JPH07196689A - 寄生虫に対する感染防御のための抗原及びその用途 - Google Patents

寄生虫に対する感染防御のための抗原及びその用途

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JPH07196689A
JPH07196689A JP6154105A JP15410594A JPH07196689A JP H07196689 A JPH07196689 A JP H07196689A JP 6154105 A JP6154105 A JP 6154105A JP 15410594 A JP15410594 A JP 15410594A JP H07196689 A JPH07196689 A JP H07196689A
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FUANDASAUN OZUBUARUDO KURUUSU FUIOKURUUSU
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 マンソン住血吸虫由来の14−15kDaの
範囲の分子量を有し、そのアミノ酸配列が(I)であ
り、脂肪酸を結合する能力を有するタンパク質であっ
て、実験動物においてその腸内寄生虫感染に対する感染
防御抗原性が100%まで補助剤の存在下または非存在
下で10μg以下の生のタンパク質、組み替え体のタン
パク質または合成形のタンパク質を3投与量までワクチ
ン投与することにより達成されることを特徴とする前記
タンパク質であるSm14. 【効果】 これらのタンパク質は寄生虫に対する効果的
で長期にわたり持続する感染防御をもたらすことのでき
る腸内寄生虫由来の抗原性物質、特に腸内寄生虫に対し
て感染防御免疫をもたらす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、寄生虫に対する有効な
且つ長期永続的防御を誘導しうる蠕虫由来抗原性物質、
特に、蠕虫に対する防御免疫を媒介する抗原に関する。
【0002】
【従来の技術】蠕虫の中で、二生類吸虫すなわち吸虫類
は100を越える種類を含む。その大部分は、脊椎動物
の腸管および他の器官中に生存している比較的無害な寄
生虫であり、したがって、応用寄生虫学者によってほと
んど研究されていなかった。ヒトにおいて重大な疾患を
引起こすこのような吸虫は、動物に感染する極めて重要
な寄生虫である血液吸虫すなわち住血吸虫並びに肝吸虫
および肺吸虫である。
【0003】最も重要な肝吸虫であるファスキオラ属
(Faaciola)は、主として家畜用の反芻動物に
おける寄生虫であり且つ世界中のいたるところで重大な
経済的損失の原因となっている(ウシ、ヒツジおよびヤ
ギ)。
【0004】該疾患並びに前述の動物の病変、罹病率お
よび死亡率の原因となるものの主な特性は、宿主の肝臓
組織の破壊および胆管に対する損傷である。罹病率は若
い動物の方が高く、特に、罹病し且つ衰弱するようにな
り、そして致死する。ファスキオラ属は、更に、機会が
与えられるとヒトに寄生することがあり、それはキュー
バおよびラテンアメリカの国々において一層頻繁であ
る。それにもかかわらず、真のヒト肝吸虫は、中国、日
本、韓国、ベトナムおよびインドの広範囲に及んでいる
別の寄生虫、すなわち肝ジストマ(Clonorchi
s sinensis)である。病変は、基本的には胆
管壁が厚くなることによって引起こされ、そして苛酷な
症例においては肝硬変および致死を引起こす。
【0005】ファスキオラ属および肝ジストマは両方と
も食物(ファスキオラ属および肝ジストマに関してそれ
ぞれ牧草および生魚)と一緒に摂取されるメタセルカリ
アとして受動的に侵入するが、脊推動物宿主身対中にお
けるそれらの胆管への移動経路は異なる。
【0006】肝ジストマはファーター膨大部を介して腸
管から胆管樹に現れるが、ファスキオラ属は腹腔を通っ
て移動し、腸壁および肝実質にうまく貫入して、宿主組
織に対する一層重大な損傷を引起こす。
【0007】家畜の肥大吸虫属(Fasciolosi
s)に関して、粗抽出物による免疫感作後の肝蛭(Fa
sciola hepatica)に対するヒツジまた
はヤギ獲得免疫(シンクレア(Sinclair)、1
967年)を示唆するためには相反する結果があり且つ
証拠は不十分である。
【0008】更に、実験的に感染したヒツジにおいて少
なくとも11年間感染が持続することがありうることを
示す根拠がある(ダービン(Durbin)、1952
年)。更に、寄生虫に対して起こる宿主の反応は極めて
少ないかまたは全くなく、したがって、ヒツジの生存は
摂取されたメタセルカリアの数に完全に依存することが
報告されている(ボーレイ(Boray)、1969
年)。ウシはより耐性であると考えられており;概し
て、肝蛭はこの宿主中で9〜12か月生存するが、一層
苛酷な臨床的肝蛭症を示すのは若い子ウシである。
【0009】肝蛭症に対する有効なワクチンを開発する
ための十分な根拠を与えうる免疫学的予防用抗原を決定
するいくつかの試みがなされてきた。基本的には、
(1)放射線照射生ワクチンによって誘導された免疫お
よび(2)非生ワクチンによって誘導された免疫に基く
2種類の独立した実験計画が数人の科学者によって得ら
れた。
【0010】それにもかかわらず、音波処理吸虫抽出物
を用いる子ウシの肝蛭に対する獲得耐性(ロス(Ros
s)、1967年;ホール(Hall)およびラング
(Lang)、1978年;ヒリアー(Hillye
r)、1979年)に関してはほとんど試みられなかっ
たし、そしてそれらは相反するデータを報告した。
【0011】放射線照射生ワクチンによって誘導された
免疫は、更に、マウス、ウサギまたはヒツジにおいて行
なわれた実験において失望させる結果を示しており(カ
ンプベル(Campbell)ら、1978年、ヒュー
ゲス(Hughes)1963年);それは、放射線照
射メタセルカリアの投与後のこれらの動物において免疫
が生じた証拠が存在しないことによる。
【0012】更に、成体の胆汁段階の吸虫からの種々の
抽出物または排出/分泌産物に関する実験は、ワクチン
注射された動物がその肝実質において低防御および病理
学的病変を示したとすれば免疫原性ではなかった。
【0013】当該技術分野のこれまでの事情で反映され
るように、ウシは非生ワクチンを用いるワクチン注射に
対して一層よく応答するであろうと予想されるが、実験
動物において多数の異なる抗原によって誘導された可も
なく不可もない防御のみの基準でヒツジに対しても同様
の予測ができるかどうかは疑わしかった。
【0014】異種免疫による肝蛭に対する防御免疫の誘
導は、更に、ヒツジの細頸襄虫(Cysticercu
s tenuicollis)、すなわち、イヌ条虫類
である胞状条虫(Taenia hydatigen
a)のメタセストーデ(metacestode)段階
による感染が肝蛭に対して部分的防御を生じたことを示
したカンプベルら(1977年)によって予想された
が、しかしながら、ヒューゲスら(1978年)はこの
結果を確証することができなかった。他の実験も、この
条虫を用いて実験動物の肝蛭に対する防御を誘導するこ
とはできなかった。
【0015】マンソン住血吸虫(S.mansoni)
の両性成体に感染したマウスは肝蛭に対して統計的に有
意の耐性を生じ、そして両方の寄生虫による同時感染は
定住する住血吸虫の数を減少させ且つ蠕虫当りの住血吸
虫の産卵を減少させた。更に、S.ボビス(bovi
s)に感染したウシは、肝蛭に対する若干の耐性および
あまり顕著でない肝組織損傷を示した(シラグ(Sir
ag)ら、1981年)。
【0016】ペリー(Pelley)およびヒリアー、
1978年、ヒリアーおよびデ・アティカ(de At
ica)1980年は、住血吸虫卵中で見出された肝蛭
とマンソン住血吸虫とに共通の抗原を報告した。交差反
応性免疫を示すもう一つの知見は、両方の寄生虫が風土
病である地域において偽陽性反応が生じることである。
ヒリアー、1985年およびヒリアーら、1987年
は、更に、肝蛭由来の抗原混合物が肝蛭およびマンソン
住血吸虫双方による引続きの感染に対して防御を与える
ことができることを実証した。
【0017】住血吸虫症およびビルハルチア病は、40
00年前にエジプト人によって記録された古代の飲料水
媒介伝染病であり、そして今日、第三世界の都市および
都市周辺地域において2億を越える人々を苦しめている
と予想される世界的に周知の健康問題である。ヒトに感
染する3種類の主な住血吸虫は、淡水巻貝によっておよ
び、水中に落とされ且つ宿主皮膚に直接的に貫入しうる
セルカリアと称される自由に泳ぐ幼虫によって伝播され
る。真皮から肺を介して肝門脈系へ移動後、住血吸虫は
細い腸間膜静脈または骨盤静脈中に住むようになり、そ
こにおいてそれぞれの雌は1日に100個以上の卵を血
流中に生む。組織中にとどまるようになるこれらの卵に
対する宿主の免疫反応は、慢性の衰弱させる、そしてし
ばしば致命的な疾患の大きな原因となる。灌漑計画の拡
大、ダムの建設およびヒト集団の集中は、今日、住血吸
虫感染の分布および激しさを増大させる一因となってい
る。巻貝の管理および化学療法は、決して満足のいくも
のではないが主要な抑制法である。有効なワクチンは、
該疾患を根絶する試みを大いに助ける究極の目的であろ
う。
【0018】様々な宿主の種は、放射線で弱毒化された
セルカリアによる以前の感染または免疫感作後に、マン
ソン住血吸虫に対して部分的な耐性を生じることがある
(スミサーズ・アンド・デンホッフ(Smithers
& Doenhoff)、1982年)。マンソン住
血吸虫に対する実験的免疫感作の可能性を考えることが
許容されてきたこれまでの状況(クレッグ・アンド・ス
ミス(Clegg &Smith)は、この寄生虫に対
する決定的且つ有効なワクチンを死滅ワクチンを用いて
生産する可能性に対する現在の熱意(テンドラー(Te
ndler)、1987年)に取って代わられた。それ
にもかかわらず、主な限界は依然として、精製され且つ
化学的に同定された寄生虫抗原を用いる大部分の実験の
被験動物において得られた不完全な防御率にある。数人
の著者によって記載され且つスミサーズ、1982年に
よって論及されたように、実験的免疫学的予防によって
誘導される防御水準を増大させる要求は一般的な合意で
あった。しかしながら、住血吸虫症に対する有効なワク
チンの開発に十分な動物モデルの確立は、達成するのが
極めて困難であった。その進歩は、防御免疫を媒介する
と考えられる極めて有効な抗原分子の識別および精製に
かかっている(Schistosomamanson
i;Protective Antigens,M.テ
ンドラー−メム・インスト・オスワルド・クルース(M
em.Inst.Oswald Cruz)、リオデ・
ジャネイロ、82巻、補遺IV:125〜128,19
87)。
【0019】住血吸虫に対する防御免疫を媒介する抗原
の追及に関する従来の研究において、本発明者は、リン
酸緩衝溶液中の生きていて且つ新たに灌流されたマンソ
ン住血吸虫の成体蠕虫のインキュベーションの際の初期
に放出された住血吸虫成分(SEと称する)の複合混合
物の使用について報告した(テンドラー・アンド・スカ
ピン(Tendler & Scapin)、1979
年;コーン(Kohn)ら、1979年)。セルカリア
威染に対する防御をワクチンとして用いて達成する試み
に集中して、マンソン住血吸虫感染に対してそれぞれ十
分に感受性で且つ部分的に耐性であることが知られてい
るSWマウスおよびNZウサギの2種類の異なる異種交
配された動物宿主での実験モデルを設計した。
【0020】ニュージーランドウサギのマンソン住血吸
虫モデルにおいて、感染後の長時間の寄生虫の数および
寸法並びに雄/雌比率の点から、かなり均一の成体蠕虫
量を用いる経皮感染の確実なパターンを確立することは
可能であった(テンドラー、1982年、1985年、
1986年)。最近の資料は、マンソン住血吸虫の実験
用宿主としてウサギを用いることが、該疾患に関する新
規の免疫モデルとなりうることを示唆している(アルメ
イダ(Almeida)ら、1987年)。
【0021】ウサギにおいてSE混合物を用いて行なわ
れた免疫感作実験では、試験投与によって極めて高水準
の防御がもたらされた(スカピンら、1980年;テン
ドラー、1980年;テンドラーら、1982年)(マ
ンソン住血吸虫のブラジル系統LEからの同数および同
プールの活性セルカリアを用いて同時に試験投与された
場合、免疫感作動物においては、正常対照に匹敵する性
別および年齢と比較して90%平均の蠕虫量減少)。更
に、SEで免疫感作されたSWマウスは、正常セルカリ
アを用いる試験投与に対して有意に防御され且つ致死感
染に対して充分に耐性であることを示した(テンドラ
ー、1986年)。耐性を測定するために、ワクチン注
射され且つ試験投与された動物および対照を平行して、
成体寄生虫量の決定用に肝および腸間膜灌流に供する。
防御率は、ワクチン注射された動物に対する対照から回
収された寄生虫数の差によって計算される(テンドラー
ら、182)。
【0022】異なる生活環段階の寄生虫に対して生じた
抗体が、好酸球または補体依存細胞毒性検定において有
効である(グルツィク(Grzych)ら、1982
年;スミスら、1982年)というインビトロの根拠を
考慮して、論証しうる免疫宿主からの血清によって認識
された抗原の特性決定は、防御免疫に関係した抗原分子
を同定するのに用いられる(ビックル(Bickle)
ら、1986年;ホロヴィッツ・アンド・アーノン(H
orowitz & Arnon)、1985年)。ウ
ェスターンブロット実験は、SEワクチン注射されたウ
サギの抗体応答を分析するために着手された。同様のス
キームによって免疫感作されたウサギ由来の抗血清のパ
ネルを用いてSE抗原をプローブして(SE−FC
A)、著者は、イムノプロットにおいてこれらの個体の
SE抗原の2種類の独特の認識パータンを実証すること
ができた。興味深いことに、若干のSE抗原は、ほぼ完
全に防御されたウサギからの抗血清によってのみ限定的
に認識された。この知見により、著者は、SE中の抗原
の2種類のサブセット、すなわち、個々のウサギ抗血清
全部に共通の一つと、高度に防御された動物に限定され
る第二サブセットとを同定することができた。これらの
2種類のパターンをそれぞれ低および高防御パターンと
称し且つ「判別」抗体として用いた。同様の免疫感作ス
キームに対して(おそらくは、異種交配された集団にお
いて生じることが予想される個々の変動によって)「判
別的に」応答したウサギからの多クローン性抗体による
SE成分のこれらの2種類の認識パターンを利用して、
これらの血清を用いてcDNAライブラリーをスクリー
ニングする計画を行なった。実験およびヒト住血吸虫症
双方における防御応答の臨界的機序についての不完全な
理解に拘束されながら、他のものによって採用されたス
クリーニング法は、しばしば、若干の特性決定されてい
ない抗原に対して向けられている感染ヒト血清(風土病
地域の「推定上の」免疫若しくは「感受性」個体[カー
ター・アンド・コリー(Carter & Colle
y)、1986年]または免疫感作動物からの選択され
た単クローン性若しくは多クローン性血清[ラナール
(Lanar)ら、1986年;バルール(Ballo
ul)ら、1987年])の使用を必要とした。
【0023】可能な防御SE成分の分子クローニングに
対する最初の試みにおいて、クリンカート博士(Drs
Klinkert)、ハイデルベルグ大学およびドネ
ルソン(Donnelson)/ヘンクル(Henkl
e)、アイオワ大学によってそれぞれ構築されたマンソ
ン住血吸虫および日本住血吸虫(S.japonicu
m)の成体蠕虫全体からの2種類のcDNAライブラリ
ーを、判別スクリーニングによって二重フィルターを用
いてスクリーニングした。クローンの2種類の異なるセ
ットが検出されたそれらのイムノブロットの結果に関し
て比較しうると考えられるが、それはおそらく感受性で
且つ耐性のウサギ抗SF血清による認識の相違に対応す
る。SE成分の識別を目的とする更に別の実験におい
て、本発明者は、イムノブロットにおいて、精製住血吸
虫パラミオシン(A.シェア(Sher)博士、NIH
によって快く提供された)に対するウサギ多クローン性
抗SE血清(高および低防御)とウサギ抗血清と比較し
た。このタンパク質は、Mr(x10−3)95および
78(ピアス(Pearce)ら、1986年)の2種
類の主要分解産物へのタンパク質分解に対して感受性で
あることが示されたMr(x10−3)97の、同系交
配マウスにおけるマンソン住血吸虫試験投与感染に対し
て部分的に防御する最近定義された分子である(ラナー
ル(Lanar)ら、1986年)。97/95/78
kD複合体は、高および低防御抗SH血清および単一特
異性抗パラミオシン血清双方によって認識された。
「高」防御抗SE血清は、パラミオシンに加えて、防御
活性および免疫学的役割に関して十分に特性決定され且
つ評価される状態で残っている他のポリペプチドを認識
した。SEの成分としてのパラミオシンの知見は、パラ
ミオシンに関して実証されたのと同様に(ピアス(Pe
arce)ら、1986年)、寄生虫表面上および筋肉
層間(メンドンサ(Mendonca)ら、1987
年)の卵と反応したウサギ抗SE血清を用いて成体住血
吸虫の段階で実施された従来の間接免疫蛍光法実験を強
化する。この知見は、更に、前述のように実施されたc
DNAライブラリーの免疫スクリーニングの結果に平行
していた。再度、一般的パラミオシンクローンを抗パラ
ミオシンおよび抗SE血清双方によって単離し、特別の
クローンは後者のウサギ血清(高防御)によってのみ認
識された。低分子量の他のSE成分の内、住血吸虫症の
診断に可能な候補者として記載され(クリンカートら、
1987年)且つ住血吸虫消化管中にあるプロテアーゼ
として最近同定された31/32KDダブレットも同定
された(クリンカートら、1988年)。食塩水抽出物
中で同定されたこれらの抗原および他のものは、検査さ
れた場合に極めて低い防御を示した。
【0024】化学的規定培地(PBS)中の新たに灌流
された住血吸虫のインキュベーションは、生きている成
体蠕虫から初期に放出された抗原(具体的には、排出/
分泌産物および外皮成分)の抽出を目的としていた。こ
の計画は、理論的には適切な機能抗原を枯渇させること
ができるマンソン住血吸虫の種々の粗抽出物によって住
血吸虫感染に対する一貫した耐性を誘導する前者の失敗
した試みを考慮して採用された。この前提は、死滅した
寄生虫の使用に由来する一般的に採用された抽出方法に
よって主に影響を受けた。実際に、FCA(優先的アジ
ュバントとして)中に乳化され且つ皮下/皮内経路によ
って投与されるSEを用いて、本発明者は、マンソン住
血吸虫感染に対する2種類の実験動物宿主において高く
且つ長期間の防御を達成している。防御試験において並
外れたウサギモデルを使用する理論的根拠は、部分的に
耐性の宿主における潜在的防御および分離した抗原(感
受性宿主において更に検査される)を最初に識別するた
めであったが、ウサギは既知の有力な抗体生産者である
ので、したがって、寄生虫を死滅させる免疫応答および
エフェクター機序を「増幅」させることができると考え
られる。
【0025】寄生虫を死滅させる機能的に適切なSE防
御成分、部位および機序並びに防御マーカーの識別を目
的とするワクチン注射された動物における誘導免疫応答
の研究は、近年において本発明者の研究の中心であった
が、SEの分子組成、更にはその防御成分の識別および
単離に関する情報は最近まで入手可能であった。
【0026】ルイジ・メシネオ・アンド・マウロ・スカ
ーピン(Luigi Messineo & Maur
o Scarpin)の名義で1983年8月2日発行
の米国特許第4,396,000号明細書(削除された
1986年2月11日発行の再審証明書461 B1
4,396,000号による)は、0.15M塩化ナト
リウム−リン酸ナトリウム緩衝液(pH5.8)中のイ
ンキュベーションによって得られた、タンパク質、炭水
化物および核酸および/または後者成分の副生成物を含
み且つG−100およびG−200セファデックスカラ
ム中のゲルクロマトグラフィーによって4つの主要画分
中に分解する成体マンソン住血吸虫蠕虫の抽出物を記載
した。ウサギ抗全抽出物血清による免疫拡散試験は、画
分IおよびII並びにIIIまたはIVによる一方に対
応する3種類の沈殿ラインを示した。この全抽出物によ
って免疫感作されたウサギは、試験投与感染に対して完
全にまたは部分的に(少なくとも77%)耐性であるこ
とが分かった。食塩水抽出物抗原性物質は、住血吸虫症
および他の住血吸虫感染の治療および免疫感作に有効な
ワクチンであった。
【0027】前述の通知書は発明者の二つの論文に基い
ており且つここでは本発明の原理として用いられた。本
発明の背景に対応する大部分のデータの内、最も最近の
データは、Sm−14として同定されたSE誘導成分の
クローニングおよび配列決定であった。
【0028】ごく最近の公開された研究は、「14kD
aマンソン住血吸虫ポリペプチドは脂肪酸結合タンパク
質の遺伝子ファミリーと相同である−1991年5月5
日発行のThe Journal of Biolog
ical Chemistry−266巻,13号,8
477〜8454頁;D.モサー(Moser)、M.
テンドラー(Tendler)、G.グリフィス(Gr
iffiths)およびマックィーン・クリンカート
(Mc−Quen Klinkert)」である。この
研究は、Sm−14構造に対して脂質を結合するタンパ
ク質としてのSm−14の遺伝子の配列決定および機能
的活性の実証を記載している。
【0029】Sm−14と称されるマンソン住血吸虫タ
ンパク質をコードしている完全なヌクレオチド配列は、
大腸菌(Escherichia coli)中のバク
テリオファージラムダgtIIにおいて増殖したcDN
Aクローンから決定された。14.8kDaタンパク質
は、疎水性リガンドを結合する一連の関連ポリペプチド
と有意の相同性を有する。サイトゾルタンパク質のこの
群のメンバーは、本来、長鎖脂肪酸に対するそれらの親
和性に基いて識別された。精製された組換え体タンパク
質は、16のN末端アミノ酸を欠失している突然変異体
とは対照的に、脂肪酸に対する親和性を示した。完全な
ヌクレオチド配列は、ヌクレオチド123〜125に位
置した開始トリプレットATGで開始する読取り枠とし
て記載することができる。コーディング領域は、521
位で終わる399ヌクレオチドを含む。133アミノ酸
残基のタンパク質は、配列基準で計算された14.84
7kDaの分子質量を有する。
【0030】Sm−14は、下記のアミノ酸配列を表示
することによって特性決定される。 更に、モサー,D.らは、実験動物に対して免疫を与え
る場合にSm14はタンパク質混合物中においてどの役
割を果たしているか、そしてそれが寄生虫に対する有効
な免疫学的攻撃に適切な抗原であるかどうかを評価する
ことが望ましいであろうと開示している。
【0031】プレッツ,J.R.ら、Journal
of ExperimentalParasitolo
gy,74巻,4号,1992年6月は、免疫学的予防
Fh12抗原に対する抗血清に対して交差反応性である
ポリペプチドが、Sm14と表わされた14.8kDa
マンソン住血吸虫脂肪酸結合タンパク質(モサーら、1
991年)と有意のアミノ酸配列相同性を有することを
開示している。更に、Fh12は、住血吸虫症および肝
蛭症双方の予防に有力な免疫原であり且つ免疫学的予防
分子候補者(ヒリアー、1985年、ヒリアーら、19
87年)であり、更にはヒト肝蛭症における有用な免疫
学的診断マーカーであること(ヒリアーら、1992
年)、そして著者が、Fh15エピトープサブセットお
よびサブセット組合せを含む組換え体抗原標品の発生を
追跡していたことが開示されている。Fh15はFh1
2と同様のタンパク質でありうる。
【0032】それにもかかわらず、(モサー,D.らお
よびプレッツ,J.R.らによる)本発明に最も密接に
関係した研究でさえも、実験動物に対して免疫を与える
場合のタンパク質混合物SE中においてSm14が果た
している役割およびそれが住血吸虫または肝蛭などの他
の蠕虫による感染に対する有効な防御抗原であるかどう
かを評価していなかった。
【0033】本発明は、Sm14が、マンソン住血吸虫
および肝蛭のどちらかによる感染に対する実験動物にお
ける組換え体での高水準の防御免疫を刺激しうるSEの
極めて活性の防御成分であることを証明した従来公開さ
れた研究を継続する結果として得られた。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、蠕虫
感染に対する防御抗原として定義された分子Sm14で
ある。
【0035】本発明のもう一つの目的は、Sm14の組
換え体であるrSm14である。
【0036】本発明のもう一つの目的は、ウシ、ヤギお
よびヒツジにおいて肝蛭によって引起こされた感染に対
するワクチンである。
【0037】本発明の更にもう一つの目的は、ヒトおよ
び動物における感染および疾患に応答性である、住血吸
虫および住血吸虫属の他の種全部によって引起こされた
感染に対するワクチンである。
【0038】本発明の更に別の目的は、医学的および獣
医学的に関心を呼ぶ蠕虫の全種によって引起こされた感
染に対するワクチンである。
【0039】本発明の更に別の目的は、住血吸虫症およ
び肝蛭症の診断薬である。
【0040】
【課題を解決するための手段】これらの目的は、ヒトお
よび動物の蠕虫感染に対して防御免疫を与える抗原並び
に獣医およびヒトの医学的関心を呼ぶ蠕虫学的疾患の免
疫学的予防用の予防接種法を提供することによって、更
には、免疫学的診断薬として作用する抗原を提供するこ
とによって達成することができる。
【0041】本発明により、該抗原は、実験動物蠕虫感
染、特に、マンソン住血吸虫および肝蛭感染において防
御免疫を刺激する能力を有する、マンソン住血吸虫由来
のタンパク質Sm14から成る。
【0042】更に、本発明は、バクテリオファージT7
のキャプシドタンパク質との融合タンパク質である、S
m14の組換え体rSm14を含む。
【0043】発明の詳細な説明ヒトおよび様々な動物を
冒す様々な寄生虫の種により引き起こされる病気の免疫
学的予防に同じワクチン注射用抗原を使用することによ
るヒトの住血吸虫種に対するワクチンを開発する方法が
下記の工程により説明される:−動物およびヒトの両方
の病気を高度に予防する共通の交差反応性抗原(本発明
の好ましい実施態様による場合はSm−14)を単離す
る工程;−感染および/または該病気を引き起こす寄生
虫の実験用の確かな宿主で動物の病気の免疫学的予防の
ためのワクチンとしてこの抗原を試験する工程;−動物
の宿主、すなわち家畜の反すう動物のワクチン注射から
得られた情報を分析し、例えば毒物学および病理学など
一定のヒトの病気に対するワクチンの最終的開発につい
て関連するあらゆる質問および予め必要な条件に焦点を
合わせる工程。本発明の方法を使用して、家畜およびヒ
トの両方の2種類の寄生虫病を予防するワクチンとして
同時に非常に有効な抗原を見つけることが可能である。
本発明の好ましい実施態様によると、家畜とヒトの両方
の寄生虫病はそれぞれ肝ひる症と住血吸虫症であり、特
にヒトおよび様々な動物種を冒すじゅ虫(腸内寄生虫)
による病気もある。
【0044】複合体SE混合物中の抗原の一つであるS
m−14は無性生殖され、タンパク質を結合する脂肪酸
および肝ひる抗原のFh15を有する有意な同族体を示
す。この交差反応性抗原のSm−14はその組み替え型
rSM14では住血吸虫と肝ひる症の両方を予防する免
疫性を与える。rSM14は上記で定義したようにT7
タンパク質の260番目の残基とSm14の最初のメチ
オニン(MET)とをアミノ酸配列で次のように橋掛け
することにより得られたバクテリオファージT7キャプ
シドタンパク質の最初の260個のアミノ酸と完全なS
m14ポリペブチドとの融合タンパク質である:キャプ
シドタンパク質残基260−LEU−LEU−THR−
LEU−THR−LYS−GLY−LYS−ALA−L
YS−SER−ALA−GLU−LEU−GLU−PH
E−VAL−ASP−LEU−GLU−GLY−SER
−VAL−Sm14.
【0045】我々は、肝ひる、マンソン住血吸虫ばかり
でなくそのほかの全ての種の住血吸虫およびエキノコッ
クスおよびヒトおよび動物の病気の原因となると推定さ
れる他の寄生虫に対し高度の感染防御を与えるSm−1
4の組み替え型の能力をここに示す。数百の動物に実験
的にワクチン注射を与えて達成された感染防御の程度か
ら、Sm−14はSE由来の主要感染防御分子であり、
抗住血吸虫ワクチンおよび抗肝ひるワクチンの両方の志
願者であることが明らかにされた。本発明は実施例によ
り説明されるがこれに限定されるものではない。
【0046】
【実施例】実施例1 組み替え体Sm−14を得て、特性を明らかにし、精製
する工程を以下に説明する: 段階1 感染防御用食塩水抽出物(SE)から分子のワクチンへ
の推移は以下のように達成された: a)LF、すなわちマンソン住血吸虫λgtllcDN
Aライブラリーのブラジル株(マンソン住血吸虫のLE
固有株の成虫から調製されたもの)は充分に感染防御さ
れた個体(すなわち、この明細書で既に説明したように
兎と兎の「高度感染防御」血清)由来の免疫性血清の抗
SEで識別された。 b)非常に強力な信号を提供する兎の抗SE高度感染防
御血清により認められたcDNAクローンの1種が選ば
れた。 c)その配列および特性化によりSm−14と名付けら
れた14−kDaのタンパク質が明らかにされた(ヌク
レオチドおよび推論されたアミノ酸配列はすでにMos
er,Tedlerらにより公表されている)。cDN
Aクローンを製造する方法の実施例は現在の技術的水準
で説明されている。
【0047】段階2 有効なベクター系にSm−14を発現 PDS−14までこれを実施する方法はクローン化され
たcDNA配列の同定および結果と共に現在の技術的水
準で説明されており(14−kDAマンソン住血吸虫ポ
リペプチドは脂肪酸係合タンパク質の遺伝子族の同族体
である、TheJournal of Biologi
cal Chemistry,Vol.266,No.
13,5月5日発行、8447−8454頁、1991
年)、参考のためにここに引用する。住血吸虫抽出物で
免疫性を与えられた兎で作られた抗血清は成虫のマンソ
ン住血吸虫cDNAライブラリー(前出)を識別するに
使用された。Sm−14と表示されたクローンは3回の
免疫スクリーニングの後でプラク精製された。組み替え
体ファージは大腸菌Y1089で溶原化され、122k
DAのベータガラクトシダーゼ−Sm−14融合タンパ
ク質を発現させた。このタンパク質は予備のSDS−ポ
リアクリルアミド・ゲルの電気泳動により精製され、該
融合タンパク質の抗体は兎で作られた。Sm−14につ
いての全体の読みとり枠暗号化を最初の構成体pDS−
Sm−14からBamlllおよびHimd111を使
って開裂することにより切り取ること。得られたフラグ
メントは同じ酵素で開裂されたpGEMEX−1(プロ
メガ)に連結された。
【0048】段階3 得られた構造体は次にT7RNAポリメラーゼ・プロモ
ーターの制御の下でT7遺伝子10タンパク質との融合
タンパク質として発現するために枠の中にある遺伝子と
なって、lacUVの制御の下でT7RNAポリメラー
ゼの遺伝子を含有する大腸菌株BL21(DE3)を形
質転換するために使用された。大腸菌株RL21(DE
3)は組み替え体タンパク質の発現のために使用され
た。大腸菌の他の菌株も既に現在の技術水準にある他の
発現系たとえばPDS−14などと共に同じ目的のため
に代わりに使用できる。
【0049】段階4 組み替え体プラスミドを含有するコロニーを一晩中成長
させ、IPTG(イソプロピルチオ−β−D−ガラクト
シド)を添加することにより次の対数増殖期の間にT7
RNAポリメラーゼを発現させた。この工程により予想
分子量40kDa(Sm−14から14kDaと遺伝子
10タンパク質から26kDa)を有する融合タンパク
質を発現させた。
【0050】段階5 細菌の細胞を遠心分離機(5000rpm/10分)に
より集めて溶菌緩衝液(50mMのトリスHcl,pH
7.5;2mMのEDTA(エチレンジアミン四酢
酸)、1mMのDTT(ジチオトレイトール)、2mg
/mlのリゾチーム)に再懸濁させ、氷の上で15分間
培養する。次に得られた溶菌産物を30秒間を2回高周
波音により分解し再び遠心分離した。得られたペレット
を洗浄用緩衝液(50mMのトリスMcl、pH7.
5;10mMのEDTA、1mMのDTT、0.5%の
トリトンx−100)に再懸濁して遠心分離した。
【0051】段階6 更にもう1回再懸濁と遠心分離を行った後に最終ペレッ
トを水に再懸濁した。次に、SDS−PAGE(ドデシ
ル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動)
を実施し、抗原を電気溶出により精製し、使用するまで
−70゜Cから−200゜Cまでの範囲の温度で保存し
た。図1はrSm14の精製度と発現の高い効率を示し
ている。ニトロセルロース紙に移された合計のマンソン
住血吸虫SE抗原と精製されたSm−14のポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動の分析。レーン1−3のSEとS
m−14はそれぞれ10%と15%のSDS−PAGE
に溶解し、青色で着色された。レーン2と4は免疫の吸
着。レーン2はSEで免疫性を与えられた兎から得られ
た多クローン性抗血清で精査された。レーン4は兎の抗
Sm−14融合蛋白抗血清で精査された。標準分子の低
い標識は図の両側に示されている。以下図2を参照して
Sm14の立体的構造を示す。本発明によるSm−14
の構造のコンピュータ模型製作は結晶構造が既に決定さ
れているタンパク質を有するSm−14の周知の高度な
同族関係に基づいてなされている。これはコンピュータ
製作により作られるSm−14の詳細で信頼できる立体
的構造を与える。
【0052】この立体的構造から(1)Sm−14はた
る型のタンパク質であり、(2)脂肪酸がたるの中で結
合しており、(3)たるは10枚のベータプリーツ付き
シートで形成されており、(4)シートは短い輪により
接合されており、(5)輪は脂肪酸結合タンパク質の同
族の各員間の分岐を示していてSm−14の抗原性に反
応できる。
【0053】実施例2 実施例2では実験1−4が行われる。実験1−4のプロ
トコルは以下に説明されているように実施されたが、ス
イスマウスのSEとrSm−14の感染防御活性を示し
ている。SE(動物に対する投与量当たり300μg/
ml)およびrSm−14タンパク質(投与量当たり1
0μg/ml)を使用する免疫性を与えるプロトコルは
以下の通り実施された。すなわち、この免疫性を与える
プロトコルは抗原を2回投与することからなり、フロイ
ドの補助剤を使用してもしなくてもよく、皮下注射によ
り7日間の間隔でテストを受けたことのないマウスに投
与され、第2回目の投与の後21日経てから補助注射を
行った。ワクチンの投与の間隔は変えられる。60日の
間隔の後で(これも例えば45日などに変えられる)、
前記マウスに100匹のセルカリア(吸虫類の幼虫)を
挑戦させた。各グループのマウス(免疫性を与えられ/
挑戦されたマウスとそれぞれの対照群)についての総合
的感染防御反応は以下のように計算された: (C−V)/Cx100 式中Cは対照群から回収された寄生虫であり、Vはワク
チンを投与されたマウスから回収された寄生虫である。
【0054】結果を表1に示す。
【表1】 性別および年齢が同等のスイスマウスを特徴とする様々
な対照群に同時に同じ数のマンソン住血吸虫のセルカリ
アの水たまりを挑戦させたものを各個別の実験の感染対
照群として使用した。これらのマウスにはPBS(燐酸
塩緩衝食塩水)を同様に注射しただけである。融合タン
パク質(遺伝子10)および補助剤(フロイドの完全な
補肋剤)についても別の対照群が用意された。
【0055】表IIに明らかなように、実験1では、補
助剤(FCA)を使用してもしなくてもSm−14の感
染防御的活性を遺伝子10タンパク質の活性と並行して
分析した。精製遺伝子10タンパク質のワクチンを投与
されたマウスから回収された虫の平均重量はFCAを使
用してもしなくても実質的にPBS対照群のマウスから
採集された虫の重量と同じであった。
【0056】実験2では、rSm−14とFCAを使用
したrSm−14とにより引き起こされた感染防御活性
をSE(FCAを使用した場合あるいは使用しない場
合)のワクチンを投与した場合と比較して検査した。実
験3と4はFCAの活性だけおよびrSm−14のワク
チン投与により引き起こされた感染防御活性の再生性を
試験するために設計された。全ての実験では、マンソン
住血吸虫を更に挑戦させて感染させたマウスに対して有
意に高レベルの免疫感染防御をもたらすrSm−14の
高い能力が結局実証されている。提示されたデータを統
計的に分析すると、ワクチン投与のグループから回収さ
れた虫の重量はワクチンを投与されずに感染したマウス
から得られた寄生虫の平均数より有意に低い(p<0.
05)ことが明らかである。
【0057】実施例3 この実施例はSEとrSm−14の兎における感染防御
活性を示す。免疫感作プロトコルは実施例2のスイスマ
ウスで使用されたものと同じである。兎1匹当たりの投
与量を表IIに示す。兎に1000匹のセルカリア(実
施例2の100匹の代わり)を挑戦させた。表IIはマ
ンソン住血吸虫を感染させた兎に対し有意に高レベルの
免疫感染防御をもたらすrSm−14の能力を示してい
る。更に、この実施例はSE混合物と比較して単離され
た抗原としてのrSm14の活性を明確にしている。
【0058】結果を表IIに示す。
【表2】
【0059】実施例4 この実施例は実施例2(同じ免疫感作プロトコルが使用
されたことを意味する)の実験1−4を実証するが、感
染防御性を評価するため別の方法を使用する。この方法
は一連の寄生虫範囲内の虫の重量の分布による虫の重量
頻度の母集団を分析してワクチン由来の耐性を確立する
ことに基づいている。
【0060】結果を表IIIに示す。
【表3】 表IIIによると、精製された組み替え体Sm−14融
合タンパク質は虫の重量の平均レベルにより判定される
ように不変のSEと有意な差のない感染防御レベルを刺
激している。SEで達成された感染防御レベルは既に公
表された結果と一致する。特に興味深いのは、同じレベ
ルの感染防御が補助剤を使用してもしなくても達成され
るのでヒトに前記抗原を使用する場合に吉兆であるとい
う事実である。更に、我々は異系交配されたスイスマウ
スグループの感染防護に前記抗原を使って成功したとい
う事実は免疫系の遺伝的制限があるので感染防御反応の
結果として雑な変種をもたらすことはないことを示して
いる。
【0061】表111に示されるように、ワクチン注射
のグループ対非ワクチン注射のグループでは完全に異な
った虫の重量の分布のパターンが観察される。特に驚く
ことは0−10匹の虫のグループにおけるマウスの数の
差である。1匹のマウス当たり100匹のセルカリアを
感染させた後、ワクチン注射をしなかったマウスは1匹
もこの範囲の感染レベルを持たなかったし、感染された
(非ワクチン注射の)動物は頻度のピーク(60%)が
21−30匹の虫の範囲であった。対照的に、SEまた
はrSm−14のワクチン注射をしたマウスの頻度のピ
ーク(64.5%)は1匹のマウス当たり0−10匹の
虫の範囲内である。
【0062】本発明によると明らかなように、複合SE
混合物の感染防御効果のほとんど全部がこの単一の抗原
を使って再生されることは特に興味深いことである。S
E由来の他の限定された抗原(グルタチオン−S−トラ
ンスフェラーゼおよびパラマイシン)での試験では同じ
高レベルの感染防御は得られなかった。上記のように、
Sm−14も様々な脂肪酸結合タンパク質と同じ有意な
レベルを有する。実験1−4の表IIIに示される結果
を図3−6のグラフに示す。図3−6は実験1−4に対
応する。これらの図面では、ワクチン注射グループ対非
ワクチン注射グループの虫の重量の母集団の輪郭を分析
することにより感染防御を評価することが可能である。
図7は収集された結果を示す。
【0063】実施例5 この実施例では、ワクチン注射をしたマウス1匹当たり
に500匹と1000匹のセルカリアを挑戦させるか、
または2−3回1週間の間隔で(感染させた1匹の動物
当たり100匹のセルカリア)挑戦させた。もちろん、
挑戦感染の大きさと数は変えられる。10μg投与量の
タンパク質(rSm−14)を3回注射することにより
もたらされた感染防御率は1匹の動物当たり500また
は1000匹のセルカリア単独挑戦感染に対して50%
以上である。同じ効果は1匹の動物当たり100匹のセ
ルカリアを挑戦させて感染させた場合1週間の間隔をお
いて2回または3回繰り返した場合に同じ効果が認めら
れる。この実施例のプロトコルは以下の通りである。実
施例5のデータは表IVと表Vにそれぞれ要約されてい
る。
【0064】実施例6 マンソン住血吸虫由来の脂肪酸結合タンパク質、rSm
−14に対する住血吸虫症患者由来の血清の反応性を実
証するために実施例を次のように実施する。ブラジルの
特有の地域の患者の血清とその特有の地域外に住んでい
る若い人々の血清を組み替え体Sm−14抗原に対して
免疫吸着することにより試験する。患者は臨床的な形お
よび卵の数によりグループに分類される。寄生虫学的診
断はカトー・カッツ法により達成される。結果は、感染
した全個体から得られた血清は年齢、虫の重量、または
臨床的な形とは関係なく免疫吸着でrSm−14を確認
し、従ってrSm−14の免疫原生を反映していること
を示している。
【0065】実施例7 肝ひるの感染に対してスイスマウスにrSm−14のワ
クチン注射をした場合を示しており、肝ひる症を完全に
感染防御した。実施例7は以下のように実施された。1
5匹のマウスから成る2つのグループに補助剤を使用し
てまたはしないでrSm−14で免疫性を与えた。ワク
チン投与のプロトコルは、(a)FCA(補助剤)で乳
化した場合と乳化しない場合の抗原(10μg/投与量
/動物のrSm−14)を1週間に2回注射する;
(b)3週間後に新しい投与量の抗原の注射をする;
(c)3回目の投与量の後45日を経てから肝ひるのメ
タセルカリア3匹に挑戦させ感染の後30日でいけにえ
にされた。この実施例は住血吸虫および肝ひるなどの異
なる腸内寄生虫の間の交差反応性の感染防御性抗原を示
す。
【0066】関連のある寄生虫である肝臓の吸虫類肝ひ
るからクローン化されたFSh15と呼ばれる抗原はS
m−14について予測されたアミノ酸配列のレベルと有
意な同族レベルを有しSm−14は肝ひるのこのタンパ
ク質の同族体であることを示す結果を提示していること
が最近報告された。従って、組み替え体Sm−14はこ
の実施例に説明されるように肝ひる感染に対するワクチ
ン用抗原として試験された。図9、10、11には、非
ワクチン投与動物(図9と10)対ワクチン投与動物
(図11)の肝臓を示している。rSm14のワクチン
を投与された動物と非投与の動物(対照)について肝ひ
るによる感染を評価する寄生虫学試験を行った後で、1
匹のマウス当たり3匹のメタセルカリアで同じ感染をさ
せて、肝臓、腸、他の臓器を伝統的な組織学的方法によ
り検査して2つのグループの動物で展開した病理学を評
価した。主に肝臓と腸が肝ひるにより最も冒された臓器
であり従ってこれらの臓器が広範囲に検査された。
【0067】1匹のマウス当たり3匹の肝ひるのメタセ
ルカリアを使って伝統的な方法により経口感染させてか
ら30日後に、その感染させたマウスは、ワクチンを投
与されなかったマウスと比べて、予めrSm14のワク
チン投与した状態で得られた感染の重みを評価するため
にいけにえにされた。その臓器をミロン溶液で固定し、
切断し、ヘマトキシリン−エオシン法により着色し、光
学顕微鏡で検査した。rSm−14は寄生虫学および病
理解剖学的データに基づき肝ひる感染を防御できること
が図8、9、10、11により確実に実証される。rS
m−14のワクチンを投与されたマウスについては実質
的に1匹のマウスも3匹の肝ひるのメタセルカリア(1
匹のマウスに許される最大投与量)に露出した後で感染
しなかった。これに反して、ワクチンを投与されなかっ
た対照群のマウスは全て同じ露出の後感染した。
【0068】病理解剖学的見地から、rSm−14のワ
クチンを投与された全個体の肝臓の実質はグリソン鞘と
同一面にある繊維状の小さな区域を除いて肝ひるに関連
した変化は全く示さなかった。この所見は、挑戦用の寄
生虫はワクチンの効果により脊推動物の宿主における寄
生虫の生活史の非常に早い時期に殺されたことを示して
いる。それに反して、ワクチンを投与されず/感染した
マウスはグリソン鞘にまで至る激しい出血領域を伴った
肝実質細胞の広範囲な破壊を示した。図9および10に
示されるように、肝臓の実質の広範囲な破壊は複数のマ
ウスに成虫の寄生虫が存在することともに認められた。
【0069】
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】SEと比較した最終抗原調製物(rSm14精
製)のゲルを示す。
【図2】コンピュータ模型製作により予測されたSm1
4の立体的構造を示す。
【図3】実験1によるrSm14の感染防御の程度の評
価を示す。
【図4】実験2によるrSm14の感染防御の程度の評
価を示す。
【図5】実験3によるrSm14の感染防御の程度の評
価を示す。
【図6】実験4によるrSm14の感染防御の程度の評
価を示す。
【図7】実験1、2、3、4の収集した結果を示す。
【図8】肝ひるの感染を予防するためにスイスマウスに
rSm14のワクチン注射をしたことを示す。
【図9】肝ひるに感染させた動物にワクチン注射をしな
かった場合の肝臓を示す。
【図10】肝ひるに感染させた動物にワクチン注射をし
なかった場合の肝臓を示す。
【図11】肝ひるに感染させた動物にワクチン注射をし
た場合の肝臓を示す。
フロントページの続き (72)発明者 ミリアム・テンドレル ブラジル国リオ・デ・ジェネイロ,リオ・ デ・ジェネイロ,22611−280 バラ・ド・ チジュカ,フーア・カリェイロス・ゴメス 481 (72)発明者 ナフターレ・カッス ブラジル国ミネス・ジェライス,30220− 060−ベロ・オリゾンチ,フーア・エステ ヴァン・ピント 673/800 (72)発明者 アンドリュー・ジョン・シンプソン ブラジル国ミネス・ジェライス,ベロ・オ リゾンチ,フーア・リグリア 35

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マンソン住血吸虫由来の14−15kDa
    の範囲の分子量を有し、そのアミノ酸配列がMET−S
    ER−SER−PHE−LEU−GLY−LYS−TR
    P−LYS−LEU−SER−GLU−SER−HIS
    −ASN−PHE−ASP−ALA−VAL−MET−
    SER−LYS−LEU−GLY−VAL−SER−T
    RP−ALA−THR−ARG−GLN−ILE−GL
    Y−ASN−THR−VAL−THR−PRO−THR
    −MET−LEU−THR−GLU−SER−THR−
    PHE−LYS−ASN−LEU−SER−CYS−T
    HR−PHE−LYS−PHE−GLY−GLU−GL
    U−PHE−ASP−GLU−LYS−THR−SER
    −ASP−GLY−ARG−ASN−VAL−LYS−
    SER−VAL−VAL−GLU−LYS−ASN−S
    ER−GLU−SER−LYS−LEU−THR−GL
    N−THR−GLN−VAL−ASP−PRO−LYS
    −ASN−THR−THR−VAL−ILE−VAL−
    ARG−GLU−VAL−ASP−GLY−ASP−T
    HR−MET−LYS−THR−THR−VAL−TH
    R−VAL−GLY−ASP−VAL−THR−ALA
    −ILE−ARG−ASN−TYR−LYS−ARG−
    LEU−SERであり、脂肪酸を結合する能力を有する
    タンパク質であって、実験動物においてその腸内寄生虫
    感染に対する感染防御抗原性が100%まで補助剤の存
    在下または非存在下で10μg以下の生のタンパク質、
    組み替え体のタンパク質または合成形のタンパク質を3
    投与量までワクチン投与することにより達成されること
    を特徴とする前記タンパク質であるSm14.
  2. 【請求項2】前記Sm14が図2に示されるようにポリ
    ペプチド鎖が10枚のベータプリーツ付きシートに折り
    畳まれ短い輪により接合されて形成されることを特徴と
    する請求項1のSm14.
  3. 【請求項3】異系交配されたスイスマウスにおいてマン
    ソン住血吸虫に対する感染防御抗原性が67.9%まで
    補助剤の非存在下で10μg以下の生のタンパク質、組
    み替え体のタンパク質または合成形のタンパク質を3投
    与量ワクチン投与することにより達成されることを特徴
    とする請求項1のSm14.
  4. 【請求項4】異系交配されたスイスマウスにおいてマン
    ソン住血吸虫に対する感染防御抗原性が72.1%まで
    フロイドの完全な補助剤の存在下で10μg以下の生の
    タンパク質、組み替え体のタンパク質または合成形のタ
    ンパク質を3投与量ワクチン投与することにより達成さ
    れることを特徴とする請求項1のSm14.
  5. 【請求項5】ニュージランドの兎においてマンソン住血
    吸虫に対する感染防御抗原性が89%までフロイドの完
    全な補助剤の存在下で80μg以下の生のタンパク質、
    組み替え体のタンパク質または合成形のタンパク質を3
    投与量ワクチン投与することにより達成されることを特
    徴とする請求項1のSm14.
  6. 【請求項6】異系交配されたスイスマウスにおいて肝ひ
    るに対する感染防御抗原性が100%まで補助剤の非存
    在下で10μg以下の生のタンパク質、組み替え体のタ
    ンパク質または合成形のタンパク質を3投与量ワクチン
    投与することにより達成されることを特徴とする請求項
    1のSm14.
  7. 【請求項7】バクテリオファージT7キャプシドタンパ
    ク質の最初の260個のアミノ酸と請求項1に限定され
    ている完全なSm14ポリペプチドとの融合タンパク質
    がT7タンパク質の260番目の残基とSm14の最初
    のメチオニン(MET)と間にアミノ酸配列で次のよう
    に橋掛けすることにより得られることを特徴とするrS
    m14:キャプシドタンパク質残基260−LEU−L
    EU−THR−LEU−THR−LYS−GLY−LY
    S−ALA−LYS−SER−ALA−GLU−LEU
    −GLU−PHE−VAL−ASP−LEU−GLU−
    GLY−SER−VAL−Sm14。
  8. 【請求項8】T7タンパク質が他のどんなタンパク質と
    でも置き換えられることを特徴とする請求項7のrSm
    14。
  9. 【請求項9】微生物中に発現され適当な精製により得ら
    れることを特徴とする請求項7または8のrSm14。
  10. 【請求項10】大腸菌に発現させることにより得られる
    ことを特徴とする請求項7または8のrSm14。
  11. 【請求項11】音波処理、溶菌と遠心分離の繰り返しに
    よる発現された融合タンパク質の最初の精製およびSD
    S−PAGEゲルからの電気溶出による最終精製を特徴
    とする請求項9または10のrSm14。
  12. 【請求項12】ポリペプチド鎖の全部または一部を化学
    合成することにより得られることを特徴とする請求項7
    のrSm14。
  13. 【請求項13】腸内寄生虫によって引き起こされる病気
    に対するワクチンであることを特徴とする請求項1のS
    m14の用途。
  14. 【請求項14】肝ひるによって引き起こされる病気に対
    するワクチンであることを特徴とする請求項1のSm1
    4の用途。
  15. 【請求項15】住血吸虫属によって引き起こされる病気
    に対するワクチンであることを特徴とする請求項1のS
    m14の用途。
  16. 【請求項16】マンソン住血吸虫によって引き起こされ
    る病気に対するワクチンであることを特徴とする請求項
    1のSm14の用途。
  17. 【請求項17】腸内寄生虫によって引き起こされる病気
    に対するワクチンであることを特徴とする請求項7また
    は8のrSm14の用途。
  18. 【請求項18】肝ひるによって引き起こされる病気に対
    するワクチンであることを特徴とする請求項7または8
    のrSm14の用途。
  19. 【請求項19】住血吸虫属によって引き起こされる病気
    に対するワクチンであることを特徴とする請求項7また
    は8のrSm14の用途。
  20. 【請求項20】マンソン住血吸虫によって引き起こされ
    る病気に対するワクチンであることを特徴とする請求項
    7または8のrSm14の用途。
  21. 【請求項21】請求項6に限定されているように、Sm
    14が他のどんなタンパク質とも置き換えられ、ヒトお
    よび獣医用ワクチンとして存在することを特徴とする組
    み替え体融合タンパク質の用途。
  22. 【請求項22】住血吸虫症および肝ひる症のための診断
    用試薬であることを特徴とする請求項1のSm14の用
    途。
  23. 【請求項23】住血吸虫症および肝ひる症のための診断
    用試薬であることを特徴とする請求項7または8のrS
    m14の用途。
  24. 【請求項24】動物およびヒトの両方の病気に対する感
    染を防御する共通の交差反応性抗原を単離し;感染およ
    び/または病気を引き起こす吸虫の動物の宿主において
    動物の病気の予防免疫接種用のワクチンとして前記抗原
    を試験し;動物の宿主にワクチン注射をした結果得られ
    た情報を分析し;獣医用ワクチンをヒトの病気に適用す
    るために関連したあらゆる質問および予め必要な要件に
    焦点を合わせる工程からなるヒトに獣医用ワクチンを適
    用する方法。
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