JPH0718841U - 輪転式パッド印刷機におけるインキ転写ロール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 球状、楕円球状、または円筒形状の側面等の
曲率の大きな曲面もしくは表面に多数のディンプルが形
成された球面や長尺平面などの被印刷物に絵柄の太りや
歪み等の変形を押さえて印刷ができる輪転式パッド印刷
機を提供する。 【構成】 凹版ロール２と該凹版ロール２にインキを供
給する手段と、該凹版ロールの非画線部のインキを除去
するドクターブレード３と、該凹版ロー２ルの凹部のイ
ンキを被印刷部材に転写するインキ転写ロール１からな
る輪転式パッド印刷機におけるインキ供給ロールにおい
て、該インキ転写用ロール１の片側面または両側面に該
インキ転写ロールの外径よりやや小さな径を有する円盤
状側板１−３を設けたことを特徴とする輪転式パッド印
刷機におけるインキ供給ロール。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、球面、楕円球面、円筒形状の側面等の曲率の大きな立体面もしくは 小さな凹部（ディンプル）を有する長尺平面や球面に模様や絵柄を変形せずに印 刷することができる輪転式パッド印刷機におけるインキ転写ロールに関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

輪転式パッド印刷機は、図５に示すように、凹版ロール２とインキ転写ロール １から主としてなるものであり、輪転式パッド印刷機で被印刷物Ａへ模様や絵柄 を印刷するには、印刷しようとする模様や絵柄が刻まれた凹版ロール２に、例え ばインキ皿５からインキ４を直接供給するかまたはインキ供給ロールを介してイ ンキを供給し、ドクターブレード３で凹版ロール非画線部のインキを掻き落とし 、さらに凹版ロールの画線部の凹部に溜ったインキをインキ転写ロール１に転写 した後、該インキ転写ロール１から被印刷部材Ａへインキを転写して印刷される 。

【０００３】 従来、輪転式パッド印刷機のインキ転写ロール１は、図５に示すように、円筒 状のロールコア１−２の外周面にシリコーンゴム等の弾性部材からなるパッド１ −１が形成されている。凹版ロール２に一定の押圧力でインキ転写ロール１が圧 接されることにより、凹版ロール２の版面の画線部の凹部のインキがインキ転写 ロール１のパッド１−１の表面に転写され、この転写されたインキがインキ転写 ロール１と同期移動する被印刷物Ａへさらに転写されることにより被印刷部材Ａ に凹版ロール２に刻印された模様や絵柄が印刷される。

【０００４】 従来の輪転式パッド印刷機では、被印刷物の形状は平面物が主であり、曲面は ゆるやかな３次曲面まで印刷することもある。また、輪転式パッド印刷機は、紙 はもちろんのこと、金属、プラスチック、陶器、ガラス、菓子類のような硬質表 面や、壊れやすい物、柔らかい物に印刷が可能であり、応用の広い印刷機である 。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の輪転式パッド印刷機では、ゆるやかな３次元の曲面に印 刷することはできるが、球状、楕円球状、または円筒形状の側面などの曲率の大 きな曲面もしくはゴルフボールのようなディンプルを有する球面やディンプルを 有する長尺物の平面へ印刷するに際して、以下のような問題があった。

【０００６】 すなわち、曲率の大きな曲面やディンプルを有する面へ印刷するためには、絵 柄の食い込みを考慮して、インキ転写ロールを被印刷物へ高い圧接圧力で押圧さ せなければならない。図４で示したように、ディンプルＢを有する被印刷物Ａに インキ転写ロール１が高い押圧力で圧接されるため、インキ転写ロール１のパッ ドである弾性部材１−１が軸方向の両側および回転方向に膨らみ、被印刷物Ａへ のインキの転写に際して、絵柄の伸び、太りや歪み等の変形が生じてしまう。

【０００７】 本考案は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、球状、楕円球 状、または円筒形状の側面等の曲率の大きな曲面もしくは表面に多数のディンプ ルが形成された球面や長尺平面などの被印刷物に絵柄の太りや歪み等の変形を押 さえて印刷ができる輪転式パッド印刷機を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、凹版ロールと該凹版ロールにインキを供給する手 段と、該凹版ロールの非画線部のインキを除去するドクターブレードと、該凹版 ロールの凹部のインキを被印刷部材に転写するインキ転写ロールからなる輪転式 パッド印刷機におけるインキ転写ロールにおいて、該インキ転写用ロールの片側 面または両側面に該インキ転写ロールの外径よりやや小さな径を有する円盤状側 板を設けたことを特徴とする輪転式パッド印刷機におけるインキ転写ロールに関 するものである。

【０００９】

【実施例および作用】

以下、図面により本考案を詳細に説明する。

【００１０】 図１は、本考案の輪転式パッド印刷機の説明図である。凹版ロール２、ドクタ ーブレード３は、図５に示した従来の輪転式パッド印刷機と同様なので説明を省 略する。凹版ロール２にインキを供給する手段も従来の輪転式パッド印刷機と同 様であり特に限定されないが、図１に示したように、インキ皿５から直接凹版ロ ール２へインキ４を付けてもよいし、インキ塗布ロールを介して、凹版ロール２ へインキを供給してもよい。

【００１１】 図２は、本考案におけるインキ転写ロールの説明図であり、（ａ）は断面図、 （ｂ）は平面図である。インキ転写ロール１は、ロールコア１−２の外周面にシ リコーンゴム等の弾性部材からなるパッド１−１が貼り付けられており、このイ ンキ転写ロール１の片側面または両側面には、インキ転写ロール１の外径よりや や小さな径を有する円盤状側板１−３を設けたことを特徴としている。

【００１２】 円盤状側板１−３は、パッドである弾性部材からなるパッド１−１が被印刷物 Ａへ圧接された時に変形するのを防ぐために設けるものであり、弾性部材からな るパッド１−１が変形するのを防ぐことができれば材質は特に限定されないが、 例えば、アルミニウム等の金属などの剛性の高いものが好ましい。

【００１３】 図３は、例えばゴルフボールのような小さなディンプルを有する球体の表面に 、印刷する場合の説明図であり、転写、押圧力によって発生する弾性部材からな るパッド１−１の押圧逃げの膨らみに対して、円盤状側板１−３をインキ転写ロ ール１の片側面または両側面に設けてあるので、弾性部材からなるパッド１−１ が軸方向および回転方向に逃げるのを防ぎ、絵柄の太りや歪み等の変形を押さえ て印刷ができる。また、円盤状側板１−３により、弾性部材からなるパッド１− １の変形圧力を被印刷部材Ａの表面へ集中させることができるので、従来の転写 ロールより絵柄の伸びや太り、変形を押さえた印刷ができると同時に圧接面積当 たりの圧力が大きいので凹部にも確実に密着し、インキを転写することができる 。

【００１４】 上記作用により、本考案の輪転式パッド印刷機用インキ転写ロールは、凹部を 有する球状被印刷物に限らず、球体、楕円形状、または円筒形状の側面などの曲 率の大きな曲面や、平面状の長尺物で表面に多数の小さな凹部が形成された被印 刷物にも、絵柄や模様の変形を起こさずに印刷が可能である。

【００１５】

【考案の効果】

本考案の輪転式パッド印刷機用インキ転写ロールは、従来の輪転式パッド印刷 機用インキ転写ロールと異なり、表面に多数のディンプルが形成された被印刷部 材や、曲率の大きな曲面を有する被印刷部材に、連続的な絵柄や模様を太りや歪 み等の変形を起こすことなく、インキを均一に転写して美しい印刷ができるとい う特徴を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の輪転式パッド印刷機の説明図。

【図２】本考案の輪転式パッド印刷機におけるインキ転
写ロールの説明図であり、（ａ）はその断面図、（ｂ）
はその平面図。

【図３】本考案のインキ転写ロールにより、ディンプル
を有する球面へ印刷するときの説明図。

【図４】従来のインキ転写ロールにより、ディンプルを
有する球面へ印刷するときの説明図。

【図５】従来の輪転式パッド印刷機の説明図。

【符号の説明】

１…インキ転写ロール １−１…パッド １−２…ロールコア １−３…円盤状側板 ２…凹版 ３…ドクターブレード ４…インキ ５…インキ皿 Ａ…被印刷部材 Ｂ…ディンプル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 凹版ロールと該凹版ロールにインキを
   供給する手段と、該凹版ロールの非画線部のインキを除
   去するドクターブレードと、該凹版ロールの凹部のイン
   キを被印刷部材に転写するインキ転写ロールからなる輪
   転式パッド印刷機におけるインキ転写ロールにおいて、
   該インキ転写用ロールの片側面または両側面に該インキ
   転写ロールの外径よりやや小さな径を有する円盤状側板
   を設けたことを特徴とする輪転式パッド印刷機における
   インキ転写ロール。