JPH07188792A - メッキ材の処理方法およびメッキ材処理装置 - Google Patents

メッキ材の処理方法およびメッキ材処理装置

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JPH07188792A
JPH07188792A JP33820893A JP33820893A JPH07188792A JP H07188792 A JPH07188792 A JP H07188792A JP 33820893 A JP33820893 A JP 33820893A JP 33820893 A JP33820893 A JP 33820893A JP H07188792 A JPH07188792 A JP H07188792A
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container
plating material
plating
gas
heating
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JP33820893A
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Mizuhito Tanaka
瑞人 田中
Kiyoto Miyasaka
清人 宮阪
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 メッキ材の加熱が短時間ででき、効率のよい
メッキ材処理装置を提供する。 【構成】 スクラップ15を加熱するための輻射管型バ
ーナ5と、加熱された雰囲気ガスを循環させるためのフ
ァン6と、炉内を対流する雰囲気ガスの流れを整流する
カバー7と、スクラップ15から蒸発する亜鉛を回収す
るための亜鉛トラップとが具備され、真空ポンプにより
減圧可能な真空加熱炉2が設けられている。そして、輻
射管型バーナ5により加熱された雰囲気ガスがファン6
により真空加熱炉2内の周辺部から中心部へと対流して
スクラップ15が加熱されるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、表面に金属メ
ッキが施されたメッキ材を鉄スクラップとして再利用す
る際等に用いられ、メッキ材からメッキ金属を除去して
メッキ金属を高効率で回収するとともに、純度の高い鉄
を得るメッキ材処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉱物資源に乏しい我が国においては、廃
棄物をリサイクルして再度原料として利用することは工
業および環境保護の面から極めて重要な課題になってい
る。例えば、自動車の車体に用いられる亜鉛メッキ鋼板
のスクラップでは、このスクラップから亜鉛を除去する
ことにより純度の高い鉄を再生し、この鉄を製鋼材料と
して再利用することが行なわれている。
【0003】前記スクラップから亜鉛を除去する方法と
しては、スクラップを加熱して、鉄(融点:1540
℃、沸点:2750℃)に比べて沸点の低い亜鉛(融
点:419.6℃、沸点:907℃)を蒸発させる方法
が採られており、この方法を利用した処理装置として
は、次に示す2種類の装置が知られている。
【0004】その一つは、焼成炉を用いた処理装置であ
り、この装置では、フィーダ等を用いて亜鉛メッキ鋼板
のスクラップを焼成炉内に投入し、炉内に設けられたメ
ッシュベルトによりスクラップを移動する間に、加熱装
置によりこのスクラップを約900℃程度に加熱し亜鉛
を蒸発させて取り除き、その後、水スプレー等を用いて
冷却して亜鉛が除去された鉄スクラップを作製し、この
鉄スクラップにさらにショットブラスト等を施して残留
亜鉛を取り除くことにより製鋼材料用の鉄スクラップが
得られるようになっている。
【0005】他の一つは、キューポラを用いた処理装置
であり、この処理装置では、キューポラのシャフト炉に
炭材と亜鉛メッキ鋼板のスクラップとを投入し、このシ
ャフト炉の下部から炉内に熱風を吹き込みシャフト炉内
を高温の還元雰囲気にした状態でスクラップを降下させ
る。このスクラップは、炉内を降下する間に、溶融鉄と
亜鉛蒸気とに分離されるので、溶融鉄をシャフト炉の下
部から取り出すとともに、噴出する亜鉛蒸気をシャフト
炉の上部から取り出す。以上により、製鋼材料用の溶湯
が得られるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
焼成炉を用いた処理装置、およびキューポラを用いた処
理装置のいずれにおいても、各々解決すべき問題点が存
在する。すなわち、焼成炉を用いた処理装置では、積載
されたスクラップの内部まで所定の温度に加熱するのに
長時間かかってしまうという問題点がある。残留した亜
鉛は、ショットブラスト等では取り除くことはできない
ので、この残留亜鉛を含む鉄を再利用するために溶解炉
で再溶解すると、残留亜鉛が溶解炉の炉壁を侵食し劣化
させるという問題点がある。また、スクラップを水冷す
る際にスクラップの表面から亜鉛が蒸発するが、この亜
鉛蒸気には有害な酸化亜鉛が含まれているので、この酸
化亜鉛を取り除く集塵機等の公害処理設備が必要とな
り、また、回収される酸化亜鉛の処理が新たに必要とな
る等の問題点がある。
【0007】また、キューポラを用いた処理装置では、
前記シャフト炉の上部から噴出する亜鉛蒸気の処理が問
題であり、亜鉛蒸気を冷却するために新たに冷却設備が
必要となり、また、この際発生するダストの処理のため
の処理設備が必要になる。したがって、噴出する亜鉛蒸
気の処理に要するエネルギーおよびコストが莫大なもの
になってしまうという問題点がある。
【0008】本発明は、前記の事情に鑑みてなされたも
のであって、短時間にメッキ材を加熱することができ、
メッキ金属の回収とともに、鉄の回収を効率よく行ない
得るメッキ材処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1記載のメッキ材の処理方法は、容器内に
メッキ材を装入した後、前記容器内を非酸化性のガスで
加圧しつつ前記メッキ材の加熱を行ない、ついで、前記
容器内を真空排気しつつ前記メッキ材の加熱を行なうこ
とにより、前記メッキ金属を蒸発させて前記メッキ材か
ら分離させるようにしたことを特徴とするものである。
【0010】また、請求項2記載のメッキ材の処理方法
は、容器内にメッキ材を装入した後、前記容器内に対し
て非酸化性のガスによる加圧、減圧を交互に繰り返し行
ないつつ前記メッキ材の加熱を行ない、ついで、前記容
器内を真空排気しつつ前記メッキ材の加熱を行なうこと
により、前記メッキ金属を蒸発させて前記メッキ材から
分離させるようにしたことを特徴とするものである。
【0011】また、請求項3記載のメッキ材処理装置
は、メッキ材を収容する減圧、加圧可能とされた容器
と、該容器内に設けられ、前記メッキ材を加熱するため
の加熱手段と、前記容器内を真空排気するための真空排
気手段と、前記容器内に雰囲気ガスを供給するととも
に、該容器内を加圧するための加圧手段と、前記容器内
の雰囲気ガスを対流させるためのファンと、前記メッキ
材表面から蒸発したメッキ金属を回収するためのメッキ
金属回収装置とが具備されたことを特徴とするものであ
る。
【0012】また、請求項4記載のメッキ材処理装置
は、メッキ材を収容する減圧、加圧可能とされた容器
と、該容器内に設けられ、前記メッキ材を加熱するため
の加熱手段と、前記容器内を真空排気するための真空排
気手段と、前記容器内に雰囲気ガスを供給するととも
に、該容器内を加圧するための加圧手段と、前記容器内
の雰囲気ガスを対流させるためのファンと、該ファンに
より前記雰囲気ガスが対流する際に該雰囲気ガスの流れ
を整流する整流部材と、前記メッキ材表面から蒸発した
メッキ金属を回収するためのメッキ金属回収装置とが具
備されたことを特徴とするものである。
【0013】また、請求項5記載のメッキ材処理装置
は、メッキ材を収容する減圧、加圧可能とされた容器
と、該容器内に設けられ、前記メッキ材を加熱するため
の加熱手段と、前記容器内を真空排気するための真空排
気手段と、前記容器内に雰囲気ガスを供給するととも
に、該容器内を加圧するための加圧手段と、前記容器の
外部に配設され、前記雰囲気ガスが内部を流通して前記
容器に循環するようにされたガス循環管路と、該ガス循
環管路の途中に設けられ、前記雰囲気ガスを循環させる
ためのファンと、前記ガス循環管路の途中に設けられ、
前記メッキ材表面から蒸発したメッキ金属を回収するた
めのメッキ金属回収装置とが具備されたことを特徴とす
るものである。
【0014】
【作用】請求項1記載のメッキ材の処理方法において
は、容器内においてメッキ材の加熱を行なう際に、容器
内を非酸化性のガスで加圧するようにしているので、加
熱されるガスの熱伝導率が高くなることによって、容器
内が短時間のうちに加熱される。
【0015】また、請求項2記載のメッキ材の処理方法
においては、容器内においてメッキ材の加熱を行なう際
に、容器内の加圧、減圧を繰り返し行なうようにしてい
るので、加熱されるガスの炉内における移動速度が大き
くなることによりその熱伝導率が高くなり、容器内が短
時間のうちに加熱される。
【0016】請求項3記載のメッキ材処理装置において
は、加熱手段が容器内の雰囲気ガスを加熱し、加熱され
た雰囲気ガスをファンにより容器内に対流させる。これ
により容器内に収容したメッキ材を所定の温度まで加熱
する。この際、加圧手段により、前述したように、容器
内を加圧、もしくは加圧、減圧を繰り返し行なうように
する。ついで、真空排気手段により容器内を真空排気す
るとともにメッキ材の加熱を続けると、鉄に比べて沸点
の低いメッキ金属が大気圧状態の沸点より低い温度で蒸
発してメッキ材から分離する。そして、蒸発したメッキ
金属はメッキ金属回収装置により回収される。一方、メ
ッキ金属が除去された鉄スクラップは加熱終了後、容器
から取り出される。
【0017】また、請求項4記載のメッキ材処理装置に
おいては、加熱手段が容器内の雰囲気ガスを加熱し、加
熱された雰囲気ガスがファンにより容器内に対流する際
に、雰囲気ガスの流れは整流部材により整流されて容器
内全体にわたってよどみなく流れ、これにより容器内に
収容したメッキ材を所定の温度まで加熱する。そして、
メッキ材からのメッキ金属の分離が行なわれる。
【0018】また、請求項5記載のメッキ材処理装置に
おいては、加熱された雰囲気ガスがファンにより容器内
に対流することによりメッキ材を所定の温度まで加熱す
る。ここで、鉄に比べて沸点の低いメッキ金属が蒸発
し、そのメッキ金属蒸気は雰囲気ガスに混入して、ガス
循環管路に流れ込む。すると、ガス循環管路の途中に設
けられたメッキ金属回収装置によって、ガス中のメッキ
金属分が回収される。さらに、真空排気手段により容器
内を真空排気するとともにメッキ材の加熱を続けると、
鉄に比べて沸点の低いメッキ金属が大気圧状態の沸点よ
り低い温度で蒸発してメッキ材から分離する。
【0019】
【実施例】以下、本発明のメッキ材処理装置の第1の実
施例を図1および図2を参照して説明する。図1および
図2は本実施例のメッキ材処理装置1を示す図であっ
て、図中符号2は真空加熱炉(容器)、Wはワーク、3
は亜鉛トラップ(メッキ金属回収装置)、4は真空ポン
プ(真空排気手段)、5は輻射管型バーナまたは電熱ヒ
ータ(加熱手段)、6はファン、7はカバー(整流部
材)である。
【0020】図1に示すように、真空加熱炉2は、上部
側が開口してワーク出入口8とされた略円筒状の炉体9
と、そのワーク出入口8を塞ぐ炉蓋10とからなるもの
であり、外周の壁部は断熱材11で覆われている。ま
た、炉体9の底部には外部有熱ガス導入管12が連結さ
れ、炉体9上方の側部には炉内ガス排出管13が連結さ
れている。また、炉内ガス排出管13は煙突(図示せ
ず)に通じる本管13aとガス冷却装置(図示せず)に
通じる炉内ガス循環管13bとに分岐されている。外部
有熱ガス導入管12は、他の装置で発生した燃焼排ガ
ス、あるいは加熱装置で発生させた高温ガスを予熱に利
用する場合に使用するもの、炉内ガス排出管13は炉内
のガスを煙突に排出する、もしくは炉内を冷却する際に
炉内のガスをガス冷却装置へと導入するためのものであ
る。
【0021】また、炉体9の底部には炉床14が設置さ
れており、炉床14には炉内のガスを流通させるための
孔(図示せず)が形成されている。そして、この上面に
処理対象であるワークWが載置されるようになってい
る。このワークWは、シュレッダー等により切断し任意
の形状に丸めた多数個の亜鉛メッキ鋼板のスクラップ1
5(メッキ材)を、上方が開口した金網円筒状のバスケ
ット16の内部に装入したものである。
【0022】一方、図2に示すように、炉体9の側部に
は亜鉛蒸気排出口17が形成され、亜鉛トラップ3に連
結されている。亜鉛トラップ3は、スクラップ15から
蒸発した亜鉛蒸気を冷却し凝縮させることにより亜鉛
(メッキ金属)を回収するものである。また、亜鉛トラ
ップ3は真空ポンプ4に接続されている。したがって、
この真空ポンプ4を作動させることにより、真空加熱炉
2内が真空排気されるとともに、真空加熱炉2内で発生
した亜鉛蒸気が亜鉛トラップ3に導入されるようになっ
ている。
【0023】図1および図2に示すように、輻射管型バ
ーナ5が、炉体9の内周に沿って炉体9の上下方向に延
びて複数本、設置されている。この輻射管型バーナ5は
1本の閉塞管18の内部でLNGを空気とともに燃焼さ
せるものであって、複数の輻射管型バーナ5により生じ
る輻射熱で炉内を加熱するものである。また、電熱ヒー
タを使用することもできる。
【0024】また、図1に示すように、炉内の雰囲気ガ
スを対流させるためのファン6が炉体9の底部に設置さ
れ、炉内にワークWを装入したときにワークWを取り囲
むようにカバー7が設置されている。このカバー7は、
略円筒状の側板部19と孔20を有する底板部21とか
らなり、上部方向ほど広く開いた形状になっている。そ
して、これらファン6とカバー7との作用により炉体内
のガスが矢印Aで示す向きに循環されることによって、
炉内が均一かつ急速に加熱されるようになっている。
【0025】前記構成のメッキ材処理装置1を用いてス
クラップ15の処理を行なう際には、輻射管型バーナ5
により真空加熱炉2内の雰囲気ガスを加熱し、加熱され
た雰囲気ガスをファン6により炉内に対流させて、炉内
に収容したスクラップ15を所定の温度まで加熱する。
なお、対流中、外部有熱ガス導入管12、炉内ガス排出
管13、亜鉛蒸気排出口17との連絡は弁によって閉じ
る。途中で、外部有熱ガス導入管12、亜鉛蒸気排出口
17との間の弁を開いて、外部有熱ガス導入管12より
新しい高温のガスを導いて内部のガスを入れ替えること
も可能である。ついで、真空ポンプ4により炉内を真空
排気するとともにスクラップ15の加熱を続けると、鉄
に比べて沸点の低い亜鉛が大気圧状態の沸点より低い温
度で蒸発してスクラップ15から分離する。そして、蒸
発した亜鉛は亜鉛トラップ3により回収される。一方、
亜鉛が除去された鉄スクラップは加熱終了後、真空加熱
炉2から取り出される。
【0026】本実施例のメッキ材処理装置1において
は、真空加熱炉2が輻射管型バーナ5、ファン6、カバ
ー7を備え、輻射管型バーナ5により加熱された炉内の
雰囲気ガスがファン6とカバー7とにより炉内を外周部
から中心部へとよどみなく対流するように構成されてい
るので、装入したワークWの加熱を効率的に行なうこと
ができる。すなわち、カバー7が上向きになっているの
で、対流がワークWの下部だけ大きく発生することはな
く、上部のスクラップ15にも加熱ガスが循環する。特
に、このワークWは、亜鉛メッキ鋼板を切断して任意の
形状に丸めたスクラップ15をバスケット16の内部に
装入したものであり、個々のスクラップ15の間には多
くの間隙が存在しているため、この間隙に高温の雰囲気
ガスを流すことによりスクラップ15全体を効率的に加
熱することができる。したがって、スクラップ15の加
熱に要する時間を短縮することができ、ひいては、スク
ラップ15の処理全体に要する時間を短縮することがで
きる。
【0027】また、このメッキ材処理装置1は、真空加
熱炉2と炉内を真空排気するための真空ポンプ4との間
に亜鉛トラップ3を備えているため、鉄のみならず、ス
クラップ15から除去した亜鉛をも回収することができ
る。
【0028】なお、本実施例のメッキ材処理装置1にお
いては、真空加熱炉2の底部にファン6が設置され、ワ
ークWを取り囲む略円筒状のカバー7が設置された構成
としたが、この構成に限るものではなく、ファン6の設
置位置やカバー7の形状、設置位置等については、適宜
変更することが可能である。
【0029】つぎに、本発明のメッキ材処理装置の第2
の実施例について図3を参照して説明する。本実施例の
メッキ材処理装置22においては、ワークを挿入する真
空加熱炉自体と、亜鉛トラップ、真空ポンプ等の周辺装
置は第1の実施例と同様であるが、炉内の雰囲気ガスを
循環させるためのガス循環管路が真空加熱炉外部に配設
され、このガス循環管路の途中にファンおよび他の亜鉛
トラップが設けられていることが本実施例の特徴であ
る。
【0030】図3に示すように、真空加熱炉23には、
外部有熱ガス導入管24、炉内ガス排出管25が接続さ
れるとともに、第1の亜鉛トラップ、真空ポンプが順
次、接続されている(図2と同様であり、図示を省略し
た。)。また、真空加熱炉23の底部には炉床26が設
けられており、炉床26の上部にワークW1 が載置され
るようになっている。このワークW1 は、多数個の亜鉛
メッキ鋼板のスクラップ(メッキ材)15を中心部にガ
ス流通孔27を有する金網円筒状のバスケット28の内
部に装入したものである。また、真空加熱炉23の内周
に沿って複数の輻射管型バーナまたは電熱ヒータ29が
設置されている。
【0031】また、炉内にワークW1 を装入したときに
ワークW1 を取り囲むようにカバー30が設置されてい
る。カバー30は略円筒状の側板部31と孔32を有す
る底板部33とからなるものであり、底板部33の孔3
2にはガス循環管路34が接続され、ガス循環管路34
は真空加熱炉23の外部に取り出された後、真空加熱炉
23底部におけるカバー30の外部に分岐して接続され
ている。また、ガス循環管路34の途中にはファン35
および第2の亜鉛トラップ36(メッキ金属回収装置)
が設置されるとともに、非酸化性ガスが導入されるよう
になっている。そこで、炉内の対流加熱を行なう際に
は、加熱された炉内の雰囲気ガスが矢印Bで示す向きに
ガス循環管路34内を流れるようになっている。
【0032】本実施例のメッキ材処理装置22を用いて
スクラップ15の処理を行なう際には、輻射管型バーナ
29により真空加熱炉23内の雰囲気ガスを加熱し、加
熱された雰囲気ガスをファン35により真空加熱炉23
とガス循環管路34とに循環させて、真空加熱炉23内
に収容したスクラップ15を所定の温度まで加熱する。
この対流加熱によりスクラップ15の温度が上昇した時
点でスクラップ15から若干の亜鉛が蒸発するが、この
亜鉛蒸気は雰囲気ガスと混在してガス循環管路34内を
流れ、第2の亜鉛トラップ36により回収される。つい
で、真空ポンプにより炉内を真空排気するとともにスク
ラップ15の加熱を続けると、鉄に比べて沸点の低い亜
鉛が大気圧状態の沸点より低い温度で蒸発し、蒸発した
亜鉛は真空ポンプ側の第1の亜鉛トラップにより回収さ
れる。一方、亜鉛が除去された鉄スクラップは加熱終了
後、真空加熱炉23から取り出される。
【0033】本実施例のメッキ材処理装置22において
は、炉内の対流加熱の際に、加熱された雰囲気ガスがワ
ークW1 のガス流通孔27からガス循環管路34に流れ
込み、亜鉛トラップ36、ファン35を経て、再度炉内
に戻り、カバー30の外部からワークW1 のガス流通孔
27へという経路で安定して流れ、さらにワークW1
内部にもガスが充分に流れるため、スクラップ15を有
効に加熱することができ、スクラップ15からの亜鉛の
分離を効率的に行なうことができる。
【0034】また、ガス循環管路34の途中に第2の亜
鉛トラップ36を設けたことにより、第1の亜鉛トラッ
プのみならず、真空加熱の前段階で蒸発する亜鉛を第2
の亜鉛トラップ36で回収することができ、亜鉛の回収
を効率良く行なうことができる。
【0035】なお、本実施例においては、真空加熱炉2
3に対してガス循環管路34と、第1の亜鉛トラップお
よび真空ポンプのラインとを別個に設けた構成とした
が、この構成に代えて、ガス循環管路34上に真空ポン
プを設置して、炉内を真空排気し、蒸発した亜鉛を対流
加熱時、真空加熱時ともにガス循環管路34上の亜鉛ト
ラップにより回収するように変更することもできる。
【0036】つぎに、本発明のメッキ材処理装置の第3
の実施例について図4を参照して説明する。本実施例の
メッキ材処理装置37においては、ワークを装入する真
空加熱炉自体、および亜鉛トラップ、真空ポンプ等の周
辺装置は第1、第2の実施例と同様であるが、真空加熱
炉内を加圧するための圧縮機(加圧手段)が設けられて
いることが本実施例の特徴である。
【0037】図4に示すように、真空加熱炉38には、
燃焼排ガス導入管39、炉内ガス排出管40が接続され
るとともに、亜鉛トラップ、真空ポンプが順次、接続さ
れている(図2と同様であり、図示を省略した。)。ま
た、真空加熱炉38の底部には炉床41が設けられてお
り、炉床41の上部にワークW2 が載置されるようにな
っている。また、真空加熱炉38の内周に沿って複数の
輻射管型バーナ42が設置され、炉床41の下部にはフ
ァン43がオプションとして取り付けられている。
【0038】そして、圧縮機44が圧縮機連絡管45を
介して真空加熱炉38の底部に接続されている。したが
って、真空加熱炉38の内部は真空ポンプにより減圧可
能とされるとともに、圧縮機44により窒素ガス等の非
酸化性ガスが導入されて加圧可能とされている。
【0039】本実施例のメッキ材処理装置37を用いて
スクラップ15の処理を行なう際には、例えば以下に示
す2つの処理方法を採ることができる。その1つは、対
流加熱、真空加熱の2つの加熱工程のうち、対流加熱工
程において、圧縮機44を作動させて真空加熱炉38内
を非酸化性ガスで加圧する方法である。この方法で対流
加熱を行なうと、炉内のガスが加圧されることにより熱
伝導率が向上するため、加熱時間を短縮させることがで
きる。ついで、圧縮機44を停止し、真空ポンプを作動
させて、真空加熱工程を行ない、大気圧状態より低い沸
点でスクラップ15から蒸発した亜鉛が亜鉛トラップに
より回収される。一方、亜鉛が除去された鉄スクラップ
は加熱終了後、真空加熱炉38から取り出される。
【0040】他の方法は、対流加熱工程において、圧縮
機44と真空ポンプとを用いて真空加熱炉38内の加
圧、減圧を交互に繰り返す方法である。この方法で対流
加熱を行なうと、炉内のガスの移動速度が大きくなるこ
とによりその熱伝導率が高くなるため、加熱時間を短縮
させることができる。ついで、真空加熱工程を行ない、
スクラップ15から蒸発した亜鉛が亜鉛トラップにより
回収される。一方、亜鉛が除去された鉄スクラップは加
熱終了後、真空加熱炉38から取り出される。
【0041】本実施例のメッキ材処理装置37において
は、圧縮機44が備えられたことにより、前述した2つ
の処理方法、すなわち対流加熱工程で加圧する方法、加
圧、減圧を繰り返す方法のいずれを用いても、炉内のガ
スの熱伝導率を向上させ、対流加熱工程における加熱時
間を短縮することができる。その結果、スクラップ15
の処理時間全体を短縮することができる。なお、ファン
43は、加圧ガスの伝熱作用や減圧時の亜鉛除去作用を
増幅させる働きをするものであり、必ずしもなくてもよ
い。
【0042】なお、第1、第2、第3の実施例全てにわ
たって、メッキ材処理装置の処理対象を亜鉛メッキ鋼板
として亜鉛と鉄とを分離する場合に適用したが、メッキ
材の種類としてはその他、種々のものに適用することが
できる。
【0043】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、請求項1
記載のメッキ材の処理方法においては、容器内を加圧し
つつ、メッキ材の対流加熱を行なうようにしたため、容
器内の雰囲気ガスが加圧されることにより熱伝導率が向
上するため、加熱時間を短縮させることができる。その
結果、メッキ材の処理時間全体を短縮することができ、
生産性を向上させることができる。
【0044】また、請求項2記載のメッキ材の処理方法
においては、容器内の加圧、減圧を繰り返しつつ、メッ
キ材の対流加熱を行なうようにしたため、容器内の雰囲
気ガスの移動速度が増加することにより熱伝導率が向上
するため、加熱時間を短縮させることができる。その結
果、メッキ材の処理時間全体を短縮することができ、生
産性を向上させることができる。
【0045】また、請求項3記載のメッキ材処理装置
は、加熱手段、ファンが備えられたことにより、加熱手
段により加熱された雰囲気ガスが容器内を対流するの
で、メッキ材を効率的に加熱することができる。そし
て、加熱の際には、加圧手段または真空排気手段により
容器内を加圧、もしくは加圧、減圧を繰り返すようにし
てより効率的に加熱を行なうことができる。したがっ
て、メッキ材の加熱に要する時間を短縮することがで
き、その結果、メッキ材の処理時間全体を短縮すること
ができるため、メッキ材処理装置における生産性を向上
させることができる。また、メッキ金属回収装置により
メッキ金属も回収することができる。
【0046】また、請求項4記載のメッキ材処理装置
は、整流部材が設けられたことにより加熱された雰囲気
ガスが容器内をよどみなく対流するので、メッキ材を効
率的に加熱することができ、その結果、メッキ材の加熱
に要する時間を短縮することができ、メッキ材の処理時
間全体を短縮することができる
【0047】また、請求項5記載のメッキ材処理装置
は、容器内の加熱された雰囲気ガスがガス循環管路およ
び容器の間を循環するようにされ、ガスの流通経路が安
定しているため、メッキ材を有効に加熱することがで
き、メッキ材の処理時間全体を短縮することができるた
め、メッキ材処理装置における生産性を向上させること
ができる。また、ガス循環管路の途中にメッキ金属回収
装置が設けられたことにより、雰囲気ガスがガス循環管
路内を流れる際に混入するメッキ金属蒸気がメッキ金属
回収装置に導入されるので、メッキ金属の回収を効率良
く行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるメッキ材処理装置
の構成を示す図である。
【図2】同装置の平断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例であるメッキ材処理装置
の構成を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施例であるメッキ材処理装置
の構成を示す図である。
【符号の説明】
1、22、37 メッキ材処理装置 2、23、38 真空加熱炉(容器) 3 亜鉛トラップ(メッキ金属回収装置) 4 真空ポンプ(真空排気手段) 5、29、42 輻射管型バーナまたは電熱ヒータ(加
熱手段) 6、35、43 ファン 7、30 カバー(整流部材) 15 スクラップ(メッキ材) 34 ガス循環管路 36 第2の亜鉛トラップ(メッキ金属回収装置) 44 圧縮機(加圧手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属メッキされたメッキ材をメッキ金属
    と鉄とに分離するための処理方法であって、 容器内に前記メッキ材を装入した後、前記容器内を非酸
    化性のガスで加圧しつつ前記メッキ材の加熱を行ない、
    ついで、前記容器内を真空排気しつつ前記メッキ材の加
    熱を行なうことにより、前記メッキ金属を蒸発させて前
    記メッキ材から分離させるようにしたことを特徴とする
    メッキ材の処理方法。
  2. 【請求項2】 金属メッキされたメッキ材をメッキ金属
    と鉄とに分離するための処理方法であって、 容器内に前記メッキ材を装入した後、前記容器内に対し
    て非酸化性のガスによる加圧、減圧を交互に繰り返し行
    ないつつ前記メッキ材の加熱を行ない、ついで、前記容
    器内を真空排気しつつ前記メッキ材の加熱を行なうこと
    により、前記メッキ金属を蒸発させて前記メッキ材から
    分離させるようにしたことを特徴とするメッキ材の処理
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のメッキ材の処
    理方法に用いるメッキ材処理装置であって、 前記メッキ材を収容する減圧、加圧可能とされた容器
    と、 該容器内に設けられ、前記メッキ材を加熱するための加
    熱手段と、 前記容器内を真空排気するための真空排気手段と、 前記容器内に雰囲気ガスを供給するとともに、該容器内
    を加圧するための加圧手段と、 前記容器内の雰囲気ガスを対流させるためのファンと、 前記メッキ材表面から蒸発したメッキ金属を回収するた
    めのメッキ金属回収装置とが具備されたことを特徴とす
    るメッキ材処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載のメッキ材の処
    理方法に用いるメッキ材処理装置であって、 前記メッキ材を収容する減圧、加圧可能とされた容器
    と、 該容器内に設けられ、前記メッキ材を加熱するための加
    熱手段と、 前記容器内を真空排気するための真空排気手段と、 前記容器内に雰囲気ガスを供給するとともに、該容器内
    を加圧するための加圧手段と、 前記容器内の雰囲気ガスを対流させるためのファンと、 該ファンにより前記雰囲気ガスが対流する際に該雰囲気
    ガスの流れを整流する整流部材と、 前記メッキ材表面から蒸発したメッキ金属を回収するた
    めのメッキ金属回収装置とが具備されたことを特徴とす
    るメッキ材処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載のメッキ材の処
    理方法に用いるメッキ材処理装置であって、 前記メッキ材を収容する減圧、加圧可能とされた容器
    と、 該容器内に設けられ、前記メッキ材を加熱するための加
    熱手段と、 前記容器内を真空排気するための真空排気手段と、 前記容器内に雰囲気ガスを供給するとともに、該容器内
    を加圧するための加圧手段と、 前記容器の外部に配設され、前記雰囲気ガスが内部を流
    通して前記容器に循環するようにされたガス循環管路
    と、 該ガス循環管路の途中に設けられ、前記雰囲気ガスを循
    環させるためのファンと、 前記ガス循環管路の途中に設けられ、前記メッキ材表面
    から蒸発したメッキ金属を回収するためのメッキ金属回
    収装置とが具備されたことを特徴とするメッキ材処理装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100375074B1 (ko) * 2000-09-22 2003-03-08 주식회사 케이피티 도금 금속의 무공해 재활용 방법 및 장치
KR101322129B1 (ko) * 2011-12-12 2013-10-28 주식회사 포스코 아연 함유 강재로부터의 탈아연 방법
KR101322071B1 (ko) * 2011-12-12 2013-11-04 주식회사 포스코 아연 함유 물질로부터 탈아연 회수 방법 및 장치

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