JPH07191174A - 燃料集合体 - Google Patents

燃料集合体

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JPH07191174A
JPH07191174A JP5330998A JP33099893A JPH07191174A JP H07191174 A JPH07191174 A JP H07191174A JP 5330998 A JP5330998 A JP 5330998A JP 33099893 A JP33099893 A JP 33099893A JP H07191174 A JPH07191174 A JP H07191174A
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幸久 深沢
Junjiro Nakajima
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    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C3/00Reactor fuel elements and their assemblies; Selection of substances for use as reactor fuel elements
    • G21C3/30Assemblies of a number of fuel elements in the form of a rigid unit
    • G21C3/32Bundles of parallel pin-, rod-, or tube-shaped fuel elements
    • G21C3/322Means to influence the coolant flow through or around the bundles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】燃料集合体16Aは、冷却材を上昇させる冷却
材上昇通路13及びその冷却材を反転させて下降に導く
冷却材下降通路14を有する水ロッド1Aを備える。冷
却材上昇通路13の軸方向において最も流路面積の大き
な部分である太径管部3Eにおける流路面積に対する、
太径管部3Eよりも下流側において冷却材上昇通路13
内で最も流路面積の小さな部分である冷却材流入口9に
おける流路面積の比を0.2〜20% の範囲に設定す
る。 【効果】上記流路面積の比が0.2% 以上であるので、
通常時において、冷却材上昇通路内に形成される液位
の、冷却材流量に対応して形成されるべき冷却材上昇通
路内の液位からの低下度合を抑制できる。上記流路面積
の比が20%以下であるので、過渡時において冷却材上
昇通路内に形成される液位の変化速度を抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料集合体に係り、特
に沸騰水型原子炉に適用するのに好適な燃料集合体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】スペクトルシフト運転は、原子炉運転中
にボイド率を上げ、燃料中のウラン238に高エネルギ
の中性子を吸収させてプルトニウム239などを生成さ
せ、燃料サイクル末期にボイド率を下げて中性子の減速
効果を増して、プルトニウム239などの核分裂を増加
させ、核燃料物質の有効活用を図るものである。
【0003】そのスペクトルシフト運転を実現するため
の一例である、いわゆるスペクトルシフトロッドを備え
た燃料集合体が、特開昭63−73187 号公報に示されてい
る。このスペクトルシフトロッドは、冷却材上昇通路
と、この冷却材上昇通路内を上昇した冷却水を下方に導
く冷却材下降通路を有する水ロッドである。冷却材上昇
通路は、冷却水流入口を有し、この冷却水流入口は下部
タイプレートの燃料支持部よりも下方の領域に開口して
いる。また、冷却材下降通路は、燃料支持部よりも上方
で燃料棒間に形成された冷却水通路に開口する冷却水吐
出口を有する。以上の構成を有する水ロッドは、燃料支
持部の抵抗値、具体的には燃料支持部を通過して燃料棒
間の冷却水通路に達する冷却水流に対する燃料支持部の
抵抗値(燃料支持部に冷却水が通過するように設けられ
た複数の貫通孔の合計横断面積の、燃料棒間の冷却水通
路の横断面積に対する割合)を所定の値にあらかじめ設
定することにより、燃料集合体に供給される冷却水流量
の増加に応じて冷却材上昇通路内に、特開昭63−73187
号公報に示されるように、蒸気領域を形成する状態(冷
却水液面が形成される状態)から蒸気領域が形成されな
いで冷却水で充満された(冷却水液面が形成されない状
態)に変化させる機能を有する。水ロッド内での蒸気領
域の形成,不形成によりスペクトルシフトを達成でき、
大幅な燃料経済性の向上を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】発明者等は、上記水ロ
ッドの特性を詳細に検討したところ以下に示す新たな問
題を生じ利己とを発見した。この検討結果を以下に説明
する。
【0005】下部タイプレートの複数の貫通孔が設けら
れた燃料支持部の抵抗によって、燃料支持部より下方の
領域と燃料支持部より上方の領域との間に差圧が生じ
る。水ロッドの冷却材上昇通路内に形成される液面のレ
ベル(液位)は、上記差圧に対して、冷却材上昇通路内
での液位による静水頭及び冷却材流入口の圧力損失など
の和がバランスによって形成され整定する。
【0006】ところで、冷却材上昇通路の冷却材流入口
の流路面積が小さい場合、冷却材上昇通路の流路面積に
対する冷却材流入口の流路面積の割合(以下、流路面積
比という)に対して、同じ上記差圧でも、冷却材上昇通
路内の定常の形成液位が急激に低目に現われる領域が存
在することが分かった。
【0007】これは、以下の理由による。すなわち、冷
却材上昇通路の流路面積に対しての冷却材流入口の流路
面積の比が十分大きい場合は、水ロッドの冷却材上昇通
路内で単位時間内に発生する蒸気を補うよう冷却材流入
口から冷却材上昇通路内に冷却材が流入するが、冷却材
流入口の圧力損失係数が小さいので局所圧力損失は小さ
く、燃料支持部によって生じる上記差圧とのバランスが
ほぼ上記静水頭だけで行われる。しかしながら、冷却材
流入口の流路面積が小さい場合には、冷却材流入口での
局所圧力損失が急激に増大し、上記差圧とバランスする
ために必要な静水頭が減少するので、冷却材上昇通路内
の定常の形成液位が低目に現われる。
【0008】本発明の目的は、通常時において冷却材流
量に対応した冷却材上昇通路内の液位からの低下度合を
抑制でき、過渡時における液位の変化速度を抑制できる
燃料集合体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の特徴は、前記冷却材上昇通路の軸方向において最も
流路面積の大きな部分における横断面積に対する、前記
流路面積が最も大きな部分よりも下流側において前記冷
却材上昇通路内で最も流路面積の小さな部分における流
路面積の比を0.2〜20% の範囲にすることにある。
【0010】
【作用】冷却材上昇通路の軸方向において最も流路面積
の大きな部分における横断面積に対する、前記流路面積
が最も大きな部分よりも下流側において冷却材上昇通路
内で最も流路面積の小さな部分における流路面積の比を
0.2% 以上にしているので、通常時において、冷却材
上昇通路内に形成される液位の、冷却材流量に対応して
形成されるべき冷却材上昇通路内の液位からの低下度合
を抑制できる。更に、前記最も流路面積の大きな部分に
おける横断面積に対する、前記最も流路面積の小さな部
分における流路面積の比を20%以下にしているので、
過渡時において冷却材上昇通路内に形成される液位の変
化速度を抑制できる。
【0011】
【実施例】沸騰水型原子炉に適用する本発明の好適な一
実施例である燃料集合体を、図1,図2及び図3に基づ
いて、以下に説明する。
【0012】本実施例の燃料集合体16Aは、水ロッド
1A,燃料棒17,上部タイプレート18,下部タイプ
レート19A及び燃料スペーサ20を有する。燃料棒1
7の上下端部は、上部タイプレート18及び下部タイプ
レート19によって保持される。燃料スペーサ20は、
燃料集合体16の軸方向に複数個配置され、隣接した燃
料棒17相互間の間隙を適切な状態に保持している。燃
料スペーサ20は、水ロッド1Aにて保持される。チャ
ンネルボックス21は、上部タイプレート18に取り付
けられ、燃料スペーサ20で保持された燃料棒17の束
の外周を取り囲んでいる。下部タイプレート19Aは、
上端部に燃料棒支持部12Aを有し、しかも燃料棒支持
部12Aの下方で内部に空間22を有する。燃料棒支持
部12Aが、燃料棒17及び水ロッド1Aの下端部を支
持している。下部タイプレート19Aの上面、すなわち
燃料支持部12Aの上面よりも上方で、水ロッド1Aの
外側でかつ燃料棒17間に、冷却材通路23が形成され
る。
【0013】水ロッド1Aは、上昇管3E及び下降管5
Aを備える。これらの部品によって構成される水ロッド
1は、ジルコニウム合金製である。上昇管3A内に、冷
却材を上方に導く冷却材上昇通路13が形成され、下降
管5A内に、冷却材上昇通路13によって導かれた冷却
材を下方に導く冷却材下降通路14が形成される。上昇
管3は、太径管部3F、及び太径管部3Fよりも外径が
小さい細径管部3Gを有する。細径管部3Gは、太径管
部3Fの下方に位置しテーパ部を介して太径管部3Fに
つながっている。当然のことながら細径管部3G内の冷
却材上昇通路14の部分の流路面積(通路の横断面積。
以下同じ。)は、太径管部3F内の冷却材上昇通路14
の部分のそれよりも小さい。太径管部3F内の冷却材上
昇通路13部分の流路面積は429.0mm2であり、冷却
材流入口9Aの流路面積は19.6mm2 である。後者の流路
面積は、前者のそれの4.6% である。細径管部3G内
の冷却材上昇通路13の流路断面積も、冷却材流入口9
Aに等しく、19.6mm2である。この19.6mm2は、冷
却材流入口9Aから太径管部3Fの間で最も流路面積が
小さい部分の値である。
【0014】冷却材上昇通路13の冷却材流入口9A
が、冷却材上昇通路13の下端(細径管部3Gの下端)
に形成され、燃料支持部12Aの下方の空間22内に開
口する。冷却材か高通路14の冷却材吐出口15Aは、
燃料支持部12Aより上方の冷却材通路23に開口す
る。
【0015】燃料集合体16Aは、図3に示すように、
燃料棒17以外に燃料棒17よりも軸方向長が短い部分
長燃料棒17Aが最外周から二層目に配置される。燃料
棒17が66本、部分長燃料棒17Aが8本である。こ
れらの燃料棒は、9行9列に配置される。
【0016】2本の水ロッド1Aは、燃料集合体16A
の横断面における1つの対角線上でその横断面の中央に
配置される(図3)。すなわち、各水ロッド1Aの互い
の上昇管3E(特に太径管部3F)は、上記対角線上で
隣接して配置される。各水ロッド1Aの各下降管5A
は、太径管部3Fに隣接する燃料棒17の間に位置す
る。これらの下降管5Aは、太径管部3Fが位置する対
角線と直行する他の対角線の方向で、互いに逆の方向に
位置する。このように水ロッド1Aを配置することによ
って、燃料棒17が7本配置可能な領域内で各太径管部
3Fの外形を大きくすることができ、それらの太径管部
3F内の冷却材上昇通路13の流路面積を大きくでき
る。
【0017】それらの水ロッド1Aは、逆U字状をして
いる。下降管5Aは、軸方向の複数個所で、図示されて
いないが支持部材によって上昇管3Eの太径管部3Fに
支持されている。下降管5Aと太径管部3Fとの間に
は、狭い間隙が形成される。
【0018】各水ロッド1Aの下降管5A内の冷却材下
降通路14の流路面積は、上昇管3E内の冷却材上昇通
路13(太径管部3Fの部分で)のそれの1/25より
も小さい。本実施例は、冷却材下降通路14の流路面積
が2.7mm2である。このため、燃料集合体16Aは特開
平2−1590 号公報の図15の実線及び図16の実線及び
一点鎖線に示したような特性が得られ、燃料集合体16
Aを炉心に装荷した沸騰水型原子炉は炉心に供給する冷
却水流量を調節することによってその公開公報の図1に
示した運転を行うことができる。
【0019】冷却材上昇通路13及び冷却材下降通路1
4を内部に有する水ロッド1Aを備えた燃料集合体16
A内に供給する冷却水の量を変化させた場合に、水ロッ
ド1A内の流体の流動状態は、特開昭63−73187 号公報
の図14(a),(b)及び(c)に示されたように変化す
る。
【0020】すなわち、燃料集合体16A,沸騰水型原
子炉の炉心に装荷されている。炉心に供給される冷却水
の流量は、図示されていないが、再循環ポンプの回転数
を制御することによって、調節される。冷却水は、下部
タイプレート19Aの空間22内にまず導かれる。この
冷却水の大部分は、燃料支持部12Aに設けられた複数
の貫通孔30Aを通って、燃料支持部12Aの上面より
も上方に形成された冷却材通路23内に流入し、燃料棒
17及び17Aを冷却する。残りの一部の冷却水は、冷
却材流入口9Aを介して水ロッド1Aの細径管部3G内
に形成された冷却材上昇通路13内を上昇し、更に水ロ
ッド1Aの太径管部3F内に形成された冷却材上昇通路
13内を上昇する。
【0021】燃料集合体16A内に供給される冷却水流
量が少ないときには、冷却材上昇通路13、特に太径管
部3A内に存在する冷却水は、核燃料の核分裂で発生す
るγ線の照射によって加熱される。燃料集合体16A内
に供給される冷却水流量が少ないときには、その冷却水
は蒸気になり、特開昭63−73187 号公報の図14(a)の
ように、冷却材上昇通路13内に蒸気領域が形成され
る。このため、液面が冷却材上昇通路13内に形成され
る。発生した蒸気は、冷却材下降通路14を通って冷却
材吐出口15Aから冷却材通路23内に吐出される。冷
却水流量が増加するに伴って、冷却材上昇通路13内の
液面が上昇して蒸気領域が減少し、やがて特開昭63−73
187 号公報の図14(b)の状態を経て最後には図14
(c)の状態、すなわち冷却材上昇通路13及び冷却材下
降通路14内がすべて冷却水で充満した状態になる。こ
れによって、燃料サイクルの初期と末期との間で、燃料
集合体16A内のボイド率の変化幅を大きくできるの
で、スペクトルシフトの効果を大きくでき、1つの燃料
サイクルの期間を大幅に伸ばすことができる。冷却材上
昇通路13及び冷却材下降通路14内がすべて冷却水で
充満した状態になるのは、燃料サイクルの末期近くであ
り、燃料サイクルの大部分では冷却材上昇通路13内に
蒸気領域が形成される。このため、特開昭63−73187 号
公報の図4のように水ロッドの冷却材下降通路が冷却材
上昇通路を取り囲むように配置される場合には、冷却材
下降通路と冷却材上昇通路との間に配置された管壁は、
蒸気に接触することになって冷却が不十分になり温度が
高くなる。
【0022】本実施例は、上昇管3Eと下降管5Aが逆
U字を形成するように配置されかつ上昇管3Eと下降管
5Aの間に前述したように間隙が存在するので、上昇管
3E及び下降管5Aとも周囲が冷却水通路23を上昇す
る冷却水によって冷却される。このため、上昇管3A及
び下降管5Aの温度は低くなり、特開昭63−73187 号公
報の図4の水ロッドで生じる問題を解消できる。
【0023】以上のように、燃料集合体16A内に供給
される冷却水流量を調節することによって水ロッド1A
内で液面が形成される状態から液面が形成されない状態
に移行するのは、燃料支持部12Aが冷却水通路23に
対して抵抗になっており、燃料支持部12Aに設けられ
た全貫通孔30Aの合計横断面積がそのような液面の移
動が可能なように設定されているからである。すなわ
ち、全貫通孔30Aの合計横断面積が、冷却材上昇通路
13の上端のレベルと冷却材吐出口15Aのレベルとの
差に対応する静水頭に対応して設定されているからであ
る。燃料支持部12Aに設けられた全貫通孔30Aの合
計横断面積は、冷却水通路23の横断面積よりも小さ
い。このような構成を有する燃料支持部12Aは、冷却
水通路23に対して抵抗となる。
【0024】前述したように、各下降管5Aを対応する
太径管部3Fに隣接する2つの燃料棒17間に配置する
ことによって太径管部3F内の冷却材上昇通路13の横
断面積を大きくできるので、太径管部3F内に蒸気領域
が形成されるときにはそれだけプルトニウムの生成量が
増大し、燃料サイクル末期近くで冷却材上昇通路13及
び冷却材下降通路14内が冷却水(減速材)で充満され
たときにはそのプルトニウムを始めとした核分裂性物質
の核分裂を活発化させることになる。これによって、燃
料集合体16Aの横断面中央での反応度がより向上し核
燃料の有効利用が図れる。すなわち、スペクトルシフト
による燃料経済性向上の効果をより増加できる。下降管
5Aは上昇管3Eが位置する対角線と直交する他の対角
線の方向で互いに逆の方向に位置するので、両下降管5
A内が蒸気で満たされた場合でも、蒸気領域が燃料集合
体16Aの横断面で局所的に集中することがなくバラン
ス良く配置でき、燃料集合体横断面における核燃料の不
均一な燃焼を防止できる。次に、発明者等は、冷却材上
昇通路13の流路面積に対する冷却材上昇通路13の冷
却材流入口9Aの流路面積の比(流路面積比)を種々変
えて、冷却材上昇通路13内の定常の液位(冷却材流量
に対応して形成されるべき冷却材上昇通路13内の液
位)の変化について検討を行った。上記の冷却材上昇通
路13の冷却材流入口9Aの流路面積は、冷却材流入口
9Aから太径管部3Fまでの間における冷却材上昇通路
13のうち最も流路断面が小さい部分(流路面積が同じ
である細径管部3G内の冷却材上昇通路の部分)を代表
している。
【0025】図4は、上記した冷却材上昇通路内の定常
の液位と冷却材上昇通路の流路面積に対する冷却材上昇
通路の冷却材流入口の流路面積の比との関係について示
したものである。これらの関係は、冷却材上昇通路内の
発熱密度が2.3MW/m3,2.9MW/m3及び3.5
MW/m3について示している。
【0026】図4の縦軸は、通常時において、冷却材流
量に対応して形成されるべき冷却材上昇通路内の液位
(定常の液位)に対しての冷却材上昇通路内に実際に形
成される液位の比率で示している。すなわち、前者の液
位と後者の液位が等しい場合には、図4において液位
(相対値)が1.0 となる。前者の液位に比べて後者の
液位が低い場合には、図4において液位(相対値)が
1.0 よりも小さくなる。この液位(相対値)が1.0
よりも低くなる程、通常時において、冷却材上昇通路1
3内に形成される液位の、冷却材流量に対応して形成さ
れるべき冷却材上昇通路13内の液位からの低下度合が
大きくなる。
【0027】冷却材上昇通路の流路面積に対する冷却材
上昇通路の冷却材流入口の流路面積の比が0.2% より
も小さい場合に、冷却材上昇通路内における液位の上記
の低下度合いが急激に増加することが分かった。これ
は、冷却材流入口9Aの流路面積が小さくなり過ぎるの
で、前述した理由により、通常時に形成される冷却材上
昇通路13内の液位が低目になる現象が顕著に現われる
からである。すなわち、冷却材流入口9Aでの局所圧力
損失が急激に増大し、複数の貫通孔が設けられた燃料支
持部9Aの抵抗によって燃料支持部12Aより下方の領
域と燃料支持部12Aより上方の領域との間に生じる差
圧とバランスするために必要な静水頭(冷却材上昇通路
内での液位による静水頭)が減少するので、冷却材上昇
通路内に形成される液位が著しく低目に現われ、上記液
位の低下度合いが著しく大きくなる。
【0028】これは、以下の現象からも明らかである。
流路面積比が小さな領域、特に流路面積比が0.2% よ
りも小さい場合には、流路面積比が等しくても発熱密度
が大きい程、液位の低下度合いが著しく増加する。すな
わち、発熱密度が2.3MW/m3 の場合は、発熱密度
が3.5MW/m3の場合に比べ、液位が低下する割合が
小さい。これは、発熱密度が2.3MW/m3の場合は、
発熱密度が3.5MW/m3 の場合に比べて、冷却材上
昇通路13内での冷却材の蒸発量が小さいためである。
すなわち、冷却材上昇通路13内での発熱密度が小さい
場合、冷却材上昇通路13内で単位時間に発生する蒸気
が少ないため、それを補う冷却材流入口9Aから流入す
る冷却水流量が少なくてすみ、冷却材流入口9Aでの圧
力損失が相対的に小さくなり相対的に冷却材上昇通路1
3内の高い静水頭により全体的な圧力損失がバランスす
るためである。
【0029】従って、上記液位の低下度合いを著しく抑
制するためには、流路面積比を0.2%以上にする必要が
ある。特に、上記液位の低下度合いを更に抑制するため
には、流路面積比を0.4% 以上にすることが望まし
い。
【0030】図10は炉心流量を80%から105%へ
増加させ、80%炉心流量における冷却材上昇通路13
内で形成される液位を基準として105%炉心流量にお
けるその液位の上昇率を、流路面積比0.05%,0.2
0%及び5.00% に対して示したものである。
【0031】燃料支持部12Aによって生じる差圧は炉
心流量の二乗に比例して変化する。その差圧に対してほ
ぼ冷却材上昇通路13内の静水頭だけでのバランスで冷
却材上昇通路13内液位が決められるとする。上記差圧
の変化に比例して液位のレベルも変化するため、80%
から105%に炉心流量を増加させた場合、炉心流量1
05%時の上記差圧は炉心流量80%時のそれの約1.
72 倍となり、炉心流量105%時における冷却材上
昇通路13内の液位も炉心流量80%時におけるそれの
約1.72 倍となる。
【0032】しかし、図10に示したように、流量面積
比が0.05% においては、炉心流量を80%から10
5%へ増加した場合に冷却材上昇通路13内の液位は約
1.44倍のレベルとなる。また、流路面積比が0.20%
においてはその液位は約1.65倍のレベルとなり、流路面
積比が5.00%においてはその液位は約1.72倍とな
る。
【0033】流路面積比が0.20% 以上の場合であれ
ば、冷却材上昇通路13内で十分な液位の変化率が得ら
れる。冷却材流入口9Aの圧力損失が液位形成に大きく
影響を与え始める流路面積比が0.20% よりも小さい
値になると、冷却材上昇通路13内における液位の変化
率が燃料支持部12Aによって生じる差圧の変化率に対
して小さくなる。炉心流量の増加に対してその差圧が変
化しても、得られる液位の増加率が小さい場合には、十
分にボイド率を下げることができなくなり、中性子を十
分に減速し、エネルギースペクトルを変える効果も十分
に得られない。このとき、プルトニウム239などの核
分裂も抑制されて、スペクトルシフト運転の効果が十分
得られなくなる。
【0034】流路面積比を0.2% 以上にした場合、冷
却材上昇通路13内に形成される液位は、燃料支持部1
2Aによってそれより下方の領域と上方の領域との間に
生じる差圧と、ほぼその液位による静水頭とのバランス
によって整定するため、液位の変化も十分に確保でき、
スペクトルシフト運転が良好に行える。
【0035】次に、原子炉圧力の急上昇及び炉心流量の
急激な増加等の過渡事象が発生したときにおける水ロッ
ド1Aの冷却材上昇通路13内の液位の変化を検討し
た。この液位の変化速度は、燃料支持部12Aによって
生じる差圧の増加により液位が増加し始めてから整定し
始める時間に対する、液位の変化量で規定する。図11
は、流路面積比が約73%のときにおける、過渡事象発
生後の時間経過に対する液位の変化を示したものであ
る。例えば、図11における液位の変化速度は、次式で
規定される。
【0036】液位変化速度=A/B≒0.17 このようにして規定する液位変化速度を流路面積比毎に
求めて整理すると、図5の特性のようになる。図5の横
軸は、流量面積比である。この特性から、過渡事象発生
時における液位変化速度を抑制するためには、流路面積
比を20%以下にすることが必要である。流量面積比を
12%以下にすれば、過渡事象発生時における液位変化
速度の抑制をより効果的に抑制できる。
【0037】以上のことから、流量面積比は、0.2〜
20% の範囲にする必要があり、0.4〜12% の範
囲が望ましい。
【0038】ここで、20%以下の流路面積に相当する
圧力損失は、例えば、図5に示す他の手法でも実現可能
であり、下部端栓下端dから下部中間端栓eまでの圧力
損失が、20%以下の流路面積に相当させることで実現
できる。その際の効果は同等である。従って、20%以
下の流路面積に相当する圧力損失を持つ手法において
も、実現することが可能である。
【0039】本実施例によれば、冷却材上昇通路の横断
面積に対する冷却材流入口の流路面積の比を0.2% 以
上にしているので、通常時において、冷却材上昇通路内
に形成される液位の、冷却材流量に対応して形成される
べき冷却材上昇通路内の液位からの低下度合を抑制でき
る。更に、冷却材上昇通路の横断面積に対する冷却材流
入口の流路面積の比を20%以下にしているので、過渡
時において冷却材上昇通路内に形成される液位の変化速
度を抑制できる。
【0040】沸騰水型原子炉に適用する本発明の他の実
施例である燃料集合体を図6〜図9に基づいて説明す
る。
【0041】本実施例の燃料集合体16は、水ロッド
1,燃料棒17,上部タイプレート18,下部タイプレ
ート19及び燃料スペーサ20を有する。燃料棒17の
上下端部は、上部タイプレート18及び下部タイプレー
ト19によって保持される。燃料スペーサー20は、燃
料集合体16の軸方向に複数個配置され、隣接した燃料
棒17相互間の間隙を適切な状態に保持している。燃料
スペーサー20は、水ロッド1にて保持される。チャン
ネルボックス21は、上部タイプレート18に取り付け
られ、燃料スペーサー20で保持された燃料棒17の束
の外周を取り囲んでいる。下部タイプレート19は、上
端部に燃料棒支持部12を有し、しかも燃料棒支持部1
2の下方で内部に空間22を有する。燃料棒支持部12
が、燃料棒17及び水ロッド1の下端部を支持してい
る。
【0042】水ロッド1は、下部端栓2,上昇管3,連
結部4,下降管5及び上部端栓6を備える。これらの部
品によって構成される水ロッド1は、ジルコニウム合金
製である。
【0043】上昇管3は、太径管部3A,太径管部3A
よりも外径が小さい細径管部3B及びテーパ部3Cを有
する。テーパ部3Cは、内部に貫通孔7を有し、外側に
テーパを形成している。太径管部3Aの下端は、テーパ
部3Cの上端部に溶接にて接合される。細径管部3Bの
上端は、テーパ部3Cの下端部に溶接にて接合される。
細径管部3Bの下端は、下部端栓2に溶接にて接合され
る。太径管部3Aの上端は、連結部4に溶接にて接合さ
れる。下降管5は、上昇管3と平行に配置され、その上
端が連結部4に溶接にて接合される。上部端栓6は、連
結部4の上端に取り付けられる。
【0044】水ロッド1が燃料支持部12に保持された
状態における下部端栓2を、拡大して図8に示す。下部
端栓2は、通路2Aが内部に形成され、冷却材流入口9
が下部端栓2の下端部に設けられる。冷却材流入口9
は、下部端栓2の側壁に設けられ、通路2Aに連通され
る。下部端栓2は、上端部に、上端が密封された突出部
2Bが形成される。開口10が突出部2Bの側壁に横向
きに設けられる。突出部2Bは、細径管部3B内で細径
管部3Bと同心状に配置され、細径管部3Bと下部端栓
2との溶接部よりも上方に位置する。このため、クラッ
ド溜り部11が、細径管部3Bと下部端栓2との間に環
状に形成される。このクラッド溜り部11は、開口10
よりも下方に位置する。
【0045】下部端栓2は、下部タイプレート19の燃
料支持部12の下面に設けられたボス31に形成された
孔部32内に挿入される。孔部32は、下端が密封され
ている。ボス31の側壁には、孔部32に達する開口3
3が横向きに設けられる。下部端栓2の外径は、孔部3
2の内径と実質的に同じである。下部端栓2内でこれの
軸方向に延びる通路2Aの下端はボス31の底部で塞が
れた形になる。開口33は、水ロッド1が燃料集合体の
燃焼度の増加に伴って放射線による照射成長をすること
を考慮した場合、下部端栓2の冷却材流入口9より上方
側に余裕をもたせ、大きめにしたほうが好ましい。更
に、核燃料の燃焼等のために下部端栓2と燃料支持部1
2との位置関係が製造時と変わる可能性があることを考
慮すると、開口33は、冷却材流入口9より下方側にも
余裕をもたせたほうが好ましい。冷却材上昇通路13
は、下部端栓2及び上昇管3内に形成される。すなわ
ち、冷却材上昇通路13は、通路2A,開口10,細径
管部3B内の空間、貫通孔及び太径管部3A内の空間を
含む。冷却材流入口9は、燃料支持部12よりも下方に
位置し、空間22に連通する。
【0046】上昇管3の太径管部3A内の冷却材上昇通
路13の部分は、冷却材上昇通路13内において最も流
路面積が大きい。その部分の流路面積は、429.0mm2
である。上昇管3の下部端線2内に形成された通路2A
(冷却材上昇通路13の一部)は、太径管部3Aより下
流側における冷却材上昇通路13内で最も流路面積が小
さい部分である。通路2Aの流路面積は、19.6mm2
ある。複数個もうけられている全冷却材流入口9の合計
開口面積よりも小さい。太径管部3A内の冷却材上昇通
路13の部分の流路面積に対する、通路2Aの流路面積
の比は、約4.6% である。
【0047】下降管5は、下端が密封され、下端部の側
壁に吐出口15が設けられる。吐出口15は、燃料支持
部12より上方に位置する。冷却材下降通路14が、下
降管5内に形成される。吐出口15は、冷却材下降通路
14に連通し、燃料支持部12より上方で燃料棒17相
互間に形成される冷却材通路23に連通する。
【0048】連結部4は、図9に示すように、連結部下
部4A及び連結部上部4Bを有する。連結部下部4Aと
連結部上部4Bは、溶接にて接合される。太径管部3A
及び下降管5は、連結部下部4Aに溶接される。連結部
4内に形成される通路24は、冷却材上昇通路13と冷
却材下降通路14とを連絡する。このため、水ロッド1
は、図7に示すような逆U字状をしている。
【0049】29Aは連結部下部4Aと上昇管3との溶
接部、29Bは連結部下部4Aと下降管5との溶接部、
及び29Cは連結部下部4Aと連結部上部4Bとの溶接
部である。
【0050】次に、本実施例における上昇管3,連結部
4及び下降管5の組立て水ロッド1を得る工程の概略を
以下に説明する。
【0051】まず、連結部下部4Aの下端部に太径管部
3Aの上端部を全周に渡って溶接にて取り付ける(溶接
部29A)。その後、下降管5の上端部を連結部下部4
Aに設けられた貫通孔内に挿入し、連結部下部4Aのそ
の貫通孔を取り囲む側壁に、下降管5上端部の全周を上
方からの溶接にて接合する(溶接部29B)。連結部下部
4Aは、上昇管3及び下降管5を結合する結合部材であ
る。最後に、連結部上部4Bが、連結部下部4Aの貫通
孔4E及び下降管5内の冷却材下降通路14を被うよう
に連結部下部4A上に設置される。このような状態で、
連結部下部4Aの上端部が、連結部上部4Bに、全周に
渡って溶接にて取り付けられる(溶接部29C)。連結
部上部4Bは、冷却材上昇通路13及び冷却材下降通路
14の上方を被う蓋部材である。上部端栓6は、連結部
上部4Bに溶接にて取り付けられる。
【0052】上記したように、下降管5が連結部下部4
Aの貫通孔に挿入されて下降管5の上端部が溶接部29
Cを介して連結部下部4Aに取り付けられるので、下降
管5の全周を、簡単に連結部下部4Aに溶接することが
できる。上昇管3、特に太径管部3Aと下降管5との間
に形成される間隙の幅が狭くても、下降管5全周の連結
部下部4Aへの溶接が簡単にできる。
【0053】下降管5(外径約5mm)は、軸方向の複数
個所で、図示されていないが支持部材によって上昇管3
の太径管部3Aに支持されている。下降管5と太径管部
3Aとの間には、狭い間隙が形成される。下降管5aも
同様に上昇管3aの太径管部3Aに支持される。
【0054】燃料集合体16も、2本の水ロッド1が燃
料集合体16Aの2本の水ロッド1Aと同様(図3参照)
に配置されている。更に、燃料集合体16において、燃
料支持部12に設けられた全貫通孔30Aの合計横断面
積は、燃料集合体16Aと同様に、冷却材上昇通路13
の上端のレベルと吐出口15のレベルとの差に対応する
静水頭に対応して設定されている。燃料支持部12に設
けられた全貫通孔30Aの合計横断面積は、冷却水通路
23の横断面積よりも小さい。
【0055】本実施例においても、図2の実施例と同様
に、水ロッド1及び1aの下降管内の冷却材下降通路の
横断面積は、上昇管内の冷却材上昇通路(太径管部の部
分で)のそれの1/25よりも小さい。従って、本実施
例の燃料集合体16を装荷した炉心を有する沸騰水型原
子炉は、炉心に供給する冷却水流量を調節することによ
って図2の実施例と同様な運転を行うことができる。燃
料集合体16内に供給する冷却水の量を変化させた場合
にも、水ロッド1内の流体の流動状態は、図2の実施例
と同様に、特開昭63−73187 号公報の図14(a),(b)
及び(c)に示されたように変化する。
【0056】燃料集合体16の下部タイプレート19の
空間22内に供給された冷却水の一部は、燃料集合体1
6Aと同様に、燃料支持部12に設けられた貫通孔30
Aを通って、冷却材通路23内に流入し、燃料棒17を
冷却する。残りの冷却水は、開口33及び冷却材流入口
9を介して水ロッド1の冷却材上昇通路13内に流入す
る。冷却材上昇通路13の一部である通路2Aに導かれ
た冷却水は、開口10,細径管部3B及びテーパ部3C
内を経て太径管部3A内に達する。
【0057】燃料集合体16内に供給される冷却水流量
が少ないときには、冷却材上昇通路13、特に太径管部
3A内に存在する冷却水は、蒸発して蒸気になる。この
蒸気は、通路24及び冷却材下降通路14を通って吐出
口15から冷却材通路23内に吐出される。このとき、
冷却材上昇通路13内には、特開昭63−73187 号公報の
図14(a)のように、蒸気領域が形成され、液面が形成
される。給水流量が増加するに伴って、冷却材上昇通路
13内の液面が上昇して蒸気領域が減少し、やがて特開
昭63−73187 号公報の図14(b)の状態を経て最後には
図14(c)の状態、すなわち冷却材上昇通路13及び冷
却材下降通路14内がすべて冷却水で充満した状態にな
る。従って、スペクトルシフトの効果を大きくでき、1
つの燃料サイクルの期間を大幅に伸ばすことができる。
【0058】本実施例も、上昇管3と下降管5が逆U字
を形成するように配置されかつ上昇管3と下降管5の間
に前述したように間隙が存在するので、上昇管3及び下
降管5とも周囲が冷却水通路23を上昇する冷却水によ
って冷却される。従って、本実施例においても、燃料集
合体16Aと同様に、上昇管3及び下降管5の温度を低
く押さえることができる。
【0059】燃料集合体16は、燃料集合体16Aと同
様な効果を生じることができる。本実施例では、以下の
効果を奏することができる。
【0060】すなわち、特開昭63−73187 号公報の図4
に示された水ロッドは、冷却材流入口が冷却材上昇通路
の下端に1つ設けられている。このため、冷却材流入口
が、冷却水と共にながれてくるクラッド等の固形物によ
って塞がれる可能性がある。冷却材流入口の直径が小さ
いほどその確率が大きくなる。本実施例では、冷却水流
入口9が冷却材上昇通路の軸方向に対して直角になるよ
うに設けられており、かつ下部端栓2の周方向に複数設
けられているので、冷却水流入口9に流入する冷却水は
その直前で直角方向に曲がらなければならなくまた複数
の冷却水流入口9がクラッド等によって塞がれる確率
は、特開昭63−73187 号公報の図4に示された水ロッド
よりも著しく小さくなる。更に、下部端栓2の軸方向に
冷却水流入口9が設けられていないので、下端を閉じる
ことにより炉心冷却材流れ方向に対して開口部を有しな
いため、流れによる動圧の影響を抑制することができ、
動圧の変動による水ロッド内の液位の変動を著しく抑制
できる。
【0061】前述したように、燃料サイクルの大部分で
は冷却材上昇通路13内に蒸気領域が形成されるので、
冷却材上昇通路13内に存在する冷却水が濃縮され、冷
却水中に含まれているクラッドが凝集して沈降すること
が考えられる。沈降するクラッドによって開口10が閉
塞しないように、開口10は、横向きに設けられると共
に細径管部3B内に形成される通路の底面よりは上方に
位置させている。沈降したクラッドは、細径管部3Bと
突出部2Bとの間に形成されるクラッド溜り部11内に
徐々に堆積される。クラッド溜り部11の容積は、燃料
集合体16の寿命期間中に堆積するクラッドの量を想定
して決められている。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、冷却材上昇通路の軸方
向において最も流路面積の大きな部分における流路面積
に対する、前記流路面積が最も大きな部分よりも下流側
において冷却材上昇通路内で最も流路面積の小さな部分
における流路面積の比を0.2%以上にしているので、
通常時において、冷却材上昇通路内に形成される液位
の、冷却材流量に対応して形成されるべき冷却材上昇通
路内の液位からの低下度合を抑制できる。更に、前記最
も流路面積の大きな部分における流路面積に対する、前
記最も流路面積の小さな部分における流路面積の比を2
0%以下にしているので、過渡時において冷却材上昇通
路内に形成される液位の変化速度を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2に示す水ロッドの詳細構造図である。
【図2】本発明の好適な一実施例である燃料集合体の縦
断面図である。
【図3】図2の燃料集合体の横断面図である。
【図4】冷却材上昇通路の流路面積に対する冷却材流入
口の流路面積の比と冷却材上昇通路内の液位との関係を
示す説明図である。
【図5】冷却材上昇通路の流路面積に対する冷却材流入
口の流路面積の比と冷却材上昇通路内の液位変化速度と
の関係を示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施例である燃料集合体の縦断面
図である。
【図7】図6に示す水ロッドの縦断面図である。
【図8】図6に示す燃料支持部における水ロッドの下部
端線挿入部の拡大縦断面図である。
【図9】図6に示す水ロッドの連結部付近の拡大図であ
る。
【図10】冷却材流量と冷却材上昇通路内の液位上昇率
との関係を示す特性図である。
【図11】過度事象発生後の経過時間に対する冷却材上
昇通路内の液位の変化を示す特性図である。
【符号の説明】
1,1A…水ロッド、3,3E…上昇管、3A,3F…
太径部、4…連結部、4A…連結部下部、4B…連結部
上部、5,5A…下降管、9,9A…冷却材流入口、1
1…クラッド溜り部、12,12A…燃料支持部、13
…冷却材上昇通路、14…冷却材下降通路、16,16
A…燃料集合体、17…燃料棒、18…上部タイプレー
ト、19,19A…下部タイプレート、23…冷却材通
路、30A…貫通孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深沢 幸久 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 中島 潤二郎 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料支持部を上端部に有する下部タイプレ
    ートと、下端部が前記燃料保持部に保持された複数の燃
    料棒と、前記燃料棒間に配置された水ロッドとを有し、 前記燃料支持部は、前記燃料支持部より上方で前記燃料
    棒間に形成される第1冷却材通路に冷却材を導く複数の
    第2冷却材通路を有し、 前記水ロッドは、前記燃料支持部より下方の領域に開口
    した冷却材流入口を有する冷却材上昇通路が内部に形成
    される上昇管路と、前記冷却材上昇通路内を上昇した冷
    却材を下方に導きこの冷却材を前記第2冷却材通路に吐
    出する冷却材吐出口を有する冷却材下降通路が内部に形
    成された下降管路とを備え、 前記冷却材上昇通路の軸方向において最も流路面積の大
    きな部分における横断面積に対する、前記流路面積が最
    も大きな部分よりも下流側において前記冷却材上昇通路
    内で最も流路面積の小さな部分における流路面積の比を
    0.2〜20%の範囲にすることを特徴とする燃料集合
    体。
  2. 【請求項2】前記最も流路面積の小さな部分が、前記冷
    却材上昇通路の冷却材流入口である請求項1の燃料集合
    体。
  3. 【請求項3】燃料支持部を上端部に有する下部タイプレ
    ートと、下端部が前記燃料保持部に保持された複数の燃
    料棒と、前記燃料棒間に配置された水ロッドとを有し、 前記燃料支持部は、前記燃料支持部より上方で前記燃料
    棒間に形成される第1冷却材通路に冷却材を導く複数の
    第2冷却材通路を有し、 前記水ロッドは、前記燃料支持部よりも下方の領域から
    冷却材流入口を介して供給された冷却材を上方に導く冷
    却材上昇通路が内部に形成された上昇管路、及び前記上
    昇管路の外側に位置し、前記冷却材上昇通路によって導
    かれた冷却材を下方に導いて前記燃料支持部よりも上方
    の領域に冷却材吐出口から吐出する冷却材下降通路が内
    部に形成された下降管路を含み、 前記冷却材上昇通路の軸方向において最も流路面積の大
    きな部分における横断面積に対する、前記流路面積が最
    も大きな部分よりも下流側において前記冷却材上昇通路
    内で最も流路面積の小さな部分における流路面積の比を
    0.2〜20%の範囲にすることを特徴とする燃料集合
    体。
  4. 【請求項4】前記最も流路面積が小さくなる部分が、前
    記冷却材流入口である請求項3の燃料集合体。
  5. 【請求項5】前記冷却材流入口を、前記上昇管路の側壁
    に設けた請求項3の燃料集合体。
  6. 【請求項6】前記冷却材下降通路の横断面積が前記冷却
    材上昇通路のそれよりも小さい請求項3または5の燃料
    集合体。
  7. 【請求項7】前記冷却材上昇通路内に前記冷却材上昇通
    路を遮断する、上方に向かって突出した管状部を前記冷
    却材上昇通路内に配置して前記上昇管路に設け、前記管
    状部の側壁に形成された開口を介して前記管状部より上
    方の前記冷却材上昇通路と前記管状部より下方の前記冷
    却材上昇通路とが連通されている請求項3の燃料集合
    体。
  8. 【請求項8】2本の前記水ロッドを有し、これらの水ロ
    ッドの前記最も流路面積の大きな部分が、前記燃料棒が
    7本配置可能な領域に隣接して配置され、前記各水ロッ
    ドの前記各下降管路が、前記上昇管路に対向する複数の
    前記燃料棒であって相互に隣接する前記燃料棒間に配置
    された請求項1または3の燃料集合体。
  9. 【請求項9】前記2本の下降管路は、燃料集合体の対角
    線方向において、互いに逆方向に配置された請求項8の
    燃料集合体。
  10. 【請求項10】前記上昇管路及び前記下降管路のうちの
    一方の管路が結合部材内に挿入されてこの管路の上端部
    が前記結合部材と溶接され、他の管路が前記結合部材の
    下側に溶接されており、前記結合部材との間に前記冷却
    材上昇通路と前記冷却材下降通路とを連絡する連絡通路
    を形成する蓋部材が、前記結合部材に取り付けられた請
    求項1,3または8の燃料集合体。
  11. 【請求項11】前記冷却材上昇通路内に前記冷却材上昇
    通路を遮断する、上方に向かって突出した管状部を前記
    冷却材上昇通路内に配置して前記上昇管路に設け、前記
    管状部の側壁に形成された開口を介して前記管状部より
    上方の前記冷却材上昇通路と前記管状部より下方の前記
    冷却材上昇通路とが連通されている請求項1または3の
    燃料集合体。
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