JPH0719586B2 - 直列配列用白熱電灯 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、透明な外被を具え、該外被の中でフィラメン
トが給電線間に配列され、該給電線が外被を通して外部
に延在し、該外被の中で給電線が支持部材によって電気
的に絶縁されるやり方で相互に接続され、さらにフィラ
メントを分路しかつ金属粉末を分散させたガラス状集塊
から成る短絡スイッチを具える直列配列用白熱電灯に関
するものである。そのような電灯は英国特許第1077863
号明細書から知られている。

そのような電灯においては、短絡スイッチは、作動電圧
では電流を実際に通さないようにしなければならない
が、しかし直列配列におけるこの電灯の作動中にフィラ
メントが燃え尽きる時、生ずる過電圧においては電流を
通すようにしなければならない。

英国特許第1077863号明細書から既知である白熱電灯で
は、短絡スイッチは、ガラス粉末及び鉄粉末の焼結した
混合物から成る素子であって、該素子は給電線に融着又
は焼結されている。前記の混合物は、中空の支持部材の
中に入れられるか、支持部材としてそれ自体を構成する
か、又は電灯外被の外側に焼結される。給電線を互いに
接続しているこの短絡素子は、最初は絶縁体として働く
が、フィラメントが燃え尽きると、高電圧の印加に際し
破壊すべきでありそれ故この電灯を短絡するべきであ
る。この短絡素子において過電圧の場合に起こるべきで
ある破壊は、粉末の混合物、粒度分布、給電線への融着
又は焼結、電灯製造中の湿気量等のような、容易には制
御することのできない量に強く依存する。それ故、信頼
することのできる短絡スイッチを容易に製造することは
できない。

英国特許第1077863号によれば、酸化銅粉末とガラス粉
末とから成る短絡素子が、直列配列用の白熱電灯に用い
られる。この素子は又、正規の状態では非導電性であり
過電圧の印加に際してのみ導電性になる。このスイッチ
も信頼できるようには作動しないことが実際に見出され
た。

これは又、銅粉末、酸化マグネシウム及びシリコーン樹
脂のペーストから成り、酸化マグネシウムの量が銅の量
の18〜24重量％である短絡素子を具える英国特許第8391
60号明細書から既知である白熱電灯に適用する。この部
材は又、非導電性であるが、過電圧の印加に際し導電性
になる。

本発明の目的は、電灯フィラメントが燃え尽きると非常
な信頼性をもって応動しそのとき導電性をもってこの電
灯に分路を作る短絡スイッチを具える一方、さらに量産
にて容易に製造できる冒頭の段落に記載された種類の白
熱電灯を提供することである。

本発明によれば、この目的は、少なくとも１個の給電線
がニッケル線、銅線及び銅クラッド線から選ばれ、かつ
ガラス状集塊が、50〜70重量％のガラスと該ガラス中に
分散された30〜50重量％の銅粉末とを含む給電線と融着
させた溶融集塊であり、前記の少なくとも１個の給電線
が、ガラス状集塊における封入区域に、フィラメントが
燃え尽きるとき破壊する酸化物表皮を有する冒頭の段落
に記載された種類の白熱電灯において達成される。

中に銅粉末を分散させたガラス状集塊は，銅の含量が多
いため最初からすでに導電性である。本発明の電灯にお
いて、直接の電流通路への抵抗は、少なくとも１個の給
電線の封入区域に存在する酸化物表皮によって形成さ
れ、該酸化物表皮の厚さと、それ故破壊電圧とは、封入
中の条件によって制御することができる。この電灯で
は、従って、その破壊電圧を決定するただ１つのパラメ
ータが存在するにすぎない。既知の残りの解決はすべ
て、これに反して、幾つかのパラメータに依存し、それ
故に、予めもっと強く危険にさらされ、制御するのに一
層の困難性がある。

両方の給電線が、ニッケル線、銅線及び銅クラッド線か
ら選ばれ、それらの給電線の封入区域において酸化物表
皮を有することは有利である。

その場合短絡スイッチは、溶融ガラス及びその中に分散
した銅粉末からなるすでに最初に導電性を有する集塊
と、２個の最初には非導電性である酸化物表皮とから成
る。

本発明による白熱電灯の銅粉末を分散させたガラス状集
塊は、給電線を保持する支持部材に溶融によって被着さ
れるか、それとも給電線を電気的に絶縁して互いに接続
する支持部材として構成されるか、それとも又外被の外
側において外被と溶着される。

このガラス状集塊を溶融によって支持部材に被着する場
合は、銅粉末とガラス粉末との混合物を押圧してリング
を形成することができさらに焼結することができ、その
結果、支持部材上のリング材料が給電線間の接続を確立
するまで、このリングが、給電線を設けた支持部材上に
配置されかつ溶融によって給電線に被着される。類似の
方法にて、短絡スイッチを外被の外側に形成することが
できる。

このガラス状集塊それ自体が給電線のための支持部材と
して構成される場合は、銅粉末とガラス粉末との混合物
を押圧してリングを形成しさらに焼結することができ
る。その後に、このリングを、ある一定の相対的距離に
おいて配列された給電線上に設け、次いで導電性の支持
部材を形成するため溶融する。

好都合に、この電灯の作動温度では軟化しなくて、それ
にも拘らず簡単に処理加工することができるガラスが選
ばれる。融点が500〜600℃の範囲にあるガラスが非常に
有利であることが判った。

給電線上の酸化物表皮を、例えば給電線をこのガラス状
集塊の中に封入するとき、簡単に生成することができ
る。この酸化物表皮の厚さを、封入区域に向けられた保
護気体の噴出によって簡単に制御することができる。限
定された系列の試験は、望ましい破壊電圧を得るための
条件を決定するのにすでに充分である。

本発明を容易に実施することができるため、添付図面に
関して、例によって、さらに十分に記載する。

第１図は本発明に係る第１電灯の側面図であり、又、第
２図は同じくその第２電灯の側面図である。

第１図及び第２図に示す電灯は透明なガラスの外被１を
具え、この外被１の内部でフィラメント２が給電線３の
間に配列されていて、これらの給電線３は、外被１の壁
を通して外部に延在している。この外被１の中では、給
電線３が支持部材４によって互いに電気的に絶縁された
やりかたで接続されている。これらの電灯はそれぞれ短
絡スイッチ５を具え、この短絡スイッチ５は、フィラメ
ント２に分路を作りかつ中に金属粉末を分散させたガラ
ス状集塊６を具える。これらの電灯には各々ネジキャッ
プ７を設け、このネジキャップ７は給電線３に接続され
る。

第１図及び第２図に示す電灯は、ニッケル線、銅線及び
銅クラッド線から選ばれる給電線３を具える。ガラス状
集塊６は、50〜70重量％のガラスと、このガラス中に分
散されている30〜50重量％の銅粉末とから成る溶融した
集塊であり、給電線３と融着している。これらの給電線
３は、ガラス状集塊６の中に封入されている区域におい
て酸化物表皮８を有し、この酸化物表皮８は、フィラメ
ントが燃え尽きるとき破壊する。

第１図のガラス状集塊６は、支持部材４の上に存在する
層であり、第２図では、ガラス状集塊６それ自体が支持
部材４を構成している。

銅粉末を分散させたガラス状集塊６は、これらの電灯の
寿命の始まりにおいてすでに導電性である。第１図にお
いて、このガラス状集塊６は約１Ωの抵抗を有する。そ
れにもかかわらず、これらの給電線３は、互いに電気的
に絶縁されたやり方で接続されている。その理由は、ガ
ラス状集塊６が、給電線３の酸化物表皮８において終わ
っているからである。つまり、表皮８のところで堺をな
してなくなっているからである。この集塊６は、60.4重
量％のガラス、例えば約550℃の融点を有する硼珪酸鉛
と、39.6％の銅粉末、例えば８〜40μｍの粒度を有する
ものが90重量％を占め８〜60μｍの孔の大きさを有する
粉末とから成る。

これらの電灯の短絡スイッチは、ガラス状集塊６と、酸
化物表皮８とから成る。これらの酸化物表皮８により、
電灯の寿命の最初には、両給電線間に非導電性接続があ
るが、しかし、直列配列のこれらの電灯の作動中にフィ
ラメント２が燃え尽きると、これらの直列の電灯によっ
て担持される全電圧が短絡スイッチに印加される。酸化
物表皮８が破壊し短絡スイッチ6,8が導電性になる。

短絡スイッチが50〜200Vの破壊電圧を持つように、酸化
物表皮の厚さが選ばれる。ここに記載される実施例で
は、この表皮の厚さは4mmに達する。

本発明による電灯は、非常に信頼性があることが判り、
かつ簡単に製造することができる。

58重量％のガラス粉末、38重量％の銅粉末及び４重量％
のバインダー、例えば、アクリレート樹脂が、混合さ
れ、押圧されてリングを形成してこのガラス状集塊６を
用意することができる。強化する目的のため、リング
を、例えば625〜635℃において20秒間焼結することがで
きる。この処理工程中に、及びリングを給電線と融着す
る処理加工工程中に、バインダーが分解され、この分解
生成物が蒸発する。封入工程中の酸化物表皮８の生成
が、保護気体、例えば窒素の噴出によって制限される。

以上要するに本発明の直列配列用白熱電灯は、ニッケル
線、銅線又は銅クラッド線からなる少なくとも１個の給
電線（３）を具える。銅粉末が分散され給電線（３）に
溶着されたガラス質の集塊（６）から成り、かつ酸化物
表皮（８）を有する短絡スイッチ（５）が設けられ、前
記酸化物表皮（８）が、ガラス質集塊（６）に前記給電
線（３）が封入される区域において前記給電線（３）の
表面に接して存在する。ガラス質集塊（６）は導電性が
ある。しかしながら、フィラメント（２）が燃え尽き、
そのとき生ずる過電圧により酸化物表皮（８）が破壊す
るまでは、給電線（３）間の電気的接続が得られない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による第１電灯の側面図であり、 第２図は本発明による第２電灯の側面図である。 １……透明外被、２……フィラメント ３……給電線、４……支持部材 ５……短絡スイッチ、６……ガラス状集塊 ７……ネジキャップ、８……酸化物表皮

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭49−30952（ＪＰ，Ｂ１) 実公 昭７−18195（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】透明な外被を具え、該外被の中でフィラメ
   ントが給電線間に配列され、該給電線が外被を通して外
   部に延在し、該外被の中で給電線が支持部材によって電
   気的に絶縁されるやり方で相互に接続され、さらにフィ
   ラメントを分路しかつ金属粉末を分散させたガラス状集
   塊から成る短絡スイッチを具える直列配列用白熱電灯に
   おいて、 少なくとも１個の給電線がニッケル線、銅線及び銅クラ
   ッド線から選ばれ、かつガラス状集塊が、50〜70重量％
   のガラスと該ガラス中に分散された30〜50重量％の銅粉
   末とを含む溶融集塊であり給電線と融着され、前記の少
   なくとも１個の給電線が、ガラス状集塊における給電線
   の封入区域に、フィラメントが燃え尽きるとき破壊する
   酸化物表皮を有することを特徴とする直列配列用白熱電
   灯。
2. 【請求項２】両方の給電線が、ニッケル線、銅線及び銅
   クラッド線から選ばれることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の直列配列用白熱電灯。
3. 【請求項３】ガラス状集塊が支持部材に溶融によって被
   着されることを特徴とする特許請求の範囲第１項又は第
   ２項いずれかの記載の直列配列用白熱電灯。
4. 【請求項４】ガラス状集塊が支持部材を構成することを
   特徴とする特許請求の範囲第１項又は第２項いずれかの
   記載の直列配列用白熱電灯。