JPH07191450A - マスクパターンの欠陥修正方法 - Google Patents

マスクパターンの欠陥修正方法

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JPH07191450A
JPH07191450A JP33125193A JP33125193A JPH07191450A JP H07191450 A JPH07191450 A JP H07191450A JP 33125193 A JP33125193 A JP 33125193A JP 33125193 A JP33125193 A JP 33125193A JP H07191450 A JPH07191450 A JP H07191450A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板の損傷或いは光透過部の透過率の低下を
与えることなく、精度良くマスクパターンの修正を行う
ことができる方法を提供する。 【構成】 透明基板上に薄膜からなるマスクパターンを
有する露光用マスクの、前記マスクパターンに隣接して
余剰に存在する黒欠陥部分を除去するマスクパターンの
欠陥修正方法において、前記黒欠陥部分に隣接するマス
クパターンの領域に、熱伝導防止用の溝を設ける第1の
工程、前記黒欠陥部分およびこれと前記溝とによって画
定されるマスクパターンの領域にレーザ光を照射して、
前記黒欠陥部分および前記マスクパターンの領域を熱蒸
発させることにより除去する第2の工程、およびマスク
パターンの欠落部分に膜材料を供給しながら、イオンビ
ームを照射して前記膜材料またはその反応物からなる膜
を形成する第3の工程、を含むことを特徴とするマスク
パターンの欠陥修正方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線を含む光或いは荷
電粒子によるパターン転写に用いる透過型或いは反射型
マスク等の露光用マスクにおけるマスクパターンの欠陥
修正方法に係り、特に、マスクパターンに隣接して余剰
に存在する黒欠陥部分を除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】露光
用マスクとして一般に用いられるフォトマスクは、次の
ようにして作製されている。先ずガラス基板上に例えば
クロム等からなる遮光性膜を成膜する。次に、その遮光
性膜上にレジストを塗布し、そのレジストを選択的に露
光し、現像することによりレジストパターンを形成す
る。さらに、そのレジストパターンに沿って遮光性膜を
エッチングし、遮光性膜パターン(マスクパターン)を
形成した後、レジストパターンを剥離することにより、
フォトマスクが形成される。
【0003】このようなフォトマスクの製造工程におい
て、レジストにポジ型レジストを用いた場合、レジスト
への露光時にレジストに異物が付着していると、その異
物が露光を妨げ、露光を妨げられた部分のポジ型レジス
トが分解せずに残存してしまう。そして、次にレジスト
の現像後、遮光性膜のエッチングを行うと、透光部とな
るべき部分に遮光膜からなる黒欠陥部分が形成されてし
まう。
【0004】このようなフォトマスク上の黒欠陥部分の
除去方法としては、例えば黒欠陥部分にNd:YAGレ
ーザ等のレーザ光を集光させ、その熱エネルギーにより
黒欠陥部分の遮光性膜を蒸発させる方法や、Gaの集束
イオンビーム(Focused IonBeam:以下、FIBと呼
ぶ)を黒欠陥部分上で走査させ、黒欠陥部分を直接スパ
ッタエッチングする方法が一般に用いられている。
【0005】ところが、この代表的な二つの方法には、
それぞれ、以下のような問題点があった。先ず、前者の
方法のようにレーザ光を用いて、遮光性膜パターンに隣
接する黒欠陥部分を除去する場合、(i) 照射位置を精度
良く合わせるのが困難であり、また(ii)マスクパターン
は一般に熱伝導度の大きいクロム等を用いるため、照射
したレーザ光の熱エネルギーが遮光性膜パターン本体に
伝導してしまい、除去する部分(黒欠陥部分)と除去し
ない部分(遮光性膜パターン部分)の境界をはっきりと
区別することが困難となる結果、修正後のパターン端部
が蛇行したり、修正後のパターン端部が溶融した後蒸着
せずに固まって盛り上がってしまう等の現象が生じやす
い。従って、このレーザ光を用いる方法は、修正精度に
問題があった。また、その修正精度は、黒欠陥部分の形
状が材料の種類によって異なり、修正精度の安定性が得
られなかった。
【0006】一方、後者のGaのFIBを用いる方法
は、修正精度の点では上記のレーザ光を用いた方法より
優れているが、黒欠陥部分のエッチング時に、Ga元素
等の不純物がその下の基板に打ち込まれるため、その部
分の透過率の低下を招いてしまうという問題点があっ
た。
【0007】このような背景の下で、例えば、特開平3
−139647号公報には、レーザ光により黒欠陥部分
をその隣接遮光性膜パターン部分とともに除去した後、
遮光性膜パターンを除去した部分に有機ガスを吹きつけ
FIBを照射してカーボン膜を堆積させる方法が記載さ
れている。この方法を図2により更に具体的に述べる。
図2(a)は、マスクパターン修正前の状態を示し、図
中10は遮光性膜パターン本体、11は透光部、12は
黒欠陥部分である。この方法においては、先ず、黒欠陥
部分12にレーザ光を集光させて、黒欠陥部分12及び
その黒欠陥部分12が隣接する遮光性膜パターン部分1
0aを含む領域13を蒸発除去する(図2(b)参
照)。次に遮光性膜パターンの遮光膜を除去した欠落部
分(除去前の遮光性膜パターン部分10aに相当する部
分)に有機ガスを吹きつけFIBを照射して欠落部分に
カーボン膜を堆積させてマスクパターンの修正を完了す
る(図2(c)参照)。即ち、この方法によれば、先
ず、黒欠陥部分及びその黒欠陥部分が隣接する遮光性膜
パターン部分を含む領域を除去する際にFIBを用いず
にレーザ光を集光させることによる蒸発除去を行うの
で、その下の基板にGa元素が打ち込まれて透過率の低
下を招くことを防止することができ、次にFIBを用い
てカーボンを堆積させることにより精度良い修正を行う
というものである。
【0008】しかしながら、上記特開平3−13964
7号公報に記載の方法において、レーザ光を集光させる
ことにより黒欠陥部分及びその黒欠陥部分が隣接する遮
光性膜パターン部分を含む領域の蒸発除去を行う際に、
当該領域が吸収したレーザ光の熱エネルギーが熱伝導に
より隣接する遮光性膜パターン本体側へ逃げてしまうた
め、黒欠陥部分及びその黒欠陥部分が隣接する遮光性膜
パターン部分を含む領域が完全に蒸発するまでには長時
間がかかる。そして、レーザ光の熱エネルギーにより遮
光性膜材料は溶融した後蒸発するが、溶融した遮光性膜
材料が基板上に長い時間留まると、黒欠陥部分およびこ
れに隣接する遮光性パターン部分の下にある基板が溶融
して表面が粗れ、基板の損傷や光透過部の透過率の低下
の原因となるという問題点があった。さらに、次のFI
Bの照射工程において、吹きつける有機ガスが基板表面
の粗れた部分に吸着されてしまい、FIBを照射した際
に散乱したイオン等により、その部分に薄いカーボン膜
が形成されてしまい、結果的にまた黒欠陥部分が形成さ
れてしまうという問題点があった。
【0009】また特開平5−313354号公報には、
マスクパターンの黒欠陥の修正の際に、まずGaのFI
Bで黒欠陥部分を分離し、次に分離した黒欠陥部分にレ
ーザーを照射して当該黒欠陥部分を蒸発防止する方法が
開示されている。
【0010】しかし、この特開平5−313354号公
報に記載の方法において、FIB照射によってガラス基
板に打ち込まれたGaはレーザー照射により蒸発除去さ
れる可能性はあるが、マスクパターンぎりぎりにレーザ
ーを照射することは、レーザー照射の寸法精度の点で困
難であり、ガラス基板に打ち込まれたGaは完全には除
去されず、透過率の低い透光部が残るという欠点があっ
た。またレーザーをマスクパターンぎりぎりに照射しよ
うとする場合、レーザーがマスクパターンにも照射さ
れ、マスクパターンの寸法精度が低下するという欠点も
あった。
【0011】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、基板の損傷或いは光透過部の透過率
の低下を与えることなく、精度良くマスクパターンの修
正を行うことができる方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、透明基板上に薄膜からなるマスクパターンを有す
る露光用マスクの、前記マスクパターンに隣接して余剰
に存在する黒欠陥部分を除去するマスクパターンの欠陥
修正方法において、前記黒欠陥部分に隣接するマスクパ
ターンの領域に、熱伝導防止用の溝を設ける第1の工
程、前記黒欠陥部分およびこれと前記溝とによって画定
されるマスクパターンの領域にレーザ光を照射して、前
記黒欠陥部分および前記マスクパターンの領域を熱蒸発
させることにより除去する第2の工程、およびマスクパ
ターンの欠落部分に膜材料を供給しながら、イオンビー
ムを照射して前記膜材料またはその反応物からなる膜を
形成する第3の工程、を含むことを特徴とするマスクパ
ターンの欠陥修正方法を要旨とする。
【0013】
【作用】本発明によれば、先ず、第1の工程で、黒欠陥
部分に隣接するマスクパターンの領域に、熱伝導防止用
の溝を設けることにより、第2の工程において黒欠陥部
分およびこれに隣接するマスクパターンの領域にレーザ
光を集光させて熱蒸発させて、その領域を除去する際
に、照射した熱エネルギーがマスクパターン本体に熱拡
散しない。その結果、マスクパターンの材料の種類又は
黒欠陥部分の形状によらず、熱蒸発するまでの時間を短
縮化することができ基板の溶融を抑えることができる。
その後、第3の工程において、マスクパターンの欠落部
分に薄膜材料をFIBを用いて成膜することにより、マ
スクパターンの高精度で安定した修正が可能となる。
【0014】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこの実施例に限定されるものではないこと
はもちろんである。
【0015】図1(a)はマスクパターン欠陥修正前の
状態を示す図であり、同図において、10はクロムから
なるマスクパターン本体(パターン寸法 5μm)、1
1は石英ガラス基板のみからなる透光部、12は黒欠陥
部分である。
【0016】先ず、第1の工程として、高真空中でGa
のFIBをマスクパターン本体10の所定部分上に走査
させて当該マスクパターン本体10の所定部分をスパッ
タエッチングして連通する溝15を形成することによ
り、黒欠陥部分12及びこれに隣接するマスクパターン
の一定部分10aからなる領域13をマスクパターン本
体10から分離する(図1(b)参照)。FIBの条件
は1000オングストロームのクロム遮光性膜に対して
加速電圧20kV、0.15μmφのビーム径で2.5
×1017(イオン/cm2 )程度であった。スパッタエ
ッチングされて形成された溝15の石英ガラス基板に
は、Gaが約200オングストローム程度打ち込まれて
おり、透光率は、石英ガラス基板を100%としたとき
83%(波長546nm)であった。
【0017】次に、第2の工程として、溝15によりマ
スクパターン本体10から分離させた、黒欠陥部分12
およびマスクパターンの一定部分10aからなる領域1
3にレーザ光を照射して当該領域13を熱蒸発除去する
(図1(c)参照)。
【0018】レーザ光としては、200mJ/cm2
Nd:YAGレーザの第二高調波(波長532nm)を
用い、これをパルス照射した。
【0019】本実施例によれば、図1(b)に示すよう
に、予めマスクパターン本体10と、レーザ光により熱
蒸発除去すべき領域13とを溝15により分離してある
ため、熱蒸発除去すべきクロム薄膜部分13に照射され
たレーザ光の熱エネルギーがマスクパターン本体10へ
伝導することがなく、石英基板に損傷を与えることな
く、短時間にクロム薄膜部分13を熱蒸発除去できた。
【0020】なお、石英基板自体は、このレーザ光をほ
とんど吸収しないと同時に、蒸発過程で受ける熱を伝導
する性質を持っていない。
【0021】最後に、第3工程として、マスクパターン
の欠落部分16(領域10a+領域15)に、膜材料と
してピレンガスを供給しながら、成膜したい欠落部分1
6内をFIBを用いて走査することにより、ピレンの分
解により生じた非晶質炭素膜14を、成膜したい欠落部
分16に堆積させてマスクパターンの修正を完了する
(図1(d)参照)。FIBの条件は前記第1の工程に
おける条件と同様である。
【0022】形成された非晶質炭素膜14は膜厚300
0オングストロームの均一な膜であった。第2の工程に
おいてGaの打ち込まれた領域15も第3の工程におい
て非晶質炭素膜14で被膜されるため、Gaの打ち込み
は全く問題とならなかった。
【0023】また、本来あるべき正常パターンの理想エ
ッジに対する修正部分の飛び出しやへこみの程度を示す
修正精度も±0.1μm以内と高精度であった。
【0024】以上実施例により本発明を説明してきた
が、本発明は下記のような変形例および応用例を含むも
のである。
【0025】(i) 実施例では連通する溝を設け、マスク
パターン本体と、黒欠陥部分およびこれに隣接するマス
クパターン部分とを分離したが、溝は、レーザ光の熱伝
導を防止し得るものであれば連通してなくても良い。す
なわち、溝は、黒欠陥部分に隣接するマスクパターンの
領域の周辺に選択的に形成されていても良く、例えば図
3、図4、図5に示すように、複数の凹部17からなる
ものでもよい。
【0026】また溝はその底面がガラスで露出している
必要はなく、その底面に熱伝導を行なわない程度の遮光
性薄膜が残存していてもよい。
【0027】(ii)実施例では溝の形成のためにGaのF
IBを用いたが、Ga以外の元素を用いたFIBを用い
てもよく、また塩素系ガス等のエッチングガスを吹き付
けながら行なう化学的エッチング法を用いてもよい。
【0028】(iii) 実施例では、透明基板として石英ガ
ラス基板を用いたが、その他に、ソーダライムガラス、
アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガ
ラス等の他のガラスを用いてもよい。また、基板とマス
クパターンの間にITO(Inx Sny z )、酸化ス
ズ−アンチモン(Snx Sby z )等からなる透明導
電膜等の膜が介在されているものであってもよい。ま
た。位相シフトマスクの製造工程において、基板上にク
ロム等からなるマスクパターンを形成した後であって、
位相シフト層を形成する前の工程において、該マスクパ
ターンの欠陥修正に用いることもできる。
【0029】(iv)実施例では、非晶質炭素膜材料として
ピレンガスを用いたが、ピレン以外にスチレン等の有機
系ガスを用いることもできる。また非晶質炭素膜以外の
膜を形成する場合には、形成する膜の種類に応じて各種
の膜材料が用いられる。
【0030】(v) 実施例ではフォトマスクについて述べ
たが、ホウ化タンタル、金、タンタル、タングステン等
のX線吸収材料からなるマスクパターンを有するX線マ
スクについても本発明は有効である。その場合、例え
ば、タングステン等のX線吸収材料からなるマスクパタ
ーンの欠陥修正を行う場合のFIBを用いた成膜は、六
弗化タングステンガス(WF6 )を用いてタングステン
を堆積させる等、X線吸収材料の種類に合わせた成膜を
行うことが好ましい。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によれば、基板に損傷或い
は透光部の透過率の低下を与えることがなく、安定し
て、高精度のパターン修正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における工程を説明する図。
【図2】従来例の工程を説明する図。
【図3】本発明の方法において形成される溝の具体例を
示す図。
【図4】本発明の方法において形成される溝の他の具体
例を示す図。
【図5】本発明の方法において形成される溝のもう1つ
の具体例を示す図。
【符号の説明】
10 マスクパターン本体 11 透光部 12 黒欠陥部分 13 クロム薄膜部分 14 非晶質炭素膜 15 溝 16 マスクパターンの欠落部分 17 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/027 H05K 3/00 E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に薄膜からなるマスクパター
    ンを有する露光用マスクの、前記マスクパターンに隣接
    して余剰に存在する黒欠陥部分を除去するマスクパター
    ンの欠陥修正方法において、 前記黒欠陥部分に隣接するマスクパターンの領域に、熱
    伝導防止用の溝を設ける第1の工程、 前記黒欠陥部分およびこれと前記溝とによって画定され
    るマスクパターンの領域にレーザ光を照射して、前記黒
    欠陥部分および前記マスクパターンの領域を熱蒸発させ
    ることにより除去する第2の工程、およびマスクパター
    ンの欠落部分に膜材料を供給しながら、イオンビームを
    照射して前記膜材料またはその反応物からなる膜を形成
    する第3の工程、を含むことを特徴とするマスクパター
    ンの欠陥修正方法。
  2. 【請求項2】 第1の工程において形成される溝が連通
    しており、マスクパターン本体と、黒欠陥部分およびこ
    れに隣接するマスクパターンの領域とが分離している、
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 第1の工程において形成される溝が黒欠
    陥部分に隣接するマスクパターン領域の周辺に選択的に
    形成され、マスクパターン本体と、黒欠陥部分およびこ
    れに隣接するマスクパターンの領域とが部分的に接触し
    ている、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 第1の工程において形成される溝におい
    て透明基板が露出している、請求項1〜3のいずれか一
    項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 溝の形成をイオンビームを用いるエッチ
    ングにより行なう、請求項1〜4のいずれか一項に記載
    の方法。
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