JPH07196363A - 易焼成コーディエライト組成物 - Google Patents

易焼成コーディエライト組成物

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JPH07196363A
JPH07196363A JP5350278A JP35027893A JPH07196363A JP H07196363 A JPH07196363 A JP H07196363A JP 5350278 A JP5350278 A JP 5350278A JP 35027893 A JP35027893 A JP 35027893A JP H07196363 A JPH07196363 A JP H07196363A
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JP
Japan
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fired
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cordierite
phase
particle size
Prior art date
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JP5350278A
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English (en)
Inventor
Takakiyo Serizawa
貴清 芹澤
Ryoichi Yomo
良一 四方
Toshiharu Yoshikawa
逸治 吉川
Masaaki Ishikawa
真章 石川
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温焼成可能な球状粒子であり、焼結後の結
晶相が80%以上のコーディエライト相を含み、耐熱衝
撃性、曲げ強度に優れる易焼成コーディエライト組成物
の提供を目的とする。 【構成】 SiO2 :46〜63重量%、Al2 3
17〜35重量%、MgO:9〜26重量%、B
2 3 :1〜10重量%からなる平均粒径0.5〜3μ
m の球状粒子であって、1200℃以下の温度で焼成す
ることにより得られる。また平均粒径0.5〜3μm の
球状粒子を、乾燥酸化物換算でSiO2 :46〜63重
量%、Al2 3 :17〜35重量%、MgO:9〜2
6重量%、B23 :1〜10重量%からなる水溶液ま
たはゾルを噴霧焼成して得ることかできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は構造用セラミックス及び
電子回路用絶縁セラミックス等を製造するのに好適な易
焼成コーディエライト系セラミックス組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】コーディエライト質セラミックス焼結体
は、低熱膨張率(25〜800℃で1〜4×10-6
℃)であり、かつ、低誘電率(4〜6)、しかも高抵抗
率(>1014Ω・cm) であって、更に耐熱衝撃性および
耐化学薬品性に優れていることから、エンジニアリング
セラミックス(例えば自動車排気ガス用触媒担体等)や
エレクトロセラミックス(例えば電子回路基板等)に応
用されている。
【0003】特に、電子回路用基板は、電子機器の小型
化に伴って、実装密度を高めるため、近年表面に導電材
料で回路パターンを形成した未焼成のセラミックスシー
トを複数枚積層し、これを焼成して一体化した多層セラ
ミックス基板が開発されている。
【0004】この種の多層セラミックス基板のセラミッ
クス材料にはアルミナが多く用いられているが、アルミ
ナは焼成温度が1500〜1600℃と高温であるため
焼結に多量のエネルギーが必要であり、また、基板内部
に形成される内部回路などの導電材料が、タングステン
やモリブデンなどに限定され、金、銀、銅等の良好な導
電材料と同時に焼成できない等の問題がある。また、ア
ルミナの熱膨張係数がアルミナ基板上に搭載される半導
体を形成するシリコンチップよりも大きいため、シリコ
ンチップ上に熱応力によるクラックを発生させる原因と
なる。更に、アルミナ自身の誘電率が高いため、回路の
内部を伝播する信号の遅延時間が長くなるなどの問題が
あった。
【0005】そこで、高密度化、高速化に対応するため
にアルミナに変わる材料として、焼成温度が低く、熱膨
張係数がシリコン半導体チップに近く、更に誘電率が低
い等の材料が要求され、コーディエライトは物性的に有
望な材料として検討されている。
【0006】従来のコーディエライトは、タルク、カオ
リン、粘土、マグネサイト、シリカ、水酸化マグネシウ
ム、アルミナなどを原料にMgOを10〜15重量%、
Al2 3 を3〜41重量%、SiO2 を43〜56重
量%の組成(理論組成はMgO13.8重量%、Al2
3 34.9重量%、SiO2 51.3重量%)に調合
し、この調合したものを高温に加熱して製造されてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コーデ
ィエライトの焼結が進行する温度(約1430℃)と分
解溶融する温度(1455℃)との差が約25℃と小さ
いため、従来のコーディエライトは、焼結助剤なしでは
緻密な焼結体を得ることが困難であり、更に、多孔性で
吸水性を示すものしか得られないという問題があった。
【0008】そこで、長石、ジルコニア、アルミナなど
を更に添加し、また熱膨張率の小さいムライト、ジルコ
ン、チタン酸アルミニウムなどとの複合体とすることに
より、焼結温度範囲を広げ緻密質で耐熱衝撃性、機械的
強度などの諸特性を向上させることが試みられている。
【0009】また、純度、均一性、粒子径制御の点か
ら、マグネシウムエトキシド、アルミニウムエトキシ
ド、テトラエトキシシラン等金属アルコキシドを出発原
料とする化学的合成法によるコーディエライトの開発が
試みられている。
【0010】しかし、いずれの方法も焼結温度は120
0℃以上の高温であり、1200℃以下では充分な緻密
性を有し、コーディエライト本来の特性である高強度、
耐熱衝撃性を発揮するものは得られていない。
【0011】本発明の目的は、上述した不具合を解消し
て平均粒径0.5〜3μm の球状粒子であり、1200
℃以下の低温で焼成可能な、十分な緻密性を有し、か
つ、高強度、耐熱衝撃性に優れるコーディェライト焼結
体が製造できる易焼成コーディエライト系セラミックス
組成物を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の易焼成の
コーディエライト組成物は、SiO2 :46〜63重量
%、Al2 3 :17〜35重量%、MgO:9〜26
重量%、B2 3 :1〜10重量%からなる平均粒径
0.5〜3μm の球状粒子であって、1200以下の温
度で焼成することにより焼成後の主たる結晶相が80%
以上のコーディエライト相となることを特徴とするもの
である。
【0013】更に、本発明易焼成コーディエライト組成
物は、平均粒径0.5〜3μm の球状粒子であり、乾燥
酸化物換算でSiO2 :46〜63重量%、Al
2 3 :17〜35重量%、MgO:9〜26重量%、
2 3 :1〜10重量%からなる水溶液またはゾルを
噴霧焼成して得ることを特徴とするものである。
【0014】本発明に係わるコーディエライト組成物を
前記範囲に限定したのは以下の理由による。即ち、コー
ディエライト組成物の組成が前記範囲を外れると焼結体
中のコーディエライト相の含有率が80%より小さくな
り、また焼結温度が高くなり好ましくない。例えば、S
iO2 が46%より小さくなるとスピネル相が多くな
り、63%より大きくなるとβ−クオーツ相が多くな
り、また、Al2 3 が17%より少なくなると、フォ
ルステライト、クリノエンスタタイトおよβ−クオーツ
相が多くなり、35%を超えるとムライトおよびスピネ
ル相が多くなる。MgOが9%より少なくなるとムライ
ト相が多くなり、26%より大きくなるとフォルステラ
イトおよびピネル相が多く出現するようになる。いずれ
の場合も焼結温度が高くなる傾向を示し、好ましくな
い。また、B2 3 が1%以下では焼結温度が1200
℃より高くなり、10%を越えると焼結体中にガラス相
が多く存在するようになる。
【0015】ところで、セラミックス粉末を成形、焼成
してセラミックス焼結体を得るに際して、出発原料であ
るセラミックス粉末の純度がセラミックス焼結体の特性
に大きな影響を与えていることは周知の通りである。し
かし、純度のみならずセラミックス粉末の粒子形状、粒
子サイズ、比表面積、凝集の程度といった物性もセラミ
ックス焼結体の特性に大きな影響を与えることが知られ
ている。
【0016】例えば、セラミックス粉末の形状について
は、一般的には球状であることが望ましい。即ち、粉砕
により粒度調整された粉末のように粒子形状に異方性が
あると、つまり球形から外れるほど、成形性の密度が不
均一になり、焼結されるときに起きる収縮に異方性が生
じ易く、また焼成による変形、歪みも大きくなる。一
方、球状粉末では成形時の粒子同士の滑りが良いため、
充填性に優れ、成形体の密度は多く、均一であるため、
焼結収縮も等方的である。従って、出発原料のセラミッ
クス粉末は球状であることが望ましい。
【0017】また、セラミックス粉末の粒子径について
は、小さいほど嵩高いものとなり、成形時の密度は低く
なるので焼結収縮が大きく変形やびび割れが発生しやす
く、寸法精度が悪くなる。一方、粒子径が大きくなるほ
ど成形しやすくなるものの緻密な焼結体が得られにくく
なる。
【0018】更に、粒子同士が固着したような強い凝集
のあるセラミックス粉末を用いて成形、焼結したもの
は、内部ボアーが発生しがちであり、このような内部ボ
アーのある焼結体は構造用セラミックスや電子回路用セ
ラミックス等には不適当なものである。
【0019】このようなことから、構造用セラミックス
や電子回路用セラミックスの出発原料であるコーディエ
ライト系のセラミックス粉末は凝集がなく、球状であ
り、一定粒度範囲のものであることが望ましい。
【0020】本願発明のコーディエライト組成物は、平
均粒径0.5 〜3μm 好ましくは0.5〜2μm の球状粒子
形状のものである。平均粒径を0.5〜3μm としたの
は、平均粒径が3μm を越えると緻密な焼結体が得られ
なくなり、平均粒径が0.5μm より小さくなると、粒
子形状が球状である効果が薄れ、嵩高く、成形時の密度
が低くなりまた成形性が悪くなる。
【0021】本願発明の平均粒径0.5〜3μm の球状
粒子を得る方法は、乾燥酸化物換算でSiO2 :46〜
63重量%、Al2 3 :17〜35重量%、MgO:
9〜26重量%、B2 3 :1〜10重量%からなる水
溶液またはゾルを原材料として、当該材料を噴霧焼成す
るものである。これらの原料としてはシリカゾル、アル
ミナゾル、アルミニウムの塩化物、硫酸塩、硝酸塩等の
水溶液、マグネシアゾル、マグネシウムの塩化物、硫酸
塩、硝酸温等の水溶液、ほう酸の水溶液等が挙げられ、
これらを適宜混合して数10μm 、好ましくは10〜3
0μm の微細な噴霧液滴径とし、800℃〜1200℃
で噴霧、熱分解することによって上記球状粒子を得る。
混合ゾルまたは水溶液の濃度は固形分濃度で2〜20重
量%とすることが好ましい。2重量%未満では、得られ
る粒子の収率が低く、20重量%より多いと粘度が高く
なりすぎ微細な噴霧液滴とするのが困難となり望ましく
ない。以下、実施例、比較例を示して本願発明を具体的
に説明するが、本願発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。
【0022】
【実施例】 まずアルミナゾル(ベーマイト系)、シリ
カゾル(無水ケイ酸)、硝酸マグネシウム水溶液、ほう
酸水溶液を、乾燥酸化物換算で表−1に示す試料1〜8
の組成のセラミックスが得られるように混合し、pH約3
〜4の条件下でよく攪拌混合して原材料を調製した。次
いで該原材料を二流体ノズルを用い、数10μm の微細
な液滴とし、所定の温度に設定した炉内に噴霧、熱分解
させ、コーディエライト組成物を得た。なお試料1〜8
の合成条件は表−1に示す。
【0023】これらの試料についてその焼結後の結晶
相、焼結体の熱膨張率及び曲げ強度を表−2に示した。
表−2から明らかなように、試料1〜8は1200℃以
下の温度で焼成でき、相対密度が98%以上で、かつ、
熱膨張率が3.0 ×10-6/℃以下、更には曲げ強度が2
00MPa以上の緻密な焼結体が得られる。また焼結相
中のコーディエライト相含有率も80%以上となった。
【0024】
【比較例】次に比較例として、上記実施例で示した方法
により、表−1に示した試料9〜19を各条件で調製
し、また比較例の一部として該原材料を乾燥し、800
℃で仮焼後粉砕したコーディエライト組成物(試料1
8,19)を調製した。これら比較例は上記実施例の範
囲外であり、それらの特性を同じく表−2に示した。
【0025】表−2中の結晶相、平均粒子径、相対密
度、熱膨張率及び曲げ強度は、以下のように試験して分
析測定した。 ・熱膨張率の測定法:5×5×20(mm)のサイズに成
形、加工し、室温300°の範囲でTMA(熱機械特性
分析装置)〔RIGAKUTAS−200〕を用いて測
定した。 ・曲げ強度試験法 :3×4×40(mm)のサイズに成
形、加工し、JIS R−1601に準拠して測定し
た。 ・結晶相の同定 :X線回折装置を用い、各結晶相の
主ピークの積分強度を内部標準法により、定量分析し
た。 ・平均粒子径 :レーザー回折散乱式粒度分析測定
装置(SHIMADZUSALD−2000)を用い、
分散剤として0.2 %Na−H.M.Pを用いて測定し
た。 ・密度測定 :JIS C−2141に準拠して
測定した。
【0026】表−2から明らかなように、SiO2 が4
6%未満の試料9ではスピネル相が多くなり、63%を
超える試料10ではβ−クオーツ相が多くなった。Al
2 3 が17%未満の試料12ではフォルステライト相
が多くなり、35%を超える試料11ではムライト相が
多くなった。MgOが9%未満の試料13ではムライト
相が多くなり、26%を超える試料12ではフォルステ
ライト相が多くなった。
【0027】更に、これらいずれの場合も焼成温度が高
くなり、またコーディエライト相の含有率も80%未満
となり本来の特性が充分に発揮されない。
【0028】B2 3 が1%未満の試料14では焼成温
度が1200℃より高くなり、10%を超える試料15
では全体の結晶相が90%未満となり、焼結体中のガラ
ス相が多く、構造用セラミックスや電子回路用絶縁セラ
ミックスへの応用が困難になる。
【0029】また粉末の平均粒子径が3μm を超える試
料16又は平均粒径が0.5 μm 未満の試料17では焼結
温度が高くなり、相対密度も低くなる。
【0030】また粉末の形状が非球状の試料18,19
では、相対密度が低く緻密な焼結体が得られない。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本願発明のコーディエライト組成物は、
焼結助剤を使用することなく1200℃以下の温度で焼
成することが可能であり、また0.5 〜3μm の球状粒子
であるため極めて緻密な焼結体を得ることができる。更
に、得られた焼結体は、その主たる結晶相が80%以上
のコーディエライト相であり、高強度、耐熱衝撃性に極
めて優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 真章 大阪府貝塚市二色中町8番1 大阪セメン ト株式会社新材料研究部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2 :46〜63重量%、Al2
    3 :17〜35重量%、MgO:9〜26重量%、B2
    3 :1〜10重量%からなる平均粒径0.5〜3μm
    の球状粒子であって、1200℃以下の温度で焼成する
    ことによる焼成後の主たる結晶相が80%以上のコーデ
    ィエライト相となることを特徴とする易焼成コーディエ
    ライト組成物。
  2. 【請求項2】 平均粒径0.5〜3μm の球状粒子は、
    乾燥酸化物換算でSiO2 :46〜63重量%、Al2
    3 :17〜35重量%、MgO:9〜26重量%、B
    2 3 :1〜10重量%からなる水溶液またはゾルを噴
    霧焼成して得ることを特徴とする易焼成コーディエライ
    ト組成物。
JP5350278A 1993-12-28 1993-12-28 易焼成コーディエライト組成物 Pending JPH07196363A (ja)

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