JPH07195288A - 産業用ロボットの制御方法およびその装置 - Google Patents

産業用ロボットの制御方法およびその装置

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JPH07195288A
JPH07195288A JP1266395A JP1266395A JPH07195288A JP H07195288 A JPH07195288 A JP H07195288A JP 1266395 A JP1266395 A JP 1266395A JP 1266395 A JP1266395 A JP 1266395A JP H07195288 A JPH07195288 A JP H07195288A
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浩一 杉本
Muneyuki Sakagami
志之 坂上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】手先に取り付けた力センサで検出されるハンド
に作用する外力をフィードバックして、各種の作業に対
応した高度な産業用ロボットの力制御を実現すること。 【構成】軸を穴に挿入する様なはめ合い作業、ばり取
り、みがき作業のように、ワーク間に作用する力を検出
し、これに応じて産業用ロボットの制御を行なうもので
あり、種々の作業に応じて線形変換する変換行列のパラ
メータを変えるだけで直ちに対応できる汎用型の産業用
ロボットの制御方法およびその装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業用ロボットの手先
に取り付けられた力センサで検出される力およびモーメ
ントをフィードバックして駆動手段を駆動制御してロボ
ットの手先に取り付けられたハンドを動作経路に沿って
動作させる産業用ロボットの制御方法およびその装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の産業用ロボットの制御において
は、ロボットの力制御は先ず各々の作業に応じたアルゴ
リズムを開発し、次にそのアルゴリズム用のソフトウエ
アを開発することによって行なわれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術によ
る手法では、産業用ロボットのアプリケーションに応じ
て、そのつどアルゴリズムとソフトウエアを開発する必
要があり、大きな開発工数を必要とする課題を有してい
た。
【0004】本発明の目的は、上記従来技術の課題を解
決すべく手先に取り付けた力センサで検出されるハンド
に作用する外力をフィードバックして各種の作業に対応
した高度な産業用ロボットの力制御を実現できるように
した産業用ロボットの制御方法およびその装置を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、駆動手段を駆動制御してロボットの手先
に取り付けられたハンドを動作経路に沿って動作させる
産業用ロボットの制御方法において、予め設定された前
記ハンドの理想動作経路情報に基づいて決定されるハン
ドの運動速度指令値
【0006】
【数1】
【0007】に対して、前記手先に取り付けられた力セ
ンサで検出される前記ハンドに作用する力f0(以下の
数式においては、f0の上にバーを付して表わす)およ
びモーメントm0(以下の数式においては、m0の上にバ
ーを付して表わす)をもとに線形変換
【0008】
【数2】
【0009】によって計算されるフィードバック値を加
えて修正し、該修正された運動速度指令値
【0010】
【数3】
【0011】に基づいて前記駆動手段を駆動制御して前
記ハンドに作用する力およびモーメントに応じたハンド
の動作経路を得ることを特徴とする産業用ロボットの制
御方法である。また本発明は、前記産業用ロボットの制
御方法において、前記ハンドの運動速度指令値に対して
前記フィードバック値を加えて修正する際、ハンドの速
度に応じた粘性摩擦分
【0012】
【数4】
【0013】を減ずることを特徴とする。
【0014】また、本発明は、駆動手段を駆動制御して
ロボットの手先に取り付けられたハンドを動作経路に沿
って動作させる産業用ロボットの制御装置において、前
記手先に取り付けられて前記ハンドに作用する力および
モーメントを検出する力センサと、予め設定された前記
ハンドの理想動作経路情報に基づいて決定されるハンド
の運動速度指令値に対して、前記力センサで検出される
力およびモーメントをもとに線形変換によって計算され
るフィードバック値を加えて修正して運動速度指令値を
算出する運動速度指令値算出手段と、該運動速度指令値
算出手段によって修正して算出された運動速度指令値に
基づいて前記駆動手段を駆動制御して前記ハンドに作用
する力およびモーメントに応じたハンドの動作経路を得
る駆動制御手段とを備えたことを特徴とする産業用ロボ
ットの制御装置である。
【0015】また、本発明は、前記産業用ロボットの制
御装置における前記運動速度指令値算出手段において、
前記ハンドの運動速度指令値に対して、前記フィードバ
ック値を加えて修正する際、ハンドの速度に応じた粘性
摩擦分を減ずるようにに構成したことを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明は、軸を穴に挿入する様なはめ合い作
業、ばり取り、みがき作業のように、ワーク間に作用す
る力を検出し、これに応じて産業用ロボットの制御を行
なうものであり、種々の作業に応じて線形変換する変換
行列のパラメータを変えるだけで直ちに対応できる汎用
型の産業用ロボットの制御方法およびその装置である。
【0017】
【実施例】以下添付の図面に示す実施例により、更に詳
細に本発明について説明する。
【0018】図1は本発明の産業用ロボットの制御装置
の全体の構成を示す図である。図1に示す様に、産業用
ロボット1の手先には力センサ2とハンド3とが設けら
れている。又、制御装置4はマイクロプロセッサで構成
され、各種データの記憶・演算・転送を行う機能を有す
る。サーボアンプ装置5は産業用ロボット1の有する自
由度数に相当する数の独立したサーボアンプ群で構成さ
れ、本実施例では産業用ロボット1が6自由度を有し、
6個のサーボアンプ群で構成されているものとして説明
する。力センサ2は、図2に示す様にハンド3の定めら
れた基準点Pに作用する3次元空間の力ベクトルf(以
下の数式においては、fの上にバーを付して表わす)と
モーメントベクトルm(以下の数式においては、mの上
にバーを付して表わす)を検出する機能を有するもので
あり、この力ベクトルfとモーメントベクトルmは力セ
ンサ2に固定された座標系xyzによって表わされる。
【0019】サーボアンプ装置5は、前記した様に6個
のサーボアンプ群から構成され、各サーボアンプは産業
用ロボットの6個の対偶を駆動するアクチュエータをそ
れぞれ制御する。例えば、図3に示す様にサーボアンプ
装置5内の1個のサーボアンプ5aは制御装置4から指
令信号を受け、この指令信号の大きさに応じた速度でア
クチュエータ6aが運動する様に制御する。アクチュエ
ータ6aには速度と変位の検出器7aが取り付けられて
おり、速度信号s1はサーボアンプ5aにフィードバッ
クされ、変位信号Sθ1は制御装置4にフィードバック
される。
【0020】力センサ2によって検出される力ベクトル
fとモーメントベクトルmは、ハンド3によって把持さ
れたワーク(又は工具)6が外部環境に対して仕事をし
たとき、ワーク6に外部環境から作用する力及びモーメ
ントに基づくものである。しかし、この様に力センサ2
で検出される力ベクトルfとモーメントベクトルmは、
前記した様に力センサ2に固定された座標系xyzで表
わされる。従って、これらの力ベクトルfとモーメント
ベクトルmを図4に示す様な静止座標系XYZに変換
し、力ベクトルf0とモーメントベクトルm0にする必要
がある。座標系xyzと座標系XYZの関係は産業用ロ
ボットのアクチュエータの変位により定まるものであ
り、力ベクトルf0とモーメントベクトルm0は次の式
(1),(2)で求められる。
【0021】
【数5】
【0022】ここで、Tは3×3の行列であり、この行
列の要素は産業用ロボット1の6個のアクチュエータの
変位θ1〜θ6の関数となる。従って、力ベクトルf0
とモーメントベクトルm0を決定するためには、先ず6
個のアクチュエータから出力される変位信号(6個の変
位信号のうち1個の変位信号sθ1だけが、図3に示さ
れている。)から各アクチュエータの変位θ1〜θ6を
計算し、この結果から行列Tの値を計算し、式(1),
(2)から力ベクトルf0とモーメントベクトルm0を求
める。これらの演算は制御装置4で実行される。
【0023】産業用ロボット1のハンド3の速度は、力
ベクトルf0とモーメントベクトルm0の線形変換により
求められ、ハンド3の基準点Pの並進速度と回転速度を
静止座標系XYZで
【0024】
【数6】
【0025】と表わすと、次の式(3)で求められる。
【0026】
【数7】
【0027】ここで、Aは6×6の行列であり、この行
列の要素は産業用ロボット1の対象とする作業によって
事なるものである。
【0028】ところで、式(3)で定められる
【0029】
【数8】
【0030】をハンド3の速度指令値とした場合、力ベ
クトルf0とモーメントベクトルm0が不連続に変化した
とき、上記(数8)も不連続に変化し、円滑な制御が行
なえない。一般に力Fにより剛体が運動を行う場合、剛
体の変位xは、
【0031】
【数9】
【0032】で与えられる。ここで、Mは剛体の質量、
cは粘性摩擦係数である。式(4)から、
【0033】
【数10】
【0034】となり、速度
【0035】
【数11】
【0036】は力Fから粘性摩擦分
【0037】
【数12】
【0038】を除いたものを積分すれば良いことがわか
る。式(5)を離散値系に書き直すと、
【0039】
【数13】
【0040】となり、(n−1)回目のサンプリング時
の力Fn-1の検出結果から(n−1)回目のサンプリン
グ時の速度に比例した値
【0041】
【数14】
【0042】を引き、その1/Mを(n−1)回目の速
度目標値
【0043】
【数15】
【0044】に加えれば良いことがわかる。即ち、式
(6)は、
【0045】
【数16】
【0046】と書き直すことができる。この方式を適用
すると、力ベクトルf0とモーメントベクトルm0により
ハンド3がとるべきn回目の速度指令値である
【0047】
【数17】
【0048】は、
【0049】
【数18】
【0050】となる。ここで、Mはスカラであり、Cは
6×6の対角行列、Iは6×6の単位行列である。
【0051】さらに、一定の力及びモーメント
【0052】
【数19】
【0053】を出しながら作業を行う場合は、力センサ
2の検出結果
【0054】
【数20】
【0055】との差からハンド3の運動量を決定する必
要があるため、式(8)は
【0056】
【数21】
【0057】となる。ただし、{ }n-1は(n−1)
回目のサンプリング時の値である。
【0058】ところで、図1に示す産業用ロボットの制
御装置において力フィードバック制御を行う場合、産業
用ロボット1の運動の全てが力センサ2の検出結果によ
って決定されるわけではなく、例えば水平面のみがき作
業を考えた場合、水平方向は経路として与えられ、垂直
方向だけが力センサ2の検出結果に基づく力フィードバ
ックにより制御される。即ち、一般的には産業用ロボッ
ト1のハンド3の運動として理想経路を教示し、この理
想経路に沿っての運動速度の内の幾つかを力フィードバ
ックにより修正する駆動方法が必要である。理想経路に
沿っての運動速度を
【0059】
【数22】
【0060】とすると、これに行列Dをかけた
【0061】
【数23】
【0062】により理想経路情報として必要な成分を選
び、さらに式(9)に行列Eをかけた
【0063】
【数24】
【0064】により力フィードバックの成分を選び、両
者の和をハンド3の速度とする。即ち、n回目のサンプ
リング時の
【0065】
【数25】
【0066】とすれば、n回目のサンプリング時のハン
ド3を速度成分
【0067】
【数26】
【0068】は、
【0069】
【数27】
【0070】即ち、作業に応じて行列A′,C′,Dの
数値を設定し、式(10)の計算を制御装置4で行うこ
とにより、力センサ2を用いた力フィードバックが可能
になる。
【0071】この様にして産業用ロボット1のハンド3
の速度が決定されると、ロボットを駆動する6個のアク
チュエータの速度
【0072】
【数28】
【0073】は、
【0074】
【数29】
【0075】で決定される。ここで、J-1は逆ヤコビア
ン行列と呼ばれるもので、その要素は6個のアクチュエ
ータの変位θ1〜θ6の関数である。
【0076】図5は、本発明の産業用ロボットの制御装
置において実行される処理の流れを示すフローチャート
である。前記した行列A′,C′,Dの値は作業の内容
によりあらかじめ設定され、図1に示す制御装置4に記
憶されている。先ず制御装置4は、6個のアクチュエー
タの変位θ1〜θ6を6個の速度・変位の検出器(図3
参照)から読み取り、行列TとJ-1の計算を行う。次に
力センサ2から力ベクトルfとモーメントベクトルmを
読み取り、式(1),(2)から力ベクトルf0とモー
メントベクトルm0を決定する。
【0077】最初に産業用ロボットが停止しているとす
ると、
【0078】
【数30】
【0079】(式(10)における
【0080】
【数31】
【0081】のn=1における値)は共に零であり、こ
れらの値から式(10)を用いて
【0082】
【数32】
【0083】に対応する各アクチュエータの速度
【0084】
【数33】
【0085】を式(11)を用いて計算し、この速度
【0086】
【数34】
【0087】が各サーボアンプに出力される。もちろ
ん、各アクチュエータと変位θ1〜θ6と力ベクトルf
とモーメントベクトルmの読み込みは各サンプリング毎
に行なわれる。
【0088】行列A′,Dは力フィードバックによりど
の様な運動を産業用ロボットが行なうかを決定するため
の行列であるが、行列C′は力フィードバックにより産
業用ロボットが運動するときの応答性を決定する行列で
ある。行列C′が零行列のときは積分効果がなく、ハン
ドへの速度指令は力に比例するが、Cの値を正の値にと
れば、速度指令は力に対して一次遅れの応答になり、円
滑な運動が得られる。又、行列A′,C′の値を零と
し、D=Iとすると、これは理想経路を目標とした経路
制御となり、行列D=0とすると全軸力フィードバック
制御のモードとなる。
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、予め設定されたハンド
の理想動作経路情報に基づいて決定されるハンドの運動
速度指令値に対して、手先に取り付けられた力センサで
検出されるハンドに作用する力およびモーメントをもと
に線形変換によって計算されるフィードバック値を加え
て修正し、該修正された運動速度指令値に基づいて前記
駆動手段を駆動制御して前記ハンドに作用する力および
モーメントに応じたハンドの動作経路を得るようにした
産業用ロボットの制御方法およびその装置であるので、
各種作業毎に制御アリゴリズムとソフトウエアを開発す
ることなく、各種の作業に対応した高度な産業用ロボッ
トの力制御を実現することができる効果を奏する。更に
本発明によれば、ロボット言語による記述の如く標準的
な手法により産業用ロボットの力制御を可能とする効果
も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の産業用ロボットの制御装置の一実施例
を示す全体構成図。
【図2】図1に示す力センサの座標系を示す図。
【図3】図1に示す実施例のサーボ系を示す図。
【図4】図2に示す力センサの座標系と静止座標系の関
係を示す図。
【図5】本発明の産業用ロボットの制御装置において実
行される制御の流れを示す図である。
【符号の説明】
1…産業用ロボット、2…力センサ、3…ハンド、4…
制御装置、5…サーボアンプ装置、6a…アクチュエー
タ、7a…検出器。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動手段を駆動制御してロボットの手先
    に取り付けられたハンドを動作経路に沿って動作させる
    産業用ロボットの制御方法において、予め設定された前
    記ハンドの理想動作経路情報に基づいて決定されるハン
    ドの運動速度指令値に対して、前記手先に取り付けられ
    た力センサで検出される前記ハンドに作用する力および
    モーメントをもとに線形変換によって計算されるフィー
    ドバック値を加えて修正し、該修正された運動速度指令
    値に基づいて前記駆動手段を駆動制御して前記ハンドに
    作用する力およびモーメントに応じたハンドの動作経路
    を得ることを特徴とする産業用ロボットの制御方法。
  2. 【請求項2】 前記ハンドの運動速度指令値に対して前
    記フィードバック値を加えて修正する際、ハンドの速度
    に応じた粘性摩擦分を減ずることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の産業用ロボットの制御方法。
  3. 【請求項3】 駆動手段を駆動制御してロボットの手先
    に取り付けられたハンドを動作経路に沿って動作させる
    産業用ロボットの制御装置において、前記手先に取り付
    けられて前記ハンドに作用する力およびモーメントを検
    出する力センサと、予め設定された前記ハンドの理想動
    作経路情報に基づいて決定されるハンドの運動速度指令
    値に対して、前記力センサで検出される力およびモーメ
    ントをもとに線形変換によって計算されるフィードバッ
    ク値を加えて修正して運動速度指令値を算出する運動速
    度指令値算出手段と、該運動速度指令値算出手段によっ
    て修正して算出された運動速度指令値に基づいて前記駆
    動手段を駆動制御して前記ハンドに作用する力およびモ
    ーメントに応じたハンドの動作経路を得る駆動制御手段
    とを備えたことを特徴とする産業用ロボットの制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記運動速度指令値算出手段において、
    前記ハンドの運動速度指令値に対して、前記フィードバ
    ック値を加えて修正する際、ハンドの速度に応じた粘性
    摩擦分を減ずるように構成したことを特徴とする特許請
    求の範囲第3項記載の産業用ロボットの制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102020113A (zh) * 2010-11-17 2011-04-20 重庆大学 装校搬运机械手
CN110921296A (zh) * 2019-11-13 2020-03-27 徐州泓吉环锻科技有限公司 一种连杆锻造冲孔切边辅助换料设备

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DYNAMIC SYSTEMS.MEASREMENT.AND CONTROL TRANSACTION OF THE ASME=1997 *

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