JPH07191322A - 配向液晶高分子層の形成方法 - Google Patents

配向液晶高分子層の形成方法

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JPH07191322A
JPH07191322A JP34693593A JP34693593A JPH07191322A JP H07191322 A JPH07191322 A JP H07191322A JP 34693593 A JP34693593 A JP 34693593A JP 34693593 A JP34693593 A JP 34693593A JP H07191322 A JPH07191322 A JP H07191322A
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liquid crystal
substrate
crystal polymer
rubbing
angle
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JP34693593A
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English (en)
Inventor
Hiroyasu Ishikawa
博康 石川
Toshikazu Kiyohara
稔和 清原
Teruaki Yamanashi
輝昭 山梨
Yoshio Tsujimoto
芳男 辻本
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 より簡便な配向液晶高分子層の形成方法を提
供する。 【構成】 液晶高分子を配向させるための配向基板2
を、一定方向に搬送しながら、回転するラビングロール
1によりラビングする方法であって、配向基板の搬送速
度V、配向基板の搬送方向に垂直な方向とラビングロー
ルの回転軸とがなす角θ、回転するラビングロールの円
周上の速度vにより、配向基板の搬送方向と配向が固定
された液晶高分子の配向方向とがなす角αを、α=ta
-1(v・sinθ/(V+v・cosθ))に従って制御す
る。また、このようにしてラビングされた配向基板面上
に、液晶状態ではネマチック配向またはねじれネマチッ
ク配向し液晶転移点以下の温度ではガラス状態となるサ
ーモトロピック液晶高分子層を形成し、そしてこの液晶
高分子層を加熱しその後冷却することにより、前記角α
の方向に配向が固定化された液晶高分子層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所望の配向角度を有す
る液晶高分子層を形成する方法に関する。
【0002】
【従来技術】一般に、一定方向に配向された液晶高分子
の層を形成するために、一定方向にラビングした配向基
板が用いられる。ここで、配向基板とは、配向膜が形成
された基板あるいはそれ自身が配向膜としての機能を有
するフィルム基板等を意味する。配向膜がガラス基板上
に形成された配向基板を、基板を搬送しながらラビング
ロールによりラビングする方法として、ラビング方向が
基板に対して斜めの場合は、図4に示すように、基板2
を位置aにおいて目的の角度に回転させてからラビング
ロール1によりラビングを行い、そして位置bにおいて
また元の角度に戻すという方法が知られている。
【0003】また、配向基板として連続フィルムを用い
る場合に適したものとして、図5に示すように、ラビン
グロール1を連続フィルム3や配向基板2の搬送方向に
対して傾けてラビングを行う方法が考えられる。この場
合、連続フィルム3の搬送速度、ラビングロール1のロ
ール径、回転速度および搬送方向に対する角度を種々変
化させてラビング処理を行って配向処理をした後、各々
の場合の配向角度を調べ、目的の配向角度が得られるラ
ビング条件を求めて、ラビング処理を行うことになる。
【0004】なお、配向膜としては、例えば、ガラス基
板上に形成された高分子膜、連続プラスチックフィル
ム、連続金属箔、または、これらの積層品を用いること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
図4に示すような方法によれば、ラビングの前後におい
てガラス基板を目的の角度に回転させ、そして搬送方向
に戻す、という2つの工程を加える必要があるため、ラ
ビング装置が大きくなり、また高価になるという問題が
ある。また、図4および図5でも同様に、目的の配向角
度を得るために、ラビングを行なって配向処理をした後
に配向角度を調べてから、ラビングロールの角度等の調
整を行うという手間のかかる操作を繰り返さなければな
らないという問題がある。
【0006】本発明の目的は、このような従来技術の問
題点に鑑み、複雑な装置や工程を必要としないより簡便
な配向液晶高分子層の形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明の配向液晶高分子層の形成方法は、液晶高分子を
配向させるための配向基板を、一定方向に搬送しなが
ら、回転するラビングロールによりラビングし、このよ
うにしてラビングされた配向基板面上に、液晶状態では
ネマチック配向またはねじれネマチック配向し液晶転移
点以下の温度ではガラス状態となるサーモトロピック液
晶高分子層を形成し、そしてこの液晶高分子層を加熱し
その後冷却することにより、配向されそして固定化され
た液晶高分子層を形成する方法であって、配向基板の搬
送速度V、配向基板の搬送方向に垂直な方向とラビング
ロールの回転軸とがなす角θ、回転するラビングロール
の配向基板の搬送方向と同方向を正とする円周上の速度
v、および配向基板の搬送方向と前記配向基板上に形成
されかつ配向された液晶高分子層の配向方向とがなす角
αを次式 α=tan-1(v・sinθ/(V+v・cosθ)) に従って制御することを特徴とする。ただし、角αおよ
び角θはそれぞれ、配向基板の搬送方向およびこれに垂
直な方向を基準として時計回りの方向を正とする。
【0008】本発明における液晶高分子としては液晶性
を示す高分子であって、溶融時に液晶性を示すサーモト
ロピック液晶ポリマーである。光学素子としては、好ま
しくは均一でモノドメインなネマチック液晶相またはね
じれネマチック液晶相を示すものである。ここで選択さ
れるサーモトロピック液晶ポリマーは、溶融状態からそ
の温度をそのガラス転移温度よりも低い温度に低下させ
ると液晶状態の分子配列が保持されるような液晶高分子
である。
【0009】かかるポリマーとしてはポリエテル、ポリ
アミド、ポリカーボネート、ポリエステルイミドなどの
主鎖型ポリマー、あるいはポリアクリレート、ポリメタ
クリレート、ポリマロネート、ポリシロキサンなどの側
鎖型液晶ポリマーを挙げることができる。さらにこれら
液晶ポリマーの主鎖または側鎖に光学活性単位を共重合
させた光学活性液晶高分子、低分子もしくは高分子の光
学活性化合物をブレンドした液晶高分子系などを例示す
ることができる。なかでも合成の容易さ、配向性、ガラ
ス転移点などからポリエステルが好ましい。用いられる
ポリエステルとしては、半または全芳香族ポリエステル
などの芳香族ポリエステルが好ましい。
【0010】本発明における配向基板は枚葉の配向基板
および連続配向基板が用いられる。枚葉の配向基板とし
ては表面にポリイミドなどの配向膜が形成されたガラス
基板、金板基板などが例示される。また、連続配向基板
としては、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂
などの熱硬化性樹脂;ナイロンなどのポリアミド;ポリ
エーテルイミド;ポリエーテルケトン;ポリエーテルエ
ーテルケトン;ポリケトン;ポリエーテルスルホン;ポ
リフェニレンサルファイド;ポリフェニレノキサイド;
ポリエチレンテレフタート、ポリブチレンテレフタレー
トなどのポリエステル;ポリアセタール;ポリカーボネ
ート;ポリアクリレート、ポリメタクリレート;トリア
セテートセルロースなどのセルロース系樹脂;ポリビニ
ルアルコールなどの熱可塑性樹脂などの長尺な高分子フ
ィルムが例示される。
【0011】上記高分子フィルムは、それ自体にラビン
グ処理を施すことができ、またこれらの高分子フィルム
を基材として、その表面に上記のような他の高分子から
なる有機薄膜を形成してなるものでもよい。また、この
ような基材上に形成される有機薄膜の基材としては、上
記高分子フィルムの他に、銅、ステンレス鋼、鋼などの
金属箔とすることもできる。その他、前記配向基板それ
自体を、銅、ステンレス鋼、鋼などの金属箔で形成する
こともできる。
【0012】本発明において特に好ましい連続配向基板
は、特に積層すべき基材などを使用しないものである。
かかる目的に好適な長尺フィルムとしては、上記のフィ
ルムのうち、熱可塑性樹脂からなるフィルム、例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリビニルアルコ
ールなどの熱可塑性樹脂である。熱硬化性樹脂フィルム
としては、ポリイミドが好適に用いられる。
【0013】ここで、長尺フィルムとは、一定の長さを
有する連続したフィルムを意味し、工業的にはロール巻
きされた形態で供給され得るような連続フィルムをい
う。もちろん、ロール巻きの形態が必須ではなく、適宜
に折り畳まれた連続フィルムでもよい。長尺フィルムの
長さは、場合により10,000mの長さに達すること
もある。
【0014】長尺の配向基板フィルム上へ長尺の液晶高
分子層を形成する操作は任意の方法で行うことができ
る。すなわち、液晶高分子を適宜の溶剤に溶解させ、ロ
ールコーターなどの塗工設備を用いて塗布、乾燥させて
液晶高分子層を形成する方法、あるいは、Tダイなどに
より液晶高分子を溶融押出しするなどの方法を用いるこ
とができる。また、膜厚などの品質の観点から、溶液塗
布および乾燥による方法が適当である。塗布方法は特に
限定されず、例えば、ロールコート法、カーテンコート
法やスロットコート法などのダイコート法などを採用す
ることができる。塗工幅としては、通常10〜2,00
0mm、好ましくは100〜1,000mmの範囲で選
択される。塗工後、溶剤を乾燥により除去する。
【0015】MD方向に対し平行に、またはMD方向に
対し所定の角度で斜めの方向にラビング処理してなる長
尺の配向基板上に、液晶高分子層が形成された後、所定
の温度で所定時間加熱することにより、液晶高分子を配
向させ、次にTg(ガラス転移温度)以下の温度に冷却
することによって液晶構造を固定化する。
【0016】固定化後の液晶高分子フィルムの膜厚は、
液晶高分子フィルムがねじれネマチック構造にもとずい
て機能する範囲であれば特に制限はない。光の波長によ
って異なるが、たとえばディスプレイ用途などの可視光
が重要である分野においては、0.05μm以上、好ま
しくは1μm以上、より好ましくは2μm以上である。
0.05μm未満では精度の良い膜厚調整が困難となる
ので好ましくない。膜厚の上限は特に制限はないが、余
り厚くなると光学素子としての規制力が弱まり好ましく
なく、この観点から100μm以下、好ましくは30μ
m以下の範囲が適当である。
【0017】次にラビングを説明する。ラビングロール
表面には、適宜のラビング材が貼付してある。ラビング
材としては、ラビング処理される配向基板の種類に応じ
て適宜に選択され、織布、フェルト、ラバー、刷毛など
が使用され特に限定されないが、通常はナイロン、綿な
どの織布が選択される。配向基板それ自身が金属箔であ
る場合などには、さらにサンドペーパーまたは皮革など
のラビング材もまた使用することもできる。
【0018】ラビング処理済みの配向基板は、ついでラ
ビング面が前記液晶高分子と接するように積層される。
該ラビング処理済みの配向基板のラビングに応じて液晶
が配向する。
【0019】前記液晶高分子は、任意の方法で長尺なフ
ィルムとされる。たとえば、適宜の溶剤に溶解させ塗布
後、乾燥させてフィルムを形成する方法あるいは、Tダ
イなどにより液晶高分子を溶融押し出しするなどの方法
によることができる。膜厚などの品質の点から溶液塗
布、乾燥による方法が適当である。枚葉の場合も同様で
ある。
【0020】すなわち、まず液晶高分子を所定の割合で
溶剤に溶解し溶液を調整する。この際の溶剤はポリマー
の種類によって異なるが、通常はアセトン、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;テトラヒ
ドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;クロロホル
ム、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロ
エチレン、テトラクロロエチレン、オルソジクロロベン
ゼンなどのハロゲン化炭化水素;これらの混合溶媒;こ
れらとフェノールとの混合溶媒;ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒;ジメチ
ルスルホキシド;N−メチルピロリドンなどの溶媒を使
用することができる。溶液の濃度は、ポリマーの粘性に
より異なるが、通常は5〜50重量%の範囲であり、好
ましくは10〜30重量%の範囲である。
【0021】次にこの溶液を、所定の角度でもってMD
方向に対し斜め方向にラビング処理してなる長尺な配向
基板に塗布をする。
【0022】塗布の方法としては、特に限定されず、た
とえばスロットダイコート法、スライドダイコート法、
カーテンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬
引き上げ法などを採用することができる。塗布後、溶剤
を乾燥により除去する。
【0023】ラビング処理してなる配向基板上、たとえ
ば所定の角度でもってMD方向に対し斜め方向にラビン
グ処理してなる長尺な配向基板上に、液晶高分子層を形
成した後に、所定温度で所定時間加熱し、冷却すること
により、液晶高分子の配向を固定化させることができ
る。
【0024】配向化の温度は、界面効果による配向を助
ける意味で溶融化の際のポリマーの粘性は低い方がよ
い。すなわち加熱温度は高い方がよい。しかしながら、
余りに高い温度ではコストの上昇と共に作業性が悪化す
るので好ましくない。かかる観点から一般的には50〜
300℃、好ましくは100〜250℃の範囲で、10
秒〜60分、好ましくは30秒〜30分の範囲から選択
される。加熱手段は、適宜に採用することができ、たと
えば赤外線加熱、温風加熱、熱ロール加熱、誘電加熱、
電気ヒーターによる加熱などである。
【0025】いずれにしろ、ガラス転移温度以上で等方
相への転移温度以下の温度で、液晶分子が充分配向する
時間加熱処理をすることが肝要である。
【0026】加熱後、該液晶高分子のガラス転移温度以
下に冷却することにより固定化する。液晶相に続いてガ
ラス相が発現するため冷却により配向状態を損なうこと
なく配向を固定化することができる。
【0027】冷却速度は特に限定されず、任意に選択さ
れる。たとえば、該加熱された液晶高分子を加熱域から
ガラス転移点以下の雰囲気中へ移行させるのみで固定化
される。生産効率を向上させる目的で、空気冷却あるい
は水などの冷媒冷却を採用することができる。
【0028】
【作用】図1は本発明の説明図である。同図に示すよう
に、液晶高分子を配向させるための配向基板2を、一定
方向に搬送しながら、回転するラビングロール1によっ
てラビングする場合、搬送方向と実際にラビングされる
方向とがなす角(以下、ラビング角という)α′は、配
向基板2の走行速度Vとラビングロール1の回転方向の
速度v(搬送方向と同じ方向を正とする)とのベクトル
和の方向である。本発明者らの実験によりこの配向基板
2が適用され配向が固定化される液晶高分子は、そのベ
クトル和の方向にその配向が固定化されることが判明し
た。
【0029】したがって、配向基板の搬送速度V、配向
基板の搬送方向に垂直な方向とラビングロールの回転軸
とがなす角(以下、ラビングロール角という)θ、回転
するラビングロールの配向基板の搬送方向と同方向を正
とする円周上の速度v、および配向基板の搬送方向と液
晶高分子の配向方向とがなす角(以下、配向角度とい
う)αとの間には、次式 α=tan-1(v・sinθ/(V+v・cosθ)) が成り立つ。ここで、円周上の速度vは、v=(ラビン
グロール1の回転速度)×(ラビングロール1の直径)
×(円周率)である。したがって、この式に従って搬送
速度V、ラビングロール角θ、および円周上速度vを制
御することによって、任意の角度のラビングが行われ、
またその角αの方向に配向した高分子液晶層が得られ
る。また、搬送速度Vやラビングロールの回転速度の変
動に対し、配向角度αがどの程度変動するか等について
も簡単に求められる。
【0030】図2は、配向基板の搬送速度Vが3m/m
in、ラビングロール角θが45°、ラビングロールの
直径が100mmの場合のラビングロールの回転速度と
配向角度αとの関係を一例として示すグラフである。こ
の図より、ラビングロールを搬送方向に対しての斜めに
配置し、ラビングロールの回転速度を制御することによ
り、任意の配向角度αが得られることがわかる。さらに
回転速度の変動に対し、配向角度αがどの程度変動する
かについても簡単に求められる。
【0031】ここで、ラビングロールの回転速度を遅く
すると、配向基板の搬送速度やラビングロールの回転速
度が変動したとき、配向角度が大きく変動するため、ラ
ビングロールの回転速度はある程度以上早くする方が望
ましい。また、ラビングロールの回転速度を速くする
と、早すぎるラビングによる配向欠陥を生じるので、ラ
ビングロールの回転速度はある程度遅くした方がよい。
以上の理由より、配向基板の搬送速度をV、ラビングロ
ールの円周上の速度をvとすると、v/Vの範囲は、2
〜1000もしくは−2〜−1000、望ましくは20
〜200もしくは−20〜−200である。一方、ラビ
ングロール角θについては、これを大きくするとラビン
グロールの面長を長くしなければならないので最大80
°にした方がよい。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。 (実施例1)ラビングロールの直径を100mm、ラビ
ングロール角θを45°、配向基板の搬送速度Vを3m
/min、ラビングロールの回転速度を20rpmとし
て、配向基板のラビングを行なうことにより、上述の式
に従ったラビング角の計算値が30.8°である本実施
例の配向基板を得た。
【0033】次に、この配向基板の配向膜上に、液晶状
態ではねじれネマチック配向し、液晶転移温度以下の温
度ではガラス状態となるサーモトロピック液晶高分子の
溶液を均一に塗布し、塗布した液晶高分子層を、乾燥さ
せ、熱処理を行うことにより液晶高分子を配向させ、そ
の後冷却して配向を固定化させることにより、上述の式
に従った配向角度の計算値が30.8°である液晶高分
子層を形成した。
【0034】次に、この液晶高分子層の配向角度を実際
に測定するための基準となる、配向角度が0°の基準配
向基板を作成し、液晶高分子層を形成した。すなわち、
ラビングロール角を0°とした以外は前記と同一条件で
ラビングを行なって基準配向基板を作成し、その上に前
記と同一の材料および同様の方法を用いて液晶高分子層
を形成した。
【0035】次に、この基準配向基板を用いて本実施例
の配向基板における配向角度を実際に測定した。すなわ
ち、まず図3に示すように、基準配向基板5を、配向膜
面側が偏光子4に対向するように配置し、この状態で偏
光子4側にハロゲンランプ7の光を入射させて照明する
とともに検光子6側に配置した分光器8(浜松ホトニク
ス(株)製PMA−10)により可視領域の波長の波形
を測定し、これを基準波形とした。ただし、偏光子4の
軸が基準配向基板5の搬送方向(配向角度)に対してな
す角度が45°、検光子6の軸が偏光子4の軸に対して
なす角度が液晶高分子のねじれ角度に一致する角度とな
るようにこれらを配置した。次に、本実施例の配向基板
を同様に偏光子4と検光子6との間に配置し、同様にし
て可視領域の波長の波形を測定するとともに、照明光の
光軸を軸として回転させ、測定波形が前記基準波形と一
致した時の回転角度を本実施例の配向基板における配向
角度の実測値とした。なお、配向基板と基準配向基板
は、本実施例も含め以下の各々の実施例においてラビン
グ角度が異なるほかは、同様にして作成した。
【0036】さらに、ラビングロールの回転速度を10
0rpmおよび500rpmとした以外は、同様にして
配向角度の計算値が41.4°および44.2°の配向
基板を作成して、それらの配向角度を実測した。
【0037】この結果を表1に示す。表1に示されるよ
うに、配向角度の計算値と実測値とは良く一致すること
が分かる。
【0038】
【表1】 また、本実施例で使用した配向基板、液晶高分子溶液、
液晶高分子溶液の塗布方法、塗布された液晶高分子溶液
の熱処理条件、および波形測定時の配向基板(液晶高分
子層)の形態を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】(実施例2)ラビングロールの直径を10
0mm、配向基板の搬送速度を3m/minとしたとき
の、配向角度が20°となるようなラビングロール角
を、ラビングロールの回転速度が10、100、および
1000rpmの場合について、上述の式を用いて求め
た。
【0041】次に、ラビングロールの直径を100m
m、配向基板の搬送速度を3m/minとしたときの、
配向角度の実測値が20°となるような配向基板を、ラ
ビングロールの回転速度が10、100、および100
0rpmの場合について作成し、配向角度の実測値が2
0°となったときのそれぞれの場合のラビングロール角
を得た。液晶高分子層の形成および配向角度の実測は、
実施例1の場合と同様の方法で行った。ただし、使用し
た配向基板、液晶高分子溶液、液晶高分子溶液の塗布方
法、塗布された液晶高分子溶液の熱処理条件、および波
形測定時の形態は、表4に示すとおりのものとした。
【0042】この結果を表3に示す。表3に示されるよ
うに、ラビングロール角の計算値と実測値は良く一致
し、計算値を用いて20°の配向角度が得られることが
分かる。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】(実施例3)ラビングロールの直径を20
0mm、回転速度を100rpmとしたとき、配向角度
が60°となるようなラビングロール角を、配向基板の
搬送速度が1、5および10m/minの場合につい
て、上述の式を用いて求めた。
【0046】次に、ラビングロールの直径を200m
m、回転速度を100rpmとしたときの、配向角度の
実測値が60°となるような配向基板を、配向基板の搬
送速度が1、5および10m/minの場合について作
成し、配向角度の実測値が60°となったときのそれぞ
れの場合のラビングロール角を得た。液晶高分子層の形
成および配向角度の実測は、実施例1の場合と同様の方
法で行った。ただし、使用した配向基板、液晶高分子溶
液、液晶高分子溶液の塗布方法、塗布された液晶高分子
溶液の熱処理条件、および波形測定時の高分子液晶層の
測定形態は、表6に示すとおりのものとした。
【0047】この結果を表5に示す。表5に示されるよ
うに、ラビングロール角の計算値と実測値は良く一致
し、計算値を用いて60°の配向角度が得られることが
分かる。
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、配
向基板の搬送速度、ラビングロール角、ラビングロール
の円周上速度によって、液晶高分子の固定化配向角を上
述の式に従って制御するようにしたため、従来のよう
に、試行錯誤的にこれら設定値を求める必要がなくな
り、直ちに所望の配向角度等を得るための設定を行うこ
とができる。また、搬送速度等の変動による配向角度の
変動も簡単に求めて、制御することができる。また、配
向基板の搬送速度、ラビングロールのロール径、回転速
度あるいはラビングロール角を変えたときも、目的の配
向角度を得るための設定値を簡単に求めることができ、
生産能率を大幅に向上させることができる。また、ラビ
ングを行う際、図4を用いて示したように、ラビングの
前後で基板を回転させおよび元の方向に戻すといった工
程が不要になるため、ラビング装置を簡便かつ安価に製
作することができる。さらに、ラビング装置を製作する
際、配向角度の許容範囲に対する機械精度、ラビングロ
ールの面長等、能力、大きさ、価格に直接かかわる値を
簡単に求められるため、製作に必要な時間、費用が大幅
に短縮され、工業的メリットは大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理を示す説明図である。
【図2】 ラビングロールの回転速度と配向角度との関
係を例示するグラフである。
【図3】 配向角度を実際に測定する方法を示す説明図
である。
【図4】 従来例に係るラビング方法を示す説明図であ
る。
【図5】 従来例に係る他のラビング方法を示す説明図
である。
【符号の説明】
1:ラビングロール、2:配向基板、3:連続フィル
ム、4:偏光子、5:液晶高分子、6:検光子、7:ハ
ロゲンランプ、8:分光器。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配向基板を、一定方向に搬送しながら、
    回転するラビングロールによりラビングし、 このようにしてラビングされた配向基板面上に、液晶状
    態ではネマチック配向またはねじれネマチック配向し液
    晶転移点以下の温度ではガラス状態となるサーモトロピ
    ック液晶高分子層を形成し、そしてこの液晶高分子層を
    加熱しその後冷却することにより、配向された液晶高分
    子層を形成する方法であって、 配向基板の搬送速度V、配向基板の搬送方向に垂直な方
    向とラビングロールの回転軸とがなす角θ、回転するラ
    ビングロールの円周上の速度v、および配向基板の搬送
    方向と前記配向基板上に形成されかつ配向された液晶高
    分子層の液晶高分子の配向方向とがなす角αを次式 α=tan-1(v・sinθ/(V+v・cosθ)) に従って制御することを特徴とする配向液晶高分子層の
    形成方法。
  2. 【請求項2】 搬送速度Vおよび円周上速度vの値は、
    2<v/V<1000、もしくは−1000<v/V<
    −2を満たす範囲の値であることを特徴とする請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 角θの値は、0°<θ≦80°の範囲の
    値であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 配向基板は長尺のものであることを特徴
    とする請求項1記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009286008A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Tokyo Institute Of Technology ナノインプリント用モールド
JP2015018176A (ja) * 2013-07-12 2015-01-29 大日本印刷株式会社 光学フィルムの製造方法及び光学フィルム用賦型金型の製造方法

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