JP4202057B2 - 原子炉プラントの排熱利用複合システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、熱効率を高めた直接サイクルガス冷却型の原子炉プラントの排熱利用複合システムに係り、特に冷却材熱交換器の排熱を利用して冷凍機を運転して直接サイクルガス冷却原子炉プラントの排熱回収を図った発明に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より原子力プラントにおいては、炉で加熱された冷却材の熱を利用して直接的あるいは間接的にタービンを駆動して発電しており、タービンを駆動させた後の冷却材は再び冷却されて、炉心冷却のために循環利用している。
冷却材の冷却は、水冷却炉では海水を用いた復水器により、ガス冷却炉では、冷却水あるいは海水を用いた前置冷却器や中間冷却器により行われている。
【0003】
下記に図4にかかる直接サイクルガス冷却型の原子炉プラント代表例を示す。図4に示す原子炉プラントは、原子炉1で加熱されたガス状冷却材をタービン2に導入して発電機と連結したタービンを駆動した後、タービン2出口側と原子炉1の入口側との間の冷却材経路に再生熱交換器4、前置冷却器5、中間冷却器6と圧縮機I7、圧縮機II8とを配置し、ガスタービン2を駆動した後の原子炉冷却材を再生熱交換器4及び前置冷却器5で熱交換した後、一段側圧縮機I7、中間冷却器6、及び圧縮機II8を経由して二段圧縮された高圧冷却材を、再生熱交換器4を経由して原子炉1の冷却材入口側に戻すように冷却材循環経路を形成しているものである。
【0004】
従来技術においては、これらの冷却器5、6による交換熱は最終的には海洋や大気に放熱され、原子炉熱出力に対する排熱割合は代表的な水冷却炉であるBWRやPWRで約2/3、代表的な高温ガス炉でも約1/2になっており、従来の原子力プラントは、必ずしも総合熱効率の高いシステムになっているとは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、原子炉の冷却材として気体を使用し、この冷却材によって直接的にタービンを回して発電を行う直接サイクル原子炉において、前置冷却器および中間冷却器からの排熱を、化学式冷凍機および機械式ヒートポンプによって回収して冷水・温水を生成し、それらを利用することによって、従来プラント(1/3〜1/2)より数段高い総合熱効率が得られる原子炉プラントを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために、ガスタービンを駆動した後の原子炉冷却材を再生熱交換器及び前置冷却器で熱交換した後、一段側圧縮機、中間冷却器、二段圧縮機を経由して二段圧縮された高圧冷却材を、再生熱交換器を経由して原子炉冷却材入口側に戻す冷却材循環経路を備えた原子炉プラントにおいて、
前記前置冷却器及び中間冷却器の内少なくとも一の冷却器の熱交換経路を、化学式冷凍機と機械式ヒートポンプの熱回路に接続し、前記冷却材の熱量を前記冷凍機側で回収可能に構成し、さらに、前記再生熱交換器で熱交換後前置冷却器に至る冷却材経路より冷却材を分岐して、該分岐冷却材を第三の圧縮機で圧縮した後前記再生熱交換器を経由して原子炉冷却材入口に戻すように冷却材循環経路を構成したことを特徴とする。
前記化学式冷凍機と機械式ヒートポンプの熱回路への接続は、具体的には前記前置冷却器の熱交換経路を化学式冷凍機の熱回路に、前記中間冷却器の熱交換経路を機械式ヒートポンプの熱回路に夫々接続するのがよい。
【0007】
その理由は再生熱交換器で熱交換後の冷却材の温度、言い換えれば前置冷却器入口側の温度は、80〜120℃前後あるために、化学式冷凍機で回収するのがよく、又中間冷却器の入口側温度は40〜60℃前後であるために、機械式ヒートポンプで回収するのが熱効率の面で好ましい。
本発明において、前記原子炉冷却材に二酸化炭素を用いた場合は、前置冷却器での回収温度が100℃前後得られるために、前記化学式冷凍機にシリカゲルを吸収剤として脱着温度が50〜70℃の吸着式冷凍機を用いることが出来、最適である。又、前記原子炉冷却材にヘリウムを用いて、前置冷却器での回収温度を100℃以上として、熱交換温度が100℃以上必要な前記化学式冷凍機に吸収剤として水−リチウム臭化物を利用した吸収式冷凍機を用いることも可能であるが、ヘリウムでは蒸発温度が極端に低いために、機械式冷凍機の冷媒と共通して使用することが極めて困難である。
【0008】
従って本発明によれば、前置冷却器側の回収可能な熱源の比較的高温側の熱源を化学式冷凍機で回収し、中間冷却器の比較的低温側の熱源を機械式ヒートポンプで回収することにより、効率のよい熱回収が行える。また、機械式ヒートポンプの冷媒は、使用する熱量・温度・圧力条件によって、最適なものを採用すればよいが、アンモニア、フロン、炭化水素ではなく、二酸化炭素を冷媒とすれば、毒性もなく不燃性で地球温暖化にも影響せず、かつより高温の温水が得られるという利点が活かせるとともに、該二酸化炭素は原子炉の冷却材として共通して用いることができ、冷却材の排熱を有効利用する冷凍機の冷媒として有効である。
【0009】
そして、本発明の原子炉熱回収システムにおいて、二酸化炭素を冷却材とした直接サイクル炉をベースとすれば、原子炉出口温度が800℃で、従来のHeサイクル高温ガス炉(原子炉出口温度が約900℃)と同程度以上のサイクル熱効率(約50%)が得られる。本発明では更に熱効率を(約50%以上に)上げるために、プラント回路中で冷却材を冷却する工程で発生する排熱を前記冷凍機側で回収し、有効利用している。これにより、約80%程度の総合熱効率を得ることが可能となることが試算された。
【0010】
更に本発明は、再生熱交換器で熱交換後前置冷却器に至る冷却材経路より冷却材を分岐して、該分岐冷却材を第三の圧縮機で圧縮した後前記再生熱交換器を経由して原子炉冷却材入口に戻すように冷却材循環経路を構成したことを特徴とする。
【0011】
これによって、前置冷却器の入口側温度を調節、好ましくは増大でき、そしてこのように前置冷却器側での、熱量を多くした場合に、前記前置冷却器の熱交換経路を前後複数段に分割し、前段側に化学式冷凍機の熱回路を、後段側に機械式ヒートポンプの熱回路を接続することにより一層有効な排熱利用が可能となる。特に吸着式冷凍機では再生工程と吸着工程を繰り返して行う必要があり、吸着工程では前置冷却器側での排熱利用が出来ないが、前記のように構成すれば単機の吸着式冷凍機でも連続的冷却が可能となる。
【0012】
この場合に前置冷却器側での前段側で化学式冷凍機で回収された後の後段側の排熱は、中間冷却器の回収熱とほぼ同等な50℃前後であるために、前記機械式ヒートポンプの熱回路を、前記前置冷却器後段側の熱交換回路と前記中間冷却器の熱交換回路に夫々並列接続されることにより、より大型の機械式ヒートポンプを用いる事ができる。
又前記前置冷却器前段側で回収後の後段側の排熱も中間冷却器より高い場合は前記機械式ヒートポンプの熱回路を、前記中間冷却器と前置冷却器後段側の熱交換回路とに直列接続してもよく、これにより前記中間冷却器で予備加熱した後、前置冷却器後段側で再加熱する等の二段加熱方式を採用する事が出来る。
【0013】
更に本発明は、前記原子炉冷却材が二酸化炭素の場合、原子炉出口温度が800℃のため、前置冷却器前段側から取り出し得る排熱の温度が50〜100℃近辺になる。従って、吸着式冷凍機に適当な熱源温度範囲に排熱の温度を適合させることが可能で、例えば水をシリカゲルに吸着させ吸着式冷凍機において空調に適する10℃以下の冷水温度が効果的に得られる。
【0014】
なお、前記原子炉冷却材がヘリウムの場合、ヘリウム冷却炉の場合は原子炉出口温度が高温(900℃)のため、前置冷却器前段側から取り出し得る排熱の温度を100℃以上とすることができるが、熱源が高温の場合機構、取り扱いが複雑となる。このように熱源温度が高い場合は、現状で最も技術的に完成度の高いリチウム臭化物に水を吸収させて、冷熱を得る吸収式冷凍機を使用することも可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0016】
図1及び図2は、熱効率を高めた直接サイクルガス冷却型の原子炉プラントの排熱利用複合システムの夫々の実施例である。
各図に示す原子炉プラントは、原子炉1と、発電機(図示せず)が連結されたタービン2を備え、圧縮機は第1段圧縮機I7、第2段圧縮機II8、第3段圧縮機III9の三段連結構造となっている。さらに、タービン2の出口側と原子炉1の入口側との間における冷媒循環経路には冷却材の流れ方向に沿って再生熱交換器4、前置冷却器5、中間冷却器6と圧縮機I7、圧縮機II8、圧縮機III9が介装されている。
又図中のTは夫々の経路中の温度(単位℃)、Pは圧力(単位メガパスカルMP)を示す。
【0017】
そして本実施例においては、前置冷却器5の高温排熱回収用に吸着式冷凍機10による冷水供給設備Bを、前置冷却器5の低温排熱および中間冷却排熱回収用に機械式ヒートポンプ11による温水供給設備Aを備えている。
【0018】
機械式ヒートポンプ11は、圧縮機31、負荷側と熱交換されるガスクーラ(凝縮器)32、及び中間冷却器6を蒸発器として使用したヒートポンプサイクル中に配設された第1の膨張機13A、前記吸着式冷凍機10の凝縮・冷却経路に配設された第2の膨張機13B、からなり、本実施形態では、冷媒として炭酸ガスを用いるとともに、前記サイクルでは第1の膨張機13A出口側経路を中間冷却器6の熱交換回路(コイル)6A入口側に、該熱交換回路6A出口側を圧縮機吸入側経路52に接続させ中間冷却器を膨張機として機能させている。
この結果、中間冷却器6で冷却材との熱交換により蒸発した冷媒は、圧縮機31で吸入圧縮された後、ガスクーラ32での熱交換により凝縮されて第1の膨張機13Aに導かれて膨張させた後、中間冷却器6で蒸発されて、前記ヒートポンプサイクルを繰り返す。
【0019】
また、ガスクーラ32での熱交換により凝縮された冷媒の一部は、第2の膨張機13Bにより膨張された後、前記吸着式冷凍機10の凝縮・冷却経路41に送られる。
尚、図中における矢印は、本サイクル中における冷却材、及び冷媒の流れる方向を示すものである。
【0020】
吸着式冷凍機10は水を冷媒として使用し、図3に示すように吸収剤シリカゲル24が内蔵され再生工程(1)で前置冷却器5と圧縮機(HP)31吸入側と接続し(図1参照)、一方吸着工程(2)では膨張機13Bと圧縮機31吸入側間を接続する熱交換コイル240を具えた熱交換器22と、冷媒ポンプ25により上部ノズル26より水を噴射させながら、負荷コイル27を介して冷水を生成する蒸発器セル23と、前記熱交換器22よりの水蒸気を、第2の膨張機13Bよりの液体炭酸ガスと凝縮コイル28を介して熱交換して凝縮させる凝縮器セル21と、前記蒸発器セル23と凝縮器セル21を再生工程(1)と吸着工程(2)で夫々切り替える切替弁29A、29Bよりなる。
【0021】
なお、図1は前記前置冷却器5の熱交換コイル5Aに化学式冷凍機の熱回路を接続し、機械式ヒートポンプ11の第1の膨張機13Aより圧縮機吸入側経路51〜52間に中間冷却器6の熱交換コイル6Aを接続させた熱回路51〜52を接続した実施例で、その温度及び回路の接続状況は吸着式冷凍機の再生工程(図3(1)参照)を示す。
【0022】
図2は前記前置冷却器5の熱交換コイル5A、5Bを前後複数段に分割し、前段側コイル5Aに吸着式冷凍機10の熱回路28(再生工程)、240−28(吸着工程)240〜28を、後段側熱交換コイル5Bに機械式ヒートポンプ11の熱回路51〜52を接続した実施例で、その温度及び回路の接続状況は吸着式冷凍機の吸着工程(図3(2)参照)の状態を示す。
又図1において示すガスクーラ32は図2において熱交換器32として表示しているが、いずれも同意の冷媒凝縮器である。
【0023】
次に図1及び図2に示す本実施例の作用について説明する。
原子炉1の炉心で約600〜800℃に加熱された二酸化炭素冷却材は、タービン2へ直接導かれてタービン2を回し、これによって発電機を駆動させる。
タービン2で膨張されて排出された500〜600℃前後の気体状態の冷却材は、再生熱交換器4で90〜120℃前後まで冷却される。
【0024】
その後、冷却材は分岐点12で所定の割合で分配され、一方は前置冷却器5へ導かれて吸着式冷凍機10側の再生工程での二酸化炭素冷媒との熱交換(図1参照)により35℃前後に冷却され、他方は、冷却されずに100℃前後で圧縮機III9に導入されて圧縮され200〜260℃前後に昇温する。
【0025】
なお、前置冷却器5の排熱回収を図2に示すような、吸着式冷凍機10と機械式ヒートポンプ11の2段構成にすることなく、図1に示すように前置冷却器5では吸着式冷凍機のみで排熱回収を行い、又機械式ヒートポンプ11では、中間冷却器6側の排熱を行うように構成してもよい。
【0026】
元に戻り、前置冷却器5に導入され、冷却された冷却材は1段圧縮機I7よって圧縮され70〜90℃前後に昇温されて、中間冷却器6で機械式ヒートポンプ11側の冷媒の蒸発潜熱により35℃前後に再冷却され、さらに2段圧縮機II8によって圧縮され90〜110℃前後に昇温された後、再生熱交換器4でタービン2から排出された500〜600℃前後の前記冷却材との熱交換によって昇温される。
この再生熱交換器4内で、前置冷却器5の入力側を分岐点12を介してバイパスさせた冷却材配管14を介して三段圧縮機III9で同じ圧力に圧縮された200〜260℃前後の冷却材と混合される。
【0027】
混合された冷却材は、再生熱交換器4にてタービン2から排出された前記冷却材との熱交換によって原子炉1の入口温度の450〜600℃前後まで上昇させられる。この冷却材は原子炉1の炉心内に至り、ここで再び600〜800℃前後に加熱される。そして上記のような工程を再び経ることによって発電機を連続的に駆動させ、発電を行うものである。
【0028】
さて原子炉の排熱は、前置冷却器5に接続された、吸着式冷凍機10による冷水供給設備Bと、前置冷却器5と中間冷却器6に接続された、機械式ヒートポンプ11を用いた温水供給設備Aとで回収される。
【0029】
図3に基づいて、吸収剤にシリカゲル、冷媒に水を採用した場合の吸着式冷凍機の作動原理を説明する。吸着式冷凍機10は、吸着工程(1)と再生工程(2)とからなる。
図3下段に示す吸着工程では切替弁29Bにより凝縮器セル21側を閉じ、蒸発器セル23と熱交換器22間を連通させ、機械式ヒートポンプ11システムの第2の膨張機13Bを介して供給される20℃の液体二酸化炭素により吸収剤シリカゲル24を冷却することで、冷媒である水の蒸気が吸収剤であるシリカゲルに吸着される。蒸気の吸着により蒸発器セル23内の水が蒸発し、その潜熱によって蒸発器セル23内に設置された冷水配管(負荷コイル)27が冷却され、冷水29が生成される。得られた約7〜9℃の冷水は、オフィスビルの空調等に利用される。
図2の本実施例のフロー図では、その吸着工程の状態を示し、切替弁29Bにより凝縮器セル21側が閉じられた状態のために、前置冷却器5の凝縮器セル21側と接続している前置冷却器5の前段側熱交換コイル5Aとの間では、単に1気圧の炭酸ガスが50℃で入り、55℃で排出されるように循環しているだけで、中間冷却器6の熱交換コイル6Aとともに、前置冷却器5の後段側の熱交換コイル5Bと接続されたヒートポンプの第1の膨張機13Aの20℃の液体二酸化炭素冷媒と熱交換して、その蒸発潜熱を利用して熱交換されているのみである。
【0030】
一方、前記吸着工程終了後、図3上段に示す再生工程に移行し、該工程では切替弁29Aにより凝縮器セル21側を連通させ、蒸発器セル23と熱交換器22間を閉じて脱着を行う。
すなわち、図1に示すように、シリカゲルに吸着された水は、前置冷却器5の熱回収で得られた高温の90〜110℃前後の二酸化炭素で熱交換器22内のシリカゲル24を加熱することにより脱着される。
脱着された熱交換器22内の水の蒸気は、機械式ヒートポンプ11システムから供給される20℃前後の低温の液体二酸化炭素により凝縮器セル21内で熱交換して凝縮し、凝縮水は管路210を介して蒸発器セル23に移送される。
【0031】
前記したように、1基の吸着式冷凍機では、これらの吸着工程、再生工程を交代で繰り返すこととなるが、複数の吸着式冷凍機を設置して半数を吸着過程、半数を再生過程で運転させることにより、前置冷却器5からの熱除去が常時安定して行われるようにでき、図2のように前置冷却器の熱交換コイルを上下2段構成とせずに、図1に示す1段構成でも前置冷却器の冷却材冷却を連続的に行うことが出来る。
【0032】
一方、原子炉の冷却材である二酸化炭素は、機械式ヒートポンプ11の第1の膨張弁13Aで膨張されて20℃前後まで冷却された冷媒によって、前置冷却器5(図2参照)および中間冷却器6で冷却材との熱交換により奪熱蒸発され、冷却材は50〜70℃前後より、圧縮機I7および圧縮機II8の入口温度35℃まで冷却される。
【0033】
一方、前置冷却器5および中間冷却器6で蒸発した気体二酸化炭素は、機械式ヒートポンプ11の圧縮機によって圧縮され、約90〜100℃まで昇温される。この100℃前後の二酸化炭素冷媒は、温水供給設備の熱交換器で水を約25℃から約85〜55℃まで昇温するのに利用され、この温水はオフィスビルや工場の暖房、温水プールなどに供給される。
【0034】
水を昇温した二酸化炭素冷媒は凝縮して10MPa、30℃の液体二酸化炭素となる。
この液体二酸化炭素冷媒は、第1及び第2の膨張機13A、13Bにて10MPaから約6MPaまで減圧することにより、20℃まで冷却される。この液体二酸化炭素は、吸着式冷凍機10の吸着工程におけるシリカゲルの冷却流体や再生工程における凝縮器セル21の冷却流体、前置冷却器5および中間冷却器6の冷却媒体として、再び利用されることは前記したとおりである。
【0035】
従って本実施例によると、二酸化炭素直接サイクル原子炉の出口温度800℃、出口圧力12.5MPaのサイクル熱効率が約50%と試算され、それに前述の吸着式冷凍機および機械式ヒートポンプによる熱回収を加味すると、総合熱効率が約80%と試算され、従来の原子炉システムでは捨てられていた約1/2〜2/3の原子炉排熱を約20%にまで低減できることが確認できた。
【0036】
従ってかかる実施例によれば機械式ヒートポンプの冷媒の蒸発潜熱を利用して熱除去することにより、熱伝達性能の高い沸騰熱伝達が利用でき、前置冷却器5および中間冷却器6が小型化できるという利点がある。
時に冷媒として二酸化炭素を用いれば、前述のように安全かつ脱フロンができ、さらにより高温の温水が供給できる。
以上、具体例を挙げながら発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来の原子炉システムでは約1/2〜2/3は捨てられていた原子炉排熱を約20%にまで低減し、総合熱効率が約80%となるような原子炉複合システムが構築できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る原子炉複合システムの構成図を示し、具体的には前置冷却器の熱交換コイルに化学式冷凍機の熱回路を接続し、機械式ヒートポンプの第1の膨張機より圧縮機吸入側経路間に経路に中間冷却器の熱交換コイルを接続させた熱回路を接続した第1の実施例で、特にその温度及び回路の接続状況は吸着式冷凍機の再生工程を示す。
【図2】 本発明の実施形態に係る原子炉複合システムの構成図を示し、具体的には前記前置冷却器の熱交換コイルを前後複数段に分割し、前段側コイルに化学式冷凍機の熱回路を、後段側熱交換コイルに機械式ヒートポンプの熱回路を接続した第2の実施例で、その温度及び回路の接続状況は吸着式冷凍機の吸着工程を示す。
【図3】 本発明に採用している吸着式冷凍機の原理を示す原理図である。
【図4】 従来の直接サイクルガス冷却型の原子炉プラントの概要を示す代表的な構成図である。
【符号の説明】
1 原子炉
2 タービン
4 再生熱交換器
5 前置冷却器
6 中間冷却器
7 圧縮機I
8 圧縮機II
9 圧縮機III
10 吸着式冷凍機
11 機械式ヒートポンプ
12 分岐点
13A 第1の膨張機
13B 第2の膨張機
14 冷却材配管
21 凝縮器セル
22 熱交換器
23 蒸発器セル
24 吸収剤シリカゲル
29 冷水
Claims (5)
- ガスタービンを駆動した後の原子炉冷却材を再生熱交換器及び前置冷却器で熱交換した後、一段側圧縮機、中間冷却器、二段圧縮機を経由して二段圧縮された高圧冷却材を、再生熱交換器を経由して原子炉冷却材入口側に戻す冷却材循環経路を備えた原子炉プラントにおいて、
前記前置冷却器及び中間冷却器の内少なくとも一の冷却器の熱交換経路を、化学式冷凍機と機械式ヒートポンプの熱回路に接続し、前記冷却材の熱量を前記冷凍機側で回収可能に構成し、さらに、前記再生熱交換器で熱交換後前置冷却器に至る冷却材経路より冷却材を分岐して、該分岐冷却材を第三の圧縮機で圧縮した後前記再生熱交換器を経由して原子炉冷却材入口に戻すように冷却材循環経路を構成したことを特徴とする原子炉プラントの排熱利用複合システム。 - 前記前置冷却器の熱交換経路を化学式冷凍機の熱回路に、前記中間冷却器の熱交換経路を機械式ヒートポンプの熱回路に夫々接続したことを特徴とする請求項1記載の原子炉プラントの排熱利用複合システム。
- 前記前置冷却器の熱交換経路を前後複数段に分割し、前段側に化学式冷凍機の熱回路を、後段側に機械式ヒートポンプの熱回路を接続したことを特徴とする請求項1若しくは2記載の原子炉プラントの排熱利用複合システム。
- 前記機械式ヒートポンプの熱回路に、前記前置冷却器後段側の熱交換回路と前記中間冷却器の熱交換回路が夫々接続されていることを特徴とする請求項3記載の原子炉プラントの排熱利用複合システム。
- 前記原子炉冷却材に二酸化炭素を用いるとともに、前記化学式冷凍機に吸着式冷凍機、前記機械式ヒートポンプの冷媒(熱媒)に二酸化炭素を夫々用いたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の原子炉プラントの排熱利用複合システム。
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