JPH07191434A - 自動繰出し装着型写真フィルムカートリッジ - Google Patents

自動繰出し装着型写真フィルムカートリッジ

Info

Publication number
JPH07191434A
JPH07191434A JP33206093A JP33206093A JPH07191434A JP H07191434 A JPH07191434 A JP H07191434A JP 33206093 A JP33206093 A JP 33206093A JP 33206093 A JP33206093 A JP 33206093A JP H07191434 A JPH07191434 A JP H07191434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
photographic film
cartridge
layer
spool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33206093A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Takada
昌人 高田
Takatoshi Yajima
孝敏 矢島
Hideyuki Kobayashi
英幸 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP33206093A priority Critical patent/JPH07191434A/ja
Publication of JPH07191434A publication Critical patent/JPH07191434A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】下記〜のいずれかの構成による。 支持体の一方の面に感光性ハロゲン化銀乳剤層を含
む写真構成層を設けた写真フィルム又はこれを現像処理
した写真フィルムの熱処理後の巻ぐせカール度が90m-1
〜130m-1であり、該写真フィルムの定尺全長をロール状
に巻込んでカートリッジ殻内部に納め、前記内部にカメ
ラ機構と係合してフィルムを繰出す手段を設けた自動繰
出し装着型写真フィルムカートリッジ。 スプールの外径が10mm以下であり、カートリッジ殻
の内径が22mm以下である。 写真フィルムの支持体が2層以上のポリエステル積
層フィルムであり、厚みを二等分する位置を中心とし
て、その両側の積層構造が互いに非対称である。 【効果】カートリッジ外へあらかじめ引き出された舌端
部を有せず、カメラへの装填が容易で、かつ、フィルム
の自動繰り出し、搬送性に信頼の高い、写真フィルムお
よび現像済み写真フィルムの収納用カートリッジを提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真用フィルムカートリ
ッジに関し、詳しくは、カメラへの装填が容易で、か
つ、フィルムの自動繰出し装置の信頼性が高く、さらに
現像済みフィルムの自動繰出しの信頼性の高い写真フィ
ルムカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】一般撮影用フィルムとして、従来よりJI
S 135 パトローネとして知られたロール状フィルムが広
く用いられてきた。撮影時にはユーザーがカートリッジ
殻から予め引き出されてフィルムの舌端部をカメラの巻
取り用スプールに巻つけるという煩わしい操作が必要で
あった。又近年普及が進んだ自動装填式カメラであって
もユーザーがフィルム舌端部を所定の位置まで引き出し
てセットするという操作が求められるものが多く、完全
に自動装填が可能なフィルムカートリッジ及びそれに適
合するカメラが求められていた。
【0003】米国特許4,841,319号、4,834,306号、4,84
8,693号、4,832,275号、及び、4,846,418号等には上記
問題点を改良したフィルムカートリッジ及びカメラが開
示されている。この技術はロール状の定尺フィルム全部
がフィルムカートリッジ内に収納されており、カメラへ
の装填の後フィルムカートリッジとカメラとの接合手段
によりフィルムがカートリッジより繰り出されるという
ことを特徴としている。これによりフィルム装着は簡便
化された。しかしながら前記改良技術においては、カメ
ラの駆動系によってスプールを回転させ、フィルムカセ
ットからフィルム舌端部を繰り出す際フィルムの繰り出
し不良が発生するという問題があった。更に繰り出され
たフィルムの舌端部はカメラの露光洞口部を横切って、
ガイドローラーとゴムリールを通して、巻取りスプール
室へ差し渡されることが必要であるが、フィルム先端部
が露光洞口内へ曲がり込んだり或いは洞口部縁に突掛か
るとか、ゴムリールへの巻き付き不良等のトラブルが発
生し改善の必要があった。
【0004】また、従来現像処理後の写真フィルムは、
数コマ単位でシート状に断裁してネガシートに収納して
返却されていたが、特開平1-279250号、同4-124658号、
同4-204844号、同4-204846号等において、現像処理後の
写真フィルムをカートリッジに収納して返却すること
で、収納の簡便化を達成する方法が提案されている。こ
の方法は、現像済みフィルムをカートリッジ内部にロー
ル状に巻き込んで、必要に応じて送り出して映像情報を
取り出すことができるもので、この場合も前記と同様
に、カートリッジから現像処理済みフィルムの舌端部を
繰り出す際の繰り出し不良、プリンター等の露光機器で
の搬送不良等のトラブルが発生し改善の必要があった。
【0005】この問題点を解決するために、例えば、特
開平4-116549号には、写真フィルムの巾手カールを規定
することで、また、特開平4-110940号、同4-124658号、
同4-124659号には乳剤層やバッキング層の摩擦係数を規
定することで、カートリッジからの繰り出し不良を改良
する技術が開示されている。しかしながら、これらの物
性値を規定した場合においても、フィルムの長手方向、
つまり搬送方向での形状に大きく影響されて搬送不良が
発生し、充分な解決策とはなっていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
して、本発明の課題は、カートリッジ内に定尺全長ロー
ル状に巻き込まれ収納された写真フィルム、または現像
処理済写真フィルムが、カメラ、または露光機器に装填
された際、順調に自動繰り出しが行われるフィルムカー
トリッジの提供にある。より詳しくは、写真フィルム、
または現像済み写真フィルムの搬送方向、つまり長手方
向の形状をコントロールすることで、上記フィルムカー
トリッジにおける自動繰り出し、搬送性の信頼性をより
高めることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下
記構成〜のいずれかにより達成される。
【0008】 支持体の一方の面に感光性ハロゲン化
銀乳剤層を含む写真構成層を設けた写真フィルムの熱処
理後の巻ぐせカール度が90m-1〜130m-1であり、該写真
フィルムの定尺全長をロール状に巻込んでカートリッジ
殻内部に納め、前記内部にカメラ機構と係合してフィル
ムを繰出す手段を設けた自動繰出し装着型写真フィルム
カートリッジ。
【0009】 現像処理した写真フィルムの熱処理後
の巻ぐせカール度が90m-1〜130m-1であり、該現像済み
写真フィルムの定尺全長をロール状に巻込んでカートリ
ッジ殻内部に納め、前記内部にフィルムを繰出す手段を
設けた自動繰出し装着型写真フィルムカートリッジ。
【0010】 スプールの外径が10mm以下であり、カ
ートリッジ殻の内径が22mm以下であることを特徴とする
前記またはに記載の自動繰出し装着型写真フィルム
カートリッジ。
【0011】 写真フィルムの支持体が2層以上のポ
リエステル積層フィルムであることを特徴とする前記
からのいずれかに記載の自動繰出し装着型写真フィル
ムカートリッジ。
【0012】 写真フィルムの支持体が2層以上のポ
リエステル積層フィルムであり、厚みを二等分する位置
を中心として、その両側の積層構造が互いに非対称であ
ることを特徴とする前記からのいずれかに記載の自
動繰出し装着型写真フィルムカートリッジ。
【0013】以下、本発明について具体的に説明する。
【0014】本発明の課題に沿って検討を進めた結果、
フィルム定尺全長を完全にカートリッジ殻内に巻き込ん
だフィルムスクロールからフィルム先端を繰り出す際の
繰り出し不良、搬送不良、及びカメラ露光洞口部におけ
る作動支障は、ロール状写真フィルム、または現像済み
ロール状写真フィルムの長手方向、つまり搬送方向の巻
きぐせカールの値に大きく影響されることを突き止め
た。
【0015】巻きぐせカールが強すぎると、スプールを
回転させフィルム舌端部を繰りだそうとしても、カート
リッジ内でフィルム舌端部がフィルム自身に強く巻き付
き分離困難となる。送り出されたとしても、露光洞口部
を通って巻き取りスプール室へ搬送される際に、ガイド
ローラー等への巻き付き不良等によりトラブルが発生し
易い。
【0016】一方、巻きぐせカールが弱すぎると、カー
トリッジ内でフィルム舌端部がカートリッジ内壁部に強
く押しつけられた状態となるため、スプールを回転させ
てもカートリッジ繰り出し口への送給が困難となる。
【0017】この巻きぐせカールの大きさは、カートリ
ッジのサイズに依存して変化するが、カートリッジと巻
きぐせとの相関は変化せず、巻きぐせカールと舌端部の
繰り出し性、搬送性との間には一定の関係があることが
分かった。そして、以下に示す熱処理後の巻きぐせカー
ル度がある値の範囲にあれば、カートリッジサイズが変
化しても、舌端部の繰り出し性、搬送性は常に良好に保
たれることが分かった。
【0018】つまり、繰り出し不良、露光洞口での作動
支障をふせぐには、写真フィルム、または現像済み写真
フィルムの熱処理後の巻きぐせカール度が90m-1から130
m-1の間に収まっていることが必要なことが分かった。
更に好ましくは95m-1から125m-1、更に好ましくは100m
-1から120m-1である。
【0019】本発明でいう熱処理後の巻きぐせカールと
は、写真フィルム、または現像済み写真フィルムがロー
ル状に巻いて発生する長手方向の巻きぐせカールをい
い、カールしたフィルムの曲率半径R(m)の逆数 1
/R(m-1)で表される。熱処理後の巻きぐせカールの
具体的な測定方法としては、以下のようである。
【0020】−熱処理後の巻きぐせカール度の評価方法
− サンプルサイズが12cm(長手方向)×35mm(巾手方向)
である試料としての写真フィルム、または現像済み写真
フィルムを23℃、55%RHの条件下で1日かけて調湿した
後に、直径が10.8mの巻芯に感光性乳剤層が巻き内とな
るようにこれを巻き、55℃、20%RHの条件下で4時間か
けて熱処理を行った。その後に、23℃、55%RHの雰囲気
下で30分かけて放冷した後に、巻芯から解放し、1分経
過後にフィルムの巻きぐせカール度を測定する。そし
て、カール度を1/R(m-1)で表す。このRは、カー
ルしたフィルムの曲率半径を表し、単位はm(メート
ル)である。この場合、感光性乳剤層を凹面とするカー
ルをプラス(+)、逆に凸面とするカールをマイナス
(−)とする。カール実測には、各曲率に対応させて曲
率定規群を準備し、カールした試料を該曲線にあてが
い、最も近似する曲線の曲率を以て試料のカールとす
る。
【0021】写真フィルムの巻きぐせをコントロールす
るには、写真フィルムの厚みの大部分を占める写真用支
持体を適宜選択してコントロールするのが好ましい。
【0022】本発明の写真フィルムに用いられる写真用
支持体(以下支持体と略す)としては、前記熱処理後の
巻きぐせカール度の条件を満たすものであれば特に制限
はない。巻きぐせカールをコントロールするという目的
では2層以上のポリエステル積層フィルムが好ましく、
各ポリエステル層は、下記のポリエステル、共重合ポリ
エステルより適宜選択できる。
【0023】−ポリエステルおよび共重合ポリエステル
− ポリエステル層を形成する素材としてのポリエステルと
しては、ジカルボン酸とジオールとの繰り返し単位を主
構成成分とするものを言い、好ましくは芳香族二塩基酸
とグリコールとの繰り返し単位を主構成成分とするポリ
エステルを挙げることができる。
【0024】前記二塩基酸としては、例えばテレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸類などがあ
り、ジオールもしくはグリコールとしては、例えばエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメ
タノール、ジエチレングリコール、p-キシレングリコー
ルなどがある。なかでもテレフタル酸とエチレングリコ
ールとを主構成成分とするポリエチレンテレフタレート
と2,6-ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールを
主構成成分とするポリエチレン-2,6-ナフタレートが好
ましい。
【0025】また、ポリエステル本来の優れた性質を損
なわない範囲で、これらの主たる繰り返し単位が85モル
%以上、好ましくは90モル%以上の共重合体であっても
良いし、他のポリマーがブレンドされていても良い。
【0026】好ましいポリエステルの固有粘度として
は、特に限定されないが、積層フィルム作製時の延伸性
の観点から、0.45〜0.80が好ましく、特に0.55〜0.70が
好ましい。
【0027】共重合ポリエステル層を形成するのに用い
られる共重合ポリエステルとしては、金属スルホネート
基を有する芳香族ジカルボン酸を共重合成分とし、ジカ
ルボン酸とジオールとの繰り返し単位を主構成成分と
し、好ましくは芳香族二塩基酸とグリコールを主構成成
分とする共重合ポリエステルを挙げることができる。更
に又、この発明においては、共重合ポリエステルとし
て、前記共重合ポリエステルと前記ポリエステルとのブ
レンド物をも挙げることができる。
【0028】前記二塩基酸としては、例えばテレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸類などがあ
り、グリコールとしては、例えばエチレングリコール、
プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチ
レングリコール、p-キシレングリコールなどがある。共
重合ポリエステルとしては、なかでもテレフタル酸とエ
チレングリコールを主構成成分とする共重合ポリエチレ
ンテレフタレートと2,6-ナフタレンジカルボン酸とエチ
レングリコールを主構成成分とする共重合ポリエチレン
-2,6-ナフタレートが好ましい。
【0029】また、共重合ポリエステルの好ましい固有
粘度としては、特に限定されないが、積層フィルム作製
時の延伸性の観点から、0.35〜0.75が好ましく、特に0.
45〜0.65が好ましい。
【0030】共重合ポリエステルにおける共重合成分と
しての金属スルホネート基を含有する芳香族ジカルボン
酸は、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、2-ナトリウム
スルホテレフタル酸、4-ナトリウムスルホテレフタル
酸、4-ナトリウムスルホ-2,6-ナフタレンジカルボン酸
もしくは下記化1で示されるエステル形成性誘導体、及
びこれらのナトリウムを他の金属例えばカリウム、リチ
ウムなどで置換した化合物を挙げることができる。
【0031】
【化1】
【0032】前記共重合ポリエステルは、本発明の効果
を損なわない範囲で共重合成分として、ポリアルキレン
グリコール類及び/又は飽和脂肪族ジカルボン酸を含有
しているのが好ましい。
【0033】前記ポリアルキレングリコール類として
は、ポリエチレングリコール,ポリテトラメチレングリ
コールやその誘導体などが用いられるが、このうち
(a)式で示されるポリエチレングリコールが好まし
く、分子量は特に限定されないが300〜20000が好まし
く、更に好ましくは600〜10000、特に1000〜5000のもの
が好ましく用いられる。
【0034】 H(O−CH2CH2)n−OH (a) また、ポリアルキレングリコール類としては、ポリエチ
レングリコールの末端-Hを-CH2COOR(R:Hまたは炭素
数1〜10のアルキル基、n:正の整数)に置換した
(b)式で示されるようなポリエチレンオキシジカルボ
ン酸や、(c)式で示されるようなポリエーテルジカル
ボン酸(R′:炭素数2〜10のアルキレン基、n:正の
整数)などを用いても同様の効果が得られる。
【0035】 ROOCCH2−(O−CH2CH2)n−OCH2COOR (b) ROOCCH2−(O−R′)n−OCH2COOR (c) (b),(c)式で示される化合物についても分子量は
特に限定されないが、300〜20000が好ましく、更に好ま
しくは600〜10000、特に1000〜5000のものが好ましく用
いられる。
【0036】飽和脂肪族ジカルボン酸としては、例えば
そのエステル形成誘導体が好ましく、アジピン酸、セバ
シン酸のエステルであるアジピン酸ジメチル、セバシン
酸ジメチルなどが用いられる。好ましくはアジピン酸ジ
メチルである。
【0037】本発明に用いられる共重合ポリエステルに
は、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に他の成分が
共重合されていても良いし、他のポリマーがブレンドさ
れていてもかまわない。
【0038】また、支持体としてさらに好ましくは、以
下のような写真フィルムの支持体が2層以上のポリエス
テル積層フィルムであり、更に好ましくは厚みを2等分
する位置を中心として、その両側の積層構造が互いに非
対称であることが好ましい。
【0039】二層構成の場合は、好ましくは該フィルム
を形成する二層はポリエステル層からなることが好まし
く、厚みは同じであっても異なってもよいが、更に好ま
しくは該積層フィルムの上下層のポリエステル種が主構
成成分もしくは、主構成成分量が異なるとか、共重合成
分又は共重合成分量が異なることが好ましい。例えば、
特に限定されないがポリエステル層と共重合ポリエステ
ル層、共重合ポリエステル層と共重合ポリエステル層と
からなっていてもよい。共重合成分としては金属スルホ
ネート基を有する芳香族ジカルボン酸を含有することが
好ましく、更に、ポリアルキレングリコール及び/又は
飽和脂肪族ジカルボン酸を含有することが好ましい。こ
の場合、用いられる共重合ポリエステル中の共重合成分
としては、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボ
ン酸を全エステル結合に対して2〜7モル%含有して、
さらに共重合成分としてポリアルキレングリコール類お
よび/又は飽和脂肪族ジカルボン酸を該共重合成分の全
重量に対して3〜10重量%含有することが特に好まし
い。
【0040】三層構成の場合は外層二層はポリエステル
層からなることが好ましいが、本発明の効果を損なわな
ければ中央の層はポリエステル層であっても、他の素
材、特に限定されないがポリカーボネート、ポリエーテ
ル、ポリアミド、ポリイミド、ポリフタルアミド、ポリ
フタルイミドなどであってもよい。好ましくは三層全て
がポリエステル層からなることが好ましい。層構成とし
て好ましくは、外層の厚みは異なることが好ましく、外
層のそれぞれの層の厚みを厚いほうからdA,dBとした
場合、好ましくは、その比dA/dBは、とくに限定され
ないが、1.1≦dA/dB≦5、好ましくは 1.3≦dA/d
B≦3である。又、三層構成の場合は、外層の厚みは同
じであっても異なってもよいが、該積層フィルムの外層
である上下層のポリエステル種が主構成成分もしくは、
主構成成分量が異なるとか、共重合成分又は共重合成分
量が異なる、さらには固有粘度が異なることが好まし
い。この場合、用いられる共重合ポリエステル中の共重
合成分としては、金属スルホネート基を有する芳香族ジ
カルボン酸を全エステル結合に対して2〜7モル%含有
して、さらに共重合成分としてポリアルキレングリコー
ル類および/又は飽和脂肪族ジカルボン酸を該共重合成
分の全重量に対して3〜10重量%含有することが特に好
ましい。三層からなる場合はこれら上記の項目を適宜調
節することによって、該積層フィルムに巾方向のカール
を付与することができる。固有粘度の差ΔIVが0.02〜0.
5、好ましくは0.05〜0.4、特に好ましくは0.1〜0.3であ
る。
【0041】ここでいう非対称とは特に限定されない
が、例えばポリエステル層または他の素材からなる層の
構成順序、ポリエステル層または他の素材からなる層の
厚さ、半分に分割する面の上下でのポリエステル種の主
構成成分量が異なるとか、共重合成分又は共重合成分量
が異なるとか、さらには固有粘度が異なることも含まれ
る。
【0042】これら積層フィルムの非対称性を測定する
方法としては、各種分析機器を用いて行うことができ、
特に限定されないが、層構成についてはフィルムの断面
を顕微鏡観察、顕微鏡写真を撮影することができる。ま
た、該フィルムを顕微鏡観察を行いながら、各層を削り
取るか、フィルムを半分に分割する面まで、それぞれ上
下から削り取り上下の層それぞれの分析対象物を得て、
加水分解をおこない液体クロマトグラフィーとかNMR
とかの各種測定装置で測定してもよいし、分析対象物を
溶媒に溶解後にNMR、GPC(ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー)等、固有粘度を測定してもよい
し、分析対象物をそのまま粉末でX線分光機器、もしく
はKBr等に混ぜてIR(赤外分光機器)等の測定をす
ることができ、結果として絶対量、もしくはそれに相当
する測定結果のピークの位置、強度の違い等でも非対称
性を測定することができる。
【0043】本発明のフィルムは、二層の積層構成から
なる場合には、ポリエステル層と共重合ポリエステル層
の場合は通常共重合ポリエステル層側が凹面の巾方向の
カールを有するし、共重合ポリエステル層同士の場合は
膜厚、組成量を適宜調節することで巾方向のカールを調
節することができる。三層構成の場合には、外層に共重
合ポリエステル層の場合には通常は前述のdA側が凹面
の巾方向のカールを付与することができるし、内層に共
重合ポリエステル層、外層にポリエステル層の場合に
は、通常dB側が凹面の巾手カールを付与することがで
きる。また、本発明のフィルムは二層、三層、四層以上
であっても、これらに限定されるわけでなく、適宜本発
明の前述の層構成、膜厚、共重合成分量等の前述の項目
を適宜調節して巾手カールを付与することができる。
【0044】本発明に用いられるカートリッジ殻の構成
は、引き出されたフィルム舌端がなく、定尺全長をカー
トリッジ殻内にロール状に巻き込む態様であり、かつ、
その内部にカメラ機構と係合してフィルムを繰り出す手
段を有するものであれば、既に開示されたフィルムカー
トリッジ態様であってもよい。
【0045】カートリッジおよびスプールのサイズにつ
いては、特に限定されないが、カメラの小型化に有利な
小さいほうが好ましい。具体的には、スプールの外径
(直径)が10mm以下、カートリッジ殻の内径(直径)が
22mm以下であることが好ましい。
【0046】具体的には、以下に示す可撓性フランジの
タイプのものや分割フランジタイプ等が挙げられるがこ
れに限定されるものではない。
【0047】可撓性フランジとしては、スプールにフィ
ルムが巻かれたスクロールがそのフィルム先端部ととも
にパトローネ内に回転自在に収納され、該スプールを回
転駆動させることにより、スプールに付設された可撓性
フランジに挟持されたフィルム先端部がパトローネ送り
出し口から送出されるようにしたパトローネは、米国特
許4,832,275号や同4,834,306号に提案されている。
【0048】次に、分割フランジタイプのものを説明す
る。このようなタイプのカートリッジの例として以下の
ようであるが、これに限定されるものではない。
【0049】本発明のカートリッジの第1の実施例を図
を用いて説明する。
【0050】図1は本発明の写真フィルム用カートリッ
ジ200を組み立てた状態の斜視図であり、図3はその分
解斜視図である。即ち、カートリッジ200の本体は上ケ
ース1と下ケース2とからなり、それに図3(b)の斜
視図に示すようなスプール5の巻軸8に巻かれたフィル
ム6のスクロール10がそのハブ5Aの部分をケース1,
2の受け部12に回転自在に支承されて組み立てられてい
る。
【0051】上下のケース1及び2には前記スクロール
10の外周部のフィルム6を受ける円弧状の凸状リブ11が
フィルム幅方向両側に設けられ、中間部にはそれよりも
低い同じく円弧状の凸状リブ16がカートリッジの上下の
ケース1,2を補強するために設けてある。
【0052】そして、フィルム6が出入する送り出し兼
巻き取り用の送り出し口3が設けられ、その部分の上下
ケース1,2には遮光布(テレンプ)4が貼付されてい
る。そして、上下のケース1,2の接合面は、インロー
方式の合わせ目が形成されそこから外光が進入して来る
ことはない。勿論、ケースの材質はカーボンブラック等
が混練され写真フィルムに対して写真特性を損なうこと
のない合成樹脂材料が使われる。また、図3(a)の斜
視図及び図4のスプール軸垂直方向断面図に示すように
下ケース2の片側の凸状リブ11に近いところにフィルム
の先端分離部材13が爪状に設けられている。
【0053】更に、図3(c)の斜視図及び図2のスプ
ール軸方向断面図に示すように上ケース1の中でスプー
ル5の両側のフランジ7の少なくとも一方の近傍にフラ
ンジ押えリブ15が板カム状に設けられている。
【0054】一方、図3(b)の斜視図に示すようにス
プール5のハブ5Aの内側で、スプール軸方向両側に設
けられ、巻かれるフィルムの両サイドのガイドをするフ
ランジ7はスリットで放射状部材7Aに分割されてい
る。そして、該スプール5のハブ5Aがカメラの駆動軸
と連結して回転駆動されるフランジ7を一体で回転し前
記フランジ押えリブ15の所で各放射状部材7Aは図2の
断面図に示すように斜めに傾かされスクロール10の外周
部のフィルム6は回転するスプールの両側フランジ7の
各放射状部材7Aによって挟持され送り出し駆動力が伝
達されることになる。このとき前記先端分離部材13によ
って、図5(a)に示すスクロール10の先端のフィルム
6は図5(b)に示すように掬い上げられ、図5(c)
に示すように送り出し口3に送り出されるようになる。
【0055】カートリッジ200の何れかをカメラ100に装
填した状態が図7の模式図に示すものである。即ち、レ
ンズ108を有するカメラ100の本体101のカートリッジ装
填室にフィルム6の先端がスクロール10と共に収納され
たカートリッジ200が装填されており、その本体101には
アパーチャー102及び圧板103と磁気ヘッド107とフィル
ム巻取室106とフィルム巻取スプール105が配置されてお
り、この状態でカメラ100のフィルム送り出し駆動が、
カートリッジ200のスプール5又は50のハブ5A,又は5
1に伝達されると、フィルム6の先端部はカートリッジ
の送り出し口3から送出されアパーチャー102と圧板103
の間を通り、更に磁気ヘッド107の押圧を受けながらカ
メラの巻取スプール105まで送出されて、該巻取スプー
ル105にフィルム先端が自動的に係止される。ここで、
カメラのフィルム送り出し駆動は切られ、各撮影に応じ
て巻取軸の駆動がかかりカメラ内の巻取駆動力によりカ
ートリッジ内のフィルムスクロールのフィルムは撮影毎
に引き出されてゆくようにしてある。
【0056】そして、カメラ内でカメラのフィルム送り
出し駆動伝達によりカートリッジ内のフィルムが送り出
されて行くことになるが、その推進力が900g・cm程度
以下であれば、従来の圧板抵抗に加えてヘッド装着によ
る摩擦抵抗が加わっても充分余裕をもって電池の耐用
性、カメラの小型化等の要望に対応できることがわかっ
た。
【0057】即ち、最大この程度のトルクで送り出され
るようにしておかないと、逆にカメラの巻取りによって
引き出される抵抗も大きくなりカメラの低動力化、小型
化を阻害するようになり好ましくない。
【0058】−ハロゲン化銀乳剤層− ハロゲン化銀乳剤層は、ハロゲン化銀およびその他の成
分を含有するハロゲン化銀乳剤を、ポリエステルフィル
ム支持体の一方または両方の面における表面に、直接ま
たは間接的に種々の方法により塗設することにより形成
することができる。
【0059】なお、前記ハロゲン化銀乳剤はポリエステ
ルフィルム支持体上に直接に塗設されるか、あるいは他
の層例えばハロゲン化銀乳剤を含まない親水性コロイド
層を介して塗設されることができ、さらにハロゲン化銀
乳剤層の上には、保護層としての親水性コロイド層を塗
設しても良い。また、ハロゲン化銀乳剤層は、異なる感
度、例えば高感度および低感度の各ハロゲン化銀乳剤層
に分けて塗設しても良い。この場合、各ハロゲン化銀乳
剤層の間に、中間層を設けても良い。すなわち、必要に
応じて親水性コロイドからなる中間層を設けても良い。
また、ハロゲン化銀乳剤層と保護層との間に、中間層、
保護層、アンチハレーション層、バック層などの非感光
性親水性コロイド層を設けても良い。
【0060】ハロゲン化銀乳剤に使用するハロゲン化銀
としては、任意の組成のものを使用することができる。
例えば、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、純臭化銀もし
くは沃臭化銀等を挙げることができる。
【0061】また、このハロゲン化銀乳剤は、バインダ
ー、増感色素、可塑剤、帯電防止剤、界面活性剤、硬膜
剤等のその他の成分を含有することができる。
【0062】前記ハロゲン化銀乳剤層を塗設する方法と
しては、ディップコート、エアーナイフコート、カーテ
ンコート、エクストルージョンコート等種々の方法を用
いて、一層づつまたは多層同時に塗布することができ
る。
【0063】親水性コロイドの乳剤層における含有量と
しては0.5〜30g/m2である。
【0064】−バック層− バック層は、ゼラチンとその他の成分とを含有するバッ
ク層用塗料を、ポリエステルフィルム支持体のハロゲン
化銀乳剤層が形成されている面とは反対側の面に、単数
または複数の層に塗設することにより、形成することが
できる。
【0065】なお、この発明においては、前記バック層
における最外層にフッ素系アニオン性界面活性剤とフッ
素系カチオン性界面活性剤とを含有してもよい。
【0066】前記ゼラチンとしては、石灰処理ゼラチ
ン、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン、また、ゼ
ラチンの加水分解や酵素分解物その他のゼラチンから誘
導されるゼラチンも用いることができる。
【0067】この発明におけるバック層は、更にその他
の成分として、親水性コロイド、マット剤、滑り剤、界
面活性剤、硬膜剤、染料、増粘剤、ポリマーラテックス
等のそれ自体公知の化合物を含有することができる。
【0068】前記親水性コロイドとしては、ゼラチンと
同様の性質を有するような化合物、例えば、天然または
合成の親水性ポリマーを挙げることができる。親水性コ
ロイドのバック層における含有量としては特に限定され
ないが、好ましくは0.1〜15g/m2である。
【0069】前記マット剤、滑り剤、界面活性剤、硬膜
剤については、例えば、リサーチディスクロージャー
(Research Disclosure),17643号(1978)における、
XVI項、XII項、XI項およびX項にそれぞれ記載されて
いる化合物を使用することができる。
【0070】この発明におけるバック層の厚みとして
は、フィルム全体の厚み、逆カール防止、カールバラン
ス等を考慮して、通常、0.5〜15μmであり、好ましくは
2〜10μmである。また、バック層は2種以上で形成さ
れていてもよい。
【0071】また本発明のバック層に磁気記録層を設け
ることもできる。磁気記録層に用いられる磁性体微粉末
としては、金属磁性粉末、酸化鉄磁性粉末、Coドープ酸
化鉄磁性体粉末、二酸化クロム磁性体粉末、バリュウム
フェライト磁性体粉末などが使用できる。
【0072】これらの磁性体粉末の製法は既知であり、
本発明で用いられる磁性体粉末についても公知の方法に
したがって製造することができる。
【0073】−ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理− この発明に係るハロゲン化銀写真感光材料を現像処理す
るには、例えばT.H.ジェームズ著、セオリィー オブ ザ
フォトグラフィック プロセス 第4版(TheTheory of
The Photographic Process, Fourth Edition)第291頁
〜第334頁およびジャーナル オブ ザ アメリカン ケミ
カル ソサエティ(Journal of the American Chemical
Society)第73巻の第3,100頁(1951)に記載されてい
る、それ自体公知の現像剤を使用することができる。
【0074】
【実施例】以下に本発明の実施例を詳細に記述するが、
本発明がこれに限定されるものでないことは言うまでも
ない。
【0075】実施例1 A.支持体1〜11の製造 (支持体1の作成)TAC支持体を以下のように製造し
た。すなわちTAC樹脂フレーク(酢化度60.3〜61.6
%)15.7重量部、トリフェニルホスフェート1.6重量
部、をメチレンクロライド:エタノール(84:16)混合
溶剤82.7重量部に溶解したドープを回転しているエンド
レンのステンレスベルト上に乾燥後の厚さが125μmにそ
れぞれなるような厚さに流延し、各ドープ重量が約1/
10になるまでベルト上で乾燥し、1回転したところでド
ープ膜を剥離し、複数の回転ロール上を搬送しながら加
熱・乾燥しながら、残留溶媒が10%以下になったところ
で、まず片面に下記の下引液を片面20ml/m2になるよう
にロールコーターで塗布し、120℃、15秒乾燥し、次に
その反対側の片面に下記の帯電防止加工液を18ml/m2
なるように同様に塗布し、115℃、15秒乾燥し、加工済
みTAC支持体をそれぞれ作成し、次に感光材料の製造
に供した。
【0076】 (乳剤側下引液) 酢酸ビニル〜無水マレイン酸共重合体 4.3g アセトン 550ml エチルアセテート 135ml イソプロパノール 40ml 超微粒子シリカ(Aerosil 200、日本アエロジル社製) 0.01g (帯電防止加工液) アルミナゾルAS−100(日産化学工業株式会社製)* 40g アセトン 550ml メタノール 400ml ジメチルホルムアミド 100ml (*以下このアルミナゾルによる帯電防止層をASと略
す) (支持体2の作成)Tダイスから280℃でフィルム状に
溶融押出したポリエチレンテレフタレート(PET)
(固有粘度0.65)を冷却ドラム上で急冷固化されて未延
伸フィルムを作製し、タテ方向の延伸時に支持体の乳剤
側の表温度が85℃、支持体のバッキング層側の表面温度
が75℃となるように3倍に延伸し、さらに100℃でヨコ
方向に3倍延伸した後に、220℃で熱固定して厚み75μm
のポリエステルフィルム支持体2を得た。
【0077】(支持体3の作成)テレフタル酸ジメチル
100重量部、エチレングリコール64重量部、およびエス
テル交換触媒として酢酸カルシウムの水和物 0.1重量部
を添加して、常法によりエステル交換反応を行った。
【0078】得られた生成物に、5-ナトリウムスルホ−
ジ(β-ヒドロキシエチル)イソフタル酸(略号;SI
P)のエチレングリコール溶液(濃度35重量%)28重量
部、およびポリエチレングリコール(略号;PEG)
(数平均分子量:3000)8.1重量部を添加し、次いで、
三酸化アンチモン0.05重量部、リン酸トリメチルエステ
ル0.13重量部、酸化防止剤としてイルガノックス1010
(CIBA-GEIGY社製)0.2重量部および水酸化ナトリウム
0.02重量部を添加した。次いで徐々に昇温、減圧にし、
280℃、0.5mmHgの条件で重合を行ない固有粘度0.55の
共重合ポリエステルM1を得た。
【0079】前記共重合ポリエステル(M1)を、150℃
で真空乾燥した後に、押出機を用いて、285℃で溶融押
出し、冷却ドラム上で急冷固化させてポリエステル未延
伸フィルムを作成した。この未延伸フィルムを、85℃で
タテ方向に3.5倍延伸し、さらに95℃でヨコ方向に3.5倍
延伸した後に、210℃で熱固定して厚み90μmのポリエス
テルフィルム支持体3を得た。
【0080】(支持体4の作成)テレフタル酸ジメチル
100重量部、エチレングリコール70重量部、5-ナトリウ
ムスルホイソフタル酸ジメチル10重量部およびアジピン
酸ジメチル10重量部に、酢酸カルシウム0.1重量部およ
び三酸化アンチモン0.03重量部を添加し、常法によりエ
ステル交換反応を行った。得られた生成物にリン酸トリ
メチルエステル0.05重量部を添加し、徐々に昇温、減圧
にし、最終的に280℃、1mmHg以下で重合を行い共重合
ポリエステル M2を得た。共重合ポリエステル M2を
常法で乾燥した後、280℃で溶融押出しし、未延伸シー
トを作成した。次いで、90℃で縦方向に3.5倍、95℃で
横方向に3.7倍逐次延伸した後、200℃で5秒間熱固定し
て厚さ90μmの共重合ポリエステル(M2)フィルム支持
体4を得た。
【0081】(支持体5作成)支持体3の作成におい
て、SIPのエチレングリコール溶液の添加量を14重
量部、PEGの添加量を2重量部にして共重合ポリエス
テル M3とした以外は支持体3の作成と同様にして支持
体5を得た。
【0082】(支持体6〜9の作成)前記共重合ポリエ
ステル(M1)と、前記ポリエチレンテレフタレート
(PET)とを用いて、以下のようにして写真用支持体
を得た。
【0083】共重合ポリエステル(M1)およびポリエ
チレンテレフタレート(P)を、各々150℃で真空乾燥
した後に、3台の押出機を用いて、285℃で溶融押出
し、支持体の乳剤層塗設側から、共重合ポリエステル
(M1)/ポリエチレンテレフタレート(PET)/共
重合ポリエステル(M1)の厚さの比率が表2に示す層
構成となるようにTダイス内で層状に接合し、冷却ドラ
ム上で急冷固化させてポリエステル積層未延伸フィルム
を作成した。この積層未延伸フィルムを、85℃でタテ方
向に3.5倍延伸し、さらに95℃でヨコ方向に3.5倍延伸し
た後に、210℃で熱固定して厚み90μmのポリエステルフ
ィルム支持体6〜9を得た。
【0084】(支持体10、11の作成)2台の押出機を用
いて支持体の乳剤層塗設側からポリエチレンテレフタレ
ート(PET))/共重合ポリエステル(M1)の厚さ
の比率が表1に示す層構成とした以外は支持体6〜9の
作成と同様にして支持体10、11を得た。
【0085】B.感光材料の作成 支持体1には、乳剤層塗設側に下記の乳剤層を塗設し
た。また、支持体2〜12については、下引層を塗設し
た後に、下記の乳剤層ならびにバック層を塗設して、ハ
ロゲン化銀写真感光材料試料001〜011を作成し
た。
【0086】〈バック層〉 第1層 下記の成分を一緒にディゾルバーで混和し、その後サン
ドミルで分散し、分散液とした。乾燥硬膜2μmになる
ように塗布した。
【0087】 ニトロセルロース 35重量部 ポリウレタン樹脂 35重量部 ラウリル酸 1重量部 オレイン酸 1重量部 ブチルステアレート 1重量部 シクロヘキサノン 75重量部 メチルエチルケトン 150重量部 トルエン 150重量部 Co被着γ-Fe2O3(長幅0.2μm、短軸0.05μm、Hc=650エルステッド) <乳剤層> 第1層;ハレーション防止層(HC) 黒色コロイド銀 0.15g UV吸収剤(UV−1) 0.20g 化合物(CC−1) 0.02g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.20g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.20g ゼラチン 1.6g 第2層;中間層(IL−1) ゼラチン 1.3g 第3層;低感度赤感性乳剤層(RL) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.3μm、平均ヨウド含有量 2.0モル%) 0.4g 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.4μm、平均ヨウド含有量 8.0モル%) 0.3g 増感色素(S−1) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−2) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−3) 0.2×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−1) 0.50g シアンカプラー(C−2) 0.13g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.07g DIR化合物(D−1) 0.006g DIR化合物(D−2) 0.01g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.55g ゼラチン 1.0g 第4層;高感度赤感性乳剤層(RH) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.7μm、平均ヨウド含有量 7.5モル%) 0.9g 増感色素(S−1) 1.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−2) 1.6×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−3) 0.1×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−2) 0.23g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.03g DIR化合物(D−2) 0.02g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.25g ゼラチン 1.0g 第5層;中間層(IL−2) ゼラチン 0.8g 第6層;低感度緑感性乳剤層(GL) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.4μm、平均ヨウド含有量 8.0モル%) 0.6g 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.3μm、平均ヨウド含有量 2.0モル%) 0.2g 増感色素(S−4) 6.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−5) 0.8×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.17g マゼンタカプラー(M−2) 0.43g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.10g DIR化合物(D−3) 0.02g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.7g ゼラチン 1.0g 第7層;高感度緑感性乳剤層(GH) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.7μm、平均ヨウド含有量 7.5モル%) 0.9g 増感色素(S−6) 1.1×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−7) 2.0×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−8) 0.3×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.30g マゼンタカプラー(M−2) 0.13g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.04g DIR化合物(D−3) 0.004g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.35g ゼラチン 1.0g 第8層;イエローフィルター層(YC) 黄色コロイド銀 0.1g 添加剤(HS−1) 0.07g 添加剤(HS−2) 0.07g 添加剤(SC−1) 0.12g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.15g ゼラチン 1.0g 第9層;低感度青感性乳剤層(BL) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.3μm、平均ヨウド含有量 2.0モル%) 0.25g 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.4μm、平均ヨウド含有量 8.0モル%) 0.25g 増感色素(S−9) 5.8×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.6g イエローカプラー(Y−2) 0.32g DIR化合物(D−1) 0.003g DIR化合物(D−2) 0.006g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.18g ゼラチン 1.3g 第10層;高感度青感性乳剤層(BH) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.8μm、平均ヨウド含有量 8.5モル%) 0.5g 増感色素(S−10) 3×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−11) 1.2×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.18g イエローカプラー(Y−2) 0.10g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.05g ゼラチン 2.0g 第11層;第1保護層(PRO−1) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.08μm) 0.3g 紫外線吸収剤(UV−1) 0.07g 紫外線吸収剤(UV−2) 0.10g 添加剤(HS−1) 0.2g 添加剤(HS−2) 0.1g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.07g 高沸点溶媒(Oil−3) 0.07g ゼラチン 0.8g 第12層;第2保護層(PRO−2) 化合物(化合物A) 0.04g 化合物(化合物B) 0.004g ポリメチルメタアクリレート(平均粒径:3μm) 0.02g メチルメタアクリレート:エチルメタアクリレート:メタアクリル酸 =3:3:4(重量比)の共重合体(平均粒径:3μm) 0.13g ゼラチン 0.7g なお、上述の感光材料は、さらに、化合物Su−1、S
u−2、粘度調整剤、硬膜剤H−1、H−2、安定剤S
T−1、カブリ防止剤AF−1、AF−2(重量平均分
子量10,000のもの及び 1,100,000のもの)、染料AI−
1,AI−2および化合物DI−1( 9.4mg/m2)を含
有する。
【0088】
【化2】
【0089】
【化3】
【0090】
【化4】
【0091】
【化5】
【0092】
【化6】
【0093】
【化7】
【0094】
【化8】
【0095】
【化9】
【0096】
【化10】
【0097】
【化11】
【0098】(評価方法)以下に記載したような評価を
行い、これらの結果を表1に示した。
【0099】《熱処理後の巻ぐせカール》感光材料試料
001〜011を12cm(長手方向)×35mm(巾手方向)
に切断し、23℃,55%RHの条件下で1日かけて調湿した
後に、直径が10.8mの巻芯に感光性乳剤層が巻き内とな
るようにこれを巻き、55℃,20%RHの条件下で4時間か
けて熱処理を行った。その後に、23℃、55%RHの雰囲気
下で30分かけて放冷した後に、巻芯から解放し、1分経
過後にフィルムの巻きぐせカール度を測定する。
【0100】そして、カール度を1/R(m-1)で表し
た。このRは、カールしたフィルムの曲率半径を表し、
単位はm(メートル)である。この場合、感光性乳剤層
を凹面とするカールをプラス(+)、逆に凸面とするカ
ールをマイナス(−)とする。カール実測には、各曲率
に対応させて曲率定規群を準備し、カールした試料を該
曲線に宛い、最も近似する曲線の曲率を以て試料のカー
ルとした。
【0101】《送り出し性》ハロゲン化銀写真感光材料
試料001〜011を135サイズ、24撮影コマ数分の長
さに切断して、図1〜3に示す写真フィルムカートリッ
ジにフィルム先端部がカートリッジ外部に出ないように
巻き込み収納した。スプール外径は直径7mm、カートリ
ッジ内径は直径18mmであった。前記写真フィルムを収納
したカートリッジを55℃,20%RHの条件下で4時間かけ
て熱処理を行った。その後に、カートリッジからの送り
出しの信頼性を調べるために、回転駆動モーターをスプ
ールに係合させて写真フィルムの舌端部ををカートリッ
ジ外に送す評価を行った。評価は100回行い、送り出し
口から出ない等のトラブル発生回数を計測した。
【0102】《搬送性》ハロゲン化銀写真感光材料試料
001〜011を135サイズ、24撮影コマ数分の長さに
切断して、図1〜3に示す写真フィルムカートリッジに
フィルム先端部がカートリッジ外部に出ないように巻き
込み収納した。スプール外径は直径7mm、カートリッジ
内径は直径18mmであった。前記写真フィルムを収納した
カートリッジを55℃,20%RHの条件下で4時間かけて熱
処理を行った。その後に、図7に示すカメラに装填しフ
ィルム自動装填の信頼性(写真フィルムがカートリッジ
から巻き取りスプール側に送られる際の走行性)の評価
を行った。評価は100回行い、走行、巻き取りミスの発
生回数を計測した。
【0103】
【表1】
【0104】表1から明らかなように、熱処理後の巻き
ぐせカール値が本発明の範囲内にある場合は、範囲外の
比較の試料と比較して、舌端部の送り出し性、ならびに
カートリッジをカメラに装填した場合の写真フィルムの
搬送性に優れていることがわかる。
【0105】実施例2 実施例1において作成した感光材料試料001〜011
を現像処理して、感光材料012〜022とした。感光
材料試料012〜022について、実施例1と同様の方
法で 巻ぐせ、送り出し性の評価を行った。その結果を
表2に示す。
【0106】
【表2】
【0107】表2から明らかなように、現像処理した写
真フィルムの場合においても、熱処理後の巻きぐせカー
ル値が本発明の範囲内にある場合は、範囲外の比較の試
料と比較して、舌端部の送り出し性に優れていることが
わかる。
【0108】
【発明の効果】本発明により、カートリッジ外へあらか
じめ引き出された舌端部を有せず、カメラへの装填が容
易で、かつ、フィルムの自動繰り出し、搬送性に信頼の
高い、写真フィルムおよび現像済み写真フィルムの収納
用カートリッジを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフィルムカートリッジ例の外観斜
視図
【図2】図1のフィルムカートリッジ例のスプール軸方
向断面図
【図3】図1のフィルムカートリッジの分解斜視図
【図4】図1のフィルムカートリッジのスプール軸垂直
方向断面図
【図5】フィルムが送り出される状態の説明図
【図6】本発明に係るスクロールの斜視図
【図7】本発明に係るフィルムカートリッジを装填した
カメラの模式図
【符号の説明】
1 上ケース 2 下ケース 3 送り出し兼巻取り口 5 スプール 5A、51 ハブ 6 フィルム 7、71 フランジ 10 スクロール 15 フランジ押さえリブ 100 カメラ 101 カメラ本体 102 アパーチャー 103 圧板 105 巻き取りスプール 106 フィルム巻取室 107 磁気ヘッド 108 レンズ 200 カートリッジ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の一方の面に感光性ハロゲン化銀
    乳剤層を含む写真構成層を設けた写真フィルムにおい
    て、該フィルムの熱処理後の巻ぐせカール度が90m-1〜1
    30m-1であり、定尺全長をスプールにロール状に巻込ん
    でカートリッジ殻内部に納め、前記内部にカメラ機構と
    係合してフィルムを繰出す手段を設けたことを特徴とす
    る自動繰出し装着型写真フィルムカートリッジ。
  2. 【請求項2】 現像処理した写真フィルムの熱処理後の
    巻ぐせカール度が90m-1〜130m-1であり、該現像済み写
    真フィルムの定尺全長をスプールにロール状に巻込んで
    カートリッジ殻内部に納め、前記内部にフィルムを繰出
    す手段を設けたことを特徴とする自動繰出し装着型写真
    フィルムカートリッジ。
  3. 【請求項3】 スプールの外径が10mm以下であり、カー
    トリッジ殻の内径が22mm以下であることを特徴とする請
    求項1または2記載の自動繰出し装着型写真フィルムカ
    ートリッジ。
  4. 【請求項4】 写真フィルムの支持体が2層以上のポリ
    エステル積層フィルムであることを特徴とする請求項1
    〜3いずれか1項記載の自動繰出し装着型写真フィルム
    カートリッジ。
  5. 【請求項5】 写真フィルムの支持体が2層以上のポリ
    エステル積層フィルムであり、厚みを二等分する位置を
    中心として、その両側の積層構造が互いに非対称である
    ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の自動
    繰出し装着型写真フィルムカートリッジ。
JP33206093A 1993-12-27 1993-12-27 自動繰出し装着型写真フィルムカートリッジ Pending JPH07191434A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33206093A JPH07191434A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 自動繰出し装着型写真フィルムカートリッジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33206093A JPH07191434A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 自動繰出し装着型写真フィルムカートリッジ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07191434A true JPH07191434A (ja) 1995-07-28

Family

ID=18250699

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33206093A Pending JPH07191434A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 自動繰出し装着型写真フィルムカートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07191434A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5459021A (en) Silver halide photographic light-sensitive material
EP0476535B1 (en) Photographic material
US5472831A (en) Silver halide photographic material
EP0572275B1 (en) Film and support of photographic material
JPH07191434A (ja) 自動繰出し装着型写真フィルムカートリッジ
EP0592966A1 (en) Silver halide color photographic light-sensitive material
JP3592731B2 (ja) フィルム
JP3401687B2 (ja) 写真用支持体
JP3451501B2 (ja) 写真用支持体
JP3448718B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH05323484A (ja) 磁気記録要素を有するハロゲン化銀写真感光材料
JPH05313302A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP3421816B2 (ja) 巻きぐせを軽減するロール状ハロゲン化銀写真感光材料
JPH07281357A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0743856A (ja) 巻癖が軽減されたロール状フィルム及びハロゲン化銀写真感光材料
JPH0728198A (ja) 写真感光材料包装体
JPH07114139A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその中間製品
JPH05307235A (ja) 写真用ロールフィルムパトローネと写真用フィルムカメラ
JPH07230136A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびその包装体
JPH07248573A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0713297A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH04250446A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH07319121A (ja) ハロゲン化銀カラー感光材料
JPH06161034A (ja) ハロゲン化銀カラー感光材料
JPH0895204A (ja) 撮影ユニット