JPH07195083A - 殺菌性樹脂 - Google Patents
殺菌性樹脂Info
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- JPH07195083A JPH07195083A JP35406393A JP35406393A JPH07195083A JP H07195083 A JPH07195083 A JP H07195083A JP 35406393 A JP35406393 A JP 35406393A JP 35406393 A JP35406393 A JP 35406393A JP H07195083 A JPH07195083 A JP H07195083A
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Abstract
次公害を生じる虞れのない殺菌性樹脂を提供する。 【構成】 ビニルアミン成分やアリルアミン成分を繰り
返し単位として有する重合体、共重合体中に、官能基を
含む下記化1及び/又は化2で示す繰り返し単位を、重
合体を構成する全モノマー単位のモル数に対して0.1〜
15モル%含有し、且つ各官能基には殺菌性を有する金
属イオンが結合された構造を有する殺菌性樹脂。 【化1】 【化2】
Description
細菌や微生物の繁殖による環境の悪化、例えばスライム
による冷却器の運転効率の低下、産業廃水の腐敗や、藻
類の増殖による悪臭の発生等が問題となっている。
は、消毒のために塩素系殺菌剤が添加されている。しか
しながら塩素系殺菌剤を添加すると、発癌性物質とされ
ているトリハロメタンを生じる虞れがあり、近年大きな
社会問題となっている。しかも塩素系殺菌剤の添加によ
る効果は、水中からの塩素の消失に伴って失われ易いと
いう問題もあった。
とは知られており、塩素系殺菌剤に代わるものとして金
属の殺菌作用を利用した殺菌剤も用いられている。この
種の殺菌剤としては、活性炭に銀、銅等の殺菌性を有す
る金属イオンを吸着させたもの、アミノ酸、イミノ酢
酸、イミノジ酢酸、イミノジプロピオン酸等の官能基を
有するキレート樹脂の官能基の一部もしくは全部に、水
銀、カドミウム、亜鉛、銅、銀、金、白金等の金属イオ
ンを結合させたもの(特公昭63−11076号公報)
等が知られている。
水中に金属イオンが溶出することにより発現される。し
かしながら活性炭に金属を吸着しただけの殺菌剤の場
合、吸着されている金属イオンの放出速度が速いため、
短時間で金属イオンが放出されて殺菌効果が発揮されな
くなるとともに、一度に多量の金属イオンが放出される
ため水中の金属イオン濃度が廃水や飲料水中における金
属イオン濃度の基準値(例えばEPAでは、飲料水に対
する基準値は、銀が50ppb 以下)よりも高くなる虞れ
があった。
る金属イオンを結合した殺菌性樹脂の場合、金属イオン
はキレート結合によって強固に樹脂に結合しているた
め、容易には水中に溶出せず、極微量の金属イオンが水
中に溶出するため、殺菌効果は極めて長期間に亘って維
持される。しかしながら、水中への金属イオンの溶出量
が極めて微量で、一般的な処理条件において処理水中へ
の金属イオン放出量を基準値以下とすることができるの
は処理水のpHが中性付近である場合であり、処理水が
酸性であったり処理水中に塩素イオン等が存在する場合
等には、溶出する金属イオン量が多くなり、水中の金属
イオン濃度が廃水や飲料水に対して定められた基準値以
上となる虞れがあった。本発明者等は、このような問題
を解決するには、キレート樹脂の官能基への金属イオン
結合率を低くし、残りの官能基を酸型又はナトリウム塩
型等として、殺菌剤から水中に放出される金属イオン濃
度を少なくする方法が有効であろうと考えて研究を行っ
た。
キレート樹脂の官能基に対する金属イオンの結合率を低
くした殺菌性樹脂は、処理の初期段階において殺菌性樹
脂から金属イオンが溶出せずに水素イオンやナトリウム
イオンが溶出し、水中の水素イオン濃度は時間とともに
変化し、処理水が酸性側やアルカリ性側に大きく変動す
るため、飲料水の殺菌用として使用するには大きな問題
があった。更に、殺菌性樹脂からの金属イオン溶出量
は、処理水の水素イオン濃度が変化するにつれて増加
し、処理水の水素イオン濃度の変化が収まる頃にピーク
となって、その後低下するようになるため、充分な殺菌
作用を発現し得る期間が短いという問題があることが判
明した。
処理水中に溶出する金属イオン濃度を基準値以内にする
ことが容易であるとともに、長期間に亘って一定の殺菌
作用を維持できる殺菌性樹脂を提供することを目的とす
るものである。
は、官能基を含む下記化3及び/又は化4で示す繰り返
し単位を、重合体を構成する全モノマー単位のモル数に
対して0.1〜15モル%含有し、且つ各官能基には殺菌
性を有する金属イオンが結合されていることを特徴とす
る。
として上記化3、化4で示す単位(以下、この単位を官
能基導入単位と呼ぶ。)のいずれか一方を有していて
も、両方を有していても良い。上記化3で示す官能基導
入単位の官能基に金属イオンを結合した構造を有する殺
菌性樹脂は、ビニルホルムアミドを単独で重合するか又
は、ビニルホルムアミドと他のビニルモノマー及び/又
はアリルモノマーとを共重合した後、アルカリ又は酸で
処理してビニルホルムアミド由来のホルムアミド基部分
をアミノ基に変性し、次いでこのアミノ基の窒素原子に
官能基を導入してキレート樹脂を得、このキレート樹脂
の官能基に金属イオンを結合させることにより得られ
る。
ニルモノマー、アリルモノマーとしては、スチレン、α
−メチルスチレン、o-,m-,p-メチルスチレン、アクリロ
ニトリル、メタアクリロニトリル、ジビニルベンゼン等
が挙げられる。
酸から誘導される基)、エチレンカルボン酸基(プロピ
オン酸から誘導される基)、メチレンリン酸基であり、
これらは1個の窒素原子に1個又は2個導入されるが、
1個の窒素原子に2個の官能基が導入される場合、同一
の官能基が導入されていても、異なる官能基が導入され
ていても良い。また1つの分子中の異なる窒素原子に
は、2種以上の異なる官能基が導入されていても良い。
官能基に結合される殺菌性を有する金属イオンとして
は、銅、銀、金、白金、亜鉛、ニッケル、カドミウム、
水銀等の、従来より殺菌作用を有することが公知の金属
イオンを用いることができるが、性能、経済性、二次公
害の低さ等から銅、銀が好ましく、特に飲料水の殺菌用
としては銅、銀が用いられる。本発明の殺菌性樹脂は、
官能基に結合した金属イオンが異なる2種以上であって
も良い。
に金属イオンを結合した構造を有する殺菌性樹脂は、ア
リルアミンを単独重合するかアリルアミンと他のビニル
モノマー、アリルモノマーとを共重合した後、アリルア
ミン由来のアミノ基の窒素原子と結合した活性水素原子
と置換して導入された官能基を有するキレート樹脂を
得、このキレート樹脂の官能基に前記殺菌性を有する金
属イオンを結合させることにより得られる。
ノマー、アリルモノマーとしては、前記ビニルホルムア
ミドと共重合可能なモノマーとして例示したと同様のビ
ニルモノマー、アリルモノマーとともに、更にビニルホ
ルムアミドも使用することができる。
れらの各官能基に殺菌性を有する金属イオンを結合した
構造の殺菌性樹脂は、ビニルホルムアミドとアリルアミ
ン及び必要により更に上記と同様の他のビニルモノマ
ー、アリルモノマーとを共重合させた後、上記と同様に
してビニルホルムアミド由来のホルムアミド基部分をア
ミノ基に変性し、次いで変性したアミノ基及びアリルア
ミン由来のアミノ基の窒素原子と結合した活性水素原子
と置換して導入された官能基を有するキレート樹脂を
得、このキレート樹脂の官能基に殺菌性を有する金属イ
オンを結合させることにより得られる。
は化4で示される官能基導入単位を、重合体を構成する
全モノマー単位の量(モル数)に対して0.1〜15モル
%、好ましくは0.5〜10モル%含有する。化3及び/
又は化4で示される単位を0.1〜15モル%とするに
は、重合体に用いるビニルホルムアミド、アリルアミン
の割合を、全モノマー量に対して0.1〜15モル%とす
れば良いが、重合体を構成するビニルホルムアミド成分
やアリルアミン成分量が15モル%以上の場合には、ビ
ニルホルムアミドから誘導されるアミノ基や、アリルア
ミン由来のアミノ基への官能基の導入率を制御すること
により、化3及び/又は化4の単位の含有率が0.1〜1
5モル%となるようにする。
レンカルボン酸基を導入するには、ビニルホルムアミド
及び/又はアリルアミンと必要により他のビニルモノマ
ー、アリルモノマーとを共重合させた重合体を必要によ
って酸、アルカリで変性した後、モノクロロ酢酸、モノ
クロロプロピオン酸と反応させれば良い。また官能基と
してメチレンリン酸基を導入するには、上記と同様の重
合体を、必要によって酸、アルカリで変性した後、ホル
ムアルデヒド及び亜リン酸と反応させれば良い。
ト樹脂の官能基に、銅、銀、金、白金、亜鉛、ニッケ
ル、カドミウム、水銀等の金属イオンを結合させるに
は、キレート樹脂と、上記金属イオンを含む水溶液とを
バッチ法又はカラム法等により接触させる方法が挙げら
れる。
等の形態にしてそのまま用いたり、ポリエチレン、ポリ
スチレン等の樹脂中に練り込んでシート状、繊維状、ペ
レット状、球状等の任意の形態に成形して用いることが
でき、シート状に形成したものを他のシートと積層して
用いたり、繊維状に形成したものを他の繊維と混合した
り混紡したりして用いることもできる。また本発明の殺
菌性樹脂をそのまま粉末状等としたもの、或いは本発明
の殺菌性樹脂を練り込んだ樹脂を粉末状等としたものを
塗料中に添加して抗菌性塗料として用いることもでき
る。また家庭用の浄水器として用いる場合、水道水中に
含まれるトリハロメタン類を活性炭によって吸着除去す
るための活性炭と組み合わせて使用することが好まし
い。
法としては、本発明の殺菌性樹脂をカラムに充填して処
理水をカラムに通液させるカラム方式や、処理水中に本
発明の殺菌性樹脂を直接添加して処理するバッチ方式等
が挙げられる。
通液させる一過方式と、循環させながら何回も通液する
循環方式のいずれの方式も採用できる。また通液方法と
して上向流、下向流のいずれも採用できる。通液速度
は、処理する水量が少なく、細菌や微生物の数が少ない
場合には、SV=5〜100程度が好ましく、細菌や微
生物の数が少なく、処理する水量が多い場合には経済性
を重視してSV=1000〜30000程度が好まし
い。
脂の処理水に対する添加量や、処理水中の細菌や微生物
の数によって異なるが、殺菌性樹脂を処理水1000部
に対して0.1部〜10部添加して用いる一般的な使用法
の場合、細菌や微生物の数が少ない場合の処理時間は1
〜3時間程度であり、細菌や微生物の数が多い場合の処
理時間は3〜20時間程度が好ましい。
脂を50〜500μ程度、より好ましくは50〜200
μの微粉末として、塗料中に5〜50重量%配合するこ
とが好ましい。
利用できるとともに、廃水に対しては腐敗、醗酵防止の
作用がある。また廃水や河川、湖沼中の微生物の働きに
よるスライム発生や、藻類の増殖を抑制でき、悪臭の発
生防止等に利用できる。また定置網、橋梁の水中部分、
船底への、アオサ、アオノリ、フジツボ等の付着防止用
としても利用できる。
明する。
表に示す割合で共重合せしめた後、アルカリで処理して
重合体中のビニルホルムアミドに由来するホルムアミド
基をアミノ基に変性した。次いでこの重合体中のアミノ
基の窒素原子に官能基を導入してキレート樹脂を得た。
キレート樹脂中の官能基の種類(窒素原子を含む官能基
の名称)を表1に示す。次いで得られたキレート樹脂を
硝酸銀水溶液中に添加して室温で6時間攪拌した後、3
0分静置して分離し、官能基に銀イオンを結合した殺菌
性樹脂を得た。得られた殺菌性樹脂中の全モノマー単位
の量に対する官能基導入単位の割合(モル%)及び銀イ
オン含有量を表1にあわせて示す。
河川から採取した水5リットルを用い、各殺菌性樹脂に
ついて殺菌性試験を行った。まず上記試験液中に、10
ミリリットルの殺菌性樹脂を詰めたナイロン繊維製の袋
を試験液の中位置に位置するように浸漬し、空気供給管
から試験液中に常時空気を供給して室温で10日間放置
して細菌数を、標準寒天培地法により測定した。同時に
殺菌性樹脂を入れた袋を浸漬しない試験液(ブランク)
についても同一条件で試験を行った。同一の樹脂を再使
用して合計3回の試験を行った。第1回目と第3回目の
試験結果を表2に示す。
オンの溶出量を測定した。試験は上記殺菌性試験に用い
た河川の水とpH及び塩類含有量を略等しく調整した溶
液1リットルに、殺菌性樹脂10gを添加し、24時間
攪拌した後、樹脂を濾過した後の濾液中の銀イオン濃度
を測定した(1回目)。濾過して取り出した樹脂を用い
て同様の試験を行い(2回目)、更に2回目の試験を経
た樹脂を用いて同様の試験を行った(3回目)。これら
の結果を表3に示す。
す割合で共重合せしめた後、この重合体中のアミノ基の
窒素原子に官能基を導入してキレート樹脂を得た。キレ
ート樹脂中の官能基の種類(窒素原子を含む官能基の名
称)を表1にあわせて示す。次いで得られたキレート樹
脂に実施例1〜4と同様にして銀イオンを吸着させて殺
菌性樹脂を得た。得られた殺菌性樹脂中の全モノマー単
位の量に対する官能基導入単位の割合(モル%)及び銀
イオン含有量を表1にあわせて示す。
例1〜4と同様の河川から採取した水を用いて同様の条
件で行った。結果を表2にあわせて示す。また各樹脂か
らの銀イオンの溶出試験を同様にして行った。結果を表
3にあわせて示す。
表1に示す官能基を導入したキレート樹脂を得た。得ら
れたキレート樹脂に実施例1〜4と同様にして銀イオン
を結合させて殺菌性樹脂を得た。得られた殺菌性樹脂中
の全モノマー単位の量に対する官能基導入単位の割合
(モル%)及び銀イオン含有量を表1にあわせて示す。
4と同様の河川から採取した水を用いて同様の条件で行
った。結果を表2にあわせて示す。また各樹脂からの銀
イオンの溶出試験を同様にして行った。結果を表3にあ
わせて示す。
合させて殺菌性樹脂を得た。この樹脂の残りの官能基は
ナトリウム塩型とした。得られた殺菌性樹脂を用い実施
例1〜4と同様の殺菌性試験及び樹脂からの銀イオンの
溶出試験を行った。結果を表2及び表3に示す。
は、処理水が酸性等であっても樹脂から多量の金属イオ
ンが溶出することがなく、溶出量は極微量に保たれるた
め、殺菌性樹脂から溶出する金属イオンによる二次公害
の問題を生じることがない。また本発明の殺菌性樹脂は
極微量の金属イオンが長期間に亘って溶出するため、殺
菌効果を長期間維持できる等の効果を有する。
Claims (1)
- 【請求項1】 官能基を含む下記化1及び/又は化2で
示す繰り返し単位を、重合体を構成する全モノマー単位
のモル数に対して0.1〜15モル%含有し、且つ各官能
基には殺菌性を有する金属イオンが結合されていること
を特徴とする殺菌性樹脂。 【化1】 【化2】
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP35406393A JP3537474B2 (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | 殺菌性樹脂 |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=18435051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35406393A Expired - Fee Related JP3537474B2 (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | 殺菌性樹脂 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU693997B2 (en) * | 1995-03-08 | 1998-07-09 | Eastman Kodak Company | A material, method and apparatus for inhibiting bacterial growth in an aqueous medium |
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WO2017126355A1 (ja) * | 2016-01-20 | 2017-07-27 | ハイモ株式会社 | イミノ二酢酸型キレート樹脂及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-12-29 JP JP35406393A patent/JP3537474B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US10364303B2 (en) | 2016-01-20 | 2019-07-30 | Hymo Corporation | Iminodiacetic acid type chelate resin and method for producing same |
EP3406637A4 (en) * | 2016-01-20 | 2019-09-04 | Hymo Corporation | IMINODIACETIC ACID CHELATE RESIN AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF |
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---|---|
JP3537474B2 (ja) | 2004-06-14 |
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