JPH07194674A - 薬液用プラスチック容器 - Google Patents

薬液用プラスチック容器

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JPH07194674A
JPH07194674A JP34945793A JP34945793A JPH07194674A JP H07194674 A JPH07194674 A JP H07194674A JP 34945793 A JP34945793 A JP 34945793A JP 34945793 A JP34945793 A JP 34945793A JP H07194674 A JPH07194674 A JP H07194674A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 121℃以上の滅菌においても、白化あるい
は変形などの発生がなく、しかも柔軟性が高く自然滴下
性が良好で微粒子の溶出のない衛生性の良好な薬液用プ
ラスチック容器を得る。 【構成】 薬液用プラスチック容器1は、柔軟性を有す
る合成樹脂をブロー成形される。薬液用プラスチック容
器1を構成する柔軟性を有する合成樹脂は、実質的にシ
ンジオタクチック構造のポリプロピレンである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アミノ酸輸液剤、脂肪
乳剤、高カロリー輸液剤などの静脈注射用輸液や経腸栄
養剤、高蛋白栄養剤、成分栄養剤、流動食などの経腸的
高カロリー栄養剤の薬液を充填するブロー成形により形
成された可撓性の薬液用プラスチック容器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】この種の容器は、衛生性はもちろん、耐
熱性、柔軟性、透明性を兼ね備えることが求められてい
る。従来この特性を得るために、多くの提案がなされて
きた。これらの提案は、大きく別けて、ブレンド系と多
層系がある。
【0003】ブレンド系としては、ポリプロピレン、エ
チレンーα・オレフィン共重合体およびプロピレン−α
・オレフィン共重合体の三者をブレンドしたもの(特開
平2−208339号公報)が提案されている。
【0004】また、多層系としては、二種類のプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体を積層するものであり、
エチレンの含有量が比較的多く柔軟性を備える高エチレ
ン含有量のプロピレン−エチレンランダム共重合体を内
側に配しエチレンの含有量が比較的少なく耐熱性を備え
る低エチレン含有量のプロピレン−エチレンランダム共
重合体を外層に配したもの(特開平3−277366号
公報)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例に示された
ブレンド系のものうち、薬液容器として良好な柔軟性を
得るために、ポリプロピレン、エチレンーα・オレフィ
ン共重合体およびプロピレン−α・オレフィン共重合体
の三者をブレンドしたものは、柔軟性の樹脂を相当量ブ
レンドしなくてはならず、この柔軟性の樹脂のブレンド
量が多くなると相溶性が問題となり、内部に薬液を充填
すると薬液用プラスチック容器の内壁から不純物が溶出
して、衛生性が損なわれるばかりでなく、ブレンドする
ことにより透明性が極端に低下してしまうという欠点が
あった。特に主体をなす樹脂が備える耐熱性は、ブレン
ドする柔軟性の樹脂の低融点に引き摺られて、急激に耐
熱性が落ちる。一般に、薬液容器は、121℃以上の温
度で滅菌処理がなされるので、少なくとも121℃の耐
熱性が必要とされているが、このブレンド系の樹脂から
なる薬液容器は、滅菌時に容器が白化して失透するばか
りでなく、容器が変形して薬液の滴下性が極端に低下す
るという欠点が発生するものである。しかも、上記従来
例に示したブレンド系の材料は、基本的に薬液用プラス
チック容器の自然滴下を備える柔軟性が不十分である。
【0006】また、多層系のもののうち、高エチレン含
有量のプロピレン−エチレンランダム共重合体に耐熱性
を有する低エチレン含有量のプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体を積層するものでは、121℃以上の耐熱
性を得るためには表面に配置する耐熱性を有する低エチ
レン含有量のプロピレン−エチレンランダム共重合体の
層を多くとる必要があって、全体として柔軟性が阻害さ
れてしまい、薬液の滴下性が得られないという欠点があ
る。
【0007】これらの従来例をみると、プロピレン−エ
チレンランダム共重合体を主体とし、ブレンド系ではプ
ロピレン−エチレンランダム共重合体に耐熱性のポリプ
ロピレンをブレンドするものであり、多層系にあっては
プロピレン−エチレンランダム共重合体に、プロピレン
−エチレンランダム共重合体よりも耐熱性を有する低エ
チレン含量のプロピレン−エチレンランダム共重合体を
積層するものである。しかし、このようにプロピレン−
エチレンランダム共重合体の耐熱性を向上させるための
付加的手段が他の新たな欠点を導出する原因となってい
たといえる。
【0008】さらに、従来例の主体となるプロピレン−
エチレンランダム共重合体自体も、衛生性の点で問題を
有しているといわねばならない。一般にポリプロピレン
は、チーグラー触媒でプロピレンを重合させるものであ
り、その構造は若干の他の構造をなす部分を有するもの
の、その大半はアイソタクチック構造である。このアイ
ソタクチック構造が主体をなすポリプロピレンは、結晶
化度(DSC法による測定)が50%以上と結晶性が高
く、したがって剛性の高いポリプロピレンである。この
剛性の高さを抑えて、柔軟性を導出させるためには、エ
チレンをランダムに導入して、その結晶性を抑えること
により、柔軟性を出すことができるものである。したが
ってエチレンを導入したプロピレン−エチレンランダム
共重合体は、透明性と柔軟性を兼ね備えたポリプロピレ
ンであるということができるのである。しかし、プロピ
レン−エチレンランダム共重合体は、プロピレンに1〜
9重量%のエチレンをランダムに共重合させるものであ
るために、一部反応に不規則性が生じやすく重合があま
り進まない低分子量の生成物が発生する場合があり、そ
れらが加熱滅菌時に薬液中に析出することによる衛生性
の阻害が懸念される。このようにプロピレン−エチレン
ランダム共重合体は、プロピレンの中にあって、柔軟性
と透明性を備えたプラスチックであるが、共重合体であ
るために、衛生性に問題を有しているのである。
【0009】そこで本発明は、実質的にシンジオタクチ
ック構造である合成樹脂を採用することにより、その耐
熱性と柔軟性を得ることができるものである。実質的に
シンジオタクチック構造である合成樹脂は、基本的にポ
リプロピレンであるので耐熱性を有し、柔軟性を有する
シンジオタクチック構造のポリプロピレンは結晶化度が
35%以下であるので自然滴下を行うに十分な柔軟性を
有するものである。このように薬液用プラスチック容器
にとって、低結晶性のポリプロピレンを採用すると、耐
熱性、自然滴下性の点で好適である。しかし、この種の
容器に必要な耐熱性は、現在121℃以上の高温度まで
求められているのは上記するとおりであるが、共重合に
より非晶性部分を増やし結晶化度を下げると、一般に耐
熱性もそれに伴って下がってしまう。本発明の薬液用プ
ラスチック容器は、柔軟性を有する実質的にシンジオタ
クチック構造のポリプロピレンであるので、実質的な融
解開始温度(Tsm)が121℃以上であるので、12
1℃以上の滅菌温度により、ポリマーからの溶出分がな
く、白化したり変形したりしない容器を提供することが
できるものである。さらに、薬液用プラスチック容器と
して要求されているのは、内部の薬液の状態を透視する
ことのできる加熱滅菌後の透明性である。このように、
耐熱性と透明性を得るためには、DSCによる測定の物
性が、実質的な融解開始温度(Tsm)が121℃以上
でかつ実質的な融解開始温度(Tsm)と融解終了温度
(Tem)との差が30℃以下であることが必要である
が、実質的にシンジオタクチック構造のポリプロピレン
によりこれを満足させることが可能となったものであ
る。
【0010】従来、この種の分野に多用されているの
は、上記従来例に示すように、プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体である。このプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体は、薬液用プラスチック容器に使用した場
合、容器内部の透視性が損なわれることなく、かつ良好
な薬液の滴下性を有する柔軟性の高い薬液用プラスチッ
ク容器が得られていた。しかし、このプロピレン−エチ
レンランダム共重合体は、一般的に融点を示すとされる
融解ピーク温度は、135〜140℃付近であるにもか
かわらず、121℃付近の滅菌温度により白化するとい
う欠点があった。このように、融点が滅菌温度を越えて
いるにもかかわらず、滅菌時に白化や変形するという欠
点に対して、滅菌温度に耐えうる温度に対応する温度的
な目安が求められていた。本発明者は、この滅菌温度に
耐える温度の目安として、融点を測定する際に使用する
融解温度のなかで、実質的な融解開始温度(Tsm)が
適用できることを見出したものである。この実質的な融
解開始温度(Tsm)は、図3に示すようにJISK7
121に示すプラスチックの転移温度測定方法により得
られるDSC融解ピーク曲線Aが最初にベースラインB
から離れる点の温度をいうものとし、従来の薬液用プラ
スチック容器に使用していたプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体(エチレン含有量:6重量%)では113
℃であった。本発明者は、種々の実質的な融解開始温度
(Tsm)を有する合成樹脂を使用して、耐えうる滅菌
温度を測定した結果、耐える滅菌温度が実質的な融解開
始温度(Tsm)により判断できることを見出したもの
である。さらに、この実質的な融解開始温度(Tsm)
のほかに、実質的な融解開始温度(Tsm)と融解終了
温度(Tem)との差が30℃以下であるポリプロピレ
ンは、薬液用プラスチック容器に使用した場合、加熱滅
菌後の透明性と光沢性を有することが判明したものであ
る。
【0011】そこで、本発明は、以下の点を目的とする
ものである。 121℃以上の滅菌においても、白化あるいは変形な
どの欠点が発生しないこと。したがって、滅菌温度を1
21℃以上の高い温度とすることができるので、滅菌の
処理時間を少なくして、効率良い滅菌処理を行うことが
できること。 柔軟性が高いこと。 加熱滅菌後の透明性が高いこと。 内部に薬液を充填しても、内壁から溶出物がないこ
と。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の目的を
達成するために、柔軟性を有する合成樹脂をブロー成形
して内部に充填された薬液を自然滴下により投与できる
薬液用プラスチック容器において、柔軟性を有する合成
樹脂が実質的にシンジオタクチック構造のポリプロピレ
ンであることを特徴とする薬液用プラスチック容器とし
たものである。
【0013】
【作用】本発明は、上記するように、柔軟性を有する合
成樹脂をブロー成形した内部に薬液を充填する可撓性の
薬液用プラスチック容器において、柔軟性を有する合成
樹脂が実質的にシンジオタクチック構造のポリプロピレ
ンとしたことにより121℃の滅菌温度に対しても十分
耐えることができ、自然滴下性を得るための充分な柔軟
性が得られ、内容物を透視できる透視性が得られるので
ある。
【0014】なぜこのように、柔軟性を有する合成樹脂
が実質的にシンジオタクチック構造のポリプロピレンで
あると薬液用プラスチック容器に必要な透明性と耐熱性
が得られるのか、正確な理由は不明であるが、次のよう
に予想される。プラスチックには、DSCにより分子を
融解する各分子の構造に応じた融解温度があり、特定の
融解温度で吸収する熱量が存在する。よく知られている
ように、プラスチックは、固相状態から液相状態あるい
は液相状態から固相状態へ変化するときに、断熱状態で
相変化を起こし、大きな熱量の出入れが発生する。この
熱量がDSC曲線上で、ベースラインからの乖離として
あらわれる。そこで、柔軟性を有する合成樹脂が実質的
にシンジオタクチック構造のポリプロピレンは、そのD
SC測定による実質的な融解開始温度(Tsm)が12
1℃以上でかつ実質的な融解開始温度(Tsm)と融解
終了温度(Tem)との差が30℃以下であるので、1
21℃までの温度で融解する物質の混入を防止して、1
21℃までの温度で溶融軟化することがない薬液用プラ
スチック容器が得られるのである。DSC曲線上の温度
の中で特に実質的な融解開始温度(Tsm)を基準とし
て、目的とする耐熱温度を設定するのは、滅菌により発
生する白化・変形を防止することが全体だけでなく一部
においても発生してはならないという理由による。上記
する実質的な融解開始温度(Tsm)は、相変化を起こ
し始める温度であり、この温度により部分的に白化・変
形を始めるものである。したがって、この温度を基準と
することにより、白化・変形が生じ始める温度を知るこ
とができるのである。また実質的にシンジオタクチック
構造のポリプロピレンは、実質的な融解開始温度(Ts
m)と融解終了温度(Tem)との差が30℃以下であ
るので、融解温度の幅を小さくし、融解温度の異なる物
質を極力抑えることにより、光学的特性を均一化するこ
とができるのである。このように光学的特性を均一化す
ることにより、高度な加熱滅菌後の透明性と表面光沢性
がえられ、薬液用プラスチック容器に要求される内容物
透視性と表面外観が得られるのである。プラスチックを
合成する際には、触媒や重合温度などの合成方法によ
り、分子量や分子配列の異なったものが混在して合成さ
れる。これらは、屈折率などの光学的特性が様々であ
る。実質的な融解開始温度(Tsm)と融解終了温度
(Tem)との差を30℃以下であることにより、これ
らのばらつきを、薬液用プラスチック容器の内容物を透
視するのに必要な透明性の最小限度に抑えることができ
るためであると予想される。
【0015】また、柔軟性を有する合成樹脂が実質的に
シンジオタクチック構造のポリプロピレンは、結晶化度
が35%以下であるので十分な柔軟性が得られ、その結
果薬液用プラスチック容器に要求される自然滴下性が得
られることが判明した。
【0016】本発明は、ポリプロピレンのなかでも、特
に実質的にシンジオタクチック構造のものを使用するこ
とにより、その効果が発揮できたものである。このよう
なポリプロピレンは、結晶性部分と非晶性部分とが混在
するステロブロック構造のものが特に好適であり、十分
な柔軟性を有するものである。
【0017】本発明において、柔軟性を有するシンジオ
タクチック構造のポリプロピレンとは、ビニル系高分子
に配置された置換基Rが交互に平面の上下に現れる構造
のものである。従来、シンジオタクチック構造のポリプ
ロピレンは、チーグラー・ナッター触媒ではシンジオタ
クティシティが悪く、従来よりその存在の知られていた
シンジオタクチック構造のポリプロピレンの特徴を現出
するものではなかった。ところで、近年、上記する従来
のチーグラー・ナッター触媒のような不均一系の触媒と
は異なった遷移金属ハライドとアルミニウム、アルカリ
土類金属もしくはアルキル化物とを組合わせた均一系に
属する触媒を使用した合成が、プラスチックの分野で提
案されている。特に、均一系の触媒としてイソプロピル
(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ハフニウ
ムジクロリド、あるいはイソプロピル(シクロペンタジ
エニル−1−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドな
どの非対称な配位子を有する遷移金属化合物とアルミノ
キサンとからなる触媒をプロピレンの重合に使用する
と、シンジオタクチック構造のポリプロピレンがシンジ
オタクティシティが90%以上の高率で得られることが
分かっている。
【0018】本発明の柔軟性を有する実質的にシンジオ
タクチック構造のポリプロピレンとは、実質的な融解開
始温度(Tsm)が121℃以上でかつ実質的な融解開
始温度(Tsm)と融解終了温度(Tem)との差が3
0℃以下である結晶化度が35%以下のポリプロピレン
であり、シンジオタクチック構造のポリプロピレンが少
なくとも85%は必要である。薬液用プラスチック容器
の柔軟性や透明性の必要物性を損なわない範囲で、他の
ポリプロピレン、例えばアタクチック構造のポリプロピ
レンやアイソタクチック構造のポリプロピレンさらには
これらのポリプロピレンにエチレンなどをグラフト重合
したものも含まれる。
【0019】
【実施例】図1および図2には、本発明の薬液用プラス
チック容器が例示されている。この薬液用プラスチック
容器1は、ブロー成形により製造されたものであり、胴
部2の上端に口部3を、かつ胴部2の下端には底部4お
よび吊片5を備えている。口部3には栓体6が溶着され
ている。
【0020】以下、実施例および比較例により具体的に
説明する。
【表1】
【0021】表1に示す構成のプラスチックで図1およ
び図2に示す薬液用プラスチック容器1をブロー成形し
た。この薬液用プラスチック容器1は、内容量が700
mlで、その平均肉厚は0.35mm、容器重量は35
gである。
【0022】表1に示すシンジオタクチックポリプロピ
レン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、アイソ
タクチックポリプロピレンとは、それぞれ以下に示すも
のである。
【0023】(シンジオタクチックポリプロピレン)プ
ロピレンのホモポリマーからなるシンジオタクチック構
造のポリプロピレンであり、イソプロピルジルコニウム
ジクロリドとメチルアルミノキサンとからなる触媒を使
用することによりプロピレンを重合したもので、そのシ
ンジオタクチック構造のポリプロピレンを含む割合は9
1%であった。
【0024】(プロピレン−エチレンランダム共重合
体)プロピレンに若干のエチレンを共重合させたもの
で、エチレンがプロピレン中にランダムの位置に形成さ
れており、エチレンの含有量は6重量%であった。
【0025】(アイソタクチックポリプロピレン)プロ
ピレンのホモポリマーからなるアイソタクチック構造の
ポリプロピレンであり、チーグラー触媒を使用すること
によりプロピレンを重合したもので、若干のアタクチッ
ク構造などの他の構造のプロピレン成分を含むものであ
る。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】表2および表3に示す◎、○、△、×は、
次の評価結果を示す。 (透明性)JISK6714に規定する450nmの波
長の可視光の入射量と全光線透過量との比である全光線
透過率を示した。滅菌前の全光線透過率を表2に、12
1℃、130℃、140℃の処理温度でそれぞれ30分
の滅菌処理を行い、その滅菌処理後の全光線透過率を表
3に示した。
【0029】(衛生性)純水を充填し、121℃、30
分で滅菌処理後、日本薬局方輸液用プラスチック容器試
験に基づき、微粒子数を測定し評価した結果を表2に示
した。 ◎:非常に少ない。 ○:良好。 △:やや不良。 ×:不良。
【0030】(滴下性)滴下性は、純水を充填した容器
を121℃、30分で滅菌処理後、口部のゴム栓に薬液
セットの瓶針を挿入し、静脈針を瓶針の位置から50c
m下げた位置に固定し、静脈針から滴下する薬液量を測
定し、滴下性を評価した結果を表2に示した。 ◎:時間あたり滴下量にバラつきがなく、滴下性は良好
であった。 ○:時間あたり滴下量に若干のバラつきあるものの、滴
下性は良好であった。 △:時間あたり滴下量に大きなバラつきあり、実用上問
題があった。 ×:滴下性がきわめて悪い。
【0031】(変形)滅菌後の変形は、純水を充填した
容器を121℃、130℃、140℃の処理温度でそれ
ぞれ30分の滅菌処理を行い、それぞれの滅菌処理後の
薬液用プラスチック容器1の外観を目視で観察し、薬液
用プラスチック容器1全体および胴部2の変形を観察し
た結果を表3に示す。 ◎:滅菌後においても、滅菌前と同じ形状であり、変形
は認められなかった。 ○:滅菌後においても、大きな変形は認められなかっ
た。 △:滅菌後において、底部側が膨脹して見苦しい形状と
なった。 ×:滅菌後において、全体は大きく変形し、実用に供す
ることができるものではなかった。
【0032】表1〜表3より、実施例1に示すシンジオ
タクチックポリプロピレンからなる薬液用プラスチック
容器は、耐熱性、特に130℃以上の耐熱性を有すると
ともに、衛生性と滴下性をともに有することが判明し
た。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
121℃以上の滅菌においても、白化あるいは変形など
が発生することのない耐熱性を有し、薬液用プラスチッ
ク容器としての滴下性が良好で、しかも、内壁から溶出
物ががないのできわめて衛生的であるという効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る中空容器の立面図である。
【図2】本発明に係る中空容器の側面図である。
【図3】DSCよる融解曲線を示す線図である。
【符号の説明】
1 薬液用プラスチック容器 2 胴部 3 口部 4 底部 5 吊片 6 栓体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】柔軟性を有する合成樹脂をブロー成形して
    内部に充填された薬液を自然滴下により投与できる薬液
    用プラスチック容器において、柔軟性を有する合成樹脂
    が実質的にシンジオタクチック構造のポリプロピレンで
    あることを特徴とする薬液用プラスチック容器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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