JPH07188820A - Ni−Cr系合金 - Google Patents

Ni−Cr系合金

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JPH07188820A
JPH07188820A JP35029093A JP35029093A JPH07188820A JP H07188820 A JPH07188820 A JP H07188820A JP 35029093 A JP35029093 A JP 35029093A JP 35029093 A JP35029093 A JP 35029093A JP H07188820 A JPH07188820 A JP H07188820A
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JP
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alloy
hydrogen
hydrogen embrittlement
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less
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Application number
JP35029093A
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English (en)
Inventor
Takashi Kojima
尊 児嶋
Yukiyoshi Watanabe
幸良 渡辺
Masao Amano
正夫 天野
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Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高清浄でかつ水素脆化の発生し難いNi−C
r系合金を、脱水素処理工程を追加することなく、生産
効率を低下させずに安価に提供できるNi−Cr系合
金。 【構成】 材料中に含有される炭素(C)、窒素
(N)、酸素(O)を所定量に調整することによって、
材料中の非金属介在物の生成を低減するとともに、水素
雰囲気内にて実施する軟化処理を要因とする水素脆化に
よる加工性の低下を抑制し、高清浄度で水素脆化を発生
し難いNi−Cr系合金が得られる。 【効果】 水素雰囲気内での軟化処理後に脱水素処理を
実施する必要がなく、材料中に存在するの非金属介在物
の量を低減することができることから、圧延加工時に発
生する線状疵等が少なく、表面性状の良好、TVブラウ
ン管の電子銃のカソードスリーブ等、高真空中で使用す
る用途に採用しても、該Ni−Cr系合金中の不純物元
素の蒸発による汚染がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高清浄でかつ水素脆
化の発生し難いNi−Cr系合金に関するもので、特
に、材料中の非金属介在物の生成を低減するとともに、
水素脆化を要因とする加工性の低下を抑制したNi−C
r系合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Ni−Cr系合金は、Niに対するCr
の含有量や添加元素の種類、製造方法等を種々選定する
ことによってTVブラウン管の電子銃のカソードスリー
ブ、熱電対およびその補償導線、ガスコンロの立ち消え
安全装置のセンサー、眼鏡のフレーム等、広範囲の利用
分野に用いられている。
【0003】いずれの用途においても、表面性状を良好
にするとともに信頼性の高い安定した特性を維持するた
めに、材料中に生成される非金属介在物の低減や添加元
素による改善が検討されてきた。特に、材料中に非金属
介在物が生成されると、該材料の冷間加工(冷間圧延)
時に線状疵が発生したり、加工割れを招く原因となるこ
とから、原料中に含まれる不純物の量を極力低減するこ
とが望まれ、現在では原料の高純度化や脱酸剤の適量化
等を達成することによって非金属介在物の低減を大幅に
実現することができた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、高純度の
原料を用いることや脱酸剤の適量化等によって材料中に
生成される非金属介在物の低減を達成することができ、
該非金属介在物の存在を要因とする線状疵の発生等は大
幅に低減された。しかし、該材料を所定寸法まで冷間加
工するには、製造工程中で水素を含む雰囲気内での軟化
処理(熱処理)を施した後に、再度冷間加工を施すこと
となるが、その際に、延性(伸びや引張強さ)の低下が
生じ非常に加工性が悪くなり、加工割れやブリスター
(フクレ)が発生したりすることとなる。すなわち、N
i−Cr系合金において、高純度の原料を用いることや
脱酸剤の適量化等によって高清浄化を達成することが可
能となった反面、延性が低下し、工業規模における生産
時に加工割れやブリスター等の不良が発生するという問
題点を有することとなった。
【0005】本発明者は、上記高純度の原料を用いるこ
とや脱酸剤の適量化等によって得られる高清浄化を達成
したNi−Cr系合金に熱間加工及び冷間加工を施し所
定厚さにした後、水素を含む雰囲気内で軟化処理を施
し、さらに、該加工材料にベーキング処理(大気中での
低温加熱処理、通常350℃以下)を施して機械特性
(引張強さ及び伸び)を測定した。すなわち、ベーキン
グ処理時間を調整することによって材料中に含まれる水
素の量を調整し、該含有水素量と引張強さとの関係及び
伸びとの関係をJIS Z2241に基づき測定した。
その結果は図1(a)及び図1(b)に示す通りであ
る。なお、試験材料としては主要成分としてCr19.
4wt%を含有し、残部が実質的にNiよりなる高清浄
(NiとCr以外の不可避的不純物の合計量が1wt%
以下)のNi−Cr系合金を用いた。
【0006】図1(a)及び図1(b)から明らかなよ
うに、材料中に含まれる水素の量が増加するに伴ない、
引張強さ及び伸びともに急激に低下することが分かる。
また、引張試験後の材料の破面を透過電子顕微鏡にて観
察したところ、水素含有量が多い材料においては、大型
の非金属介在物の存在は認められないが、結晶粒界にて
破断しており、所謂粒界脆性破面であることが確認でき
た。水素含有量の低減とともに延性破面に移行している
ことも併せて確認できた。このような試験結果から、本
発明者は、先に説明した延性の低下は、水素雰囲気内で
の軟化処理の際に、材料中に侵入し粒界にトラップされ
た水素が、粒界強度を低下して発生する所謂水素脆化を
原因とするものであると推測した。
【0007】従って、上記の問題点を解決するために
は、水素雰囲気内での軟化処理の後にベーキング処理等
の脱水素処理を行うことで、材料中に含まれる水素の量
を低減してNi−Cr系合金が有する本来の延性を回復
することが考えられる。しかし、脱水素処理を追加する
ことは、製造工程を増加することとなり、工業規模にお
ける生産に際しては、製造時間の大幅の増加、製造設備
の増設等が必要となり、製造方法が煩雑になるだけでな
く、価格高騰を招き経済性の観点からも好ましくない。
【0008】この発明は、上記の現状に鑑み、高清浄で
かつ水素脆化の発生し難いNi−Cr系合金を、脱水素
処理工程を追加することなく、生産効率を低下させずに
安価に提供できるNi−Cr系合金を目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、材料中の非
金属介在物の生成を低減するとともに、水素脆化を要因
とする加工性の低下を抑制したNi−Cr系合金の提供
を可能とするために、種々の実験を繰り返し、特に、材
料中に含有される炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)
が水素脆化に対する抑制作用を有することを知見し、該
知見に基づくこれらの含有量を所定量とすることによっ
て目的とするNi−Cr系合金を完成したものである。
Ni−Cr系合金中には原料の純度等に応じて主要成分
であるNi及びCr以外に種々の不可避的不純物が含有
されるている。これらの不純物が水素脆化に及ぼす影響
を調査したところ、材料中に含有される炭素(C)、窒
素(N)、酸素(O)のいずれもが水素脆化に対する抑
制作用を有することが確認できた。
【0010】しかし、窒素(N)及び酸素(O)は不可
避的不純物の内でも、特に、非金属介在物を生成しやす
く、これらを水素脆化抑制のために多く含むことは高清
浄化の目的に相反することとなる。一方、炭素(C)
は、窒素(N)及び酸素(O)に比べ非金属介在物が生
成し難く、従来からFeやNiの結晶粒界を強化し、粒
界脆化を抑制する効果を有することが知られており、こ
れら炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)の含有量をそ
れぞれ好ましい範囲内に調整することによって、この発
明の目的とする高清浄度でかつ水素脆化の発生し難いN
i−Cr系合金の提供が可能であることを確認したので
ある。
【0011】すなわち、この発明は、主要成分としてC
r9〜20wt%を含有するNi−Cr系合金におい
て、C0.005〜0.03wt%を含有するととも
に、不可避的混入成分であるOを0.003wt%以
下、Nを0.003wt%以下とすることを特徴とする
高清浄でかつ水素脆化の発生し難いNi−Cr系合金で
ある。さらに、主要成分であるNiおよびCr以外に該
Ni−Cr系合金の用途に応じて公知の副成分を含有し
た場合でも、炭素(C)、酸素(O)、窒素(N)の含
有量を上記の範囲とすることによって同様な効果が得ら
れることを確認した。なお、主たる副成分としてはM
n,Cu,Mo,Nb,Co,Ti,W,V,Zr等が
用いられ、これらの1種または2種以上を、通常、合計
で0.001〜8wt%含有するNi−Cr系合金が多
用される。
【0012】
【作用】この発明において、Crは主要成分の一つであ
り、9wt%未満の含有では耐食性が劣化し、また高温
強度が得られない。一方、20wt%を超えて含有する
と熱間鍛造、熱間圧延等の熱間加工を困難にする。した
がって、この発明においてはCrの含有量は9〜20w
t%の範囲で選定する。NiもCrと同様に主要成分の
一つであり、実質的に残部を構成している。上記のCr
の組成範囲内において、該Niとの組成比を適宜選定す
ることによって、用途に対応する諸特性を得ることがで
きる。
【0013】例えば、上記のCrの組成範囲内におい
て、Crの含有量が15〜20wt%程度と比較的多い
場合は、高温強度が高い等の特徴を有することから、T
Vブラウン管の電子銃のカソードスリーブ等への使用が
有効であり、この場合には、Crを18〜20wt%の
範囲で選定することが好ましく、さらに好ましくは19
〜20wt%の範囲で選定する。また、Crの含有量が
9〜15wt%程度の場合は、耐食性が高い、表面光沢
等の美観に優れる等の特徴を有することから、眼鏡のフ
レーム等の装飾合金への使用が有効であり、この場合に
は、Crを10〜14wt%の範囲で選定することが好
ましく、さらに好ましくは12〜13wt%の範囲で選
定する。さらに、Crの含有量が9〜10wt%程度と
比較的少ない場合は、耐酸化性に優れる上に、比較的加
工性が良い等の特徴を有することから、熱電対およびそ
の補償導線やガスコンロの立ち消え安全装置のセンサー
等の耐熱合金への使用が有効である。
【0014】上記の各組成比からなるNi−Cr系合金
のいずれにおいても、該合金中に存在する炭素(C)、
窒素(N)、酸素(O)による清浄化及び水素脆化への
影響は同様であり、それぞれを好ましい範囲内に調整す
ることが必要となる。炭素(C)は水素脆化を抑制する
ために不可欠の元素であり、0.005wt%未満の含
有では目的とする水素脆化の抑制効果が得られず、ま
た、0.03wt%を超えて含有すると炭化物を形成
し、これが水素ガスと反応してメタンガスを生成して結
晶粒界に集積し、割れを発生し、脆化脆化を招くことか
ら0.005〜0.03wt%の範囲で含有する。ま
た、0.005〜0.02wt%の範囲で選定すること
が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.015w
t%の範囲で選定する。窒素(N)、酸素(O)はとも
に水素脆化の抑制効果を有するが、前述のように非金属
介在物を生成しやすいことから、目的とする高清浄化を
達成するには、いずれも0.003wt%以下とするこ
とが必要であり、好ましくは0.002wt%以下、さ
らに好ましくは0.001wt%以下である。
【0015】さらに、主要成分であるNi及びCr以外
に、要求される諸特性に合わせて種々の副成分を添加含
有することが可能である。例えば、Mn,Cu,Mo,
Nb,Co,Ti,W,V,Zr等の副成分を所定量添
加することによって耐食性の向上、機械的強度やバネ性
の向上、高温強度の向上等の効果を得ることができる。
以上のような副成分を所定量添加してなるNi−Cr系
合金においても炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)を
上記の範囲内とすることによって同様な作用効果を得る
ことができる。この発明のNi−Cr系合金において
は、本質的に高清浄度を目的としていることから、上記
の主成分であるNiおよびCrや種々副成分以外の不可
避的不純物を極力低減することが望まれ、不純物の含有
量(C,N,Oを含む)を1wt%以下とすることが好
ましく、さらに好ましくは0.5wt%以下である。
【0016】これらの不純物は、通常、主成分あるいは
副成分を構成する原料中に含有されていたり、脱酸剤と
して添加されたり、熱間加工性向上のために添加された
りしたものであり、例えば、Siは多く含有すると非金
属介在物を生成しやすくなり、清浄度の悪化等を招くこ
とから0.5wt%以下とすることが望ましい。Mn
は、副成分として積極的に添加含有させる場合もある
が、例えば、該Ni−Cr系合金を真空管等に使用する
場合には、真空中で高温になると蒸発して真空管内を汚
染することから0.1wt%以下とすることが望まし
い。Sは、粒界に偏析して熱間加工性の悪化等を招くこ
とから0.01wt%以下とすることが望ましい。Al
は、Siと同様に多く含有すると非金属介在物を生成し
やすくなり、清浄度の悪化等を招くことから0.05w
t%以下とすることが望ましい。Feは、耐食性、耐熱
性、耐酸化性の悪化等を招くことから1wt%以下とす
ることが望ましく、さらに望ましくは0.5wt%以下
である。La,Ce,Mg,Yは、主としてSを固定
し、熱間加工性を改善する目的で添加するが、多く含有
すると粒界に偏析し、かえって熱間加工性の悪化等を招
くことから1種または2種以上の合計を0.005wt
%以下とすることが望ましい。
【0017】以上に示す各組成範囲からなるNi−Cr
系合金においては、特に非金属介在物を生成しやすい窒
素(N)と酸素(O)の含有量を所定量以下とするとと
もに、水素脆化の抑制作用を有する炭素(C)を効果的
に含有させることによって、水素雰囲気内での軟化処理
後にベーキング処理等の脱水素処理を施すことなく高清
浄でかつ水素脆化の発生し難いNi−Cr系合金を得る
ことができる。
【0018】
【実施例】
実施例1 この発明の作用効果を以下の実施例によって一層詳細に
説明する。Ni−Cr系合金における炭素(C)、窒素
(N)、酸素(O)の含有による清浄度と水素脆性への
影響を調べるため、表1に示す組成からなる試料を作成
した。なお、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)以外
の不純物については、いずれの試料もほぼ同程度になる
よう調整した。すなわち、Si0.11〜0.13wt
%、Mn0.01wt%未満、S0.001wt%未
満、Al0.007〜0.019wt%、Fe0.05
〜0.06wt%、Mg,La,Ceの合計0.015
〜0.027wt%の範囲内にあった。これらの試料
は、所定組成になるよう原料配合し、真空溶解にて鋳塊
を得、その後、熱間圧延及び冷間圧延を施して厚さ1.
00mmの板材とし、さらに、これらの各組成範囲から
なる板材をJIS Z224に基づく引張試験用試験片
の形状に加工したものである。
【0019】上記の各所定組成からなる複数枚の引張試
験用試験片(試料)に、水素雰囲気内にて軟化処理(1
100℃×6min)を施し、次いで大気中にて脱水素
処理(350℃×1hr)を施し、それぞれ軟化処理後
及び脱水素処理後の引張強さと伸びを測定して、その結
果を表2に示す。また、引張試験用試験片に加工せず、
前記厚さ1.00mmの板材の線状疵の発生状況を観察
して、その結果を、表2に併せて示す。さらに、上記引
張試験後の試験片の破断面を透過電子顕微鏡にて500
倍で観察し、粒界破断が発生している場合を「脆化の発
生有」、粒界破断が発生していない場合を「脆化の発生
無」として表2に示した。これらの各試験結果から水素
脆化が発生せず、かつ非金属介在物による線状疵が発生
しなかった場合を「評価○」、いずれか一方でも発生し
た場合を「評価×」として表2に示した。
【0020】表1及び表2に示す測定結果から明らかな
ように、この発明のNi−Cr系合金においては、軟化
処理後及び脱水素処理後の引張強さと伸びとの値にあま
り大きな差異が生ぜす、また線状疵の発生、脆性の発生
のいずれもが確認されなかった。一方、比較例のNi−
Cr系合金においては、炭素(C)、窒素(N)、酸素
(O)のいずれも低い場合(比較例12,17,18)
は、脱水素処理後の引張強さと伸びとの値に比べ、軟化
処理後の該値が大幅に低く、水素脆化が発生しているこ
とが分かる。しかし、この場合は、非金属介在物による
線状疵の発生は確認できなかった。また、窒素(N)、
酸素(O)のいずれも低いが、炭素(C)が特許請求の
範囲を超えて含有された場合(比較例13)は、軟化処
理後の引張強さと伸びとの値が通常値に比べて低く、こ
の場合は脱水素処理を実施しても回復しなかった。ただ
し、この場合も、非金属介在物による線状疵の発生は確
認できなかった。炭素(C)が低く、窒素(N)、酸素
(O)のいずれか一方または両方が多く含有されている
場合(比較例14,15,16)は、軟化処理後及び脱
水素処理後の引張強さと伸びとの値にあまり大きな差異
が生じていないが、いずれの場合も非金属介在物による
線状疵の発生が確認された。
【0021】以上のことから、炭素(C)、窒素
(N)、酸素(O)の含有量が多くなると水素脆化を抑
制することができるが、炭素(C)が多くなりすぎると
反対に水素脆化を招いてしまうことが分かる。また、窒
素(N)、酸素(O)の含有量が多い場合は、水素脆化
を招くことはないが非金属介在物による線状疵の発生を
招いてしまうことが分かる。すなわち、非金属介在物に
よる線状疵の発生を招くことなく、かつ水素脆化を発生
させないためには、炭素(C)の含有量を所定範囲内
(0.005〜0.03wt%)に調整するとともに、
窒素(N)、酸素(O)の含有量を極力低減させること
が必要であることが確認できた。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】この発明のNi−Cr系合金は、上記の
実施例からも明らかのように、材料中に含有される炭素
(C)、窒素(N)、酸素(O)を所定量に調整するこ
とによって、材料中の非金属介在物の生成を低減すると
ともに、水素雰囲気内にて実施する軟化処理を要因とす
る水素脆化による加工性の低下を抑制し、高清浄度で水
素脆化を発生し難いNi−Cr系合金の提供を可能とす
るものである。特に、水素雰囲気内での軟化処理後に脱
水素処理を実施する必要がないことから、工業規模にお
ける生産に際して非常に生産効率が向上し、安価なNi
−Cr系合金の提供が可能となる。また、材料中に存在
するの非金属介在物の量を低減することができることか
ら、圧延加工時に発生する線状疵等が少なくなり、表面
性状の良好なNi−Cr系合金を提供できる。さらに、
この発明のNi−Cr系合金は、本質的に不純物の量が
少ないことから、TVブラウン管の電子銃のカソードス
リーブ等、高真空中で使用する用途に採用しても、該N
i−Cr系合金中の不純物元素の蒸発による汚染がな
く、この発明のNi−Cr系合金の長所を有効に活用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】aはNi−Cr系合金中に含有する水素の量と
引張強さとの関係を示すグラフであり、bはNi−Cr
系合金中に含有する水素の量と伸びとの関係を示すグラ
フである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主要成分としてCr9〜20wt%を含
    有するNi−Cr系合金において、C0.005〜0.
    03wt%を含有するとともに、不可避的混入成分であ
    るOを0.003wt%以下、Nを0.003wt%以
    下とすることを特徴とする高清浄でかつ水素脆化の発生
    し難いNi−Cr系合金。
JP35029093A 1993-12-27 1993-12-27 Ni−Cr系合金 Pending JPH07188820A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002263391A (ja) * 2001-03-13 2002-09-17 Brother Ind Ltd ミシン針およびその製造方法

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