JPH07196917A - 感光性樹脂組成物及びそれを用いるパターン化されたポリイミド皮膜の形成方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物及びそれを用いるパターン化されたポリイミド皮膜の形成方法

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JPH07196917A
JPH07196917A JP35218293A JP35218293A JPH07196917A JP H07196917 A JPH07196917 A JP H07196917A JP 35218293 A JP35218293 A JP 35218293A JP 35218293 A JP35218293 A JP 35218293A JP H07196917 A JPH07196917 A JP H07196917A
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photosensitive resin
organic group
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JP35218293A
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Hideto Kato
英人 加藤
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(A) 下記一般式: 【化1】 (式中、Xは芳香環を有する4価の有機基であり、Aは
-O- 又は-CO-であり、Rは (メタ) アクリロキシ基を含
有する炭素原子数10以下の1価の有機基であり、kは、
0又は1である。)で表される構成単位30〜95モル%
と、下記一般式: 【化2】 (式中、Xは前記のとおりであり、Yは芳香環を有する
2価の有機基又はシロキサン結合を有する2価の有機基
である。)で表される構成単位5〜70モル%とを有する
ポリイミド前駆体、及び(B) 増感剤、光重合開始剤、又
はそれらの組み合わせ、を含有してなる感光性樹脂組成
物、および該組成物を用いるパターン化されたポリイミ
ド皮膜の形成方法。 【効果】 短時間で現像可能で感度に優れ、容易に皮膜
を形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子用保護絶縁
膜、液晶表示素子用配向膜、多層プリント基板用絶縁膜
等の保護膜の形成に有用な感光性樹脂組成物及び該組成
物を用いるパタ−ン化されたポリイミド皮膜の形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐熱性感光材料として、例えば、
ポリアミック酸と重クロム酸塩とからなる材料(特公昭
49−17374 号公報)、ポリアミック酸のカルボキシル基
にエステル結合により感光基を導入したものからなる材
料(特開昭49−115541号公報、特開昭55−45746 号公
報)、ポリアミック酸と感光基を有するアミン化合物か
らなる材科(特開昭54−145794号公報)、ポリアミック
酸のカルボキシル基にシリルエステル結合により感光基
を導入したものからなる材料(特開昭62−275129号公
報)等が公知である。
【0003】しかし、これらの材料はそのパターン形成
時に現像液として有機溶剤を使用するものであり、有機
溶剤の使用は、作業者の健康ヘの影響や廃液処理等の問
題を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記問題を解
決するために、水性の液により現像可能な材料として、
例えば、ポリアミック酸のカルボキシル基にアミド結合
により感光基を導入したものからなる材料(特開昭60−
100143号公報、特開平 2−157845号公報)、フェノール
基を持つポリイミド樹脂にナフトキノンジアジドスルホ
ン酸エステルを配合してなるポジ型の感光性樹脂組成物
(Polymer Engineering And Science,July 1989, Vol.
29, 964) 等が提案されている。
【0005】しかし、これらの材料では、現像に長時間
を必要としたり、特に厚膜形成時に感度が十分でない等
の問題を有している。
【0006】従って、本発明の課題は、水性の液により
短時間で現像可能であるとともに、十分な感度を有し、
容易にパターン化されたポリイミド皮膜を形成すること
ができる感光性樹脂組成物、及び該組成物を用いるパタ
ーン化された耐熱性ポリイミド皮膜の形成方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のポリイ
ミド前駆体と光増感剤とを配合すると、アルカリ性水溶
液により現像可能なネガ型の感光性ポリイミド樹脂組成
物が得られること、かかる組成物は製造時にイオン性不
純物の混入がほとんどない上、光の照射に対して良好な
感度を有し容易にパターンの形成が行えること、かかる
組成物を硬化させると耐熱性に優れ、電気的・機械的特
性に優れたポリイミド皮膜が形成されることを見いだ
し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】本発明は、(A) 下記一般式(1) :
【化3】 (式中、Xは芳香環を有する4価の有機基であり、Aは
−O−又は−CO−であり、Rはアクリロキシ基又はメ
タクリロキシ基を含有する炭素原子数10以下の1価の有
機基であり、kは、0又は1である。)で表される構成
単位30〜95モル%と、下記一般式(2) :
【化4】 (式中、Xは前記のとおりであり、Yは芳香環を有する
2価の有機基又はシロキサン結合を有する2価の有機基
である。)で表される構成単位5〜70モル%とを有する
ポリイミド前駆体、及び(B) 増感剤、光重合開始剤又は
それらの組み合わせを含有してなる感光性樹脂組成物を
提供する。
【0009】また、本発明は、上記の感光性樹脂組成物
を基板に塗布し、乾燥し、露光し、現像液を用いて現像
し、得られたパターンを硬化させる工程を有するパター
ン化されたポリイミド皮膜の形成方法において、前記現
像液としてアルカリ性水溶液を用いることを特徴とする
方法を提供する。以下、本発明について詳述する。
【0010】(A) ポリイミド前駆体 本発明の組成物の有効成分であるポリイミド前駆体(A)
は、上記の一般式(1)で表される構成単位と、上記一般
式(2) で表される構成単位とを含有する。また、前記ポ
リイミド前駆体1分子中に含まれる複数のXは同一でも
異なってもよく、複数のRも同一でも異なってもよい。
また、前記ポリイミド前駆体1分子中に、Aが複数含ま
れる場合には、それらは同一でも異なってもよく、Yが
複数含まれる場合にもそれらは同一でも異なってもよ
い。
【0011】ポリイミド前駆体(A) 中の上記一般式(1)
で表される構成単位の含有割合は、30〜95モル%であ
り、好ましくは、60〜90モル%である。また、ポリイミ
ド前駆体(A) 中の上記一般式(2) で表される構成単位の
含有割合は、5〜70モル%であり、好ましくは、10〜40
モル%である。
【0012】また、ポリイミド前駆体(A) の重合度は、
好ましくは1000以上であり、更に好ましくは 10000以上
である。
【0013】上記ポリイミド前駆体(A) は、例えば、下
記一般式(3) :
【化5】 (式中、Xは前記のとおりである。)で表されるテトラ
カルボン酸二無水物と、
【0014】下記一般式(4) :
【化6】 (式中、A、R及びkは前記のとおりである。)で表さ
れるアクリロキシ基及び/又はメタクリロキシ基(以
下、単に(メタ)アクリロキシ基という。)含有アミン
化合物と、
【0015】下記一般式(5) :
【化7】 (式中、Yは前記のとおりである。)で表されるジアミ
ン化合物とを、前記一般式(4) で表される(メタ)アク
リロキシ基含有アミン化合物と前記一般式(5) で表され
るジアミン化合物との合計モル数と前記一般式(3) で表
されるテトラカルボン酸二無水物のモル数がほぼ等モル
となるように適当な溶剤中に混合し、通常、0〜40℃で
反応させることにより製造され、反応時間は1〜24時間
程度でよい。しかし、かかる製造方法に限定されるもの
ではない。
【0016】また、上記の製造方法において使用される
溶剤としては、任意のものを使用することができ、具体
的には、例えば、N-メチル-2- ピロリドン、ジメチルア
セトアミド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホス
ホリルアミド、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、
メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテ
ル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロペンタノン、シクロへキサノン、γ- ブ
チロラクトン、ブチルセロソルブアセテート、トルエ
ン、キシレン、アニソール、メチルアニソール、エチル
フェニルエーテル等の有機溶剤が挙げられる。また、こ
れらは1種単独で又は2種以上の組み合わせで使用する
ことができる。
【0017】上記一般式(1) 及び上記一般式(2) 中のX
は、芳香環を有する4価の有機基であり、本願発明のポ
リイミド前駆体が上記の製造方法により製造される場
合、上記一般式(1) 及び上記一般式(2) 中のXは、上記
一般式(3) で表されるテトラカルボン酸二無水物のXに
由来する基である。Xの代表例としては、
【0018】
【化8】 等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】上記で例示したXに対応する上記一般式
(3) で表されるテトラカルボン酸二無水物は、それぞ
れ、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキ
シ)フェニル] プロパン酸二無水物、2,2-ビス(3,4- ジ
カルボキシフェニル)パーフルオロプロパン酸二無水
物、ビス(3,4- ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン
酸二無水物、1,3-ビス(3,4- ジカルボキシフェニル)-1,
1,3,3-テトラメチルジシロキサン酸二無水物であり、こ
れらは単独で又は2種以上の組み合わせで使用すること
ができる。
【0020】また、上記一般式(2) 中のYは、芳香環を
有する2価の有機基又はシロキサン結合を有する2価の
有機基である。勿論、Yは芳香環とシロキサン結合とを
有する2価の有機基であってもよい。本願発明のポリイ
ミド前駆体が上記の製造方法により製造された場合、上
記一般式(2) 中のYは、上記一般式(5) で表されるジア
ミン化合物のYに由来する基である。
【0021】上記の芳香環を有する2価の有機基として
は、例えば、下記一般式(6) 〜(9)で表される基が挙げ
られる。
【0022】
【化9】
【0023】〔各式中、R1 はそれぞれ単結合、−O
−、─SO2 −、−S−又は炭素原子数1〜3の置換もし
くは非置換のアルキレン基(例えば、−CH2 −、−C(CH
3 ) 2 −、−C(CF3 ) 2 −等) であり、R1 が複数存在
する場合には、それらは同一でも異なってもよい。ま
た、各式中、複数のR2 は、同一でも異なってもよく、
−H、−Cl、−CONH2 又は炭素原子数1〜3のアルキル
基(例えば、−CH3 −、−CH(CH3 ) 2 等) である。〕
【0024】上記のシロキサン結合を有する2価の有機
基としては、例えば、下記一般式(10)で表される基が挙
げられる。
【化10】 〔式中、複数のR3 は同一でも異なってもよく、炭素原
子数3又は4のアルキレン基(例えば、−CH2 CH2 CH2
−、−CH2 CH2 CH2 CH2 −等) 、フェニレン基、又は
式:
【0025】
【化11】 で表される基である。更に、式中、複数のR4 は同一で
も異なってもよく、炭素原子数1〜3のアルキル基(例
えば、−CH3 、−CH2 CH2 CH3 等) であり、mは1〜40
の整数である。〕
【0026】上記一般式(5) で表されるジアミン化合物
としては、例えば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレ
ンジアミン、4,4'- ジアミノジフェニルメタン、4,4'-
ジアミノジフェニルエーテル、2,2'- ビス(4- アミノフ
ェニル)プロパン、4,4'- ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4'- ジアミノジフェニルスルフィド、1,4-ビス
(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ
フェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(p-アミノフェニルス
ルホニル)ベンゼン、1,4-ビス(m-アミノフェニルスル
ホニル)ベンゼン、1,4-ビス(p-アミノフェニルチオエ
ーテル)ベンゼン、1,4-ビス(m-アミノフェニルチオエ
ーテル)ベンゼン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)
フェニル] プロパン、2,2-ビス[3- メチル-4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル] プロパン、2,2-ビス[3- クロロ-
4-(4-アミノフェノキシ) フェニル]プロパン、1,1-ビス
[4-(4-アミノフェノキシ) フェニル] エタン、1,1-ビス
[3-メチル-4-(4-アミノフェノキシ) フェニル] エタ
ン、1,1-ビス[3- クロロ-4-(4-アミノフェノキシ) フェ
ニル] エタン、1,1-ビス[3,5- ジメチル-4-(4-アミノフ
ェノキシ) フェニル] エタン、ビス[4-(4-アミノフェノ
キシ) フェニル] メタン、ビス[3- メチル-4-(4-アミノ
フェノキシ) フェニル] メタン、ビス[3- クロロ-4-(4-
アミノフェノキシ) フェニル] メタン、ビス[3,5- ジメ
チル-4-(4-アミノフェノキシ) フェニル] メタン、ビス
[4-(4-アミノフェノキシ) フェニル] スルホン、2,2-ビ
ス[4-(4-アミノフェノキシ) フェニル] パーフルオロプ
ロパン等の芳香族ジアミン化合物;例えば、下記式:
【0027】
【化12】 等で表されるアミド基を有する芳香族ジアミン化合物;
例えば、下記式:
【0028】
【化13】 で表されるジアミノオルガノシロキサン化合物等が例示
されるが、これらに限定されるものではない。また、こ
れらは1種単独で、又は2種以上の組み合わせで使用す
ることができる。
【0029】上記一般式(1) 中のAは、−O−又は−C
O−である。また、上記一般式(1)中のRはアクリロキ
シ基又はメタクリロキシ基を有する炭素原子数10以下の
1価の有機基であり、例えば、下記一般式(11):
【化14】
【0030】〔式中、R5 は−H又は−CH3 であり、R
6 は炭素原子数2〜8のアルキレン基(例えば、−CH2
CH2 −、−CH2 CH2 CH2 −等)又はフェニレン基であ
る。〕で表される基である。
【0031】本願発明のポリイミド前駆体が上記の製造
方法により製造された場合、上記一般式(1) で表される
構成単位中のA及びRは、上記一般式(4) で表される
(メタ)アクリロキシ基含有アミン化合物のA及びRに
由来するものである。上記一般式(4) で表される(メ
タ)アクリロキシ基含有ジアミンは、例えば、下記式:
【0032】
【化15】 等のテトラアミン化合物と、例えば、イソシアナトエチ
ルメタクリレート等の(メタ)アクリロキシ基含有イソ
シアナートとを反応させることにより容易に得られる。
【0033】(B) 増感剤、光重合開始剤、又はそれらの
組み合わせ 本発明の感光性樹脂組成物は、増感剤及び/又は光重合
開始剤(B) を有効成分として含有する。
【0034】増感剤としては、例えば、ベンゾフェノ
ン、アセトフェノン、アントロン、フェナントレン、ニ
トロフルオレン、ニトロアセナフテン、4,4'- ビス( ジ
メチルアミノ) ベンゾフェノン、4,4'- ビス( ジエチル
アミノ) ベンゾフェノン、クロロチオキサントン、ベン
ズアントラキノン、2,6-ビス-(4-ジエチルアミノベンザ
ル)-シクロヘキサノン、2,6-ビス-(4-ジエチルアミノベ
ンザル)-4-メチル- シクロヘキサノン、4,4'- ビス-(ジ
エチルアミノ) カルコン、2,4-ジエチルチオキサント
ン、N-フェニル- ジエタノールアミン、クマリン化合物
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、増感剤は、単独又は2種類以上の組み合わせで使
用することができる。
【0035】また、光重合開始剤としては、例えば、ベ
ンジル、ベンゾインイソプロピルエーテル、1-ヒドロキ
シ- シクロヘキシル- フェニルケトン、2-メチル-[4-
(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-1- プロパ
ン、1-フェニル-1,2- ブタンジオン-2-(o-メトキシカル
ボニル)オキシム、N-フェニルグリシン等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。また、光重合開
始剤は、単独で又は2種以上の組み合わせで使用するこ
とができる。
【0036】更に、増感剤と光重合開始剤とを併用する
こともできる。
【0037】増感剤及び/又は光重合開始剤の配合量は
任意であるが、一般的には、上記ポリイミド前駆体(A)
成分の 0.1〜20重量%であり、好ましくは、 0.5〜10重
量%である。
【0038】感光性樹脂組成物 本発明の感光性樹脂組成物は、上述したポリイミド前駆
体(A) と増感剤及び/又は光重合開始剤(B) とを適当な
有機溶剤に溶解した溶液として保存され、且つ、使用さ
れる。
【0039】上記の有機溶剤としては、例えば、ポリイ
ミド前駆体(A) を製造するものとして例示した有機溶剤
が好適に用いられ、それらの有機溶剤を1種単独で又は
2種以上の組み合わで使用する。また、有機溶剤の使用
量は、上記のポリイミド前駆体(A) の濃度が5〜50重量
%となる量が好ましい。
【0040】本発明の感光性樹脂組成物を有機溶剤に溶
解した溶液は、スピンコート、浸漬、印刷等の公知の方
法によりシリコンウェハー、金属板、ガラス板、セラミ
ックス基板等の基板上に塗布され、乾燥による塗膜形成
後、露光、アルカリ現像、硬化の諸工程を経て、耐熱性
等の特性に優れたポリイミド保護皮膜が形成される。
【0041】乾燥による塗膜形成は、例えば、乾燥器、
ホットプレート等の加熱手段を用いて30〜180 ℃の温度
で数分〜数時間プリベークを行って塗膜中の有機溶剤の
大部分を除去することにより行うことができる。
【0042】露光は、上記で形成された皮膜上にマスク
を置き、可視光線、紫外線等の光を数秒から数分間照射
することにより行われる。
【0043】露光後、未露光部を現像液で溶解除去する
ことによりレリーフパターンを得ることができる。ここ
で、現像液として、アルカリ性水溶液が使用されるの
で、健康への影響や廃液処理の問題がない。また、現像
時間は、通常、10秒〜3分間程度でよい。アルカリ性水
溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ金属の水酸化物の水溶液;例えば、テ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルア
ンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウムの水酸化
物の水溶液;例えば、メチルジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等の有機アミンの水溶液等が例示され
る。また、アルカリ性水溶液の濃度は、好ましくは、0.
01〜30重量%である。
【0044】更に、現像により形成されたレリーフパタ
ーンの樹脂を乾燥器、電気炉等の加熱手段により、通
常、 200〜500 ℃、好ましくは 300〜400 ℃の温度で数
十分から数時間加熱することにより、パターン化された
ポリイミド皮膜を形成することができる。
【0045】このように、本発明の感光性樹脂組成物
は、容易にパターン形成ができ、また、その硬化により
形成される樹脂皮膜は、耐熱性、機械的特性、電気的特
性に優れることから、電子部品用保護膜として幅広く利
用することができる。具体的には、例えば、ダイオ一
ド、トランジスタ、I.C.、L.S.I.等の半導体
素子表面のジャンクションコート膜、パッシベーション
膜、バッファーコート膜、L.S.I.等のα線遮蔽
膜、多層配線の層間絶縁膜、その他プリントサーキット
ボードのコンフォーマルコート、液晶表示素子の配向
膜、イオン注入マスク等の電子部品用保護膜として好適
に使用される。
【0046】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明は、下記の実施例に制限されるものでは
ない。
【0047】ポリイミド前駆体の溶液の調製 攪拌器及び温度系を備えたフラスコ内を窒素ガスで置換
した後、該フラスコ内に、3,3'- ジアミノベンジジン 1
2.86gとN-メチル-2- ピロリドン 200gとを仕込んだ。
前記フラスコ内の混合物の温度を10℃以下に保持しなが
ら、更に、イソシアナトエチルメタクリレート 18.60g
を添加して、3時間常温で攪拌した。続いて、前記フラ
スコ内に、4,4'- ジアミノジフェニルエーテル6.00g
と、1,3-ビス[3- アミノプロピル]-1,1,3,3-テトラメチ
ルジシロキサン2.49gとを添加した後、更に、3,3',4,
4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 32.22g
をフラスコ内の反応液の温度が40℃を越えないように冷
却しながら添加した。添加終了後、室温でフラスコ内の
混合物を10時間攪拌した。
【0048】このようにして、上記一般式(1) 中のXが
下記式:
【0049】
【化16】 で表される基であり、kが0であり、Rがメタクリロキ
シエチル基である構成単位60モル%と、上記一般式(2)
中のXが下記式:
【0050】
【化17】 で表される基であり、Yが下記式:
【0051】
【化18】 で表される基である構成単位30モル%と、上記一般式
(2) 中のXが下記式:
【0052】
【化19】 で表される基であり、Yが下記式:
【0053】
【化20】 で表される基である構成単位10モル%とを含有するポリ
イミド前駆体の溶液 (粘度2500cP) を得た。
【0054】ポリアミド前駆体の溶液の調製 攪拌器及び温度系を備えたフラスコ内を窒素ガスで置換
した後、該フラスコ内に、3,3',4,4'-テトラアミノジフ
ェニルエーテル 18.42gとN-メチル-2- ピロリドン 250
gとを仕込んだ。前記フラスコ内の混合物の温度を10℃
以下に保持しながら、更に、イソシアナートエチルメタ
クリレート24.8gを添加して、3時間常温で攪拌した。
続いて、前記フラスコ内に、4,4'- ジアミノジフェニル
エーテル4.00gと、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物29.0gとを添加した後、更に、1,3-ビ
ス(3,4- ジカルボキシフェニル)-1,1,3,3-テトラメチル
ジシロキサン酸二無水物4.26gをフラスコ内の反応液の
温度が40℃を越えないように冷却しながら添加した。添
加終了後、室温でフラスコ内の混合物を10時間攪拌し
た。
【0055】このようにして、上記一般式(1) 中のXが
下記式:
【化21】 で表される基であり、Aが−O−であり、Rがメタクリ
ロキシエチル基である構成単位72モル%と、
【0056】上記一般式(1) 中のXが下記式:
【化22】
【0057】で表される基であり、kが1でAが−O−
であり、Rがメタクリロキシエチル基である構成単位8
モル%と、
【0058】上記一般式(2) 中のXが下記式:
【化23】
【0059】で表される基であり、Yが下記式:
【化24】 で表される基である構成単位18モル%と、
【0060】上記一般式(2) 中のXが下記式:
【化25】 で表される基であり、Yが下記式:
【0061】
【化26】 で表される基である構成単位2モル%とを含有するポリ
イミド前駆体の溶液 (粘度1200cP) を得た。
【0062】実施例1〜4 上記で調製したポリイミド前駆体の溶液又は 100重
量部に、表1中に示す(B) 成分を表1に示した量で添加
して、4種の感光性樹脂組成物を調製した(実施例1〜
4)。
【0063】その後、各実施例において上記で調製した
各組成物の溶液をそれぞれスピンコーターを用いてシリ
コンウェハー上に塗布し、ホットプレート上で90℃で
4分間乾燥して塗膜を形成した。得られた塗膜にストラ
イプパターンを有するフォトマスクを密着させ、250
W超高圧水銀灯からの紫外線を40秒間照射した。次
に、アルカリ性水溶液として 2.3%濃度の水酸化テトラ
メチルアンモニウム(TMAH)水溶液及び 0.5NのK
OH水溶液のそれぞれを用いて紫外線照射終了後の試料
の現像を行なった。現像は、前記アルカリ性水溶液に、
前記試料を1分間浸漬することにより行なった。現像終
了後、各試料を鈍水でリンスして、それぞれについて得
られたライン・アンド・スペース・パターン形状を観察
し、最小の線幅 (解像度) を測定した。その結果を表1
に示す。
【0064】また、得られた各試料を、乾燥器中で 200
℃で1時間、更に、 350℃で 0.5時間加熱して硬化し、
それぞれについて硬化塗膜と基板であるシリコンウェハ
との密着性を碁盤目試験により評価した。その結果を表
1に示す。
【0065】尚、碁盤目試験による密着性の評価は、硬
化塗膜に1mm間隔で碁盤目状に 100個の枡目を設け、粘
着テープを張りつけて引き剥がした時に残存する枡目の
数で示した。
【0066】
【表1】
【0067】表1の結果より、実施例1〜4で得られた
樹脂組成物の溶液は、比較的厚膜のフィルムにおいても
良好な感光性を有し、アルカリ水溶液で容易に現像で
き、しかも、現像後、良好なパターンを与え、さらに、
シリコンウェハーに対する接着性にも優れており、電子
部品用保護膜として好適に用いられることが理解され
る。
【0068】
【発明の効果】本発明の感光性樹脂組成物は、その製造
時にイオン性不純物の混入がほとんどなく、その溶液
は、保存安定性に優れ、健康上の問題や廃液処理の問題
を引き起こさないアルカリ水溶液により短時間で現像さ
れ、また、厚膜形成の際にも良好な感度を有しており、
容易にパターン化された樹脂皮膜を与える。さらに、こ
のパターン化された皮膜を加熱硬化させることにより、
耐熱性、電気的、機械的特に優れたポリイミド皮膜が得
られ、この皮膜は、電子部品用保護膜として好適に利用
することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 下記一般式(1) : 【化1】 (式中、Xは芳香環を有する4価の有機基であり、Aは
    −O−又は−CO−であり、Rはアクリロキシ基又はメ
    タクリロキシ基を含有する炭素原子数10以下の1価の有
    機基であり、kは、0又は1である。)で表される構成
    単位30〜95モル%と、下記一般式(2) : 【化2】 (式中、Xは前記のとおりであり、Yは芳香環を有する
    2価の有機基又はシロキサン結合を有する2価の有機基
    である。)で表される構成単位5〜70モル%とを有する
    ポリイミド前駆体、及び(B) 増感剤、光重合開始剤、又
    はそれらの組み合わせを含有してなる感光性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の感光性樹脂組成物を基
    板に塗布し、乾燥し、露光し、現像液を用いて現像し、
    得られたパターンを硬化させる工程を有するパターン化
    されたポリイミド皮膜の形成方法において、前記現像液
    としてアルカリ性水溶液を用いることを特徴とする方
    法。
JP35218293A 1993-12-28 1993-12-28 感光性樹脂組成物及びそれを用いるパターン化されたポリイミド皮膜の形成方法 Pending JPH07196917A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022145356A1 (ja) * 2020-12-28 2022-07-07 富士フイルム株式会社 樹脂組成物、硬化物、積層体、硬化物の製造方法、及び、半導体デバイス
KR20240037331A (ko) 2021-08-31 2024-03-21 후지필름 가부시키가이샤 수지 조성물, 경화물, 적층체, 경화물의 제조 방법, 적층체의 제조 방법, 반도체 디바이스의 제조 방법, 및, 반도체 디바이스

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