JPH07196485A - 脂質代謝改善剤及び脂質代謝改善食品 - Google Patents

脂質代謝改善剤及び脂質代謝改善食品

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JPH07196485A
JPH07196485A JP5349489A JP34948993A JPH07196485A JP H07196485 A JPH07196485 A JP H07196485A JP 5349489 A JP5349489 A JP 5349489A JP 34948993 A JP34948993 A JP 34948993A JP H07196485 A JPH07196485 A JP H07196485A
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carnitine
lipid metabolism
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meat extract
food
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JP5349489A
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Fumiyasu Ishikawa
文保 石川
Norie Onodera
範江 小野寺
Osamu Naganami
治 長南
Kumiko Makino
久美子 牧野
Akira Iwabuchi
明 岩渕
Masaaki Watanuki
雅章 綿貫
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Yakult Honsha Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 体内のL−カルニチン量を増加させ、脂肪の
蓄積を抑制させ、脂肪酸の分解を促進させ脂肪酸からの
エネルギー産生を促進させるような脂質代謝改善剤及び
脂質代謝改善食品を得る。 【構成】 L−カルニチンを含有する肉抽出物溶液を、
有効平均ポア−サイズが15〜30Å(オングストロー
ム)の活性炭又は多孔性合成樹脂吸着体で、吸着処理し
て得られたL−カルニチン高含有物を有効成分としたも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、肉抽出物溶液から作成
されたL−カルニチン高含有物を有効成分とした脂質代
謝改善剤或いはエネルギー代謝促進剤に関し、更に詳し
くは肉抽出物溶液から作成されたL−カルニチン高含有
物を有効成分とした脂肪蓄積の抑制剤、脂肪分解の促進
剤、脂肪酸からのエネルギー産生促進剤に関し、更に肉
抽出物溶液から作成されたL−カルニチン高含有物を含
有する脂質代謝改善或いはエネルギー代謝促進効果を有
する食品に関する。
【0002】
【従来の技術】現代人は食生活が高カロリー・高脂肪食
といった欧米型に向い、肥満や高脂血症の発症の危険性
に曝されている。肥満や高脂血症は、心筋梗塞や狭心症
等の動脈硬化性疾患ばかりではなく、糖尿病や高血圧等
の成人病の危険因子としても知られている。
【0003】事実、これら成人病は、ガンと共に近年の
死亡率の上位を占めており、深刻な問題である。肥満や
高脂血症では脂肪合成が著しく促進している場合が多い
ので、この脂質代謝を正常レベルに改善することは、成
人病の予防・治療にとって重要な課題である。
【0004】脂質代謝を改善するには、食事からの脂肪
の摂取をできるだけ少なくすることを主目的とした食事
療法や脂肪の吸収抑制・合成抑制・排出促進等の働きを
持った薬による薬物療法、脂肪の減少を促進させるため
の運動療法等があり、これらは高脂血症や肥満の治療に
用いられている。
【0005】食事療法と運動療法は、高脂血症や肥満の
予防にも役立つ方法である。普段の生活において、過剰
なカロリーや脂肪の摂取を控えること、適度な運動で汗
を流して脂肪を燃焼させること、これらは成人病の予防
にとって重要な行動であると考えられる。
【0006】脂肪酸分解系において、脂肪酸をミトコン
ドリア内に運ぶキャリアーとしての働きが知られている
物質としてL−カルニチンがある。L−カルニチンは、
心不全を改善する効果を期待した薬剤として、また腎不
全で透析を行っている患者の輸液中の成分として使われ
ている。
【0007】下記の化1に構造を示したL−カルニチン
は、血中脂質レベル改善効果、心不全改善効果の点で期
待されており、また、高カロリー輸液として用いること
ができることが知られている。特に、L−カルニチン
は、活性化した長鎖の遊離脂肪酸をミトコンドリア膜か
ら通過させる担体としての働きを有する物質でビタミン
T とも呼ばれている。
【0008】
【化1】
【0009】また、L−カルニチンは、脂肪酸の分解に
深く関与する物質なので、脂質代謝を改善することを期
待して、様々な研究が行われている。例えば、実験動物
を用いた研究で、F.Maciari らは高脂肪食ラットにL−
カルニチンを経口投与すると脂肪酸分解が促進すること
を見出し(Lipids,22巻,1005頁,1987年)、また、W.
David らは高脂肪食で飼育した兎にL−カルニチンを与
えると血中脂質が減り、脂肪肝が抑えられることを見出
している(Metabolism,36巻,1192頁,1987年)。
【0010】また、人への投与試験で、M.Mebashi らは
4型高脂血症の人にL−カルニチンを与えると血中脂質
が減少することを観察しており(Lancet,10月14日号,
805頁,1978年)、同様の結果をG.F.Guarnieri らは尿
毒症患者でも観察している(American Journal of Clin
ical Nutrition,33巻,1489頁,1980年)。
【0011】以上の例から示される通り、L−カルニチ
ンは脂質代謝を変化させ、脂肪酸の分解を促進し、体内
の脂肪を減少させることが期待されている。
【0012】また、天然に存在するカルニチンは、全て
L−カルニチンである。D−カルニチンはL−カルニチ
ンの化学合成時に生成される副産物であり、L−カルニ
チンの働きを阻害する作用がある。また、現在市販され
ているL−カルニチンは化学合成品であるので、医薬品
以外には使用できず、広範囲に利用できる素材とは言い
難い。
【0013】従って、L−カルニチンを含有する食経験
の豊富な天然素材は産業上の利用の点で有利である。既
に天然物からのL−カルニチンを調整する方法として、
ミルク或いは乳製品を出発原料とした調整方法(特開昭
62−63553号)や微生物による製造法(特開昭6
0−214890号、特開平1−39215号)、など
が知られている。
【0014】一方、本発明者らは、肉エキス等のL−カ
ルニチン含有物を適当な有効平均ポアサイズの活性炭等
で処理することにより、カルニチンの濃度が濃縮される
ことを見出している(特開平5−95793号)。しか
しながら、この肉抽出物溶液由来のL−カルニチン高含
有物の脂質代謝改善効果等については、調べられていな
い。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、鋭意研究を行った結果、肉抽出物溶液由来のL−カ
ルニチン高含有物が、体内L−カルニチン量を増加させ
ると共に、脂肪酸分解を促進させて、肝臓脂質の蓄積を
抑える効果を持つことを見出した。
【0016】即ち、本発明者らは、肉抽出物溶液由来の
L−カルニチン高含有物の脂質代謝改善効果について、
研究を行ったところ、含有しているL−カルニチンの量
から予想されるより、高い効果があることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0017】本発明は、体内のL−カルニチン量を増加
させ、脂肪の蓄積を抑制させ、脂肪酸の分解を促進させ
脂肪酸からのエネルギー産生を促進させるような脂質代
謝改善剤及び脂質代謝改善食品を提供することを目的と
するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本請求項1に記載の発明
に係る脂質代謝改善剤では、L−カルニチンを含有する
肉抽出物溶液を、有効平均ポア−サイズが15〜30Å
(オングストローム,×10-10m)の活性炭又は多孔性合
成樹脂吸着体で、吸着処理して得られたL−カルニチン
高含有物を有効成分としたものである。
【0019】本請求項2に記載の発明に係る脂質代謝改
善食品では、請求項1に記載の脂質代謝改善剤を添加し
てなるものである。
【0020】
【作用】肥満をともない、血液中の中性脂質濃度が増大
する高脂血症は、4型高脂血症と分類されている。その
原因としては、脂肪酸合成系の亢進による中性脂質の過
剰生産或いはエネルギー源としての脂肪酸の利用の低下
による中性脂質の異化反応の不全等が考えられるが、そ
の病因論的な詳細は不明である。高脂血症の中では高頻
度にみられるもので、成人の10%以上が羅患している
と考えられている(山村卓,日本臨床,51巻,2182頁,
1993年)。
【0021】4型高脂血症の治療は、標準体重を守るこ
とが原則である。そのために摂取カロリーを制限する食
事療法や蓄積された脂肪の分解を促進する運動療法が用
いられる。L−カルニチンが4型高脂血症の人の脂質代
謝を改善させるので(M.Mebashi ら,Lancet,10月14日
号, 805頁,1978年)、肉抽出物或いはその処理物は脂
肪分解を助ける安全な素材として使用することが期待で
きる。
【0022】Zucker肥満ラットは、血液中の中性脂質濃
度が著しく増大し(T.F.ZuckerとL.M.Zucker,Proceedi
ngs of Society of Experimental Biological Medicin
e, 110巻, 165頁,1962年)、肝臓でのVLDL分泌
能が高い(N.Fukudaら,Journal of Biological Chemis
try , 247巻、 14066頁,1982年)。これらの表現系
は、ヒトの4型高脂血症に類似しており、そのモデル動
物として広く使われている。
【0023】より詳しく付言するならば、Zucker肥満ラ
ットは、正常ラットに比べて、脂肪酸合成系が促進して
いるが、脂肪酸分解系が抑制されていて、ケトン体生成
能も低下している(M.J.Azain ら,Journal of Biologi
cal Chemistry , 260巻、 174頁,1985年)。一方、Zu
cker肥満ラットでは、リポプロテインリパーゼは正常ラ
ットと同じレベルであるので(C.S.Wangら、Journal of
Lipid Research ,25巻, 571頁,1984年)、Zucker肥
満ラットの血中中性脂肪濃度の増加は、中性脂質の分解
系の不全ではなく、脂肪酸合成系の促進及びその分解系
の抑制によるものと考えられる。
【0024】従って、Zucker肥満ラットは脂肪酸分解能
が低下しているので、肉抽出物処理物の4型高脂血症に
対する効果を調べるには最適なモデル動物と考えられ
た。
【0025】そこで本発明者らは、前述の成人病の予防
・治療に鑑み、鋭意研究を行った結果、肉抽出物溶液由
来のL−カルニチン高含有物が、含有しているL−カル
ニチンの量から予測されるより、高い効果が確認され
た。詳しくは、体内L−カルニチン量を増加させると共
に、脂肪酸分解を促進させて、肝臓脂質の蓄積を抑える
効果を持つことを見出して、本発明を完成した。また、
肉抽出物溶液由来のL−カルニチン高含有物を含有する
食品を作成して、本発明を完成した。
【0026】即ち、本発明においては、L−カルニチン
を含有する肉抽出物溶液を、有効平均ポア−サイズが1
5〜30Å(オングストローム,×10-10m)の活性炭又
は多孔性合成樹脂吸着体で、吸着処理して得られたL−
カルニチン高含有物を有効成分とした肉抽出物溶液由来
のL−カルニチン高含有物を経口投与した際には、含有
しているL−カルニチンの量から予測されるより高い脂
肪酸分解促進作用、肝臓脂質蓄積抑制作用がある。
【0027】これは、肉抽出物溶液由来のL−カルニチ
ン高含有物が、体内L−カルニチン量を増加させると共
に、脂肪酸分解を促進させて、肝臓脂質の蓄積を抑える
ことにより、得られた効果であると推察できる。
【0028】即ち、この肉抽出物溶液由来のL−カルニ
チン含有物には、適当な有効平均ポアサイズの活性炭処
理によって、L−カルニチンを高い割合で含み、これに
加えてタンパク質・ミネラル・炭水化物・クレアチン等
も含有しており、これらが相互作用して、脂質代謝に影
響を与え得ると考えられる。尚、現在まで肉抽出物或い
は肉抽出物由来の物質が脂質代謝改善剤或いはエネルギ
ー代謝促進剤として示された例はない。
【0029】従って、体内のL−カルニチン量を増加さ
せ、脂肪の蓄積を抑制させ、脂肪酸の分解を促進させ脂
肪酸からのエネルギー産生を促進させるような脂質代謝
改善剤を得ることができる。
【0030】また、本発明によれば、L−カルニチンを
含有する肉抽出物溶液を、有効平均ポア−サイズが15
〜30Å(オングストローム,×10-10m)の活性炭又は
多孔性合成樹脂吸着体で、吸着処理して得られたL−カ
ルニチン高含有物を食品及び食品添加物として食品に添
加して、人体に摂取することにより、肥満や高脂血症等
の異常な脂質代謝を改善すること、或いは脂肪からのエ
ネルギー供給を促進することが可能である。
【0031】尚、本発明において使用される肉抽出物溶
液由来のL−カルニチン高含有物は、食品である畜肉或
いは魚肉抽出物の溶液を所定の有効平均ポアサイズの活
性炭等の吸着処理から得られた処理物(特開平5−95
793号)である。この肉エキス処理物には、L−カル
ニチン以外にタンパク質・ミネラル・炭水化物・クレア
チン等が含まれており、それ自体が良質な食品素材であ
り、脂質代謝改善だけでなく健康維持増進や健康回復、
運動能力の向上等、広範囲の利用が可能である。
【0032】また、吸着処理に用いる活性炭又は多孔性
合成樹脂吸着体の有効平均ポア−サイズは、好ましくは
20Å以上、より好ましくは24Å以上であり、好まし
くは25Å以下である。また、肉抽出物溶液とは、より
好ましくは畜肉エキス又は魚肉エキスである。
【0033】
【実施例】
実施例1 ヒト4型高脂血症モデル肥満ラットに対する
脂質代謝の改善 ヒト4型高脂血症モデル肥満ラット(Zucker肥満ラッ
ト)(雌)を1群5匹で次の4群に分けて、6週間飼育
した。
【0034】実験群は、基本飼料群(S群)、13% L−
カルニチン高含有物添加飼料群(L−カルニチン換算0.
5%、A群)、1.3%L−カルニチン高含有物添加飼料群
(L−カルニチン換算 0.05%、B群)、0.1%L−カルニ
チン高含有物添加飼料群(L−カルニチン換算0.005%、
C群)、試薬L−カルニチン0.5%添加飼料群(シグマ社
製、D群)である。
【0035】基本飼料 100gには、カゼイン25g、大豆
油5g、AINミネラル混合 7.2g、濾紙澱粉 55.65g
を含む。また、用いたL−カルニチン高含有物は、固型
分20% 含有牛肉抽出液10リットルに、食品製造用活性炭
タケコール 400gを加え、30℃で30分間攪拌後、遠心濾
過機で濾過して、淡黄色の濾液として得られたものを用
いた。この濾液の成分はL−カルニチン3.7%、アミノ酸
13.8%、灰分25% 、炭水化物 13.8%等を含む。
【0036】上記のA群・B群・C群用の各飼料は、基
本飼料の組成に合わせてL−カルニチン高含有物等の成
分を配合して調整した。D群用飼料は基本飼料にL−カ
ルニチン試薬を0.5%添加して調整した。
【0037】24時間絶食したZuckerラットの血清及び
肝臓を分離した。血清中の遊離カルニチン濃度、及び脂
肪酸分解の指標である血清中のケトン体(アセト酢酸・
3−ヒドロキシ酪酸)濃度、及び肝臓中の遊離カルニチ
ン量とトリグリセリド量とを測定した。
【0038】図1はL−カルニチン高含有物を与えた場
合の血清中の遊離カルニチン濃度を示す棒グラフであ
り、図において、縦軸は各群の血清中の遊離カルニチン
濃度(μmol/L)である。図2はL−カルニチン高
含有物を与えた場合の血清中の脂肪酸分解ケトン体濃度
を示す棒グラフであり、図において、縦軸は血清中の各
群の全ケトン体濃度,アセト酢酸,3−ヒドロキシ酪酸
の各濃度(mg/dl)である。
【0039】図1に示すように、L−カルニチン高含有
物の添加量が増えるに従って、血清の遊離カルニチン濃
度が上昇することが確認された。一方、図2に示すよう
に、L−カルニチン高含有物の添加量が増えるに従っ
て、3−ヒドロキシ酪酸濃度も上昇している。
【0040】図3はL−カルニチン高含有物を与えた場
合の肝臓中の遊離カルニチン含量を示す棒グラフであ
り、図において、縦軸は各群の肝臓中の遊離カルニチン
量(μmol/1個体)である。図4はL−カルニチン
高含有物を与えた場合の肝臓中のトリグリセリド含量を
示す棒グラフであり、図において、縦軸は各群の肝臓中
のトリグリセリド量(mg/1個体)である。
【0041】図3に示すように、L−カルニチン高含有
物の添加量に依存して、肝臓中の遊離カルニチン含量が
上昇した。一方、図4に示すように、L−カルニチン高
含有物の添加量に依存して、トリグリセリド含量は低下
した。
【0042】これに対して、試薬のL−カルニチン添加
群では、血清の遊離カルニチン濃度や肝臓の遊離カルニ
チン含量が上昇し、血清ケトン体濃度も上昇傾向を示す
ものの、肝臓のトリグリセリド含量の低下は観察されな
かった。
【0043】以上の実施例から、L−カルニチン高含有
物は、L−カルニチンと同様に、Zucker肥満ラットの体
内にカルニチンを効率よく供給して、低下した脂肪酸分
解能を高めるだけでなく、肝臓の脂肪蓄積を防ぐ効果を
もつことが示された。このことは、L−カルニチン高含
有物の効果が、L−カルニチンの効果に比べて優れてい
ることを示している。L−カルニチン高含有物は肥満や
脂肪肝や高脂血症における脂質代謝の改善に寄与できる
優れた素材であることが示唆された。
【0044】 実施例2 L−カルニチン高含有物含有食品の製造 L−カルニチン高含有物10%を含有するコーンスープ
を製造した。具体的には、L−カルニチン高含有物 100
g,クリームコーン 300g,牛乳 450g,生クリーム 1
50gを混合して得た。
【0045】このスープについて、L−カルニチン高含
有物を添加したもの(A)と、しなかったもの(B)と
の相違を調べた。表1は、その結果を示すものであり、
10人の被験者にブラインド状態で、2つのものを飲み
比べてもらい、評価してもらった。表中◎は大変良好,
○は良好,△は普通,×は不良を示す。表1に示す通
り、このスープはまろやかな風味・旨味が加わった。
【0046】
【表1】
【0047】また、L−カルニチン高含有物1%を含有
するオレンジジュースを製造した。具体的には、オレン
ジ果汁 990gにL−カルニチン高含有物10gを混合し
た。
【0048】このジュースについて、L−カルニチン高
含有物を添加したもの(A)と、しなかったもの(B)
との相違を調べた。表2は、その結果を示すものであ
り、10人の被験者にブラインド状態で、2つのものを
飲み比べてもらい、評価してもらった。表中◎は大変良
好,○は良好,△は普通,×は不良を示す。このジュー
スは風味・味共に良好で、L−カルニチン高含有物添加
による影響は殆どみられなかった。
【0049】
【表2】
【0050】以上のように、L−カルニチン高含有物が
添加された食品は風味・味共に良好になることが分かっ
た。よって、L−カルニチン高含有物を食品素材として
様々な食品や食品添加物に用いて、健康に貢献する食品
を製造することができることが示された。
【0051】本発明の肉抽出物溶液由来のL−カルニチ
ン高含有物は、カルニチンを生体に供給すること以外に
も、脂肪を分解すること或いは脂肪の蓄積を防止するこ
とができる。これらのことから、このL−カルニチン高
含有物を用いて、カルニチン補給用の食品及び食品添加
物以外にも、肥満や高脂血症に対する脂質代謝改善に寄
与できる食品及び食品添加物、或いは動脈硬化や糖尿病
の予防に有用な食品及び食品添加物を得ることができ
る。
【0052】また、このL−カルニチン高含有物が脂肪
酸の分解を促進することから、脂肪酸をエネルギー源と
する有酸素運動における運動補助食品を得ることができ
る。これらの内、肉抽出物からの得られたL−カルニチ
ン高含有物は、L−カルニチン含量ばかりでなくアミノ
酸含量も高い利用範囲の広い実用的な素材である。
【0053】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり、肉抽出物
溶液由来のL−カルニチン高含有物は、カルニチンを生
体に供給すること以外にも、脂肪を分解すること或いは
脂肪の蓄積を防止することができる。これらのことか
ら、このL−カルニチン高含有物を用いて、カルニチン
補給用の食品及び食品添加物以外にも、肥満や高脂血症
に対する脂質代謝改善に寄与できる食品及び食品添加
物、或いは動脈硬化や糖尿病の予防に有用な食品及び食
品添加物を得ることができるという効果がある。
【0054】また、このL−カルニチン高含有物が脂肪
酸の分解を促進することから、脂肪酸をエネルギー源と
する有酸素運動における運動補助食品を得ることができ
る。これらの内、肉抽出物からの得られたL−カルニチ
ン高含有物は、L−カルニチン含量ばかりでなくアミノ
酸含量も高い利用範囲の広い実用的な素材である。
【図面の簡単な説明】
【図1】L−カルニチン高含有物を与えた場合の血清中
の遊離カルニチン濃度を示す棒グラフである。
【図2】L−カルニチン高含有物を与えた場合の血清中
の脂肪酸分解ケトン体濃度を示す棒グラフである。
【図3】L−カルニチン高含有物を与えた場合の肝臓中
の遊離カルニチン含量を示す棒グラフである。
【図4】L−カルニチン高含有物を与えた場合の肝臓中
のトリグリセリド含量を示す棒グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 久美子 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内 (72)発明者 岩渕 明 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内 (72)発明者 綿貫 雅章 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L−カルニチンを含有する肉抽出物溶液
    を、有効平均ポア−サイズが15〜30Å(オングスト
    ローム,×10-10m)の活性炭又は多孔性合成樹脂吸着体
    で、吸着処理して得られたL−カルニチン高含有物を有
    効成分とした脂質代謝改善剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の脂質代謝改善剤を添加
    してなることを特徴とする脂質代謝改善食品。
JP5349489A 1993-12-28 1993-12-28 脂質代謝改善剤及び脂質代謝改善食品 Pending JPH07196485A (ja)

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