はP、Cuによる緻密な錆層の形成が耐食性を向上させ
ることを示している。ところが、このような鋼板から生
じるスクラップにおいては、鋳物中のP、Cu含有量が
多い場合、鋳物の靭性が劣化するため、これらをスクラ
ップ溶解時に除去する必要がある。しかし、Cuは現在
の精錬技術では除去が不可能であり、また、Pを除去す
るためにはキュポラ炉等の高価な溶解設備が必要とな
る。
【0008】本発明は、かゝる事情のもとで、耐食性
(耐孔あき腐食性)が優れていると共に、スクラップとし
て簡単に使用できる鋼板の製造方法を提供することを目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者らが鋭意調査、検討した結果、鉄の腐食を
促進するCl-イオン存在下で乾湿を繰り返す腐食環境で
の優れた耐食性と、高い強度を有し、特に自動車足まわ
り部品の軽量化を推進し、かつ容易にスクラップ利用が
可能である高強度強加工用鋼板の製造方法を開発するこ
とに成功したものである。
【0010】すなわち、本発明は、0.02%<C≦0.
08%、Si≦2.0%、0.30%<Mn≦2.50%、
P<0.30%、S≦0.01%、0.01%≦Al≦0.
05%、0.02%≦全Ti≦0.30%、N≦0.006
%、を含有し、必要に応じて、更に0.05≦Cu≦0.
50%、0.05%≦Ni≦0.50%、0.01%≦Cr
≦0.20%、0.02%<Nb≦0.10%、0.05%
≦Mo≦0.25%、0.0003%≦B≦0.0060
%、0.0004%≦Ca≦0.0100%、0.0004
%≦希土類(REM)≦0.0100%のうちの1種又は
2種を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼
に、加熱温度1200℃以上、仕上温度Ar3点以上、冷
却速度20℃/s以上、巻取温度350〜600℃の熱
間圧延を行うことにより、0.02〜0.25%の固溶T
iを含有させることを特徴とする耐孔あき腐食性に優れ
た高強度強加工用鋼板の製造方法を要旨としている。
【0011】
【作用】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0012】鋼板が適用される分野に要求される特性と
して、強度のほか、優れた耐孔あき腐食性を備えるとい
うことと、更にスクラップとして簡単に使用できる要請
(スクラップ再使用性)を併せて満足するということは、
非常に困難な材料設計を要求されることになる。
【0013】この点に関し、本発明者らが鋭意研究を重
ねた結果、従来知られていなかった独創的な知見を得る
に至った。すなわち、鋼板の耐孔あき腐食性が鋼板中に
固溶している固溶Ti量と密接な関係があり、固溶Ti量
をコントロールすることによって耐孔あき腐食性を顕著
に向上させ得ることが判明した。
【0014】固溶Tiに関しては、従来より極低CのI
F鋼において、CやNをTiC又はTiNの析出物として
固定するためにTiを添加している。このTi添加の目的
はプレス成形性の向上が主たる狙いであり、C、Nの析
出・固定に要する量よりも多くTiを添加するのは好ま
しくないことから、殆どTiを固溶させることはない
が、製造条件によっては微量のTi(固溶)が固溶してい
るとしても、実際には、せいぜい0.01%程度であ
る。
【0015】このように、従来は、特定の鋼種において
Tiを添加しているが、Tiを添加しても比較的多量の固
溶Tiを意図的に鋼板中に存在させることは行われてい
なかった。
【0016】しかし、本発明者らの研究により、図1に
固溶Ti量と耐食性(すなわち、最大孔あき深さ)との関
係を示すように、固溶Ti量を0.02%以上にコントロ
ールすることによって孔あき深さが著しく減少し始める
ことが判明した。この傾向は固溶Ti量が0.04〜0.
05%以上、更には0.07〜0.08%以上となると孔
あき深さがほぼ従来鋼の半分程度まで低減させることが
できる。
【0017】本発明はかゝる新規な且つ独創的な知見に
基づいて完成したものである。以下に、まず、本発明に
おける化学成分の限定理由を説明する。
【0018】C:Cは鋼を強化する元素であるが、C含
有量が0.02%より少ないとその効果が低く、また0.
08%を超えると、通常の製造工程で腐食時にカソード
となるセメンタイト等の炭化物が多量に生成し、炭化物
と地鉄間の電位差により腐食が促進され、耐食性を低下
させるので好ましくない。このため、C含有量は0.0
2〜0.08%とする。強度と耐孔あき腐食性向上との
兼ね合いもあるが、好ましくは0.03〜0.06%であ
る。
【0019】Si:Siは脱酸及びプレス加工性を確保し
ながら強度調整を行うには有効な元素であるが、2.0
%を超えて添加すると熱延時に鋼板表面に濃化し、鋼板
の酸洗性を低下させるため、Si含有量は2.0%以下と
する。
【0020】Mn:MnはSによる高温割れを防止するこ
と及び鋼の強化に有効な元素であるが、0.30%以下
ではSの高温割れを防止する効果が低く、かつ、強化の
効果が小さい。また、2.5%を超えて添加すると全伸
びが著しく低下し、加工の観点から好ましくないので、
Mn量は0.30%<Mn≦2.5%の範囲とする。
【0021】P:Pはプレス加工性を確保しながら強度
調整を行うには有効な元素であるが、0.03%以上含
有させた場合、加工後の脆化の原因となる上、スクラッ
プ鋳物中で靭性を劣化させるため、P<0.03%とす
る。
【0022】S:Sは鋼中では、金属元素等と結合し、
硫化物系介在物となって存在する。この硫化物系の介在
物は、金属との間で電位差が生じ、腐食の起点となるた
め、S濃度は低い程よい。特にS濃度が0.01%を超
えた場合、硫化物系の介在物の量が増加することにより
耐食性が極端に劣化するため、S含有量は0.01%以
下とする。
【0023】Al:Alは脱酸の目的で添加するが、0.
01%未満では十分に脱酸が行われず、鋼中のO含有量
を低減できない、また、0.05%を越えて添加しても
その効果が飽和するため、その添加量の範囲は0.01
〜0.05%とする。
【0024】Ti:Tiは微細に析出することにより鋼の
強化及び加工性改善に有効な元素である。また、製造条
件を適切に選ぶことにより鋼の耐食性(耐孔あき腐食性)
改善に有効である。
【0025】特に耐食性改善に関しては、鉄の錆は、ま
ずFeがFe2+(Fe3+)イオンになり溶出し、その後、鉄
の水酸化物或いは酸化物へと変化したものである。Fe
がFe2+(Fe3+)イオンになり溶出する時に、固溶元素が
鉄と同時に溶出する。図1に示すとおり、固溶Tiの存
在により耐食性(耐孔あき腐食性)が改善されるためTi
を添加する。そのメカニズムについては必ずしも明確で
はないが、固溶Tiの存在により不動態化能が著しく高
まると共にTiイオンによるオキシ水酸化鉄の構造・形
態の改善、具体的には緻密なα−FeOOHの安定化
や、TiO2等の緻密な錆層の形成等が考えられる。固溶
Tiの耐食性改善効果は、固溶Ti量が0.02%以上で
ないとその効果が現われず、また、固溶Ti量が0.25
%を超えると、添加するTi量を増加させることにより
Ti系介在物の大きさが大きくなり、加工性が劣化する
ため、固溶Ti量の下限を0.02%、上限を0.25%
とする。より好ましくは0.04%以上であり、0.07
%以上が一層好ましい。
【0026】したがって、Ti添加量が多くなると析出
するTi量が増加するが、上記範囲の固溶Ti量を確保す
るため、溶解時の全Ti量を0.02〜0.30%とす
る。
【0027】N:N量が多くなると時効が発生し、また
一部のNはTiと結合し、TiNを形成し、固溶Ti量を
減少させ、耐食性が劣化するため、N含有量は0.00
6%以下とする。好ましくは0.0035%以下であ
る。
【0028】なお、上記成分を必須とするが、必要に応
じて以下の成分の1種又は2種以上を適量にて含有させ
ることができる。
【0029】Cu:Cuは耐食性を向上させる元素であ
り、そのために0.05%以上を添加する。しかし、0.
50%を超えて添加しても耐食性の効果は飽和し、ま
た、加工性が低下するため、その添加範囲は0.05〜
0.50%とする。
【0030】Ni:Cu含有量が多い鋼ではヘゲ疵が表面
に発生し易いが、Cu含有量の多い鋼にNiを添加した場
合、この欠疵を防止することができるので、製品の表面
性状を向上させるために添加する。またNiは耐食性向
上に寄与する成分である。そのためには0.05%以上
が必要である。しかし、0.50%を超えて添加しても
表面性状及び耐食性の向上効果は飽和する上、Niは高
価であるため、その含有量は0.50%以下とする。表
面性状の観点からCu添加量が0.20%を超える場合に
はNiをCu含有量の半分から同量添加することが望まし
い。
【0031】Cr:Crは鋼の強化のために有効な元素で
あり、そのためには0.01%以上が必要である。しか
し、0.20%を超えて添加した場合、強化の効果が飽
和すると共に耐食性が劣化するため、添加量は0.01
〜0.20%とする。
【0032】Nb:Nbは鋼の強化及び加工性改善のた
め、及びNb添加による固溶Ti量の増加、すなわち、耐
食性改善のために0.02%より多く添加する。しか
し、0.10%を超えて添加した場合、鋼が脆化する
上、高価になるため、添加量は0.02<Nb≦0.10
%とする。
【0033】B:Bは鋼の加工後の脆化を改善するため
に0.0003%以上添加するが、0.0060%を越え
て添加するとかえって鋼が脆化するため、添加量は0.
0003〜0.0060%とする。
【0034】Mo:Moは鋼の強化及び加工性改善のため
に極めて有効な元素であり、0.05%以上添加する。
しかし、0.25%を超えて添加しても、その効果が飽
和する上、高価になるため、添加量は0.05〜0.25
%とする。
【0035】Ca:鉄の腐食が進行している段階では、
孔食内部で、下記の反応が起こり、孔食内部が酸性化
し、更に鉄の腐食が促進されるが、Caが存在した場
合、鉄と同時にCaも溶解し、Caがアルカリ金属である
ため、孔食内部を塩基性化し、孔食の進展が低減される
ため、0.0004%以上添加する。しかし、0.010
0%を超えて添加すると、その効果が飽和するばかりで
なく、鋼の脆化を引き起こすため、Ca添加量は0.00
04〜0.0100%以下とする。
【0036】
【化1】
【0037】
【化2】
【0038】希土類元素:希土類元素(REM)もCaと
同様、孔食内部で孔食内部を塩基性化し、孔食の進展が
低減されるため、0.0004%以上添加する。しか
し、0.0100%を超えて添加すると、その効果が飽
和するばかりでなく、鋼の脆化を引き起こすため、希土
類元素添加量は0.0004〜0.0100%とする。
【0039】次に本発明の製造条件について説明する。
上記化学成分を有する鋼は、常法により溶製、鋳造すれ
ばよいが、熱間圧延は以下の条件で行う必要がある。
【0040】加熱温度:Tiは鋳塊時に析出するが、耐
食性を確保するため、固溶Tiを熱延後に確保する必要
があるが、図2に示すとおり、加熱温度が1200℃未
満では、鋳造時に析出したTiC、TiSを再固溶させる
ことができず、所定の固溶Tiを確保することができな
くなり、図3に示すとおり、耐食性が劣化する。このた
め、加熱温度は1200℃以上とする。
【0041】仕上温度:仕上温度は鋼の組織を決める重
要な因子であり、Ar3点未満で仕上げた場合、組織が不
均一になり、或いは組織の硬度差が大きくなり、伸びフ
ランジ性が劣化する。本発明の鋼ではAr3点は750〜
900℃である。このため、仕上温度はAr3点以上とす
る。特に望ましくは910℃以上であるが、仕上温度が
高すぎるとスケール疵等が発生するので960℃以下が
望ましい。
【0042】冷却速度:Ti析出物の主成分であるTiC
は、仕上圧延後の冷却で700〜600℃の間に主に析
出するが、耐食性を確保するために、固溶Tiを熱延後
においても確保する必要がある。図4に示すとおり70
0〜600℃の平均冷却速度を20℃/sとすることに
より、Tiの析出を抑え、固溶Tiを確保することが可能
であり、図5に示すとおり耐食性が向上するため、70
0〜600℃の平均冷却速度を20℃/s以上とする。
【0043】巻取温度:上述のように、Ti析出物の主
成分であるTiCは、仕上圧延後の冷却で700〜60
0℃の間に主に析出するが、耐食性を確保するために、
固溶Tiを熱延後においても確保する必要がある。一般
に巻取後の冷却速度は20℃/h以下であるため、図6
に示すとおり巻取温度を600℃以下とすることによ
り、Tiの析出を抑え、固溶Tiを確保することが可能で
あり、図7に示すとおり耐食性が向上する。一方、伸び
フランジ性に関しては、巻取温度が350℃未満では伸
びフランジ性が低下する。これは350℃未満にすると
伸びフランジ性を低下させる硬質の低温変態生成物が生
成するためである。これらのことから、巻取温度は35
0〜600℃とする。
【0044】なお、熱延板ままで供されるが、更には、
これに溶融めっき、電気めっき、蒸着めっき等の各種め
っきや、各種の塗装、塗装下地処理、有機皮膜処理等を
行うことも可能である。
【0045】次に本発明の実施例を示す。
【実施例】
【0046】表1に示す化学成分を有する鋼について、
本発明鋼板、従来鋼板とも実機レベルの溶製を行い、表
1に示す条件で実機熱間圧延を行い、酸洗後、耐食性の
評価に供した。その結果を表1に示す。
【0047】なお、耐食性は、鋼板に燐酸塩処理(日本
ペイント製SD5000)を施した後、カチオン電着塗
装(日本ペイント製PT−U−80、15μm塗布)後、
素地に達するクロスカットを施し、塩水散布50℃×1
6時間→乾燥70℃×4時間→湿潤50℃湿度85%4
時間を1サイクルとする腐食促進テストを100サイク
ル行った際のクロスカット部の浸食深さ(最大孔あき深
さ)をmm単位で表わした。
【0048】表1より、本発明例はいずれも、比較例に
比べ、孔あき深さが著しく減少しており、優れた耐食性
(耐孔あき腐食性)を示している。また、本発明例は54
0N/mm2以上の高強度と優れたプレス成形性が得られ
たことが確認された。図1〜図7に固溶Ti量と耐食性
(最大孔あき深さ)、或いは製造条件と固溶Ti量又は耐
食性(最大孔あき深さ)の関係を整理して示す。図中、○
印は本発明鋼板、▲印は比較鋼板である。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
耐孔あき耐食性に優れた高強度強加工用鋼板が容易に得
られ、自動車用はもとより、建築、造船等鋼の腐食が問
題となる工業分野に最適である。この鋼板は、裸又は塗
装して使用することにより、優れた性能を発揮するが、
めっき、有機皮膜塗布等の適当な表面処理と組み合わせ
ることにより、更に優れた効果を発揮する。またスクラ
ップとなったものは鋳物用原料として鋳物の特性を劣化
させることなくリサイクル使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】固溶Ti量と耐食性(最大孔あき深さ)の関係を
示す図である。
【図2】加熱温度と固溶Ti量の関係を示す図である。
【図3】加熱温度と耐食性(最大孔あき深さ)の関係を示
す図である。
【図4】冷却速度と固溶Ti量の関係を示す図である。
【図5】冷却速度と耐食性(最大孔あき深さ)の関係を示
す図である。
【図6】巻取温度と固溶Ti量の関係を示す図である。
【図7】巻取温度と耐食性(最大孔あき深さ)の関係を示
す図である。
【表2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で(以下同じ)、 0.02%<C≦0.08%、 Si≦2.0%、 0.30%<Mn≦2.50%、 P<0.30%、 S≦0.01%、 0.01%≦Al≦0.05%、 0.02%≦全Ti≦0.30%、 N≦0.006%、 を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼に、
    加熱温度1200℃以上、仕上温度Ar3点以上、冷却速
    度20℃/s以上、巻取温度350〜600℃の熱間圧
    延を行うことにより、0.02〜0.25%の固溶Tiを
    含有させることを特徴とする耐孔あき腐食性に優れた高
    強度強加工用鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 更に、0.05≦Cu≦0.50%、0.0
    5%≦Ni≦0.50%、0.01%≦Cr≦0.20%、
    0.02%<Nb≦0.10%、0.05%≦Mo≦0.25
    %、0.0003%≦B≦0.0060%、0.0004
    %≦Ca≦0.0100%、0.0004%≦希土類(RE
    M)≦0.0100%のうちの1種又は2種を含有する請
    求項1に記載の方法。
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