JPH07190523A - 冷凍サイクル - Google Patents

冷凍サイクル

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Publication number
JPH07190523A
JPH07190523A JP33820993A JP33820993A JPH07190523A JP H07190523 A JPH07190523 A JP H07190523A JP 33820993 A JP33820993 A JP 33820993A JP 33820993 A JP33820993 A JP 33820993A JP H07190523 A JPH07190523 A JP H07190523A
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JP
Japan
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hydrogen gas
pressure hydrogen
pressure
low
hydrogen
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Withdrawn
Application number
JP33820993A
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English (en)
Inventor
Kichinosuke Hanawa
吉之助 塙
Hiroshi Nishio
洋 西尾
Junichi Ochiai
淳一 落合
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サイクル効率の高い冷凍サイクルを提供す
る。 【構成】 高圧水素ライン2からの高圧水素ガスの圧力
で膨張機4、5を回転駆動し、膨張機4、5における高
圧水素ガスの断熱膨張により発生した冷熱を冷凍熱交換
器9により回収して冷熱利用設備21に冷凍供給する。
また、膨張機4、5の動力エネルギーを圧縮機6、7に
伝達して、低圧の水素ガスを昇圧することができる。ま
た、冷熱回収後の低温の水素ガスを高圧水素ガス予冷器
8および低圧水素ガス予冷器10に導入して、膨張機
4、5および圧縮機6、7に導入する水素ガスの予冷に
それぞれ利用する。また、断熱圧縮後の温度上昇した水
素ガスを冷却するための中間冷却器11の熱交換媒体2
3が金属水素化物昇圧器12に導入されるようになって
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば低温ガス貯蔵、
食品工業等の冷熱利用設備を使用する産業分野に用いて
好適な冷凍サイクルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、次世代のエネルギー源として水素
が注目されており、例えば都市域にて高圧水素ラインと
低圧水素ラインをそれぞれ敷設し、高圧水素、低圧水素
のポテンシャルエネルギー差を利用してフロン等の冷媒
を使用しない冷凍サイクルを実現することが考えられて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように水素を用いた冷凍サイクルでサイクル効率の高い
ものは未だ提案されておらず、この種の冷凍サイクルの
実用化は困難であると考えられていた。
【0004】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であって、サイクル効率の高い冷凍サイクルを提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明の冷凍サイクルは、高圧の水素ガスを流す
高圧水素ラインと、低圧の水素ガスを流す低圧水素ライ
ンと、回転自在な駆動軸を有し、前記高圧水素ラインか
ら高圧水素導入管を介して導入した水素ガスを断熱膨張
させ、その水素ガスを低圧水素排出管を介して前記低圧
水素ラインに導出する膨張機と、該膨張機の駆動軸上に
設置され、前記低圧水素ラインから低圧水素導入管を介
して導入した水素ガスを該駆動軸の回転により断熱圧縮
させ、その水素ガスを高圧水素排出管を介して前記高圧
水素ラインに導出する圧縮機と、前記低圧水素排出管に
おける前記膨張機の後段に設置され、断熱膨張後の水素
ガスが導入されて内部の熱交換媒体との間で熱交換が行
なわれるとともに、該熱交換媒体が任意の冷熱利用設備
との間で循環し、かつ熱交換後の水素ガスの温度が前記
高圧水素ラインおよび前記低圧水素ラインを流れる水素
ガスより低温となるように構成された冷凍熱交換器と、
前記高圧水素導入管における膨張機の前段に設置され、
該膨張機導入前の水素ガスと前記冷凍熱交換器を経た水
素ガスとが内部に導入されて、これら水素ガス同士が熱
交換するように構成された高圧水素ガス予冷器と、前記
低圧水素導入管における前記圧縮器の前段に設置され、
該圧縮機導入前の水素ガスと、前記冷凍熱交換器を経た
前記高圧水素ガス予冷器導入前の水素ガスの一部とが導
入されて、これら水素ガス同士が熱交換するように構成
された低圧水素ガス予冷器と、前記高圧水素排出管にお
ける前記圧縮機の後段に設置され、断熱圧縮後の水素ガ
スが導入されて内部の熱交換媒体との間で熱交換が行な
われるように構成された中間冷却器と、前記高圧水素ラ
インと前記低圧水素ラインとの間に設置されるととも
に、前記中間冷却器との間を前記中間冷却器の熱交換媒
体が循環するように構成され、該熱交換媒体の熱を吸収
することにより前記低圧水素ラインから導入される水素
ガスを昇圧して前記高圧水素ラインに導出するように構
成された金属水素化物昇圧器とが具備されていることを
特徴とするものである。
【0006】
【作用】本発明の冷凍サイクルでは、低圧水素ラインか
ら低圧の水素ガスを金属水素化物昇圧器内に導入したと
きに、内部の水素吸蔵合金が前記低圧の水素ガスを吸蔵
して金属水素化物となり、水素ガスの吸蔵が完了した時
点で金属水素化物昇圧器を密閉する。
【0007】一方、高圧水素ラインから高圧水素導入管
を介して高圧の水素ガスを膨張機に導入すると、膨張機
においては水素ガスが有する圧力エネルギーにより駆動
軸が回転駆動するとともに、高圧の水素ガスが断熱膨張
して低圧の水素ガスとなり、この水素ガスを低圧水素排
出管へと導出する。
【0008】ここで、膨張機から低圧水素排出管に導出
された水素ガスは、膨張機にて膨張されたことにより大
幅に温度低下しているので、この低温の水素ガスと冷凍
熱交換器における熱交換媒体との間で熱交換が行なわれ
ることにより熱交換媒体が冷熱を得て、冷熱が奪われた
水素ガスを高圧水素ガス予冷器に導入する一方、熱交換
媒体を冷熱利用設備に循環させることにより得た冷熱を
冷却に利用する。
【0009】また、冷凍熱交換器から高圧水素ガス予冷
器に導入する水素ガスは、高圧水素ラインから高圧水素
ガス予冷器に導入する水素ガスより低温となっているの
で、高圧水素ガス予冷器においてこれら水素ガスの間で
熱交換が行なわれたときに、膨張機導入前の水素ガスは
冷凍熱交換器導出後の水素ガスがもつ冷熱によって冷却
される。一方、低圧水素排出管側の予冷器を経た水素ガ
スを温度が上昇した状態で低圧水素ラインに導入する。
【0010】また、冷凍熱交換器から導出される水素ガ
スを、高圧水素ガス予冷器に導入する前にその一部を分
けて低圧水素ガス予冷器に導入する。ここでも、この水
素ガスは、低圧水素ラインから圧縮器に導入される水素
ガスより低温となっているので、低圧水素ガス予冷器に
おいてこれら水素ガスの間で熱交換が行なわれたとき
に、圧縮機導入前の水素ガスは冷凍熱交換器導出後の水
素ガスがもつ冷熱によって冷却され、その後、この水素
ガスを圧縮機に導入する。
【0011】また、高圧の水素ガスを膨張機に導入する
ことにより得られた駆動軸の回転により圧縮機に導入さ
れた水素ガスが断熱圧縮し、水素ガスは昇圧、昇温す
る。ついで、この水素ガスを中間冷却器に導入して熱交
換媒体により冷却した後、高圧水素ラインに導入する。
一方、温度が上昇した熱交換媒体を金属水素化物昇圧器
に循環供給する。
【0012】そして、金属水素化物昇圧器に高温の熱交
換媒体を導入すると、この熱交換媒体との熱交換により
金属水素化物が熱を吸収して予め貯蔵していた水素を放
出し、密閉された金属水素化物昇圧器内で水素ガスが昇
圧されるので、この水素ガスが十分に昇圧されて高圧水
素ラインの圧力以上になった時点で高圧の水素ガスを高
圧水素ラインへと導入する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の冷凍サイクルの一実施例を図
1を参照して説明する。図1は冷凍サイクル1の全体構
成を示す図であって、図中符号2は高圧水素ライン、3
は低圧水素ライン、4、5は膨張機、6、7は圧縮機、
8は高圧水素ガス予冷器、9は冷凍熱交換器、10は低
圧水素ガス予冷器、11は中間冷却器、12は金属水素
化物昇圧器である。
【0014】高圧水素ライン2は圧力1100kPa、
温度20℃の水素ガスを流す管路であり、低圧水素ライ
ン3は圧力200kPa、温度20℃の水素ガスを流す
管路である。
【0015】膨張機4、5は、回転自在な駆動軸13の
一端側に前段、後段の2段にわたって設置されたもので
あり、駆動軸13の他端側には、圧縮器6、7が前段、
後段の2段にわたって設置されている。
【0016】また、高圧水素ライン2と前段の膨張機4
の入口は高圧水素導入管14により接続され、後段の膨
張機7の出口と低圧水素ライン3とは低圧水素排出管1
5により接続されている。また、低圧水素ライン3と前
段の圧縮機6の入口は低圧水素導入管16により接続さ
れ、後段の圧縮機7の出口と高圧水素ライン2とは高圧
水素排出管17により接続されている。さらに、前段の
膨張機4の出口と後段の膨張機5の入口とが膨張機連絡
管18により接続され、前段の圧縮機6の出口と後段の
圧縮機7の入口とが圧縮機連絡管19により接続されて
いる。また、高圧水素導入管14および低圧水素導入管
16の上流側には水素取出弁27、28が設けられてい
る。
【0017】また、高圧水素ガス予冷器8が、高圧水素
導入管14における膨張機4、5の前段、かつ低圧水素
排出管15における後述する冷凍熱交換器9の後段に設
置されており、高圧水素導入管14および低圧水素排出
管15を流れる水素ガスが内部に導入されて、低圧水素
排出管15側の冷凍熱交換器9を経た低温の水素ガスに
よって高圧水素導入管14側の水素ガスが膨張機4、5
に導入される前に予冷されるようになっている。
【0018】また、冷凍熱交換器9が、低圧水素排出管
15における後段の膨張機5と高圧水素ガス予冷器8と
の間に設置されており、この冷凍熱交換器9においては
低圧水素排出管15を流れる水素ガスと熱交換媒体20
との間で熱交換が行なわれるとともに、熱交換により冷
熱を得た熱交換媒体20が冷凍庫等の冷熱利用設備21
との間を循環するようになっている。
【0019】また、低圧水素ガス予冷器10が、低圧水
素導入管16における圧縮機6、7の前段に設置されて
おり、低圧水素導入管16を流れる水素ガスが内部に導
入されるとともに、低圧水素排出管15が冷凍熱交換器
9と高圧水素ガス予冷器8との間で分岐された低圧水素
バイパス管22を介して冷凍熱交換器9通過後の水素ガ
スが導入されるようになっている。そして、低圧水素導
入管16側の水素ガスが、低圧水素バイパス管22側の
冷凍熱交換器9を経た低温の水素ガスによって圧縮機
6、7に導入される前に予冷されるようになっている。
また、低圧水素バイパス管22側の水素ガスは低圧水素
ガス予冷器10を経た後、再度、低圧水素排出管15側
に合流して低圧水素ライン3に導入されるようになって
いる。
【0020】また、中間冷却器11が、高圧水素排出管
17における後段の圧縮機7の後段に設置されており、
高圧水素排出管17および圧縮器連絡管19を流れる水
素ガスがそれぞれ内部に導入されるとともに、熱交換媒
体23が導入されるようになっている。そして、前段の
圧縮機6から導出された水素ガス、および後段の圧縮機
7から導出された水素ガスの双方が熱交換媒体23によ
り冷却されるようになっている。
【0021】一方、金属水素化物昇圧器12が低圧水素
ライン3と高圧水素ライン2との間に設置されており、
入口弁24を介して低圧水素ライン3側から水素ガスが
導入され、出口弁25を介して高圧水素ライン2側へ水
素ガスを導出するようになっている。また、金属水素化
物昇圧器12の内部には水素吸蔵合金(図示せず)が収
納されており、この水素吸蔵合金に中間冷却器11の熱
交換媒体23が循環供給されるようになっているととも
に、工業用水等の比較的低温の熱交換媒体26も循環供
給されるようになっている。なお、金属水素化物昇圧器
12は、水素吸蔵済の水素吸蔵合金が熱を吸収すると水
素を再度放出するという水素吸蔵合金の性質を利用し
て、水素ガスを昇圧し得るものである。
【0022】前記構成の冷凍サイクルを稼動させる際に
は、まず、金属水素化物昇圧器12の入口弁24を開け
出口弁25を閉じた状態とし、低圧水素ライン3から圧
力200kPa、温度20℃の水素ガスを金属水素化物
昇圧器12内に導入すると、内部の水素吸蔵合金が水素
ガスを吸蔵して金属水素化物となる。
【0023】このとき、水素ガスの吸蔵反応により水素
吸蔵合金に発熱が生じるが、この熱は工業用水等の比較
的低温の熱交換媒体26との間の熱交換により回収さ
れ、金属水素化物昇圧器12内は約20℃程度に保持さ
れて、水素吸蔵合金はこの温度で平衡状態となるまで水
素ガスを吸蔵し続ける。
【0024】このようにして、金属水素化物昇圧器12
における水素ガスの吸蔵が完了した時点で、入口弁24
を閉じて金属水素化物昇圧器12を密閉する。
【0025】ついで、高圧水素導入管14の水素取出弁
27を開けると、圧力1100kPa、温度20℃の水
素ガスが流量625kg/hで高圧水素ライン2から高
圧水素ガス予冷器8に導入され、ここで冷却されて圧力
1075kPa、温度−50℃の水素ガスとなる。つい
で、この水素ガスは前段の膨張機4に導入されて、高圧
の水素ガスが有する圧力エネルギーにより駆動軸13が
回転駆動しつつ、高圧の水素ガスが断熱膨張される。つ
いで、水素ガスは膨張機連絡管18を通じて前段の膨張
機4から後段の膨張機5に導入され、同様に断熱膨張さ
れて圧力250kPa、温度−119℃の低温低圧の水
素ガスとなり、後段の膨張機5から低圧水素排出管15
を介して冷凍熱交換器9へ導入される。
【0026】ここで、冷凍熱交換器9に導入された温度
−119℃の水素ガスと冷凍熱交換器9の熱交換媒体2
0との間で熱交換が行なわれ、水素ガスは冷熱を奪われ
て温度−70℃となり、冷熱を得た熱交換媒体20が冷
凍庫等の冷熱利用設備21に導入されることにより冷却
に利用される。そして、この冷熱利用設備21では温度
−60℃、冷却能力100kWの冷却が可能となる。
【0027】また、冷凍熱交換器9から導出された低圧
の水素ガスは、冷凍熱交換器9にて冷熱を奪われた後も
まだ温度−70℃と十分に低温であり、冷却能力を有す
るものである。そこで、この水素ガスを、高圧水素ライ
ン2から膨張機4、5に導入する水素ガス、および低圧
水素ライン3から圧縮機6、7に導入する水素ガスを予
冷するための冷却媒体として利用するわけである。
【0028】そこで、この水素ガスを、冷凍熱交換器9
の後段で高圧水素ガス予冷器8に導入する分と低圧水素
バイパス管22を介して低圧水素ガス予冷器10に導入
する分とに分け、流量625kg/hの水素ガスのう
ち、547kg/h分を高圧水素ガス予冷器8に、78
kg/h分を低圧水素ガス予冷器10に導入する。そこ
で、高圧水素ガス予冷器8では、高圧水素ライン2から
導入された20℃の水素ガスと冷凍熱交換器9を経た−
70℃の水素ガスとの間で熱交換が行なわれて、20℃
の水素ガスは−50℃に予冷されて前段の膨張機4に導
入され、−70℃の水素ガスは圧力225kPa、温度
10℃の低圧の水素ガスとなって低圧水素ライン3に導
入されることになる。
【0029】一方、低圧水素導入管16の水素取出弁2
8を開けると、圧力200kPa、温度20℃の水素ガ
スが流量127kg/hで低圧水素ライン3から低圧水
素ガス予冷器10に導入される。低圧水素ガス予冷器1
0には、前述したように、冷凍熱交換器9を経た温度−
70℃の水素ガスのうち、流量78kg/h分が低圧水
素バイパス管22を介して導入されるので、20℃の水
素ガスと−70℃の水素ガスとの間で熱交換が行なわれ
て、20℃の水素ガスは−20℃に予冷されて前段の圧
縮機6に導入され、−70℃の水素ガスは圧力225k
Pa、温度10℃の水素ガスとなり、高圧水素ガス予冷
器8を経た水素ガスと合流して低圧水素ライン3に導入
されることになる。
【0030】予冷された水素ガスは前段の圧縮機6に導
入され、駆動軸13の回転により低圧の水素ガスが断熱
圧縮されて昇圧、昇温し、圧力470kPa、温度11
0℃の水素ガスとなる。ついで、水素ガスは、圧縮機連
絡管19を通じて中間冷却器11に導入され、熱交換媒
体23との間で熱交換が行なわれることにより冷却され
た後、後段の圧縮機7に導入され、水素ガスが再度断熱
圧縮されて昇圧、昇温し、圧力1125kPa、温度1
50℃となる。そして、この水素ガスは再度中間冷却器
11に導入され熱交換媒体23により冷却されて、圧力
1100kPa、温度40℃の水素ガスとなり、高圧水
素排出管17を介して高圧水素ライン2に導入される。
一方、熱交換媒体23は104kWの熱を得て温度10
0℃となり、金属水素化物昇圧器12に導入される。
【0031】ついで、金属水素化物昇圧器12では、中
間冷却器11から導入された熱交換媒体23との間の熱
交換により金属水素化物が熱を吸収して、予め吸蔵して
いた水素を放出する。すると、密閉された金属水素化物
昇圧器12内で水素ガスが昇圧されるので、水素ガスが
充分に昇圧されて高圧水素ライン2の圧力以上になった
時点で出口弁25を開けると、温度100℃の高圧の水
素ガスが流量23kg/hで高圧水素ライン2へと導出
される。
【0032】なお、前述したように、金属水素化物昇圧
器12による水素ガスの昇圧は間欠的に行われるため、
金属水素化物昇圧器12から高圧水素ライン2への高圧
水素ガスの導出を完了して出口弁25を閉じ、再び入口
弁24を開けて低圧水素ライン3からの水素ガスの吸蔵
を開始する際には、高圧水素導入管14および低圧水素
導入管16の水素取出弁27、28を閉じて膨張機4、
5および圧縮機6、7の運転を一旦停止し、金属水素化
物昇圧器12における水素の吸蔵が完了した時点で水素
取出弁27、28を開け、膨張機4、5および圧縮機
6、7の運転を再開する。
【0033】本実施例の冷凍サイクル1においては、高
圧の水素ガスにおける圧力をそのまま利用することによ
り別の駆動源を用いることなく膨張機4、5を回転駆動
し、膨張機4、5における断熱膨張により発生した冷熱
を冷凍熱交換器9により取り出して温度−60℃、冷却
能力100kWの冷熱利用設備21の冷却に利用するこ
とができる。また、膨張機4、5により得られた動力エ
ネルギーを圧縮機6、7で利用することにより低圧の水
素ガスを昇圧することができる。また、断熱膨張後の低
温の水素ガスを利用して、膨張機4、5および圧縮機
6、7に導入する高圧の水素ガスの予冷をそれぞれ行な
うことができる。さらに、断熱圧縮後の水素ガスの冷却
時に中間冷却器11の熱交換媒体23が得た熱を金属水
素化物昇圧器12に供給して利用することにより、低圧
水素ライン3から導いた低圧の水素ガスを昇圧して高圧
水素ライン2に導入することができる。
【0034】すなわち、この冷凍サイクル1では、膨張
機4、5による動力エネルギーの圧縮機6、7への供
給、高圧水素ガス予冷器8および低圧水素ガス予冷器1
0における有効な熱交換、中間冷却器11の得た熱の金
属水素化物昇圧器12への供給というように、これらエ
ネルギーの伝達を有効に利用してエネルギーの無駄を最
小限にしつつ冷凍供給を行なうことができるので、サイ
クル効率の高い冷凍サイクルを実現することができる。
【0035】本実施例の場合、サイクル効率ηは、冷凍
サイクル1において水素ガスが与えた仕事と、それによ
り作り出した冷凍供給能力とから求めることができ、 η=(冷凍供給能力)/(水素が与えた仕事) =(100[kW]×3600[sec/h])/{1925[kJ/kg]×(625-127-23[kg/h])} =39.4% となる。 (なお、1925[kJ/kg]は、1100kPaの高圧
の水素ガスと200kPaの低圧の水素ガスのエネルギ
ー差を示す値である。) 一般に、熱機関のサイクル効率は30%を越えるとその
効率は良好であるということができ、その意味からして
本実施例のものは良好なサイクル効率を有する冷凍サイ
クルということができる。
【0036】特に、本実施例の場合、前段の圧縮機6の
入口側に低圧水素ガス予冷器10を設け、圧縮機6、7
に導入する水素ガスの温度を低下させたため、同じ所要
動力であっても、予冷を行なわない場合に比べ、圧縮機
6、7においてより多量の水素ガスを圧縮することがで
きる。すなわち、この冷凍サイクル1では断熱膨張後の
低温の水素ガスの一部を低圧水素ガス予冷器10側で利
用することにより、圧縮機6、7をより効率的に利用す
ることができる。
【0037】また、環境に悪影響を及ぼす物質として問
題となっているフロン等の冷媒を使用することなく水素
ガスを使用して冷熱を回収することができ、しかもCO
2等の排ガスや排水の発生を伴う機械動力を全く必要と
せずに冷凍サイクル1を運転することができるため、こ
れらによって環境に及ぼす影響を少なく抑えることがで
きる。
【0038】なお、本実施例の冷凍サイクル1は、膨張
機4、5および圧縮機6、7それぞれを2段にわたって
備えた構成としたが、この構成に限るものではなく、各
々を単段、または3段以上とすることもできる。また、
本実施例における冷凍サイクル1内の各箇所における設
定圧力や設定温度は一例であって、適宜設定値の変更が
可能であるし、それに伴って冷凍熱交換器9の熱交換媒
体20や中間冷却器11の熱交換媒体23についても種
々のものを用いることが可能である。
【0039】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
冷凍サイクルにおいては、高圧の水素ガスにおける圧力
を利用して膨張機を回転駆動し、膨張機における断熱膨
張により発生した冷熱を冷凍熱交換器により取り出して
冷熱利用設備への冷凍供給に利用することができる。ま
た、膨張機により得られた動力エネルギーを圧縮機で利
用することにより低圧の水素ガスを昇圧することができ
る。また、断熱膨張後の低温の水素ガスを利用して、膨
張機および圧縮機に導入する高圧の水素ガスの予冷をそ
れぞれ行なうことができる。さらに、中間冷却器の熱交
換媒体が得た熱を金属水素化物昇圧器で利用して低圧の
水素ガスを昇圧することができる。すなわち、この冷凍
サイクルでは、膨張機による動力エネルギーの圧縮機へ
の供給、高圧水素ガス予冷器および低圧水素ガス予冷器
における有効な熱交換、中間冷却器の得た熱の金属水素
化物昇圧器への供給というように、これらエネルギーの
伝達を有効に利用してエネルギーの無駄を最小限にしつ
つ冷凍供給を行なうことができるので、サイクル効率の
高い冷凍サイクルを実現することができる。
【0040】また、特に、本発明においては、圧縮機の
前段に低圧水素ガス予冷器を設け、すなわち、冷凍熱交
換器を経た低温の水素ガスの一部を低圧水素ガス予冷器
側で利用して圧縮機導入前の水素ガスの温度を低下させ
たことにより、圧縮機をより効率的に利用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である冷凍サイクルの全体構
成を示す図である。
【符号の説明】
1 冷凍サイクル 2 高圧水素ライン 3 低圧水素ライン 4 前段の膨張機(膨張機) 5 後段の膨張機(膨張機) 6 前段の圧縮機(圧縮機) 7 後段の圧縮機(圧縮機) 8 高圧水素ガス予冷器 9 冷凍熱交換器 10 低圧水素ガス予冷器 11 中間冷却器 12 金属水素化物昇圧器 13 駆動軸 14 高圧水素導入管 15 低圧水素排出管 16 低圧水素導入管 17 高圧水素排出管 20 冷凍熱交換器の熱交換媒体 21 冷熱利用設備 23 中間冷却器および金属水素化物昇圧器の熱交換媒

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧の水素ガスを流す高圧水素ライン
    と、 低圧の水素ガスを流す低圧水素ラインと、 回転自在な駆動軸を有し、前記高圧水素ラインから高圧
    水素導入管を介して導入した水素ガスを断熱膨張させ、
    その水素ガスを低圧水素排出管を介して前記低圧水素ラ
    インに導出する膨張機と、 該膨張機の駆動軸上に設置され、前記低圧水素ラインか
    ら低圧水素導入管を介して導入した水素ガスを該駆動軸
    の回転により断熱圧縮させ、その水素ガスを高圧水素排
    出管を介して前記高圧水素ラインに導出する圧縮機と、 前記低圧水素排出管における前記膨張機の後段に設置さ
    れ、断熱膨張後の水素ガスが導入されて内部の熱交換媒
    体との間で熱交換が行なわれるとともに、該熱交換媒体
    が任意の冷熱利用設備との間で循環し、かつ熱交換後の
    水素ガスの温度が前記高圧水素ラインおよび前記低圧水
    素ラインを流れる水素ガスより低温となるように構成さ
    れた冷凍熱交換器と、 前記高圧水素導入管における膨張機の前段に設置され、
    該膨張機導入前の水素ガスと前記冷凍熱交換器を経た水
    素ガスとが内部に導入されて、これら水素ガス同士が熱
    交換するように構成された高圧水素ガス予冷器と、 前記低圧水素導入管における前記圧縮器の前段に設置さ
    れ、該圧縮機導入前の水素ガスと、前記冷凍熱交換器を
    経た前記高圧水素ガス予冷器導入前の水素ガスの一部と
    が導入されて、これら水素ガス同士が熱交換するように
    構成された低圧水素ガス予冷器と、 前記高圧水素排出管における前記圧縮機の後段に設置さ
    れ、断熱圧縮後の水素ガスが導入されて内部の熱交換媒
    体との間で熱交換が行なわれるように構成された中間冷
    却器と、 前記高圧水素ラインと前記低圧水素ラインとの間に設置
    されるとともに、前記中間冷却器との間を前記中間冷却
    器の熱交換媒体が循環するように構成され、該熱交換媒
    体の熱を吸収することにより前記低圧水素ラインから導
    入される水素ガスを昇圧して前記高圧水素ラインに導出
    するように構成された金属水素化物昇圧器とが具備され
    ていることを特徴とする冷凍サイクル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100404976C (zh) * 2006-07-13 2008-07-23 上海交通大学 单合金压缩-扩散式金属氢化物制热/制冷方法及系统

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100404976C (zh) * 2006-07-13 2008-07-23 上海交通大学 单合金压缩-扩散式金属氢化物制热/制冷方法及系统

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