JPH07196969A - カラーフィルター用インキ組成物 - Google Patents

カラーフィルター用インキ組成物

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JPH07196969A
JPH07196969A JP35000293A JP35000293A JPH07196969A JP H07196969 A JPH07196969 A JP H07196969A JP 35000293 A JP35000293 A JP 35000293A JP 35000293 A JP35000293 A JP 35000293A JP H07196969 A JPH07196969 A JP H07196969A
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康彦 近藤
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淳 越智
Jun Nishibayashi
純 西林
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリエステル樹脂およびメラミン樹脂からな
る混合樹脂と、シランカップリング剤またはチタンカッ
プリング剤と、溶剤と、顔料とを含有し、前記混合樹脂
に対して前記カップリング剤が1〜10重量%の割合で
含有されたカラーフィルター用インキ組成物である。 【効果】 耐熱性、耐薬品性、耐光性、接着性などの諸
特性をバランスよく具備したカラーフィルターを得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー液晶ディスプレ
イに使用するカラーフィルターを形成するためのインキ
組成物に関し、特に凹版または凹版オフセット印刷にて
カラーフィルターを形成するためのインキ組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイのフルカラー化はアク
ティブマトリックス駆動方式、とりわけ薄膜トランジス
ター(TFT)駆動方式を中心に急速に伸びている。液
晶ディスプレイのフルカラー化は、1画素ごとにパター
ン化されたレッド、グリーン、ブルーの3色の透過フィ
ルターに対して液晶を光学的シャッターとして駆動させ
る。
【0003】前記レッド、グリーン、ブルーの3色の透
過フィルターであるカラーフィルターの作製には、種々
な方法が提案されているが、大別すると(1) 顔料分散
法、(2) 染色法、(3) 電着法、(4) 印刷法の4つがあ
る。さらに、フィルターのパターン化には、顔料分散法
および染色法ではフォトリソグラフィー法が採用され、
電着法も透明電極をパターン化する際にフォトリソグラ
フィー法を用いる。従って、パターン化の方法は、フォ
トリソグラフィー法と印刷法とに2分される。
【0004】このうち、フォトリソグラフィー法は、感
光性のフォトレジストをスピナー等で基板上に塗布、乾
燥してパターン化したレジスト膜を作製し、ついで露
光、エッチング、剥離等の工程を経てパターンを形成す
る方法である。そのため、寸法精度の高い微細パターン
を形成できるという利点がある反面、工程数が多いため
に、多くの高価な設備が必要であり、高価なフォトレジ
ストもスピンコート工程で90%以上も捨ててしまうた
めに材料費も高くかかってしまう。
【0005】これに対して、印刷法は1回の印刷でパタ
ーンを形成できるので、レッド、グリーン、ブルーの3
回の印刷で終了し、工程数が少なく、またインキ等の材
料のロスも少ないので材料費が廉価である。そのため、
印刷法は量産性とコストの面で非常に有望な方法であ
る。印刷法の問題としては、印刷寸法精度と表面平滑性
とがあげられる。印刷寸法精度については、印刷機精度
の向上と印刷ブランケットの精度向上等により実用レベ
ルまで向上してきている。また、表面平滑性についても
各種平坦化処理方法が開発され精度が向上している。
【0006】従って、このような状況下において、印刷
法にてカラーフィルターを形成するのに最適なインキの
開発が進められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】カラーフィルターに要
求される特性としては次のようなものがあげられる。 (1) 耐熱性 液晶パネルへの実装段階で洗浄、乾燥、透明電極形成、
配向膜形成、シール接着の各工程を経るため、最低25
0℃で1時間程度の加熱で色調や外観等に変化がないこ
とが要求される。 (2) 耐薬品性 液晶パネルへの実装段階で各種洗浄工程や配向膜形成工
程で種々の薬品にさらされるので、充分な耐薬品性が要
求される。 (3) 耐光性 屋外で使用される場合も多いので充分な耐光性が要求さ
れる。 (4) 接着性 カラーフィルターの基板として種々なガラスが使用され
るので、ガラスとの接着性は非常に重要である。
【0008】一方、印刷インキには下記特性が要求され
る。 (1) 印刷適性 印刷用の版からブランケットへの転移およびブランケッ
トからガラス基板への転移がいずれも良好であり、寸法
精度が高いことが要求される。 (2) 顔料分散性 インキビヒクルに対して顔料が均一にかつ微細に分散し
ていることが要求される。
【0009】これに対して、従来提案されたカラーフィ
ルター印刷用のインキは、上記した特性を充分に満たし
ていなかった。すなわち、特開昭63−129302号
公報には、エポキシ樹脂とメラミン樹脂とを併用したカ
ラーフィルター用インキが開示されている。このインキ
は、メラミン樹脂を混合することにより、エポキシ樹脂
を単独で使用する場合の欠点である硬化性と表面硬度、
さらに耐熱性の改善を図れるとしているが、メラミン樹
脂を混合することで塗膜の硬化収縮が大きくなり、塗膜
の厚み管理が非常に困難であり表面平坦性が悪くなる。
さらに、ガラス基板、特にSiO2 コートガラスへの接
着性が著しく悪くなるなどの問題がある。
【0010】特開昭63−129303号公報には、メ
ラミン樹脂を用いたカラーフィルター用インキが開示さ
れている。しかし、メラミン樹脂は耐熱性が良好で表面
硬度も高いという利点を有する反面、ガラス基板への接
着性が非常に悪く、塗膜の硬化収縮も大きいために塗膜
の厚み管理が困難であり、表面平坦性が悪くなるという
問題がある。
【0011】特開平1−168775号公報には、ポリ
エステル樹脂とアミノ樹脂を混合して使用したカラーフ
ィルター用インキが開示されている。しかし、ポリエス
テル樹脂は耐熱性に優れる反面、ガラス基板への接着性
が非常に悪いという問題がある。また、着色剤としてア
ニオン系染料を用いるため、耐熱性が劣るという問題も
ある。
【0012】本発明の目的は、耐熱性、耐薬品性、接着
性などの前記した諸特性に優れたカラーフィルターを作
製するのに好適なカラーフィルター用インキ組成物を提
供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者らは
上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリエス
テル樹脂およびメラミン樹脂からなる混合樹脂と、シラ
ンカップリング剤またはチタンカップリング剤と、溶剤
と、顔料とを含有したインキ組成物を使用し印刷法にて
作製されたカラーフィルターは、耐熱性、耐薬品性、接
着性などの諸特性に優れているという新たな事実を見出
し、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、前記混合樹脂におけるメラミン
樹脂は単独では耐熱性および耐薬品性が高く、とくに表
面硬度が6H以上と良好であるが、接着性に劣り、かつ
硬化収縮性が大きいという欠点がある。これに対して、
エポキシ樹脂とメラミン樹脂とを混合した場合には特性
の改善は認められるものの、接着性および硬化収縮性が
まだ充分でない。一方、エポキシ樹脂に代えてポリエス
テル樹脂をメラミン樹脂と混合した場合には、耐薬品性
および表面硬度が高く、とくに耐熱性に優れているが、
接着性に劣っているという欠点がある。
【0015】これに対して、本発明のように、ポリエス
テル樹脂およびメラミン樹脂を混合しかつシランカップ
リング剤またはチタンカップリング剤を配合する場合
は、上記混合樹脂の欠点である接着性が大きく改善さ
れ、耐熱性はもとより、接着性にも非常に優れたものに
なり、さらに耐薬品性、耐光性、表面硬度、硬化収縮性
等の特性にも優れたカラーフィルター用インキを提供で
きる。
【0016】本発明におけるポリエステル樹脂およびメ
ラミン樹脂の混合比率は、重量比で20/80〜80/
20、好ましくは40/60〜60/40である。メラ
ミン樹脂はポリエステル樹脂の架橋剤として作用するの
で、メラミン樹脂の配合量が前記範囲より少ないと、ポ
リエステル樹脂の充分な架橋密度が得られず、表面硬度
が低くかつ耐熱性や耐薬品性にも劣ったものになる。一
方、メラミン樹脂の配合量が前記範囲より多いと、非常
に表面硬度が高くなり、また硬化収縮性も高くなるの
で、表面の平坦性が得られない。また、ポリエステル樹
脂の配合量が前記範囲より多いと、耐熱性は向上する
が、ガラス基板への接着性が大きく劣るようになる。
【0017】本発明における前記カップリング剤は、こ
れを添加することにより、混合樹脂の接着性を大きく改
善することができる。とくに、前記カップリング剤を混
合樹脂の総量に対して1〜10重量%の割合で添加する
ことにより、接着性、耐熱性、硬化収縮性などの諸特性
がバランスよく具備されたものになる。これに対して、
前記カップリング剤の添加量が1重量%未満であると、
ガラス基板に対して充分な接着性が得られない。一方、
前記カップリング剤の添加量が10重量%を超えても、
それに見合うだけの接着性の向上がなく、逆にインキの
粘度が減少するため印刷適性に悪影響を与えるおそれが
ある。
【0018】本発明において使用される樹脂は、いずれ
も基本的に耐熱性にすぐれ、変色のない透明な樹脂であ
ればよい。ポリエステル樹脂には、飽和型ポリエステル
と不飽和型ポリエステルとがあるが、耐熱性、耐薬品
性、耐光性等を考慮すると、高分子主鎖中に飽和型二塩
基酸のエステル結合を含む飽和型ポリエステル樹脂を使
用するのが好ましい。飽和型二塩基酸としては、例えば
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、
トリメリット酸、セバチン酸、コハク酸、アゼライン
酸、ヘキサヒドロフタル酸あるいはこれらの酸無水物が
あげられる。また、二塩基酸とエステル結合を形成する
グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、
グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、1,3−ブチレングリコール、ペンタエリスリト
ール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、ブテン
ジオール、ネオペンチルグリコールなどがあげられる。
本発明において使用するポリエステル樹脂は、酸価が3
〜50、好ましくは3〜15、とくに10〜15程度で
あるのが適当であり、酸価が大きくなると耐水性、耐ア
ルカリ性が劣るようになる。
【0019】メラミン樹脂としては、例えばメチル化メ
ラミン、ブチル化メラミン、それらの混合エーテル化メ
ラミン、グアナミン樹脂、メラミンアルキッド樹脂等が
使用可能であるが、塗膜特性、耐熱性、ハイソリッド化
等の面からはメチル化メラミンを使用するのが好まし
い。本発明において使用可能なシランカップリング剤と
しては、例えばビニルシラン(ビニルトリエトキシシラ
ンなど)、エポキシシラン(3−グリシドキシプロピル
トリメトキシシランなど)、アクリルシラン(3−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシランなど)、さらに
アミノシラン、フェニルシラン、メルカプトシランなど
があげられる。
【0020】本発明において使用可能なチタンカップリ
ング剤としては、例えばイソプロピルトリイソステアロ
イルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイ
ロホスフェート)チタネートなどのモノアルコキシ型、
ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテー
ト、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチ
タネートなどのキレート型、テトライソプロピルビス
(ジオクチルホスフェート)チタネート、テトラオクチ
ルビス(ジトリデシルホスフェート)チタネートなどの
コーディネート型などがあげられる。
【0021】また、本発明において使用される溶剤とし
ては、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、オレイルアルコール、オクチルアルコール、デシル
アルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコー
ル(トリデカノール)、n−ブチルアルコール、シクロ
ヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコ
ール、またはC10〜C15のアルキルアルコールの混合物
などの高沸点の高級アルコール;メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトー
ル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテー
ト、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセ
テートなどのアルキルエーテル;トルエン、キシレン、
テトラリンなどの芳香族炭化水素;シクロヘキサノ ン、
メチルシクロヘキサノン、イソホロン、ジアセトンアル
コールなどのケトン等があげられるが、これらに限定さ
れるものではなく、印刷適性(インキ転移性等)、作業
性などを考慮して適宜選択すればよい。また、高級アル
コールを使用する場合は、インキの乾燥性や流動性を考
慮して、これよりも乾燥速度の速いブチルカルビトール
(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ブチル
セロソルブ、エチルカルビトール、ブチルセロソルブア
セテート、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオ
ールなどのアルコールまたはエステル類を併用してもよ
い。溶剤の添加量は使用する混合樹脂などの成分の溶解
性または分散性、作業性、印刷適性などを考慮して適宜
決定すればよく、通常、インキ総量に対して5〜80重
量%、好ましくは15〜50重量%程度である。
【0022】本発明に使用可能な顔料としては、耐熱
性、分光特性、耐薬品性、分散性などの良好な有機顔料
であるのが好ましい。また、顔料の粒子径は分散性に大
きく影響し、粒子径の大きな顔料を使用すると分光特
性、平坦性などに悪影響を及ぼすおそれがあるので、で
きるだけ粒子径の小さな顔料を使用するのが好ましい。
具体的には、実用レベルでの一次粒子径の粒度分布にお
いて、全体の80%以上が粒子径1μm以下、なかんず
く0.3μm以下である有機顔料を用いるのが好まし
い。
【0023】カラーフィルター用インキに含有される有
機顔料には、基本顔料としてのレッド顔料、グリーン顔
料およびブルー顔料と、分光特性を調整するためにイエ
ロー顔料、バイオレット顔料などの補色顔料とがあげら
れる。耐熱性、分光特性、耐薬品性、分散性などの面か
ら本発明に使用可能な顔料をカラーインデックス番号で
下記に示す。 (1) レッド顔料 19,38,43,88,122,
123,144,149,166,168,177,1
78,179,185,208,216,226 (2) グリーン顔料 7,36 (3) ブルー顔料 15:1,15:3,15:4,1
5:6,16,22,29,60 (4) イエロー顔料 81,83,97,108,10
9,110,137,138,139,153,15
4,166,168,185 (5) バイオレット顔料 19,23,29,30,3
7,88 さらに、上記以外の顔料であっても、耐熱性、分光特
性、耐薬品性、分散性などの面から有用な顔料であれば
使用可能である。
【0024】顔料の添加量は通常、総量に対して5〜5
0重量%、好ましくは10〜30重量%程度である。ま
た、本発明においては、印刷適性、とくに転移形状や膜
厚みを調整する目的で体質顔料を添加することも可能で
ある。体質顔料としては、一次粒子径が小さく、かつ透
明性が高い比較的屈折率の小さな酸化ケイ素、硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウムなどがあげられる。体質顔料の添
加量は、総量に対して2〜50重量%、好ましくは5〜
30重量%程度である。
【0025】本発明のインキ組成物は、所定量の前記混
合樹脂、溶剤、顔料などを配合し、顔料の分散性を向上
させるために3本ロールなどを使用して分散練肉する
が、顔料の分散性をさらに向上させるために3本ロール
による練肉前にあらかじめプラネタリーミキサーなどで
充分に顔料を湿潤させるのが好ましい。また、顔料の粉
体自体をボールミルなどで微粉末化するようにしてもよ
い。さらに、顔料の有機誘導体、例えばフタロシアニン
銅誘導体や、界面活性剤、例えばアニオン系、カチオン
系、ノニオン系の界面活性剤などを添加して顔料が再凝
集するのを防止してもよい。アニオン系界面活性剤とし
ては、例えばカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン
酸塩などがあげられる。カチオン系界面活性剤として
は、例えば第1級ないし第3級アミン塩などがあげられ
る。ノニオン系界面活性剤としては、例えばエーテル系
(ポリオキシエチレンアルキルエーテルなど)、エステ
ル系(グリセリンエステルなど)、エーテルエステル系
(グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、
ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテルな
ど)があげられる。このうち、分散性の点ではアニオン
系またはカチオン系の界面活性剤を使用するのが好まし
いが、アルカリ金属(カリウム、ナトリウムなど)は液
晶の寿命を著しく劣化させるためノニオン系の界面活性
剤を使用するのが好ましい。
【0026】また、樹脂と顔料のぬれ性を向上させるた
めに顔料の表面をシラン系カップリング剤やチタン系カ
ップリング剤にて前処理してもよい。いずれにおいても
顔料の粒子径が1μm以下、好ましくは0.3μm以下
の割合が全体の80%以上にするのがよい。
【0027】
【実施例】
実施例1〜11および比較例1〜9 ポリエステル樹脂、メラミン樹脂およびカップリング剤
の混合比率を変えた各種インキを作製した。作製したレ
ッド、グリーンおよびブルーの各インキの基本配合は表
1のとおりである。
【0028】
【表1】
【0029】使用した各成分は以下のとおりである。 (1) 樹脂 (1-1) メラミン樹脂:スミマールM100C(住友化
学(株)製、メチル化メラミン) (1-2) ポリエステル樹脂:無水フタル酸、イソフタル
酸およびネオペンチルグリコールを反応容器に仕込み、
溶剤として適量のオレイルアルコールを添加し、200
℃で2時間加熱攪拌して重合させた、酸価10のポリエ
ステル樹脂 (1-3) エポキシ樹脂:エピコート1007(油化シェ
ル(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂) (2) カップリング剤 (2-1)シランカップリング剤: 3−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン(東芝シリコーン(株)製のSH
6040) (2-2)チタンカップリング剤: ビス(ジオクチルパイロ
ホスフェート)オキシアセテートチタネート(味の素
(株)製のプレンアクトKR138S) (3) 顔料 (3-1) レッド顔料: HOSTPERM SCARLET GO(ヘキスト社
製、レッドNo.168) とPALIOTOL YELLOW L1820(BASF社、
イエローNo.139) とを3:1 の比率で混合して使用した。
【0030】(3-2) グリーン顔料: HELIOGEN GREEN D8
734DD (BASF社、グリーンNo.7) とPALIOTOL YELLOW L18
20 (BASF 社、グリーンNo.739) とを5:1 の比率で混合
して使用した。 (3-3) ブルー顔料: HELIOGEN BLUE D7072DD (BASF
社、ブルーNo.15:3)とVIOLET B( チバガイギー社製、バ
イオレットNo.23)とを4:1 の比率で混合して使用した。 (4) 溶剤 オレイルアルコールにブチルカルビトールを20重量%
の割合で混合したものを使用した。 (5) 体質顔料 硫酸バリウム( 堺化学( 株) 製のBF-1) を使用した。
【0031】前記樹脂に所定の顔料と溶剤と体質顔料と
を表1に示した所定の配合量で添加し、充分に攪拌機に
て攪拌した後、3本ロールを用いて顔料の粒子が充分に
細かくなるまで練肉して、レッド、グリーン、ブルーの
各インキを得た。その際、使用した各樹脂の配合比( 重
量部) およびカップリング剤の添加量( 重量部) は表2
〜表4に示した。なお、表4に示す比較例8および9は
それぞれ特開昭63−129302号公報および特開平
1−168775号公報に記載の組成物である。また、
前記した特開昭63−129303号公報はメラミン樹
脂を単独で使用するものであるので、表3に記載の比較
例4がこれに相当する。
【0032】得られた各インキを用いてカラーフィルタ
ーの印刷を行った。平台印刷機としては紅羊社(株)製
のエクター600CLを用いた。オフセットブランケッ
トには、住友ゴム工業(株)製のST800(厚さ1.
9mm)を用いた。このものは表面を非常に平滑に研磨
したものである(表面粗度Rz=1μm)。基板である
ガラスには日本板ガラス(株)製のソーダライムガラス
(表面SiO2 浸漬処理品、厚さ1.1mm)を使用し
た。版は東レ(株)製の水無し平版を使用し、100μ
m幅のストライプを300μmピッチで、レッド、グリ
ーン、ブルーのパターンを順に印刷した。印刷後、クリ
ーンオーブン中にて220℃で1時間加熱硬化させた。
【0033】得られた印刷物について、耐熱性、耐薬品
性、接着性、表面硬度、硬化収縮性および印刷適性の評
価を行った。その結果を表2〜表4に併せて示す。各試
験方法および評価基準は以下のとおりである。 (1) 耐熱性 印刷物をオーブンで250℃で1時間熱処理し、処理前
後の色差ΔEを求め、下記の基準で評価した。
【0034】 (評価) (ΔE) ◎ 0〜1 ○ 1〜3 △ 3〜5 × 5以上 (2) 耐薬品性 印刷物を下記に示す液中にそれぞれ所定時間だけ浸漬
し、浸漬前後の色差ΔEが3またはそれ以上になった液
の数を調べた。
【0035】(a) N−メチル−2−ピロリドン 25℃
で30分間浸漬 (b) イソプロピルアルコール 25℃で1時間浸漬 (c) 10%塩酸 25℃で1時間浸漬 (d) 5%水酸化ナトリウム水溶液 25℃で1時間浸漬 (e) 酢酸ブチル 25℃で1時間浸漬 (f) アセトン 25℃で30分間浸漬 (g) ブチロラクトン 40℃で1時間浸漬 (h) 沸騰水 1時間浸漬 評価基準は以下のとおりである。
【0036】 (評価) (ΔE≧3のものの数) ◎ 0個 ○ 1個 △ 2〜3個 × 3個以上 (3) 接着性 JIS K 5400に記載の碁盤目テープ法に準拠し
て、市販粘着テープを碁盤目状(縦10本/cm、横1
010本/cm)にカットされた印刷物に貼着し、引き
剥がしたときの剥離数を調べ、下記の基準で評価した。
【0037】 (評価) (剥離数) ◎ 0/100 ○ 1〜5/100 △ 6〜10/100 × 10/100以上 (4) 表面硬度 JIS K 5400に記載の鉛筆引っかき値に準拠し
て硬度を測定し、下記の基準で評価した。
【0038】 (評価) (硬 度) ◎ 6H以上 ○ 4〜5H △ 2〜3H × 1H以下 (5) 硬化収縮性 硬化前後での体積収縮率の変化率を測定し、下記の基準
で評価した。
【0039】 (評価) (体積収縮率の変化率) ◎ 0〜5% ○ 5〜10% △ 10〜30% × 30%以上 (5) 印刷適性 印刷時の形状、転移性を目視で観察し、下記の基準で評
価した。
【0040】 (評価) (印刷時の形状、転移性) ◎ 非常に良好 ○ 良好 △ 悪い × 非常に悪い
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】これらの試験結果から、ポリエステル樹脂
およびメラミン樹脂の混合樹脂とシランカップリング剤
またはチタンカップリング剤とを含有した実施例のイン
キはいずれもカラーフィルター用として要求される諸特
性を具備しているのに対して、前記混合樹脂のうち1種
のみを配合した比較例やカップリング剤を含有しない比
較例のインキはいずれも諸特性において充分に満足でき
るものではないことがわかる。
【0045】
【発明の効果】本発明のインキ組成物によれば、ポリエ
ステル樹脂およびメラミン樹脂からなる混合樹脂と、シ
ランカップリング剤またはチタンカップリング剤と、溶
剤と、顔料とを含有することにより、耐熱性、耐薬品
性、接着性などの前記した諸特性をすべて具備したカラ
ーフィルターを得ることができるという効果がある。
【0046】とくに前記シランカップリング剤またはチ
タンカップリング剤を前記混合樹脂に対して1〜10重
量%の割合で含有させるときは、ガラス基板に対する接
着性が大きく改善されるという効果がある。また、前記
顔料として、粒度分布において全体の80%以上が粒子
径1μm以下である有機顔料を使用するときは、分光特
性や平坦性が向上する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル樹脂およびメラミン樹脂から
    なる混合樹脂と、シランカップリング剤またはチタンカ
    ップリング剤と、溶剤と、顔料とを含有したことを特徴
    とするカラーフィルター用インキ組成物。
  2. 【請求項2】前記シランカップリング剤またはチタンカ
    ップリング剤が前記混合樹脂に対して1〜10重量%の
    割合で含有されている請求項1記載のカラーフィルター
    用インキ組成物。
  3. 【請求項3】前記顔料は、全体の80%以上が粒子径1
    μm以下である粒度分布を有する有機顔料である請求項
    1記載のカラーフィルター用インキ組成物。
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